◎戦争法案3題 違憲と論戦、運動

 安倍政権の戦争法案(安保法制)は、違憲だという世論と運動が急速に広がっています。しかし安倍政権は、憲法学者の主張にも、世論にも耳を貸さず、開き直っています。

 (1)“情勢が変化したから解釈を変えた”論

 安倍首相は6月18日、衆院予算委員会の集中審議で、集団的自衛権の行使など盛り込んだ戦争法について、「わが国の近隣にたくさんの弾道ミサイルを持った国があり、大量破壊兵器、核兵器を載せる能力を開発している国際情勢にも目をつぶって従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任の放棄だ」などとのべました。

 北朝鮮のことを念頭に置いて、国際情勢が変わったから憲法解釈を変えたという言い逃れです。しかし、憲法は1内閣の判断だけで一方的に変えることができるようなものではありません。

 どの歴代自民党政権も、集団的自衛権の行使は、現憲法下ではできないと明言してきました。もちろん、国際情勢の変化を理由に憲法の解釈を変えるようなことはしませんでした。安倍首相には、憲法が眼中にないようです。

 (2)違憲の戦争法案の即時廃案を

 こうした安倍首相に、前日の17日の党首討論で、違憲の戦争法案の即時廃案を迫ったのが日本共産党の志位和夫委員長です。

党首討論 20150617
(安倍首相に戦争法案の即時廃案を迫る志位和夫委員長=6月17日、NHKテレビから)

 志位委員長は、安倍政権が「後方支援」と呼んでいる活動は、国際的には兵站と呼ばれる活動であり、兵站は武力行使と一体不可分であり、軍事攻撃の格好の目標となることは、「世界の常識であり、軍事の常識だ」と強調しました。

 志位委員長は、「他国の武力行使と一体でない後方支援ならば武力行使とみなされない」という国際法上の概念が存在するのかと追及しました。

 安倍首相は、「(一体化論は)国際法上の概念ではない」「憲法との関係で概念を整理したものだ」と述べ、日本独自の概念であることを認めました。

 安倍首相は、「安全な場所で物資を渡すのが常識だ」などと、活動場所の議論にすり替えようとしたものの、答弁に窮し、「国際法上の『一体化』論が通ると言ったことは一回もない」とのべざるをえませんでした。

 志位委員長は、「兵站は軍事攻撃の格好の標的となり、自衛隊が兵站をやっている場所が戦場になる」ときびしく批判しました。

 さらに、自衛隊の活動地域を世界的規模に拡大しながら、世界のどこにも通用しない議論を盾にして、「自衛隊が行う『後方支援』は武力行使ではなく、憲法違反でないなどという詭弁を言い募ることは断じて許されない」と批判。憲法9条違反の戦争法案を即時廃案にするよう強く主張しました。

 (3)寂聴さん、93歳の訴え

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼びかけて開かれた6月18日の国会前での行動(約2000人が参加)。93歳の作家、瀬戸内寂聴さんが車いすで現れ、訴えました。

70 東京新聞 20150619
(瀬戸内寂聴さんの訴えを報じる東京新聞の6月19日付)

 「去年、ほとんど寝たきりでした。最近の状況を見たら、寝ていられないほど心を痛めました。このままではだめだよ、日本は怖いことになっている。前の戦争がいかにひどくて大変か身にしみています。“よい戦争”などありません。すべて人殺しです。死ぬ前にみなさんに訴えたいと思いました。若いみなさんが幸せになるように進んでほしい」
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戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/06/19 11:42
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