◎沖縄からのリポート 2015年8月

①辺野古の海に1組の親子

 沖縄県は、8月10日から9月9日までの1カ月間、安倍政権との集中協議期間に入った。名護市辺野古への新基地建設をめぐっての話し合いの間は、ボーリング調査を中断する。この期間に沖縄へ行った。次は沖縄の現状リポート――

                ◇

 辺野古の浜辺の防波堤に初めて立った。映像で見る通り、エメラルドグリーンの海が広がっていた。こんな海は愛知県にはない。見あきることがない。その時、1組の親子が浜にあらわれた。子どもたちが波とたわむれている。

辺野古海1
(辺野古の青い海。向こう側の白い建物がキャンプ・シュワブの兵舎)
 
 親子の向こうに、アメリカ海兵隊の基地、キャンプ・シュワブが広がる。海にまで突き出た基地のフェンス。基地には、水陸両用の戦車道路や巨大な兵舎…。辺野古の海は、基地と隣り合わせにある。

辺野古海3
(浜辺で遊ぶ親子。金網の向こうがキャンプ・シュワブ)
 
 安倍政権は、この辺野古の海を埋め立て、V字型の滑走路を持つ新基地を建設し、米軍に提供するというのだ。世界1危険な普天間基地に代わるというが、耐用年数200年というから老朽化した普天間基地に代わる新基地である。
 
 実際、海兵隊員が敵の海岸に上陸する揚陸強襲艦の岸壁(271・8m)まで建設される。

 基地建設のためのボーリング調査などは停止され、作業台船などは撤収した。立ち入り禁止区域を示すフロートは、辺野古の浜からは見えない。対岸の瀬嵩の海岸に回らなければ見えない。

辺野古海2
(辺野古の海へ出発する船)

 辺野古の浜から1隻の小さな船が辺野古の海へ漕ぎ出した。辺野古のたたかいを支援している人々9人が乗っている。サンゴやジュゴンのいる海を体感し、フロートのそばまで行くことができる。残念ながら予約しないと入船できないという。

 地元紙「琉球新報」を買い求めた。作家の百田尚樹氏が「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」と発言して大問題になった2紙のうちの1紙である。

 「『沖縄を領土としてしか見ていない』 知事、辺野古推進を批判」
 「『(普天間基地の)5年内停止』移設前提 知事反発『北部殺す』」

 中谷元防衛相や菅義偉官房長官との会談を1面トップで大きく報道している。全国紙との扱いとは大違いである。2人とも辺野古しかないというというが、翁長雄志知事は、これを厳しく批判している。

辺野古海4
(辺野古の海岸に建てられたテントでたたかいの様子を聞く人々)

 翁長知事が、「沖縄は自ら基地を差し出したことがない」と安倍首相らに語ったことを思い出した。1組の親子が浜辺で遊んでいる風景を眺めながら思った。「辺野古の海を絶対につぶさせてはならない」、と。

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②侵略者はいらない!

 米軍基地、キャンプ・シュワブの正面ゲート前に回る。暑い。汗が噴出する。ゲート前にテントがズラリと並んでいる。看板があった。

 「新基地断念まで座り込み 不屈 408日」

 もう1年以上も座り込んでいるのだ。そのなかに、沖縄の“文子おばあ”(85)がいた。沖縄へ行く直前、ドキュメンタリー映画「戦場ぬ止み」を見た。新基地建設用の資材を基地へ運びこむトラックの前に、体を投げ出す白髪のおばあ。

辺野古ゲート1
(座り込む沖縄のおばあ=中央=)

 それが文子おばあだ。映画とまったく変わらない白髪。そのしわに刻まれた、戦前の沖縄の地上戦から生き、たたかった歴史。「頑張ってください」とがっちり握手。その人なつこい笑顔が目の前にあった。

 その時、テントからいっせいに人々が基地の金網に向かって走る。基地から迷彩色のトラックが出てくる。手に手に、「新基地阻止」などのプラスターを持ち、海兵隊員に向かって、「ユー・アー・インベーダー・ウイ・ドント・ニード・ユー」(侵略者はいらない)と叫び、大きく抗議の手を振る。

辺野古ゲート2
(軍用トラックに抗議する人たち)

 その迫力におされた。ここは、基地建設反対の最前線なのだ。安倍政権との“休戦中”といえども、抗議の姿勢はなんら変わらない。午後3時半、テントに座り込む人々、全国からの支援の人たちがゲート前でデモを始めた。

 真夏の太陽は容赦しない。じりじりと差し込むような日差しが痛い。「海兵隊員も基地も失せろ」「平和を返せ 土地を返せ」「安倍政治は許せない」などのプラカードを掲げ、シュプレヒコールする。

辺野古ゲート3
(ゲート前でデモする人々)

 人々の表情は明るかった。昨年の名護市長選、知事選、衆院選挙で新基地反対派は圧勝した。沖縄の民意は、「新基地建設反対」なのだ。これまでの保守、革新の枠を超え、沖縄の財界、労働界は団結した。

 安倍政権は、追い詰められているのだ。その確信が人々の顔にあふれていた。沖縄は戦前、唯一の地上戦を強いられた。日本の米軍基地の面積の74%までが沖縄に集中している。

 沖縄は、本土の盾にされてきたのではないか? 旅行中、“ウチナンチュー”(沖縄の人)と“ヤマトンチュー”(本土の人)という呼称をよく聞いた。心に突き刺さる言葉だった。


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③道の駅かでな

 宜野湾市の普天間基地は、豪雨の中だった。滑走路のそばにある嘉数高台公園は、普天間基地を一望にできる高台にある。しかし、突然に降り出した豪雨で、基地から飛び立つ飛行機は見当たらない。もちろんオスプレイも見えない。

 公園のまえに1軒のそば店があった。沖縄旅行中、昼食は沖縄そばと決めていたが、この店のそばは最高であった。沖縄そばは、本土のそばとうどんの中間にあたると思う。麺は太麺だ。腰のある麺がうまい。

 レンタカーを嘉手納基地へ走らせる。同基地を一望できるのが“道の駅かでな”である。南南西から北北西への方角に、4000m級の2本の滑走路がある極東最大の米空軍基地だ。道の駅は、北北西の滑走路の端近くにある。

嘉手納1
(嘉手納基地から飛び立つ戦闘機)

 4階建ての屋上が展望台になっている。キーン、文字通り耳に突き刺さるような金属音をたててF-15Cイーグル戦闘機が滑走路を走り、飛び立った。駅の3階が基地の学習展示室になっており、そこにヘッドホンで旅客機などと戦闘機の音を聴き比べるのがあった。

 戦闘機の爆音は、旅客機などと比べ耳を突き差し、腹にずしんと響く。日常生活では耐えられない。嘉手納町は、町の面積の実に83%が基地と弾薬庫地区として接収されている。基地と共存して暮らしていくことは想像できない。

嘉手納2
(嘉手納基地)

 道の駅の人に話を聞く。オスプレイも時々見るという。それは、弾薬庫から普天間基地などに運んでいるのではないかという。実際、屋上から基地を眺めているとさまざまな軍用機が飛び立っていく。

 KC-135R空中給油機などだ。他に、E―3Bセントリー空中早期警戒管制機、AV-8Bハリアー11攻撃機…など米軍の戦闘機が常駐し、飛来する。

 ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争…アメリカの侵略戦争のたびに嘉手納基地を飛び立っていく戦闘機。ここは戦争の最前線基地なのだ。安倍首相は、「戦争法案」(安保法制)の必要な理由として、安全保障環境の変化をあげ、中国や北朝鮮の脅威をあげる。

 ちょっと待ってほしい。沖縄の米軍基地は、核兵器が秘密裏に保管されてきたのは周知の事実である。嘉手納をはじめとする米軍基地の戦闘能力は、中国や北朝鮮の比ではない。しかも、沖縄の海兵隊は殴り込み部隊である。

嘉手納3
(嘉手納基地の模型。住宅と隣り合わせ)

 中国や北朝鮮は、沖縄の米軍などを脅威として軍拡をすすめてきた。お互いに抑止力を高めるといって軍拡競争をくり広げている。そこへ憲法9条を持つ日本が、戦争法案で集団的自衛権の行使などをして米軍とともに銃口を構えれば、中国、朝鮮もさらに抑止力を強めるだろう。

 嘉手納基地から飛び立つ戦闘機を見ながら考えた。


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④敵も味方も「平和の礎」に

 沖縄旅行で、どうしても見たかったものの1つが「平和の礎(いしじ)」である。太平洋戦争・沖縄終結50周年を記念して1995年に完成した。毎年、沖縄戦が終わった6月23日、歴代首相も出席して追悼と平和のへの誓いが行われる。

 安倍首相が出席した今年の追悼式では、世界3大通信社の1つ、仏AFPが「米軍の沖縄駐留に不満を持つ地元住民らが、檀上にあがった安倍首相に『帰れ』などのやじを飛ばした。日本で首相が直接市民からやじられることはまれだ」と伝えた。

礎1
(立ち並ぶ礎)

 礎は、沖縄へ初めて旅行した時にはなかった。礎の建つ平和祈念公園は、沖縄の地上戦の最後のたたかいになった南部戦跡のなかにある。その先は、断崖である。

 沖縄戦などで亡くなった約24万人余の人々の名前が刻みこまれた刻銘碑が放射状・屏風状に延々と118基も続く。戦死者の数の多さを実感できるつくりかたであった。

 南部戦跡を案内してくれた元教師(68)は、姉の名前を探すがすぐに見つからなかったほどだ。アメリカ軍に追われた住民は逃げまどい、姉は2歳半で亡くなったという。元教師は、その刻まれた名前をそっとなでた。もちろん、生前の姉は覚えていない。沖縄の人々は、家族の誰かを失っている。

礎2
(礎に刻まれた米軍兵士の名前)

 そうした刻銘碑のなかに、米国、英国、台湾、南北朝鮮の人々の名前もあった。米国は、海軍、海兵隊、陸軍などの軍人だ。つまり沖縄戦でなくなった、日本からいえば“敵兵”も弔っていることになる。2度と沖縄戦のような悲惨な戦争をなくしてほしいという願いが痛いほど伝わってくる。

 ひめゆり平和祈念資料館で、生き証人として今も来館者に語っているのが津波古ヒサさん(87)だ。「戦争だけは絶対だめです。人殺しですから」と話してくれた。

 自然洞窟の糸数アブラチガマへ、ヘルメットをかぶり懐中電灯を頼りに入った体験は強烈だった。天井からひっきりなしに水がしたたり落ちてくる真黒な洞窟。ここに負傷兵と住民約1000人が避難していたという。

礎3
(断崖にある礎)

 うめき声、叫び声が洞窟に響き、腐敗した遺体にはうじ虫…生き地獄だったという。両眼を摘出した負傷兵が、奇跡的に生き残り、その人の証言を聞き取ったと元教師は語ってくれた。

 南部戦跡を回りながら戦争について考えた。戦争とは――①人間最大の愚かな行為である、②しかし、日本でいえば、階級がなかった縄文時代以前に戦争はなかった、③だから戦争は、人間の手でなくせる。それをかかげたのが憲法9条だ…と。


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⑤ジャングルのそばで24時間座り込み

 名護市からレンタカーで北上し、海岸線からひたすら山の中へと入っていく。米軍がジャングル戦を想定した訓練をしているという北部訓練場へ向かった。道なき道を行くようなところかと考えていたら、まったく違っていた。

 舗装された2車線の道路が山のなかへ分け入っていくのだ。この道路は、北部訓練場への軍用道路だったのだ。車で約1時間半、やっと座り込みテントが見えてきた。

高江1
(座り込む人たち)

 沖縄県東村高江。ここに、安倍政権は米軍のヘリコプターの着陸帯、「ヘリパッド」を新たに建設しているのだ。返還される代わりに新たに4カ所6個のヘリパッドをつくろうとしている。

 防衛省沖縄防衛局は、2007年7月に工事を強行。14年3月には、集落からもっとも近いN4地区のヘリパッドを完成させた。今年1月、安倍政権は先行供与の閣議決定をしたため、オスプレイの本格的訓練が始まった。

 「ヘリパッドいらない住民の会」やこれを支援する人々は、ゲート前にテントを張り、昼も夜も24時間体制で抗議と監視体制を続けている。6月28日には、「高江座り込み8周年報告会」が開かれた。その粘り強さは驚きだ。

高江2
(米軍基地のゲート)

 座り込みをしていた「高江ヘリパッド反対現地行動連絡会」の共同代表の仲村渠(なかんだかり)政彦さんに話を聞いた。テントからは見えないがオスプレイなどが飛び回っていると語る。米軍のヘリには、機体の一部に劣化ウランや放射線を出すストロンチウム90を使っているという。

 米軍は、イラク戦争などで劣化ウラン弾を使ってきた。そのために異常児が生まれている。北部訓練場など北部には沖縄本島の60%をまかなう水がめ、ダムがあちこちにある。そのダムで米軍は訓練し、ヘリが墜落する事故も起きている。

 決して沖縄北部だけの問題ではなく、沖縄全体の命にかかわる問題だと仲村渠さんは語る。「夜も2~3人で、交代で泊まりこんでいます。寝袋で寝たり、自動車で寝たりしています。へびもムカデもでますよ」と笑う。学者タイプの冷静な人だ。

 こうした人たちが、もう7年以上も座り込んで、ヘリパッド建設に反対しているのだ。辺野古もしかり。米軍基地と隣り合わせで住んだことがなかった自分にとって、衝撃の4日間だった。

高江3
(高江の店の沖縄そば)

 沖縄県庁で、524頁もある「沖縄の米軍基地」(沖縄県知事公室基地対策課)という資料集を貰った。無料だった。「沖縄の米軍基地マップ」もいっしょに。マップに米軍基地が色別で落としてある。

 陸軍、海軍、海兵隊、空軍…米4軍の基地面積をカラーで見ると、その広大さにあらためて驚く。那覇と名護市を結ぶ高速道路も、キャンプ・ハンセンの中を通っていた。

 沖縄の現状をあまりにも知らなかったことを痛感した。この目で見たこととともに、資料などを読み込み、沖縄の人々に寄り添わねばならないと思った。

 安倍政権との集中協議は9月9日に終わる。その先はどうなるのか? ウチナンチューは、保守、革新の枠を超えて団結という宝を手にした。戦前と戦後の70年の苦闘をへて。どんなことがあっても決して屈しないだろう。

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 この沖縄リポートは、一挙にアップします。9月1日~5日分までの5回分です。 管理人

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戦争と平和 | コメント(11) | トラックバック(0) | 2015/08/31 11:27

◎国会を囲む12万人のコール

 8月30日(日)。午後1時過ぎ。国会議事堂前に、なんとかたどり着いた。議事堂を1周しようと思った。元の位置に戻れず。身動きとれない。どれだけの人がいるのか?

830の1


 午後2時。心配された雨も降っていない。「戦争法案」(安保法制)の廃案と安倍政権の退陣を求める「国会10万人・全国100万人大行動」が始まった。あらゆる団体が総結集した総がかり実行委員会が呼びかけたものだ。

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 朝、豊田市の自宅を出て、新幹線で東京へ向かった。議事堂正門前のメーンステージからスピーチが、あちこちに配置されたスピーカーから届く。岡田・民主党、志位・日本共産党の党首ら。坂本龍一さんら音楽家、学者…。

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 大学生でつくるシールズのメンバーのコール、ママの会は「だれの子どももころさせない」との横断幕を持って。創価学会員有志が署名を集めていた。「公明党本部へ届けます」と。…飴も置いてあった。コールでのどをつぶさないように、と。細かい配慮だ。

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 警察は、車道へ人々が出ないように規制する。日曜日の永田町を通る車などはほとんどないにもかかわらず。あまりの人の多さに、規制する方が危険と判断したのか、国会正面の車道は開放された。それでも身動きがとれない。

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 午後3時ころから雨がぱらぱら降ってきた。傘を差すほどでもない。12万にとの発表があった。すごい。国民のこれほどのエネルギーがどこから出てくるのか?

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 それに逆らって安倍首相は、参院でも強行採決しようというのか? やれるのなら、やってみろ!

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(東京新聞、8月31日付)
戦争と平和 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/08/31 09:40

◎「極限の成果を追求」 トヨタが技能職に続いて事務・技術職にも

 トヨタ自動車がトヨタ労組に提案した、毎月評価、毎月賃金が変わるという“極限の成果主義”賃金が8月28日、労組の評議会で可決されました。

 職場からは、労組が認めるように、「評価に対する公平性・納得性が十分得られるのか」「マイナスの考課点を付けられたら意欲が減退する」「チームワークが悪化するのではないか」などの不安の声や反対の声が出るなかでの可決になりました。

 技能職(工場労働者)に導入するものです。「規律性」など4項目で評価し、「技能発揮給」を新設する成果主義賃金です。+4点の「期待を大幅に上回り、職場の模範となる」から、-1点の「期待を大幅に下回る」までの6段階で評価します。+1点が「期待どおり」の標準点としています。

 標準額は7万円で、1点あたり5000円。最高の+4点評価では8万5000円、最低の-1点では6万円となるために、最大で2万5000円の差が付くことになります。

堤 制か
(出勤するトヨタの労働者=堤工場)

 会社の当初の提案では、1点あたり1万円だったために、最大で5万円もの差がつくことになっていましたが、職場から反対・懸念の声が噴出したために、半額の2万5000円にしました。いかに不安の声が大きいかを示しました。

 このブログ「トヨタで生きる」にも、次のような8つの問題点を指摘したコメントが寄せられました(8月20日)。

……
 個人的にはデメリットが大きい制度だと感じます。

①公平にジャッジ(判定)できる上司がいるのか?
②現状、現場は好き嫌いのジャッジ(判定)が多い。
③評価が上がる技能員と評価が下がる技能員のモチベーションの管理、フォローの方向性は?

④評価が下がる技能員の人材育成方法は?(ほったらかし?)
⑤トヨタ基本理念の人間性尊重はどうなる?
⑦価値観多様の昨今、この制度、全技能員への落とし込み方法は?(納得させる材料は?)

⑧頑張る事をさせる導き方は?(誰が、いつ、どの様に、何を行うの?)
⑨最終結果デメリットが大きかった場合の方向性は?(誰が、いつ、どの様に、何を行うの?

    (注)⑥は欠番
……

 導入は16年1月からで、技能発揮給の変動開始は同年7月からとしていますが、今後、会社と組合は、組合員らのこうした疑問・不安に応える必要があるでしょう。

80 中日 20150829
(中日新聞も取り上げたトヨタの賃金=8月29日付)

 会社側は、技能職に続いて事務・技術職にも成果主義賃金を導入するとしています。7月に開かれた第1回労使検討委員会で、会社は次のような驚くべき提案をしています。

 「TPS(Time & Place Strategy)in the Office」(時と場所に捉われず仕事する)という位置づけで、「有限の時間で極限の成果を追求(個人の生産性)」するとしています。

 「1分1秒たりとも決してムダにしない」ともしており、いっさいのムダを省くTPS(トヨタ生産方式)の考え方を賃金でも貫徹させるものです。
職場は今 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/08/30 09:55

◎火山と地震 フライデー・リポート

 原発ゼロをめざす関西電力東海支社(名古屋市東区)前での、毎週金曜日の行動が8月28日、行われた。昼間はものすごい土砂降りの雨。関電前は、ところどころに水たまりが残っていた。

 夕方も、今にも降りそうな雲行きだった。再稼働した九州電力川内原発(鹿児島県)は、9月10日から営業運転を始めようとしている。その原発の近くにある桜島では、8月15日から火山性地震が多発し、小規模な噴火が発生している。

関電前1 20150828


 気象庁は、噴火警戒レベル4の噴火警報を発表している。火山・地震列島の日本で原発を再稼働していいのか? この日のコールでは、電力会社の火山と地震のいいかげんな安全対策を具体的にあげて批判した人がいた。

 別の男性は、先日、国会前での行動に参加してきた様子を報告。ねばり強く運動して再稼働をやめさせようと訴えた。その国会前では、首都圏反原発連合がねばり強く運動を続けている。

関電前2 20150828


 28日の国会前行動には、1800人が参加したという。日本共産党の藤野保史(やすふみ)衆院議員がスピーチ。同日の経済産業委員会で追及したことを報告した。来年度の概算要求の時期だが、予算に安倍政権の本音があらわれていると指摘した。

 「原発立地交付金を見ると、原発を再稼働した自治体には、ご褒美として交付金を増やし、再稼働しない自治体には、罰として交付金を減らそうとしています。まさに“アメとムチ”で、自治体を再稼働に誘導する、とんでもない概算要求です。こんな政権は退陣あるのみ!」

関電前3 20150828


 藤野議員は2日前の26日、その経産委員会の視察で、愛知県の小牧南工場(三菱重工)を視察している。中型ジェット機MRJだけでなく、F35など戦闘機の製造・メンテナンスの拠点工場だ。

 戦争法案で勢いづく軍需産業。安倍政権の原発再稼働、戦争法案などのごり押しに対し30日(日)には、国会前で10万人、全国で100万人の行動が予定されている。大反撃だ!
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/08/29 08:33

◎♪戦争は終わるよ それを望みさえすれば

 今、注目のSEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)。そのメンバーの1人、福田和香子さん(21)=大学4年生=が「しんぶん赤旗日曜版」(8月30日号)に、印象深い写真で掲載されています。

 彼女は、ヒップホップダンスが趣味で、塾で英語を教えています。8月23日、若者の街、東京・表参道で「戦争法案」(安保法制)反対のデモの先頭でコールしました。

日曜版 福田和香子さん


 へそだしルックに大きなイヤリング、青いリュックサック…手にしたプラカードは、「WAR IS OVER IF YOU WANTIT」(戦争は終わるよ それを望みさえすれば)。

 ジョン・レノンの「ハッピー クリスマス」の歌です。福田さんのスピーチがメディアで取り上げられると、ネットですさまじい批判にさらされたといいます。

 日曜版で、「へこみました。なんで私がここまで背負わなければいけないのか、泣いたこともあります」と語ります。彼女が立ち上がった原点はどこにあるのでしょうか? 日曜版では、そうした思いを語っています。

 福田さんのコールは、次のアドレスの動画で見ることができます。
https://www.facebook.com/teppeisphotos?pnref=story

 またシールズは、「より多くの皆さんに安保法制や政治、歴史問題についての幅広い知識に触れる機会を提供するべく、各メンバーが影響を受けてきた書籍を選書リスト化し、全国へ向けて発信していくプロジェクトを始めます」として、基本の15冊リスト発表しました。

直 シールズ 15冊


 管理人は、1冊も読んでいませんでした。勉強します!
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/08/28 10:15

◎法曹界・学者300人が記者会見

 写真を見てください。すごい。300人の学者・法曹界の人々が一堂にそろって記者会見するとは! こんな風景、かつてあったでしょか? それだけ、安倍政権と自民、公明両党の「戦争法案」に対する危機感のあらわれです。

 9月14日になると、参院での審議が終わらなくても、衆院の3分の2で再可決できることをねらって安倍政権は国会を大幅に延長しました。違憲の法案をなにがなんでも通過させようとしています。

 そうしたなかの8月26日、日本弁護士連合会(日弁連)と学者は東京・弁護士会館で共同の記者会見を開いたのです。元内閣法制局長官、日本弁護士連合会の歴代会長、各学界の研究者らが席を埋めました。参加者全員が、戦争法案「廃案」「違憲」と書かれたプラカードをいっせいに掲げました。

 異例の記者会見、風景です。日弁連の村越進会長は、「こんなに幅広い人々が総結集したのはおそらく初めてのこと。立憲主義の破壊だけは認めることができない」と語りました。

学者・弁護士ら300人 20150826
(学者・弁護士ら300人が記者会見=ネットから)

 日本学術会議前会長の廣渡清吾氏(専修大学教授)は、「真理を探究する仕事をしている私たち学者も市民、主権者として、法案を廃案まで追い込むため活動する」と決意をのべました。

 元最高裁判事の那須弘平氏はメッセージで、「平和憲法の理念が破棄されようとしている中、戦争で非業の死を遂げた人々への誓いを果たしたと言えるのかと日本の良心に問う必要がある」とのべています。

 メディアがまっとうに報道している(「しんぶん赤旗」は1面トップで報道)のに、戦争法案に賛成している産経新聞の記者は、次のように質問したとツイッターで伝えられました。

 産経記者 「強制加入である日弁連が政治的な発言をするのはどうなのか?」
 日弁連会長 「なんども申し上げているように私たちはそう考えていません」
 産経 「プラカードを掲げて誤解されるじゃないか?」

 さすがに、出席した法曹・学者からは、「帰れ」という言葉が出たといいます。
戦争と平和 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/08/27 11:57

◎SEALDs、奥田愛基さんスピーチ全文

 8月23日(日)、国会前で労働組合の全国組織、連合が1万4000人の組合員や家族らが集会を開き、「みんなで安倍政権にNO!」のプラスターをいっせいに掲げました(このブログの同日付参照)。

 集会では、全トヨタ労連などの旗もはためきました。この集会であいさつしたのが今注目のSEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)の中心メンバーの1人、奥田愛基(あき)さん=明治学院大学=です。

 SEALDsは同じ23日、若者の街、東京・表参道で約6500人が参加してデモ行進。「戦争法案絶対反対」「安倍を倒せ」とコールしました。みんな、おしゃれでかっこいい若者たちです。ハンドマイクがよく似合います。

シールズ おしゃれ
(東京・表参道でコールするシールズのメンバー=8月23日、ネットから)

 その奥田さんが8月14日に国会前で行ったスピーチが感動を呼んでいます。

……
 僕らメンバーがここに来る前に毎回読む新聞記事があって、それを朗読したいと思います。『学生デモ、特攻の無念重ね涙』というタイトルで新聞に投稿された記事です。

 安保法案が衆院を通過し、耐えられない思いでいる。だが、学生さんたちが反対のデモを始めたと知った時、特攻隊を目指す元予科練(海軍飛行予科練習生)だった私は、うれしくて涙を流した。体の芯から燃える熱で、涙が湯になるようだった。オーイ、特攻で死んでいった先輩、同輩たち。『今こそ俺たちは生き返ったぞ』とむせび泣きしながら叫んだ。
……

 その全文は次のネットで読むことができます。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/258019

シールズで小池晃議員
(シールズの参加者に、自衛隊の内部文書で安倍政権を追及したことを報告する日本共産党の小池晃参院議員=8月21日、国会前で=ネットから)

 また、SEALDsの日々の活動は、フェイスブックで読むことができます。
https://www.facebook.com/teppeisphotos?pnref=story
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/08/26 18:12

◎「まったく問題ない」と強弁 安倍首相

 司馬遼太郎に「この国のかたち」というエッセイがあり、「統帥権」(軍隊の最高指揮権)に触れたところがあります。

 「統帥権がしだいに独立しはじめ、ついには3権(立法・行政・司法)の上に立ち、一種の万能性を帯びはじめた。統帥権の番人は参謀本部で、事実上かれらの参謀たち(天皇の幕僚)はそれを自分たちが“所有”していると信じていた」

 軍部の独走をこう指摘しています。“司馬史観”は、日露戦争を美化したり、天皇の戦争責任をあいまいにするなど問題はありますが、軍部の独走については厳しく書いています。

 日本共産党の小池晃参院議員が、参院安保法制特別委員会(8月11日)で暴露した「戦争法案」(安保法制)先取りの自衛隊の内部文書は、シビリアンコントロール(文民統制)を危うくし、戦前の軍部独走になるのではないか、と危惧されるような内容でした。

 ところが安倍首相は、「問題あるとは全く考えていない」などと8月21日の小池議員の質問に強弁しました。新ガイドラインで新たに設けるとした「同盟調整メカニズム」内に、「軍軍間の調整所」(米軍と自衛隊のこと)の設置を記していることについても、首相は「便宜的な表現であり、問題あるとは考えていない」と答えるありさまでした。

ANN(テレビ朝日) 小池質問
(ANNニュース=テレビ朝日=から)

 内部文書は、朝日新聞(8月20日付)や東京新聞(同20日付)などが社説で取り上げるなど、大問題になっていましたが、それに安倍首相は当然視したのです。朝日社説は、次のように指摘します。

……
 資料が明確に示すのは、日米の軍事的な「一体化」がいっそう進む方向性である。

 ▼平時から利用可能な常設の同盟調整メカニズム(ACM)の中に「軍軍間の調整所」を設置。要員派遣の検討が必要

 ▼南シナ海での情報収集、警戒監視と偵察などの関与のあり方について、今後、ワーキンググループなどを活用して検討

 自衛隊と米軍が日常的に緊密な連携をとり、日米共同計画を策定し、共同訓練を重ねることで、抑止力を高める――。そんな将来像が浮かぶ。

 だが、そこで日本のシビリアンコントロール(文民統制)は確保されるのか。不測の事態の際、米軍の現場レベルの軍事的な判断に引っ張られないか。次々と疑問がわいてくる。

 政府が国会であいまいな答弁をしてきた南シナ海での対米協力についても「検討する」と明記しているが、日本がどこまで踏み込むのかは難しい問題だ。日本海や東シナ海の警戒が手薄にならないか。防衛費が拡大することはないか。
……

 内部文書は5月に作成され、衆院の審議入り(5月26日)の日に、自衛隊幹部350人を集めた会議で使われていました。朝日社説は、「法案を成立させてはならない」と強調します。小池質問を伝えた「しんぶん赤旗」を紹介します。

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 日本共産党の小池晃議員は21日の参院安保法制特別委員会で、戦争法案の成立を前提に、自衛隊統合幕僚監部が詳細な部隊運用計画を記載した内部文書を作成していた問題について、安倍晋三首相を直接ただしました。

 首相は「(法案を)具体化していくべき検討課題を整理すべく、分析や研究を行うのは当然だ」。「問題あるとは全く考えていない」と強弁しました。

 小池氏は「一省庁の問題ではなく自衛隊という実力組織だ。軍隊を独走させてはいけないというのは戦前の教訓だ」と反論。「内容は国会で全く説明していないものばかりだ。国民と国会を愚弄(ぐろう)するものだ」と批判しました。

小池質問 8月21日
(安倍首相に迫る小池晃参院議員の動画)

 また首相は「防衛大臣の指示のもと、その範囲内で行われたものだ」と述べ、文民統制は完遂していると発言。小池氏は、中谷元・防衛相が5月に作成された文書の内容を8月まで把握していなかった事実をあげ、「(自衛隊の)暴走以外の何物でもない」と強調しました。

 同文書は、新ガイドラインで新たに設けるとした「同盟調整メカニズム」内に、軍軍間の調整所の設置を記しています。首相は「便宜的な表現であり、問題あるとは考えていない」と答え、自衛隊を「軍」と記すことを当然視しました。

 小池氏は「軍を持たないという憲法を持つ国の首相が、『軍』と書くことを、便宜的な問題でかまわないと(いうことが)許されるのか」と指摘。首相が3月にも自衛隊を「我が軍」と発言したことにふれ、「(首相は)憲法をないがしろにし、自衛隊の中でも憲法も国民も無視した議論が行われていることを示すことに他ならない」と批判しました。

 小池氏はさらに内部文書は、米軍等の「武器等防護」に関し、自衛隊の武器使用基準である「ROEの策定」と記述していることについて、「米軍と武器使用基準を共有することになる」と言及。「統幕内部文書から見えるのは、まさに自衛隊を米軍と肩を並べて海外で戦争する集団に変えようとするものだ」と強調しました。

 このような文書を「問題ない」とする安倍首相と中谷防衛相。小池氏は「責任は極めて重大だ」と強調するとともに、自衛隊統合幕僚長の河野克俊氏の証人喚問を要求。改めて戦争法案の廃案を主張しました。
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 小池参院議員の質問の動画は、日本共産党のホームページで見ることができます。
http://www.jcp.or.jp/web_mov/

戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/08/25 10:56

◎豊田市の「平和を願う戦争展」に1100人が参加

 戦後70年目の節目の年の今年、28回目を迎える「平和を願う戦争展」(20団体と個人などでつくる実行委員会主催、中日新聞社後援)が、8月22日(土)~23日(日)、豊田産業文化センターで開かれた。

戦争展6 2015


 1997年から始まったもので、2日間で1100人の市民が参加。新聞で報道されるために、それで知った市民が参加するも多い。トヨタ系の労働者の参加も目立った。展示物への質問など熱心に学ぼうとする姿が見られた。

戦争展4 2015


 今年は新たに、「豊田とトヨタの戦争」の展示が加えられた。終戦前日の1945年8月14日、米軍によって3発の核模擬爆弾が現在のトヨタ本社工場などに落とされた。

戦争展2 2015


 後日、トヨタに原爆を落とすためのデータ収集などだったということが、戦後、アメリカの資料で明らかになった。戦争が8月15日に終わらなかったら、現在のトヨタも豊田市もなかった。多くの参加者は、その事実を知って驚いていた。

 戦争展に数年前から協力しているのが元トヨタ社員の仲條さん(78)だ。中国東北部(旧満州)からの引揚者で、戦争だけは2度としてはならないとう強い思いを持っている。

戦争展1 2015


 仲條さんは、前回の戦争展から自分で作った折鶴にメッセージを添えて、参加者全員に配布している。手書きのメッセージには、いろいろな言葉をそえている。

 段ボール箱で2箱にもなるという。平和への熱い思いに心を打たれた。トヨタの後輩として、誇らしい気持ちになった。

戦争展5 2015


 今回、豊田市の元助役の柴田清さん(92)が参加していた。実行委員会の代表の冨田好弘さん(71)から紹介され、あいさつした。戦争体験や会場の建設当時のことなどにふれ、「戦争だけは2度としてはならない」と強調した。

戦争展3 2015
(あいさつする豊田市の元助役の柴田清さん)
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/08/24 17:07

◎連合が国会へ怒りの大行動 全トヨタ労連も

 トヨタ労組が加盟する労働組合の全国組織、連合は8月23日、国会前で「みんなで安倍政権にNO! 国民の声、怒りの大行動」をくり広げました。

 “生涯ハケン”となる労働者派遣法の改悪など労働者保護ルール改悪と安保法制(戦争法案)への反対をアピールしました。

 国会前の集会では、古賀伸明連合会長や民主党の岡田克也代表らがあいさつ。「みんなで安倍政権にNO!」のプラスターをいっせいに掲げました。

40 連合 国会
(「みんなで安倍政権にNO!」のプラスターをいっせいに掲げる連合の組合員ら=連合のフェイスブックから)

 安保法制について衆院憲法審査会(6月4日)で違憲だと断定した3人の憲法学者のうちの1人の小林節さん(慶応大学名誉教授)が廃案を訴えました。

 また、今注目のSEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)の代表らが訴えました。大行動には、連合傘下の自動車総連や日教組、情報労連などの組合員、家族ら約1万4000人(主催者発表)が参加しました。

全トヨタ労連 国会
(全トヨタ労連の組合旗も)

 当初の1万人の目標を大きく上回りました。全トヨタ労連や本田労連の旗が並びました。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/08/23 15:55
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