◎シリーズ「研究開発費と減税」 その② 減税の仕組み

 トヨタ自動車が、日本の大企業でダントツの研究開発費を使っていることで、政府が企業名を隠していたにもかかわらず、トヨタだと判明したある事実があります。

 トヨタがどれだけの研究開発減税を受けているかという金額がわかったのです。「しんぶん赤旗」の今年3月8日付が明らかにしています。

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 2013年度に6240億円にのぼった法人税の研究開発減税額のうち、総額の約2割に及ぶ1201億円もの最多の減税を受けていたのは、トヨタ自動車(豊田章男社長)であることが本紙の試算でわかりました。

 研究開発減税は、対象を絞って税制上の優遇措置を講じる租税特別措置の一種です。

 13年度の租税特別措置に関する政府の調査報告書によれば、研究開発減税の最多減税額(1201億円)は2位(212億円)以下と比べ、飛び抜けて巨額。

 また業種別減税額は「輸送用機械器具製造業」(2256億円)が突出して多く、2位の「化学工業」(1125億円)以下を引き離していました。1社で1201億円もの減税を受けた企業の業種は輸送用機械器具製造業しかありえません。

 政府報告書は企業名を伏せていますが、有価証券報告書の「財務諸表」「税効果会計」からトヨタ自動車が受けた研究開発減税額を試算したところ、政府報告書に記載されている最多減税額と同程度になりました。

 トヨタ自動車は08年度から12年度の5年間、黒字の年度も含めて法人税(国税分)を1円も払っていませんでした。13年度には過去最高を更新する2兆3千億円近い営業利益をあげ、豊田社長が決算会見(14年5月8日)で「日本においても税金を納めることができる」ようになったと述べました。この年度にも巨額の減税を受けていたことになります。
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 では、研究開発減税の仕組みは、どうなっているのでしょうか? 今年5月16日に名古屋市で開かれた第31回トヨタシンポジウムで、税財政問題研究者の垣内亮氏が「トヨタからみた日本の税制の問題点」と題して講演しました。

 このなかで、垣内氏はパワーポイントで、研究開発減税の仕組みをわかりやすく説明しました。

20 垣内パワ 研究1


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 企業は、新製品の開発などで、多額の研究費を使います。
研究費には、研究用の機械などの購入費だけでなく、研究員の人件費、外部への委託費なども含みます。

 これらの研究費は、その他の生産や販売の費用と同様に、経費として計算され、企業の利益が出てきます。その利益に税率をかけて法人税を計算した後に、また、研究費の10%程度を、この法人税から税額控除するというものです。

 経費にカウントしたうえに、さらに法人税額からも引ける。二重に引ける仕組みです。
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 この記事は8月18日にアップの予定でしたが、都合により15日にアップしました。
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決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/08/15 16:03
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