◎ハナミズキの季節に「働き方」を考える

 ソメイヨシノがすべて散り、濃いピンクのハナミズキが街に目立つ季節になりました。トヨタ自動車ではトヨタカレンダーに基づいて、4月29日(土)~5月7日(日)までの9日間、休みになります。

 このゴールデンウイークは、8月の夏休み、年末・年始の休みと合わせ、仕事から離れ、リフレッシュできる長期の休みになります。日ごろはなかなか、家族で遠出できませんが、新緑を求めてマイカーを走らせるチャンスです。

12 ハナミズキ
(ハナミズキ)

 昨年秋、電通の新入社員の高橋まつりさん(24)が過労自殺する事件が明るみになり、社会に大きな衝撃を与えました。それだけに、人間らしい働き方とは何かが大きな課題になりました。電通を捜査していた厚生労働省は4月25日、同社と3支社の幹部3人を労基法違反の疑いで書類送検し、捜査を終結しました。

 労基法36条に基づく「36協定」(残業の上限を労使で決める)を超えて残業をさせていたという違法残業の実態をつかみましたが、本社役員の立件はできなかったといいます。

 東京労働局の「過重労働撲滅特別対策班(かとく)」を指揮する樋口雄一監督課長は、「十分に実態解明がなされたとは思っていない。悔しい」と記者会見で語ったといいます(日経新聞、4月29日付)。

30 連合メーデー 20170429
(全トヨタ労連が参加した連合のメーデーで、「もう、過労死はなくそう」「インターバル規制を導入しよう」などのスローガンを書いた旗がなびきました=東京・代々木公園、4月29日)

 フラッパーゲートによる入退社時刻の記録より、自己申告の勤務時間が短くても、「自らの意思」で違法残業していた社員もいたといいます(日経)。人が少なく、仕事量が多い上に、成果主義賃金で追われれば、上司の直接の指示がなくても、自ら違法残業せざるを得ないからです。

 これは、電通だけではなくトヨタをはじめほとんどの企業で共通でしょう。こんな実態を無視し、安倍政権は「働き方改革」と称して、「月100時間未満」までの残業を認めようとしています。

 過労死ラインまでの働き方を「合法化」するのは、働き方「改悪」です。文部科学省の調査で4月27日、小学校教諭の約3割、中学校教諭の約6割が過労死ラインに達していたことが明らかになりました。

 この国の働き方、企業や国の働かせ方は、ドイツなど欧州に比べていかに劣悪であることが改めて浮き彫りになりました。5月1日は、メーデーです。1日10時間を超える労働に苦しめられていたアメリカの労働者が、1886年(明治19年)に「1日8時間労働」を要求して立ち上がったことが起源です。

 それから131年。もうそろそろ、7時間労働制をかかげようではありませんか。次の100年を見据えて、人間らしく働ける社会、企業を次の世代に引き渡すために!
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その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/04/30 09:05

◎籠池氏、昭恵夫人に「適時報告」

 安倍政権が森友学園問題を鎮静化させることに成功した…どっこい、同学園の籠池泰典前理事長が4月28日、安倍晋三首相の昭恵夫人が深く関与していたことを民進党の会合で新たに証言しました。

 籠池氏はこのなかで、「真っ先に(小学校建設の)構想について、相談したのは尊敬する安倍晋三首相夫人の昭恵先生」と語りました。そして、2014年3月、東京都内のホテルで昭恵夫人と面会すると、「主人(安倍首相)に伝えます。何かすることはありますか」とのべたといいます。

 籠池氏は当時、大阪府豊中市の国有地を借りるために財務省近畿財務局に出向き、「担当者には、交渉経緯を昭恵氏に報告していることを伝えていた」と説明。昭恵夫人の存在を使っていたといいます。

12 森友 小学校建設現場
(森友学園が建設していた小学校=大阪府豊中市)

 籠池氏は、16年3月に財務省の田村嘉啓・国有財産審理室長と面会した際のやり取りを録音したとする音声記録について説明。このなかで、田村室長は、15年5月の定期借地契約を「特例」などと発言したといいます。

 籠池氏は「それまで定期借地契約に難色を示していた財務省が14年夏ごろ、突然前向きになった。音声記録で(田村)室長が言う『特例』というのは、このことを指していたのではないか」とのべ、昭恵夫人の影響があったとの見方を示しました。

 籠池氏は、財務省とのやり取りを、「適時、電話で報告していた」とのべ、その数は「20回を超える」とのべました。国有地の問題をめぐって昭恵夫人が深く関わっていたことを証言したのです。

森友学園年表 朝日
(朝日新聞、4月29日付から)

 同じ日の28日、衆院財務金融委員会で、日本共産党の宮本徹議員は、籠池氏が明らかにした田村国有財産審理室長との音声記録について、財務省の佐川宣寿理財局長を追及。佐川局長は、「報道されている音声記録についての確認は控えさせていただきたい」と答弁しました。

 部下の田村室長に確認することを拒否するというのです。高級官僚の慇懃無礼な答弁は、テレビ中継で何度も見ましたが、財務省はここまで国有地の格安払下げを隠すのかと怒りたくなりました。

 宮本議員の追及に、佐川局長は報道で音声を聞いたとのべましたが、「(田村室長)本人かどうかはまったくわからない」とまでのべました。部下の声もわからないというのです。

 「私や妻が関与していたことになれば首相も国会議員も辞める」と国会で答弁していた安倍首相。籠池氏の新たな証言で、森友学園問題の追及は息を吹き返しました。連休明けの国会が注目されます。

安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/04/29 12:06

◎「トヨタの焦燥」 『東洋経済』特集

 週刊経済誌『東洋経済』が「トヨタの焦燥」という特集(4月29日・5月6日号)を組んでいる。トランプ米大統領、次世代カー、ケイレツ(系列)のトヨタを取り巻く“3つの難題”について44ページも使う力の入れ方だ。

 世界の自動車産業は、①ガソリン車に次ぐ次世代車は何になるのか、②グーグルなどネット関連企業を巻き込んだ、AI(人工知能)を基にした自動運転技術の開発、③車は持つものではなく、必要な時に借りるものという車シェア時代の到来――などをめぐって熾烈な競争をくり広げている。

 昨年、世界販売量ではフォルクスワーゲン(VW)に抜かれて、2位に後退したものの、トヨタは1000万台超を販売している。そのトヨタが熾烈な競争のなかで“焦燥”しているのではないか、というのが特集の命題だ。

 なかでも興味深かったのが「トヨタは読み違えたのか」という見出しの次世代カーの開発の物語である。現在のトヨタは、世界初のハイブリッドの量産車「プリウス」を1997年に販売してから20年になる。

 プリウスは4代目になり、プリウス以外にも30種以上にHVを広げ、世界販売累計は1000万台を超えた。日本ではホンダがトヨタと同じようにHVを販売しているが、世界で見るとHVは少数派にとどまっている。

 ガソリンと電気の“いいとこどり”をしたHVだが、本格的なエコカーへの中間技術という弱点があった。『東洋経済』の「特集」では、「トヨタはプリウスの成功体験から抜けられないでいる」というアナリストのコメントを紹介している。

12 トヨタの焦燥 東洋経済


 では、次世代のエコカーの本命は何か? トヨタは燃料電池車(FCV)の「ミライ」を世界に先駆けて2014年に発売したが、水素スタンドのインフラ整備というネックと価格が高いという2つの壁があって本命にはまだなっていない。

 「特集」では、今年2月にトヨタが発売を始めた2代目プリウスPHV(プラグ・イン・ハイブリッド)について触れている。内山田竹志会長は、発表会で「PHVがエコカーの主流になる」と断言した。

 その一方で、トヨタはHV優先で出遅れた電気自動車(EV)へ急速に開発をシフトしている。16年12月に豊田章男社長直轄の「EV事業企画室」を立ち上げ、グループ3企業から人を集めていると指摘する。

 背景には、アメリカの最大市場のカリフォルニア州で、2018年モデルから「排ガスゼロ車(ZEV)規制」が強化されるが、プリウスはエコカーの扱いからはずされることになった。

 トヨタにとってはショックな出来事であり、HV優先路線の修正を余儀なくされている。しかも、EVは電池の開発が急テンポですすみ、コスト低減と航続距離が長くなってきたこともEVに力を入れてきた日産自動車などを勢いづかせている。

 世界最大市場、中国は大気汚染が深刻で、エコカーに本腰を入れ始めている。エコカーの普及は、地球温暖化という人類共通の問題解決につながるものだ。しかし、EVなどからはエンジンがなくなり、下請けの仕事や労働者の雇用にも大きな影響をもたらすものになる。

 「特集」は、トヨタ1社だけの「焦燥」だけにとどまらない、自動車産業全体の根本的な問題を突き付けているようにも思った。ひよっとしたら、「トヨタにおれば一生安泰」という時代ではなくなるのか…。
職場は今 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/04/28 11:49

◎今村復興相の辞任と安倍首相

 今村雅弘復興相が東日本大震災について「(発生場所が)東北でよかった」と発言し4月26日、辞任しました。原発事故による自主避難者を「本人の責任」とのべるなど、復興相としてあきれた発言の後だけに、安倍首相も更迭に追い込まれました。

 金田法相、稲田防衛相、山本地方創生相…それにしても安倍政権の大臣の質の悪さ、低レベルには目をそむけたくなります。政治家としての「志」の低さの反映としかえいえないでしょう。

 安倍首相は、「任命責任は首相たる私にある」と認めましたが、それだけ済まされないでしょう。安倍首相自らが、集団的自衛権の行使などを認める憲法違反の戦争法(安保法制)を強行するなど、憲法さえ守ろうとしないからです。

 さらに、国有地を格安に払い下げた森友学園問題では、昭恵夫人の関与が指摘されながら、国会喚問に頑強に反対しています。首相がこうですから、閣僚が相次いで暴言、放言するのは当たり前でしょう。

アベ政治許さない 20170403
(豊田駅前での「アベ政治を許さない」の行動=4月3日)

 その森友学園問題で、籠池泰典・前理事長と妻が16年3月15日、財務省理財局の田村嘉啓国有財産審理室長らと面会した際の録音の存在が明らかになりました。

 録音を入手した朝日新聞(4月27日付)は、「小学校建設のための土地の契約をめぐり、安倍晋三首相の妻昭恵氏らの名前に触れて『早急な対応』を迫る学園側に対し、財務省側は『特例』の取引との認識を示していた」というのです。

 録音では、田村室長が、「この件がですね、貸し付けをするということが特例だったものですから」などとのべているというのです。小学校の名誉校長に就任(その後辞任)していた昭恵夫人とその背後の安倍首相に、財務省が「忖度」していた疑惑が強まりました。

 今村復興相の辞任にとどまらず、昭恵夫人を国会に喚問し、なぜ国有地が格安で払い下げられたのか、安倍首相と安倍政権は明らかにする必要があるでしょう。

 毎月3日に「アベ政治を許さない」の行動が、豊田駅前をはじめ全国で行われています。来月は、5月3日の憲法記念日に、この行動が行われます。ともに声を上げようではありませんか。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/04/27 19:09

◎坂本龍一の新譜『async』 “非同期”を奏でる

 ニューヨークに住み、東京との間を往復する音楽家、坂本龍一の8年ぶりの新譜『async』(アシンク)が話題になっています。がんの治療に専念するためにつくれなかったといいます。

 NHKは4月19日、「クローズアップ現代」で、「分断された世界で」というタイトルで放送しました。4月から新キャスターになった武田真一アナが鋭い問いかけをしています。

 ニューヨークや東京、街や林の中などで、スマートフォンで音を採録し、それを重ね合わせながら“同期しない音楽”をめざしたといいます。いわば、これまで排除してきたノイズをあえて使ったというのです。

 「同期しない」? アメリカや日本などの社会で、民主主義を否定し、人間を分断する“空気”に同期しないという意味か? ノイズは、そうした“空気”への抵抗なのか?

 番組では、後半に向けて武田アナがそうした坂本の思いを引き出していきます。『async』を制作中、トランプ政権が誕生。坂本は語ります。

50 クローズアップ現代 坂本米大統領選
(NHKの「クローズアップ現代」から。4月19日放送)

 「アメリカに住んでいるので、これからどうなっていくのか当然考えますけども、見方を変えると、いくらトランプ政権が誕生しても、有名人や一般人まで、きちんと反対意見を述べる人が半分近くいるというのは、アメリカのまだ少し健康なところ。だから、そうした目で日本を見ると、いかがなものかという気はして、じくじたる思いもしますけどね」

 坂本は、アメリカ以上に現在の日本社会に強い危機感を抱いているといいます。例にあげたのが福島第一原発の事故。原発反対の声をあげて6年以上がたったが、「なんか言いづらい、声を上げにくいような雰囲気もだんだん多くなってきた気がしますよ」と語ります。

 「やっぱり言いたいことが言えない社会というのは、よくないと僕は思う。2000人いれば2000人の受け取り方があっていいと思っている。それは、それぞれの固有のテンポを持っているということ。人間社会というのはそういうものでいいと思っていて、みんなが同じである必要はないですから」

 安倍政権にも鋭い質問を浴びせた国谷裕子キャスターが降板されてから1年。武田キャスターのもとで「クローズアップ現代」は、「おや、少し国谷キャスターの時のように変わったのか?」と思いました。また、“同期しない音楽”をめざした『async』を、俄然(がぜん)聞いてみたくなりました。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/04/26 17:23

◎「全国紙が後追いする赤旗のスクープ力」 『週刊ポスト』

 ネットで「しんぶん赤旗」が話題になっています。ある人は、次のように紹介しています。

……
『週刊ポスト』で「しんぶん赤旗」紹介

 『週刊ポスト』5月5・12日号が「『しんぶん赤旗』と『聖教新聞』 巨大機関紙を徹底解剖」を特集 「全国紙を上回る部数、海外にまで張り巡らされる取材網、そして独自スクープ連発の秘密に迫る!」「駅の売店には売ってないアノ新聞に書いてあること」「あなたの知らない『2大機関紙』の世界」をとりあげます。

 「聖教新聞」の取り上げ方は、「聖教新聞は池田大作名誉会長からの『手紙』」というもの。かたや「しんぶん赤旗」は「記者は300人、海外5か所に特派員も/全国紙が後追いする赤旗のスクープ力」が見出し。

 記事では、自民党の秘書が「(森友学園問題で)問題の論点整理をするのに一番参考になった(笑)」と語れば、全国紙の政治記者が「情報源でありライバルである」「赤旗は大手紙に先んじたスクープを放つので、ほとんどの新聞の編集部に置いてあり、記者たちも常に抜かれていないか、チェックしています」と語る。そして、「なかなか面白い」との評を加えています。
……

30 赤旗スクープ 週刊ポスト
(「週刊ポスト」、5月5日・12日号から)

 その「赤旗」のスクープのなかで、「極秘資料入手 ピンハネ月収の28%」(日曜版)とあるのは、2004年10月10日号のことです。「ポスト」は、「偽装請負で働く人の実情を取り上げた。これをきっかけに偽装請負問題は、大手有名企業にまで波及した」と指摘しています。

請負 日曜版
(「しんぶん赤旗」日曜版、2004年10月10日号)

 大手有名企業には、「トヨタ自動車北海道」(現在のトヨタ東日本)も入っています。スクープ記事には、徳島県のトヨタの関連会社、光洋シーリングテクノの請負労働者が労組を結成したことも合わせて掲載されています。記事から8年後の2012年9月、43人全員が正社員になる快挙をなしとげました。

 その記事も、このブログの2012年10月15日にアップしています。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-809.html

日本共産党 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/04/25 16:41

◎「東芝が消える日」 「東洋経済」が特集

 「東芝が消える日」――週刊経済誌「東洋経済」がセンセーショナルなタイトルの特集を組んでいます(4月22日号)。17年3月期決算では、製造業で過去最大の1兆円超の赤字を出す見通しの名門・東芝。そこに切り込んだ34ページの特集です。

 歴代3社長の粉飾決算に続いて、買収した米ウエスチングハウスで巨額の損失が出るというのです。東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指定(15年9月15日)されたなかでの巨額損失です。

 上場が廃止されれば東芝が消えるかもしれない…。グループを含めて16万人の雇用はどうなるのか? 特集で注目されるのは、社員がどんな思いで働いているかです。

 ここまで東芝を沈めたのは、すべて社長ら経営陣の信じられないような失敗によるものです。東芝に就職できたから、定年まで安泰だという思いは、吹き飛んだのです。

10 東芝が消える日 東洋経済


 特集では、東芝社員の怒りの声を社員口コミサイト「Vorkers」から作成しています。「トップや関係者への処分が軽い」「先行きが見えない」「給与もカットが続く」…などと経営者への怒りと不安が渦巻いています。(「Vorkers」には、トヨタ自動車の社員のクチコミが2597件あります)。

 このため昨年実施した早期退職優遇制度には3449人が応募し、中堅技術者たちが自動車関連などに転職しているといいます。

 特集でもう1つ注目されるのが、「原発立国」の旗を振った経産省の罪と、それに踊ったメーカー東芝の構図です。安倍政権は、福島第一原発事故を見て原発ゼロへ踏み出した独メルケル政権とは対照的に、再稼働を強力に推し進めています。

 その原点というのが2006年に8月に経産省が作成した「原子力立国計画」で、これが今も生きているというから驚きです。世耕弘成経産相は、東芝問題が原発再稼働に影響を与えることはないと言い切っているといいます。

 バラ色の未来を描いた「原子力立国計画」の「5つの基本方針」では、「『中長期的にブレない』確固たる国家戦略と政策枠組みの確立」などと大仰な表現を使って原発を推進していったことがわかります。東芝がウエスチングハウスを6210億円で買収したのは、同じ年の06年10月でした。

 ちなみに第1次安倍政権が誕生したのは06年9月でした。特集からは、東芝をここまで追い詰めた責任は、東芝経営陣だけではなく、原発の旗振りをしてきた自民・公明政権であったことが鮮明に浮き彫りになってきます。
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/04/24 12:05

◎アベ凶暴政権 無能力な法相に代わって刑事局長答弁

 「共謀罪」法案の本格審議が4月19日、衆院法務委員会で始まりました。冒頭、自民、公明の与党は、要求もない政府参考人の林真琴刑事局長の出席を、民進、共産両党の抗議のなか強行議決しました。前代未聞の暴挙で、凶暴な安倍政権の本質をあらわにしました。

 政府参考人制度は、1999年の国会法改正で発足したものです。政府への質問は、原則として大臣、副大臣、政務官が行い、例外として政府参考人(官僚)の出席を求めるものです。

 金田勝年法相は、野党の質問にまともに答弁できず、後ろに控える官僚の耳打ちなどの助けを借りても、何をしゃべっているのか意味不明です。メディアからは「グダグダ答弁の金田」といわれる有様です。

 このため、法相に代わって刑事局長に答弁させようという驚くべき手法を、与党が強行議決したものです。日本共産党の藤野保史議員は、厳しく抗議するとともに、「共謀罪」法案の先取りともいえる警察の監視の“網の目”が市民に及んでいる例を、「大垣警察市民監視事件」例に取り上げて追及しました。

 同事件は、中部電力の子会社が計画する風力発電所に反対する三輪唯夫さんと住職の松島勢至さんが勉強会を開いたことを機に、岐阜県警大垣署の警備課課長らが子会社に三輪さんらの個人情報を伝え、住民運動つぶしの相談をしていたものです。子会社作成の議事録によって、事件が2014年に明るみに出ました。

 運動と無関係だった近藤ゆり子さんと船田伸子さんも“メンバー”として、大垣署が情報も提供していました。朝日新聞は、藤野議員のこの質問を紹介しています。

 民進党の山尾志桜里衆院議員は、「共謀罪」法案の対象犯罪に墳墓発掘死体損壊などが入っている理由について、安倍晋三首相に答弁を求めました。ところが林刑事局長が答弁。山尾議員は「局長、(出席を)登録していないので答えないで」と制したが、林刑事局長は答弁を続けました。

10 共謀罪 プラスター


 朝日新聞は、「文芸春秋」の元編集長で作家の半藤一利さん(86)の「共謀罪」に反対する談話を掲載しています。半藤さんは、父親が戦前、「日本は戦争に負ける」と言ったことで、治安維持法違反で3回警察に引っ張られた例をあげてこう語っています。

 「戦争をする国家は必ず反戦を訴える人物を押さえつけようとするということだ。昔は治安維持法が使われたが、いまは『共謀罪』がそれに取って代わろうとしている。内心の自由を侵害するという点ではよく似ている」

 「私に言わせると、安倍政権は憲法を空洞化し、『戦争できる国』をめざしている。今回の法案は(2013年成立の)特定秘密保護法や、(15年成立の)安全保障法制などと同じ流れにあると捉えるべきだ」

 半藤さんが語るように、「共謀罪」法案は4度つぶす以外にないでしょう。日本を、2度と「戦争できる国」にしないためには。
安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/04/23 09:08

◎安倍政権も即撤収を 「19日行動」

 「安倍政権も即撤収してください」――4月19日、豊田駅前でスタンディングアピールした女性は、こうしたパネルをかかげた。少し前は、「そろそろ」と書いていたが、それを消して「即(すぐに)」にしている。

 もやは、一刻の猶予もないという思いだろう。暴走に、暴走を続け、憲法も法律も無視して突っ走る安倍政権だからだ。国民の批判に南スーダンPKOから、自衛隊は撤収に追い込まれたが、次は安倍政権の即撤収だ。

419行動1


 このアピールは、一昨年(2015年)の9月19日に、安倍政権と与党の自民党、公明党が戦争法(安保法制)を強行成立させたことに対し、これを撤回させる野党連合政府をつくるために毎月19日に、全国各地で行っている。

 豊田市では、ペデストリアンデッキに10人が参加し、午後6時から7時まで、通勤・通学する人たちが行き交うなかで、リレートークして訴えた。女子高生のグループがよく話を聞いてくれた。

419行動3


 秘密保護法、戦争法に続いて「共謀罪」の審議が強行して衆院の委員会で始まった。金田勝年法務大臣が、しどろもどろになって説明できない法案を、国民が理解できるわけはない。

419行動2


 本丸の憲法9条改悪に向けて、数の力で進めようとしている。沖縄のたたかい――「勝まであきらめない」に学び、粘り強く頑張る。参加者の共通の思いだ。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/04/22 17:05

◎シリーズ「無期雇用への転換」③ トヨタが「無期雇用転換」逃れ?

 トヨタ自動車では、期間従業員という労働者が正社員といっしょになって車づくりに携わっています。2000年代には、1万人を超え、生産現場の3人に1人が期間従業員でした。

 文字通りトヨタの“基幹工”の役割を果たしてきました。しかし、雇用期間は、入社時は3カ月で、1回目の契約更新が3カ月、2回目から5回目が6カ月で、6回目が5カ月で最長2年11カ月です。細切れの雇用です。

 生産があると次の契約まで1カ月の期間を開けて、ふたたび2年11カ月働くことができました。しかし、2008年のリーマン・ショック時のような大不況になると、6カ月や1年で契約終了を告げられ、6000人以上が雇い止めされました。

期間従業員バス 201405
(期間従業員らを乗せたトヨタのバス。堤工場前で)

 最近、5年以上にわたって期間従業員として働いてきたAさんが、トヨタのやり方は不可解だと言って、こう話してくれました。

 「これまで2年11カ月の雇用期間が終われると再雇用されてきた。次の契約期間までの1カ月間は、独身寮に荷物を置いてもよかった。ところが昨年、『6カ月開けてくれ』といわれ、荷物も持ち出すようにいわれた」

 次の契約期間までの1カ月間が、突然、6カ月間になったというのです。このシリーズの1回目で、2012年の労働契約法の改定で、「同じ企業で短期契約を更新して働き、雇用期間が通算して5年を超えた労働者にたいして、無期雇用への転換を企業に求める権利を与える」という無期雇用(正社員)転換が来年4月から発生することを書きました。

 ところが、有期契約を通算する期間の間に、契約が途切れている期間が「6カ月の空白期間」があるとリセットされ、通算5年という条件が満たされない「クーリング」という方法があるのです。

 トヨタは、このクーリングを使って、期間従業員の無期への転換ができないようにしている可能性があるのです。いわば労働契約法の抜け穴を巧妙に使った脱法行為です。こんな手法を、日本最大の企業のトヨタが行っていいのでしょうか。

 日本の非正規労働者は4割に迫るほど増えてきました。低賃金で使い捨ての労働者を増やし続ければ、社会保障や年金、子育てなど日本社会が成り立たなくなるでしょう。5年を超えた有期雇用労働者を、無期雇用へ転換させるべきです。それは企業の社会的責任として当然です。

                ◇

 この記事は、4月21日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
期間従業員 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/04/20 13:53
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