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◎トヨタ 「36協定」の絶対限度時間の引き下げに応じず

 明日4月1日から「働き方」法が実施されます。同法では、時間外労働(残業)に、初めて「罰則付き(6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金)の上限」を設けるとしています。

 原則は、「月45時間、年360時間(限度時間)」としていますが、「臨時的な特別の事情」があれば延長できます。しかも、「年720時間」まで可能です。

 トヨタ自動車では、2019年度の「36協定」の話し合いが労使によって開かれました(2月8日)。組合の「評議会ニュース」によると、トヨタ労組は次のように主張しました。

 「会社のいう緊急時のセーフティーネットとしても絶対限度時間720時間・P部門区分Aの600時間は、高い水準であり、絶対限度時間を引き下げるべきであると考えている」

 その上で、「実態としても、技能系・事技系職場ともに、540時間をほとんど超えない状況が継続している。会社のいうセーフティーネットとしても、絶対限度時間の水準は、高すぎるのではないかと考えている」とのべ、絶対限度時間の引き下げを求めました。

 しかし、会社側は、「540時間を超える者はほとんど出ない状況であるが、職場実態を踏まえると、負荷の顕在化、適正化を強力に推進している上でも、所定外労働時間が500時間を超える者は相当数に上っており、2019年度も同様の状況が見込まれる」とのべ、絶対限度時間の引き下げに難色を示しました。

 「働き方」法で、原則「月45時間、年360時間(限度時間)」となりましたが、トヨタでは実態的には、500時間を超える者は相当数に上っているのです。

 しかも会社側は、電動化、自動運転化など世界の自動車産業は、米IT企業などとの「100年に一度の大変革期」(豊田章男社長)にあることをあげ、「緊急時のセーフティーネットである絶対限度時間を引き下げる状況にはないと判断している」として引き下げに応じませんでした。

トヨタの36協定
(トヨタの36協定)

 「働き方」法について安倍政権は、初めての「罰則付き」と宣伝していますが、実際には「年720時間」、休日労働をふくめると「年960時間」まで可能です。

 「働き方」法が不十分だとしても、トヨタ労組が絶対限度時間の引き下げを求めたように、原則「月45時間、年360時間(限度時間)」にすることを企業に求めることが必要です。

 厚労省は、「働き方」法の指針で、「1週間当たり40時間を超える労働時間が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まるとされていること」をあげ、「限度時間にできる限り近づけるように努めなければなりません」としています。

 月45時間を超えると過労死の危険が強まるのです。トヨタとその関連会社では、これまでわかっているだけでも6件の過労死認定があります。トヨタ労組が粘り強く絶対限度時間の引き下げを求めることが期待されています。

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職場は今 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/03/31 21:38

◎森友学園問題 佐川元局長の不起訴は「不当」 検察審が議決

 森友学園問題を、そろそろ国民は忘れ始めている。安倍首相の薄ら笑いが目に浮かぶようになった3月29日、11人の市民でつくる大阪第1検察審査会は、それは許されないとの議決をした。

 大阪地検が2018年5月に不起訴とした佐川宣寿・元理財局長(元国税庁長官)を、有印公文書変造・同行使罪と公用文書毀棄罪で弁護士らから告発されていたことについて、「不起訴不当」と議決(15日付)したことを公表したのだ。

 「日本に正義はあるのか!」――大阪地検特捜部の不起訴に国民は怒り心頭だった。公文書を改ざんして何の罪にもならないなんて、市民感覚からはありえないのだ。

佐川証人喚問 20180327
(国会での証人喚問=2018年3月27日=で証言拒否を連発した佐川元局長)

 検察審査会に申し立てていた上脇博之神戸学院大教授は、特捜部について、「起訴しないという結論ありきの捜査で、事実認定やストーリーを組み立てていたことを検察審査会は見抜いていたのではないか」(朝日新聞、30日付)と語るが、その通りだ。

 残念なのは、「起訴相当」(8人以上)にまで至らなかったことだ。「不起訴不当」では、大阪地検特捜部は再捜査し、改めて起訴するかどうか判断し、地検が不起訴とすれば刑事責任追及の手続きは終わってしまうからだ。

 森友学園問題は、ごみの撤去費用8億円余りを値引きし1億3400万円で国有地を森友学園に格安で売却して国に損害を与えたもので、佐川元局長らが国有地売却に関する決裁文書から安倍晋三首相の妻昭恵氏らの名前を削除するなどした。

 特捜部は、当初の文書から根幹が変わったとは認められないなどとした。検察審査会は、「社会的常識を逸脱し、相当大幅な削除がなされたことにより、原本が証明していた内容が変わってしまった」と指摘したが、当然である。

 森友学園問題の本質は、国有地の大幅値引きに昭恵夫人が深くかかわり、佐川元局長らがそれに“忖度”し、当初の文書から昭恵夫人の名前を5カ所も削除したことなどである。

 しかも、安倍首相が国会で追及されると、「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員も辞める」(2018年2月17日の答弁)と口をすべらせたことから官邸は大騒ぎになったのが事の真相である。

森友 不起訴不当の流れ 日経
(日経新聞、3月30日付から)

 大阪地検特捜部は、検察審査会の「不起訴不当」に真摯に向き合い、再捜査に全力を尽くし、佐川元局長らを起訴すべきである。白日の法廷で、森友学園問題の本質を明らかにすべきである。

 「巨悪を眠らせない」とは特捜部の伝統だったはずである。
安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/03/30 11:42

◎豊田市から県会議員を 日本共産党の大村よしのり候補が立候補

大村立候補1
(立候補した大村よしのり候補=左=、もとむら伸子衆院議員)

 春の統一地方選挙のうち県会議員選挙が3月29日、告示(4月7日投票)された。愛知県豊田市では、日本共産党の大村よしのり前豊田市議(62)が立候補。2回続けて無投票の豊田選挙区(定数5)での初議席をめざしている。

 愛知県議会(定数102)は、大村秀章知事と自民党、公明党中心の県政・県議会となってきた。愛知県は、トヨタ自動車や三菱重工業、JR東海などの大企業が集中しており、工業出荷高では全国1位で豊かな財源がある。

 大村県政は、治水にも利水にも役にたたない設楽ダムの建設をすすめたり、利用見込みがないのに中部空港に2本目の滑走路を推進したり、大企業に7年間で335億円の補助を出すなど開発優先・大企業優遇の政策をすすめている。

 一方で、人口1人当たりの民生費は全国42位、一般病院数は人口10万人当たり45位、教育費は人口1人当たり44位などと、教育・福祉は全国最低レベルとなっている。

 また、IR・カジノや住環境を壊すリニアを推進したり、三菱重工の工場で米国のF35の整備拠点にする計画を容認している。

修 愛知県政問題点
(「愛知民報」から)

 日本共産党は、前回の県議会議員選挙で、それまでゼロだった議席を2議席に増やした。昨年夏に豊田市で小学生が熱中症で死亡するという悲惨な事故が起きたが、日本共産党の国会議員と連携し、学校にエアコンを設置することを促進してきた。

 また、県民から寄せられる請願件数は6・5倍にも増えるなど県民と県政の懸け橋になってきた。

 大村県会議員候補は告示日の29日の正午、豊田駅前ロータリーで「まちかど演説会」を開催。日本共産党のもとむら伸子衆院議員や根本みはる豊田市議、本多のぶひろ市議予定候補らが訴えた。

大村立候補2

大村立候補3


 大村候補は、①国保料をサラリーマン並みに抜本的に引き下げる、18歳までの医療費無料化、教室・体育館へのエアコン設置など「暮らし子育て支援」、②カジノ誘致など不要な大型開発中止、非正規から正規への転換促進など「地域経済を応援」、③防災対策拡充で「被災者支援を強化」、④核兵器廃絶を求める署名に県知事の署名など「平和・人権を守る」――の政策を訴えた。

大村立候補4


 大村候補やもとむら衆院議員は被爆2世でもある。もとむら議員は、「市民と野党の共闘」をすすめ、安倍政治にさよならの審判を大村候補の勝利で示そうと呼びかけた。

 春の陽気のなか、平日にもかかわらず30人以上の聴衆から声援が続いた。豊田市選挙区には、大村候補の他に自民党(現、新の2人)、公明党(新)、無所属(現、新の2人)の6人が立候補し、5議席を争う。

トヨタの街から | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/03/29 18:47

◎「働き方」法施行 残業に上限規制を設けるというが

 4月1日から「働き方」法が施行されます。長時間労働を助長し過労死を増やす「働き方改革」一括法案を、自民、公明の与党は2018年6月29日の参院本会議で強行しましたが、その施行が4月1日です。

 「働き方」法では、時間外労働(残業)に、初めて「罰則付き(6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金)の上限」を設けるとしていますが、トヨタ自動車の場合、どれだけの実効性があるのでしょうか?

修 厚労省 残業上限規制
(厚労省の「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」から)

 原則は、「月45時間、年360時間(限度時間)」としていますが、「臨時的な特別の事情」があれば延長できるからです。しかも、「年720時間」まで可能です。

 1カ月では、「100時間未満」(休日労働を含む)、2~6カ月平均で「80時間以内」(同)です。これは、厚労省が「過労死ライン」としているもので、労働者の健康を守るにはきわめて不十分なものです。

 トヨタの年間360時間超人数は、表のようです。2003年度は1万人を超えていましたが、その後は急速に減り、リーマン・ショック後の09年度は690人になりました。

 しかし、それからは増え続け、15年度は5000人を突破しました。17年度は4673人にのぼっています。残業は、景気が悪くなれば減り、良くなれば増える――景気の調整弁になっていることがわかります。

80 トヨタの360時間超人数


 トヨタとトヨタ労組の労使は、19年度の36協定の話し合い(今年2月8日)に行いました。組合の「評議会ニュース」によると、次のようなやり取りになっています。

 組合 2018年度事後協議の中で「2019年度に期初360時間超え計画をゼロにすることは現時点では困難」とコメントした部署は全体の2割程度(約50部署)あり、全社での達成は困難と考えている。会社としての現状認識を教えていただきたい。

 会社 会社として生き残りをかけて特に注力している分野(中国市場、コネクティッド等)については、一部、高負荷が予想され、2019年度も360時間を超える残業が発生する可能性が高く、全社一律での「2019年度期初360時間超え計画ゼロ」の達成は困難と考えている。

 組合 4月以降の事後協議の場で、各部の負荷適正化策を部長に提示していただき、労使でその状況を確認し、2020年度の本話し合いにおいて全社での進捗や運用の確認を行うこととしたい。

□労使とも、360時間超ゼロは難しいとの話し合いで終わりました。「罰則付き」の残業の上限規制といいますが、「年720時間」には休日労働がふくまれておらず、月80時間の残業を12カ月続けることができて、「年960時間」まで可能となっています。

 しかも、新技術・新商品などの研究開発業務は、上限規制の適用が除外されています。「抜け穴」だらけという批判がある通りです。

 一方で、野党や労働組合のたたかいで厚労省の「指針」となった点もあり、これを活用することが重要です。厚労省の「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」では、8つのポイントで解説しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

 「時間外労働・休日労働は必要最小限にとどめてください」「使用者は、36協定の範囲内であっても労働者に対する安全配慮義務を負います。また、労働時間が長くなるほど過労死との関連性が強まることに留意する必要があります」「時間外労働・休日労働を行う業務の区分を細分化し、業務の範囲を明確にしてください」――などです。
職場は今 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/03/28 17:10

◎トヨタ 「勤務間インターバル」導入せず

 4月1日から「働き方」法が施行されます。長時間労働を助長し過労死を増やす「働き方改革」一括法案(「月100時間未満」まで認める残業の上限規制や「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度=高プロ=などを盛り込んだ法案)を、自民、公明の与党は2018年6月29日の参院本会議で強行しましたが、その施行が4月1日です。

 一括法の1つが「勤務間インターバル」です。過労死や過重労働をなくすために、終業時刻と始業時刻の間に休憩時間を設ける仕組みです。欧州連合(EU)は、11時間の休息を義務付けています。

 「働きかた改革」一括法案の審議では、野党や労働組合が11時間以上を求めてきましたが、安倍政権は企業に対し努力義務を課しているにすぎません。日本で導入している企業はわずか2%です。

 EU傘下のフォルクスワーゲンやBMWなどドイツの自動車メーカーは、導入しているのに、日本のトップ企業のトヨタ自動車は、まだ導入していません。

テクニカルセンターの夜
(トヨタのテクニカルセンター)

 トヨタの労使は、2019年度の36協定の話し合い(2月8日)で、「勤務間インターバル」について議論しました。組合の「評議会ニュース」によると――。

……
 組合 働き方関連法案の中で勤務間インターバル制度の導入が努力義務化されたことについて会社の見解を確認したい。

会社 現時点では、総労働時間管理や年休取得の推進及びその他健康管理施策の実施等により、極度の負荷集中は回避できていると認識しているため、勤務間インターバル制度の導入は予定していない。

 組合 全社的には総労働時間管理や年休取得の推進、及びその他健康管理施策の実施等により極度の負荷集中が回避できていることは同じ認識。

 しかし、一部職場において、振替出勤や休日勤務が重なり勤務が連続した場合等、健康の面から不安の声があることを研修や職場ヒアリング等に通じて組合としても確認している。このような声に対しては、本話し合いにて必要に応じ議論させていただきたい。また、当該職場での職場懇談会等で実態を確認した上で対策を講じるなど、労使で協力し健康管理を進めてまいりたい。

 会社 会社としても、振替出勤や連続勤務のみならず、職場からの不安の声に対しては、本話し合いにて必要に応じ議論していきたい。また上述の通り、会社としては現在も健康管理施策は実施しているが、労使で職場状況や勤務実態を確認した上で、必要に応じ施策の見直しを検討してまいりたい。
……

 このように、会社側は「導入は予定していない」としています。しかし、組合員から「健康の面から不安の声がある」ことは明らかであり、「働き方」法がいくら企業の努力義務であっても、大企業トップのトヨタが率先して導入に踏み切るべきでしょう。
職場は今 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/03/27 20:41

◎トヨタの19春闘 組合が妥結提案

 トヨタ自動車の19春闘が終わり、組合が妥結提案をしています。3月28日に開く評議会で採決が行われる予定です。

 トヨタの19春闘は、3月13日に会社が回答をしましたが、異例、異常な状態になりました。昨年は、会社側が賃上げ(ベア)を公表しないという異例の事態になりましたが、今年は組合が定昇などをふくめた総額要求とし、ベア要求額を明らかにしませんでした。

 要求は、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で1万2000円を要求する」というもので、会社回答は1万700円で、昨年より1000円下がりました。

 一時金については、組合は夏冬を合わせた年間6・7カ月を要求しましたが、会社回答は夏の分だけの120万円を回答しました。冬の分は、秋に労使協議会を開いて協議するとしています。

 一時金は、組合の年間要求に対し、満額で答えるのが長年の慣例になっていましたが、これが崩れるという異例の事態になりました。

19労使協1
(「トヨタイズム」にアップされたトヨタの労使協の動画から)

 組合は、「評議会ニュース」で、定昇などをふくめた総額の賃上げについては、「組合として拘った全員に配分される原資を含めた回答となった」として妥結提案をしています。

 会社側は第3回労使協議期で、「『高い賃金水準』『競争力』の観点を踏まえると賃金制度改善分をもって“全員一律”に賃金を引き上げる必要性はよく考えていかないといけない」と一律の賃上げを否定していました。

 組合側は、「皆で一体感を持って頑張っていきたいので、改善分を獲得しても、全く配分されない人・職種がいるなら、組合としては受け入れにくい」と全員に配分するよう求めていました。

 組合は、「全員に配分される原資を含めた回答となった」と評価しています。しかし、連合の“リーダー労組”を自認してきたトヨタ労組が、ベアを明らかにしない要求をし、その回答を受け入れるとは――。

19労使協2
(「トヨタイズム」にアップされたトヨタの労使協の動画。意見をのべる豊田章男社長)

 日本の春闘は、産別が賃上げ要求額をそろえるなど共通の要求を掲げ、春に統一してたたかってきました。先行する大企業労組の賃上げを目安に、社会横断的に賃金水準を引き上げる役割を果たしてきました。

 それは中小零細企業や未組織労働者にも波及していきました。連合が集計する賃上げ額が波及効果の指標になってきた経過があります。“リーダー労組”のトヨタ労組の賃上げ額が非公表になれば、春闘の波及効果などに大きなマイナスの影響を与えます。

 実際、自動車総連では、トヨタとマツダが非公表になり、日産がベア要求3000円に対し満額回答。ホンダは3000円の要求に対し1400円、ダイハツが3000円要求に対し1500円、三菱自工が3000円の要求に対し1400円、SUBARUが3000円の要求に対し1000円、日野自動車が3000円の要求に対し2000円――とバラバラになりました。

 また、一時金についても組合は、「(年間協定が結べないこと)は、組合員の生活の安心・安定の確保という観点から極めて難しい選択であるが、トヨタグループが直面している生きるか死ぬかの厳しい環境を生き抜くためには、競争力強化を通じ、生き残りをかけた取り組みを継続していくことが最も重要であり、異例ではあるが、会社の申し出を受け入れる決断をした」と妥結提案をしています。

19労使協3
(「トヨタイズム」にアップされたトヨタの労使協の動画。意見をのべる豊田章男社長)

 労使協議会で、豊田章男社長が「組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか」と一喝したことが伝えられています。世界の自動車メーカとGAFAなど米IT企業などが電動化、自動運転化などで「100年に1度の大変革期」(豊田社長)の時に、組合も会社も「生きるか死ぬか」の時であることが“わかっていない”というのです。

 「労使宣言」路線を貫いてきた組合を、豊田社長は突き放したのです。組合は、「評議会ニュース」で、「認識の甘さを深く反省」したと書いています。

 異例、異常な事態となったトヨタの19春闘。組合に投げかけられた課題は大きく、職場から真剣な議論が必要です。3月28日の評議会に、それを持ち寄って議論することが期待されます。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/03/26 19:43

◎‶スカ‶長官包囲網

 米ニューヨーク・タイムズ記者が3月22日、安倍政権のスポークスマン、菅義偉官房長官の記者会見で、「特定の記者の質問を遮ったり、政府が快く思わない質問を牽制する意図があるのか」と質問したところ、「そういうことは全くない」と否定してみせました。

 国民の知る権利を抑えようとする菅長官の異常な記者会見が、米記者に質される事態になっています。「特定の記者」とは、東京新聞の望月衣塑子記者のことで、沖縄・辺野古での新基地建設の埋め立てで、赤土が混じっていることなど、安倍政権に鋭い質問をしてきました。

 ところが、内閣報道室長が昨年末、同長官との記者会見をしている内閣記者会に、事実に基づかない質問をしているなどとして、記者会がこれを「共有するよう」求める文書を出しました。

 海外メディアが、こうした文書を問題にしたのは初めてといいます。ニューヨーク・タイムズ記者は、「最近の記者クラブへの報道室の対応が報道の自由の制限に当たるとの懸念、批判について聞きたい。過去には、表現の自由国連特別報告者が、日本の状況を批判する報告書も出した。文書で申し入れしたのはなぜか」と質しました。

 菅長官は、「事実に基づかない質問などは控えていただくようお願いした」などと、これまでと同様の答弁をしました。

官邸前行動 田村、望月
(新聞労連などでつくる日本マスコミ文化情報労組会議が開いた官邸前行動で、田村智子参院議員=左=と東京新聞の望月衣塑子記者、新聞労連の南彰委員長=3月14日)

 この赤土混入問題について、日本共産党の田村智子参院議員は3月22日の参院予算委員会で取り上げました。田村議員は、沖縄県は赤土が混入しているとして立ち入り調査を求めたこと。望月記者は、県のその要望をもとに質問をしたもので、「そうした質問を事実誤認というのか」と質しました。

 菅長官は、赤土混入をあくまでも認めず、「埋め立てたのは仕様書通りの材料であり、事実は違う」などと強弁しました。田村議員は、「政府と違う説明のものを事実誤認と決めつけている」と厳しく批判しました。

 安倍政権の一方的な見解と違うと「事実誤認」と決めつけ、望月記者の質問を妨害して、国民の知る権利を奪おうとする菅長官。安倍首相の長年の友人である加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設をめぐる問題では、「総理のご意向」と書かれた文科省の資料を「怪文書」と決めつけましたが、その後にその文書が事実と判明しました。

 菅長官のこうした姿勢を痛烈に批判した川柳をネットで見つけました。
 「『怪文書』と決めつけながら『事実』求め」 スカ長官」
安倍政権 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/03/25 20:53

◎沖縄・辺野古新基地 「承認撤回停止は違法」と提訴

 安倍政権の防衛省が国土交通相に申し立て、防衛省のいうがままに判断をする――こんな茶番劇が違法ではないのか? この国に法はあるのか、正義はあるのか?

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設問題で、県が昨年8月に埋め立て承認を撤回したにもかかわらず、埋め立て工事を強行している防衛省沖縄防衛局が、県の撤回効力を停止させる執行停止申し立てを行い、石井啓一国土交通相が同11月に執行停止を決定しました。

 沖縄県は、決定の取り消しを求め、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出ましたが、今年2月に係争委は県の申し出を却下していました。

辺野古の海 201812
(辺野古の青い海を切り裂いて工事が強行されています=2018年12月)

 このため沖縄県は3月22日、承認撤回効力を停止させた国土交通相の執行停止決定は違法だとして、福岡高裁那覇支部に提訴したものです。提訴状は下記のアドレスで見ることができます。
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/henoko/documents/190322sojou.pdf


  提訴を前に、玉木デニー知事は、19日に安倍晋三首相と面談し、新たな土砂投入中止と1カ月程度工事を停止して協議期間を設けるよう要請しました。しかし、安倍政権は予定通り25日に土砂投入を行う考えを連絡してきたことから、提訴に踏み切ったものです。

 沖縄県は訴状で、防衛局が「私人には立ち得ない国固有の資格」に基づいて辺野古の埋め立て承認をうけたとし、私人救済を目的とした行政不服審査法に基づく執行停止申し立てを行うことはできないと主張。そのような申し立てに基づいて国交相が行った執行停止決定は国の違法な関与だと指摘しています。

 つまり、私人救済を目的とした行政不服審査法で、国が国に申し立てを行うことは、違法だというものです。本来、ありえない申し立てを行うことは、安倍政権がいかに憲法も法律も無視しているかがわかります。

 玉城知事はこの日、「辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向けて、ぶれることなく、全身全霊で取り組んでいくという私の決意はいささかも変わっておりません」などとするコメントを発表しています。
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/henoko/documents/190322comment.pdf
沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/03/24 09:15

◎歴史書、古文書からみる南海トラフ地震の教訓

 戦争は防げますが、防げないのは地震です。憲法9条のお陰で、日本は歴史上、70数年にわたって戦争がない稀な時代を過ごし、私たちは生きています。

 「『日本書紀』にある天武天皇の時代から現代までに、これまで9回の南海トラフ地震の発生が知られている」と書いた本、『天才から日本史を読みなおす』(中公新書)を読んでどきっとしました。

 テレビなどで知られている歴史学者の磯田道史氏が書いたものです。32万人が犠牲になるかもしれないといわれる南海トラフ地震。磯田氏は、古文書を紐解きながら南海トラフ地震の恐怖を書いています。

……
 わかっているのは、①南海トラフの地震は約100年の周期で発生。②同時もしくは数年内に遠州灘から四国沖まで連動するのが普通である。③古文書の記録によれば90年間より短い周期で2回おきたことは歴史上確認できない。④歴史記録のしっかりしている南北朝時代以降で観察すると150年の間におきなかったことは1度もない。以上のことである。
……

 しかも、最近、南海トラフが動いたのは1944年と1946年の2回あり、それから70年がたとうとしていること。③の南海トラフは90年以内に2回起きたことはないという歴史的経験からすれば、「我々には20年ちょっとの地震猶予期間が与えられているのかもしれない」と書かれると、ぞっとします。

80 南海トラフ地震の予想震度
(南海トラフ地震の予想震度=気象庁のホームページから)

たった20年! それほどの短い時間しかないとすれば、夜も眠れなくなる思いです。磯田氏は、約400年前の江戸時代に「願栄」という僧侶が伊豆半島にいて、防災史上に残る「棟札」と呼ばれる津波の記録を残したことにふれています。

 願栄は、1498年の明応津波と1605年の慶長津波の浸水が、どこまできたかを後世のために書き残したといいます。「棟札」をもとに、現地踏査した学者らの研究で、明応津波は海から2㎞地点(標高約10m)、慶長津波は海から1・4㎞地点(標高約7・5m)まできたきたことが明らかになったといいます。

 このブログ「トヨタで生きる」では、東日本大震災の翌年の2012年9月6日に次のような記事をアップしました。

……
 『日本書紀』は、天武天皇13年(684年)に、すさまじい地震が起きたことを記述しています。

 「冬10月14日、人定(いのとき=夜10時頃)に大地震があった。国中の男も女も叫び合い逃げまどった。山は崩れ河は溢れた。諸国の郡の官舎や百姓の家屋・倉庫、社寺の破壊されたものは数知れず、人畜の被害は多大であった。伊予の道後温泉も、埋もれて湯が出なくなった。土佐国では、田畑五十余万頃(約一千町歩)がうずまって海となった。古老は、『このような地震は、かつて無かったことだ』といった」

 「この夕、鼓の鳴るような音が、東方で聞こえた。『伊豆島(伊豆大島か)の西と北の二面がひとりでに三百丈あまり広がり、もう一つの島になった。鼓の音のように聞こえたのは、神がこの島をお造りになる響きだったのだ』という人があった」
……

 歴史書、古文書は、現代に生きるわれわれに貴重な資料を残してくれています。磯田氏は、古文書などから南海トラフ地震の津波の確率分布がわかるようになったこと。「海に近い低地では、揺れたら逃げる。すぐ高いところに登るのが、大切である」と書いています。
東日本大震災 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2019/03/23 16:06

◎日米4367安打 イチロー選手、ついに引退

 2019年3月21日、東京ドームでの大リーグ・マリナーズとアスレチックスとの開幕第2戦。2打席凡退のあとのイチロー(45)の3打席目。フルカウントの後の外角高めの球を見送り、見逃しの三振。満員の球場に大きなため息が―。

 第4打席は内野ゴロ。間一髪でアウト。この2打席をテレビの生中継で見ていました。これまでにない厳しい顔のイチロー。いつものイチローなら、見逃さずファウルでカットしていたでしょう。いつものイチローなら、内野ゴロ安打にしていたでしょう…。

 やはり、45歳の年齢では、微妙な肉体の衰えがあったのでしょうか。わずかな狂いが大リーグでは通用しなくなったことを痛感しました。9回、守備位置に就いたイチローに、監督が選手交代の指示。球場はいつまでも鳴りやまぬ拍手。そして、マリナーズの選手の1人ひとりと抱擁。その間、試合は中断したままでした。

修 イチロー 最後の試合 20190321
(イチローの最後の試合=2019年3月21日、BS日テレから)

 日米で現役28年、通算4367本の安打を打ちまくったイチローへの惜しみない賛辞でした。「イチローを悪くいう人は誰もいないよね」と語る知人。野球道へのあくなき追求。バットとミットをいつも磨きに磨いたイチロー。

 2001年にニューヨークのヤンキー・スタジアムでイチロー選手の試合に駆け付けたことがあります。外野の守備位置で、タイム時間があると屈伸運動を続けていたイチロー。そのストイックな姿に修行僧の姿を見ました。

 「50歳まで現役を続ける」と語っていたイチロー。練習を怠らないイチローなら可能だと思っていました。人生100年時代と言われる中で、イチローなら大リーグでもやってくれるだろう、と。

 その夢は断たれましたが、イチローの残した数字のすごさに驚きます。日本のパリーグ時代に打ち立てた7年連続首位打者の記録は、2度と破れないでしょう。同世代の選手がいくら頑張ってもイチローがいる限り、首位打者は無理でした。

 そして、大リーグでの新人242安打で首位打者の鮮烈なデビュー(2001年)。シーズン262安打の歴代1位の記録(2004年)。歴代1位の10年連続200安打。1試合1安打では、物足りないほど安打を打ちまくったイチロー。

 深夜の記者会見に約250人が集まったといいます。「これからの膨大な時間とどういう風に付き合いますか」と問われました

 イチロー「たぶん明日もトレーニングをしていますよ。それは変わらないでしょうね。僕はじっとしていられないから。動き回っているでしょうね。だからゆっくりしたいとか全然ないですよ。全然ない。たぶん動き回ってます」
その他 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/03/22 15:44
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