◎戦争法案「合理化」論に反論 志位講演から

 日本共産党は7月15日、創立93周年を迎えました。志位和夫委員長は、同日、党本部で「戦争法案阻止へ――空前の国民的たたかいを」と題して記念講演しました。

 このうち安倍首相らの戦争法案「合理化」論に反論した部分を紹介します。

……

 ☆戦後70年の歴史をどうとらえるか

 国会論戦と国民のたたかいに追い詰められた安倍政権は、戦争法案を押し付けるために、苦し紛れの「合理化」論を言い立てています。

 それは、大きく言って二つあります。

志位93年記念講演
(記念講演する志位和夫委員長)

 一つは、戦後70年の日本の歴史をどうとらえるかにかかわってであります。

 安倍首相は言います。「安保条約を改定したときに、戦争に巻き込まれるといった批判が噴出しました。しかし、そうした批判が全く的外れなものであったことは、これまでの歴史が証明しています」。

 自民党高村副総裁もこう言います。「憲法学者の言うとおりにしていたら、今も自衛隊はありません。日米安全保障条約もありません。……自衛隊や日米安全保障条約が抑止力として働いて、平和と安全を維持してきたのであります」。

 ・日本が70年間、他国と戦火を交えることはなかったのは、何の力によるものか

 私は、ここには重大な歴史の歪曲(わいきょく)があると思います。

 第一に、日本は、この70年間、他国と直接の戦火を交えることはありませんでした。自衛隊は、半世紀余にわたって、一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出しておりません。これは何の力によるものでしょうか。もっぱら日米安保条約と自衛隊の力によるものでしょうか。それははなはだしい歴史の歪曲ではないでしょうか。

 日本国憲法第9条が存在し、多くの憲法学者や国民が、自衛隊は憲法違反だとの当然の常識をとなえてきました。憲法9条を守り、生かし、平和を希求する国民の世論と運動が脈々と続いてきました。その力が、歴代政府をも縛り、「自衛隊は軍隊ではない」「海外での武力行使は許されない」「集団的自衛権行使は許されない」という憲法解釈をとらせてきました。

 そうしたもろもろの力が相まって、70年間の日本の平和を守ってきたのではないでしょうか(拍手)。この平和の歴史を断ち切り、「殺し、殺される」日本への逆行を、絶対に許してはならない。このことを訴えたいと思います。(拍手)

ストップ 戦争法案


 ・「『安保条約によって戦争に巻き込まれる』という批判は的外れだった」というが本当か

 第二に、安倍首相は、安保条約によって「戦争に巻き込まれる」といった批判は「全く的外れ」だったことは「歴史が証明した」と言いますが、ほんとうでしょうか。私は、言いたい。安倍首相には、日米安保条約のもとで、日本が米国の戦争に「巻き込まれてきた」、その歴史の事実が目に入らないのか。

 ベトナム戦争で、日本は文字通りの最前線基地とされました。沖縄・嘉手納基地からB52戦略爆撃機が連日のようにベトナムに向かい、爆弾の雨を降らせました。東京・横田基地から米軍戦車がC5Aギャラクシー輸送機に積み込まれ、ベトナムに運ばれました。

 横須賀港、佐世保港から、空母を中心とする第7艦隊がベトナムに向かい、激しい艦砲射撃を加えるとともに、空母発進の戦闘機がベトナムを攻撃しました。

 当時の椎名(悦三郎)外務大臣は、国会答弁で、「ベトナム戦争がもう少し近いところでおこなわれていたら、……(日本が報復)攻撃を受けることはありうる」と語りましたが、この戦争は、日本をそうした立場に立たせたのであります。

 アフガニスタン戦争では、インド洋に派遣された海上自衛隊の補給艦からの給油を受けた米艦船から飛び立った軍用機が、アフガンへの攻撃を行い、多くの民衆を殺害しました。イラク戦争では、航空自衛隊が空輸した武装米兵がイラク各地での掃討作戦に投入されました。ファルージャでの掃討作戦ではたくさんの民衆が殺されました。

 日米安保条約によって、日本が、米国の無法な戦争の根拠地とされ、戦争に協力・参加させられ、他国の民衆の殺害に加担させられてきた歴史を、私たちは決して忘れてはなりません(拍手)。

堤工場前 20150708
(トヨタ堤工場前で戦争法案の廃案を訴える日本共産党=7月8日)

 そしてこれらの戦争で、とりわけ沖縄が、戦時さながらの深刻な被害をこうむり、事故や犯罪など耐え難い苦しみのもとに置かれたことを、私たちは決して忘れてはならないのではないでしょうか。(拍手)

 いま、日米新ガイドライン(軍事協力の指針)と戦争法案によって、日米安保体制は、条約の枠組みすらはるかに超える、地球的規模での戦争同盟へと変貌(へんぼう)しようとしています。ここにこそ日本を戦争に引き込む最悪の元凶があります。

 みなさん、ここを大きく切り替えようではありませんか。国民多数の合意によって日米安保条約を廃棄し、独立・民主・平和の新しい日本をご一緒につくろうではありませんか。(大きな拍手)
……

 この後、志位委員長は、「『北東アジア平和協力構想』――日本国憲法第9条の旗を高く掲げて」などと外交による平和な北東アジアをめざす道筋を語りました。その部分をふくめ講演会の全文は、次のアドレスで読むことができます。動画の視聴もできます。
http://www.jcp.or.jp/web_jcp/2015/07/post-61.html

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戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/07/23 09:56
コメント
集団的自衛権には反対派が多数だけど日米安保に関しては賛成派が多数のはず。安保反対って、何時の時代の話ですか。それに自衛隊の存在にも反対しながら、有事の時には自衛隊を使うって、こんな扱いで、どうやってモチベーションを保つのですか?
自衛隊解体なら、有事の時には各人で守るのですね。
それには、武器が必要なので、日本にも銃社会が、やってくるのかな?

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