◎辺野古の海とテント村で 「沖縄16」 ②

 年末の沖縄への旅行で行った名護市辺野古のテント村は、にぎやかだった。テント村は、辺野古の漁港にある。冬休みに入ったせいか、学生のグループや教員グループなどが次々と訪れていた。

 テント村のボランティアスタッフが、次々と訪れるグループにレクチャーをしていた。若い学生たちが、実際の現場を前にして真剣に耳を傾けている様子は頼もしい限りだった。私もいっしょに聞かせてもらった。

辺野古16 ①
(辺野古のテント村)

辺野古地図


 米軍は12月22日、沖縄本島の北部にある東村の北部訓練場(7800㌶)の約半分にあたる約4000㌶を「返還」した。オスプレイが離発着する6カ所のヘリパットの建設を安倍政権が強行した後でのことだ。

 ヤンバルクイナが生息する貴重な森を切り裂き、使用できない谷筋などを「返還」しただけで、訓練場をいっそう強化したにすぎない。「返還式」なるものに、翁長雄志沖縄県知事は参加せず、同じ日に開かれたオスプレイ墜落に抗議する集会に参加した。

辺野古16 ③
(どこまでも青い辺野古の海。向こう側に見えるのが米軍キャンプシュワブ)

 スタッフは、安倍政権は今後、辺野古の新基地建設に集中するだろうという。安倍政権に追随した最高裁の不当な判決で、辺野古の埋め立ての取り消しをした翁長知事側は一歩、後退を余儀なくされた。

 安倍政権は、待ってましたとばかりに、12月27日午後、新基地建設の工事を10カ月ぶりに再開した。県民は、米軍キャンプシュワブのゲート前に座り込み、抗議した。

辺野古16 ④

辺野古16 ⑥


 翁長知事は同日、首相官邸で菅義偉官房長官に事前協議を要請したが、菅長官は拒否した。翁長知事は、「絶対に新基地は造らせないという気持ちで頑張りたい。いろいろな形でやることをやっていく」と断固とした決意を示した。

 テント村には、「新基地建設阻止! 闘争開始より8年(2639日)の命を守る会の闘いとテント村座り込み4633日」の看板があった。4633日とは12年以上にもなる。

辺野古16 ②


 辺野古の青い海に向かった。キャンプシュワブと日本を隔てるフェンスに、新基地建設に抗議する横断幕やリボンなどが取り付けてある。15の横断幕があった。「オール沖縄の心 全国の願い1つ 基地もオスプレイもいらない!」「美しい海を汚さないで」など全国からの連帯メッセージだ。

 こうしたメッセージが、何者かによって取り去られるという。沖の方では年明けから本格的に再開される工事に抗議するために、カヌーの練習をする人たちがいた。

辺野古16 ⑤
(カヌーの練習をする人たち)

 ジュゴンが生息するこの美しい海に、またフロートを張り巡らすのか! 海保と呼ばれる海上保安庁の強力なゴムボートが抗議する人々を排除するのか! フェンスに「沖縄不屈」のメッセージが取り付けてあった。

 そうだ。沖縄県民は不屈のたたかいをしているのだ。すでに12年以上も。たたかいを始めた時と今は何が違うのか? 県民が選んだ翁長知事がいるのだ。県民の民意を示して選んだ翁長知事が、県民の不屈のたたかいに寄り添っているのだ。
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沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/12/31 13:19

◎オスプレイ墜落現場で 「沖縄16」 ①

 沖縄の2016年は激動だった。安倍政権による辺野古の海の埋め立て強行、高江でのヘリパッド建設強行、オスプレイ墜落-。その一方で、夏の参院選挙ではオール沖縄の勝利…沖縄の人々の不屈のたたかいを追った。今年で9回目となる沖縄の旅で。

 沖縄は、すごい暑さだった。気温25度。豊田市の初夏のようだった。沖縄の人もこんな暑さは初めてだと言っていた。クリスマスイブの12月24日、中部国際空港セントレアを飛び立って那覇空港に着いた。

 ホテルで地元紙の琉球新報を読んでいると、25日の午後0時からオスプレイが墜落した名護市の海岸で、残骸を回収する作業が行われるという記事があった。早速、参加することにした。コンビニで軍手を買った。

 安倍政権が普天間基地に代わる新基地を建設しようとしているのが名護市の辺野古だ。その辺野古にある米軍キャンプシュワブのゲート前を、車で通って10分ほど走ると墜落現場に着いた。

沖縄16 ①


 車を停める場所を探していると、前からTシャツを着た人が2人歩いてきた。Tシャツには「“菅(義偉官房長官)悪代官” ウチナー(沖縄の人々の意味)の未来は ウチナーが決める 基地負担軽減はウソ」「表現の自由」とあった。

 悪代官なんかに屈するか、という思いが伝わる。意気盛んだ。様子を聞くと、すでに回収作業は終わったという。公民館の広場に回収した残骸の山が箱に入れて置いてあるという。

 広場に行くと、地元新聞社の記者がインタビューをしているところだった。海岸から見ると、墜落現場にはもう何もないように見えるが、海中には尖った金属片などがたくさん残されたままになっているという。

沖縄16 ん

沖縄16 ③




 回収された中には、小さな金属片や切断された配線、パイプ、グラスファイバーの小片などがあった。地元の人たちは、これら回収物を米軍に引き取ってもらうといっていた。

 この状態を見れば、安倍政権がいうような不時着なんかではなく、墜落だった事は明らかだ。墜落した現場にも行ってみた。海岸線に沿って岩場を歩く。現場は浅瀬で、ごつごつした大きな岩がたくさんあった。

 現場には、もう何もなかった。米軍が回収したのだ。海上保安庁が捜査の申し入れをしたにもかかわらず、米軍は何も回答しないままに回収作業を一方的に行った。日米安保条約に基づく屈辱的な地位協定で、アメリカ軍の同意が必要だからだ。

沖縄16 ④
(オスプレイの墜落現場)

 日本の領土で、事故原因を究明できないのだ。地元の人々の話では、海の中には、まだまだ多数の残骸があるそうだ。ダイバーによる回収作業も必要だと言っていた。

 現場から正面を見ると辺野古のキャンプシュワブの建物や鉄塔が見える。目と鼻の先だ。新基地の建設現場でもある。海岸線に沿って集落がある。墜落現場からは1kmもない、本当に危ないところだったことがわかった。
沖縄 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/30 13:21

◎トヨタ カードリーダーの使い方に変化

 トヨタ自動車の本社や事務・技術部門、工場の入口などにあるカードリーダー。出退勤時に従業員証をかざして、出退時刻をコンピューターに記録するシステムです。

 社員や期間従業員らのセキュリティ・チェクとともに、残業の過小申告――サービス残業を防止する仕組みです。従業員証を忘れると、紙に部署や名前を記入して入り口で守衛にハンコを押してもらい、その紙を上司に渡し、チェックを受けていました。退勤時は、その紙を守衛に渡します。

 ところが最近、守衛がパソコンに出退勤の時刻を入力するようになりました。なぜか? 労働者が語ります。

 「こなしきれないほど仕事がある。これまでは、パソコンに出退勤の時刻の記録が残らないのを利用して、従業員証を忘れたふりをして仕事をしていた。残業の上限規制があるなかで、やむなくこの方法を使っていた社員もいる」

 残業の上限規制とは、“36協定”のことです。労働基準法36条に基づいて労使で残業の上限を協定するものです。トヨタでは、1年の場合は360時間(上限は600時間か720時間)、1カ月の場合は45時間(上限は80時間)です。

 土曜日、日曜日の休日に出勤し、平日を振替休日する時も、この手を使って働くことも珍しくないといいます。

カードリーダー
(トヨタのカードリーダー)

 トヨタにカードリーダーが導入されたのは2003年。それまでトヨタをはじめ大企業では、サービス残業が横行していました。残業は、労働者の自己申告だったからです。

 “サービス残業をなくせ”との労働者や労組の運動、日本共産党の国会での追及などで、厚生労働省は2001年に労働時間管理を企業の責任とし、タイムカードやICカードによる客観的記録を原則とする通達(4月6日に出されたので「ヨンロク通達」と呼ばれています)を出しました。

トヨタのカードリーダー導入 日曜版
(トヨタのカードリーダー導入を報道する「しんぶん赤旗」)

 トヨタのカードリーダーは、トヨタが労基署から立ち入り調査を受けたり、「ヨンロク通達」が出されるなかで導入されたものです。トヨタのカードリーダーと同じようなフラッパーゲートが導入されているのが広告大手の電通です。

 電通では、新入社員の高橋まつりさんが1年前の12月に過労自殺しました。まつりさんは、亡くなる1カ月前の残業時間は、36協定(月70時間)を超える105時間も働かされました。労災と認定されました。

 厚労省東京労働局は12月28日、法人としての電通とまつりさんの上司を36協定の上限を超える違法な長時間労働をさせていたとして書類送検しました。石井直社長は責任をとって1月に辞任することを明らかにしました。

 電通でもトヨタと同じような「1時間ルール」があることは、このブログ「トヨタで生きる」で、すでに明らかにしてきました。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2313.html

 実際には残業をしているのに、仕事以外のことをしていたと上司に申告し、残業時間を減らす方法です。カードリーダーやフラッパーゲートで残る記録の“ぬけ道”です。

 電通の異常な働かせ方が社会問題になり、企業のトップの責任が問われるなかで、電通もトヨタも人員を増やすこととともに、フラッパーゲートやカードリーダーのあり方を見直さざるを得なくなるでしょう。

職場は今 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/29 17:47

◎右派ポピュリズムの支持者は誰か? 小熊英二・慶応大教授

 トランプ次期米大統領や橋下徹・前大阪市長ら右派ポピュリズムを、だれが支持しているのか、という興味深い分析を小熊英二・慶応大教授が行っている(朝日新聞12月22日付の「論壇時評」)。

 ポピュリズムとは、国民のなかにある要求や願い、不安、感情、怒りなどを巧妙に利用し、基本的人権を無視したり、仮想の「敵」をつくってそれを既得権者と攻撃するなどして支持を広げ、政界に進出しようとする政治家や政治姿勢のことといわれている。

 小熊教授は、「論壇時評」で、「トランプ票は中以上の所得層に多い。つまり低所得層(米国ならマイノリティー、西欧なら移民、日本なら『非正規』が多い部分)は右派ポピュリズムの攻撃対象であって、支持者は少ない。支持者は、低所得層の増大に危機感を抱く中間層に多いのだ」と分析する。

 そして、「大阪市長だった橋下徹の支持者は、むしろ管理職や正社員が多い。低所得の非正規労働者に橋下支持が多いというのは俗説にすぎない」と指摘する。

 その上で、「では、何が中間層を右派ポピュリズムに走らせるのか」と問う。「それは、旧来の生活様式を維持できなくなる恐怖である。それが『昔ながらの自国のアイデンティティー』を防衛する志向をもたらすのだ」、と。

 具体的には、ある調査を引用し、「ネットで右翼的な書き込みをしたり、『炎上』に加担する人に多い属性は、『年収が多い』『子供がいる』『男性』などだ。いわば『正社員のお父さん』である」と強調する。

 結論は、「それは古い様式に固執し、その維持のためには人権など二の次と考える人である。他者と自分の人権を尊重し、変化を受け入れること。それによってこそ、健全な社会と健全な経済が創られるはずだ」と語る。

大阪市役所と淀屋橋
(大阪市役所=右の建物=と淀屋橋。この当たりに江戸時代は蔵屋敷が並び、明治以降は住友財閥の大企業が集中していた)

 トランプ氏や橋下氏らのことを考えると、うなずけることが多い鋭い論考である。大阪は、江戸時代に大名の蔵屋敷が並び、「天下の台所」といわれ日本経済の中心地になった。明治以降も住友財閥や商社など大企業の発祥地だった。東京1極集中で経済は疲弊し、生活保護者が日本1多い貧困地帯となっている。

 トランプ氏を支持したのは、ラストベルト(錆びた地帯)といわれる鉄鋼や自動車産業が栄え、衰退した五大湖周辺の白人層などに多いといわれる。トランプ、橋下の両氏の支持地盤に経済で共通性がある。

 歴代自民党政権や現在の安倍政権がすすめてきた新自由主義的な経済政策によって格差と貧困が広がり、富裕層にはますます富が集中し、貧困層が増え続けるなかで、中間層は貧困層に没落するのではないかという恐怖、不安におそわれている。

 どうすればいいのか? 円安と株高で格差と貧困を増大させた“アベノミクス”ではなく、格差と貧困をなくす経済民主主義の改革をすすめることである。それは、立憲主義に立ったまっとうな政治をつくりと同時に、「健全な社会と健全な経済」(小熊教授)をつくる道だと思う。
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/12/28 14:25

◎「深夜の仕事が夜景をつくっている」

 大都市の夜景の美しさをほめたたえる人は多い。年末・年始は、夜が長いこともあり、イルミネーションが心を慰める。しかし、そんな余裕がなく、睡眠時間を削って働く人間にとっては、まったく違った風景に見える。

 大手広告会社の電通で、新入社員の高橋まつりさん(24歳)が過労自殺して12月25日で1年がたった。クリスマスの日だった。まつりさんが亡くなって1年になる25日にあわせ、母親の幸美さん(53)が手記を公表し、メディアが大きく扱った。そのなかに次のような一節があった。

 「会社の深夜の仕事が、東京の夜景をつくっている」

 まつりさんが母親に語っていた話だという。48階建ての深夜の電通本社(東京都港区汐留)から見た東京の風景だろう。電通だけでなく、あちこちで深夜まで働く人々が東京の夜景をつくっているという思いからだろう。

 東京の電車は、夕方6時ころと午後9時ころ、それに終電の午前1時前後が猛烈に混む。特に終電は、乗れないほど混む。こんな異常な風景のなかで、まつりさんは働き、電通に入社して1年足らずで自ら命を絶った。

汐留21時
(電通本社がある東京・汐留の午後9時過ぎの風景)

 母親の手記は、涙なしに読めないものだった。「過労死」という言葉が日本に生まれて30年余。「カローシ」という言葉で世界語になった。今でも年間、約200人もの人々が過労死・過労死自殺で労災認定を受けている。

 まつりさんは、「もう(午前)4時だ。体が震えるよ…しぬ、もう無理そう。つかれた」などの言葉をSNSに残した。昨年10月に130時間、11月に99時間の残業をした末に、命を絶った。

 日本の正社員の年間総労働時間は、1900時間台で止まったままだ。ドイツやフランスより約500時間も長い。所定労働時間が減らないし、残業時間も減らない。

 日本から長時間労働をなくすべきだ、と国会で迫った先駆的な質問がある。日本共産党の志位和夫委員長が2015年2月20日の衆院基本的質疑だ。トヨタ自動車の2件の過労死事件を詳細に取り上げながら、残業を厚労大臣告示にあるように「月45時間」までとする法的規制を安倍首相に迫った。

 安倍首相は、「法定にするということについては、さまざまな観点から、働く人の健康確保を含め、慎重に検討すべき課題であると考えております」と答弁した。

 安倍首相は、「慎重に検討すべき課題」というだけで、実行するとは答えなかった。その安倍首相、最近は「働き方改革」と盛んに言っている。まつりさんのような悲劇が2度と起こさないためには、志位委員長が迫った残業は「月45時間」までと法律に明記することが、「働き方改革」の試金石になるだろう。
過労死 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/12/27 20:49

◎安倍政権は「極右の塊」か?

 アメリカ大統領に、移民排斥などをかかげるトランプ氏が就任するとは、ほとんどの人が予想しませんでした。ヨーロッパでは、フランスの極右政党・国民戦線のルペン党首が知られていますが、難民問題などで各国でも極右政党が支持を広げているといいます。

 そんななか、文藝春秋の松井清人社長が、安倍政権を「極右の塊である現政権をこれ以上、暴走させてはならない」などとのべたということがネットで話題になっています。花田紀凱・元「週刊文春」編集長が書いているものです。

 花田氏は、従軍慰安婦問題などで右派の論調を展開していますが、その花田氏が松井社長の話を驚愕して書いているのです。松井社長がのべたのは12月6日で、東京で保坂正康氏の新刊『ナショナリズムの昭和』の出版記念会でのあいさつでのことといいます。

 花田氏は、「穏健な保守」だった文芸春秋の社長が、こうした発言をしたことに苦言を申し立てているのですが、少し考えてみれば安倍首相ら安倍政権を“極右”とのべても何の不思議もないでしょう。

靖国神社
(靖国神社)

 戦前の侵略戦争を、「アジア解放」の「正義の戦争」と美化する靖国神社に参拝(中国などの批判で参拝できず、玉ぐし料を納めています)したり、現憲法を敵視して9条改悪をねらうなどをみればわかります。

 第3次安倍内閣には、20人中13人が「日本会議国会議員懇談会」に所属しています。「日本会議」とは、靖国神社への参拝と改憲をかかげる右翼団体です。すでにこのブログでも紹介しましたが、第1次安倍内閣の法務大臣を務めた長勢甚遠氏はこう語っています。

 「私は(自民党の)憲法草案、正直いって不満なんです。一番最初にどういっているか。国民主権、基本的人権、平和主義、これは堅持するといっている。国民主権、基本的人権、平和主義をなくさなければ本当の自主憲法とはいえない」

 自民党の憲法草案さえ不満で、人類永遠の普遍原理もなくそうというのは立派な「極右」です。ヨーロッパなどではなく、日本にも文藝春秋の松井社長がのべたように、「極右」政党があるということを肝に銘じることが必要ではないでしょうか。
安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/12/26 09:47

◎沖縄はいまだに米の植民地か?

 沖縄には、アメリカの陸海空の3軍の他に、海兵隊があり4軍が常駐しています。その海兵隊が13年にまとめた「戦略展望2025」では、「最大で約51%の使用不可能な北部演習場を日本政府に返還する間に、限られた土地を最大限に活用する訓練場が新たに開発される」と明記しています(琉球新報、7月27日付)。

 12月22日、沖縄県名護市で安倍政権は、米軍北部訓練場(7800ヘクタール)のうちの約4000ヘクタールが日本に「返還」されとして、ケネディ米大使や米軍幹部らを呼んで「返還式」を行いました。菅義偉官房長官や稲田朋美防衛相らが北部訓練場の地図を掲げてアピールしました。

 日本の米軍基地のうちの沖縄県が占める割合は約74%から約70%に減ったことを安倍政権は、「負担軽減」になったと持ち上げています。実態は、「戦略展望2025」が指摘しているように、谷など「使用不可能」なところを「返還」しただけで、オスプレイ発着に必要なヘリパッドが「新たに開発」されただけのことです。

首相専用機に
(12月22日の抗議集会で=ネットから)

 「返還式」と同じ日、名護市では「オスプレイの墜落抗議と撤去を求める緊急抗議集会」(県内の政党や経済界有志、市民などでつくる「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」主催)が開かれ、約4200人の沖縄県民らが参加しました。

 オスプレイの墜落で、「返還式」への出席を拒否した翁長雄志沖縄県知事が、集会であいさつしました。

翁長知事あいさつ
(12月22日の抗議集会であいさつする翁長雄志沖縄県知事=ネットから)

 「重大事故を起こしたオスプレイの着陸帯を造り、返還式典を強行した政府には、県民に寄り添う姿勢が全く感じられない。県民は新基地建設を断念させるまでたたかい抜くものと信じている。建白書の精神に基づき、辺野古新基地は絶対に造らせない、オスプレイの配備撤回の公約実現に向け、不退転の決意で取り組む」

 安倍政権との対決で一歩もしりぞかず、毅然とした知事のあいさつに会場からは、鳴りやまぬ手拍手が続いたといいます。

 オスプレイの墜落事故では、海上保安庁が捜査の申し入れをしたにもかかわらず、米軍は何も回答しないままに機体の撤収作業を一方的に行いました。日米安保条約に基づく屈辱的な地位協定で、アメリカ軍の同意が必要だからです。

 それにもかかわらず、事故から1週間もたたないうちのオスプレイの飛行再開を、菅義偉長官や稲田防衛相は、「理解できる」として認めたのです。オスプレイ墜落の一連の安倍政権の動きを見ると、沖縄県には日本の主権が及ばず、アメリカの植民地状態になっているのか、と思わざるをえません。

 植民地主義は、20世紀で終わったはずです。その植民地主義が沖縄県では、いまだに跋扈(ばっこ)しています。県民が選んだ翁長知事が、毅然として米軍と安倍政権に対峙する姿には、日本の明るい未来を感じさせるものがあります。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/25 11:47

◎ブラック企業大賞に電通

 NHKが12月23日の午後7時のニュースで、次のように伝えました。

 「労働問題に取り組む弁護士やNPOなどが選ぶ『ブラック企業』大賞に、ことしは新入社員だった女性が過労のため自殺した大手広告会社の電通が選ばれました」

 NHKが今年で5回目になる「ブラック企業」大賞について報道するのは、これまで聞いたことがありません。電通の過労自殺問題は、最初から積極的だったNHK。いい報道には拍手です。

 大賞は、「弁護士やNPO、ジャーナリストなど11人の委員が違法な長時間労働やパワハラなどで問題となった企業の中から選んでいます」(NHK)というものです。授賞理由について、次のようにのべています。
http://blackcorpaward.blogspot.jp/

……
 電通で働いていた24歳の新入社員・高橋まつりさんは2015年12月25日に自殺した。時間外労働が月105時間という超長時間労働に加えて、上司からのパワハラによって精神的に追い込まれた結果だった。

 彼女のツイッターには、「はたらきたくない。1日2時間の睡眠時間はレベルが高すぎる」といったものがあるのとともに、亡くなる数日前には「ブラック企業大賞2015」を報道したツイートをリツイートもしていた

 彼女は、亡くなる直前に母親にメールを送っている。「大好きで、大切な母さん、さようなら、ありがとう、人生も仕事もすべて辛いです。お母さん自分を責めないでね。最高のお母さんだから」。

 電通においては、「殺されても放すな。目的完遂までは…」などという社訓『鬼十則』に象徴される異常な精神論が蔓延し、パワハラ・セクハラなどが日常化している。13年前にも入社2年目の男性社員の自殺が過労死と認定され、3年前にも30歳の男性社員の病死が過労死と認定されている。

 電通は、このような過酷で人権侵害的な労働環境をまともに改善することもなく放置し続けた。何人もの労働者がこの企業によって殺された。

 電通は、日本を代表する大企業である。それは輝かしい意味でではない。社会的に決して許されない人権侵害を続けた代表的企業である。ここに、強い怒りを込めて「ブラック企業大賞2016」の大賞を授与する。
……

電通 夜10時前
(東京・汐留の電通本社では、午後10時の全館いっせい消灯の前に、労働者があわだだしく帰宅していきます)

 電通の過労自殺問題は、このブログ「トヨタで生きる」でも、くわしく伝えてきました。トヨタ自動車でも、わかっているだけでもこれまでに5人の労働者が過労死認定されています。

 現在も関連会社をふくめ2人の遺族が名古屋地裁に過労死認定を求めています。トヨタ自動車労組は、「過労死ゼロ宣言」をしており、上部団体の連合は、「残業代ゼロより過労死ゼロ」をスローガンに、労働者を過労死に追い込む、「残業代ゼロ法案」に反対しています。

 過労死ゼロをめざし、少なくとも残業の上限は「月45時間」とする厚労大臣告示を法制化するために、ともに手をたずさえて運動しましょう。
過労死 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/24 06:36

◎堤工場で訴え “市民と野党の共闘”で政治を変え、労働者の要求実現を

 日本共産党のトヨタ自動車委員会と大村よしのり、根本みはるの両豊田市議は12月21日(水)、トヨタ堤工場前で出退勤する労働者に、今年最後の訴えを行った。幸い、前日と変わって風もない暖かい日になった。

 トヨタでは、堤工場で生産しているプリウスが生産ダウンする一方、小型SUVの「C-HR」が発売になるなどの動きがでている。来年の生産計画が発表されたが、今年と横ばいでトヨタグループでは世界で4年連続1000万台超えになる。

 大村、根本両市議の訴えの後、トヨタ自動車委員会の代表が宣伝カーのマイクを握り、次のように訴えた。

堤訴え1
(出退勤するトヨタ堤工場の労働者ら)

……
 今年も残りはわずかとなりましたが、今年も安倍政権の暴走はひどいものでした。安保法制=戦争法に基づく自衛隊の南スーダンへの派遣、年金の切り下げ法案、TPP批准、カジノ法案など数え切れないほど強行しました。

 その中で、自民・公明・維新の“悪政3兄弟”の役割がわかりやすくなってきました。来年1月解散ともいわれていますが、政治を変えるのは1人ひとりの国民・労働者です。

堤訴え2
(訴える大村よしのり=左=と根本みはるの両豊田市議)

 みなさんの1票で政治を変え、憲法9条の改悪を阻止しましょう。そのためには、安倍政権に代わる「野党連合政権」を作ることであり、“市民と野党の共闘”が必要であり、もっとも大事です。野党共闘も進めるためにも日本共産党を応援してください。

 選挙での共闘だけではなく、国会に提出した野党共同法案は、安保法制廃止法案や長時間労働規制法など15本を数えます。今年は、広告の電通で新入女性社員が過労自殺する悲惨な事件がありました。

 トヨタでもこれまでに過労死認定が5件あります。長時間労働を規制し、過労死をなくするためにも野党共闘の力は必要ではないでしょうか。野党共闘は、トヨタの労働者の願いを実現するためにも必要です。

 政党というのは、自分たちの考えを国民に押し付けるのではなく、国民の願い、要求を実現するためにあるのではないでしょうか。国民の願いに背を向ける政党-自民党や、公明党、日本維新の会は、長い目で見れば国民から見放されると思います。

堤訴え3
(出退勤するトヨタ堤工場の労働者ら)

 公明党は自民党の影に隠れてあまりにも目立たないように見えますが、昨年9月に自民党と共に戦争法を強行したように節目、節目で国民の願いに背を向けています。

 みなさん。12月15日の豊田市議会の最終日に、市民から出された「南スーダンに派遣されている自衛隊の即時撤退を求める意見書の採択を求める請願書」に、公明党は何と本会議で反対討論を行ったのです。

 びっくりしました。公明党は“平和の党”を標ぼうしていたのではなかったのですか? 私たちの周りにも創価学会員の人がいます。ぜひ考えていただきたいと思います。

 日本共産党は、来年1月早々、第27回党大会を開きます。今年の参院選で戦後初めて“市民と野党との共闘”が実現しました。この力を総選挙でもっと大きくしたいと思います。党大会には、民進党、自由党、社民党の野党の代表があいさつします。党大会で野党があいさつするのは初めてです。

 みなさん。日本共産党トヨタ自動車委員会は、“市民と野党の共闘”で国民・労働者の願いを実現するために、来年もがんばります。大きなご支援をお願いします。
……
日本共産党 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/12/23 17:40

◎こんなもんか 安倍政権の「同一労働同一賃金」

 【詰所談義】

 A 昨日(12月21日)の新聞に、安倍首相が「非正規という言葉をこの国から一掃する」といって、正規と非正規の「同一労働同一賃金」を実現するためのガイドラインを示したことが大きくのっていたね。
 B 「働き方改革実現会議」というんだろう。おれたちトヨタの職場にも期間従業員という非正規の人たちがたくさん働いている。お前の子どもの1人も非正規だから人ごとではない。

 A そうだ。だから、新聞だけでなくパソコンで、その会議の配布資料を読んでみたけれど、こんなもんかと失望したよ。ガイドラインといって指針であり、法的拘束力はないという。
(第5回働き方改革実現会議での配布資料は次のアドレスで)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/gijisidai.html
 
  B そうか。じゃぁ、どれほど実現するかわからないということか?

 A たとえば基本給では、問題にならない例として、「生産効率や品質の目標値に対する責任を負っており、目標が未達の場合、処遇上のペナルティを課されている」正規と、責任を負わずペナルティを課されない非正規で、正規に高額の基本給を支給している場合は、問題にならないという。
 B 現状を追認しただけじゃないか。問題になる例は何だい?

 A 基本給を勤続年数に応じて支給している場合、正規には入社時から支給しながら、非正規には当初の雇用契約開始時期から通算せず、その時点での雇用契約の期間のみ支給している例などをあげている。
 B 当たり前じゃないか。

 A 正規には業績に応じた賞与を払いながら、非正規には払わないとか、非正規の店長の手当てが正規より安いなどを悪い例としてあげている。
 B それも当然だろう。

 A 要するに業績、成果で基本給に差を付けることは認め、手当などの差はできるだけ認めないということだ。
 B 賞与・ボーナス・一時金の支払い日に、正規は喜んでいるが、それがない非正規は黙りこくっていることを、せめてなくそうということか。

出勤するトヨタ労働者
(出勤するトヨタの労働者)

 A これはトヨタで問題になるのではないか、というのが食事手当だ。正規には高額の食事手当を支給しているが、非正規には低額の食事手当を支給している例を「問題となる例」にあげている。
 B トヨタでは、正規は食事にウエルチョイス(福利厚生制度で、社員は年間8万円)のポイントが使えるが、非正規にはそもそもない。期間従業員からは食事手当が欲しいという要求が強いよ。

 A 通勤手当や出張旅費、食事手当、慶弔休暇などについても、同一でなければならないとしているが、そんな差別があること自体が問題だった。
 B 企業が非正規を安上がりのコストを見て、雇用してきたことが最大の問題だよ。トヨタでも、生産が上がると期間従業員を募集し、下がると契約満了で雇い止めしてきた。

 A そうだよ。一番大きいのは、労働者派遣法の規制緩和で非正規労働者を次々と増やしてきた歴代自民党政権の責任だ。いまでは非正規が約4割にもなる異常な事態だ。その反省は安倍政権にはないよ。
 B 円安、株高を煽った“アベノミクス”が破たんし、景気回復の最大の保障となる消費が伸びない大きな理由は、非正規労働者があまりにも増えたことだ。それを取り繕うとして同一労働同一賃金を打ち出したのか。

 A 「非正規という言葉をこの国から一掃する」というのなら、労働者派遣法を根本的に見直すとともに、同一労働同一賃金の原則や差別の禁止などを明記した法改正をしなければならないよ。
 B コストで非正規をみることをやめ、“正社員が当たり前”の社会にすることを基本に据えた政策を打ち出し、そのなかで同一労働同一賃金の原則を法律にすることだね。
安倍政権 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2016/12/22 10:56
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