◎フライデー・リポート 「収束宣言」撤回を

関電1 20130830

 原発ゼロをめざす、関西電力東海支社(名古屋市東区)前での、毎週金曜日の行動が8月30日、開かれた。日本列島を前線がおおい、台風も上陸をうがっている気候のために、時々、雨がぽつり、ぽつりと落ちてきた。

 最後まで本格的な雨にならなかったのが幸いした。しかし、福島第一原発は、汚染水の垂れ流しで、こちらは放射性物質が土砂降りのように流れ出す非常事態になっている。

関電2 20130830


 汚染水事故を起こしたタンクと同様のタンクは約930基もあり、原発敷地内にびっしり建っている。タンクには、ストロンチウム90など毎時100ミリシーベルトという高濃度の汚染水などがためこんである。

 この濃度は、40時間そばにいると半数の人が死亡するというとんでもないものだ。レベル3(重大な異常事象)の事故といわれて当然だ。それなのに、民主党前政権の「収束宣言」を安倍内閣は撤回しようとしない。

関電4 20130830


 この日の行動では、「世界が見ている。収束宣言を撤回しろ。わたしの、あなたの強い意志」というプラカードを掲げた参加者がいた。その通りだ。

 来月、9月15日には関西電力大飯原発が定期検査に入る。昨年7月以来、ふたたび日本列島は「原発ゼロ」になる。このまま、原発をすべて再稼働させず、廃炉にしよう!

 関電のビルに向かったコールでは、この意思を強くぶつけた。

関電3 20130830
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原発ゼロへ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/08/31 10:36

◎「共産党っぽくない」?

 「若手共産党政治家とアツく語る!」の第3弾が8月29日夜、東京都内で開かれました。今年6月の東京都議選で当選した米倉春奈(25歳、豊島区)、白石たみお(31歳、品川区)の両都議、7月の参院選東京選挙区で当選した吉良よし子(30歳)参院議員の3人です。

 「しんぶん赤旗」の若手労働運動担当、行沢寛史記者(38歳)も加わりました。会場は飲食ができる店で、90人で満席。立ち見ができるほどでした。ニコニコ動画のネットで中継され、約1200人が視聴するなど関心の高さを示しました。

若手政治家1
(アツく語る=左から=白石、米倉、吉良、行沢の各氏=ニコニコ動画の生中継から)

 雇用、ブラック企業、原発、消費税、日本共産党、自己責任…問題について、会場からの質問にも答えながらアツく語りました。特にアツく語ったのが、若者の置かれている雇用、貧困問題です。

 吉良議員は参院選で、2004年の就職氷河期で60社を受けながら、1社しか内定をとれず、自分を否定されたような思いになったと語ってきました。そうした体験から、ワタミなどブラック企業の根絶に立ち向かうと語りました。

 白石都議は、寿司職人めざし15歳で高校中退し、日雇い派遣で“モノ扱い”される体験をしました。そんな時、日本共産党と出会い18歳で入党。「やり直そう」と、21歳で高校定時制に入学したという異色の経歴を持っています。今も風呂なしのアパートに住んでいると語り、参加者を驚かせました。

 この日の「アツく語る」に寄せられた感想に、3人の若手政治家は「共産党っぽくない」」というのがありました。共産党っぽくない? “共産党っぽい”というのは、固くて、まじめで、ダサイ…というイメージでしょうか?

 そう3人とも週刊誌などが書いたように、センスいいファッションをしており、アイドル、イケメンのようなさわやかなイメージですね。

 「趣味、嗜好、モード、ファッションなどが個人の選択の自由にまかされることは当然である。市民生活へのいかなる統制や干渉も排除する」――これは、日本共産党の「自由と民主主義の宣言」の一部です。

 http://www.jcp.or.jp/jcp/Sengen/

 日本共産党がめざす将来の社会主義でも、自由と民主主義は保障され、個人の趣味、ファッションなどの選択も自由であることをうたっています。3人は、そうしたことを体現した個性豊かな若手政治家たちです。だから、“共産党っぽくない”ように見えるのでしょうか。

若手政治家2
(ブラック企業の根絶を語る吉良よし子参院議員=ニコニコ動画の生中継から)
日本共産党 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2013/08/30 17:36

◎消費税増税 豊田社長は賛成というが…

 安倍政権は、自民、公明、民主の3党合意でまとめた消費税増税(来年4月に8%、再来年10月に10%)について判断するために、有識者60人から意見を聞く「集中点検会合」を開いています。

 8月28日には、トヨタ自動車の豊田章男社長が出席し、「上げることには賛成」とのべました。その一方で、自動車取得税、重量税の廃止など自動車諸税のあり方に意見をのべました。

 消費税は、企業が負担するものではなく、消費者が負担するものです。貧しい人も富める人も一律に課税されるもので、所得が少なければ少ないほどその負担は重くなります。消費者や取引先にすべて転嫁で来る大企業は、負担はゼロです。

消費税増税 豊田社長
(記者に消費税増税は「賛成」と語る豊田章男社長=東京テレビ系から)


 豊田社長は、「集中点検会合」後の記者への説明で、「(増税は)自動車ユーザーへの負担が上がるので、自動車の保有期間が長くなり、その結果市場は落ち込む。ひいては日本での生産も維持できない。まずいサイクルに入っていく」などと語りました。

 そうでしょうか? 日本経済は、長期のデフレ不況から脱出できないでいます。その原因は、勤労層の8割を占める労働者の賃金が1997年をピークに下がっているからです。内需不足になっているからです。

 年収200万円以下のワーキングプアなど非正規労働者が4割近くになったこと、トヨタをはじめとする大企業の内部留保は260兆円にも増大しながら、賃上げはほとんどないからです。トヨタの場合、5年連続ベアゼロです。

カローラ
(カローラのハイブリッド)

 所得を増やして内需を喚起し、日本経済を立て直すことこそ真っ先にすべきでしょう。1997年に橋本自民党政権が諸費税を3%から5%に上げた時、国民に9兆円の負担が襲いかかり、一気に景気が後退しました。

 イギリスの「タイムズ」は、「橋本政権によって行われたこの増税政策は…もっとも愚かで、もっとも無意味で、破壊的な経済政策と言われることになろう」と論評しました。


 安倍政権が消費税増税を強行すれば、97年の再来になる危険性があるのです。そうすれば車は売れず、生産も維持できないでしょう。

 「集中点検会合」で、山根香織主婦連合会会長は、「(増税に)断固反対。給料が上がらない状態で増税を強行すれば貧困や格差が必ず拡大する」とのべました。

 日本共産党は、消費税に頼らない別の道がありますという「提言」を明らかにしています。それは、▽所得を増やして経済を立て直す、▽「能力に応じた負担」で社会保障をよくする――を基本にした「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言」(2012年2月7日発表)という政策です。是非、参考にしてください。

 http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/02/post-141.html
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/08/29 10:42

◎くり返される電機リストラ 8回もの退職強要

 パナソニック、ソニー、シャープ、ルネサス…電機産業でのリストラが止まりません。その数は18万人ともいわれています。

 次は、今から12年前の2001年11月24日の「しんぶん赤旗」の記事です。「変身大学」という「追い出し部屋」を設け、労働者に退職を強要している実態を告発したものです。

 「松下電器(現パナソニック)は、『早期退職』の名で八千人ともいわれる人減らしをすすめていますが、社内に『変身大学』を設け、労働者に退職を強要しています。工場でゴミ拾いをさせるなどの人権侵害のいやがらせをしているもので、労働者は『ひどすぎる』と立ち上がっています」

松下 変身大学
(「変身大学」が設けられた2001年当時の松下電機茨木工場)

 朝日新聞は、8月26日付の「追い出し部屋」の記事で、この2001年当時の大量リストラ時に、松下電器が作成した首切りマニュアルがあったことを暴露しています。

 「あなたの能力を生かせる職場がない」と退職を迫る手順などが書かれているものです。「電機業界ではリストラ指南書の原点のようなものだった」といいます。

リストラ 赤旗、朝日
(電機のリストラを報道する「しんぶん赤旗」=左=と朝日新聞)

 朝日新聞の2日前、「しんぶん赤旗」(8月24日付)は、三千数百人のリストラをすすめている半導体大手のルネサスの退職強要の面談記録を1ページ近くにわたって詳細に報道しています。それは、まさにリストラ指南書に沿ったようなものでした。

 ルネサスで課長職から降格された40代後半の男性は、今年6月下旬から8月上旬にかけて8回もの面談を受け、退職を強要されました。

 「8月1日以降のポジションは決まっていない。残っても仕事はないから、視野を広く持ちキャリア(再就職)相談をするように」(7月上旬)

「9月末に事実上解雇(整理解雇)をすることもありうる。…9月に事実上解雇になれば降格者は対象になる可能性が高い。もう一度考えてほしい」(7月下旬)

 「募集期間に想定人数に達しなかった場合には、ご本人の意思に反してでも事実上解雇に踏み切る状況にあります」(8月上旬)

 最高裁は、このような退職勧奨のくり返しは違法(1980年7月10日の下関商業高校事件判決)としています。

 電機連合とは別の労組、電機・情報ユニオンは、「“辞めません”とはっきり言う。“辞めません”の一言が、あなたと家族を守ります」など、「リストラ・退職強要をはねかえす4カ条」をつくって、労働者にたたかいを呼びかけています。

 戦後の日本の4大基幹産業だった造船重機、鉄鋼、電機、自動車。自動車をのぞく3産業では、これまで激しいリストラがくり返されてきました。トヨタでは海外生産比率が6割を超えました。自動車産業で働く私たちも、雇用を守るたたかいが重要になってきました。

                           ◆

 この記事は、8月28日アップの予定でしたが、都合により前日の27日にアップしました。

解雇・雇い止め | コメント(3) | トラックバック(0) | 2013/08/27 17:52

◎ブラック企業をなくそう 共産党の本村さんらが連日訴え

「ブラック企業をなくそう」と日本共産党愛知県委員会は8月26日夕方、名古屋駅前の笹島地区で宣伝カーから訴えた。28日までの3日間、連日、午後5時~6時まで訴える。

 参院選愛知選挙区の候補者で健闘した本村伸子さんらが参加した。トヨタ名古屋本社が入っているミッドランドスクエアビルが近くにある。

 ブラック企業とは、労組幹部や大学教授などでつくる「ブラック企業大賞企画委員会」によると、①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業、②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人――などをいう。

 ブラック企業を見極める指標として、長時間労働、セクハラ・パワハラ、いじめ、長時間過密労働、低賃金、コンプライアンス違反、育休・産休などの制度の不備、労組への敵対度、派遣差別、派遣依存度、残業代未払い(求人票でウソ)などをあげている。

 2013年のブラック企業大賞は、ワタミフードサービスになった。

ブラック企業 宣伝1
(ブラック企業の根絶を呼びかける日本共産党愛知県委員会の本村伸子さんら。後方のビルはミッドランドスクエア)


 日本共産党の山下よしき参院議員は、入社後3年以内に50%以上が離職し、休職者の42%がうつ病などの精神疾患と報じられているユニクロの実名をあげて告発し、政府に対策を求めた(5月14日の参院予算委員会)。

 また参院選では、本村候補をはじめ当選した吉良佳子氏(東京選挙区)、辰巳孝太郎氏(大阪選挙区)らが、ブラック企業の根絶を訴えた。

 厚生労働省は、9月に4000社に調査に入る。9月1日(日)には、朝9時~夕方5時まで、ブラック企業電話相談(電話番号0120-794-713)を設ける。

ブラック企業宣伝2

 こうしたなかで、日本共産党愛知県委員会は集中的に宣伝を強めている。笹島地区には、ブラック企業が多い場所で、名古屋労働基準監督署も監視を強めているという。

 この日の訴えでは、ブラックな働かせ型の告発を呼びかけるとともに、ビラを配布した。ビラでは、メディアで話題になった日本共産党のカクサン部の“雇用のヨーコ”が登場。「ブラック企業にお仕置きよ」と叫んでいる。

 また、安倍首相が、「世界1、企業が活動しやすい国」をつくるといっている意味を解明。ホワイトカラーエグゼンプションの導入で、合法的に残業代ゼロにすることなど、日本の企業の「総ブラック化」を計画していると訴えている。

 その前段として、ブログ「トヨタで生きる」でアップ(8月14日)したように、政府はまず大企業の課長級に「プロフェッショナル労働制」(仮称)を導入することをトヨタ自動車などに打診している。

 ビラの受け取りはよく、みずからもらいにくる若者も目立った。


日本共産党 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/08/27 10:35

◎トヨタもタックスヘイブンを利用?

 所得税、住民税、消費税…私たちトヨタ自動車の社員は、給料から税金が天引きされたり、物を買った時の消費税など、どれ1つ税金はごまかせません。ところが企業や富裕層には、税金逃れの巧妙な方法があるのです。

 ”タックスヘイブン”(租税回避地)という言葉を知っていますか? 所得税や法人税がなかったり、極端に低い、企業や富裕層の秘密保持、規制なし――などの国・地域をさしています。その実態は闇の中です。約9万3000社が登記するカリブ海のイギリス領ケイマン諸島は、その代表例です。

 今年3月、岩波新書から志賀櫻氏著『タックスヘイブン―逃げていく税金』が出版され話題になりました。著者は、財務省の主計局主計官などを務めた官僚です。いわば税金のエキスパートが告発したからです。

 「正直に税金を収めている市民の知らないところで、タックスヘイブンを舞台に所得分配の公平を著しく損なう悪事が行われているのである。その悪事による弊害はめぐりめぐって、市民の生活はおろか、一国の財政基盤をも揺るがし、さらには世界経済を危機に陥れている」

 著者は、こうのべてタックスヘイブンの闇に迫っています。「しんぶん赤旗」(8月25日付)は、このタックスヘイブンを利用している日本の主要50社のリストを掲載し、大企業の税金逃れを追及しています。

 リストの1位は、三井住友フィナンシャルグループです。ケイマン諸島など世界6カ所のタックスヘイブンに27社の子会社があります。

トヨタ タックスヘイブン
(「しんぶん赤旗」8月25日付)

 リストの6番目、製造業でトップがトヨタ自動車です。タックスヘイブンにある子会社は3社です。オランダ、ベルギー、シンガポールにあります。

 ベルギーにあるのは、Toyota Motor Europe NV/SA(TME)で、トヨタの欧州事業の統括会社です。ケイマン諸島のような島だけではなく、ヨーロッパにもタックスヘイブンはあるのです。

 アメリカのアップルやグーグル、アマゾンなどの税金逃れが問題になったのは記憶に新しいところです。多国籍企業や富裕層の税金逃れは、私たちへの増税にはねかえってきます。これを許さないためには、国際的な規制が必要です。


海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/08/26 11:16

◎平和を願う戦争展始まる 元トヨタ社員の画集も

戦争展1

 豊田市で8月24日、第26回「平和を願う戦争展」(実行委員会主催)が開かれた。25日までで、豊田産業文化センターで開かれている。「豊田とトヨタの戦争」をはじめ、元トヨタ社員の画集の複製などが展示されている。

 24日の午前10時ころに行くと、すでに30人以上の人が来ていた。安倍内閣が、現憲法のわく内でも集団的自衛権の行使は可能だとする見解を打ち出そうとしているだけに、平和への関心は強まっている。

 実行委員会では、豊田市に合併した旧6町村での戦争体験の聞き取りをしているが、今年は稲武町にスポットを当てた展示が加わった。人口5200人の町で、戦没者は260人におよぶことなどを展示している。

戦争展2


 「豊田とトヨタの戦争」のコーナーでは、巨大な軍需工場だったトヨタが、米軍の標的になり、終戦前日の1945年8月14日に、本社工場などに原爆の模擬爆弾(パンプキン)を投下されたことなどを展示している。これは、トヨタ社員には是非、見てほしいものだ。

戦争展3


 「原発と原爆」「沖縄と米軍基地」「日本国憲法」「従軍慰安婦」などのコーナーがあり、毎年、充実してきている。「従軍慰安婦は必要だった」「米軍は風俗業の活用を」などという日本維新の会の橋下徹共同代表の発言は、ついこの間、5月13日のことだ。いまだに慰安婦発言を撤回していない。

 絵本の読み聞かせや紙芝居のコーナーにも多くの人たちが集まっていた。

戦争展4


 メディアも数多く取り上げるようになってきた。朝日新聞は、元トヨタ社員の曽我幸雄さん(93)が描いた「ソ連捕虜生活」の画集の複製に焦点を当てていた。

 曽我さんは、トヨタ創立の直後の1938年にトヨタに入社。徴兵され、中国大陸へ送られ、終戦で旧ソ連の捕虜になった。朝日新聞は、凍ったシベリアでの重労働やソ連参戦で逃げ惑う民間人を描いた絵を掲載している。

 曽我さんは、日本に帰国後、トヨタへ戻り、1950年のトヨタの大争議に参加した。その生き証人でもある。

 戦争展は、回を重ねるごとに参加者が増えてきているという。安倍内閣の憲法9条改悪を許さないためにも、多くの人に見てほしい。

戦争展5
(朝日新聞が掲載した曽我さんの記事、絵=24日付)
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/08/25 13:07

◎これでは正社員が減らされる、派遣が増える

 トヨタ自動車の本社地区には、テクニカルセンターなど技術棟が立ち並んでいます。ここには、トヨタの技術をささえる1万数千人の技術労働者が働いています。そのなかに、不安定な雇用の「技術派遣労働者」が多数います。

 40代のAさんもその1人でした。国立大学を出た優秀な技術者でした。トヨタと派遣会社との契約が終了し、他の企業へ派遣に出ていました。しかし、派遣会社が倒産したために、新たな仕事をさがしていますが見つかりません。

 Bさんは、機械設計業務以外の仕事をさせられた「業務偽装」だとして、愛知労働局にトヨタへの直接雇用を求めて申告していました。

トヨタ 技術労働者
(出勤するトヨタの技術労働者ら=三河豊田駅前で)

 安倍内閣は、労働者派遣法の「改正」を成長戦略にうたっています。厚生労働省が設けた「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」(座長・鎌田 耕一東洋大学教授)は8月20日、「報告書」をまとめました。

 同報告をもとに、厚生労働省の労働政策審議会で8月末から議論が始まります。安倍内閣は、来年の通常国会に「改正」案を提出する予定です。

 雇用主と仕事先が違うという労働者派遣は、戦後禁止されました。小林多喜二が『蟹工船』で描いたような、搾取と奴隷労働をなくするためです。ところが自民党は、財界の要求を受け入れて1985年に労働者派遣法を成立させました(日本共産党は反対)。

 こんな法律でも、原則が定められました。1つは、派遣労働者を正社員の代わりにしてはならないという「常用代替防止」です。もう1つは、派遣労働は、「臨時的・一時的業務」に限るというものです。

 たとえば技術派遣のような「専門業務」(機械設計や研究開発など26業務)以外の「一般業務」では、使用期間が原則1年(最長3年)に制限されています。

 ところが今回の研究会の「報告書」では、労働者派遣の原則を投げ捨て、正社員を派遣労働者に置き換えることができるようにするものです。正社員は減らされ、派遣労働者は増えることになります。

 「報告書」では、派遣期間の最長3年について、これまでは「業務」(部署)としていたのを「人」に変えるとしています。

 たとえばある「業務」で、Zさんが2年6カ月働いていたならば、後任のYさんは残りの6カ月しか働けません。Zさん、Yさんで合計3年たったなら、その「業務」は、もう派遣労働者を受け入れることができなくなります。

 これを「人」に変えると、3年ごとに「人」を入れ変えれば、その「業務」は、いつまでも派遣労働者を受け入れることが可能になります。これでは、「常用代替防止」がなくなり、正社員が派遣労働者に置き換わるでしょう。

 2008年のリーマン・ショックで、トヨタと関連会社では1万数千人の期間従業員・派遣労働者が雇い止めされました。今回のように労働者派遣法が改悪されたならば、もっとすさまじいことになるでしょう。

 そうさせないためには、労働者派遣法を抜本的に改正することです。▽労働者派遣法の原則を法律の目的に明記させる、▽製造業への派遣の全面禁止、▽専門業務を真に専門業務に制限する、▽違法派遣があった場合、派遣先企業に期間の定めのない契約で直接雇用されたとみなす「みなし雇用」の規定――などを折り込むことこそ、派遣労働者の保護になるでしょう。

労働者派遣法 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/08/24 20:03

◎食堂に「意見箱」設置

 トヨタ自動車の堤工場の食堂に、「意見箱」が設置されることになりました。トヨタの社内雑「クリエイション」8月号に掲載されています。

 毎日、毎日食べる食堂のメニューは、トヨタの車づくりのいわば、“チカラの源”です。これがまずかったり、高かったりしては車づくりにも影響がでようというものです。

 堤食堂では、リクエストの多かったカツカレーを堤のスペシャルメニューとして復活します。472円です。暑い夏こそ、汗をかいて食べるカレーの季節です、ということでバターチキンカレーは、420円です。

 食堂のカイゼンについて、このブログ「トヨタで生きる」に、コメントをいただき掲載しました。2012年6月28日アップの記事です。
 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-694.html

              ◆
 私の職場は、食堂から遠く、メニューがいつも売り切れていて、やる気がなくなります。メニューを見て、食べたいなと思うものが、ほぼ毎日売り切れです。

 大量の作り置き、たいしておいしくもないのに一丁前の値段がします。その中でも、「これなら金を出してもまぁいいな」と思うメニューがいつも売り切れです。しかたなく売れ残りのメニューを選びます。

 まるで残飯を食べているような心地がします。3日続けばモチベーションが下がり、一週間続けばやる気が失せます。けれど、売り切れていないときは、やる気になります。食は大事です。仕事の品質にも影響するのです。何とかなりませんか?
              ◆

 これをきっかけに多くの意見をいただき、ブログに掲載しました。11年10月からは、食堂がカイゼンされることになりました。2012年10月18日アップの記事です。
 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-812.html

 さらに、今回の「意見箱」の設置です。ある労働者は、「小さなことでも声をあげれば変わるんですね」と話しています。

意見箱
(「クリエイション」8月号から)
職場は今 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/08/23 10:40

◎何を隠す? 浜岡原発の撮影禁止

 東海地震の想定震源域の真上にあり、現在は運転停止中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を、この夏、再訪した。豊田市からは南東に100kmにある。

 驚いたのは、原子力館の展望台からの写真撮影が禁止されていることだった。2年前の2011年7月は、浜岡原発の全景の写真が自由に撮れたのに…。何があったのか?

 浜岡原発は5機の原発があるが、1,2号機は発電を終了。残る3機も、福島第一原発の事故を受けて、当時の菅首相が中電に運転停止の要請をし、現在まで運転停止中だ。

 防波堤を18mにする工事は終わり、さらに22mにするという。原子力館のビデオをはじめ、さまざまな展示物は、安全性をうたっている。出力が福島第一原発の2~3倍もある超巨大原発の安全性は保たれたのか?

 夏休みとあって親子連れの見学者が多い。ここだけの資料展示を見たら、原発は安全だと思ってしまうだろう。福島第一原発もそうだった。しかし、津波の高さが想定外だったといういい訳をした。

浜岡原発 原子炉模型
(実物大の原子炉模型)

 浜岡原発は、東海地震と連動して起きる南海トラフ地震の直撃を受ける可能性もあるのだ。1年前に、内閣府の有識者検討会が発表した南海トラフ地震の被害想定は、東日本大震災と同じM9・1が起きたという条件で、死者最悪32万人、津波の高さ34mという驚くべきものだった。

 江戸時代の1707年には、東海、東南海、南海の3連動が起きた。飛鳥時代にも3連動地震が起きた可能性が指摘されている。もう、想定外なんて許されないだろう。

 福島第一原発で、当初は120ℓだといっていた汚染水が、300トンもタンクから流出した事実が明らかになった。国際原子力事故評価尺度で、8段階のうちの上から5番目にあたる「レベル3(重大な異常事象)」に相当するという。

 東電に対する不信は頂点に達している。電力会社を信用せよというのは、もうできない。原発は廃炉しかない。もちろん浜岡原発もだ。

 展望台からの写真撮影禁止は、“警備上”からだという。メディアはヘリコプターから、いとも簡単に撮影している。何を隠そうとしているのか? 見学を終えて、東電と同じように、不信だけが残る。

浜岡原発 展望台
(2年前の2011年7月に展望台から撮影した浜岡原発の全景)
原発ゼロへ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/08/22 10:42
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