◎東芝の粉飾決算事件 会社をつぶしかねない犯罪

 この記事は、東芝のノートパソコンで書いています。東芝のパソコンは何台も買い、愛用してきました。その東芝が今年4月に発覚した粉飾決算事件で、縮小、リストラを続けていたパソコン事業から撤退する可能性もあるというのです。

 東芝の15年3月期連結決算は、過去の利益水増しを訂正して378億円の赤字になりました。この4~6月決算も122億円の赤字です。東証から特設注意市場銘柄に指定され、500円を超えていた株価は300円台で低迷したままです。

 粉飾決算のツケがいかに重いかを示しています。カネボウは、債務超過を隠したために上場廃止になり、その後会社はなくなりました。ライブドアやオリンパスの粉飾決算では、経営陣が逮捕されています。粉飾決算という会社の犯罪は、会社をつぶしかねない問題になります。

 「日経ビジネス」(8月31日号)が、不正の動機はアメリカの原発メーカー、ウエスチングハウス(WH)の買収にあると詳細に伝えています。企業価値としては、2000億円程度といわれるWHを、東芝は2006年に6600円で買収したのです。

東芝 腐食の原点
(「日経ビジネス」、2015年8月31日号から)

 買収のねらいは、政府・経産省が原発輸出の旗を振っていたからです。東芝の歴代社長は、全世界で33基、あるいは39基の原発受注を見込むと発表していました。

 2008年のリーマン・ショックと11年の東電福島第一原発事故で、このシナリオは吹っ飛びました。これまでの受注は10基にとどまっています。「東芝には巨額ののれん代と繰り延べ税金資産が残った。東芝が続けてきた不正会計はこの負の遺産を隠す行為ではなかったか」と「日経ビジネス」は分析しています。

 安倍首相は、「地球儀を俯瞰する外交」といって世界を飛び回り、これに多数の経団連幹部や大企業幹部を連れて回り、トップセールスをくり返しています。2013年には、原発売り込みでアラブ首長国連邦、トルコと原子力協定で合意し、サウジアラビアと交渉に合意しました。

 ここから見えてくるのは、原発利権に政官財が群がるという、“原発ムラ”の姿であり、原発再稼働と世界へ原発輸出をすすめている国策にあります。東芝の粉飾決算事件は、国会で「戦争法案」(安保法制)が最大の問題となっていた時と重なり、その闇はいまだに解明されてはいません。

 「東芝は国策の原発事業を続けるために好業績を装い続けた。不正会計を命じた東芝の経営陣もまた、もっと大きな力に突き動かされていた可能性がある」(「日経ビジネス」)というように、疑獄事件の可能性をも示唆しています。

 東芝粉飾決算事件の幕引きは許されず、解明はこれからです。
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その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/10/19 11:09
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