◎だれでも対象になりうる? 「残業代ゼロ」法案

 「残業代ゼロ」法案の導入をめぐって論議している厚労省の労働政策審議会労働条件分科会が1月29日、東京都内で開かれました。

 このなかで労働側代表の連合(トヨタ労組が加盟する労組の全国組織)は、骨子案にある「働き過ぎ防止」について、「実効的に労働時間を抑制できる内容ではない。これで過労死がどれだけ減ると考えているのか」と批判しました。

 その通りです。過労死の認定件数は年間300件前後で推移し、過労死の根絶にはほど遠いからです。

 労使の意見が大きく隔たっているのに、厚労省は2月上旬の次回分科会に報告書案を提出し、2月中に取りまとめる考えを明らかにしました。第1次安倍政権で、法案そのものを出せずに終わった安倍首相の執念を見せつけるものです。

80 残業ゼロ 骨子


 では、表に沿って「残業代ゼロ」の「対象業務」「対象労働者」「導入要件」などについて見てみましょう。

 「対象業務」は、“高度プロフェッショナル”などど、かっこいい名称にして、ほとんどの労働者が当てはまらないかのように見えます。ここであげたのを法律に明記するわけではなく、厚労省の「省令」で決めることになっています。法律だと変更・追加しようと思うと、国会で議論して法改正しなければならなくなります。「省令」にして、いくらでも拡大できるようにしているのです。

 「対象労働者」も「省令」です。今は年収1075万円以上だから、“オレはまったく関係ない”と思っていても、どんどん下げることが可能なのです。気が付いたら、数百万円でも対象者になりかねません。

 「導入要件」のうちの長時間労働抑制については、①~③のうちのいずれかを選択するとしています。③の「4週4日以上、年104日以上」を選ぶのが多数といわれています。

 トヨタ自動車の事務・技術職の所定労働時間は1952時間(244日)にです。すでに週休2日を基本に、121日が休日であり、「年104日以上」は簡単にクリアーできるからです。これで、長時間労働抑制になるとでもいうのでしょうか?

 以上のように、今は一部の“高度プロフェッショナル”が対象で、”オレには関係ない”と思っていたらとんでもないことになるでしょう。「残業代ゼロより過労死ゼロ」の日本をつくることが先決です。

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 この記事は2月3日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
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サービス残業 | コメント(0) | トラックバック(1) | 2015/02/02 18:25
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