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◎日産自動車 大幅利益減 ゴーン事件で集中できず

  日産自動車は5月14日、2019年3月期(18年度)決算を発表しました。売上高は前期比3・2%減の11兆5742億円、販売台数は同4・5%減の551万6000台、営業利益は同44・6%減の3182億円でした。

 昨年12月のカルロス・ゴーン前会長の逮捕から半年。西川広人社長は、「ゴーン前会長の事件やルノーの関係で事業に集中できなかった」と釈明したように、ゴーン事件が日産に深い影を落としています。
 
 営業利益は15年度には8000億円近くありましたが、半分以下になっています。売上高減、販売台数減よりも、営業利益が大幅減になったのは、ゴーン前会長の拡大路線によって、アメリカでの販売奨励金が大きくかさんだからです。

 提携する仏ルノーより営業利益が10年ぶりに下回り、日産の提携交渉力が落ちるといわれています。

日産 リーフ
(日産の電気自動車・リーフ)

 19年度の見通しは、販売台数は2万4000台微増の554万台、売上高は2742憶円減の11兆3000億円、営業利益は882億円減の2300億円減と依然として厳しい状況が続きます。

 決算を受けて日産は、ゴーン前会長が策定した中期経営計画の見直し内容を発表しました。拡大路線から利益重視へと舵を切り替えています。生産能力をグローバルで10%削減し、4800人を削減するとしています。また、23年3月までに、20車種以上の新車を投入し、電動車を半分にするとしています。
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日産自動車 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/05/17 11:56

◎ゴーン容疑者 保釈中に4度目の逮捕

 日産の前会長のカルロス・ゴーン容疑者が4月4日、特別背任の容疑で4度目の逮捕をされた。保釈の最中という異例の事態である。それにしても、ゴーン容疑者が日産を私物化して得た金は、どれほどの巨額なものになるのか? 労働者をリストラする一方で、どこまで日産を食い物にしてきたのかー。

 最初の逮捕から108日目の3月6日に保釈されたゴーン容疑者。それから29日目で、東京拘置所へ戻った。今回は、どれほど拘束されるのか?

 今回の事件現場は、中東のオマーンである。アラビア半島の東に位置するオマーンは、日本になじみが薄く、どんな国かよくわからない。ゴーン容疑者の私物化の中でも、このオマーン・ルートが一番、ゴーン事件で分りやすいという。

 NHKの図表や朝日新聞などメディアの報道によると――。

 ゴーン容疑者は、2015年12月から18年7月までの間、日産子会社の「中東日産」(アラブ首長国連邦)→オマーンの販売代理店「スヘイル・バウワン・オートモービルズ」(SBA)に計1500万ドル(当時のレートで約16億9800万円)を送金→このうち計500万ドル(同約5億6300万円)を自分に還流させた疑い――である。

 SBAに送金した資金の原資はCEO(最高経営責任者)直轄の「CEOリザーブ(予備費)」で、「販売促進費」名目で支出された。

NHK ゴーン4度目の逮捕 20190405
(NHK 4月5日放送から)

 SBAのオーナー、スヘイル・バウワン氏はゴーン容疑者の長年の友人。関係者によると、中東日産からSBAに送金された資金は、SBAのインド人幹部が大株主であるレバノンの投資会社、グッド・フェイス・インベストメンツ社(GFI)社に送金されていた。

 レバノンは、ゴーン容疑者が生まれ、育った国である。GFIからゴーン容疑者の家族が関係する複数の会社側に多額の資金が送金されていたという。

 その一つがゴーン容疑者の妻が代表を務めるビューティー・ヨット(BY)である。GFIから約9億円が送金されていた。

 BYは、イタリア製の大型クルーザー(約16億円)を約2年かけて分割払いで購入しており、GFIからの資金が原資とみられる。クルーザーはゴーン容疑者にちなみ「シャチョウ(社長)号」と名付けられ、ゴーン容疑者の家族らが使っていたという。

 GFIからは、ゴーン容疑者の息子がCEOを務める米カリフォルニア州の投資会社、ショウグン(将軍)・インベストメンツ側にも送金されていた。

 レバノン、ブラジル、フランス、日本――ゴーン容疑者は、グローバル化した経済を代表する経営者としてプライベートジェット機で世界を股にかけて動き、各国に日産から支出させた高級住宅を構え、クルーザーで遊び、ベルサイユ宮殿ではルノーの資金で結婚式まで挙げていた疑い…。

 ここまで次々と明らかになった以上、「私は無罪だ」という主張がむなしく響く。4月11日には記者会見をすることを、自身のアカウントを開設したツイッターで予告していた直前での4度目の逮捕。大企業の独裁者ともなれば、ここまで会社を私物化できるのか。会社とは、そもそも何なのか?
日産自動車 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2019/04/05 17:06

◎ゴーン容疑者保釈 作業着姿の異様さ

 日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン容疑者が3月6日、東京拘置所から保釈されました。昨年11月19日に、プライベートジェット機で羽田空港へ着陸し逮捕されてから108日目でした。

 拘置所を出てきたゴーン容疑者は、青い帽子にマスクをし、作業着の異様な姿でした。日産を私物化し、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されたゴーン容疑者。カリスマ経営者ともてはやされた姿は、そこにありませんでした。

 保釈金は、なんと10億円。前日に用意できなかったほどの大金でした。NHKは、10億円の札束の見本を作りましたが、両手を広げても抱えきれないほどでした。

ゴーン保釈 10億円
(10億円の札束の見本をつくってゴーン容疑者の保釈を伝えるNHK=3月6日)

 ゴーン容疑者は、有価証券報告書への報酬を2010~17年度の8年間に計約91億円分を記載しなかったとの虚偽記載(金融商品取引法違反)で逮捕、起訴されました。

 その後、▽約18億5千万円の評価損が生じた私的な投資契約を2008年に日産に付け替えた、▽この契約を自分に戻す際に約30億円分の信用保証に協力したサウジアラビアの実業家ハリド・ジュファリ氏に対し、日産子会社から09~12年に計1470万ドル(約12億8400万円)を不正に送金した――として追起訴されました。

 また、会社の金を私物化していた実態が次々と明らかになりました。日産子会社を通じて購入させた海外の高級住宅――ブラジル・リオデジャネイロ▽レバノン・ベイルート▽仏パリ▽オランダ・アムステルダム▽米ニューヨーク▽東京――の6カ所を無償で使用していたのは、法に問われてはいませんが、その一例です。

 さらに、ゴーン容疑者がパリ郊外のベルサイユ宮殿で開いた結婚式(2016年)がルノーの会社資産の乱用に当たる、日産・ルノーグループに入った三菱自動車で、他の取締役に内緒で、約10億円も不正受給していた――などが次々と明るみに出ました。

 “コストカッター”の異名で、日産の村山工場(東京都)、座間工場(神奈川県)の閉鎖と2万1000人の人減らし「合理化」を強行し、V字回復を果たしたとして天まで持ち上げられたゴーン容疑者は、その裏で会社を私物化し、ばく大な金を手にしていたのです。

 ゴーン容疑者は、2017年9月、新6か年計画「アライアンス2022」を発表。22年には、日産、ルノー、三菱自の3社連合で年間1400万台を販売するというものでした。

 フォルクスワーゲンやトヨタグループの1000万台超を大きく引き離し、世界のトップに立つという野心的な計画でした。3社連合の権力の頂点から容疑者へと転落したゴーン容疑者。

 無罪を主張するゴーン容疑者ですが、今後、法廷で特別背任などをめぐって争われます。どんな弁明をするのでしょうか。ゴーン容疑者の数々の不正を見過ごしてきた日産も法人として起訴されています。企業の社会的責任が大きく問われているのです。
日産自動車 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/03/08 17:41

◎三菱自 ゴーン前会長の10億円不正を発表

 日産自動車のゴーン前会長の不正がまた明らかになりました。日産・ルノーグループに入った三菱自動車が1月18日、同社のホームページに掲載しています。他の取締役に内緒で、約10億円も不正受給していました。

 それによると、三菱自と日産折半出資で2017年6月に設立したオランダ法人「Nissan-Mitsubishi B. V.(“NMBV社”)から、ゴーン氏がManaging Director(代表取締役)報酬名目等で不正に金銭の支払を受けていたことが判明した」というものです。

 同社は、3社のシナジー創出の目的で設立したもので、三菱自と日産は合わせて約1562万ユーロ(20億9500万円)を支払っていました。ところが、ゴーン前会長は、これを原資として、2018年4月末頃から同年11月頃にかけて、NMBV社から、「合計約782万ユーロ(Taxを含む、日本円にして約10億円)の支払を不正に受けてい」たというのです。

 ゴーン前会長は、NMBV社とEMPLOYMENT AGREEMENT(雇用契約書)を締結していたものの、同社では権限のないものと締結していたこと。前会長が、日産自動車幹部社員ら一部の者に指示して実行したものであったこと――などが明らかになったとしています。

 また、「NMBV社の取締役である益子修(三菱自会長兼CEO)と西川廣人氏(日産社長兼CEO)の了承を得る必要があると伝えたにもかかわらず、ゴーン氏は一切知らせることなく」、行なっていたといいます。

 益子会長は、損害賠償の請求を含めゴーン前会長の責任追及を検討していくとしています。

修 三菱自 本社ショールーム
(三菱自動車の車=同社の本社ショールームのホームページから)

 三菱自は燃費不正で16年4月に経営危機に陥りましたが、これに目を付けたゴーン前会長が同社を日産・ルノーグループに引き入れることを画策。同年10月、日産は三菱自に34%出資をしました。

 約100万台を生産する三菱自のグループ化で、日産・ルノーはフォルクスワーゲン(VW)やトヨタ自動車と並ぶ「1000万台クラブ」に入りました。2017年の上半期の世界販売(約526万台)では、フォルクスワーゲン、トヨタ自動車を上回りトップになりました。

 その勢いでゴーン前会長は、2017年9月15日、新たな6か年計画「アライアンス2022」を発表。リーフなどでEV化をいっそう強めるとともに、2022年には、1400万台を販売するというもの。VW、トヨタを引き離すという野心的な計画でした。

 ゴーン前会長は、自動車メーカー世界1の野望を強引にすすめる下で、私腹を肥やす不正を続けてきたのです。私的な損失を日産に付け替えたなどとして逮捕された特別背任容疑などだけではなく、ゴーン前会長の不正をすべて明らかにする必要があるでしょう。
日産自動車 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/01/19 09:58

◎“ゴーン帝国” 落日の鐘が鳴った

 日の落ちるのが早い11月19日夕方の衝撃のニュース。日産自動車のゴーン会長が、有価証券報告書に虚偽の記載をした疑いがあるとして東京特捜部の事情聴取を受け、容疑が固まり次第、逮捕する方針――

 “コストカッター”の異名で、村山工場(東京都)、座間工場(神奈川県)の閉鎖と2万1000人の人減らし「合理化」を強行し、日産を立て直したと天まで持ち上げられたゴーン容疑者。

 日産と仏・ルノー、さらに三菱自動車に君臨し、5年間の報酬が約49億8700万円もの天文学的な報酬を得ていたのは嘘で、実際には約99億9800万円だったというのです。

 一瞬にして、その虚飾の顔が剥がされ、“ゴーン帝国”落日の鐘が、ゴーンと鳴ったのです。同日夜に記者会見した日産の西川広人社長は、「極端に1個人に依存した」とゴーン容疑者に権力が集中したことを認めました。

修 日産本社
(日産自動車本社=横浜市、グーグルアースから)

 このブログ「トヨタで生きる」では、ゴーン容疑者の報酬が異常に高いことを指摘してきました。「社長の高額報酬 これでいいのか!」(2011年6月30日アップ)などです。

 日産のゴーン社長の2010年の報酬が前年より9100万円増の9億8200万円で、日本の大企業でダントツのトップだったこと。日産労組(組合員2万7000人)は、11年の春闘で、実質1000円のベアを要求したが、その総額は3億2400万円で、ゴーン社長の年収の3分の1というささやかなものであること――などです。

 カリスマ経営者などと持ち上げられる裏で、リストラで労働者を犠牲にし、犯罪に手を染めていたのです。「しんぶん赤旗」は11月20日付1面トップで次のように報じました。

……
【日産ゴーン会長逮捕 巨額報酬 過少記載疑い 人員4万人削減の“張本人”
東京地検】

 日産自動車(本社、横浜市)会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)と代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)が有価証券報告書に虚偽の記載をした疑いがあるとして東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反容疑で逮捕しました。

 日産は同日、ゴーン容疑者が自らの報酬額を過少に有価証券報告書に記載していたと発表。同社の資金を私的に支出するなど複数の不正行為があったことも明らかにしました。

 逮捕容疑は、有価証券報告書に合計約99億9800万円の報酬を49億8700万円と虚偽記載するなどした疑いです。

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(ゴーン容疑者は5年間で約50億円の役員報酬を得ていたといいますが、実際には約100億円も得ていました=NHKの11月20日の放送から)

 日産によると、同社は内部通報をうけ、ゴーン容疑者とケリー容疑者の不正行為を内部調査していました。これによると両容疑者は、開示されるゴーン容疑者の報酬額を少なくするため、長年にわたり実際の報酬額より少なく有価証券報告書に記載していました。

 また同社は、ゴーン容疑者が同社の資金を私的に支出するなど「複数の重大な不正行為」があったと発表。この不正行為にはケリー容疑者も深くかかわっているとしています。

 1億円以上報酬を得ている役員の情報開示は、09年度(10年3月期)から始まりました。ゴーン容疑者の報酬は、09年度が8億9100万円です。それ以降は13年度まで9億円台で推移。14年度から16年度までは連続して10億円を超えていました。

 日産は17年秋に、新車の完成検査をめぐる不正が発覚。17年度の有価証券報告書には、ゴーン容疑者の報酬が前年比3割減の7億3500万円と記載されていました。

 ゴーン容疑者は00年、日産の社長に就任。03年に同社の社長と会長を兼任。05年には、仏自動車メーカー「ルノー」社長を兼ねました。16年には三菱自動車の会長にも就任しています。三菱自動車でも17年度に2億2700万円の報酬を受けています。

 日産はゴーン容疑者とケリー容疑者の解職を、取締役会にすみやかに提案するとしています。

 【リストラと派遣切りの「コスト・カッター」】
 日産自動車のカルロス・ゴーン容疑者は、経営責任を労働者や下請け企業に転嫁し、大量の人員削減と工場閉鎖、下請け企業の切り捨てを進め、「コスト・カッター」と呼ばれました。

 1999年には最高執行責任者として「日産リバイバルプラン」を打ち出し、日本企業で過去最大規模の2万1千人にのぼる人員削減と工場閉鎖を強行。2009年にも「リーマン・ショック」を口実に、2万人もの人員削減や下請け企業の切り捨てを進めました。

 正社員のリストラとは別に、人件費削減のため大量の派遣労働者など非正規雇用労働者を開発部門の中枢にまで導入して働かせて収益をあげてきました。

 ところが、09年には収益減を理由に神奈川県のテクニカルセンターで技術派遣3000人を一斉に契約解除するなど非正規労働者の使い捨てを行いました。

 数々の派遣法違反や契約更新の繰り返しで本来なら正社員化しなければならないのに、「派遣切り」「非正規切り」を強行。寮からも追い出された多くの労働者が路頭に迷う事態となり、大きな社会問題になりました。

 労働者や下請け企業に犠牲を転嫁して業績回復を果たすたびに、報酬はうなぎのぼりとなり、株主総会でも疑問が出されましたが、「厳しい課題にリスクを負っており、報酬は高くないとおかしい」(2005年)と開き直ってきました。

              ◇

 この記事は、11月21日にアップする予定でしたが、前日の20日にアップしました。
日産自動車 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/11/20 21:12
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