FC2ブログ

◎手当、手当、手当 トヨタの期間従業員募集広告

 トヨタ自動車が期間従業員の募集をしています。「TOWN WORK」や中日新聞の広告では、手当、手当、手当…です。

 人手不足で、トヨタの期間工募集は苦戦を続けています。東京オリンピックや東日本大震災、相次ぐ自然災害などで、募集しても集まらないのが現実です。

25 トヨタ 期間工募集 タウンワーク 20181119
(「TOWN WORK」の11月9日~25日号から)

 これまでのように、必要な時に、必要な労働者を、必要な人数だけ集めるという“人間かんばん方式”が通用しなくなっています。

 このため、2014年から毎年、日給上げ続け、食事補助、家族手当などを設けています。

 「社員登用制度有り」で、3年間(2015~17年)で1080人を正社員に登用したといいます。

 期間工の使い捨てをやめ、希望する人は正社員に登用することが、人手不足解消への道ではないでしょうか。

              ◇

 この記事は、12月2日にアップする予定でしたが、11月30日にアップしました。
スポンサーサイト
期間従業員 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/11/30 20:42

◎トヨタグループ 自民党への企業献金1億円余

 トヨタ自動車グループの自民党への政治献金が、2016年で1億781万2000円だったことがわかりました。

 名古屋市内で11月23日に開かれた第34回トヨタシンポジウムで、政治経済研究所の佐々木憲昭主任研究員(元日本共産党衆院議員)が報告したもの。

 佐々木氏がトヨタ自動車をはじめ、トヨタグループの自民党(国民政治協会)への政治献金を、2011~16年までの6年間を調べたものです。

 それによると、2016年のトヨタ自動車の自民党への政治献金は6440万円。ダイハツ工業が1790万円、トヨタ車体が100万円、東京トヨペットが80万円、東京トヨタ自動車が60万円、トヨタ自動車東日本が50万円…と続き、合わせると1億781万2000円にものぼります。

60 財界の自民党への政治献金


 この6年間の推移を見て見ると、2011年はトヨタ自動車が5140万円で、グループ全体では8184万7000円でした。この6年間で2596万5000円増やし、1億円を突破しています。

 トヨタ自動車は、2013年から6440万円で推移していますが、この額は日本の大企業で1番です。毎年、2~3兆円近い、日本の大企業でダントツの営業利益を稼いでいることから、献金額もそれに応じた額になっています。

 たとえば、2014年の企業献金のランキングを見てみましょう。

 (1)日本自動車工業会    8040
 (2)石油連盟         8000
 (3)日本電機工業会     7700
 <4>トヨタ自動車      6440
 (5)日本鉄鋼連盟      6000
 <6>東レ          4000
 <6>キヤノン        4000
 (6)不動産協会       4000
 <9>住友化学       3600
(10)日産自動車       3500
<10>新日鉄住金      3500
(12)三菱重工業       3300
(13)野村ホールディングス  3200
(14)大和証券グループ本社 3000
<15>東芝          2850
(15)日立製作所       2850
(15)パナソニック      2850
(18)三菱商事        2600
(18)三井物産        2600
(20)ホンダ         2500
※2014年、単位は万円、<>数字は経団連会長を出した企業

 日本経団連や大企業が求めてきた法人税減税は、こうした自民党へのカネの力で実現したものです。長年の自民党政治のもとで、リクルート事件をはじめ、「政治とカネ」の問題がくり返し起きています。

 日本共産党国会議員団は2015年7月1日、カネの力で政治を買う企業・団体献金を全面的に禁止する法案(政治資金規正法改正案)を、衆議院に提出しました。

 しかし、審議されず棚ざらしにされました。企業・団体献金の禁止の声をもっと上げることが必要です。

               ◇

 この記事は、12月1日にアップする予定でしたが、前日にアップしました。
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/11/30 20:34

◎GMが1・4万人以上を黒字リストラ 次世代車シフトへ

 米GMが11月26日、北米で5工場、それ以外の地域で2工場の生産を停止し、全世界で15%(北米を中心に約1万4000人以上)の労働者を減らすと発表した。

 電気自動車(EV)や自動運転化など次世代車へのシフトのためだという。黒字なのにリストラする…世界の自動車産業が「100年に1度の大変革」に突入する中で、GMが驚くべきリストラを強行しようとしている。

 日経新聞や朝日新聞などの報道によると、北米にある約40工場のうち、アメリカやカナダの完成車工場、部品工場の5つを閉鎖し、北米以外でも2工場を閉鎖するという。管理職の25%も減らすという。

 こうした工場は、ガソリン車のセダンを主に生産しているという。リストラで約60億ドル(約6800億円)を浮かせ、EVや自動運転車の開発、生産に振り向けるという。

修 ルネサンス・センター
(米デトロイトのルネサンス・センターにGM本社があります=グーグル・アースから)

 GMは、独フォルクスワーゲン、日産・ルノー・三菱自工グループ、トヨタグループの世界販売約1000万台に続く約900万台を販売している。GMのリストラは、激化する次世代車の開発、生産、販売の中で、他のメーカー・グループに大きな影響与えるのは必至だ。

 「しんぶん赤旗」(29日付)は、アメリカ特派員電を伝えている。

 それによると、トランプ大統領は大幅な法人税減税を実施したが、公正な税負担を求めて活動する米民間団体「ノット・ワン・ペニー」の報道官は26日、GMは5億1400万ドル(約584億円)の減税になったとする試算を提示した上で、次のように批判した。

 「GMは巨額の減税分を賃上げや労働者への投資に回さず、さらに利益を上げ、株主を豊かにするために使おうと工場閉鎖と解雇をすすめている」

 全米自動車労組(UAW)の幹部は26日、2008年のリーマン・ショック時に米政府が国民の税金でGMを救済したことなどにふれ、「GMは米国の勤労世帯よりも自らの利益を優先している」と批判したという。
その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/11/30 18:23

◎堤工場で日産・ゴーン問題を訴え 働く者と日本経済を良くしよう

 日本共産党のトヨタ自動車委員会と根本みはる豊田市議、本多のぶひろ豊田市議予定候補は11月21日(水)、トヨタ堤工場の門前で訴えた。毎月、工場前などで訴えている。

 11月も下旬となり、出退勤する労働者も冬の服装の人が多い。いつもより出退勤する労働者が少ないように感じた。

14 堤宣伝3 20181121
(トヨタ堤工場へ出退勤する労働者)

 日産のカルロス・ゴーン問題が出た直後で、根本市議らはこの問題に触れた。日産自動車会長のゴーン容疑者が自らの報酬額を約50億円も少なく有価証券報告書に記載していたとして東京地検特捜部に金融商品取引法違反容疑で逮捕された(11月19日)という衝撃な事件だ。

12 堤宣伝1 20181121
(訴える本多のぶひろ豊田市議予定候補=右=と根本みはる市議)

 巨額の報酬は、誰が生み出したのか? 働く現場でしか富は生まれない。仏ルノーから送り込まれたゴーン容疑者は、村山工場(東京都)や座間工場(神奈川県)などの閉鎖や大量の人減らし、リーマン・ショック時(08年)の非正規切りなど働く者を犠牲にして富を生み出した。

 その富をゴーン容疑者は、私的に流用したのだ。大企業の経営者は、こんなことをするのか。ゴーン容疑者は2004年春に、産業振興に貢献したとして自民党政権から「藍綬褒章」を受章している。

12 堤宣伝2 20181121
(出勤する堤工場の労働者)

 根本市議らは、働く者と日本経済を良くするため、政治を変えようと訴えた。来年1月の県知事選、4月の統一地方選挙、そして夏の参院選で働く者のための政治を実現しようと訴えた。
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/11/29 17:30

◎トヨタ すすむ金融化、増加する内部留保

 名古屋市で開かれた第34回トヨタシンポジウム(11月23日)では、政治経済研究所の佐々木憲昭主任研究員(元日本共産党衆院議員)が、「グローバル経済のなかで企業の社会的責任をどう果たさせるか」と題して講演しました。

 佐々木氏は、講演にあたって日本の政治・経済を分析するための詳細な資料を用意しました。そのなかから、トヨタ自動車にかかわる資料を紹介します。

 表は、「すすむトヨタ自動車の金融化と内部留保の増加」を表したものです。2008年3月期と18年3月期の決算を、有価証券報告書をもとに作成したものです。10年間の伸び率を示しています。

40 トヨタの金融化と内部留保


 売上高、営業利益の伸びに対し、現金と現金同等物は1・87倍、定期預金は6・69倍、有価証券は3・26倍、投資有価証券は2・33倍と大きく伸びています。

 佐々木氏は、日本の大企業のグローバル化は、最初は輸出で、次は生産の海外移転で、さらに金融化という3段階で利益を上げ続けてきた、と分析しましたが、それを裏付けるデータです。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、08年の12兆円余から18年の19兆円余と1・57倍のハイペースです。日本の大企業で、トヨタは内部留保NO1ですが、2位の三菱UFJの倍近くもため込んでいます。

 注目したいのは、「法人税等」です。08年は9114億円余でしたが、18年は5044億円余と55%程度に激減していることです。これは、歴代自民党政権が法人税減税(1980年代半ばの43・3%から2010年代半ばの23・4%)を引き下げたことや研究開発減税など様々な大企業優遇税制によるものです。

 2兆円~3兆円近くという日本の大企業で突出したばく大な利益をあげ続けてきたトヨタが、大幅に減税の恩恵を受ける――アベノミクスで貧困と格差が広がるなか、大企業優先の政治にメスを入れる必要があります。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/11/28 19:22

◎日産本社前で労働者が抗議 ゴーン容疑者の私的流用

 横浜市の日産自動車本社前。11月26日月曜日の朝、日本金属製造情報通信労組(JMITU)の組合員で、2008年のリーマン・ショック後に日産と関連会社から派遣切りされた労働者ら約50人が、カルロス・ゴーン容疑者を批判し、「労働者を犠牲にするな」などと出勤する日産労働者に訴えた。

 ゴーン容疑者は、日産自動車の会長だったが、有価証券報告書に役員報酬を約50億円少なく記載していた容疑で東京地検特捜部に逮捕(11月19日)された。この日で逮捕からちょうど1週間。

 派遣切りされた1人が阿部恭さん(55)。日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)で、技術派遣として5年5カ月働き、解雇された。同日、厚労省で、「ゴーン氏の報酬は、労働者を犠牲にしたものだった。日産はまともな会社になって欲しい」と語った。

10 日産本社 ショールーム
(日産本社に展示してある日産車=横浜市)

 朝日新聞(27日付)は、ゴーン容疑者がリーマン・ショック時に、自身の通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引で約17億円の損失を出したために、日産に損失を付け替えていた疑いがあると報じた。これは27日のNHKの昼のニュースでも伝えた。

 ゴーン容疑者は、リーマン・ショックで阿部さんら2万人のリストラを強行。その裏で、こうした不正をしていた。阿部さんが語るように、日産をまともな会社に再生させることが急務だ。
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/11/27 13:37

◎ゴーン容疑者逮捕でアライアンスはどこへ?

 日産自動車の会長だったゴーン容疑者が、有価証券報告書に役員報酬を約50億円少なく記載していた容疑で東京地検特捜部に逮捕(11月19日)されて26日で1週間になります。

 25日になってゴーン容疑者が、地検に容疑を否認していることが明らかになりました。

 メディアは競って、ゴーン容疑者の日産「私物化」を伝えています。世界6カ国で高級住宅を無償提供、姉に業務実態のない契約料を支払う、娘の通う大学への寄付金、家族旅行の費用……次から次へと私的流用の疑惑が報じられています。

 これまでにわかった不正は、約80億円ともいわれていますから驚きです。“コストカッター”の異名で、工場閉鎖、人減らしをくり返し、2万人以上の労働者を日産から追い出す一方で、私腹を肥やしていたのです。

 日産の取締役や外部役員、監査役らは何をしていたのか、ノーチェックだったのか、ゴーン容疑者を恐れて忖度していたのか…元日産の労働者は怒りがおさまらないでしょう。

 日産の西川広人社長ら幹部は、数カ月前から内部調査をし、司法取引してゴーン容疑者にかかわる資料を地検に提供していたと報道されています。

10 日産本社
(日産自動車本社=横浜市)

 今年1月30日、日産は、ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社で、2017年に合計1060万台を世界で販売したと発表しました。日産は581万台、ルノーは376万台、三菱自動車は103万台でした。

 同年は、独フォルクスワーゲンが1074万台、トヨタグループが1038万台でしたから、日産・ルノーグループは世界販売で2位でした。この3グループが1000万台超で激しく争っています。

 この時、日産は発表で、3社の「アライアンス(提携、同盟の意味)の会長兼CEOであるカルロス・ゴーンは、『2017年に1060万台以上の乗用車およびLCV(小型商用車)を販売したことで、ルノー・日産自動車・三菱自動車は世界一の自動車グループとなりました。この成長は、アライアンスのモデルラインアップの幅広さ、グローバルな市場プレゼンス、そして魅力的な自動車技術などによるものです』と述べました」などと3社のアライアンスを誇示しました。

 日産は、ゴーン容疑者を会長職から解任しましたが、ルノーは解任していません。3社のこれからのアライアンスはどうなるのか? 日産は、販売台数や利益でルノーを上回りながら、ルノーへの出資比率が15%(ルノーの日産への出資比率は43%)と逆転しています。

 日産側の“クーデター”ともいわれるゴーン容疑者の逮捕。日産では、2万2000人余の労働者が、関連会社をふくめて13万8000人余が働いています。なぜ、こんな事態がおきたのか。日産は26日に全労働者へ説明するとしています。どのような説明になるのでしょうか。
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/11/26 11:54

◎過去を消したい 小説『ある男』

 過去を消したい―そんな男を推理小説仕立てで描いた平野啓一郎の最新小説『ある男』が評判だ。芥川賞作家のエンタメ小説かと思ったら、時代の思想を色濃く反映し、ヘイトスピーチや死刑廃止論など哲学的な思索も織り込んだ重厚な作品となっている。

 横浜市の弁護士の城戸は、かつて離婚相談をした宮崎県の里枝から相談が入る。再婚した夫のXが山林伐採の仕事中に事故で亡くなった。群馬県の温泉旅館の息子と思っていたXが、実はまったく別人だったというのだ。

 城戸は、Xのかつての恋人だった美涼の力を借り、Xが戸籍売買でなりすましをしていた事実をつかむ。Xには、過去を消したい悲しい物語があった…。

 城戸も、在日3世で、「朝鮮人!」と呼ばれることがある。妻、香織とは、子育てをめぐって離婚も考える。『ある男』に登場してくる人間は、みんな辛い思いを持っている。

12 ある男 平野啓一郎


 たまたま、この本と並行して古代史の本を読んでいた。百済など朝鮮からの渡来人は、現在の大阪や奈良、京都、滋賀あたりに住み、大陸文化を日本にもたらした――そうしたことに感銘を受けていた時でもあった。

 渡来人たちは、日本人と結婚し、日本に同化していった。現天皇は、平城京から平安京に都を移した桓武天皇の母の高野新笠にふれ、「韓国とのゆかりを感じています」と語った(2001年)ことがある。高野新笠は、百済系渡来人の氏族であるという。

 過去を消すのではなく、過去を大きく包み込む――小説『ある男』の底流には、時代の確かな、しかも大きな流れが描かれていることを感じた。
その他 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/11/25 20:51

◎トヨタシンポ ゴーン容疑者とばく大な大企業の利益を議論

 第34回トヨタシンポジウム(愛労連などでつくる実行委員会主催)が11月23日、名古屋市内で開かれ、94人が参加した。

 日産自動車会長だったカルロス・ゴーン容疑者が、自らの報酬額を約50億円も少なく有価証券報告書に記載していたとして東京地検特捜部に金融商品取引法違反容疑で逮捕された(11月19日)直後だけに、大企業のばく大な利益などをめぐって報告、議論した。

 愛労連の榑松佐一議長はあいさつで、トヨタは「CCC21」などの原価低減で、下請け単価を切り下げたり、賃金抑制をするなどして内部留保(20兆円超)をため込んできたが、「その利益はどこへ行ったのか」をシンポで明らかにしたいとのべた。

 政治経済研究所の佐々木憲昭主任研究員(元日本共産党衆院議員)が、「グローバル経済のなかで企業の社会的責任をどう果たさせるか」と題して講演した。

トヨタシンポ18
(トヨタシンポで講演する佐々木憲昭氏)

 佐々木氏は、ゴーン容疑者の不正を可能にしたのは、経済のグローバル化・金融化であると強調。トヨタなど大企業は、最初は輸出で、次は生産の海外移転で、さらに金融化という3段階で利益を上げ続けてきた、と豊富な資料をもとに解明した。

 このなかで、歴代自民党政権の法人税減税(1980年代半ばの43・3%から2010年代半ばの23・4%)へと引き下げた結果、トヨタの法人税などは9115億円(2008年3月期)から5044億円(18年3月期)へと、10年間で半分近くになっていることを明らかにした。

 佐々木氏は、こうした大企業のため込んだばく大な利益の実態を詳細に明らかにし、財界、アメリカいいなりの経済の仕組みを転換し、企業の社会的責任を果たさせることの重要性を指摘した。

12 トヨタ本社
(トヨタ本社)

 榑松議長は、安倍政権が臨時国会に提出した出入国管理法改定案――外国人労働者の受け入れの拡大に関連して、技能実習制度の実情について報告。愛労連は、この2年半余で86件にのぼる外国人労働者の相談にのってきた。

 榑松議長は、暴力支配と急増する失踪者、家賃ピンハネなど生々しい実態を示し、安倍政権の入管法改定を許してはならないと訴えた。

 愛労連の知崎広二事務局長が19春闘に向けた行動を提起。18春闘で、トヨタが賃上げ回答を非公表したことを批判。内需拡大のために大幅賃上げ・底上げの実現をはかること、新春大企業宣伝やトヨタ本社要請行動、第40回トヨタ総行動などの具体的行動を示した。

トヨタシンポ・総行動 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/11/24 20:51

◎背後に日産、ルノーの経営をめぐる権力争い?

 日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者が自らの報酬額を約50億円も少なく有価証券報告書に記載していたとして東京地検特捜部に金融商品取引法違反容疑で逮捕された(11月19日)事件。日産は22日夕方から、臨時の取締役会を開き、ゴーン容疑者を会長、代表取締役から解任しました。

 一方、仏・ルノーは20日、ゴーン容疑者のルノーの会長兼CEOを解任することを見送りました。なぜ、ゴーン容疑者は逮捕されたのか? これまでの報道などで明らかになったことを総合すると、日産、ルノーの経営をめぐる権力闘争があったことが推測されます。

 日産は、1990年代後半に経営危機に陥り、ルノーから出資を仰ぎ、ゴーン容疑者が日産に乗り込んできました。村山工場(東京都)や座間工場(神奈川県)の工場閉鎖、2万1000人もの人減らし「合理化」に腕を振るったのがゴーン容疑者でした。

 “コストカッター”と呼ばれるほどの非常なリストラを強行したゴーン容疑者は日産の社長(2000年)に上り詰めます。それから約20年。現在、日産はルノーに15%を出資し、ルノーは日産に43%出資しています。

 一方で、利益は日産がルノーを大きく上回り、日産がルノーを支える、と逆転しています。三菱自動車の燃費不正を契機に、ゴーン容疑者は同社を日産・ルノーグループに組み入れます。

 3社連合になったグループは、2017年上半期(1~6月)に約526万台を販売し、独フォルクスワーゲンやトヨタ自動車グループを抜いて世界販売1位に躍り出ます。

 その勢いのまま、同年9月15日、新たな6か年計画「アライアンス2022」を発表しました。アライアンスは、提携、同盟の意味で、2022年には、さらに年間1400万台を販売するという野心的な計画でした(トヨタグループは現在、1000万台超)。

12 ゴーン逮捕 クーデター? 朝日系
(「経営統合阻止のクーデター?」説も飛び出しています。テレビ朝日系=22日)

 アライアンスを超えて、3社の経営統合で世界1を不動のものにするという青写真を描いていたのではないか―。実際、英紙フィナンシャル・タイムズは20日、3社の統合はゴーン会長が強く推進し、反対する日産経営陣は「数カ月以内」に実現する可能性があるとみていた――と日経新聞(21日夕刊)が同紙を引用して伝えました。

 経営統合に日産側は反撃に出ます。ゴーン容疑者が逮捕された日の夜、日産の西川広人社長は記者会見し、ゴーン容疑者の不正行為は、ほかにも目的を偽った投資資金の支出、私的な目的での経費の不正使用など大きくいえば3つの不正をしてきたと説明しました。

 内部通報を受けて数カ月にわたり、内部調査をしてきたというのです。あまりにも用意周到にゴーン容疑者の不正を明らかにしました。“ゴーン落とし”とも見られるような対応でした。

 しかし、歴代の日産の経営陣は、ゴーン容疑者の不正を、これまで見て見ぬふりをしてきたのでしょうか? いわば肉を切らせて、骨を切る作戦に出て、ゴーン容疑者の3社経営統合を阻止し、日産の経営独立を守ろうとしたのでしょうか? 謎だらけです。

             ◇

 この記事は、11月23日にアップする予定でしたが、前日にアップしました。
その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/11/22 21:18
 | HOME | Next »