◎「月100時間未満」の働き方ではどうなる?

 安倍政権の「働き方改革実現会議」は3月28日、「月100時間未満」までの残業を認めるなどとする「実行計画」をまとめました。「月100時間」までの残業とは、どんな1日なのでしょうか?

 1カ月の出勤日数は、土日休みで月21日前後です。月20日とすると、「月100時間」は、1日5時間の残業をすることになります。

 1日の労働時間は8時間です。最近は、連続2交代や裁量労働、フレックスタイム、在宅勤務などが増え、労働者の出退勤時間はバラバラです。一般的に多い午前9時出勤、午後6時退勤(昼に1時間の休憩)のケースを考えます。

 通勤時間は、電車や自動車などで1時間とすると往復2時間です。労働時間、休憩時間、出退勤時間で1日24時間のうちの11時間がとられます。残る13時間のうちに5時間の残業をすると――。

 午後6時の終業時間以降、休憩なしで働くと午後11時になります。これから家へ帰ると午前0時。残る8時間を、食事、入浴、睡眠などに使わねばなりません。結局、睡眠時間を削る以外にないでしょう。

修 東京 0時前
(ギュウギュウ詰めの東京の駅の風景=午前0時前)

 こんな生活では、食べることと眠る以外のゆとりはまったくなくなります。広告大手の電通(本社・東京都港区汐留)で、入社1年目で過労自殺(15年12月25日)した高橋まつりさんは、15年10月~11月の1カ月で130時間56分の残業をしていました。

 「眠りたい以外の感情を失った」「もう(午前)4時だ。体が震えるよ…しぬ もう無理そう。つかれた」「生きているために働いているのか、働くために生きているのか分からなくなってからが人生」「働きたくない 1日の睡眠時間2時間はレベル高すぎる」――これは、まつりさんの悲痛なSNSの一部です。

 トヨタ系の職場で働いていた三輪敏博さんは、今年2月23日、名古屋高裁で過労死と認められました。亡くなる1カ月前の残業は85時間余でしたが、名古屋高裁はサービス残業があったことやうつ病だったことなどをあげ、「100時間を超える時間外労働をしたのに匹敵する過重な労働負荷を受けたもの」と認めました。

 「月100時間」とは、厚労省が“過労死ライン”としているものですが、それに至らなくても過労死と認めたのです。

 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は、「月100時間未満」までの残業を認める安倍政権に対し、「過労死ラインの残業を合法化するもの」と厳しく批判しています。

 残業は、月45時間、年360時間までとし、忙しい時などといって「月100時間未満」までなどの「特例」をつくらない法規制こそ必要です。

スポンサーサイト
職場は今 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/03/31 14:17

◎森友問題 8億円値引き根拠なし 辰巳議員追及

 大阪府豊中市の森友学園問題の最大の疑惑は、財務省が国有地を8億円も値引きしたことです。日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は、3月24日、27日に集中的にこの問題を取り上げ、8億円の値引きの根拠についてただしました。

 財務省近畿財務局と国交省大阪航空局は2016年3月、森友学園側から「地下埋設物(ゴミ)が発見された」との連絡を受けて現地を訪問。しかし、直接ゴミの確認もせずに森友側の主張を受け入れて、最大で地下9・9メートルまでゴミが埋まっていると約8億円の値引きを行いました。

 辰巳議員は、24日の参院予算委員会で、「深さ3・8メートル、くいの部分で深さ9・9メートルまでゴミが存在するという根拠は何か」とただしました。

 国交省の佐藤善信航空局長は、「深さ9・9メートルのくい掘削工事の過程で廃材が発見されたとの報告を受け、工事関係者のヒアリングで、廃材などを含む土が広範に積み上がっていることを確認した」と答弁しただけで根拠を示せませんでした。

辰巳参院議員 0324
(追及する日本共産党の辰巳孝太郎参院議員=3月24日、NHKから)

 辰巳議員は、森友学園による地盤調査報告書をもとに国立研究開発法人「産業技術総合研究所」に地質分析を依頼した結果、「深さ3メートルまでは人工的に埋め立てた埋設土からなり、それより深い部分が天然の堆積物と思われる」と判定の結果を明らかにしました。

 その上で、「専門家によると9・9メートルあたりの深さでゴミが出ないのは『常識的な話』だと答えている。9・9メートルまでゴミが存在するという国の計算には客観的根拠がないことが明らかになった」と強調しました。

 辰巳議員は、27日の参院予算委員会で、国有地で大阪航空局が2010年に地下構造物状況調査を実施していたことをあげ、ゴミ撤去費用の見積もりの参考にしたかどうかを質問しました。

 佐藤航空局長は「参考にした」とのべ、同調査では「レーダー探査し、68カ所で試掘を行った」と認めました。辰巳議員が、この時の掘削深度についてただすと、佐藤航空局長は「試掘の深さはおおむね3メートルで地下埋設物がなくなる深度だ」と答弁しました。

 事実上、おおむね3メートル以下はゴミがなかったことが裏付けられました。辰巳議員は「大阪航空局の調査でも、地下9・9メートルの(ゴミの存在の)根拠がない」と指摘。政府が「(根拠なく国有地の)過大な値引きをしたことは明らかだ」と批判しました。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/03/30 08:49

◎「心が裂ける思い」 被団協事務局次長・藤森俊希さんの国連での訴え

 安倍政権よ、被爆者の声が聞こえないのか! 3月27日に始まった米・ニューヨークの国連本部での「核兵器禁止条約」の交渉会議。唯一の被爆国の日本政府代表の高見沢将林軍縮大使の演説が注目されました。

 何と、「核兵器国の理解や関与が得られないことは明らかだ」と演説、交渉への不参加を宣言しました。岸田文雄外相も同日、「核兵器国と非核兵器国の対立をいっそう深める」と言い訳しました。

 「段階的アプローチ」を主張するアメリカに追随したものです。唯一の被爆国が何もしない、何もできない。何というお粗末なことか! 長崎市の田上富久市長は、「被爆地として到底理解できないし、非常に深い失望を感じている」と安倍政権を強く非難しました。

 国連では、日本原水爆被害者団体協議会事務局次長の藤森俊希さん(72)が被爆者の立場から訴えました。その全文を紹介します。

◇◇◇

40 国連 藤森訴え かく
(国連で訴える日本被団協事務局次長・藤森俊希さん=3月27日)

 議長および会議参加の皆さん、発言の機会を与えていただき感謝します。私は、日本被団協事務局次長の藤森俊希と申します。1945年8月6日、米軍が広島に投下した原爆に被爆した一人です。

 被爆後11年目にして日本被団協を結成した被爆者は「ふたたび被爆者をつくるな」と国内外に訴え続けてきました。被爆者のこの訴えが条約に盛り込まれ、世界が核兵器廃絶へ力強く前進することを希望します。

 被爆した時の私は、生後1年4カ月の幼児でした。当時のわが家は祖父、父母、6人の姉、2人の兄と私の12人の大家族でした。空襲を避けるため広島市から避難した2人の姉、2人の兄以外、広島市に残った8人全員が被爆しました。

 13歳で女学校1年だった4番目の姉は、爆心地から400メートルあたりで建物疎開に動員されていました。ここでは、放射線、熱線、爆風の直撃をうけ、私の姉を含む教師、生徒676人全員が命を落としました。

 広島市全体では中学1、2年に当たる学徒8400人が建物疎開に動員され、うち6300人が亡くなったとされています。

 私は当日体調を崩し、母に背負われ病院に行く途中、爆心地から2・3キロ地点で母とともに被爆しました。偶然、親子と爆心の間に2階建ての民家があり熱線を直接受けることは避けられましたが、爆風で土手の下まで吹き飛ばされました。

 母は、私を抱いて近くの牛田山に逃れました。それぞれの出先で被爆した家族が牛田山に逃れてきました。4女が帰ってきません。父、姉、母が4女の行方を探すため、動員されたであろう爆心地周辺に何日も出かけました。

 姉はついに見つからず、遺体も分からないままです。その間私は、目と鼻と口だけ出して包帯でぐるぐる巻きにされ、やがて死を迎えると見られていました。その私が奇跡的に生き延び、国連で核兵器廃絶を訴える。被爆者の使命を感じます。

被団協 藤森さん
(訴える日本被団協事務局次長・藤森俊希さん=3月27日、朝日新聞から)

 米軍が広島、長崎に投下した原爆によって、その年の末までに21万人が死亡しました。キノコ雲の下で繰り広げられた生き地獄後も今日3月27日までの2万6166日間、被爆者を苦しめ続けています。同じ地獄をどの国のだれにも絶対に再現してはなりません。

 私の母は、毎年8月6日子どもを集め、涙を流しながら体験を話しました。辛い思いをしてなぜ話すのか母に尋ねたことがあります。母は一言「あんたらを同じ目にあわせとうないからじゃ」と言いました。母の涙は、生き地獄を再現してはならないという母性の叫びだったのだと思います。

 ノルウェー、メキシコ、オーストリアで開かれた3回の国際会議、NPT再検討会議準備委員会、国連総会第一委員会での共同声明など、ねばり強い議論、声明が導き出した結論は「意図的であれ偶発であれ核爆発が起これば、被害は国境を超えて広がり」「どの国、国際機関も救援の術を持たず」「核兵器不使用が人類の利益であり」「核兵器不使用を保証できるのは核兵器廃絶以外にあり得ない」ということでした。多くの被爆者が、万感の思いをもって受け止めました。

 核兵器国と同盟国が核兵器廃絶の条約をつくることに反対しています。世界で唯一の戦争被爆国日本の政府は、この会議の実行を盛り込んだ決議に反対しました。被爆者で日本国民である私は心が裂ける思いで本日を迎えています。

 しかし、決して落胆していません。会議参加の各国代表、国際機関、市民社会の代表が核兵器を禁止し廃絶する法的拘束力のある条約をつくるため力を注いでいるからです。

 被爆者は昨年4月、すべての国が核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを求める国際署名を始めました。世界各国に呼び掛け昨年10月、1回目の署名56万余を国連総会第1委員会議長に届けました。現在累計で172万余の署名が集まっています。億単位の署名を目標に2020年まで続けます。

 法的拘束力のある条約を成立させ、発効させるためともに力を尽くしましょう。 ご清聴ありがとうございました。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/03/29 09:03

◎「ネイチャー」誌が警告 「日本の科学研究が失速する」

 2016年12月に「オートファジーの仕組みの解明」によりノーベル生理学・医学賞を受賞した東京工業大学の大隅良典栄誉教授。「若い研究者を育てるシステム作りに取り組みたい」とのべ、受賞の栄誉とともに日本国民にさわやかな感動を与えました。

 800万クローナ(約9400万円)の賞金の多くを東工大に寄付し、それを原資に同大に「大隅良典記念基金」が設けられたことは、記憶に新しいところです。

 NHKは3月23日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」がまとめたニュースを伝えました。「日本の科学研究が失速し、科学界のエリートとしての地位が脅かされている」というのです。

 それによると、世界のハイレベルな68の科学雑誌に掲載された日本の論文の数は、2012年の5212本から、16年には4779本へと、5年間で433本減少したといいます。

 オランダの出版社が集計した、世界のおよそ2万2000の科学雑誌に掲載された論文の総数は、2005年から2015年にかけての10年間で、世界全体では80%増加した一方で、日本の増加は14%にとどまり、日本は世界全体の伸びを大幅に下回っているというのです。

 その背景として、ドイツや中国、韓国などが研究開発への支出を増やすなか、日本は大学への交付金を減らしたため、短期雇用の研究者が大幅に増え、若い研究者が厳しい状況に直面していることなどを挙げているといいます。

12 名古屋市科学館
(宇宙に興味を持つ子どもたち=名古屋市科学館)

 大隅栄誉教授が心配した通りです。長年の自民党政治のもとで、大学では任期制研究者が激増しています。短期間に成果を出すことが求められ、それができないとポイ捨てになる仕組みです。

 日本の非正規雇用が4割近くにも増え、職場に成果主義賃金が導入される、企業の決算発表が3カ月ごと、年4回にもなる…雇用は正社員が当たり前とか、長期的な視野で人間を育てることなどがなくなり、短期間の競争、競争、成果、成果のギスギスした社会になっているのが日本です。

 若手研究者を育てられないような社会では、ノーベル賞受賞者がこれからでなくなる恐れがあるかも知れません。「日本の科学研究が失速する」という「ネイチャー」誌の指摘は、自民党政治への強い警告なのでしよう。
その他 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/03/28 12:33

◎「忖度」の英訳は?

 8億円も値引きしたことに政治家の関与はあったのか――政界を揺るがす森友学園問題で、盛んに出てくる言葉が「忖度」(そんたく)。高級官僚が、安倍晋三首相と昭恵夫人に「忖度」したのではないか、といわれています。

 「忖度」を「広辞苑」で引くと、「他人の心中をおしはかること。推察」とあります。「漢字源」には、「忖」の「寸は、手の指1本の幅のこと。昔は、手尺や指の幅で長さをはかった。忖は『心+音符寸』で、指をそっと置いて、長さや脈をはかるように、そっと気持ちを思いやること」とあります。

 要するに、昭恵夫人が高級官僚に直接に言わなくても、官僚側が総理夫人の「心中をおしはかって」動くという意味に使われているのでしょう。夫人付の政府職員は、籠池氏が要請した国有地の定期借地契約の期間延長について財務省に問い合わせし、籠池氏にファックスしました。

 財務省からすれば、後に昭恵夫人がいると「忖度」するでしょう。「忖度」は、実に日本的な言葉ですが、どんな風に英訳されているのでしょうか? 「ハフィントンポスト」が取り上げています。

 籠池理事長は、国会での証人喚問に続いて3月23日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見しました。ニューヨークタイムズの記者は、籠池氏が昭恵夫人から「100万円の寄付」を受けたと証言したことについて、「安倍首相は直接に口利きしたのでしょうか?」などと質問したといいます。

80 そんたく 漢和辞典
(学研の『漢字源』から)

 籠池氏は、「安倍首相は口利きしてないでしょ。忖度したということです」と答えたといいます。「忖度」は、「推測する」などを意味する「surmise」と訳されました。

 通訳からは、「忖度」は、「conjecture(推測)」「surmise(推測する)」「reading between the lines(行間を読む)」「reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)」などがそれに当たり、英語で「忖度」を「直接言い換える言葉はありません」との補足があったといいます。

 英語に訳することがいかに難しいかを示しました。日本独特の「あうん」の呼吸というのでしょう。安倍政権側は「忖度はなかった」と言います。真実はどうだったのか? 昭恵夫人はフェイスブックで反論するのではなく、証人喚問に応じて、籠池氏と同じ土俵の国会で語るべきでしょう。
安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/03/27 14:59

◎禁止されていない唯一の大量破壊兵器・核兵器

 NHKスペシャル「映像の世紀」シリーズは、20世紀の第1次、第2次の世界大戦の悲惨で、愚かな戦争の様子などを映像で余すところなく伝えた優れた番組です。

 そのテーマ音楽“パリは燃えているか”の作曲家・加古隆のピアノとオーケストラのコンサート(2016年9月10日)が同年12月4日、BSプレミアムで放送されました。

 第1次世界大戦で、ドイツ軍によって登場した毒ガス兵器。兵士たちが毒ガスを撒き、これを防ごうと防毒マスクをする兵士たち…毒ガス戦の生々し映像に、沈鬱なオーケストラの音響が重なります。

 毒ガス兵器は現在、残虐・大量破壊兵器として国際的に禁止されている生物兵器や化学兵器に含まれています。しかし、毒ガス以上の大量破壊兵器の核兵器は、国際条約で禁止されていない唯一のものです。

 その核兵器を、国際条約で「違法化」し、「悪の烙印」を押す国連の会議がいよいよ3月27日から米・ニューヨークの国連本部で開かれます。「核兵器全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議」です。

 会議には、アメリカやロシア、中国など核保有国が“段階的アプローチ”の立場から参加しようとしていません。しかも、唯一の被爆国の日本がアメリカに追随して参加しないという事態になっています。

核兵器 保有地図
(『No Nukes』(講談社)から)

 訪米中の日本共産党の志位和夫委員長は24日、国連本部で、キム・ウォンス国連軍縮担当上級代表と会談し、「核兵器禁止条約の早期締結にむけた国際的合意を」と題する要請書を手渡しました。

 要請文のポイントは、次のようです。

 一、生物兵器や化学兵器が禁止されているもとで核兵器は国際条約によって禁止されていない唯一の大量破壊兵器。
 一、核保有国は、2000年、2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議での国際的誓約に背いて、核軍備を近代化・強化。

 一、被爆者の訴え、一連の国際会議などを通じ、核兵器が非人道的で残虐な兵器であることは誰の目にも明らか。
 一、核兵器禁止条約の早期締結にむけた国際的合意の達成を要請。この課題の先送りはできない。国際社会がいま、一歩、大きく踏み出すことを願う。

 豊田市では、終戦1日前の1945年8月14日、現在のトヨタ本社工場とその周辺に、アメリカ軍によって長崎に落とされた原爆と同じ核模擬爆弾が投下されました。

 核兵器を「違法化」し、「悪の烙印」を押すために、豊田市から声を上げようではありませんか。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/03/26 17:24

◎井上ひさしさんだったら 新作戯曲「アキエ夫人」

 数々の名作戯曲を創ってきた劇作家の故・井上ひさしさんだったら、興奮してこう考えたのではないだろうか?

 ――魅力的な役者がそろった。これは傑作な舞台が創れる! 幼児に「教育勅語」を暗記させる。その教育に感動した、首相とその夫人。100万円を受け取ったとの証言。夫人付の5人の政府秘書。水戸黄門の「印籠」をかざし、これが見えないのか? 忖度した高級官僚や知事、役人ら。そして8億円のダンピング…。

 迫る野党。逃げる首相、与党。テレビの生中継とワイドショーで、首相の表情と言質の一部始終を確認する国民。急降下する支持率。あわてふためく政権…。新作戯曲の題は「アキエ夫人」-。

               ◇

 国有地を8億円ダンピングした問題で、学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池泰典理事長の証人喚問(3月23日)後、初めての集中審議が24日の参院予算委員会で行われた。

 なんといっても日本共産党の小池晃書記局長の迫真の質問は、そろってテレビ、新聞が取り上げたように、この日のハイライトだった。籠池氏からの要請に応えて、安倍昭恵首相夫人付の政府職員が国有地取引に関する問い合わせを財務省に行っていた問題だ。

追及する小池書記局長
(追及する小池晃書記局長=右端=と安倍首相=左端=)

 籠池氏は証人喚問で、国有地の定期借地契約の期間延長を要請するために昭恵氏に電話で連絡。つながらず留守番電話にメッセージを残し、首相夫人付の政府職員・谷査恵子氏に資料を送付した。2015年11月に谷氏からファクスで財務省からの回答を得たと証言した。

 小池書記局長は、「首相夫人の指示もなしに、夫人付のスタッフが勝手にそんなことをやっていたのなら大問題だ」と指摘。「昭恵首相夫人の意向が示されたはずだ」と追及した。

 菅義偉官房長官は、谷夫人付が独自の判断で行動したと主張。安倍首相も「(財務省の回答は)ゼロ回答であり、妻が関与したことにはならない」などと弁明した。

 小池書記局長は、夫人付が送付したファクスには、財務省の国有財産審理室長に問い合わせを行い、土地改良費用の立て替え払いについて森友側の要望に沿って「予算措置を行う方向で調整中」とまで書いてあるとして、「ゼロ回答ではない」と指摘した。

 小池書記局長は、首相夫人付の問い合わせを受けた国有財産室長が16年3月に籠池氏と本省で面会し、その後、対応のスピードが上がって「神風が吹いた」と籠池氏が証言していることをあげ、「(どういう力が働いたのか)徹底的に解明する必要がある」と強調した。

 ファックスには、「なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」とある。谷氏が独断でそんなことができるはずはない。安倍首相は「忖度はされていない」との弁明を繰り返した。

 朝日新聞は「説得力のない首相の説明」と題した社説で、「昭恵氏も自ら国会で説明すべきである」と証人喚問を主張する。当然だろう。同紙はまた、安倍首相は、「職員のせい」「大阪のせい」「矮小化」の「逃げの『3手』」をしていると強烈に批判している。
安倍政権 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2017/03/25 20:33

◎安倍首相、窮地に? 「森友学園」の籠池証人喚問

 国有地が8億円も安く払い下げられたのではないか、という大阪府豊中市の学校法人「森友学園」問題。自民党、公明党が世論の批判にさらされて、ようやく実現した同学園の籠池泰典理事長の証人喚問。3月23日、衆参両院の予算委員会で行われた。

 安倍晋三首相夫人の昭恵氏が100万円を籠池氏に渡した場面は、人払いをしたなどと当事者間にしかわからない「迫真性」(元東京地検検事、朝日新聞24日付)の証言ともいわれている。

 さらに籠池氏は、昭恵氏に付いている政府職員・谷査恵子氏(経産省出身)から届いたファックスを暴露。物証の新事実に、予算委員会室にどよめきが起きた。

 その内容は、15年11月17日に、「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました」「大変恐縮ながら、現状ではご希望に沿うことはできない」「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」というものだ。

 昭恵氏側が、森友学園の意向を受けて動いた疑いが強まった。「私や妻が関係していたなら総理も国会議員も辞める」と大見得を切っていた安倍首相は、追い込まれた。

籠池 ファックス
(籠池泰典氏が明らかにした、安倍昭恵氏に付いている政府職員・谷査恵子氏のファックス)

 また籠池氏は、日本共産党の小池晃書記局長の質問に対し、16年6月に埋設ゴミの撤去費用として約8億円が差し引かれたことについて、「想定外の大幅な値下げに、その当時はちょっとびっくりした」とのべた。

 昭恵氏は同日、自身のフェイスブックで「籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません」などと釈明するコメントを出した。

 籠池氏は、偽証の場合は罰せられる証人として喚問されているのに、もう1人の当事者である昭恵氏はフェイスブックで反論したにすぎない。小池書記局長は記者会見で、昭恵氏やこの日の籠池発言で政治的関与が明らかになった松井一郎大阪府知事(日本維新の会代表)らの証人喚問が必要だとのべた。

 「森友学園」問題の真実の解明はようやく核心部分に迫ろうとしている。これまでのように自民党や公明党が証人喚問を拒否することは、国民は到底許さないだろう。
未分類 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/03/24 13:14

◎平和リレー講座の募集 上郷の岡崎海軍航空隊跡へ

 今年も、恒例の「豊田市平和リレー講座」が4月29日(土曜日、祝日)に行われます。17回目の今年は、岡崎海軍航空隊(現在の豊田市、岡崎市、安城市にまたがっていた)があった豊田市の上郷地域へ行きます。

 主催は、豊田市平和委員会などでつくる実行委員会で、参加者を呼びかけています(定員50人)。岡崎海軍航空隊は、約1000人の地主関係者がわずか半年で住宅の明け渡しを強制されました。そこから1万2000人の青年が戦場へ送り出されたといいます。

 岡崎海軍航空隊の遺跡や地主関係者の証言、戦時倉庫が今も活用されている味噌蔵元などを訪ねます。午前9時30分に、上郷コミュニティセンター駐車場に集合。参加費は1500円です。

 豊田市では、終戦1日前の8月14日、現在のトヨタ本社工場にアメリカ軍によって核模擬爆弾が投下されました。市内には戦争遺跡が多数あります。

 平和リレー講座では、戦後70年の2015年に、挙母地区の戦争遺跡を訪ね、戦争体験者と懇談・交流しました。中学校の女子生徒2人が先生とともに参加し、テレビ局2社、新聞社3社が取材しました。

2016年 平和リレー講座
(模擬原子爆弾が落とされた豊田市渡刈町の矢作川の近くで=2016年の平和リレー講座)

 16年は、渡刈町の矢作川の近くに落とされた核模擬爆弾被害地や坂上町にあるB29落墜落地、トヨタ鞍ヶ池記念館の場所にあった矢並陸軍弾薬庫跡、五ケ丘団地の中にあったトヨタの疎開工場(6棟)などをまわりました

 今年の詳細については、パソコンやスマホで「豊田市平和を願う戦争展」をグーグル検索するとわかります。
未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/03/23 20:59

◎それでも知事だったのか 「部下に一任」「記憶にない」

 東京都築地市場の豊洲新市場予定地への移転をめぐって、石原慎太郎・元東京都知事(84)の都議会への証人喚問が3月21日に行われ、NHKテレビが生中継した。

 石原氏は、「部下に一任していた」「記憶にない」を連発し、都民や国民が知りたい事実を何も語らなかった。石原氏が都庁に通ったのは、週2~3日程度といわれた。1000万人を超す超巨大都市を、しかも都民の健康を預かる市場の移転を、「部下に一任」していたとの一言ですませられる問題ではない。

 謙虚な姿勢はひとかけらもなく、尊大で、平気で記者を罵倒するなど、人格のなさは現役知事時代でも有名だった。案外小心で、「小皇帝」とも呼ばれた。テレビ中継を見ながら、まったく変わっていないと思った。

 首都・東京には、毎日、全国から、世界から多くの人々が訪れる。そこで食べるものが安全かどうかは、都民だけの問題ではない。なぜ土壌が汚染された東京ガス豊洲工場跡地へ築地市場を移転させたのか? 真実のひとかけらも語らない元知事に、多くの人々がいらいらしただろう。再喚問する以外にない。

 しかも、石原氏に質問した自民党や公明党は、石原氏の与党であり、その追及は及び腰で、石原氏をほめたたえることまでした。光っていたのは、日本共産党の曽根肇(そねはじめ)都議の追及で、テレビなどがそね都議の追及を取り上げていたことでもわかる。「しんぶん赤旗」の記事を紹介したい。

石原証人
(民放テレビから)

……
 東京都築地市場(中央区)の豊洲新市場予定地(江東区、東京ガス豊洲工場跡地)への移転をめぐる疑惑を調査している都議会調査特別委員会(百条委員会)は20日、豊洲移転計画を強引に決定した石原慎太郎元都知事(84)の証人喚問を行いました。

 土壌汚染された市場用地の取得交渉について、石原氏は「担当者に一任した」と証言。岡田至・元中央卸売市場長の証言と食い違うものとなりました。

 日本共産党の、そねはじめ都議は、石原氏が昨年10月の小池百合子都知事からの質問状への回答で、土壌汚染対策費用のうち東京ガスに78億円だけを負担させる合意をして契約したことに「判断を求められなかった」と回答したことについて、当時の岡田・元市場長が知事に説明したと証言していると追及。石原氏は「担当者に一任した。詳細は記憶がない」と答えました。

 2011年3月22日付の中央卸売市場の資料に、「東京ガスとの負担合意について」「金額78億円(都の実施する対策総額586億円)」と、汚染原因者である東京ガスが負担すべき費用を都が肩代わりしたことを挙げ、「これほどの重要問題を覚えていないということ自体、到底信じられない」と強調しました。

 そね氏は、石原氏は都民に「(有害物質の濃度を)地上も地下水も環境基準以下にする」と約束したのに、19日発表の地下水再調査でも環境基準の100倍のベンゼンなどが検出された状況で「豊洲移転を急げと言うのは矛盾ではないか」と尋問。石原氏は「(土壌汚染対策の)ハードルが高過ぎたかもしれない」と弁明しました。

 そね氏は「都民の側からすればとんでもない話。食の安全を守るなら初めから豊洲に行かなければよく、別の選択肢があった。あなたの判断は大きな誤りだ」と批判。一連の問題の真相究明のため、石原氏の再度の証人喚問を強く求めました。

 この日の尋問で石原氏は、豊洲移転は知事着任前からの既定路線で「逆らえなかった」と主張。「青島(幸男)知事からの引き継ぎ事項の文書の中に、『豊洲地域に市場を移転する』という文言があった」と証言しました。

 建物下に土壌汚染対策の盛り土を行わなかった問題については「役人が勝手にやったことだ」と関与を否定しました。

 石原氏は、豊洲移転決定の「決裁した責任は認める」と述べたものの、用地取得交渉は「らつ腕の浜渦(武生元副知事)に全権委任した」と証言しました。
……
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/03/22 08:07
 | HOME | Next »