◎被爆者の声が届かない

 被爆から70年。ヒロシマ、ナガサキの被爆者の訴えは、安倍首相に届きませんでした。これが唯一の被爆国の首相なのか? 長崎で落とされた原爆と同型の核模擬爆弾が8月14日に、トヨタ自動車本社工場など豊田市に3発落とされています。

 8月9日、長崎の田上富久市長は平和祈念式典で、出席した安倍首相に呼びかけました。

 「現在、国会では、国の安全保障のあり方を決める法案の審議が行われています。70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっています。政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯(しんし)な審議を行うことを求めます」

 集団的自衛権の行使などを盛り込んだ「戦争法案」(安保法制)が可決されることへの強い懸念の表明でした。市長がこの部分に言及すると、式典出席者からは2度も大きな拍手が起きました。

 被爆者代表の谷口稜曄(すみてる)さん(86)は、激烈でした。

長崎の被爆者 谷口さん
(谷口稜曄さん)

 「戦後日本は再び戦争はしない、武器は持たないと、世界に公約した『憲法』が制定されました。しかし、今集団的自衛権の行使容認を押しつけ、憲法改正を押し進め、戦時中の時代に逆戻りしようとしています。今政府が進めようとしている戦争につながる安保法案は、被爆者を始め平和を願う多くの人々が積み上げてきた核兵器廃絶の運動、思いを根底から覆そうとするもので、許すことはできません」

原爆ドーム
(広島の原爆ドーム)

 式典後に開かれた安倍首相と被爆5団体との面会で、長崎県被爆者手帳友の会の井原東洋一(とよいち)会長(79)は「『戦争元年』とも表現すべき危機感を禁じ得ない。私たちは何回も撤回を求めてきた」とのべました。

 安倍首相は「国民の命、平和な暮らしを守り抜くために、必要不可欠なもの」とのべ、取り合おうとしませんでした。8月6日の広島での被爆団体との面会でも同じでした。

 安倍政権と自民、公明の与党は、参院での戦争法案の審議が9月に100時間を超えることから、衆院に続いて参院でも強行採決する構えです。被爆者の声を踏みにじるつもりでしょうか。
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戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/08/10 16:40
コメント
No title
「安保法案」を「戦争法案」と表現する時点で
既に論点がズレているので、取り合いたくても
取り合えないでしょうね。

まずは「戦争法案」という表現をやめませんか。

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