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◎「時間に縛られない働き方も増えている」 中西経団連会長

 日本経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は、同経団連の夏季フォーラム(7月19~20日、長野県軽井沢町)の後に記者会見し、「時間に縛られない働き方も増えている」とのべた上で、テレワークの導入を強調しました。

 中西会長は、安倍政権が通常国会で「残業代ゼロ制度=高度プロフェッショナル制度(高プロ)」などを盛り込んだ「働き方改革」一括法案の成立を評価してきましたが、この日の会見では次のように指摘しました。

……
 今の働き方のルールは、労使間で取り決めた時間単位の働き方・給与がベースになっているが、時間に縛られない働き方も増えている。こうした従来にはなかった働き方が多くを占めるようになっていく中、ルールの見直しがなければ、従業員のモチベーション向上につながらず、生産性向上のボトルネックとなりかねない。
……

 これまでは、「労使間で取り決めた時間単位の働き方・給与がベース」になっているが、これからは1日8時間・週40時間と定めた労働基準法の「時間規制に縛られない」働き方だと強調しました。

東京駅
(日立製作所の本社が入る日本生命丸の内ビル=写真の上のビル。右下は東京駅)

 これはトヨタでいえば、昨年12月に導入した「FTL(I)」(「Free Time & Location for Innovation」の略)のことでしょう。

 時間、場所から自由になる――つまり時間、場所に縛られなく働くという意味です。「働き方改革」一括法で焦点になった高プロは、まさに縛られない働き方であり、「FTL(I)」は、その先取りともいえるものです。

 財界から見ると、労働基準法に基づいた「労使間で取り決めた時間単位の働き方・給与がベース」が邪魔になって仕方がなく、時間、場所に縛られずに成果を出すまで働き続けてほしいというのが本音です。

 これでは、長時間労働を助長し、過労死を増やすことにつながります。トヨタの年間総労働時間は、この10年以上1900時間台のままです。競争相手のフォルクスワーゲンの本社、工場があるドイツでは1300時間台です。トヨタとグループ会社では、わかっているだけでもカムリのチーフエンジニアら過労死の労災認定が6件もある異常さです。

 トヨタでのテレワーク=在宅勤務も「研究・開発職」を中心に急速に増え、裁量労働制もふくめたFTL全体では2017年10月時点の2902人より433人増えています。

 高プロをトヨタの職場に導入させない運動が重要です。トヨタ労組の上部団体の連合は、通常国会で高プロに反対してきました。トヨタ労組出身の相原康伸・連合事務局長は、「労働基準法上の労働時間規制を適用せず長時間労働を助長しかねない制度が法案から削除されることなく創設されたことは、極めて遺憾である」との談話を発表しています。
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日本経団連 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2018/08/01 20:59

◎中西経団連会長、裁量労働制の対象拡大求める


 長時間労働を助長し、過労死を増やす「働き方改革」一括法案が自民党、公明党、維新の会などの賛成で成立(6月29日)したことに対し、日本経団連の中西宏明会長は同日、次の談話を発表しました。

……
 創造性を発揮できる環境の整備、長時間労働の是正は喫緊の課題である。このたび、安倍総理のリーダーシップの下、働き方改革関連法案が成立したことを、評価する。残念ながら今回の法案から外れた裁量労働制の対象拡大については、法案の早期の再提出を期待する。経済界としても、働きがいと生産性の向上、イノベーションを生み出す、働き方改革の実現に向け、取り組みを加速していく。
……

 一括法案に盛り込まれた裁量労働制の拡大では、裁量労働制の労働者より一般労働者の方が、労働時間が長くなるようにデータをねつ造していたことが明るみに出て、安倍首相が法案から削除せざるを得なかったものです。

 また、「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度=高プロ)も、安倍政権が「働く人のニーズがある」との根拠にしたヒアリングの大半は、法案提出目前に実施されていたことが明るみに出た上に、わずか12人の調査で、ずさん極まりないものでした。

 過労死ライン(月80時間)を上回る「月100時間未満」まで認める残業の上限規制もふくめ、一括法案は「過労死を増やす」として労働界ばかりか「全国過労死を考える家族の会」などが強く反対していたものです。

 安倍政権は、経団連など財界・大企業の要望に応えて一括法案を通常国会を延長してまで強行採決して成立させました。中西会長が、手放しで「評価する」との談話を出したのも当然でしょう。

出勤 技術労働者
(三河豊田駅から職場に向かうトヨタの技術労働者ら。多くの労働者が裁量労働制で働いています)

 中西会長はそればかりか、「裁量労働制の対象拡大については、法案の早期の再提出を期待する」と早くも裁量労働制の再提出を安倍政権に迫ったのです。5月末に日立製作所の会長から経団連の会長に就任した中西会長。日立では、“黒字リストラ”を断行してきたことで知られています。

 労働者を情け容赦なくリストラするばかりか、過労死に追い込むような「働き方改革」の実行を安倍政権に迫る財界トップの姿勢からは、労働者の“働きがい”への思いやりなどはみじんも感じさせないものです。
日本経団連 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/07/05 08:42

◎中西経団連がスタート 原発、そして「Society 5.0」


 日本経団連の総会(5月31日)で、会長に選出された日立製作所の中西宏明会長(72)。日立では、英国での原発新設の先頭にたち、自身がコンピューターの仕事にたずさわってきただけに、「Society 5.0」に意欲を示しています。経団連をどこへ引っ張っていくのか――。

 経団連の会長は、現会長が次期会長を指名します。2代続いて本命から断られ、住友化学、東レという小規模の企業から選ばれましたが、今回は電機のトップメーカーの出身となります。

 東レ出身の榊原定征・前会長は、安倍政権と「蜜月」の関係といわれたほど安倍政権べったりでした。安倍首相は、「地球儀を俯瞰する外交」といって、財界人を引き連れて原発輸出などのトップセールスを続けてきました。

 それだけに、中西経団連は原発では安倍首相と呼吸が合っています。日立は、東芝が米原発大手のウエスチングハウスを買収して経営破たんに追い込まれたにもかかわらず原発にのめり込んでいます。

 英国中部のアングルシー島で、2基の原発を新設し、2020年代前半の稼働を英国政府とめざしています。総事業費が3兆円を超えるといいます。

 この計画が予定通りに進まなかった場合のリスク対策費として、総額4500億円を、「日立と日英それぞれの政府・企業連合の3者が各1500億円ずつ拠出する」など(日経、5月30日付)といいます。

 安倍政権は、この日立の原発輸出を後押ししようとしています。英国での原発新設がつまずけば、国民にツケがまわってくることになります。福島第一原発事故を起こした上に、その検証もないままに日本が原発を輸出していいのでしょうか?

12 日立本社 東京駅前
(東京駅前の日立製作所本社が入るビル=左手)

日立 中西会長
(中西宏明会長=日立のホームページから)

 中西会長は、会長に選出された後の記者会見で、中西経団連の「第1の課題は、Society 5.0の推進であり、これが豊かで活力ある日本につながっていくと確信している」と強調しました。

 内閣府のホームページを見ると、「狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画(注、16年1月策定)において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました」とあります。

 「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と抽象的でバラ色の未来を描いています。

 具体例として、人工知能技術と結びつけた自動走行システムなどがあがっています。これにはトヨタの名前があがっています。原発と同じように、いわば企業戦略を後押しすることを主眼に置いています。

 いま世界と日本は、一握りの富裕層と大部分の中間層・貧困層に分断され、しかも中間層が没落しています。貧困・格差の増大、戦争・テロ、地球温暖化など資本主義の矛盾が噴出しています。

 人類社会の発展は、マルクスが理論的基礎をつくった科学的社会主義が明らかにしたように、原始共産制→奴隷制→封建社会→資本主義社会→共産主義社会へとすすむ道が示されています。

 「Society 5.0」というような道筋では、資本主義の根本矛盾は決して解決できないでしょう。デジタル化、人工知能など科学の発展と人類の幸福を両立させるには、資本主義の利潤第一主義の狭いわく組みから脱出することが求められるのではないでしょうか。
日本経団連 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/06/02 16:15
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