◎「極限の成果を追求」 トヨタが技能職に続いて事務・技術職にも

 トヨタ自動車がトヨタ労組に提案した、毎月評価、毎月賃金が変わるという“極限の成果主義”賃金が8月28日、労組の評議会で可決されました。

 職場からは、労組が認めるように、「評価に対する公平性・納得性が十分得られるのか」「マイナスの考課点を付けられたら意欲が減退する」「チームワークが悪化するのではないか」などの不安の声や反対の声が出るなかでの可決になりました。

 技能職(工場労働者)に導入するものです。「規律性」など4項目で評価し、「技能発揮給」を新設する成果主義賃金です。+4点の「期待を大幅に上回り、職場の模範となる」から、-1点の「期待を大幅に下回る」までの6段階で評価します。+1点が「期待どおり」の標準点としています。

 標準額は7万円で、1点あたり5000円。最高の+4点評価では8万5000円、最低の-1点では6万円となるために、最大で2万5000円の差が付くことになります。

堤 制か
(出勤するトヨタの労働者=堤工場)

 会社の当初の提案では、1点あたり1万円だったために、最大で5万円もの差がつくことになっていましたが、職場から反対・懸念の声が噴出したために、半額の2万5000円にしました。いかに不安の声が大きいかを示しました。

 このブログ「トヨタで生きる」にも、次のような8つの問題点を指摘したコメントが寄せられました(8月20日)。

……
 個人的にはデメリットが大きい制度だと感じます。

①公平にジャッジ(判定)できる上司がいるのか?
②現状、現場は好き嫌いのジャッジ(判定)が多い。
③評価が上がる技能員と評価が下がる技能員のモチベーションの管理、フォローの方向性は?

④評価が下がる技能員の人材育成方法は?(ほったらかし?)
⑤トヨタ基本理念の人間性尊重はどうなる?
⑦価値観多様の昨今、この制度、全技能員への落とし込み方法は?(納得させる材料は?)

⑧頑張る事をさせる導き方は?(誰が、いつ、どの様に、何を行うの?)
⑨最終結果デメリットが大きかった場合の方向性は?(誰が、いつ、どの様に、何を行うの?

    (注)⑥は欠番
……

 導入は16年1月からで、技能発揮給の変動開始は同年7月からとしていますが、今後、会社と組合は、組合員らのこうした疑問・不安に応える必要があるでしょう。

80 中日 20150829
(中日新聞も取り上げたトヨタの賃金=8月29日付)

 会社側は、技能職に続いて事務・技術職にも成果主義賃金を導入するとしています。7月に開かれた第1回労使検討委員会で、会社は次のような驚くべき提案をしています。

 「TPS(Time & Place Strategy)in the Office」(時と場所に捉われず仕事する)という位置づけで、「有限の時間で極限の成果を追求(個人の生産性)」するとしています。

 「1分1秒たりとも決してムダにしない」ともしており、いっさいのムダを省くTPS(トヨタ生産方式)の考え方を賃金でも貫徹させるものです。
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職場は今 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/08/30 09:55
コメント
No title
日給月給制の給与体系の下で、月給を変動制にすることは、法的に問題はないのでしょうか?

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