FC2ブログ

◎「希望」の小池代表 民進候補を選別

 「希望の党」の小池百合子代表・都知事は9月29日、民進党からの候補者を選別することを改めて表明しました。1政治家の名前欲しさに、野党第1党のプライドも投げ捨てて、「希望」への吸収・合併を選んだ民進党の前原誠司代表は、「全員を受け入れて欲しい」と嘆願するほどです。

 小池代表は同日、前原代表と会談した後、「(民進党からの)候補者全員、受け入れることは、さらさらありません。絞り込みたい」などと露骨に選別する考えを示しました。

 選別の基準は、「安全保障、憲法観といった根幹の部分で一致することが必要最低限」とのべました。「安全保障」とは、安倍政権が違憲の集団的自衛権の行使を盛り込み、2015年に強行した安保法制(戦争法)のこと。「憲法観」とは、安倍首相がねらう憲法9条の改悪のことです。

小池代表 民放
(安全保障、憲法を選別の条件にする「希望」の小池百合子代表=9月29日、民放テレビから)

 これでは、安倍首相とまったく同じです。安倍首相は解散を表明した記者会見(25日)で、小池代表を自公政権で防衛相を務めたなどとエールを送っていました。

 民進党は、立憲主義を守り、安保法制を廃止することを、日本共産党など野党4党と学者や学生、ママらでつくる「市民連合」の共通政策として掲げてきました。小池代表の選別を認めるというのであれば、これを一方的に投げ捨てることになるでしょう。

 「希望」は、民進党からの候補者を、「A、B、Cにランク付けする」(朝日新聞、29日付)、「それは左だからダメ」(同、30日付)などと選別しているといいます。民進党のなかのリベラル派を排除し、小池氏の考えと同一の者にしか「希望」の候補者にしないということです。

 安保、憲法という2つの踏み絵を示すという、まるでキリシタン禁令のような選別を当然視する小池代表。それまでにして「希望」の候補者になるというのであれば、政治家としての節操も矜持もないことになるでしょう。
スポンサーサイト
17年衆院選 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/09/30 08:08

◎衆院解散 本村伸子候補先頭に豊田市、名古屋市で訴え

 安倍首相が森友・加計疑惑を隠すために国会を解散した9月28日、日本共産党は豊田市、名古屋市などで市田忠義副委員長を迎え、比例代表東海ブロックの本村伸子候補を先頭に、「安倍政権を退場させよう」と日本共産党の躍進を訴えた。

 同日午後零時。衆院の大島理森議長が解散詔書を読みあげる。自民党席から万歳三唱。この間、わずか4分ほど。安倍首相の所信表明演説はなし。日本共産党など野党が要求していた代表質問はなし。安倍首相のいう「国難突破解散」はまったくの嘘で、「森友・加計疑惑解散」を証明した。

解散日1
(本多のぶひろ予定候補=右)

 午後1時半。豊田市の名鉄豊田駅前のロータリーでは、小選挙区愛知11区予定候補の本多のぶひろ氏が安倍首相の暴挙を批判するとともに、「安倍暴走政治を退場させるチャンス」などと呼びかけた。本多氏は、前日にはトヨタ高岡工場門前で訴えたばかり。

 午後4時半。名古屋駅西口。市田副委員長、本村比例予定候補、小選挙区愛知1区の大野宙光、2区の酒井ケンタローの両候補らが訴えた。市田氏らは、民進党の前原誠司代表が同日午後の両院議員総会で、「希望の党」への合流を提案したことについて、合流というより、一方的な吸収・合併と指摘した。

 「希望の党」のメンバーは、小池百合子代表・東京都知事が防衛相だったように自民党政治の中枢にいた人であり、民進党にいて野党共闘に反対して出ていった人、ウルトラ右翼の流れの人らであること。

解散日2
(市田忠義副委員長=右から2人目=と予定候補)

 前原氏の提案は、憲法違反の集団的自衛権の行使を認める安保法制を廃止することで野党と市民が運動してきた2年間の共闘を反故にするものであり、裏切るものであるなどと批判した。

解散日3
(本村伸子比例予定候補)

解散日4
(酒井ケンタロー小選挙区2区予定候補)

 市田氏らが語ったように、この一両日の民進党の動きには驚いた。野党と市民の共闘は、昨年夏の参院選で、11選挙区で勝利したように、安倍政権暴走をストップさせる希望の共闘だった。

 それを一方的に投げ捨てるのは、背信行為だ。小池知事の名前を借りて選挙するなんて、政党のすることだろうか。しかし、日本共産党は野党と市民の共闘の大義の旗をしっかり掲げて衆院選をたたかう。

 多くの市民が市田氏の訴えを聞くために集まった。新幹線のホームにいた人も耳を傾けていた。アベ政治の5年間にノーを突き付ける総選挙だ。
17年衆院選 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/09/29 13:32

◎高岡工場前で11区の本多のぶひろ氏と訴え

 臨時国会冒頭での衆院解散(9月28日)を前にした27日、日本共産党トヨタ自動車委員会と衆院愛知11区の日本共産党予定候補に決まった本多のぶひろ氏が高岡工場前で、「市民と野党共闘を前にすすめ、日本共産党の躍進で安倍政権を退場に追い込もう」と出退勤するトヨタ労働者に訴えた。

 これには、根本みはる豊田市議が参加。本多候補は豊田市出身の41歳。みかわ市民生協で働き、日本共産党名古屋市議団などで活動してきた。この日は、雨が降りそうな雲行きだったが、なんとかもった。

 高岡工場の正門に出入りする労働者は、ほとんどが若い人だった。日本共産党ののぼりやプラスターを見ながら、工場の外にある駐車場から正門へ、その逆へと向かう。

 今回の安倍首相の唐突な衆院選挙は、「森友・加計困難突破解散」ともいうべきものだ。安倍首相がからむ森友・加計学園疑惑に、“丁寧な説明”どころか、何1つ答えることなく解散するからだ。

高岳1
(政策を訴える日本共産党の衆院愛知11区の予定候補、本多のぶひろ氏=トヨタ高岡工場前)

 マイクを握った本多氏や根本議員、党委員会の代表は、「安倍首相のお友だちや1%の大企業、富裕層のための政治ではなく、99%の国民のための政治へと変えるチャンスです」と呼びかけた。

 安倍首相がねらう消費税の10%への大幅増税では、貧困と格差をいっそう増大させ、車も売れなくなって景気をどん底に落とすこと。憲法9条の改悪を許さず、北朝鮮の核・ミサイル問題は、外交的解決をはかること――など日本共産党の政策を訴えた。

 トヨタでも、技能職には毎月評価し、毎月賃金が変わる成果主義賃金(最大2万5000円の差がつく)が導入され、事務・技術職には過労死・長時間労働をいっそうすすめる恐れがある「FTL」(労働時間や働く場所の規制をはずす)が導入されようとしている、と指摘した。

高岳3
(トヨタ高岡工場。同工場で生産している車が展示されています)

 内部留保の大きな部分を占めるトヨタの利益剰余金は、日本の大企業でも突出した約18兆円にもなっていること。その一方で、「私たちの預貯金は増えているのでしょうか。生活はよくなっているのでしょうか」と問いかけた。

 大企業や富裕層へ応分の負担を求め、大軍拡と大型開発などにメスを入れれば、消費税の大増税をしなくても教育や子育ての予算を増やすこができると強調した。

 その上で、「政治を変えるのは国民1人ひとりの力です。比例代表は日本共産党、11区では本多予定候補に大きなご支援をお願いします」と呼びかけた。

高岳2
(トヨタ労働者にビラを配布する日本共産党の根本みはる豊田市議)
17年衆院選 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/09/28 12:10

◎市民連合 中央でも愛知、三重でも野党共闘求め

 中央段階の「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)は9月26日、日本共産党、民進党、自由党、社民党の4野党に、10月22日投票予定の衆院選挙で、野党の戦い方と政策に関する要望書を提出しました。

 要望書では、立憲主義の原理を共有する4野党が、小選挙区で地域事情を勘案し、候補者を出来る限り調整することで、「与野党1対1の構図」をつくること。そして国民に、「憲政と民主主義を擁護する選択肢を提供する責任があります」と強調しています。

 要望する政策では、憲法9条改訂の反対や安保法制、共謀罪法などの廃止、福島第一原発事故の検証のないままの再稼働を認めないことなど、7項目を示しています。

 4野党への要請後に記者会見した市民連合の山口二郎法政大学教授は、「野党の候補者一本化に向けて、各党の明確な意思が確認できた」とのべました。

 愛知県でも9月24日(日)、「市民と野党をつなぐ@愛知」が衆院選挙対策特別会議を開きました。愛知県の15選挙区のうち12選挙区からグループ・個人が集まりました。

「市民と野党をつなぐ@愛知」 1

「市民と野党をつなぐ@愛知」 2
(「市民と野党をつなぐ@愛知」の会議=9月24日、名古屋市)


 短期間で市民にアピールして、野党共闘に近づくために、何をいつまでにするのか、できるのかなどを話し合いました。国民の願いをかなえるのが政治です。野党共闘で、安倍自公政権に代わる政治を実現してほしい。多くの選挙区で、ねばり強く活動している人たちがいることを知り、心強く思いました。

 隣の三重県では、昨年夏の参院選挙で野党統一が実現し、芝博一議員(民進党)が自公を破って勝利しました。9月24日(日)、津市で「安倍政権の疑惑隠し解散に抗議する緊急対談」が開かれ、「市民連合みえ」の呼びかけ人の岡歩美さんと芝参院議員が対談しました。

 芝参院議員は、「三重県では参院選以降も『市民連合みえ』との関係を築いてきた。一番野党共闘の流れに近い。三重県からも発信していきたいと思っている」などと語ったといいます。

17年衆院選 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/09/27 09:38

◎本村伸子衆院議員が地元・豊田市で訴え

 安倍首相が臨時国会(9月28日)の冒頭で、衆院の解散をねらうなか、日本共産党の本村伸子衆院議員(衆院東海比例ブロック候補)は24日(日)、地元の豊田市の名鉄豊田駅前ロータリーで街頭演説を行った。

 大村よしのり、根本みはるの両豊田市議、牧田充生みよし市議や後援会員が参加した。本村議員は、国政を私物化する安倍首相の“森友・加計疑惑隠し”の党利党略の解散を厳しく批判。同時に、改憲をねらう安倍政権を倒す絶好のチャンスと呼びかけた。

衆院選へ 20170924
(訴える本村伸子衆院議員=中央。9月24日、豊田駅前)

 本村議員は、今年8月9日の長崎原爆投下の日に平和式典に参加。「父が長崎で被爆2世として、核兵器廃絶、9条改憲阻止へ全力をあげます」などと訴えた。

 ロータリーのデッキの上から手を振ってくれる人、立ち止まって耳を傾けてくれる人、名鉄ホームで電車を待つ人たちも聞いてくれた。

 これに先立つ24日午前10時から衆院愛知11区(豊田市、みよし市)総選挙勝利総決起集会が豊田市内で開かれた。本村議員や地方議員、後援会員ら約50人が集まった。

 本村議員が再選をめざして決意を表明。14年12月の総選挙で衆院議員になって以来、国土交通委員として70回を超える質問をし、安倍政権を追及してきた。

 本村議員は、安倍暴走政治をこれ以上許さないためには、党と市民の共闘を発展させ、衆院の「改憲勢力3分の2体制」を打破し、さらに自民・公明とその補完勢力を少数に追い込もう、東海ブロックから3人を国会へおくるためにともに頑張ろうと呼びかけた。

衆院選へ2 20170924


 党支部からの決意表明の後、11区選挙対策本部長の大村豊田市議が解散、告示までの宣伝、支持拡大など具体的な行動提起を行った。さっそく豊田駅前での街頭宣伝に勇躍して取り組んだ。

               ◇

 この記事は、9月26日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
17年衆院選 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/09/25 16:07

◎衆院解散 反対64%、賛成23%

 安倍首相は、今日9月25日、記者会見し、衆院の解散を正式に表明します。28日に臨時国会を召集し、冒頭で解散(10月22日投票)すると取りざたされ、各党はいっせいに走り出しています。

 問題なのは、解散の大義です。日本共産党や民進党など野党は憲法にもとづき、6月22日に臨時国会を開くよう求めてきました。国政を私物化する森友・加計学園の審議などを求めるものでしたが、3カ月も開きませんでした。

 開くと思ったら、首相の所信表明も各党の代表質問もなしと伝えられています。なにもなしのままの解散というのは前代未聞で、日本共産党は“森友・加計疑惑隠し”であり、党利党略、権力の私物化の極みと厳しく批判してきました。

 こうした大義なき解散に、国民は強く反対しています。共同通信が9月23、24の両日に行った全国電話世論調査では、「この時期の衆院解散について賛否を聞くと、反対が64・3%で、賛成は23・7%にとどまった」としています。

説明責任を果たすと約束する安倍総理[1]
(記者会見で説明責任を果たすとのべていた安倍首相=ネットから)

 安倍首相は今日の記者会見で、どのように説明するのでしょうか? 安倍首相はこれまで、「何か指摘があれば、その都度、真摯に説明責任を果たしていく」とのべてきました。
17年衆院選 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/09/25 11:56

◎沖縄・辺野古、高江のたたかいと連帯して

 安倍政権が、沖縄県名護市の辺野古で強行している米軍新基地建設。その予定海域に、活断層の可能性のある断層の存在が、防衛省の作成資料と地質研究者への取材で分かった、と9月24日付の「しんぶん赤旗」が伝えている。

 新たな資料で判明した危険な場所に、新基地を建設していいのか。沖縄の人々と連帯して愛知県でも、新基地建設反対、高江(東村)へのヘリパッド建設反対のたたかいがつづく。

 【辺野古新基地反対コンサートイン名古屋】

 名古屋市栄の三越デパート。その向かいにある栄広場で「辺野古新基地反対コンサート in 名古屋」が開かれた(敬老の日の9月18日、月曜日)。今回で10回目になる。

辺1

 コンサート実行委員会によると、辺野古の埋め立て区域の北端では、100mほど石材が積みあがっているという。サンゴ群生地にもかかわらず、安倍政権は「特段の支障はない」という姿勢だ。

 しかも沖縄県の岩礁破砕許可が今年3月で切れているにもかかわらず、工事を強行している。翁長雄志県知事をはじめ県民が抗議しているのに、安倍政権は完全に無視している。日本は法治国家なのか。

辺2

 コンサートには、昨年も参加したが、午前11時から午後5時までのロングランだ。20人近い個人やバンドがボランティアで出演している。いろいろな人たちが入れ代わり立ち代わりで聞きに来ていた。また、栄の街を行き交う人が立ち止まって聞いていく。

 毎週土曜日には、向かい側にある三越デパートのライオン像前の広場で午後6時から同7時までアピール行動をしている。私も何度か参加した。最後に行われる「勝利のラインダンス」が実に楽しい。

 辺野古に近い沖縄・高江へ、安倍政権が強行したヘリパッド建設。その現状を展示しているテントがあった。写真を見ていると豊田ナンバーの機動隊のバスがあった。自分が住む豊田から機動隊が参加しているのだ。

 とんでもないことだ。資料や本もあり、本を2冊買い、カンパもしてきた。次回は、12月17日(日)に、名古屋市・金山にある労働会館東館ホールで午前11時から開かれる予定だ。

辺3


 【沖縄高江への愛知県警機動隊派遣違法訴訟の裁判前学集会】

 「沖縄高江への愛知県警機動隊派遣違法訴訟」の第1回口頭弁論が10月25日に名古屋地裁で開かれる。高江への機動隊の派遣は、違法な公金支出だと訴えるものだ。

 それに先立って9月15日(金)、名古屋のウィルあいちで、裁判前学習会が開かれた。50人近くが集まった。

 短い期間にもかかわらず、裁判には211人の原告が加わった。弁護団からのあいさつや説明が行われ、裁判の正当性や意義が強調された。

辺4


 原告の代表や最近、沖縄へ行き、辺野古のキャンプシュワブ前での抗議行動に参加した人が、機動隊からごぼう抜きされた体験を、写真などを使って報告した。機動隊が不当な弾圧行為を日常的にくり返しているという。

 愛知県警への情報開示請求をすると、ほとんどが黒塗りの“のり弁”状態だったという。原告に加わろうと思ったが、時間に間に合わなかった。サポーター登録をして、支援していきたいと思う。
沖縄 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/09/24 16:10

◎電通過労自殺事件 社長が違法残業を謝罪

 東京の都心から湾岸部を結ぶ、「ゆりかもめ」に乗ると、広告大手、電通の巨大なビルが目の前に見えてきます。このビルで働いていた新入社員の高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺(2015年12月)からもうすぐ2年になります。

 高橋さんの過労自殺は、毎年200人前後が過労死、過労自殺で労災認定される過労死大国・日本でも、政治、社会に与えた衝撃は特別なものでした。彼女がSNSで発信していた亡くなる直前のメッセージがあまりにリアルであり、企業の働かせすぎが正面から問われました。

 「もう(午前)4時だ。体が震えるよ…しぬ もう無理そう。疲れた」「働きたくない 1日の睡眠時間が2時間はレベルが高すぎる」――電通本社ビルでSOSを発信していたのです。

 高橋さんを死に追いやった電通を裁くために9月22日、東京簡裁で初公判が開かれました。労使で取り決めた残業の上限(労働基準法36条にもとづく)の月70時間を超えて、最長19時間以上を超えて働かせていた違法残業として問われたのです。

 ほとんどが略式起訴で終わる労基法違反事件で、公判が開かれるのは異例です。検察側は冒頭陳述で、電通が14年6月と15年8月に労基署から是正勧告を受けたものの、増員や業務量削減など抜本策を講じず、「実際には、サービス残業を余儀なくされる労働者が相当数」いたと指摘しました。

 論告求刑では、会社の対応が、労働者のための長時間労働改善ではなく、36協定特別条項の上限を2倍に引き上げるなど、違反業者としての処分を避けるため、形式的に36協定違反の解消をはかった「小手先だけの対応」だったと批判しました。

 電通の山本敏博社長は「間違いありません」と起訴事実を認めて謝罪しました。検察側は罰金50万円を求刑し、即日結審しました。判決は10月6日です。どのような判決になるでしょうか。

ゆりかもめからの電通
(ゆりかもめから見る電通の本社=向こう側の巨大ビル)

 裁判とは別に、政治は2度と高橋さんのような悲惨なことをなくす手立てを取ったのでしょうか? 安倍政権は9月28日から開く臨時国会に、「働き方改革」の関連法案(労働基準法の改定案)を出す予定でした。

 しかし、冒頭解散される見込みで、関連法案の行方は不明になりました。しかも労基法改定案の内容は、「働き方改革」どころか、過労死をいっそう増やす残業の上限規制や「残業代ゼロ」(高度プロフェッショナル)という内容です。

 残業の上限規制は、何と月「100時間未満」まで残業を認めるものです。厚労省は月80時間以上を過労死ラインとしているだけに、「全国過労死を考える家族の会」は強く反対しています。

 電通過労自殺事件から学ぶものは、残業の上限を月45時間(厚労省は月45時間を超えると健康障害のリスクが徐々に高まるとしている)までと法律に明記し、「繁忙期」などといって例外を認めないことです。そうでないと、高橋さんの悲劇は、また起こりかねないからです。

 トヨタ自動車では、わかっているだけで5件の過労死認定があります。今年2月には、トヨタの関連会社で働いていた三輪敏博さんの過労死(死亡当時37歳)が名古屋高裁で労災と認定され、厚労省が3月9日に上告を断念したために判決が確定しました。

 三輪さんは、月85時間余で労災と認められました。月「100時間未満」まで残業を認めたらどうなるか? もはや明らかでしよう。

過労死 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/09/23 11:07

◎池上彰氏が「資本論」で指摘したこと

 新聞、テレビなどに出ずっぱりの池上彰氏(元NHK記者、東京工業大学教授)が出版した本に『高校生からわかる「資本論」』(集英社)があります。リーマン・ショック(2008年)の翌年に出版したものです。

 来年は、そのリーマン・ショックという名の大恐慌から10年目の節目の年になります。リーマン・ショックで、トヨタは創業以来、初めての4610億円という巨額の赤字を出しました。

 労働者に「一斉年休」と「会社休業」(基準賃金の80%支給)が強行され、6000人以上の期間従業員が雇い止めされ、トヨタグループ全体では派遣労働者をふくめ1万人以上がリストラされました。

池上本 資本論


 池上氏の本は、こうした時に出版されたものです。派遣切りや“年越し派遣村”が政治、社会問題になるなかで、「『資本論』が再び脚光」をあびたことから、「高校生らに集まったもらい、授業形式で解説したのをもとに」(池上氏)まとめた本だといいます。

 その上で、『資本論』から「学べることは、多い」とのべ、「率直に『すげぇなあ』」と感嘆しています。ちなみに今年は、『資本論』第1巻が出版されて150年になる年です。

 池上氏は、この本で「資本論」の核心部分にふれ、「マルクスは『搾取』を発見した」と強調しています。

……
 たとえばの話、4時間働くと労働力の再生産の費用分をつくり出したことになるかも知れない。労働者を4時間働かせたことによって労働者の労働力分の給料はここで出ました。その後、さらに4時間働かせた。ここの部分が新しい価値になるということなんです。この部分がつまり剰余価値になる、ということです。

 資本家は労働者を雇って労働者に働かせた。労働力の分だけの価値を稼ぐ時間、これが「必要労働」ということになり、それ以上の分が「剰余労働」ということになる。

池上 資本論2
(池上彰著『高校生からわかる「資本論」』=集英社=から)

 労働者の労働力の給料分は、たとえば4時間働かせれば、それでもう、つくり出したとする。「でも8時間、君には働いてもらうという契約なんだから、あと4時間働いてよね」。あとの4時間でつくり出したものは、みんな会社のものになる。これが剰余労働。

 つまり、労働者は自分の労働力分以上の価値を生み出す。本来のものよりもうんと価値のあるものを生み出すということです。こういうことを「搾取」といいます。
……

 さすが、わかりやすいですね。池上氏は、リーマン・ショック当時のことを、多くの人がいうように「金融不安」とのべていますが、「実際は恐慌」と指摘しています。

 池上氏がいうことは正しく、リーマン・ショックは、金融不安と過剰生産が重なった大不況=大恐慌だったのです。トヨタは、マルクスが分析したように、資本主義に不可避の大恐慌に飲まれたのです。

 恐慌は、1825年のイギリスに始まり、この200年近くで20回起きています。戦後でも1957年、74年、80年、91年、2000年前後、リーマン・ショックの2008年と6回起きています(不破哲三著『マルクスは生きている』)。実に、ほぼ10年に1回の割合です。

 『資本論』第1巻出版から150年の今年、『資本論』からあらためて学んでみようではありませんか。
その他 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/09/22 10:32

◎ふたたび どこの国の首相か

 9月21日の朝7時、NHKテレビはニューヨークから国連のニュースを伝えました。1つは、核兵器禁止条約の署名式が行われ、50の国と地域が署名したという、うれしいニュースです。

 条約は、50か国が批准の手続きを終えた90日後に発効することになっています。いよいよ2018年に、核兵器禁止条約が発効する見通しになりました。広島、長崎への原爆投下から72年。核兵器に悪の烙印が押されるのです。

 もう1つが、安倍首相が国連総会で演説し、北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射に対し、「必要なのは対話ではない。圧力だ」と対話を否定した驚くべきニュースです。トランプ政権も対話を否定していないのに全否定したのです。

 核兵器禁止条約は今年7月、国連加盟国の6割を超える122の国と地域が賛成して採択されました。署名式には、長崎市の田上富久市長や長崎で被曝した日本被団協代表委員の田中煕巳さん(85)が参加していました。NHKは、次のように伝えました。

……
 田中さんは、「最も犯罪的で非人道的な核兵器を禁止する条約がこれまでなく、被爆者として悔しい、腹立たしい気持ちで叫び続けてきました。各国が署名する様子を見て涙が出るくらい嬉しかったです。亡くなった被爆者たちも喜んでくれると思います」と話していました。

 その一方で、日本政府が条約に参加していないことについては、「非常に残念です。核兵器がいかに犯罪的で非人道的で残虐かということを唯一の被爆国と言っている日本政府はほかの国に伝えるべきで、条約に参加することを求めていきたいと思います。そうでないと私たちの政府、総理なのかという思いがします」と話していました。
……

写真NHK 核兵器禁止条約 50カ国署名
(国連での核兵器禁止条約の署名式=NHKテレビから)

 安倍首相は、今年8月9日、長崎での平和式典後の被爆者との懇談で、「あなたはどこの国の総理ですか。私たちをあなたは見捨てるのですか」と被爆者から問い詰められました。

 この日の署名式に参加しない唯一の戦争被爆国の日本。田中さんも「私たちの政府、総理なのかという思いがします」と語ったのです。その一方で、安倍首相は核実験をくり返す北朝鮮との対話を自ら閉ざす演説をしました。

 署名式では、コスタリカのソリス大統領が、「いまだに核兵器を安全保障政策の中に据えている国は、人類と地球を危険に陥れている。すべての国が核廃絶に向けた歩みを進めるよう求める」とのべ、核兵器の保有国にも条約への参加を促した――とNHKは伝えました。

 ソリス大統領の格調高い発言に比べ、アメリカの核の傘のもとから一歩もでない安倍首相の姿勢は情けないくらいです。北朝鮮との対話を閉ざし、核開発・実験の中止の圧力だけでは説得力はないでしょう。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/21 09:22
 | HOME | Next »