毎年、4%程度の賃上げが必要

 富士通総研の根津利三郎エグゼグティブ・フェローが、春闘で毎年4%程度の賃上げを主張し、2011春闘の本格化を前に話題になっています。

これをトヨタ自動車に当てはめれば、高卒・技能職・男子・30歳の月例賃金が29万2700円ですから、約1万1700円の賃上げ要求になります。

 これは、根津氏が昨年(2010年)11月1日に開かれた連合の春闘討論集会の講演でのべたもの。それによると、1996年~2008年までの各国の賃金を比較すると、日本は先進国(日本、米国、ドイツ、フランス、スイス、イギリス)で一番低いと指摘しています。

富士通 にほんの賃金低い

(根津氏の講演資料から)


 一方、日本の企業の遊休資金は1997年10月から2009年12月まで増え続け、その総額は200兆円になっているとのべています。「なぜ企業はかくも貯蓄をするのか」との答えでは、▽有望な投資機会がない▽不確実な将来への備え▽各国で行われた法人税の減税―などをあげています。

富士通 企業はなぜ貯蓄?

 さらに、「巷(ちまた)にあふれる成長戦略をめぐるおかしな議論」として、「成長戦略の『1丁目1番地は法人税引き下げ』。法人税が下げられれば日本経済は成長する」との俗論を痛烈にこう批判しています。

 根津氏は、▽民間企業が200兆円を超える手元資金を持っている。1兆円の法人税減税に大きな効果はない、▽日本には内需拡大が求められている。現下の円高はこれ以上の輸出依存は認めない、という市場のメッセージ、▽企業内で眠っている資金を内需拡大に向けることこそが成長戦略の鍵―と主張しています。

 そして、根津氏の結論です。
 「デフレ、円高の原因は賃金の低迷。生産性に見合った賃金を確保することが鍵。それにより内需の掘り起こしが可能となる。成長戦略の達成(名目3%、実質2%成長)のためには毎年4%程度の賃金上昇が必要。民間企業は潤沢な資金を有しており、不可能ではない」

富士通 結論


 根津氏の講演に拍手です。トヨタは、現金、定期預金など手元資金だけで2兆円を持っています。内部留保の一部である利益剰余金は11兆円を超えます。文字通り、日本1潤沢な資金を有しています。

 一方、トヨタの賃上げは2002年以来の9年間で、賃上げは3回、合計3000円上がったにすぎません。根津氏が指摘するように、先進国で一番低くなっているのです。円高を止め、内需を拡大するためにも4%程度の賃上げ―1万円以上が必要です。
 
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2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/04 15:19
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