◎裁判官はどこを向いているのか!

 リーマン・ショック時の“非正規切り”裁判のパナソニックやホンダに続いて、整理解雇事件の日本航空でも労働者の敗訴が続いています。労働者は、1人では力の強い企業に立ち向かえないために、労組を結成したり、労働者の支援を受けてたたかっています。

 しかし、一連の裁判で裁判官は、法律を形式的に解釈するだけで、労働者の労働実態になんら目をそそがず、企業ばかりに目を向けた判決を出しています。

 パナソニック若狭(福井県)の派遣切りでは、労働者派遣法の派遣期間(3年)を超えてパナが働かせていたことから、厚労省福井労働局はパナに直接雇用の指導をしました。しかし、福井地裁は判決(2011年9月)で、「労働者派遣法は、雇用の申し込みを企業側にうながすことしか求めておらず、雇用契約は成立しない」としました。

 ホンダ栃木製作所の期間従業員切りでは、東京地裁(2012年2月)は「部品生産の激減など…余剰人員を吸収しきれず、期間契約社員を全員雇い止めせざるを得ないこと」を会社が説明したなどと、会社のいい分ばかりをあげて、労働者の雇い止めを認めました。ホンダは、リーマン・ショック時の2008年度も1896億円の営業利益をあげていました。

 日航裁判で東京地裁判決(3月29、30日)は、企業の「更生計画」のなかでは「人員削減する必要性は極めて高かった」などとして、パイロット(76人)と客室乗務員(72人)の整理解雇無効の訴えをしりぞけました。

 判決は、戦後の日本の労働者がたたかって最高裁判例で確立した「整理解雇の4要件」(4つが満たされないならば解雇は無効。1、人員削減の必要性、2、解雇回避の努力、3、解雇対象者選定の合理性、4、手続きの合理性)のすべてで、会社の主張そのまま認めました。

 日航は、2011年3月期決算で、従来予想の2倍近い、過去最高の1400億円の営業利益をあげる見込みです。稲盛和夫名誉会長の日航再建策は、3割の人員削減と賃金カット、国内外の赤字路線やジャンボ機40機の廃止など、「リストラで収益改善」(「日経」2月16日付)することでした。

 その稲盛名誉会長は、「(解雇した)160名を経営上残すことが不可能ではない」とのべていたほどです。

 判決を傍聴したある単産の委員長は、「会社のいい分をコピペした判決。あまりにひどく、しばし席をたてなかった」と怒りまくっています。もちろん、原告労働者は、控訴してたたかうことを表明しています。トヨタの労働者のみなさん! これからも支援しようじゃありませんか。裁判官をこちら、労働者の方に向けるために!

120122ワイドJAL[1]
(「しんぶん赤旗」2012年1月22日号から)
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その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/03/31 11:24

◎さらに細切れ雇用 トヨタ期間従業員

 トヨタ自動車は、昨年8月から大震災の生産ばん回のために期間従業員を募集していますが、契約期間はこれまでよりさらに細切れにしています。労働契約法に反する契約です。

 これまでの契約は、初回が4~6カ月で、その後は6カ月、1年、11カ月などで、最長2年11カ月でした。労働基準法14条で、期間従業員のような有期雇用契約は上限が3年だからです。

 ところが昨年8月からの募集では、初回の契約は3カ月で、2回目も3カ月、3回目は6カ月、4回目は6カ月、5回目は6カ月、6回目は6カ月、最後に当たる7回目は5カ月で、合わせて最長2年11カ月です。

 労働契約法は、期間従業員のような「期間の定めのある労働契約」は、「必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない」(第17条2項)としています。

 今回からトヨタが始めた期間従業員の細切れ契約は、これに真っ向から反するものです。

 生産に合わせ、いつでも超短期間で雇い止めができるようにねらったものです。こうした方法に、これまでは多数の応募があったトヨタの期間従業員が、募集しても集まらず、集まっても短期でやめる事態になり、長期にわたって募集を続けています。

期間従業員募集広告 20120326号
(トヨタの期間従業員募集広告=「TOWN WORK」3月26日号)


期間従業員 3カ月契約
(募集広告に、「初回契約は3カ月」とあります)
期間従業員 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2012/03/30 10:26

◎ソニー期間社員が正社員化への道を開く


 うれしい春のニュースです。大震災を口実にソニー仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)から雇い止めされた期間社員(期間従業員)12人が3月28日、ソニーと団体交渉を行い、雇い止めを撤回させるとともに(グループ会社に)再就職で正規雇用に転換できるまでソニーが責任を持つことで合意しました。

 ソニー仙台は、大震災後、期間社員150人の雇い止めを発表。労働者たちは、電機連合ソニー労組仙台支部に加盟し、解雇撤回を求めてたたかいました。期間社員のほとんどは、派遣を請負と偽る偽装請負や派遣の期間をふくめソニーで5年以上、正社員同様に働いてきました。

 ソニーは、2008年のリーマン・ショック後、派遣労働をトヨタ自動車の期間従業員と同じ有期労働(最長3年)の期間社員へと転換させ、トヨタに右ならえして2年11カ月で雇い止めしていました。

 そうしたなかで、解雇を撤回させ、正社員への道を開いたものです。非正規雇用労働者が団結して、大企業相手に勝利した画期的なものです。

 トヨタグループでも、請負労働や派遣労働の非正規雇用労働者が団結し、労組を結成して正社員への道を開いているところがあります。トヨタの孫会社に当たる光洋シーリングテクノ(徳島県藍住町)です。

 ジェイテクトの子会社で、トヨタに自動車用のピストンシールなどを納入しています。2004年9月に全労連・全日本金属情報機器労組光洋シーリングテクノ関連支部を結成しました(当時はテクノ分会)。

 昨年8月の大会時点では、正社員35人、契約社員(期間従業員)9人、再雇用者1人――へと正社員化を広げています。

 トヨタは、リーマン・ショック時に6000人以上の期間従業員を雇い止めしました。ソニーや光洋シーリングテクノの非正規雇用労働者のたたかいは、労組を結成し団結すれば、正社員への道が開かれることを示しました。

ソニー労組勝利
(ソニー期間社員のたたかいを報道する「しんぶん赤旗」3月29日付)
期間従業員 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/03/29 09:34

◎「はやぶさ」は平和であってこそ JAXAの軍事利用反対

 先日,DVDで映画「はやぶさ」を見ました。竹内結子主演で、何度もの故障を研究者らの知恵で克服し、7年間におよぶ旅から地球に帰還した物語は、感動的でした。日本の宇宙航空研究の高さを世界に示したものでした。

 はやぶさは、JAXA(独立行政法人、宇宙航空研究開発機構)のプロジェクトです。プロジェクトマネジャーの川口淳一郎教授のリーダー力、人間あふれる研究者像を、映画では佐野史郎が見事に演じていました。

 ところが野田民主党政権は、JAXAの業務から、「平和目的」に限るとした規定を削除するJAXA法の改定案を今国会へ提出しようとしています。軍事利用に道を開こうというものです。

 京都大学教授などを歴任した池内了総合研究大学院大学教授は、しんぶん赤旗のインタビュー(3月26日付)で、こう語っています。

 「『はやぶさ』に人々が夢や憧れをもつのは、平和利用で純粋な研究にたいする賞賛が含まれています。傷だらけで地球に帰ってきたはやぶさのような物語は、スパイ衛星では決して生まれません」

 私たちが働くトヨタ自動車には、東富士研究所などで研究者がたくさん働いています。自動車やロボットなどの先端技術を研究しています。トヨタの工場は戦前、軍需工場に指定され軍用トラックを生産した苦い経験があります。

 平和であってこそ、乗用車のハイブリッド技術や電気自動車の研究はすすむのではないでしょうか。

 池内教授は、インタビューでJAXA法改悪反対インターネット署名運動が広がっていることにふれています。研究者は、こころを一つにしてインターネット署名を広げようではありませんか。

 インターネット署名はこちらから。
http://jaxaforpeace.a.la9.jp/

 なお、はやぶさの帰還カプセルの特別公開が3月30日~4月3日まで刈谷市総合文化センターで開かれます。

はやぶさ
(はやぶさ=JAXAのホームページから)
その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/03/28 09:36

◎トヨタ系職場革新懇 消費税問題で学習会

トヨタ系職場革新懇


 トヨタ系職場革新懇談会は3月24日、刈谷市で消費税問題の学習会を開きました。日本共産党愛知県委員会のもとむら伸子くらし環境対策委員長(参院愛知選挙区候補)が講師を務めました。

 もとむらさんは、野田内閣が消費税を10%にすることをねらっていることから、日本共産党の「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言」(http://www.jcp.or.jp/web_policy/2012/02/post-141.html)を多彩な資料を使って説明しました。

 参加者からの意見に対し、もとむらさんは「消費税大増税のストップなど、より多くの人々との一致する点での共同を中心にしたもの。経済団体など各界での懇談がすすんでおり、立場は違ってもこの『提言』で一致できるという声が多数寄せられています」とのべました。

 また、若い層にも真正面からこの『提言』を持って真剣にむきあうことが大事だとの意見も出されました。

 トヨタの職場でのうつ病や自殺の問題も報告されました。新聞やテレビなどマスコミが消費税大増税への旗振りになっているのも問題だという意見が出されました。


 (注)「革新懇」とは、平和・民主・革新の日本をめざして、労組や団体、個人が参加している組織。全国革新懇や地域の革新懇、職場革新懇などがあります。全国革新懇ニュースの2012年3月号には、俳優の林隆三さんが登場しています。

もとむら伸子さん
(もとむら伸子さん)
その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/03/27 15:47

◎満了金はいつもらえる?

 期間従業員の人から、ブログ「トヨタで生きる」に次のような質問をいただきました。

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「満了金報奨金について」
「最初の3ヶ月契約で次6ヶ月契約更新した場合、最初の3ヶ月の満了金と報奨金の9万は先に支給されますか? それともまとめて9ヶ月後に支給ですか?
=======

 期間従業員の人の重要な関心事です。期間従業員経験者の人から次のような回答をいただきました。
 
 満了金(報奨金と慰労金)は結局、本当に最後に満了する際に一気に出ます。基本は一年で一回です。震災前に入っていた期間従業員と震災後の挽回生産で入った期間従業員は、ご存知の通り雇用契約が少し違います。3ヶ月契約は、震災後からなので。だから、各々で満了金の金額が少しずつ変わってます。

 【震災前】→の人たちは基本、一年に一回。
 【震災後】→の人たちは 基本、一年半に一回。(ので、まだ支給されている期間従業員はいないはずです)

 結論としては、どの時期かで満了した際に一括で支払われます。
 いろいろ噂はあったんですよ。僕らは中途の雇用継続中に払われるとか…。しかし、職場で6ヶ月目満了の期間延長を申請した際、満了金等は満了の翌月に給料と一緒に振り込むとありました。

 なので、6ヶ月の延長がかなうと、満了金の支給も繰り越されるはずです。報奨金と慰労金の扱いは、無遅刻・無欠勤の日で加算と、無遅刻・無欠勤の月で加算の、どちらかがどちらかです。

 ☆無遅刻・無欠勤の日がトータル一年半に及ぶと1日の単価が2000円になります。 3ヶ月だと、単価400円。

 無遅刻・無欠勤の月は一律、1日を1000円で月の出動日数が×られます。1
日でも、遅刻、欠勤すると、この報奨はその月そっくり無くなります。
トータル両方もらえます。
なので、かつてぼくがもらった満了金は―。年出動日数→年245日×2000円=49万円
出動月数字→年12ヶ月(毎月無遅刻・無欠勤)×1000円×20.4日=244800円
72〜3万円前後(もう少し稼働日がおおいともらえてまして)
それに、半年間の在籍手当て5万円。

 通常の給与をいれますと、限りなく100万円に近い金額をもらってました。控除等ありましたので、形式上満了の月は86〜88万円くらいもらってました。
 
期間従業員を乗せたバス
(期間従業員の人が通勤に使っているトヨタのバス)
期間従業員 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/03/26 07:59

◎企業の“カネ余り”をどうするか? 三菱コンサルティング

 1990年代終わりから企業のカネ余りが続いている―昨日に続いて“カネ余り”の問題です。堅い話が続きますが、しばらくお付き合いをお願いします。このブログ「トヨタで生きる」では、内部留保について多数のコメントをいただいたからです。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングは3月9日、「新たな局面に入った企業のカネ余り」と題する論文を発表しました。

 論文では、「日本の企業部門は1990年代終わりからカネ余りの状態にある」と分析しています。「企業が設備投資などを通じて国内で資金を還流させなくなると、国内経済は活性化しにくく、結局は投資機会や雇用機会も拡大しない悪循環に陥ってしまいやすい」と指摘しています。

 企業は、バブル期までは資金不足で、主に有利子負債の拡大で資金を調達したが、1990年代終わりからは資金余剰に転じ、そのほとんどを負債の返済にあてたと分析しています。2005年以降は、対外投資などの金融資産の拡大傾向が鮮明になっているとしています。

 しかし、余剰資金が海外投資に向かって企業の利益がふくらんでも、「国内経済の成長にはつながりにくい」として、「国内で資金を還流させて経済全体の成長率を高めるべく、企業が創出した付加価値の分配方法を見直すことも検討に値する」といいます。

 見直すことにあげているのが「労働への分配」です。こうのべています。

 「労働への報酬を増やすことは社員のモチベーションを高め、企業の競争力を強化することにもつながり、さらには家計の所得の増加を通じて売上の拡大として再び企業に戻ってくる面もある。バブル崩壊の後遺症からなかなか抜け出せない中で、人件費はコストであり制御すべきもの、という発想が多くの企業で定着した感があるが、そろそろこの発想は変えるべき時期にきているのではないか」

 考えさせられる指摘ですね。来年の春闘は、4年連続してベア要求を見送るのではなく、「発想を変える」ようにしようではありませんか。

99 三菱 企業のカネ余り 
(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの論文から転載)
内部留保 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/03/25 08:29

◎あなたの家計は黒字? 赤字? では企業は?

 あなた―トヨタ自動車の社員―の家計は黒字? 赤字? 「貯蓄投資」という経済用語があります。政府、企業、家計のどれでも、黒字であれば資金余剰であり、赤字であれば資金不足というものです。

 生命保険トップの日本生命が設立したニッセイ基礎研究所は、2012年1月、「拡大が続く企業部門の貯蓄超過」と題した論文を発表しました。企業のいわゆる「カネ余り」を分析したものです。

 それによると、内閣府が昨年末に公表した2010年度の国民経済計算によれば、金融を除く企業部門の「貯蓄投資」の差額(純貸出-純借入)は、前年度にくらべ4・4兆円増加し、38・8兆円になったといいます。

 こうした貯蓄超過は、1998年度以降、10年以上続いているといいます。かつては、資金不足の企業が家計部門の貯蓄を借り入れて設備投資していたのが様変わりしたことを示すものです。

 また、超低金利政策の長期化で、企業の支払い利子が大幅に減ったこと、「法人税が軽減」されたことなどで貯蓄が増加したと指摘しています。

 しかし、論文では企業が潤沢なキャッシュフローを有するようになったにもかかわらず、設備投資に回していないとしています。そして結論です。

 「本来は資金の借り手であるはずの企業部門が大幅な貯蓄超過を続けていることは決して健全な姿とはいえない。企業に滞留する余剰資金の有効活用が経済政策を考える上で重要な論点と言えるだろう」

 13兆円という日本1の内部留保をたくわえているトヨタ自動車は、貯蓄超過でしょうか?

              ◆

 「内部留保の還流論について」

 ここまで書いていましたら、このニッセイ基礎研の論文も引用しながら、トヨタの内部留保の問題について、ブログ「トヨタで生きる」に長文のコメント、「内部留保の還流論について」をいただきました。大変、わかりやすいものです。是非、お読みください。

 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-577.html#comment466

トヨタ本社
(トヨタ本社)
未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/03/24 09:55

◎自殺、うつ病…は人ごとでない

 最近、久しぶりに友人たちと飲み会をした際、自殺があったことに話がおよんだ。うつ病などの病気も多いという。

 ある20代後半の男性は、自殺をはかったが死に切れず、病院に入院した。幸い、一命はとりとめたという。ある工場では、うつ病で休んでいた30代後半の男性が自殺したという。妻子がいた。

 他の友人からは、「自分の職場には、40代後半の人がうつ病で2年を超えて休んでいる」という話も聞いた。

 別の工場では、30代の妻子あるEXが会社をやめた。仕事が大変で、うつ病ぽかったそうだ。

 私の知っている人にもうつ病で1年近く休んでいる人が2人、4カ月休んでいる人が1人いる。その人たちは大丈夫か? 心配になってきた。

 日本の2011年の自殺者は3万513人で、1998年以降、14年連続で3万人を超えている。比較可能な2004年のデータでは、10万人当たりの自殺者は、フランス16・3人、ドイツ11・9人、米国11・0人、英国6・9人に対し、日本は24・4人である。日本は異常事態だ。

 2006年に「自殺対策基本法」がつくられ、「個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因がある」(第2条)としているが、一向に自殺者は減らない。

 トヨタ労組は、年末に助け合いカンパ、お見舞いを実施している。2011年には、亡くなった人、休職満了者、3カ月以上の長欠者、合わせて400数十人に実施している(労組の評議会ニュース)。

 職場のメンタルヘルス活動では周囲が気づくことが重要だという。事務・技術系では働き方変革の取り組みをおこなっていること、また技能系では振替出勤や直間拡大で職場環境は大きく変わっているとして、心身のケアをしていくことが重要としている。

 うつ病の相談にのっている労働者は、「原因の1つにパワハラがあると思う」と語っている。

 自殺、うつ病…労働者の悩みは多い。対策は急務だ。
トヨタの工場入り口
職場は今 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/03/23 09:58

◎大企業は消費税を1円も負担しない? (下)

 与謝野馨衆院議員は、教科書にも出てくる歌人の与謝野晶子の孫として知られています。自民・公明政権時代の2009年2月26日の衆院財政金融委員会で、財務・金融担当大臣として次のように答弁しました。

 「消費税分だけまけろというのはいかにもお行儀の悪い話でございまして、これは、実は税の名前を使った値引き交渉であって、やはり下請にいろいろなことのしわ寄せをしているという典型的な例であると思います」

 これは、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の質問に対し、答えたものです。佐々木議員は、「輸出戻し税」について質問したものです。

 輸出品には消費税を課税しないことが、国際的ルールになっています。このため、輸出企業は仕入れの時に支払った消費税分を転嫁できないので、税務署がその分を企業に還付しています。

 「輸出戻し税」というもので、輸出企業の多い税務署は、消費税の納税額より還付額の方が多いくらいです。表のようにトヨタの企業城下町、豊田税務署は、納税額から還付額を差し引いた額が-924億円と突出していますね。

 前回(上)でのべたように、消費税分だけ下請け単価を引き下げさせ、実質的には消費税を払っていない大企業もあります。それでも「輸出戻し税」が払われます。そうなると消費税で得をする企業もあるのです。

 佐々木議員は、この「輸出戻し税」について、「たとえば自動車をつくる場合には膨大な部品が必要なわけですね。その部品を、下請、孫請、そういう形で広大な下請業者から調達するわけです。その際に、下請の単価の中に当然消費税は含まれなければならぬわけですね。ところが実際に、力関係で、下の中小企業に対しては、消費税分はまけておきなさいよ、それはこっちに回さないでくれよ、こういうことをしょっちゅうやっているわけです」

 国税局の岡本佳郎次長は、佐々木議員の質問に、「売り上げが10億円を超えている法人の平成19年度(2007年)分の消費税の還付税額は約2兆5000億円、正確に申しますと2兆4602億9400万円というふうになっております」と答えました。

 佐々木議員は、「たとえばトヨタ自動車だけでも、日本最大の輸出企業でありますが、年間の還付金額が3219億円です。ソニーが1587億円、本田技研1200億円、日産自動車1035億円、キヤノン990億円、マツダ803億円、松下電器産業、パナソニックですね、735億円、東芝706億円、三菱自動車工業657億円、スズキ518億円。この十社だけでも、1兆円を超える膨大な消費税の還付が行われているわけです」と明らかにしました。

 消費税は、弱者や中小零細企業にはあまりにも不公平です。それだけに消費税の10%への増税に賛成するわけにはいきませんね。消費税をなくしましょう! これが正解です。

99 豊田税務署
(「しんぶん赤旗」 2012年3月11日付から)
その他 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2012/03/22 09:14
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