◎安倍首相 米議会で空疎な演説

 安倍晋三首相は4月29日午前(日本時間30日未明)、ワシントンの米議会上下両院合同会議で、「希望の同盟へ」(Toward an Alliance of Hope)と題して演説しました。日本の首相が両院合同会議で演説するのは初めて。

 演説は、訪米前から鳴り物入りで伝えられました。約45分にわって英語で演説しましたが、もっとも注目された歴史認識では、2枚舌で本音をかわそうとしましたが、逆に本音が透けて見える演説でした。

 冒頭で、東条内閣の1員として侵略戦争をすすめた祖父の岸信介・元首相が米議会で演説したことにふれました。それは、祖父が自身の思想形成に大きな影響を与えたことを認めた形になりました。

 「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません」

 村山談話の核心的な4つのフレーズ、「侵略戦争」「植民地支配」「痛切な反省」「おわび」のうちの「痛切な反省」の1つだけで逃げようとしています。さっそく、中国、韓国から厳しい批判を受けました。

安倍首相 米議会演説
(テレビ朝日系から=4月30日)

 夏に出す予定の「戦後70年談話」は、こんな程度なのでしょうか。さらに唯一の被爆国として国際社会に発信するメッセージとして掲げたのは、憲法9条ではありませんでした。

 「いまや私たちが掲げるバナーは、『国際協調主義にもとづく、積極的平和主義』という旗です。繰り返しましょう、『国際協調主義にもとづく、積極的平和主義』こそは、日本の将来を導く旗印となります」

 9条にふれたくないために、国民が理解不能の「積極的平和主義」を2回もくり返したほどです。しかも、アメリカが海外で行う戦争に自衛隊を地球規模で派遣する集団的自衛権行使の立法化を、日本の国会で議論もしていないのに夏までに成立させると約束したのです。

 「戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます」「そのために必要な法案の成立を、この夏までに、必ず実現します」

 演説を締めくくったのは、日米安保条約体制――日米軍事同盟についてでした。「私たちの同盟を、『希望の同盟』と呼びましょう」「希望の同盟――。一緒でなら、きっとできます」と大見得を切りました。

 沖縄県民が、名護市の辺野古に米軍の新基地を建設するのに強く反対しているのにもかかわらず、安倍首相とオバマ大統領は「唯一の解決策」ということで一致しました。その根源には日米軍事同盟があるからです。

 沖縄県民にとっては、戦後70年もの長きにわたって米軍基地が置かれ、しかも、耐用年数200年という新基地建設は、“絶望の同盟”といっていいでしょう。

 日本の新聞の4月30日付で、全文掲載された安倍首相の演説全文読みました。靖国神社の参拝で見られるように、安倍首相の侵略戦争賛美は、アメリカをふくめて国際的に批判されています。それを、別の言葉でかわそうという空疎な演説にすぎないものです。
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戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/04/30 17:26
コメント
No title
空疎な演説なら、大多数の議員が拍手喝采しないと思います。拍手した議員の中には、韓国のロビー活動で金をもらった人もいるはずですが、そういう輩をして拍手せしめた安倍演説。
No title
中国、韓国が世界の全てではないのにそこから難癖を付けられたことは予定調和であって問題ではありません。
むしろ冷戦構造が終わって25年近く経ってようやく初めて日米安保の再定義に手をつけたことはちっとも空疎ではなかったと思われます。
No title
トヨタ労組って凄いね、びっくりしちゃった。
日本経済が瀕死の状態だったのを救ったのが安倍政権だよ、あなたたち何やってるの?

なんかトヨタ車作っている人達にこんな人達がいるかと思うと、乗る気がすこし減退した。
日本が嫌いだったら中国の車会社に行けばいいじゃない。

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