FC2ブログ

◎三菱自 ゴーン前会長の10億円不正を発表

 日産自動車のゴーン前会長の不正がまた明らかになりました。日産・ルノーグループに入った三菱自動車が1月18日、同社のホームページに掲載しています。他の取締役に内緒で、約10億円も不正受給していました。

 それによると、三菱自と日産折半出資で2017年6月に設立したオランダ法人「Nissan-Mitsubishi B. V.(“NMBV社”)から、ゴーン氏がManaging Director(代表取締役)報酬名目等で不正に金銭の支払を受けていたことが判明した」というものです。

 同社は、3社のシナジー創出の目的で設立したもので、三菱自と日産は合わせて約1562万ユーロ(20億9500万円)を支払っていました。ところが、ゴーン前会長は、これを原資として、2018年4月末頃から同年11月頃にかけて、NMBV社から、「合計約782万ユーロ(Taxを含む、日本円にして約10億円)の支払を不正に受けてい」たというのです。

 ゴーン前会長は、NMBV社とEMPLOYMENT AGREEMENT(雇用契約書)を締結していたものの、同社では権限のないものと締結していたこと。前会長が、日産自動車幹部社員ら一部の者に指示して実行したものであったこと――などが明らかになったとしています。

 また、「NMBV社の取締役である益子修(三菱自会長兼CEO)と西川廣人氏(日産社長兼CEO)の了承を得る必要があると伝えたにもかかわらず、ゴーン氏は一切知らせることなく」、行なっていたといいます。

 益子会長は、損害賠償の請求を含めゴーン前会長の責任追及を検討していくとしています。

修 三菱自 本社ショールーム
(三菱自動車の車=同社の本社ショールームのホームページから)

 三菱自は燃費不正で16年4月に経営危機に陥りましたが、これに目を付けたゴーン前会長が同社を日産・ルノーグループに引き入れることを画策。同年10月、日産は三菱自に34%出資をしました。

 約100万台を生産する三菱自のグループ化で、日産・ルノーはフォルクスワーゲン(VW)やトヨタ自動車と並ぶ「1000万台クラブ」に入りました。2017年の上半期の世界販売(約526万台)では、フォルクスワーゲン、トヨタ自動車を上回りトップになりました。

 その勢いでゴーン前会長は、2017年9月15日、新たな6か年計画「アライアンス2022」を発表。リーフなどでEV化をいっそう強めるとともに、2022年には、1400万台を販売するというもの。VW、トヨタを引き離すという野心的な計画でした。

 ゴーン前会長は、自動車メーカー世界1の野望を強引にすすめる下で、私腹を肥やす不正を続けてきたのです。私的な損失を日産に付け替えたなどとして逮捕された特別背任容疑などだけではなく、ゴーン前会長の不正をすべて明らかにする必要があるでしょう。
スポンサーサイト
日産自動車 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/01/19 09:58

◎“ゴーン帝国” 落日の鐘が鳴った

 日の落ちるのが早い11月19日夕方の衝撃のニュース。日産自動車のゴーン会長が、有価証券報告書に虚偽の記載をした疑いがあるとして東京特捜部の事情聴取を受け、容疑が固まり次第、逮捕する方針――

 “コストカッター”の異名で、村山工場(東京都)、座間工場(神奈川県)の閉鎖と2万1000人の人減らし「合理化」を強行し、日産を立て直したと天まで持ち上げられたゴーン容疑者。

 日産と仏・ルノー、さらに三菱自動車に君臨し、5年間の報酬が約49億8700万円もの天文学的な報酬を得ていたのは嘘で、実際には約99億9800万円だったというのです。

 一瞬にして、その虚飾の顔が剥がされ、“ゴーン帝国”落日の鐘が、ゴーンと鳴ったのです。同日夜に記者会見した日産の西川広人社長は、「極端に1個人に依存した」とゴーン容疑者に権力が集中したことを認めました。

修 日産本社
(日産自動車本社=横浜市、グーグルアースから)

 このブログ「トヨタで生きる」では、ゴーン容疑者の報酬が異常に高いことを指摘してきました。「社長の高額報酬 これでいいのか!」(2011年6月30日アップ)などです。

 日産のゴーン社長の2010年の報酬が前年より9100万円増の9億8200万円で、日本の大企業でダントツのトップだったこと。日産労組(組合員2万7000人)は、11年の春闘で、実質1000円のベアを要求したが、その総額は3億2400万円で、ゴーン社長の年収の3分の1というささやかなものであること――などです。

 カリスマ経営者などと持ち上げられる裏で、リストラで労働者を犠牲にし、犯罪に手を染めていたのです。「しんぶん赤旗」は11月20日付1面トップで次のように報じました。

……
【日産ゴーン会長逮捕 巨額報酬 過少記載疑い 人員4万人削減の“張本人”
東京地検】

 日産自動車(本社、横浜市)会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)と代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)が有価証券報告書に虚偽の記載をした疑いがあるとして東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反容疑で逮捕しました。

 日産は同日、ゴーン容疑者が自らの報酬額を過少に有価証券報告書に記載していたと発表。同社の資金を私的に支出するなど複数の不正行為があったことも明らかにしました。

 逮捕容疑は、有価証券報告書に合計約99億9800万円の報酬を49億8700万円と虚偽記載するなどした疑いです。

10 nhk
(ゴーン容疑者は5年間で約50億円の役員報酬を得ていたといいますが、実際には約100億円も得ていました=NHKの11月20日の放送から)

 日産によると、同社は内部通報をうけ、ゴーン容疑者とケリー容疑者の不正行為を内部調査していました。これによると両容疑者は、開示されるゴーン容疑者の報酬額を少なくするため、長年にわたり実際の報酬額より少なく有価証券報告書に記載していました。

 また同社は、ゴーン容疑者が同社の資金を私的に支出するなど「複数の重大な不正行為」があったと発表。この不正行為にはケリー容疑者も深くかかわっているとしています。

 1億円以上報酬を得ている役員の情報開示は、09年度(10年3月期)から始まりました。ゴーン容疑者の報酬は、09年度が8億9100万円です。それ以降は13年度まで9億円台で推移。14年度から16年度までは連続して10億円を超えていました。

 日産は17年秋に、新車の完成検査をめぐる不正が発覚。17年度の有価証券報告書には、ゴーン容疑者の報酬が前年比3割減の7億3500万円と記載されていました。

 ゴーン容疑者は00年、日産の社長に就任。03年に同社の社長と会長を兼任。05年には、仏自動車メーカー「ルノー」社長を兼ねました。16年には三菱自動車の会長にも就任しています。三菱自動車でも17年度に2億2700万円の報酬を受けています。

 日産はゴーン容疑者とケリー容疑者の解職を、取締役会にすみやかに提案するとしています。

 【リストラと派遣切りの「コスト・カッター」】
 日産自動車のカルロス・ゴーン容疑者は、経営責任を労働者や下請け企業に転嫁し、大量の人員削減と工場閉鎖、下請け企業の切り捨てを進め、「コスト・カッター」と呼ばれました。

 1999年には最高執行責任者として「日産リバイバルプラン」を打ち出し、日本企業で過去最大規模の2万1千人にのぼる人員削減と工場閉鎖を強行。2009年にも「リーマン・ショック」を口実に、2万人もの人員削減や下請け企業の切り捨てを進めました。

 正社員のリストラとは別に、人件費削減のため大量の派遣労働者など非正規雇用労働者を開発部門の中枢にまで導入して働かせて収益をあげてきました。

 ところが、09年には収益減を理由に神奈川県のテクニカルセンターで技術派遣3000人を一斉に契約解除するなど非正規労働者の使い捨てを行いました。

 数々の派遣法違反や契約更新の繰り返しで本来なら正社員化しなければならないのに、「派遣切り」「非正規切り」を強行。寮からも追い出された多くの労働者が路頭に迷う事態となり、大きな社会問題になりました。

 労働者や下請け企業に犠牲を転嫁して業績回復を果たすたびに、報酬はうなぎのぼりとなり、株主総会でも疑問が出されましたが、「厳しい課題にリスクを負っており、報酬は高くないとおかしい」(2005年)と開き直ってきました。

              ◇

 この記事は、11月21日にアップする予定でしたが、前日の20日にアップしました。
日産自動車 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/11/20 21:12
 | HOME |