シリーズ 「経労委報告」批判 我慢を強いるグローバル競争論

 日本経団連の「経営労働政策委員会報告」(2011年)は、「労使一体となってグローバル競争に打ち勝つ」という、これまでの「報告」にないような副題が付いています。これは、なにを意味しているのでしょうか。

グローバル競争


 「報告」では、春闘のあり方について、「これまでも(経団連は)…『春闘』が終焉したことを繰り返し述べてきた」と指摘した上で、「今後は、労使が一体となって国際競争に打ち勝つための課題解決型労使交渉・協議(春の労使パートナーシップ対話)として、建設的な議論の場とする…」と強調しています。

 もはや春闘は、賃金や労働時間など労働条件について交渉する場ではなく、国際競争力にどうしたら打ち勝てるかを話し合う、「春の労使パートナーシップ対話」の場所だというのです。

 日本は、ドイツやフランスなど先進国とくらべ、低賃金、長時間・過密労働の典型として知られてきました。労働時間は、年間300~500時間も長く、生産労働者の時給は社会保険料の負担を加えると、ドイツの3分の1です。

 こうした劣悪な労働条件でグローバル競争をし、トヨタは2008年にGMを抜いて世界1の自動車メーカーになりました。経団連がいうように、「労使一体となってグローバル競争に打ち勝つ」てきたのです。

 春闘は終わった、などといって賃上げや労働時間について何ら交渉しなというのは、先進国より劣る労働条件で我慢せよということです。こんな身勝手な理屈はあるのでしょうか。

 日本共産党の志位和夫委員長は、衆院代表質問(1月27日)で、国連貿易開発会議の「貿易開発報告書」(2010年版)を引用して、総合的な賃上げの実行を菅内閣に迫りました。

「貿易開発報告書」では、日本に対し“輸出競争力を理由に人件費を抑える従来の手法から、賃上げを通じた内需拡大と雇用創出への転換”を求めています。日本が家計と内需主導の健全な経済成長を実現することは国際的要請ともなっている、のです。

2011春闘での大幅賃上げは、国際的な大義を持っています。
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2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/31 09:38

シリーズ 「経労委報告批判」 内部留保を賃上げに回すことを否定

 日本経団連の「経営労働政策委員会報告(2011年)」は、大企業がため込んだ内部留保を賃上げに回せという労組、労働者の要求を否定しています。

今や、日本の大企業の内部留保は244兆円に達し、現金・預金など手元資金だけでも62兆円と空前の「カネ余り」になっています。トヨタは、内部留保の一部である利益剰余金は11兆円を超える日本最大の企業です。手元現金・預金も2兆円を超え、カネ余りの代表企業です。

「経労委報告」は、「内部留保の取り崩しによる賃上げ論の不合理性」という項目を設け、言い訳と賃上げには使わないと宣言しています。

「経労委報告」は、内部留保とは、「配当などの形で社外流出した後の未処分剰余金の累積」などとのべ、「相当程度、生産設備や在庫などの資産形態で保有されている」と言い訳に躍起になっています。
 
その上で、「企業が、国際的な競争力を高めるためには、老朽化する設備を更新し、M&Aも含めた国内外の投資などを一層積極化することが必要であり、今後とも、内部留保の確保に努めなければならない」とのべています。

要するに、国際競争力をつけるためには賃上げに回せないという主張です。果たしてそうでしょうか?

トヨタは、リーマンショック時の08年度連結決算で4610億円の営業赤字を出しました。それでも1株100円、総額3135億円の巨額配当をしました。株式配当は単独決算で行うものですが、トヨタの単独の経常利益は1825億円でした。これでは、3000億円を超える配当ができません。

単独決算でみると、内部留保の一部である利益剰余金は、07年度の7兆3854億円から08年度は7兆20億円へと3834億円減っています。内部留保を取り崩したのです。

株主といってもトヨタの場合は、金融機関や外国企業などが約8割を占めています。こうした株主には、内部留保を取り崩しても巨額配当をしているのです。社員や労働者の賃上げ、下請けの単価を上げることなどには取り崩せないというのは、道理が通らないでしょう。

トヨタ本社
(トヨタ本社)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/30 11:25

このカードは何だ!

投票1


 今年はいっせい地方選挙の年。トヨタの職場では、名刺大の奇妙なカードが出回っています。「期日前投票に行きましょう!!」と呼びかけています。

表側は、愛知県知事選挙、名古屋市長選挙、安城市長選挙、田原市議会選挙の告示日や投票日が表にしてあり、「自分が投票に行く日に○をつけよう」となっています。

裏側は、4つの選挙が書いてあり、その右に大きな「MEMO」欄があります。おかしなことに、カードには作成した組織の名前がどこにもないことです。

投票2


 あるトヨタマンの話 「労組の職場会で配られた。『MEMO』欄に民主党が推す知事選の候補者名が手書きで書かれていた。投票済証といっしょに回収するとのことだった」

 そのトヨタマンの話では、こうしたカードは、これまでも衆院選挙、参院選挙でも配られていたといいます。昨年夏の参院選挙では、トヨタ労組が推す候補者名を、組合員自身が「MEMO」欄に書くよう指示されたといいます。候補者名を体で覚えさせるとともに、投票所へ行って確認して書かせることをねらっているのではないか、といいます。

 どの党の、どの候補者に投票するかは、憲法で保障された思想・信条の自由です。特定の政党の候補者の支持を押しつけるのは、これを踏みにじるものです。労働組合が思想・信条の自由を踏みにじるのは許されないことです。

 組合員の中には、それぞれの支持政党があったり、政党に所属している人もいます。各人の選挙への参加を保障することこそ、「要求で一致」して頑張る労組の団結をいっそう強めるものです。大企業ばかり応援する党や候補者を、組合員の「幸せ」になるといって押し付けるのは、労組と組合員の私物化ではないでしょうか。

09年の衆院選挙で、民主党の小林千代美衆院議員(北海道5区)陣営が、北海道教職員組合(北教組=連合・日教組加盟)から政治資金規正法に反する資金提供を受け、辞職に追い込まれました。小林元議員は11年1月、札幌高裁から5年間の立候補禁止の判決を受けました。労組が票も金も丸抱えしているとして大きな問題になったばかりです。

トヨタの労働組合の職場会で、特定の政党の期日前投票を事実上、強制するのは、思想・信条の自由を侵すものです。投票済証を回収し、期日前投票に行ったかどうかをチェックすることも同様なことです。こうしたことはやめさせましょう。

投票済証1
民主党支持押しつけ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/29 10:35

“総合的な賃上げ政策”を「ワンパッケージ」で 志位委員長が代表質問

 通常国会が始まり、日本共産党の志位和夫委員長は1月27日、衆院の代表質問に立ちました。このなかで、日本経済の危機を打開するために、”総合的な賃上げ政策”を「ワンパッケージ」で実行することを提案しました。

 志位氏は、今の日本の閉塞感の根源には、働く人の賃金が長期にわたって減り続けていることがある、と指摘。民間賃金は、ピーク時の1997年から年収で平均61万円、総額で30兆円も減っていること、年収200万円以下の「働く貧困層」は1100万人にまで増えた、とのべました。

 一方、大企業の内部留保は244兆円に達し、現金・預金など手元資金だけでも62兆円と「空前のカネ余り」になっていること。一方で、働く人の貧困の拡大、他方で巨大企業への富の蓄積―これがGDPの6割を占める家計消費と内需を冷え込ませ、日本の経済成長を止めてしまっている、と強調しました。

 志位氏は、国連貿易開発会議の最新の報告書を引用。日本を名指しして、輸出競争力を理由に人件費を抑える従来の手法から、賃上げを通じた内需拡大と雇用創出への転換を求めている、と指摘しました。

 その上で、この問題は労使の問題ではなく、「賃下げ社会」から脱却するために、政府が次のような“総合的な賃上げ政策”を「ワンパッケージ」で実行することを提案する、とのべ具体的に4点をあげました。

(1)労働者派遣法の抜本的改正、有期労働の規制強化などによって非正規労働者を正社員化にする。
(2)最低賃金を、中小企業への政府の支援と一体化で、時給1000円以上へ引き上げる。
(3)中小企業への政府の本格的な支援で、大企業の5割から7割にまで落ち込んでいる中小零細企業の労働者の賃金格差をなくす。
(4)違法な退職強要、解雇、雇い止めをやめさせ、解雇規制のルールを強化する。日航が「整理解雇の4要件」ふみにじって165人の整理解雇を強行したが、中止するよう総理が日本航空を指導する。

                ◆

志位委員長の“総合的な賃上げ政策”は、トヨタを例に見てみると、きわめて現実的で切実な提案です。

志位氏は、1997年から年収が61万円減っている、と指摘しましたが、トヨタ労組が加わっている連合も同じようにのべています。連合は、2011春闘方針で、一般労働者の現金給与総額を1997年と2009年を比較すると、5・1%減っていると分析しています。トヨタ労組も組合員の年収が低下しているとのべています。

志位氏は、賃上げによる内需拡大を主張していますが、連合も同じような考えを示しています。連合は春闘方針で、「低下をつづける賃金を速やかにピーク時の水準まで復元し、企業部門から家計部門への所得移転をはかると同時に、この間もっとも犠牲になってきた非正規労働者の雇用と生活を向上させなければならない」とのべています。

トヨタは、内部留保の一部である利益剰余金は11兆円を超える日本最大の企業です。手元現金・預金も2兆円を超え、カネ余りの代表企業です。ただし、連合は、大企業のばく大な内部留保、カネ余りについてはふれてはいません。

トヨタの期間従業員を正社員化すること、劣悪な労働条件で働いているトヨタの下請け労働者の賃金格差をなくすこと、時給を1000円以上にすることは切実です。

“総合的な賃上げ政策”を「ワンパッケージ」で実現させることは可能です。それによって家計消費と内需を増やし、日本経済を成長させることができるでしょう。

110127志位代表質問
(志位委員長の衆院代表質問=27日、NHKテレビから)
日本共産党 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/28 15:53

「ぷりさんの職場日記」 インフルエンザ流行

■1月○日 朝のミイーティングでのこと。
 GL(グループリーダー)の話 「近ごろインフルエンザがはやっている。となりの組みでも○○さんが休んでいる。具合が悪い時は無理をして出てこんでもいいからね」

 (出勤当日の朝、電話して休むのを“突発年休”という。たいがいのトヨタマンは、少しぐらい熱が出たり、かぜをひいたぐらいでは休まない。年休は、1つの組=14~15人くらい=で“1日1人”と決められている。突発で休むと、他のメンバーに迷惑をかける。ぎりぎりの人数で生産しているからからだ)

 GL「組みのメンバーにインフルエンザをうつされたら大変です。とにかく具合が悪いと思ったら休んでください」

 (他の人にうつさない、たんなる、かぜでは休めないのか?…)

■1月○日 朝から職場は大騒ぎだった。新聞にトヨタ社員の交通事故のニュースが載った。

 「ひき逃げの疑い トヨタの社員逮捕 名古屋で男性重傷 / 1月23日午前3時10分頃 名古屋市天白区で酒気帯びの上 赤信号を無視し 軽自動車と衝突 重傷を負わせて逃げた」

 近ごろは、「トヨタ」と名前が出てしまう。以前は、「豊田市の会社員」だった。トヨタの社会的イメージダウンとして、会社から処分される。自動車メーカーとして当然かもしれないけれど…。交通安全の「訴え」(立哨)運動がきつくなるだろう―。

豊田市の街
(豊田市の街で)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/27 09:35

トヨタ3年連続世界1で考える

 トヨタは24日、2010年の世界販売台数(速報値)を発表しました。連結対象の日野、ダイハツをふくめ841・8万台で、GMの838万9769台より約3万台多くなりました。これでトヨタは、3年連続世界1になりました。

 トヨタは、07年に過去最高の937万台を販売。08年に897万台を販売し、GMを抜いて世界1になりました。リーマンショック後の09年は781万台に落ちていました。

 トヨタは、2000年代後半に世界での販売台数を急増させました。これが10年の世界的なリコール問題を引き起こす要因になりました。究極の利益を追い求める“かんばん方式”で、技術者や製造現場の労働者は、車の命である安全性を十分確認する余裕がありませんした。

リコールへの厳しい批判に、豊田章男社長は、10年2月24日の米議会公聴会で「トヨタは過去数年間、急激に拡大してきました。その成長のスピードは、速すぎたと感じています」とのべたほどです。

 その反省から、技術、製造部門での品質チェックは厳しいものになり、技術者や製造現場労働者には、一定の余裕時間も与えられるようになりました。アメリカでの公聴会から1年。トヨタは、公聴会の日を「トヨタ再出発の日」と位置付けました。

 利益や量的拡大を最優先するのではなく、車の安全性を第一にすることをユーザーはトヨタに強く求めています。そのためには、安全な車づくりに日夜奮闘しているトヨタの労働者、下請けを大事にすることが重要です。3年連続世界1になり、あらためてリコール問題に立ち返ってみましょう。


トヨタの世界販売台数推移

 このブログを書いた26日、トヨタはノア、クラウン、マークX、レクサスIS250など19車種計127万7390台のリコールを国土交通省に届け出ました。

2000年~09年月に製造したもので、エンジンの燃料パイプに亀裂が入り燃料漏れの恐れがあるなどとしています。1回のリコール対象台数としては、過去2番目に多いといいます。

決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/26 09:25

雪による振替出勤はどうなる?

 17日(月)が積雪で高速道路がストップした。部品が届かないために1直は出勤したものの、まともにラインはまわらず、半日程度の稼働になった。2直は、休業になった。会社都合による振替休日がどうなるか? 職場では、そのことで持ちきりだ。

 19日(水) 2直の振替出勤が、「2月26日(土)になるのではないか」という口コミが広がる。「休日になった方がいい。振替になるのかなぁ」の声が出る。

 24日(月) ミーティングで上司から、「今週は、1ライン、2ラインとも毎日、0・5時間の残業をします。雪のための遅れをばん回します」との報告がある。17日の1直の半日分か? 

仲間から思わず声があがる。
 「えっ、だったらおれたち2直の分も残業でばん回してよなぁ」
 みんな、土曜日に出勤したくないのだ。手当も付かないし…。

労組は、年間カレンダーで、1年間の出勤日を会社と協定する。このため、雪や台風で休業になると、振替出勤になる。土曜日でも休日出勤手当が付かなくなる。

 「1月からオール定時だし、おれんとこなんか定時前には仕事終わってんだよ」
 「わざわざ土曜日に出勤させんでもいいだろ」
 「2月は、白直は土曜日が2回も出勤になるんだぜ」
 交代出勤は、「白直」「黄直」の2つのグループに分けられている。

 振替出勤はやめて欲しい、というのがみんなの本音だ。
 生産の遅れをばん回することに、だれも反対しているわけではない。
 「今月は、ラインタクトが遅くしているしさ」
 「そうだよ。元のラインタクトに戻せば、すぐばん回できるよ」

冬のトヨタ労働者
(トヨタの労働者たち)
職場は今 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/01/25 20:27

シリーズ「経労委報告」批判 “定昇春闘”に閉じ込めさせるな

 日本経団連は毎年、春闘対策方針である「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)を出しています。2011年の委員会には、米倉弘昌会長や副会長の渡辺捷昭トヨタ副会長らが名前をつらねています。今年の特徴をシリーズで見てみます。

「報告」では、連合の要求に対し、「極めて厳しい」としりぞけています。連合の要求は、この10年余で低下した賃金を復元し、格差是正をさせるという観点から、「1%を目安に賃金をふくめ適正な配分を求めていく」というものです。

トヨタの30歳の賃金は29万2700円ですから、1%は2900円余りです。仮に1人月額3000円アップの要求をしても、6万3000人組合員では総額22億6800万円にすぎません。

トヨタには、内部留保の一部である利益剰余金が11兆円もあります。2010年度決算では、株主に総額1411億円もの巨額配当をしています。賃上げ総額は、そのわずか15・6%です。

連合のささやかな要求に対しても、経団連は「極めて厳しい要求」として拒否する構えです。「総額人件費の増加をまねく要求に対しては、慎重に対応する企業が大半となろう」と予測さえしています。

その上で、「定期昇給の維持をめぐる賃金交渉を行う企業が大半を占めると見込まれる」と半ば断定すらしています。人件費が増大する賃上げは認めないが、定昇なら容認するとの姿勢です。

「定昇は上がって当たり前で、本来は交渉事ではない」(労働ジャーナリスト)というのは常識です。あたかも交渉事のようにふるまい、それならば容認しようという経団連の姿勢は、労働組合をなめているとしか考えられません。

日本の大企業の内部留保は、244兆円もの巨額にのぼり、どこに使っていいかわからにという「金余り」現象になっています。1%のささやかな賃上げができないはずはありません。経団連がねらうような“定昇春闘”は断固拒否しましょう。

経労委報告2011年版
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/24 14:44

 GDP2位の国と、どうつきあう

<投稿>

 休日、思い立って奈良・唐招提寺へ出かけた。名古屋駅から近鉄特急などで2時間半。西ノ京駅を降りると、土塀に1200年前の匂いがする。平成の大修理で、“天平の甍”、金堂は10年間、見られなかった。

 南大門からいきなり視野に入ってくる、金堂の屋根のたおやかな曲線。4・4万枚の瓦の、どっしりとした重さを支える円柱の、ふっくらとした丸み。車に、あんなデザインが使えないか。

 唐招提寺は、何よりも落ち着いたたたずまいがいい。そのなかでも鑑真の御廟が素晴らしい。崩れかけた土塀に、木漏れ日が当たり、その光を拾うかのような草色のコケ、ひっそりと輝き続ける灯籠(とうろう)の明かり…。

 唐招提寺は、中国の高僧、鑑真が開いた寺で、日中友好の寺として知られている。胡錦濤国家主席や温家宝首相ら中国の要人が訪日すると必ず訪問している。その中国が、GDPで日本を抜いて世界2位になるという。

 トヨタは、中国市場への進出で出遅れたが、2010年は前年の19%増の84・6万台を販売している。中国市場の拡大とともに急増している。豊田章男社長は、今後、攻める分野として、「新興国」と「次世代環境車」をあげている。中国市場を意識したものであろう。

 一方、日本のGDPはこの15年、横ばいである。車の国内市場は縮小するばかりだ。GDPの6割を占める個人消費が落ち込んでいるからである。国内で売れなくても中国がある―日本の基幹産業の自動車や鉄鋼、電機は、中国のGDPの急伸に目をつけ、中国市場を取り込むことに躍起になっている。

 今や、日本の輸出国の第一位はアメリカではなく中国である。その中国とどう向き合っていくか。中国を単に市場と考えるだけでいいのか。日本は、漢字圏として、中国から多くのものを学んできた。一方、侵略戦争で中国に深い傷を残してきた。

日本の固有の領土である、尖閣諸島をめぐって中国の対応が国際的な問題になっている。声高に中国脅威論を叫ぶ論調もある。GDP世界2位の中国、3位の日本は、どうつきあっていくのか。鑑真が6度目の渡航で来日に成功し、仏教を広めていったことを考える。唐招提寺の境内を散策し、今後の日中のあり方に思いを馳(は)せる。(

110116唐招提寺
その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/23 19:48

カタログ燃費はインチキ?

 「いやあ、この通りですよ。プリウスは、燃費がいいというけれど、実際に走ってみるとリッター22キロくらいですよ」
 プリウス(3代目)の新車を買ったばかりという知り合いのAさんが朝日新聞(1月22日夕刊)の記事を見せていう。プリウスのカタログでは、38キロになっている。

「朝日」は、実際の走行距離から燃費を算出する携帯電話のサイト「e燃費」のデータを使用している。プリウスは約21・7㌔という。Aさんのいう通りだ。カタログ値の57%だ。ちなみに、「e燃費」にアクセスしてみる。

毎日更新という「e燃費」。1位はホンダのインサイト(初代)で、26・1㌔。プリウス(3代目)は5位で、19・7㌔だ。

Aさんは、「国産車のカタログを見るとき、6~7割で計算していましたが、その通りですね」という。「朝日」の記事でおもしろいのは、輸入車と比較していることだ。

フィアットは、カタログ値の88~92%、フォルクスワーゲンは87%である。日本車の60%前後と大きな開きがある。トヨタとフィアットのコメントがおもしろい。

トヨタ「カタログ表示はあくまで(国交省の)基準にのっとって算出した結果。走行条件が違えば燃費に差が出るのはやむを得ない」
フィアット「燃費は現実に合った表示を心がけている。利用者に誠実であるべきだ」

商品の誇大表示は問題だ。Aさんがいう。
「フィアットの言葉は、日本メーカーをぐさっと刺す言葉ですよね」

110122燃費

(朝日新聞 1月22日夕刊から)
燃費 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/22 18:12
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