◎トランプ次期米大統領がトヨタを批判

 トランプ次期米大統領が1月5日、得意のツイッターでメキシコに新工場を建設するトヨタ自動車を批判しました。同日、トヨタの豊田章男社長は、経済3団体の新年祝賀パーティーで、「行く以上は社会貢献したい」とメキシコでの工場建設に意欲をのべていたばかりです。

 「Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S. NO WAY! Build plant in U.S. or pay big border tax.」(トランプ氏のツイッター)

トランプ ツイッター トヨタ批判


 「トヨタ自動車は、メキシコのバハに米国向けカローラの新工場を建設するそうだが、とんでもない。米国に工場を建設するか、さもなければ多額の関税を支払ってもらう」

 ロイターは、「トヨタは2015年4月にメキシコのグアナファト州での工場建設計画を発表している。トランプ氏の投稿はバハ・カリフォルニア州にある既存の生産拠点とグアナファト州での新工場を混同したとみられる」と伝えました。

 メキシコのグアナファト州の新工場では、主力小型車カローラの生産を2019年に開始する計画です。

 「アメリカ第一」をかかげ、米国での雇用増を主張するトランプ氏。米企業が国外に移転した工場から製品を輸入する場合には、35%の関税をかけると警告し、フォードやGMなどを批判してきましたが、外資系自動車メーカーを批判したのは初めてです。

 フォードは、メキシコに小型車を生産する工場を16億ドル(約1900億円)で建設する予定でした。トランプ氏に批判され1月3日、米ミシガン州内の既存工場に7億ドルを投じ、700人の新たな雇用を創出すると発表しました。

 トランプ氏に批判されたトヨタは、NHKの取材に「アメリカに10の工場と13万6000人の工場をかかえている。現在のアメリカ国内の生産規模や雇用が減ることはない。トランプ新政権と協力していくことを楽しみにしている」などとのコメントを発表しました。

 2016年に1755万台の新車を販売し、過去最高を2年連続更新した米国市場。フォードやトヨタなど自動車メーカーは、人件費の安いメキシコで生産し、関税がかからない北米自由貿易協定(NAFTA)を利用して、米国に輸出してきました。

 トランプ氏は大統領選挙で、五大湖周辺の白人層から大きな支持を得たといわれています。ラストベルト(錆びた)地帯といわれ、自動車や鉄鋼産業などが栄え、衰退し、リストラされた労働者が多数住む地域です。

 それにしても、次期大統領の一声で大企業が右往左往し、フォードのように海外移転を撤回する事態にまでになっています。空調大手の米キャリアもトランプ氏の批判によって、メキシコへの生産移転をストップ。米インディアナ州で約1000人の雇用を維持することを明らかにしています。

 日本でも1980年代以降、自動車や電機メーカーが安い賃金を求めて海外に移転しましたが、歴代自民党政権の首相は、大企業に海外移転のストップを求めませんでした。

 トランプ氏の言動には受け入れがたい差別、偏見があります。資本主義の枠内でも、政治が主導すれば大企業の一方的な海外移転について、抑えられることを示した一例といえるでしょう。
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海外トヨタ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/01/06 09:43

◎トヨタ メキシコ工場で3交代へ

 トヨタ自動車がメキシコの工場(TMMBC)で、15年4月から2交代制をやめて3交代制を導入すると中日新聞やブルームバークが伝えています。ピックアップトラック「タコマ」などの生産を、年間6万3000台から8万9000台にするためといいます。

 メキシコは賃金が安いうえに、北米自由貿易協定(NAFTA)で、アメリカやカナダに自由に輸出できること。また、40カ国以上と自由貿易協定(FTA)を結んでいます。同国で生産し、輸出しようと、ホンダや日産なども進出しています。

 トヨタが新たな工場を建設せずに3交代制導入で生産を増強するのは、豊田章男社長がリーマン・ショックの教訓から、「3年間は原則、新規の工場を建設しない」とのべているからだとみられます。

トヨタ タコマ グーグル
(トヨタの「タコマ」=グーグル検索から)

 トヨタは、2000年代に「最大の収益源」であった北米に急ピッチで工場を建設。特にリーマン・ショックの震源地であったアメリカで販売が急落し、4000億円を超える巨額の営業赤字に陥りました。

 メキシコ工場での3交代制導入は、工場建設で生産拡大をするのではなく、24時間操業で乗り切ろうというものです。日本での生産は、基本的には連続2交代制です。

 トヨタは、1990年に3組2交代(9時間30分労働)の導入を計画しました。残業をふくめれば事実上の24時間操業になりますが、労働者の強い反対で導入が見送られた経過があります。

海外トヨタ | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/09/21 10:53

◎インド・トヨタで労働者が工場復帰

 トヨタ自動車のインド子会社で、賃上げをめぐって、会社が工場を閉鎖(ロックアウト)した問題で4月22日、労働者約4000人が5週間ぶりに工場に復帰しました。

 「しんぶん赤腹」のインド特派員が、同紙の24日付で報道しています。

 会社は、労働者が「誓約書」に署名することを復帰の条件にしてきました。労使間の仲介にあたっていた州政府は19日、「正常な生産環境の回復」を命令したことから、会社側は取り下げたものです。

 トヨタ・キルロスカ・モーターの従業員組合のサティシュ書記長は、赤旗記者に、「大きな前進だ。誓約書への署名要求は不当だとする労働者の訴えを州政府は認めた」と語りました。

トヨタ・インド 工場復帰
(トヨタ・インドで、労働者が工場復帰することを伝える「しんぶん赤旗」4月24日付)
海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/04/24 15:21

◎インド・トヨタ 組合員の抗議の断食続く

 トヨタ自動車のインド子会社、トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)で、賃上げをめぐって労組と会社側が対立し、会社がロックアウトする事態になったことをブログ「トヨタで生きる」は、3月18日にアップしました。

 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-1350.html

 会社側の発表だけでしたから、労働者の主張がどうなっているのかわかりませんでした。「しんぶん赤旗」は、4月20日で赤旗特派員による特集「声上げる 世界の労働者」を掲載しています。

 世界6カ国にいる赤旗の特派員の報告です。このなかで、インド・トヨタの労組のたたかいを安川崇特派員が報告していますので紹介します。

………
 トヨタ自動車のインド子会社、トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)の労使紛争が長期化し、正社員約4200人が約1カ月にわたって勤務できずにいます。

 労組は南インド・バンガロール郊外にある同社工場近くで、抗議の断食を交代で続けています。

 昇給をめぐる労使交渉が長期にわたり紛糾していた同社は3月16日、労組員のみを対象とした工場閉鎖(ロックアウト)を宣言。同24日に解除すると発表しましたが、職場復帰の条件として全労組員に規則順守などを誓う「誓約書」への署名を求めました。

 労組は誓約書の文面から、署名すれば工場閉鎖の正当性を認めることになるとして拒絶。無条件での職場復帰を認めるよう要求しています。

 さらに労組は、工場閉鎖直後に会社側が組合員30人に「重大な違法行為」との理由で停職を言い渡したことにも反発。処分の即時撤回を求めています。
………

赤旗 インド・トヨタ
(インド・トヨタの労働者のたたかいを報道する「しんぶん赤旗」4月20日付)

 TKMは、今年1月までトヨタから出向していた理事の中川宏氏が社長を務めていました。中川氏は、2月から中央精機へ出向しています。1992~94年までトヨタ労組の副委員長を務めました。TMKには、トヨタ工業学園と同じようなトヨタ工業技術学校があります。
海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/04/20 10:15

◎トヨタのインド子会社でロックアウト

 トヨタ自動車のインド子会社で、賃金をめぐる労使交渉が暗礁に乗り上げて生産ラインがストップしたために、会社側は工場を閉鎖するロックアウトを行っています。

 メディアの報道によると、インド南部のバンガロール近郊にあるトヨタ・キルロスカ・モーターは、トヨタ車を生産する2つの工場があります。生産能力は31万台です。1万1000人を超える労働者が働いています。カローラやSUV車・フォーチュナーなどを約17万4000台生産(13年)しています。

 NHKは16日のニュースで、トヨタ側の話として、「工場では、賃金を巡る労使の交渉が暗礁に乗り上げ、労働組合にあおられた一部の従業員が、勝手に生産ラインを止めたり、監督者を脅迫したりして、生産がたびたび中断しているということです」と伝えています。

NHK インド トヨタ
(NHKニュースから=3月17日)

 賃金交渉については、「今回の賃金改定は2013年4月から交渉しているものだが、合意に達しておらず、今年1月にはインド政府労働局による調停も不調に終わっていた」(「レスポンス」)といいます。

 労働組合側からのニュースは伝えられていないので、賃金をめぐる具体的な内容は不明です。連合系の国際労働財団のホームページには、インドの労組の代表の講演録が掲載されています。

 それによると、インドは約12億人のうち、3分の1近くが貧困ライン以下で生活しています。富の分配が偏っており、上位10%の高所得層が総所得の33%を得ています。経済発展にもかかわらず、2億3600万人の大半が「正規の仕事や社会保障のない状態のまま、インフォーマルセクターで働き、赤貧の暮らしをしている」といいます。5つのナショナルセンター(労働組合の中央組織)がありますが、組織率は数%にとどまっています。

 多国籍企業は、中国の次に発展するのはインドだといって相次いで進出しています。トヨタをはじめ、日産、ホンダ、スズキなどの自動車メーカーが現地生産しています。1昨年には、スズキの子会社で死亡者も出る大規模な争議が発生、1カ月以上にわたり操業停止になりました。
海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/03/18 12:53

◎自動車各社 メキシコに相次いで進出

 メキシコで、日本の自動車メーカーが相次いで工場を稼働させたり、生産を増強しています。アベノミクスで円安にふれたといわれながらも、賃金が安いことや自由貿易協定で関税がかからないことなどが理由です。

 各メディアの報道によると、マツダは2月27日、メキシコ中部のグアナフアト州で乗用車工場の開所式を行いました。労働者は2658人で、年14万台規模で生産を開始し、15年度までに年23万台に拡大するといいます。

 小型車のアクセラやデミオを生産し、南北アメリカや欧州に輸出する拠点にします。15年からは、トヨタ向けに年5万台を生産する計画といいます。マツダは、日本のメーカーでも国内生産割合が77%と最大で、円高に対応するために50%までに引き下げたいとしています。

 トヨタは、2004年にメキシコにTMMBCを建設。2012年には、702人の労働者が働き、ピックアップ・トラック、タコマを5万6000台生産しています。

東京テレビ系 ホンダ・メキシコ
(賃金が安いためにロボットを使わず、労働者が溶接しているホンダのメキシコ工場=2月28日、東京テレビ系から)

 ホンダは1月、メキシコ中部のグアナホトで、同国で2カ所目となるセラヤ新工場を稼働しました。フィットなどを生産します。東京テレビ系は現地取材(2月28日放送)し、生産ラインの溶接工程などは人があふれているといいます。

 賃金が安いために、ロボットを使わず、労働者が溶接している風景を映像で流しました。平均年収(製造業の単純労働者)は、アメリカの約2800ドルに対しメキシコは約400ドルと7分の1にすぎないからです。

 年内に基幹部品の生産も開始し、労働者を5000人規模に拡大すると伝えています。伊藤孝紳社長は、「メキシコはアメリカとカナダと共同で経済圏(北米自由貿易協定=NAFTA)を作っている。商品をアメリカやカナダに送ることができる」と語っています。

 つまり自動車の関税はかからないために、日本からフィットを輸出するより有利だということです。現在、日本からアメリカに輸出する場合、乗用車で2・5%、トラックで25%の関税が課せられます。

 安倍政権はアメリカなどとTPP(環太平洋連携協定)交渉を続けています。コメなどの関税(コメは778%)がゼロになれば、小規模農家が圧倒的な日本の農業は壊滅状態に追い込まれ、食糧の自給率(39%)がさらに13%に低下する(農水省の試算)といわれています。

 賃金の安さや関税ゼロをめざして自動車メーカーは、日産自動車もふくめ相次いでメキシコに進出しています。自動車メーカーだけが利益を上げればいいのでしょうか。トヨタで働く私たちは、日本の食料生産・自給のあり方も同時に考え、TPP交渉についても誤りのない判断をする必要があるのではないでしょうか。
海外トヨタ | コメント(3) | トラックバック(0) | 2014/03/02 10:28

◎南アのトヨタ工場が生産再開

 トヨタ自動車の南アフリカの子会社(約7000人)は、9月10日から生産を再開します。労組が賃上げを求めてストライキをしていましたが、会社の回答を受け入れたためです。各紙が報道しています。

 カローラやハイラックスなどを1日700台程度生産しているダーバン工場でのことです。組合員のストライキで、8月19日から約3週間、生産がストップしていました。賃上げの具体的内容は、不明です。
海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/09/10 09:07

◎トヨタもタックスヘイブンを利用?

 所得税、住民税、消費税…私たちトヨタ自動車の社員は、給料から税金が天引きされたり、物を買った時の消費税など、どれ1つ税金はごまかせません。ところが企業や富裕層には、税金逃れの巧妙な方法があるのです。

 ”タックスヘイブン”(租税回避地)という言葉を知っていますか? 所得税や法人税がなかったり、極端に低い、企業や富裕層の秘密保持、規制なし――などの国・地域をさしています。その実態は闇の中です。約9万3000社が登記するカリブ海のイギリス領ケイマン諸島は、その代表例です。

 今年3月、岩波新書から志賀櫻氏著『タックスヘイブン―逃げていく税金』が出版され話題になりました。著者は、財務省の主計局主計官などを務めた官僚です。いわば税金のエキスパートが告発したからです。

 「正直に税金を収めている市民の知らないところで、タックスヘイブンを舞台に所得分配の公平を著しく損なう悪事が行われているのである。その悪事による弊害はめぐりめぐって、市民の生活はおろか、一国の財政基盤をも揺るがし、さらには世界経済を危機に陥れている」

 著者は、こうのべてタックスヘイブンの闇に迫っています。「しんぶん赤旗」(8月25日付)は、このタックスヘイブンを利用している日本の主要50社のリストを掲載し、大企業の税金逃れを追及しています。

 リストの1位は、三井住友フィナンシャルグループです。ケイマン諸島など世界6カ所のタックスヘイブンに27社の子会社があります。

トヨタ タックスヘイブン
(「しんぶん赤旗」8月25日付)

 リストの6番目、製造業でトップがトヨタ自動車です。タックスヘイブンにある子会社は3社です。オランダ、ベルギー、シンガポールにあります。

 ベルギーにあるのは、Toyota Motor Europe NV/SA(TME)で、トヨタの欧州事業の統括会社です。ケイマン諸島のような島だけではなく、ヨーロッパにもタックスヘイブンはあるのです。

 アメリカのアップルやグーグル、アマゾンなどの税金逃れが問題になったのは記憶に新しいところです。多国籍企業や富裕層の税金逃れは、私たちへの増税にはねかえってきます。これを許さないためには、国際的な規制が必要です。


海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/08/26 11:16

◎トヨタ南ア工場でストライキ

 トヨタ自動車の南アフリカの工場で8月19日、ストライキがあり、内外の新聞、テレビが報道しています。東京テレビ系は次のように放送しました。

               ◇

 ロイター通信などによりますと、南アフリカのダーバンにあるトヨタ自動車の工場で19日、賃上げを求める多くの従業員がストライキに踏み切り、車両の生産が停止しました。

 工場では、カローラなどを1日あたり700台程度生産しているということです。南アフリカでは、日産やBMWなどでもストが相次いでいて、操業停止などに追い込まれています。

               ◇

トヨタ 南アでスト


 こう伝えながら、トヨタ本社ビルの映像を流しました。各メディアの報道をまとめると、南アの工場の2012年の生産台数は約15万台。トヨタをはじめ、GMやフォードなど自動車メーカー7社の約3万人がストライキなどに入りました。

 ストは南ア最大の製造業労働組合の南アフリカ全国金属労組(NUMSA)が先週呼びかけたもので、同労組は賃金の20%引き上げを求めています。同国のインフレ率である5.5%を上回り、自動車メーカーは6%の引き上げを提案しています。

 トヨタは、約8000人のうち8割がストに入りました。南アの自動車業界の賃金は通常の労働者で1カ月当たり850ドル、資格を持つ技術者で同1800ドルといいます。

 南アに限らず、ドイツやアメリカなど欧米の労組は、賃上げを会社に要求し、これを会社が受け入れないとストライキに入るのが当たり前です。トヨタの本社がある日本では、トヨタ自動車労組はこの50年来、一度もストライキをしていません。

 2013年までの4年間、トヨタ労組は賃上げ要求そのものをしませんでした。このため5年連続で賃上げゼロという異常な事態になっています。

 TV東京は、トヨタ本社ビルの映像しか流しませんでしたが、本社の敷地内には「労使宣言50周年記念之碑」があります。労使協調の象徴的なものです。

労使宣言50周年 碑
海外トヨタ | コメント(5) | トラックバック(0) | 2013/08/21 16:36

◎トヨタ南アでストライキ、インドネシアではゼネスト

 トヨタの南アフリカの工場で、労働者が賃上げを求めてストライキでたたかいました。インドネシアでは、ゼネストで200万人がストライキに突入しました。発展途上国で労働運動が高揚しています。

 時事通信は10月5日、南アの様子をこう伝えています。

 「トヨタ自動車は5日、南アフリカのダーバン工場で、1日午後から賃上げを求めるストが発生し、主力セダン『カローラ』や新興国向け小型トラック『IMV』の生産を停止していることを明らかにした。従業員らは時給3.22ランド(約27円)の引き上げを要求しているという」

 「トヨタ自動車 は5日、1日午後からストにより生産を停止していた南アフリカのダーバン工場で、4日までに労使交渉が妥結したことを受け、5日から操業を再開することを明らかにした。妥結内容については非公表」

 毎日新聞は10月3日、次のように報道しました。

 「【ブカシ(インドネシア西ジャワ州)佐藤賢二郎】インドネシアで3日、全国規模のゼネストが行われ、労働組合によると全国21の県・市で200万人が参加した。日系企業を含む多くの工場が操業停止に追い込まれるなど大きな影響が出た」

 「労組側は、派遣・請負労働の制度廃止や最低賃金の引き上げ、社会保障制度の拡充を求めている。首都ジャカルタ近郊では60万人が参加。日系企業が集中する西ジャワ州ブカシ県の工業団地では労働者が『戦え、労働者!』と叫びながらデモ行進した」

 「日系電機メーカーで派遣社員として働くデウィさん(20)は月収180万ルピア(約1万4700円)。『正社員より50万ルピアも少ない。食費と家賃で消えてしまう』と話した」

 「中国系ガラス工場に勤務するハリディティオさん(31)は『成長の恩恵を受けているのは金持ちだけ』と語った。待遇改善に消極的な一部外国企業への反発も高まり、労組メンバーがマイクで『我々は中国や日本(企業)の奴隷として働かされている』と訴える場面もあった」

 「インドネシアでは、所得格差の広がりに工場労働者らの不満が高まり、賃上げを求めるデモが頻発している」

 インドネシアに、トヨタが進出して40年以上になりますが、トヨタ車は市場の40%近くを占め、ダイハツは15%を占めるといわれるほど、トヨタグループが圧倒的なシェアを持っている国です。

 トヨタ・オーストラリアでは、昨年9月に労働者が賃上げを求めてストライキしました。韓国の現代自動車の労働者が、徹夜労働の廃止や非正規の正規化などを求めて、今年8月まで断続的にストライキを打ったことは記憶に新しいところです。

 先進国のドイツやフランス、アメリカなどでも、労働組合は賃上げやリストラ反対などでストライキをしています。ひるがえって日本では、NECなど大手電機メーカーが13万人のリストラを強行しています。希望退職募集といいながら、実際には何度も呼び出して退職を強要しています。しかし、連合加盟の電機連合は、リストラを容認し、たたかいを組織していません。

 トヨタ労組が会社と「労使宣言」を結んで、今年で50年になります。「労使相互信頼・相互責任」といって、50年間にストライキは一度もありませんでした。賃上げもこの11年間でわずか3回、合計3000円です。賃上げを要求しないことが続いています。

 ストライキだけがたたかいの手段ではありませんが、ストライキでたたかう世界の労組、労働者と、日本の大企業労組とはあまりにも違うと思いませんか。

インドネシアのゼネスト
(毎日新聞は、インドネシアでのバイクデモを報道しています)
海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/10/07 21:16

◎トヨタ インドの工場から南アフリカへ輸出

トヨタ・インド 中川宏社長
(NHKテレビ 4月4日から)

 トヨタ自動車は、2012年の海外生産比率を61%にするなど、海外戦略を加速しています。4月4日には、インドの現地法人(Toyota Kirloskar Motoy Private Ltd)が、初めて南アフリカに向けて小型車を輸出しました。

 「エティオス」という70万円弱の車で、南アフリカには年約2万台の輸出を計画しているといいます。工場は、インド南部のバンガロール近郊にあります。現地法人の中川宏社長は、「南アフリカのお客様に合うようにチューンアップ(改造)できた」(NHKテレビ)などと語りました。

 テレビ見たトヨタ社員は、「中川さんって、トヨタ労組の副委員長だった人じゃないか! 突然、社長としてNHKのインタビューに出てきたのでびっくりした」といいます。

海外トヨタ | コメント(1) | トラックバック(0) | 2012/04/05 14:43

トヨタ・オーストラリアでストライキ 賃上げめぐり

トヨタ・オーストラリアで、労働者が賃上げをめぐってストライキに入っています。これを報道しているNNAの記事を紹介します。

オーストラリア 2011年9月16日(金曜日)

スト損失額は1日1千万豪ドル:豪トヨタ、操業停止続く[車両]

 トヨタ・オーストラリア(豪トヨタ)のメルボルン・アルトナ工場労働者の大半が加入している豪製造業労組(AMWU)は15日、賃上げを求めて再びストライキを行った。豪トヨタ広報担当のヒル氏は、同工場の労働者3,300人のうち、同日は400人しかおらず、操業は停止していると明らかにした。ストによる販売損失額は1日当たり1,000万豪ドル(約7億8,600万円)に上る見通しという。【NNA豪州編集部】

同工場のほか、シドニーのパーツ配送拠点でも操業を一時見合わせている。ヒル氏は、「ストによって経済的損失が発生するほか、トヨタブランドのイメージも損なわれることになる」と述べた。またサプライヤーやディーラーの従業員にも影響が及ぶとみられる。

今月2日に行われた24時間の時限ストで、労組は企業に対して、賃金交渉が折り合わなければ今後3週間で木曜日と金曜日にストを行うと通知。ただし豪トヨタは先週、労使裁定機関フェアワーク・オーストラリア(FWA)から一時的な許可を得て、ストを回避していた。認可の期限が切れた後、同様の認可を得るために豪トヨタはFWAに、ストが行われることで、さらに大きな影響が出ることを示す必要があったが、最終的に労組は15日ストを決行した形となった。ヒル氏は、きょう16日もストが続くとみている。

またヒル氏は、同工場では1996年から中東を主として輸出を行っており、これまで一度も輸出の期限が遅れたことはなかったが、今回のストにより、遅れが生じる可能性もあるとしている。

AMWUのスミス上級役員は、「労組が企業側との交渉で行き詰まり、スト実施を決めた」とコメント。さらに「労働者は企業が難しい経営環境にあることを理解しているが、自らもまた厳しい状況にある」と付け加えた。労組は今後36カ月で12%(年4%ずつ)の賃上げを要求したが、企業側の提示案は、39カ月で11%の賃上げするというものだった。オーストラリアンなどが伝えた。
海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/09/16 14:02

日本とイギリスの違い

 トヨタは1992年にイギリスに進出し、「英国トヨタ」を設立しました。約4100人の労働者がオーリスやアベンシスを生産しています。
 英国トヨタの「行動規範」は、次のようです。

 「私たちは、人権を尊重し、人種やジェンダー、民族性、年齢、宗教、性的志向、身体的障害、結婚、育児を理由とする差別をおこなわない。職場におけるハラスメントや脅迫を認めない」

 一方、本国の日本ではどうでしょうか。「トヨタ行動指針」は次のようです。
 「トヨタは、トヨタで働く人々の人権およびその他の権利を尊重し、不当な差別を行わず、権利侵害を許しません」

 しかも、この文章の前に、「トヨタは、『労使相互信頼・相互責任』を基本に」という言葉が入っています。「労使相互信頼」とは、トヨタの労使協調主義の代名詞である「労使宣言」路線のことです。

 労使協調を前提に、トヨタは労働者の権利を尊重し、不当差別をしないという意味です。欧州の労働条件にくわしい専門家は、次のように語っています。

「日本のトヨタの行動規範がごく一般的な記述にとどまっているのに対し、英国トヨタの行動規範は、具体的です。ヨーロッパでは、日本のトヨタのような一般的な規定では受け入れられないのだと思います。英国でやっているなら、日本でもやれといいたい」

労使宣言の碑

(労使協調のシンボル、時計塔と碑=左下=本社前)
海外トヨタ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/12/10 08:49
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