◎18春闘 大企業賃上げ2・54%にとどまる

 日本経団連は4月25日、18年春闘の1次集計の結果を発表しました。大企業の定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は2・54%で、金額では月額8621円でした。

 安倍首相が日本共産党経団連に要請していた「3%の賃上げ」には届きませんでした。経団連の集計は、従業員500人以上で、東証1部に上場する68社の回答をまとめたもの。

 連合が要求していたのは、ベア2%程度で、定期昇給をふくめて4%でした。連合の第4回集計(4月17日)では、中小企業をふくむ加盟3479組合の平均賃上げ額は月6128円で、賃上げ率は2・10%でした。

 日本の企業の内部留保(利益剰余金)は400兆円を超えています。賃上げ原資はたっぷりなのに、経団連集計のように大企業のベアは、わずか0・6~0・7%程度に終わっています。

トヨタ労組 本社地区ブロック集会
(トヨタ労組の本社地区ブロック集会)

 金属労協の元幹部は、会社から「昨年を上回る」という日本語回答を受けた春闘のリード役、トヨタ労組に厳しい注文を付けています。

……
 今春闘がふにゃふにゃになった原因の一つは春闘リーダーのトヨタ労使が3%は取ったけど具体的な内訳は一部の役員だけ公開し、内緒にしたというこれまで考えられなかった行動を取ったことだ。トヨタの組合員は給料袋だけでは判らず、どう説明を受けているのか、それもメディアには公開してない。
……

 トヨタの「昨年を上回る」という日本語回答は、昨年は1300円でしたから「1300円超」になります。これに、▽上級スキルドパートナーの拡大、▽常2直手当の導入、▽期間従業員への家族手当の導入、▽事務技術職の自己研さん費用補助の導入――などがふくめ、組合員に1万1700円(3・3%)を回答したといいます。

 ある組合員は、「昨年を上回る」という日本語回答について、「職場集会でも職場委員からも具体的な説明はなかった」といいます。19春闘では、“ふにゃふにゃ”といわれにようにしなければならないでしょう。
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18春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/04/26 18:46

◎24時間ストでたたかったドイツ金属労組から学ぶもの

 トヨタ労組などが加わる金属労協(JCM)は、日本の春闘のリード役になっています。18春闘は、3月14日に大手労組に回答が出され、賃上げはこれまでに平均1452円(4月3日集計)です。

 トヨタ自動車の回答は「昨年を上回る」という日本語回答で、昼勤だけで働く子育て中の女性への手当など諸手当を含めて3・3%といいます。賃上げだけでは3%に届かないものです。

 ドイツでは、自動車や電機などの労働者でつくる産業別労組のドイツ金属労組(IGメタル、230万人)が今年2月、4・3%の賃上げと子育てなどのための週28時間労働制を実現しました。

 その詳報は、このブログ「トヨタで生きる」にアップしました。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2790.html

 JCMも、ホームページでIGメタルの闘争を紹介しています。「金額アップ、労働時間に関する裁量権アップ」という分かりやすいイラストを使っています。

60 独IGメタル
(ドイツ金属労組が実現したもの=金属労協のホームページから)

 IGメタルには、トヨタの競争相手であるフォルクスワーゲン、ポルシェ、メルセデスベンツ、ダイムラーなどの自動車メーカーの組合が加わっています。IGメタルが大きな成果をあげているのは、日本の企業別労組と違って、▽産業別労組であること、▽ストライキでたたかう――などにあります。

 1月8日には、警告スト(短時間、職場放棄するストライキ)や街頭でデモをくりひろげ、約16万人が参加。1月31日~2月2日までは、各地で日替わりの24時間ストを決行し、約50万人が参加しました。

 日本では、日立など電機連合が1970年代前半までストライキでたたかいました。しかし、その電機連合をはじめ、トヨタ自動車労組などでつくる自動車総連や新日鉄労連などでつくる基幹労連など大手労組ではストライキは、いまや“死語”になっています。

 トヨタ自動車では、1950年(昭和25年)の首切り反対の“大争議”で、組合は2カ月近く断続的にストライキでたたかいました。その後の組合は会社の介入を許し、1962年2月24日に「労使共同宣言」を結んで以来、ストライキは完全になくなりました。

 今年の18春闘の第1回労使協議会で、豊田章男社長は、「2月24日は、トヨタの労使宣言締結の日。当時の学びを踏まえ、話し合いを重ね、強くなった私たちが、攻めに転じる日にしたい」などと語るなど、くり返し「労使宣言」をたたえてきました。

 日本では、「働き方改革」などといって長時間労働、長時間残業、過労死が大問題になっています。ドイツでは長年、ストライキなどでたたかい、年間労働時間は1371時間(OECD資料)にもなり、「時短大国」で有名です。

 トヨタでは、いまなお年間総労働時間は1900時間台で推移しています。トヨタの労働者は、ドイツの労働者より年間で600時間も長く働いています。今年の両国の春闘から学ぶことはたくさんあります。
18春闘 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2018/04/06 15:58

◎問題残したトヨタの18春闘

 トヨタ自動車労組(約6万8000人)は3月30日、評議会を開き、執行部が提案した18春闘の妥結案について可決(満場一致)しました。賃上げ(賃金制度改善分)要求3000円に対し、会社が回答したのは「昨年を上回る」という日本語回答で、具体的な数字を示しませんでした。

 組合の「評議会ニュース」によると、西野勝義委員長はあいさつで、「全トヨタ労連の仲間達からは、賃金制度改善分の水準が開示されなかった点については、『皆で一緒になって取り組みを進めてきたが、水準が分からない事により、一体感が損なわれたと感じた』という厳しいご意見を頂き、課題が残った事も事実である。来年以降のゆめW(注、春闘のこと)の取り組みに向けて、要求案や交渉の進め方などにつき、執行部として検討していく」とのべました。

 トヨタ労組が加わる金属労協(JCM)は4月3日、自動車総連などJCM加盟5単産の平均賃上げ回答状況を発表しました。同時期としては、17春闘の1195円より257円多い1452円でした。

切り取り トヨタなど賃上げ回答
(金属労協が4月3日に発表した各労組への賃上げ回答額=左端=。上から、トヨタ、日産、本田技研、マツダ、三菱自工の順。トヨタだけ日本語回答で、数字がありません)

 この数字にトヨタ労組は含まれていません。トヨタが日本語回答をしたことで集計できなかったのです。春闘は、労働者の賃金はどれだけなのか、いくら要求するのか、回答はどうだったのか――その数字を具体的に明らかにするのは共闘をすすめるための必須の条件です。

 トヨタ労組は、日本語回答への厳しい意見に対し、「今後検討していく」としています。春闘の“リーダー労組”を自認するトヨタ労組が、日本の春闘全体に与える影響は大きく、賃上げ回答の数字を会社に明らかにさせる責任があります。
18春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/04/05 10:20

◎「悩んだ点は2つ」 豊田社長の日本語回答の意味

 賃上げ額は、「昨年を上回る」(17年は1300円)という日本語回答をし、トヨタ労組の組合員や日本の労組を混乱と困惑におとしいれたトヨタ自動車の18春闘回答。14日の回答日に、豊田章男社長は何を語ったのでしょうか?

 トヨタ労組の「評議会ニュース」によると、豊田社長は、組合の3000円の賃上げ要求などに対し2つの事で悩んだといいます。1つは、トヨタと関連会社との「格差が、あまりにも開いてしまった点」だとのべました。

 トヨタ自動車を頂点に、賃金はピラミッド状になり、賃上げについても関連会社はこれまで「大手-α」になってきました。豊田社長は、「『トヨタの回答を見てから、自社の回答を決める』という、これまでの慣習が、それぞれの会社の競争力強化に向けた、労使の真剣な話し合いを阻害しているのではないだろうか、と思い悩んだ」と語りました。

 ガソリン車から電気自動車化、自動運転化など豊田社長がくり返して語るように自動車産業は、「100年に一度の大転換期」にあります。そこでトヨタがいっそうの競争力をつけるには、トヨタと関連会社との格差是正をはかる以外にはないとのべているのです。

 トヨタ関連のデンソーや豊田自動織機などは、トヨタ自動車の回答前にすでに1500円の回答を決めていました。豊田社長は、1500円以上の回答はできないと悩んだのでしょうか?

 トヨタの昨年の回答は1300円です。すると1400円しかなくなることになります。「昨年を上回る」という日本語回答には、そうしたことが込められているのでしょうか?

JCボード トヨタ
(金属労協のボードに書かれたトヨタの賃上げは、「昨年を上回る」の日本語回答)

 豊田社長が悩んだ2点目は、「社内においても、少子高年齢化や、ダイバーシティの推進が加速していく中、正社員を中心とした議論に終始し、本当に良いのだろうかという点」だといいます。

 正社員だけの賃上げに終始してはならないと考えたのでしょう。「私が目指す『お天道様は見ている』会社を実現するには、誰かから認められることを望むことなく、黙々と、頑張ってくれている方や、大きな声を出せず、いわば、弱い立場ではあるものの、会社を支えてくれている方にこそ、ここにいる我々全員が、寄り添わねばならない」と語りました。

 ここから、賃上げだけではなく、60歳定年退職後に働く高齢の労働者に報いるために「上級スキルドパートナー」制度の拡大、昼勤だけで働く子育て中の女性への手当の導入、期間従業員への家族手当の導入、事務技術職の自己研さん費用補助の導入――など諸手当の導入を図ったのでしょう。

 賃上げに、そうした手当などを含めると、定昇にあたる賃金制度維持分を加えて、組合員への回答は1万1700円(3・3%)になるという計算です。

 豊田社長は、「私が誰よりも、先頭に立って闘っていく」決意であり、これだけの回答をするから「100年に一度の大転換期」に、トヨタのいっそうの競争力強化へ、「一緒に闘ってほしい」――というのが日本語回答に込めた思いのようです。

 トヨタ労組は、「本年の会社回答の形式は組合の要求形式と異なるものである」と指摘しながらも、「組合員全員をまとめた形での回答は、組合員全員で一体感を持って競争力強化を進めていってほしいとの会社からのメッセージと理解」し、今回の異例の日本語回答を受け入れました。

 今回の回答は、今後、合同職場委員会、職場討議をへて3月30日の評議会で採決される予定です。日本語回答をどう見たらいいのか、組合員の要求がどこまで実現したのかなど真剣な職場論議が期待されるでしょう。

18春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/03/16 14:21

◎18春闘 トヨタの賃上げ回答は「1300円超」

 トヨタ自動車労組など金属労協(JCM)に加盟する労働組合の18春闘は、会社側が3月14日、いっせいに回答を示しました。

 賃上げ(ベア)では、トヨタは労組が要求していた3000円に対し「昨年を上回る」という日本語回答でした。17年は1300円でしたから「1300円超」になります。

 数字ではなく、日本語回答に、「わからない」という声がメディアもふくめて噴出しました。実際には、組合員に1万1700円(3・3%)を回答しています。

 これは、▽上級スキルドパートナーの拡大、▽常2直手当の導入、▽期間従業員への家族手当の導入、▽事務技術職の自己研さん費用補助の導入――などがふくまれています。

 今回のトヨタの日本語回答については、▽安倍首相が日本経団連に3%(定昇2%、ベア1%)の賃上げ要請をし、経団連も会員企業に求めてきたことに応じたもの、▽現場労働者の意欲を引き出すもの、▽デンソーなど関連会社の回答(1500円)を上回らない、この間の格差是正の賃上げを踏まえたもの――などさまざまな見方が出ています。

 トヨタ労組は、「改善分(ベア)の水準を職場に伝えられない点は、職場との信頼関係を考えれば極めて残念」としています。

18春闘 JC
(金属労協の18春闘回答ボードには、トヨタは「昨年を上回る」の日本語回答)

 年間一時金は、要求の6・6カ月(243万円)の満額回答でした。昨年の6・3カ月(230万円)より0・3カ月増になりました。

 トヨタの3月期決算の営業利益見通しは、前期より0・3%多い2兆円です。2兆円台になれば、過去最高の2兆8539億円だった16年3月期に続く利益になります。日本の大企業なかでは突出した利益です。内部留保の利益剰余金は、すでに18兆円を超え、日本の大企業でダントツです。

 18春闘の労使協議会で会社側は、「トヨタの賃金、年収の水準は既に十分である」(河合満副社長)と満額回答を拒否。「『要求に応えてくれ』という主張を聞く度ごとに、『私と一緒に闘ってくれていないのだろうか』と、寂しい気持ちになっていた」(豊田章男社長)などと語っていました。

 春闘のリード役といわれたトヨタの日本語回答は、日本の春闘に不透明感と共闘のあり方など多くの問題を残しました。今後の議論、総括が求められるでしょう。

 他の自動車各社では、日産が3000円の満額回答、ホンダが1700円、ダイハツが1500円、マツダが1400円、三菱自工が1500円、SUBARUが1300円、日野自動車が2200円でした。

 電機では、日立製作所や三菱電機などの大手13組合が、トヨタ労組と並ぶ3000円の賃上げ要求を求めていましたが、会社側はいっせいに1500円を回答しました。

 2年要求をしている基幹労連は、鉄鋼の新日鉄、JFEスチール、神戸製鋼は、18、19年度がともに1500円、重機の三菱重工や川崎重工は18年度が1500円でした。

 トヨタ労組の過去4年間の要求と獲得額は次の通りです。

          賃上げ要求   獲得額  一時金
 2014年春闘  4000円  2700円 6・8カ月(244万円)
   15年春闘  6000円  4000円 6・8カ月(246万円)
   16年春闘  3000円  1500円 7・1カ月(257万円)
   17年春闘  3000円  1300円 6・3カ月(230万円)
 (注 17春闘の賃上げは別に家族手当の引き上げ分1100円)
18春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/03/15 22:03

◎「寂しい気持ち」と豊田社長 トヨタ18春闘第3回労使協で

 ベア3000円、一時金年間6・6カ月の組合要求をめぐるトヨタ自動車の18春闘。第2回労使協議会が3月7日に開かれましたが、いまだ「労使の間に隔たりがある」(組合)状況です。

 組合の評議会ニュースによると、電動化、自動運転など自動車産業の「100年に一度の大転換期」で、トヨタの競争力強化に向けて、組合からの会社への「提言」や職場での頑張りを報告。要求に応えるよう求めました。

 前日の6日に組合が開いた大集会・ブロック集会では、賃金は、競争力強化に向けた組合員の決意を示し、一人ひとりの意欲・活力につながる回答を引き出すこと。一時金は満額、要求どおりであること――との執行部決意を示したと主張しました。

 さらに3人の支部長が組合員の頑張りを会社側に報告しました。深刻な人手不足の中で、九州地区で調達物流改革へチャレンジしているという本社支部支部長、レクサスLSターボの立ち上げに挑戦したという三好支部支部長、カムリのラインオフ後に発生した不具合解決に行動した組合員の姿を報告した堤支部支部長―。

トヨタ労組 18春闘集会
(トヨタ労組の本社ブロック集会=3月6日)

 これに対し会社側は、3人の副社長や部長会、巧の会、幹の会(基幹職)の幹事がコメントや想いなどを語りました。「今稼がないと将来はない。当社の高い給与水準に見合った、生産性向上が出来ているとは言えない」など組合員のいっそうの頑張りを求めました。

 豊田章男社長は、「百年に一度の危機感を本当に持っているならば、過去の成果に目を向けている暇はない。…『やった、やった』、または、『今後のやる気のために』という声、その結果として、『要求に応えてくれ』という主張を聞く度ごとに、『私と一緒に闘ってくれていないのだろうか』と、寂しい気持ちになっていた」などと心情を吐露しました。

 その上で、「日本の元気、モノづくりの行く末にも鑑み、どう応えていくべきなのか、誤りの無い回答に向け、今一度悩みぬいていく」と14日の回答日に向けて組合要求にどう応えるか考えるとのべました。
18春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/03/10 16:36

◎トヨタ18春闘 ブロック集会でガンバロー・コール

 トヨタ自動車の18春闘で、第3回労使協議会(3月7日)を翌日に控えた6日、トヨタ労組は全工場・事業所でブロック集会を開いた。組合は、賃上げ3000円、一時金年間6・6カ月を要求している。

 会社側は、「トヨタの賃金、年収の水準は既に十分である。人間力も含めて、更に競争力を磨いていかなければならない」(河合満副社長)などと主張。満額回答には応じられないとのかたくなな姿勢だ。

 実際、賃上げはこの4年間あったが、満額回答は一切ない。トヨタ労組が獲得した賃上げは次の通りである。

           要求     獲得額
 2014年春闘  4000円  2700円
   15年春闘  6000円  4000円
   16年春闘  3000円  1500円
   17年春闘  3000円  1300円(別に家族手当の引き上げ分1100円)

 本社ブロック集会は、本社グランドで行われた。日本の賃上げ額を決定してきたトヨタの労使交渉は、常にメディアが注目している。この日も多数の記者が取材し、テレビカメラが並んだ。

トヨタ18春闘 本社BK1

トヨタ18春闘 本社BK2


 集会は、午後零時15分からの予定だが、12時過ぎになると本社地区の建物から多数の組合員が集まってきた。最初に職場委員長が労使協議会の状況を報告。トヨタ労組の西野勝義委員長の決意表明などがあり、ガンバロー・コールが行われた。13分ほどの集会だった。

 今回の集会の特徴は、「人間力」と言う言葉が何度も出てきたことである。組合員は会社のため、お客様のため、一人ひとりが人間力を強化しなければならない…などである。

 西野委員長も、人間力に言及し、われわれには競争力強化につとめる覚悟がある。その源泉は人間だ、賃上げは組合員の意欲引き出す回答を、一時金は満額をめざす、などと決意をのべた。

 トヨタ自動車の18春闘のキーワードは、「100年に1度の転換期」「競争力強化」「一人ひとりが人間力を強化」のようだ。賃上げ3000円、一時金年間6・6カ月の満額回答は譲れない。
18春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/03/07 11:21

◎トヨタ第2回労使協 会社「賃金、年収の水準はすでに十分」

 トヨタ自動車の18春闘で、第2回労使協議会が2月28日に開かれました。組合の要求は、ベア3000円、一時金年間6・6カ月です。

 組合の評議会ニュースによると、河合満副社長は、「トヨタの賃金、年収の水準は既に十分である。人間力も含めて、更に競争力を磨いていかなければならない」と主張。組合の要求に対し、満額回答には応じられないとの姿勢を示しました。

 会社側は、自動車産業の「電動化」「情報化」「知能化」など、「百年に一度の大転換期で(トヨタが)生き残るためには、関係各社の皆さんと一体となったチャレンジが必要」などと、危機感をくり返し主張しました。

 具体的には、生産現場でいっそうの競争力をつけるために、「区分/部門を超えた応援」「稼働変更への柔軟な対応」、中長期的には「多能工化への更なるチャレンジ」等をお願いしたい――と組合側に求めました。

 さらに、「これからの競争相手は、トヨタの価値観・スピード感が通用しないIT業界やベンチャーなどの異業種」であり、危機感を共有し、スピードをあげてチャレンジすべきだと強調しました。

トヨタ出勤 技術
(出勤するトヨタの技術労働者ら)

 一時金の満額回答を求めた組合に対し、「高い賞与を支払うためには、生産性や稼働の柔軟性などを含めた競争力という点で、他社を凌駕していかなければならない」といっそうの生産性の向上、競争力の強化を求めました。

 組合側は、安全問題で「作業着が真っ黒になるまで4Sを行う」など、競争力強化と職場力を高めるために、懸命に取り組んでいること。高負荷な職場へ、各工場から応援者を出し、受援率7割を超える組も存在するなどして生産をこなしていると強調しました。

 組合は、一時金の満額回答への要求には、会社との間に隔たりがあること。賃上げ、一時金で納得できる回答を引き出すには、6万8000人の組合員の意思結集が不可欠だとして、職場のバックアップを求めています。
18春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/03/05 12:07

◎トヨタ 第1回労使協 会社「極めて優位性のある水準」と牽制

 トヨタ自動車の18春闘の労使交渉――第1回労使協議会が2月21日(水)、開かれました。

 組合の要求は、賃上げは、1万300円(定期昇給に当たる賃金制度維持分は7300円。ベアは3000円=3年連続で3000円)。年間一時金は、6・6カ月(昨年より0・3カ月増)。シニア期間従業員(2年目からの期間従業員)の日給引き上げ150円――です。

 組合の評議会ニュースによると、委員長に就任し、初めての春闘に取り組む西野勝義委員長は、「労使の基本精神である、『徹底した話し合い』が大変重要」とトヨタの労使協調路線を強調しました。

 豊田章男社長も、「『徹底した話し合い』は当社競争力の根幹」と応じ、「2月24日は、トヨタ再出発の日(注、大規模リコールで豊田社長が米公聴会に呼ばれた2010年の同日のこと)であり、労使宣言締結の日、当時の学びを踏まえ、話し合いを重ね、強くなった私たちが、攻めに転じる日にしたい」とのべました。

トヨタ 堤工場労働者
(賃上げ、一時金は切実です。写真は出勤するトヨタ労働者)


 外人取締役として初めてディディエ・ルロワ副社長(ルノーのルマン工場副工場長などを歴任)が出席。世界の自動車メーカーの「『生きるか死ぬかの戦い』を生き抜くために、『体力(収益)』と、市場が前年割れ見込みの中、トヨタは『勢い(プレゼンス)』を確保し、(18年の世界販売計画)対前年2桁増の950万台へチャレンジ」しようとトヨタのいっそうの競争力強化に向けて激を飛ばしました。

 賃上げについて組合側は、「トヨタの動向が世の中の注目を集め、影響を与えている環境下において、我々に期待されている役割・責任をしっかり果たす必要がある」と利益NO1のトヨタと組合の立ち位置を指摘しました。

 これに対し上田達郎専務役員は、トヨタの賃金は「極めて優位性のある水準」と強調した上で、「各社の賃金の絶対水準に着目した賃金引上げこそが重要であり、『大手企業・親会社-α』といった従来の昇給決定の枠組みを打破していかなくてはならない」とのべました。「大手企業・親会社-α」は、組合側がこれまで主張してきたことです。

 その上で、「トヨタの働き方を変革し、オールトヨタ、ひいては日本の競争力強化に資する賃金制度、人事制度も含めたメッセージを発信していきたい」とトヨタの賃金・人事制度が日本の競争力を左右するものであると強調しました。

 一時金について上田専務役員は、「今回の要求水準は極めて高く、そのまま応えることは困難」と早くも組合側を牽制しました。

 第2回労使協は、2月28日(水)に開かれ、3月14日(水)の金属労協(JCM)のいっせい回答日に合わせて回答が示される予定です。
18春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/02/24 10:58

◎賃上げ要求3000円を会社に提出 トヨタ労組

 トヨタ労組は2月14日、賃上げ要求3000円など18春闘の要求を会社側に提出しました。2月8日の評議会で可決したものです。3000円は、3年連続です。

 要求内容は――。
(1) 技能職、EX級、技能4等級の賃金を37万8480円に引き上げる。1人平均で1万300円の賃金引き上げを要求する。このうち定期昇給に当たる賃金制度維持分は7300円。賃上げ分(ベースアップ=ベア)は3000円。

(2) 年間一時金は、基準内賃金の6・6カ月を要求する(昨年より0・3カ月多い)。夏は3・6カ月、冬は3・0カ月を配分する。

(3) スキルド・パートナー(60歳定年以降で働く組合員)、パートタイマーは、賃上げ、一時金とも一般組合員の交渉結果に連動した要求をする。

(4) シニア期間従業員(2年目からの期間従業員)の日給を150円引き上げるよう要求する。

本社地区 出勤
(出勤するトヨタの労働者ら。右のビルはトヨタ本社)

 評議会では、職場委員長から安倍政権が3%の賃上げを日本経団連に要請していることについて、執行部の受け止め、要求水準との関係についての質問が出ました。

 執行部が提案したベア3000円は、基準内賃金の0・8%であり、賃金制度維持分を加えた1万300円では、2・8%です。安倍政権の3%要請に届いていないからです。

 執行部は、春闘は「『1年の総決算』として労使で議論を尽くす場であり、外部からの圧力でこれまで大切にしてきた労使の真摯な議論が損なわれることがあってはならない」と答弁しました。

 また、一時金要求を昨年より増やしたことについて職場委員長から、「単独の営業損益は通期で1兆1000億円黒字の見通しだが、為替変動による増益分が多く、収益構造が改善されているとは言いにくい」として、「満額が取れるのかという懸念の声もあった」との質問が出ました。

 執行部は、1年間の努力、頑張り、こだわり、思いを会社に訴えていくこと、全組合員が一枚岩となって交渉に臨むことが不可欠などと答弁しました。

 トヨタの春闘は、2月21日(水)に第1回の労使協議会が開かれ、以降毎週水曜日に2回目、3回目が開かれ、3月14日(水)の金属労協(JCM)のいっせい回答日に合わせて会社から回答が示されます。
18春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/02/15 18:39

◎トヨタ労組の賃上げ要求案は3000円

 トヨタ労組は18春闘の賃上げ要求として執行部は1月29日、3000円を提案しました。16、17年も3000円でしたから3年連続になります。職場討議を経て、2月8日に開く評議会で採決します。上部団体の金属労協や自動車総連は、3000円以上であり、それに沿った要求です。

 要求内容は、技能職、EX級、技能4等級の賃金を37万8480円に引き上げるというものです。1人平均で1万300円の賃金引き上げになります。このうち定期昇給に当たる賃金制度維持分は7300円で、賃上げ分(ベースアップ=ベア)は3000円です。

 要求の基礎(一般組合員平均)は、35万8990円で、平均年齢は38・5歳、平均勤続は17・4年、平均扶養は1人です。対象組合員数は6万2529人です。

 トヨタは、昨年11月7日に発表した2018年3月期の第2四半期決算(17年4月~9月)で、3月期決算の営業利益は、前期より0・3%多い2兆円になるとの見通しを発表しました。

 実際に2兆円台になれば、過去最高の2兆8539億円だった16年3月期に続く利益になります。日本の大企業なかでは突出した利益です。内部留保の利益剰余金は、すでに18兆円を超え、日本の大企業でダントツです。

30 トヨタの営業利益 要求・回答 17年まで


 安倍政権は、日本経団連に対し3%(定昇2%、ベア1%)という具体的な数字をあげて賃上げを要請しています。連合は、ベア2%の要求(別に定昇2%程度)を掲げています。

 トヨタのベア3000円の要求案は、基準内賃金の0・8%です。賃金制度維持分を加えた1万300円では、2・8%です。安倍政権の3%要請、連合の2%に届いていません。

 これは、上部団体の金属労協(JCM)や自動車総連が、関連・下請けなどの底上げ、格差是正を掲げて、引き上げ率ではなく、絶対額を重視した引き上げを求めているからです。

 その結果、トヨタ労組を上回る回答を得た労組は、全トヨタ労連のなかで、16春闘では9労組、17春闘では38労組を数えました。これまでのトヨタ労組を頂点にした回答が様変わりしています。

 日本の“リーダーユニオン”のトヨタ労組の賃上げ要求が3000円で妥当かどうか、職場集会や評議会での真剣な議論が求められます。

 トヨタ労組の過去4年間の要求と獲得額は次の通りです。
         要求    獲得額
 2014年春闘  4000円  2700円
   15年春闘  6000円  4000円
   16年春闘  3000円  1500円
   17年春闘  3000円  1300円(別に家族手当の引き上げ分1100円)

 また、18春闘での年間一時金要求案は6・6カ月です。17春闘の6・3カ月(約230万円)より0・3カ月増です。一時金は、17春闘をふくめ過去4年間満額回答です。16春闘は、7・1カ月(約257万円)、15春闘は、6・8カ月(約246万円)、14春闘は、6・8カ月(244万円)でした。

 2年目からのシニア期間従業員(組合員)の日給を150円引き上げることを提案しています。期間従業員の日給は、過去4年間、150円(17春闘)、150円(16春闘)、300円(15春闘)、200円(14春闘)で、いずれも満額回答でした。人手不足で期間従業員が集まらないなど深刻な背景があります。
18春闘 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2018/02/01 12:40

◎賃上げ3%する、しない? 豊田社長答えず

 日本経団連など財界(経済3団体)は1月5日、新年祝賀会を東京のホテルで開きました。東京テレビが、恒例の社長インタビューをし、安倍首相が呼びかけている3%の賃上げに応えるかどうか? 今年の日経平均株価は?――に答えていました。

 春闘の賃上げ相場を決めてきたのは日本1の利益のトヨタ自動車です。東京テレビは、3%の賃上げをするなら「YES」、しないなら「NO」と書いたボードを掲げて欲しいといいます。

 豊田章男社長は、どちらも掲げず、次のように語りました。
 「うちの会社は(労組と)話し合いをしっかりする。(その様子を)テレビ中継をしたいくらい」

東京テレビ 豊田社長 賃上げ
(東京テレビの賃上げインタビューに答える豊田章男社長=1月5日)

 トヨタの春闘は、団体交渉とはいわず、「労使協議会」といいます。2~3月にかけて毎週、水曜日に4回、豊田社長ら会社幹部、トヨタ労組委員長ら労組幹部ら労使約300人が本社の会議室で“話し合い”をします。

 豊田社長は、「テレビ中継をしたいくらい」とのべましたが、ぜひとも東京テレビで実現してほしいものです。

 インタビューされた19社の社長らのうち、ANA、アサヒグループ、大和証券、三菱商事、伊藤忠商事、三井不動産の6社は3%の賃上げに応じるとしていました。

 しかし、豊田社長は明確な態度を示しませんでした。不満が残りました。ちなみに、この4年間のトヨタの賃上げ、一時金は次の通りです。

      賃上げ要求    回答額   一時金(要求に対し満額回答)
2014年  4000円  2700円  6・8カ月(244万円)
  15年  6000円  4000円  6・8カ月(246万円)
  16年  3000円  1500円  7・1カ月(257万円)
  17年  3000円  1300円  6・8カ月(230万円)

 18年3月期の営業利益は2兆円の見通しです。過去最高の2兆8539億円だった16年3月期以来に次ぐ利益になります。内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、17兆6010億円(17年3月期決算)で、日本の大企業でダントツです。

 豊田社長、ドーンと賃上げ、一時金を頼みます。

 また、豊田社長は、18年の日経平均株価の予想を問われ、2万7000円と答えました。「AIとか自動運転とか電動化とか新しい成長エンジン」があるからというのが理由です。さて、予想は当たるでしょうか?

東京テレビ 豊田社長株価
(東京テレビの株価の予想に答える豊田章男社長=1月5日)


18春闘 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2018/01/06 16:32

◎電気自動車化の影響は? トヨタシンポ開く

 第33回トヨタシンポジウムが12月17日(日)、デンソー本社などトヨタグループが集中する愛知県刈谷市で開かれ、75人が参加しました。電気自動車(EV)化、自動運転化などが急速に強まるなかで、雇用や関連・下請けへの影響を探ろうと開かれました。

 シンポは、愛知県労働組合総連合(愛労連)などでつくるトヨタ総行動実行委員会が開いたもの。フランスやイギリス、中国などの政府は環境規制を強めるために、EV化をすすめています。また、米IT企業のグーグルなどが自動運転化で、自動車産業に参入しようとしています。

 榑松佐一実行委員長(愛労連議長)はあいさつで、トヨタが電動化について明らかにするなかで、自動車産業の最大の集積地・愛知県で、EV化が地域経済に与える影響はどうなるのか、部品点数の減少が下請けに与える影響、高校生の就職の問題など、「しっかり勉強をしていこう」と呼びかけました。

 岐阜経済大学の岩坂和幸准教授が、「EV化が自動車および自動車生産構造におよぼす影響とは」と題して1時間半にわたってくわしく講演。約100年にわたって続いてきたガソリン車は、その構造と機能は変わらなかったと指摘しました。

 しかし、ネットに常につながる自動運転化の流れのなかで、レスポンス(反応)の速さでは電動化車両(EVとFCV=燃料電池車=)がガソリン車にとって代わると強調。エネルギー効率からいうとEVが約70%に対し、FCVは約25%で、EVに優位性があるとのべました。

トヨタシンポ 20171217
(EV化をめぐって議論になったトヨタシンポ=12月17日、刈谷市内)

 また、自動運転は、シャシ統合制御の主役だったブレーキメーカーが、インホイールモーターの登場で降りる可能性が出てきたことなどを詳しく解明しました。

 さらに、ジャスト・イン・タイムと労働のフレキシビリティ(柔軟性)の2つの柱からなるトヨタ生産方式や親会社とピラミッド型のサプライヤー組織などが、電動化、自動運転化のなかで、部品会社の再編など自動車産業の構造に大きな影響を与えることを詳細にのべました。

 この後、参加者から活発な質問が相次ぎました。実行委員会の知崎広二事務局長(愛労連事務局長)はまとめで、「シンポはタイムリーな企画になった」とのべ、トヨタをめぐる情勢の特徴について報告しました。

 トヨタは18年3月期決算で1兆9500億円もの営業利益を予想していること。内部留保が20兆円を超えるように日本の大企業で群を抜いていること。職場では、事務・技術職に裁量労働的な「FTL」が12月から導入されたことなどを報告しました。

 そして2月上旬にトヨタ本社や関連企業に賃上げと下請け単価の改善を求めて要請行動をし、2月12日(振替休日)に18春闘勝利、トヨタ総決起集会・デモ行進を豊田市内で行うことを提起しました。

18春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/12/18 17:28

◎連合は「官製春闘」を打破できるか

 2018春闘が始まります。トヨタ労組の上部団体、連合は12月5日に中央委員会を開き、18春闘の要求としてベア2%程度とすることを決めました。ベア2%程度は、3年連続。定期昇給をふくめると4%になります。

 日本の春闘は、2002年に1兆円の利益をあげていたトヨタ自動車が、組合をベアゼロに抑えて以来、組合が要求をしなかったこともあって、長い間、ベアゼロか、1000円程度に抑えられてきました。

 しかし、2014年以来、4年連続で賃上げが実現しました。春闘相場に最も影響を与えるトヨタ労組は、2700円(14年)、4000円(15年)、1500円(16年)、1300円(17年)の回答を得てきました。

 この背景には、安倍政権がデフレ脱却、「アベノミクス」のために日本経団連に、賃上げを要請してきたことがあります。18春闘では定昇込みで3%を要請しています。さらに、賃上げした企業には減税しようとしています。メディアでは、こうした春闘を「官製春闘」と揶揄(やゆ)してきました。

出勤 トヨタ本社
(出勤するトヨタ労働者=右はトヨタ本社)

 今年10月の連合大会で、トヨタ労組から初めて事務局長に就任した相原康伸氏は、ハフポストのインタビューに応え、「官製春闘」にこう反論しています。

 「私たちは、政府に要求書を出し、政府から回答を得るわけではない。春季生活闘争において、労使は真摯に交渉に臨み、徹底的な話し合いによって解決点・合意点を見出している」

 「私が考える労使自治とは、労使の関係に誰も立ち入らせないという縄張り意識ではなく、その協議・交渉の過程にもその結果にも労使がすべての責任を負うということ。他に責任を求めることは一切ない。政府に望むのは、将来不安の払拭など賃上げがより生きる環境づくりに尽きる」

 「労使がすべての責任を負う」――“労使協調主義”と批判されるトヨタ労使の「労使相互信頼と相互責任」論を示して、「官製春闘」には当たらないとのべています。

 また、相原事務局長はインタビューで、連合の「底上げ・底支え」「格差是正」運動、「大手追従・大手準拠」からの転換、親会社と関連・下請けとの「取引の適正の推進」など、これまでの連合春闘の継続を主張しています。

 このなかで、「2018闘争では、『サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配』を、取引だけでなく、働き方も含めた概念に進化させ、新しい連合運動として展開していきたい」と語っています。

 これは、この4年間、相原氏が自動車総連会長として取り組んできた、完成車メーカーと部品・販売・輸送会社などとの格差をなくすためにサプライチェーン、バリューチェーン運動に取り組み、一定の成果をあげたことがあります。

 実際、全トヨタ労連のなかで、トヨタ労組を超える回答を得た組合は14、15春闘でゼロだったのが、16春闘では9労組、17春闘では38労組に増えました。

 さらに相原事務局長は、「個別労使交渉において、非正規問題をど真ん中に置いて処遇改善を求めるのはごく自然なこと」と非正規労働者に力を入れることを表明しています。

 具体的には、「有期雇用労働者の無期転換や正社員化の取り組みを通して、職場には多様な雇用形態が生まれる。産業労使、個別労使においては、その処遇改善に向け職場の実態に即した、より濃密な話し合いが求められる」とのべています。

 自動車産業では、トヨタや日産自動車などが期間従業員の無期転換「5年間ルール」の“クーリング”(6カ月)を利用して、無期転換させないようにしていたことが発覚し、大問題になっています。

 文字通り、非正規労働者を“ど真ん中に置いて”、無期転換ができるよう18春闘で連合が全力をあげることが求められています。

 トヨタ労組が加わる金属労協は、18春闘の賃上げ要求として17春闘と同じ3000円をかかげています。日本の企業の内部留保(利益剰余金)は400兆円を超え、そのなかでもトヨタは18兆円と突出しています。トヨタ労組が3000円ほどでいいのか――職場で十分議論しようではありませんか。
18春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/12/12 16:19

◎利益剰余金を賃上げに 日経新聞

 日経新聞(11月27日付)が、上場企業のうち利益剰余金(内部留保)が過去最高に達したのは56%を超えたことを伝えています。9月末の中間決算で、約3500社の利益剰余金を調べたものです。

 日経は、利益剰余金は「内部留保とも呼ばれ」ると書いています。トップは、表のようにトヨタ自動車の約18兆円、2位はホンダの約7兆円、3位はNTTの約6兆円…と続くとしています。

表 日経 利益剰余金
(日経新聞、11月27日付から)

 その上で、「好業績で累積した剰余金を成長投資にまわさず、現預金のまま眠らせる企業も目立つ。ため込んだ資金を放出するよう求める声が強まる可能性もある」と指摘しています。

 さらに、「従業員の賃金上昇や、株主への配当が抑えられているとの見方も根強い」とのべ、「ため込んだお金をどう使うか、一層の説明が求められそうだ」と企業責任を問うています。

 現預金のまま眠むっていては、経済の好循環につながらないからです。その通りです。中でも賃上げに使ってこそ、GDPの6割を占める個人消費を拡大し、日本経済を好循環させることが可能になるでしょう。

 利益剰余金1位のトヨタの賃上げは、2700円(14年)、4000円(15年)、1500円(16年)、1300円(17年)とこの4年間、連続してあったものの、下がり続けています。

 18兆円もの利益剰余金があるトヨタが、思い切って賃上げをし、他の企業や中小零細企業を引っ張る役割があるでしょう。自動車総連やトヨタ労組は、これから賃上げ要求を決めます。

 内部留保たっぷりのトヨタが、日経が指摘するように、「現預金のまま眠むらせないように」することが組合に強く求められています。18春闘で大いに獲得しようではありませんか。
18春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/11/27 16:08

◎首相が3%の賃上げ期待 アベノミクスの破たんで

 安倍晋三首相は10月26日の経済財政諮問会議で、「賃上げは企業への社会的要請だ。3%の賃上げが実現するよう期待する」と初めて具体的な数字をあげて賃上げを日本経団連に要請しました。

 円安と株高に誘導するアベノミクスで、為替利益を押し上げるとともに株高で、大企業と富裕層には恩恵を与えましたが、表のように安倍政権下で労働者の実質賃金は下がっています。

50 井上紳さん作成
(国公労連の井上伸さん作成の表から)

 このため安倍首相が、3%という数字まであげて賃上げを求め、GDPの6割を占める個人消費を増やしてもらわざるを得なくなったものです。

 実際、日本経団連の調査では、17年の定期昇とベアを合わせた大企業の賃上げ額は、月7755円で、賃上げ率は2・34%でした。賃上げ率が2%を超えるのは4年連続ですが、大半は定昇で、ベアは0・5%程度といいます。この程度のベアでは、実質賃金は上がらないでしょう。

 一方で、中小企業もふくめた企業の内部留保は、406兆円まで積みあがっています。大企業は、設備投資にもまわさず、ベアも0・5%程度では、労働者のサイフのひもは固くなるばかりです。

 経済財政諮問会議で、民間議員である榊原定征経団連会長は、安倍首相の要請に対し、「前向きに検討したい」と答えましたが、果たして個別企業が応じるでしょうか?

 日本最大の利益、内部留保をかかえるトヨタ自動車は17春闘で、「賃金を引き上げる要素は見当たらない」と言って、組合の3000円の賃上げ要求に対し、半分以下の1300円しか回答しませんでした。

 連合は10月19日、18春闘のベア要求を「2%程度」とする方針を明らかにしました。定昇を合わせると4%程度になります。「2%程度」の要求は、3年連続です。

 上記のように、実際の大企業のベア上昇分は0・5%程度であり、内部留保はたっぷりです。「2%程度」の要求で果たしていいのか? 再検討するする必要があるでしょう。
18春闘 | コメント(9) | トラックバック(0) | 2017/10/27 18:41
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