◎激動・沖縄2015② 宜野湾市長選

 世界1危険といわれる米軍・普天間基地のある宜野湾市へ行った。来年1月17日告示(24日投票)で市長選挙が行われる。市内のど真ん中に基地があり、市は東と西に分断されている。基地を囲むようにして、市民は生活を強いられている。

宜野湾1
(宜野湾市のど真ん中にある米軍・普天間基地)

 市長選には、普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去をかかげる、シムラ恵一郎候補(63)と辺野古への移設を容認している現職の佐喜真淳市長との対決だ。シムラ候補は、宜野湾市出身で県土木建築部建築都市統括監などの経歴がある。翁長雄志知事をはじめ「オール沖縄」の勢力が推している。

 4年前の市長選では、県外移設を公約していながら、これをひるがえした佐喜真市長を、安倍政権や自民党、公明党が推している。

宜野湾4

 市内に入ると、両候補の宣伝カーが走り、いたるところにノボリや横断幕があった。選挙が目前であることを感じる。シムラ候補の事務所へ行った。スタッフに話を聞いた。シムラ候補の妻もいた。「オール沖縄」の流れを、「オールジャパン」にするためにも重要なたたかいだとひしひしと感じる。

 すぐ近くの統一連(沖縄県労働組合総連合)の事務所へも行った。労組や民主団体が集まっており、スタッフがあわただしく動き回っている。この日の午後2時から、「ひやみがち宜野湾うまんちゅうの会」の西海岸地域事務所の事務所開きがあるという。

 佐喜真市長が住んでいる真志喜地区にある事務所で、いわば相手候補のもっとも重要な地域だ。うまんちゅうの会の事務所は、市内の東西南北に4カ所あり、行ったのはその1つだ。

宜野湾2
(政策を語るシムラ恵一郎候補)

 40人くらいの人たちが集まっていた。シムラ候補は、とつとつとした語り口で政策を語り、普天間基地の撤去と辺野古に新基地をつくらせない決意を語った。市民が信頼できる候補だと感じた。

 事務所開きの後、参加者と話した。安倍政権の戦争法とたたかった愛知県のシールズ東海やママの会など新たな運動の状況を語った。「オール沖縄」のたたかに学び、愛知県や豊田市でも1点共同の運動がすすんでいることを話した。

宜野湾3


 沖縄では、宜野湾市長選に続いて6月には県議選、7月には参院選挙がある。2014年には、名護市長選挙、沖縄知事選、衆院選で「オール沖縄」の勢力が連勝し、辺野古への新基地ノーの民意を安倍政権に突き付けた。

 16年でも連勝し、その流れを「オールジャパン」の流れにつなげてほしい。「お互いに頑張りましょう」と励まし合ってきた。ささやかながらカンパも置いてきた。

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沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/31 11:42

◎激動・沖縄2015① 昼休みデモと号外

 2015年の年末、沖縄へ行った。毎年恒例の旅行で、8回目だ。名護市・辺野古への米軍新基地建設をめぐって沖縄は、激動の年だった。安倍政権は、新基地建設強行のために違法をいとわず、沖縄の民意を押しつぶそうとした。保守、革新を超えた「オール沖縄」で選ばれた翁長雄志知事は、一歩もひかなかった。その現場を歩いた。

 12月25日(金)のクリスマス。午後零時。沖縄県庁と那覇市役所の間の通りで待っていると、宣伝カーが来た。「昼休みデモ 1660回」。窓に貼り付けてある。

 核兵器廃絶! 辺野古への新基地建設反対! ヘリパッド建設許すな! 普天間基地は無条件撤去せよ! オスプレイ配備反対!

沖縄昼でも1
(古堅実吉さん=中央=らの昼休みデモ)

 デモは、1984年2月17日に、トマホーク配備反対をかかげて始まった。毎週金曜日の昼休みデモは、雨が降っても台風が吹き荒れても、欠かさず続けてきた。今回で何と1660回目だ。次回の1月1日は元旦だが、この日も続く。

 中心メンバーの1人は、日本共産党の元衆院議員、古堅実吉さん(86)だ。1990年から96年まで衆院議員を務めた。元気にデモの先頭に立つ。この日の参加者は11人。少人数でも続けることが大事だという考えで、人を集めるということはしないそうだ。

沖縄昼でも2


 この粘り強さはどこからくるのか? 県庁前から出発。シュプレヒコールをくり返す。よく知られた国際通りの交差点を通り、県庁を1周して終わった。20分ほどの行動だった。

 昨年12月に就任した翁長知事は、本土復帰後の知事として7代目になる。古堅さんが衆院議員になった1990年は、革新の大田昌秀知事が就任した。当時、翁長さんは、自民党の那覇市議だった。自民党県連幹事長も経験する。

 保守、革新を超えた「オール沖縄」は翁長知事を誕生させ、12月14日には、政党・会派、労働団体、経済団体、平和・民主団体、女性・青年、学者・文化人・法律家、各市町村の「島ぐるみ会議」など幅広い団体を網羅し、「辺野古新基地をつくらせないオール沖縄会議」を結成した。

 
沖縄昼でも3

この団結が、翁長知事を後押しする。昼休みデモが終わった午後2時過ぎ、翁長知事が安倍政権を提訴するニュースが流れ、琉球新報と沖縄タイムスの地元2紙が号外を出した。コンビニに号外はあった。

 翁長知事による辺野古埋め立て承認取り消しの効力を、国土交通相が一時停止したのは違法として、これを取り消すよう求めた訴えをこの日(25日)、那覇地裁に起こしたのだ。

沖縄昼デモ4 同外


 昼休みデモと並行するように、県庁で大きな動きがあったのだ。安倍政権が行政不服審査法を用いて、知事の埋め立て承認取り消しを一時停止したことについて、同法は私人の救済を目的としているものであり、国である沖縄防衛局は「私人ではないから、行審法による審査請求等の適格は認められない」と指摘している。

 防衛局の申し出に基づく執行停止は「違法な決定」だと断定している。憲法違反の集団的自衛権の行使などを盛り込んだ戦争法(安保法制)を強行した安倍政権は、違法なんてどこ吹く風だ。翁長知事の訴えは大義があるのだ。

沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/12/30 11:35

◎「慰安婦」問題合意の陰で

 1990年代から20数年にわたって日韓の政治問題になってきた、いわゆる従軍「慰安婦」問題で、安倍首相がおわびし、韓国政府が設立する財団に日本が10億円を拠出する、「最終的かつ不可逆的解決」することなどで日韓政府が12月28日、合意しました。

 新聞各紙は29日付で、数ページにわたって特集していますが、そのなかで1段8行の小さな記事(朝日新聞)に目が止まりました。

 安倍首相の夫人の昭恵さんが28日、靖国神社に参拝したという記事です。昭恵さんが自身のフェイスブックに靖国神社の写真とともに、「戦後70年を迎えた平成27年。残すところあとわずか。今年最後の参拝…」と掲載したという記事です。

 夫人が参拝した日は、「慰安婦」問題で日韓が合意した日です。安倍首相は、元慰安婦に対し、「心からおわびと反省の気持ちを表明する」とのべた、まさにその日でした。

 夫人は私人であり、首相とは別人格ですが、釈然としない気持ちが残ります。靖国神社は、明治維新からアジア・太平洋戦争まで、“天皇のために”たたかって死んだA級戦犯など軍人・軍属を祀っています。侵略戦争を「自存自衛」の正義のたたかいだったと描く遊就館を併設する特殊な神社です。

靖国神社
(靖国神社)

 安倍首相は2013年12月に靖国神社に参拝し、中国や韓国など世界から猛烈な批判を受け、それ以降は参拝できないでいます。侵略戦争の遂行のなかで、軍が関与してつくられたのが慰安所であり、性奴隷にされたのが慰安婦でした。

 慶応大学の金子勝教授はツイッターで、安倍夫人の靖国神社参拝にふれ、「こういうことをやるので、絶えず問題が蒸し返されるのです」と批判しています。NHKは、安倍政権が「不可逆的」という用語を、「蒸し返す」と言い換えて、あたかも韓国が蒸し返しているかのような報道をしました。

 慰安婦訴訟に取り組む大森典子弁護士は、「韓国が蒸し返したのではなく歴史を逆行させる日本の勢力が蒸し返した」(「しんぶん赤旗」、29日付)と批判しています。

 日本共産党の志位和夫委員長は談話で、日韓政府が合意したことについて、「問題解決に向けての前進と評価できる」とのべています。同時に、「今回の日韓両国政府の合意とそれにもとづく措置が、元『慰安婦』の方々の人間としての名誉と尊厳を回復し、問題の全面的解決につながることを願う」と語っています。

戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/12/29 10:49

◎これで津波防げる? 浜岡原発

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の防波堤が12月26日、完成しました。新聞各紙が上空からの写真を掲載しましたが、あまりにペラペラに見えて、東日本大震災以上ともいわれる南海トラフ巨大地震による津波は、これで防げるのでしょうか?

 浜岡原発は、東海地震の想定震源域の真上にあることから、東日本大震災後の11年5月、民主党の菅直人首相(当時)の要請で中電が運転を停止しました。中電は、再稼働をねらって防波堤の建設に着手。4年あまりかけて、高さ22m、幅2m、長さ1600mの壁をつくりました。

朝日新聞 浜岡防波堤
(浜岡原発の防波堤=朝日新聞、12月26日付)

 壁の両側の盛り土は、16年3月に完成するとしています。最初は、高さ18メートルの予定でしたが、南海トラフ巨大地震による津波の高さを21・1mに見直し、壁の高さを4m高くしました。

 福島第一原発は、14m以上の津波に襲われましたが、近くの富岡町は21・2mの津波が押し寄せていました。“万里の長城”といわれた岩手県田老町の防波堤は、高さ10m、長さ2600mありましたが、東日本大震災であっけなく崩壊し、家々はつぶされてしまいました。

浜岡原発 201107
(浜岡原発の展望台から見る原発=2011年7月)

 浜岡原発へは、防波堤の工事中に見学に行ったことがあります。海側へは近寄れず、防波堤の様子はまったくわかりませんでした。上空からの写真で見る限り、防波堤は心細く見えます。豊田市から東に約100kmにある浜岡原発。本当に南海トラフの津波を防げるのか…。
原発ゼロへ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/28 09:12

◎日本IBMの「社外秘リストラマニュアル」

 このブログ「トヨタで生きる」では、「日本IBMが労組に白旗」(12月6日)をアップしましたが、12月25日、次のようなコメントがブログに寄せられました。

……
 「話題からずれて恐縮ですが、下記のサイトの記事、ブログ主さまは、どう思われますか?」
http://toyokeizai.net/articles/-/97715
……

 「東洋経済ONLAIN」(12月27日)の「日本IBM『社外秘リストラマニュアル』の全貌」という記事について、どう思われるかという趣旨です。

 同誌は、日本IBM労組から提供を受けた、会社の「社外秘リストラマニュアル」について、詳細に伝えています。マニュアルは、外部のコンサルティング会社が、法律の専門家によってつくったものと推定、こう書いています。

……
 「強制的、強迫的言動を面談で行うことは、裁判で敗訴する可能性を招くとして厳禁。NG発言の具体例としては、「君の席はない」「辞めなければ遠隔地転勤させるぞ」「無駄飯を食わせる余裕はない」といったものが列挙されている。
……

 そして、マニュアルでは労働者を、「理屈型」「愚痴型」「沈黙型・馬耳東風型」「泣き型」「感情型・怒り型」などに分類し、自主的に退職に追い込むよう具体策を示しています。

 IBM労組の代理人の水口洋介弁護士は、同誌で次のように語っています。

 「労働者は、退職の意思がないことを、明確にメールや文書などで伝えることが極めて重要。説明だけ聞くという姿勢で2度くらい出席し、明確に退職の意思のないことを伝え、その後の退職勧奨の呼び出しには、もはや応じない。そして、『自分の業務に支障が出る』と伝える。これが、必ずやらなければならない対応」

ルネサス武蔵事業所 電機・情報ユニオン
(東京都小平市のルネサス武蔵事業所で、ビラを出勤する労働者に配布する電機・情報ユニオンの組合員=同労組のニュースか

 この通りですね。電機産業では、この間、30万人リストラともいわれるようなすさまじい人減らしが行われてきました。パナソニックやソニーなどが人権無視の“追い出し部屋”をつくることまでしました。

 直近では、粉飾決算をした東芝が12月21日、国内外で1万600人のリストラを発表しました。労働者をリストラから守ってきた電機・情報ユニオンは、「退職強要防止10か条」を作成しています。

1.「辞めません」とはっきり言う
2.やっぱり「辞めません」
3.退職強要には、きっぱり抗議を
4.人権じゅうりんには厳重に抗議を
5.出向・配転・転籍も断る
6.会社より自分の生活が大変
7.おだてにのらず、謙虚に拒否を
8.家族は退職に反対です
9.最後は黙秘でがんばりましょう
10.電機・情報ユニオンに相談をしてください

 水口弁護士や電機・情報ユニオンがいうように、「辞めません」と明確に主張し、不当なやり方には抗議したり、必要な場合は黙秘し、労組に相談することが必要だと考えます。


その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/27 09:58

◎三輪敏博さんの労災裁判 3月16日判決 (下)

 【提訴】
 2014年4月、過労死裁判を多数手掛けてきた弁護士を弁護人にたてて、遺族は「労災補償不支給の取り消し」を求めて名古屋地裁に提訴しました。以後、9回の口頭弁論があり、2015年9月9日に証人尋問があって、12月16日に結審しました。

 【裁判の争点と社会的意義】
 この裁判の争点は時間外労働が100時間程度と認められるのか否かであり、その点では複雑な争点はありません。しかし、時間外の休憩時間が本当にとれていたのか、打刻の時間外にも労働実態があったのではないか、など職場実態を裁判長が口頭弁論の進行のなかから、いかに判断するかが重要です。

 弁護人は結審での発言で、前回の法廷終了後も証人等に接触して労働実態を聞きだしたところでは、法廷の証言とは違うところもあるとしています。

 労災補償とは言いますが、労災賠償とは言いません。労災は不当な行為によって生じたものではないという前提があるからだと思います。だから、労災が起こっても必ずしも企業の過失責任が問われるものではないとも思います。なら、もう少し労災認定を積極的に行ったらいいのではないでしょうか。

 厚労省の認定基準に当てはまるから労災だ、そうでないから不認定だということなく、裁判所が労災と認めれば厚労省が新しい認定基準を決めるのだから、労災認定訴訟を損害賠償裁判ととらえず、労働者が人間らしい生活を守るための判決を期待しているとも弁護人は述べています。

三輪さん
(トヨタ総行動で訴える三輪香織さん=2015年2月11日)

 【過労死根絶を目指して】
 西三河では過労死や過労自死の裁判が目立つ異常な状態があります。昨年11月には過労死等防止対策推進法が発効しました。国、公共団体や企業に過労死防止対策を呼びかけるもので、過労死家族の会などが国会議員に働きかけて超党派で成立した法です。

 遺族の思いが法成立の原動力になったものです。今後、実効あるものとするにはいくたの乗り越えるべき問題点があることでしょう。広く国民に存在と理解を広める必要があります。

 【判決は2016年3月】
 判決は2016年3月16日(水)午後1時10分からと予定されています。勝訴を確信していますが、被告側がメンツのための控訴をしないことを切に願っています。

2015年12月23日
 三輪敏博さんの過労死認定を支援する会
事務局長 森下浩平
過労死 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/26 08:27

◎三輪敏博さんの労災裁判 3月16日判決 (上)

 トヨタ自動車の関連会社、テー・エス・シーで働いてきた三輪敏博さん(死亡当時37歳)が過労死で亡くなって4年余り。2人の子どもをかかえた妻の香織さんの労災認定を求める裁判が12月16日、結審しました。来年3月16日に名古屋地裁で判決が出ます。

 「三輪敏博さんの過労死認定を支援する会」の森下浩平事務局長に、三輪さんがなぜ過労死にいたったか、労基署や裁判所でのたたかいについて寄稿していただきました。

……
三輪敏博さんの労災認定を求める裁判が結審しました。

【三輪敏博さんのしごと】
 トヨタテクノクラフトはトヨタ自動車が100%出資の企業です。本社は神奈川県にあり、愛知工場は2006年8月に開設され、首都圏以外では初めての工場です。救急車をはじめ官公庁や海外向け特装車の組み立て、それに試作車開発を中心とした事業をおこないます。

 三輪敏博さんはトヨタテクノクラフトの敷地内に置かれる主要子会社であるテー・エス・シーに勤めていました。テー・エス・シーでの主な仕事は救急車の防振ベッドの架装でした。救急車は患者を搬送するのですから、患者に振動が伝わりにくいことが要求されます。そのために使用されるのが防振ベッドです。

 【2011年敏博さんに降りかかった出来事】
 2011年、敏博さんにいくつもの予想もしなかった出来事が降りかかってきます。ひとつはチーフへの昇進を打診されたことです。まじめな働きぶりと気遣いある周囲への対応が評価されたのでしょう。一般には昇進は喜ぶべきものでしょうが、本人にとっては責任の重さと負担の増加があり、うれしいというだけではすまないこともあります。

 もうひとつはテー・エス・シーでの本務に加えてトヨタテクノクラフトの作業への応援業務がありました。トヨタが新車種を発売するということでトヨタテクノクラフトは6月ごろから多忙になったことが応援の理由です。応援作業のあとから事務処理をおこなう必要もあったでしょう、長時間労働の原因となりました。

 それから、土日の休日が木金に変更されたことも敏博さんに心理的な負担を強いることになりました。この年3月11日の東北大震災以降、夏場の電力不足が懸念されたための措置でした。小学生と園児、ふたりの子どもさんと一緒にいることが仕事の疲れをいやす楽しみであった敏博さんには、土日出勤はその機会を大幅に減らすことになりました。

三輪さん 結審
(名古屋地裁での裁判が結審して、あいさつする三輪香織さん=12月16日)

 【うつと長時間労働そして死】
 そうなる前から、うつ状態で治療を受けていた敏博さんでしたが、それ以後、症状は悪化していきます。就寝しても寝付きが悪く、浅いねむりがつづく様子でした。そして、朝は寝覚めよく起きらず、亡くなる前日は仕事に出かけるのもつらそうだったと家族はいっています。

 2011年9月27日、自宅で倒れているところを家族が見つけられましたが、虚血性心疾患(致死性の不整脈)助かりませんでした。過労が前触れもなく人の命を奪うことは大いにありうることだといわれています。

 【過労死不認定】
 遺族はタイムカードや仕事の内容を調べていくうちに、1か月の時間外労働が100時間を超えることを知り過労死を確信して、テー・エス・シーを管内に持つ半田労働基準局に過労死認定申請をしました。

 結果は意外なものであり、改めて愛知労働局に申請したものの2013年3月審査請求を却下され、労働保険審査会も2013年12月に棄却の決定をしました。

 厚労省による労災認定の基準は、亡くなる1か月間に100時間程度の時間外労働が認められるか、亡くなる6か月前から2カ月前までの1か月あたりの平均時間外労働が80時間程度あることとしています。

 敏博さんの場合、大震災以後の数か月間は仕事があまりなかったので基準には達していませんでした。また、労働基準監督署などが亡くなる1か月前の時間外労働を85時間程度と判断しました。

 遺族が100時間を超えるとしたのになぜこのような差が出たのか。それは、休憩時間の設定があり、その間は仕事をしていなかったと判断したためです。どの程度、個別の経過を調査したのかわかりませんが、結論は厚労省の基準が決め手となったようです。
過労死 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/25 12:11

◎その通り、見返りです

 毎日新聞(12月21日付夕刊)が、大企業の政治献金と法人税の関係に切り込んだ出色の特集を掲載しています。題して、「これって見返り? 自民党と大企業 法人税減税/政治献金再開」です。

 新聞には、大企業の広告が多数あり、スポンサーに物申すことは極めて難しいといわれています。特集では、「財界の『社会貢献』、実は『買収』」などと、政治献金の本質を突いています。

 まず、特集に掲載された自民党(国民政治協会)への献金額上位企業・団体を見て下さい。

 (1)日本自動車工業会    8040
 (2)石油連盟         8000
 (3)日本電機工業会     7700
 <4>トヨタ自動車      6440
 (5)日本鉄鋼連盟      6000
 <6>東レ          4000
 <6>キヤノン        4000
 (6)不動産協会       4000
 <9>住友化学       3600
(10)日産自動車       3500
<10>新日鉄住金      3500
(12)三菱重工業       3300
(13)野村ホールディングス  3200
(14)大和証券グループ本社 3000
<15>東芝          2850
(15)日立製作所       2850
(15)パナソニック      2850
(18)三菱商事        2600
(18)三井物産        2600
(20)ホンダ         2500
※2014年、単位は万円、<>数字は経団連会長を出した企業

 大企業トップは、トヨタの6440万円。2位は、現在の経団連会長会社の東レの4000万円ですが、トヨタはその1・6倍も出しています。毎年、ダントツのトップです。

トヨタ本社 (2)
(企業献金No1のトヨタ自動車の新旧本社)

 「毎日」の特集は、東レ出身の榊原定征経団連会長が、税制改正大綱で、法人税実効税率を現行の32・11%から29・97%に引き下げることを決めたことに対し、「歓迎する」とのコメントを出したことにふれています。

 そして、榊原会長が12月7日の記者会見で、「14年の自民党への企業・団体寄付は13年から約1割増加した。経団連としては、社会貢献活動の一環として政治寄付の実施を呼び掛けた。(増額は)呼び掛けに応じて、各社が自主的な判断で政治寄付を実施した結果だ」とのべたことについて識者のコメントをのせています。

 「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大法学部教授は、「本当に社会貢献の一環ならば、企業はホームページなどで宣伝するはず。でも、『政治献金にこれだけ出しました』と公開している企業は見たことはない」と語ります。

 確かに、トヨタのホームページでも見たことはありません。日本1なら、堂々と書くべきでしよう。

 立正大法学部の浦野広明客員教授(税理士)は、「企業が何かしらの見返りを期待して献金しているならば贈賄罪になりかねない。会社の利益にならないのに金を出すのは株主に対する背任になる可能性がある。どちらの事態もグレーな行為なのです」といいます。

 2人とも、「社会貢献というのは都合のいい主張であって実際は財界によるあからさまな買収政治なのです」と批判します。そうです、企業献金を出して、法人税を減税してもらうという見返り――“買収”なのです。

 しかも、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、三井住友FGの3メガバンクが政治献金を再開しようとしています。銀行は、1990年代後半の金融危機で公的資金の投入を受けたことで、98年から政治献金を自粛したのに、再開に動き出したのです。

 その一方で、安倍政権は消費税を8%から10%へと引き上げる(17年4月)というのですから、働く者にとっては怒り心頭です。

その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/12/24 09:04

◎賃上げは15年を上回るように 経団連

 日本経団連は、16年の春闘対策方針で、賃上げについて、15年を上回る方向で検討しようとしていることが明らかになりました。日経新聞が12月22日付の夕刊で伝えています。

 それによると、例年1月に発表する「経営労働委員会報告」について、経団連は同日、大筋了承したといいます。このなかで、16春闘の賃上げについて、次のような方針で臨むと日経新聞は書いています。

……
 経済の好循環を実現させるため、賃金引き上げについて企業収益に見合った「積極的な対応」を会員企業に求めていくことを柱に据えた。賃上げの水準でも「15年を上回る年収ベースでの賃上げについて前向きで踏み込んだ検討が望まれる」と明記した。
……

日本経団連
(日本経団連=東京都千代田区)

 「年収ベース」という条件が付いているものの、15春闘を「上回る」ことについて、「前向きで踏み込んだ検討が望まれる」というのです。しかも、企業収益に見合った「積極的な対応」を求めていくというものです。

 トヨタ自動車の内山田竹志会長は、経団連の副会長です。日本1の利益のトヨタ自動車で、経団連のこの方針をあてはめれば、2兆8000億円という過去最高の利益を上げる見通しのため、賃上げについて「積極的な対応」を求められることになります。

 15春闘では、トヨタ労組は6000円の賃上げを要求して、回答は4000円でした。16春闘では、トヨタはこれを「上回る」ことについて、「前向きで踏み込んだ検討が望まれる」ということになります。

 4000円以上の回答を引き出そうとすれば、トヨタ労組は、昨年の6000円以上の要求をすることが必要でしよう。経団連が、こうした方針を出すのであれば大幅賃上げの絶好のチャンスです。

 経団連の方針の背景には、「安倍政権からの再三の賃上げ要請も背景にある」(日経新聞)といいます。円安と株高で大企業と富裕層にだけに利益を増やしたアベノミクスの破たんを、賃上げで取り繕うとする安倍政権の思惑が経団連の方針に反映しているといえます。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/23 10:05

◎賃上げ要求3000円でいいのでしょうか? 堤工場で訴え

 日本共産党のトヨタ自動車委員会と根本みはる豊田市議は12月17日(木)、トヨタ自動車堤工場(豊田市)前で、出退勤する労働者に日本共産党の政策を訴え、ビラを配布した。12月にしては暖かい日が続いたが、数日前から寒さが戻り、この日は風が強かった。

 堤工場は、12月9日から発売になった新型プリウスの生産工場だ。多数の期間従業員が配属されるなど本格的生産に入り、多忙をきわめている。来年1月からは1直、2直の直間が拡大され、フル残業になる見通しだ。

 党委員会の代表は、安倍政権の戦争法反対で全力をあげた日本共産党へのこの1年のトヨタ労働者の支援に感謝しつつ、参院選の年になる来年も大きな支援を呼びかけた。

堤3 201512


 その上で、16春闘が迫るなか、トヨタ労組の上部団体の自動車総連が15春闘の半分の「3000円以上」の要求をかかげることについてふれた。

 「現場の努力・頑張りと2兆8000億円と史上最高益を更新する見込みのトヨタの業績を比べると、6000円の要求をかかげた15春闘以上の要求をするべきではないでしょうか。職場会で、生活実感に見合った本音の議論をして、トヨタにふさわしい要求をするべきではないでしょうか」

堤2 201512


 また、来月1月から、工場の労働者(技能職)に、毎月評価され、毎月賃金が変わり、最大で2万5000円の差が付く成果主義賃金が導入されようとしていることについて、「チームワークが乱れ、職場環境が悪化しないようにすべきであり、会社や労組に意見を上げていきましょう」と呼びかけた。

 そして、「みなさんの声や意見を党委員会のブログ『トヨタで生きる』にお寄せください。職場を少しでも良くするために、躍進した国会議員団と連携し日本共産党は全力をあげます」と訴えた。

堤1 201512
(訴える日本共産党の根本みはる豊田市議)

 根本市議は、大村よしのり市議とともに12月豊田市議会で市当局に追及したことを紹介。このなかで、豊田市南部地域に総合病院をつくってほしい、という強い要望が市民から上がっていることを取り上げたと訴えた。

 しかし市側は、いくつかの医療機関から進出の相談が寄せられていると答弁はしたものの、「人口に対する入院患者の率が低い。不足しているとは考えていない」などと答えるなど総合病院建設に消極的だと批判。市民のみなさんの運動などで病院建設を実現していきたいと呼びかけた。

 また根本議員は、安倍政権が強行した戦争法を廃止する2000万人請願署名に日本共産党や反対した市民団体が取り組んでいることを紹介し、署名への協力を訴えた。
トヨタ党委員会 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/22 16:04
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