◎シリーズ「研究開発費と減税」 その③ 減税はもっぱら大企業が利用

 自民党政権は、成長力と国際競争力を強化するとして、企業の研究開発費に対し減税措置をとってきました。

 1999年度は、大企業と中小企業を合わせて545億円(このうち中小企業は155億円で総額の28・4%)にすぎませんでしたが、2007年度は6269億円へと急拡大しました。このうち中小企業と中堅企業を合わせると440億円で総額の7・0%)。

 急拡大したのは、研究開発費の「増加分」に対し減税する方式から、「総額」に減税する方式へと03年度から変更になったためです。日本経団連の要求にこたえたものでした。

 リーマン・ショックで企業の研究開発費が減少するのと合わせて、減税額も減りましたが、13年度は6220億円へと再び拡大しました。この13年度で、総額の約2割におよぶ1201億円もの最多の減税を受けていたのは、トヨタでした。

 トヨタの同年度の研究開発費は、9105億円でしたから、その13・2%の減税を受けていたことになります。研究開発減税が、多額の研究開発費を使う大企業に大きな恩恵があることがわかります。

 仮に15年度のトヨタの研究開発費、1兆500億円の13・2%が減税になったとすると1386億円の減税になる計算です。

 今年5月16日に名古屋市で開かれた第31回トヨタシンポジウムで、税財政問題研究者の垣内亮氏が「トヨタからみた日本の税制の問題点」と題して講演。次のように指摘しました。

20 垣内パワ 研究2


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 この研究開発減税は、はじめは、研究開発を促進するために、「研究費を増やした企業に対して、増やした額に応じて減税する」という仕組みでした。ところが、2003年、小泉内閣のときに、試験研究費の総額の10%を減税する、という仕組みに変えてしまった。

 もともと研究費の多い企業は、増やした年だけでなく、減らした年でも減税を受けられるようになった。それまでは年に数百億円だった減税額が、一気に数千億円、10倍くらいに増えました。法律上は、中小企業でも受けられることになっていますが、実際に減税を受けているのは、ほとんどが大企業です。
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 この記事は、8月19日アップの予定でしたが、都合により15日にアップしました。
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決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/08/15 16:12
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