◎三輪さんの過労死認定に大きな拍手 第38回トヨタ総行動

 今年で38回目を迎える「トヨタ総行動」が春分の日の3月20日(月)、トヨタ自動車の本社、工場がある愛知県豊田市を中心に行われました。1981年に始まった総行動で、日本最大の大企業・トヨタに、賃上げなど社会的責任を求めて本社までデモ行進しました。

 毎年、トヨタが出勤日になる2月11日の「建国記念の日」に開いてきましたが、今年は2月11日が土曜日になったために、この日の開催になりました。主催は、愛知県労働組合総連合(愛労連)などでつくる実行委員会です。

総1


 この日は、春の暖かい日差しがいっぱい。決起集会が開かれた豊田市内の山之手公園には約500人が参加。大きな拍手で迎えられたのは、三輪香織さん(39)です。

 夫は、トヨタの関連会社のテー・エヌ・シーで働いていて過労死した敏弘さん(当時37歳)です。香織さんは、先月の2月23日、名古屋高裁に労災と認めさせました。

 しかも、香織さんの支援する会が厚労省に上告をしないよう求め、日本共産党の小池晃参院議員(書記局長)が厚労省政務官に要請するなどして、厚労省が上告を断念。名古屋高裁判決が確定するという大きな動きになりました。

香織さんは、昨年、1昨年のこの決起集会で支援を訴えていました。以下は、この日の訴えの要旨です。

……
 夫が37歳の若さで亡くなって5年半になります。名古屋高裁で労災と認められました。みなさんの支援がなかったら、この日を迎えられなかったでしょう。心より感謝いたします。

総2
(訴える三輪香織さん)

 夫は7時半に出勤するために朝早く家を出て、帰宅するのは深夜でした。自宅にいるのは数時間しかありませんでした。後はずっと仕事のために時間を費やしていました。仕事のために命を奪われたのは明らかです。

 名古屋地裁では認められず、司法は理解ないのかと落胆しました。労働基準監督署が、夫が亡くなる1カ月前の残業として認めたのは85時間48分でした。名古屋高裁は、サービス残業していたこと、うつ病をかかえていたことで十分に睡眠が取れなかったとして過重労働だと認めたのです。

 こんな長時間労働は異常です。まちがっています。国は100時間残業できることを決めました。とんでもないことです。100時間を前に心身を壊す人はたくさんいます。命を削って働いてはいけません。遺族は、は過労死を防げなかったとして一生悔やみ続けます。誰もが健康で働ける世の中に、国と企業が改善していくことを強く望みます。
……

総3


 決起集会では、榑松佐一愛労連議長が、「トヨタに部品単価の大幅引き上げを求め、全労働者の賃金を改善しようと」と呼びかけました。全労連の小田川義和議長は、トヨタなど3月15日の金属労協への低額回答を批判。「内部留保を地域、労働者、下請けに活用しろと生き高くたたかおう」と訴えました。JMITU、愛商連、東京公害患者と家族の会が決意表明しました。

総4
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17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/03/21 11:30

◎「一律的に引き上げる要素は見当たらない」 第2回労使協

 トヨタ自動車の17春闘第2回労使協議会が3月1日(水)開かれました。会社側は、組合の3000円の賃上げ要求に対し、「一律的に引き上げる要素は見当たらない」などと強い難色を示しています。

 組合の評議会ニュースによると、組合側は昨年4月の熊本地震で、部品工場が被災に遭う中で、応援に入った組合員は余震に身をすくめながらも稼働再開に努力・頑張ったことを訴えました。

 また、クラウンやレクサスなどを生産する元町工場では最遅タクトを大幅に下回るタクトダウンのなかで、「決して下を向かず、将来に向けた強い職場づくりに向けて挑戦している」などと強調しました。

 田原工場では、マイスターになることを決意し、認定試験に合格したこと――など組合員の頑張り・努力を訴えて賃上げ要求、一時金要求(年間6・3カ月、約230万円)に応えることを求めました。

 会社側は、9つのカンパニーのうち3人のプレジデントが、「ソフトウェアの生産性をいかに向上させるか」「大幅な生産性向上による働き方変革へ挑戦」が必要などと組合員の生産性向上などを強調しました。

トヨタ テクニカル
(出勤するトヨタのテクニカルセンターの技術労働者)

 伊地知隆彦副社長は、「競争力・経営環境・賃金水準・日本経済の貢献の観点 から、賃金制度維持分(定昇のこと)を超える引き上げ要素は見当たらない」などと賃上げを強く否定しました。

 上田達郎常務役員は、一時金要求の総額は1400億円になるとして、3月の単独営業は6900億円という見通しであり、これは「1ドル100円を切る水準の円高に振れれば、全ての利益を消し去りかねない、非常に危惧すべき水準」として満額回答に難色を示しました。

 組合員は、車やマイホームのローン、子どもの教育費、医療費、60歳以降の再雇用での大幅賃金ダウン、老後のたくわえなどで、“生活に余裕”などはまったくなく、賃上げ、一時金に大きな期待を持っています。

 賃上げ、一時金の満額回答は絶対です。組合と会社の交渉は、大きな開きを見せながら、事実上の最後の協議になる3月8日(水)を迎えます。
17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/03/04 11:40

◎賃上げの要素は見当たらない 第1回労使協

 トヨタ自動車の17春闘第1回労使協議会が2月22日(水)に開かれました。トヨタ労組(6万8000人)の要求は、賃上げが3000円、一時金が年間6・3カ月、組合員であるシニア期間従業員の日給引き上げが150円です。

 組合の「評議会ニュース」が労使のやりとりを伝えています。組合側は、組合員は「労働の質」を高めており、それは十分存在していると強調。同時に、トヨタ労使は、社会全体の「賃金の底上げ・底支え」の取り組みの下支えする役割もある――などと主張しました。

 会社側は、豊田章男社長が「トヨタの労使交渉の『徹底した話し合い』は誇るべき伝統」と強調。本年もしっかり受け継いでいきたいとのべました。

出勤時間 TOYOTA本社
(出勤するトヨタ労働者=右はトヨタ本社)

 伊地知隆彦副社長は、(電動化、自動化などの)自動車産業の構造変化に、積極的な投資が必要である一方、(労務費など)固定費は増加し、収益構造は悪化していると主張しました。

 その上で、「賃金を引き上げる要素は見当たらない」と3000円の引き上げを否定しました。また、一時金の要求は、「単独営業利益の5分の1にも相当する(組合員総額で)1400億円にも上ることを踏まえると高すぎる水準」と難色を示しました。

 また、上田達郎常務役員は、一時金の6・3カ月要求は、1人当たり230万円に相当するとのべ、「他社をはるかに上回るトップ水準」と主張しました。

 組合は、この日の協議をふまえ、「次回より労働の質的向上、賃金の社会性、この1年の努力・頑張り・思いを主張し徹底的に論議を尽くす」としています。
17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/02/25 11:16

◎17春闘 3000円の賃上げ求め労使協議

 トヨタ自動車の17春闘は、今日2月22日(水)から労使協議が始まります。毎週水曜日に協議が行われ、4回目に当たる3月15日(水)に、トヨタ労組を始めとする金属労協加盟の組合へいっせいに回答が示される予定です。

 トヨタ労組の要求は、賃上げが16春闘と同じ3000円です。一時金の要求は年間6・3カ月で、16春闘の7・1カ月(約257万円)より0・8カ月減っています。

 過去3年間の賃上げ要求と獲得額、一時金要求は次の通りです。

      賃上げ要求    獲得額   一時金(要求に対し満額回答)
2014年  4000円  2700円  6・8カ月(244万円)
  15年  6000円  4000円  6・8カ月(246万円)
  16年  3000円  1500円  7・1カ月(257万円)

 また、2年目からのシニア期間従業員(組合員)の日給を150円引き上げることを求めています。期間従業員の日給の引き上げ要求は、過去3年間、200円(14春闘)、300円(15春闘)、150円(16春闘)、で、いずれも満額回答でした。

出勤するトヨタ労働者 三河豊田駅
(出勤するトヨタの労働者ら=豊田市の三河豊田駅)

 組合は、15日に要求を会社側に提出。要求書を受け取った伊地知隆彦副社長は、「賃金をこれ以上引き上げるべき要素は見当たらない」と早くも賃上げに難色を示しました。

 一時金についても、「非常に高い水準。将来に向けた投資に影響を与えかねない」などといって組合をけん制しました。

 トヨタの3月期の営業利益見通しは1兆8500億円と日本の大企業でダントツです。内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、なんと17兆円を超えます。どこから見ても引き上げ可能の“要素”はいっぱいです。満額獲得めざし頑張りましょう。
17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/02/22 07:02

◎内部留保を賃上げに トヨタ本社前で訴え

 第38回トヨタ総行動実行委員会(愛知県労働組合総連合などで組織)は2月16日早朝、総行動の一環として愛知県豊田市のトヨタ自動車本社前で、トヨタの19兆円の一部を賃上げに回せと訴えました。

 1981年に始まったトヨタ総行動は、40年近い歴史を持っています。この日は、寒さも少し緩みました。本社や本社工場、テクニカルセンターなどが並ぶトヨタ本社地区には、労働者が次々出勤してきます。

総行動1
(出勤するトヨタ労働者ら。右のビルはトヨタ本社)

 前日の15日に、連合に加盟するトヨタ労組は、3000円の賃上げ要求を会社に提出しており、3月15日の回答日に向けて交渉が始まります。利益、内部留保日本1のトヨタの賃上げは、日本の賃上げの動向を左右しています。

 実行委員会の榑松佐一委員長(愛労連議長)らは同じ15日、関連・下請け会社が経営の安定をはかり、下請け労働者への賃上げが可能となるような施策をトヨタ本社へ申し入れました。

 実行委員会はまた、16日も、デンソーやアイシン、トヨタ車体などにも同様の申し入れを行いました。トヨタ本社で榑松委員長らは、中日新聞も内部留保の一部を賃上げに回せと書いていることを指摘した上で、要請しました。本社側は、要請に聞き入っていましたが、要請書は受け取りませんでした。

総行動2
(訴えるトヨタ総行動の榑松佐一実行委員長ら=右端)

 16日の本社前宣伝では、トヨタは19兆円もの内部留保をため込んでいることを明らかにしながら、賃上げの実現と中小・下請け企業への単価引き下げをやめることなど、トヨタに社会的責任を求めるビラを、出勤する労働者らに配布しました。

総行動3
(安倍「働き方改革」NO、と訴える労働者)

 実行委員会は、安倍政権が「働き方改革」などといって、残業時間が100時間まで可能になるような動きを示していることをあげ、「安倍『働き方改革』NO」「人間らしく働くためのルール」との横断幕を掲げて訴えました。

総行動4
(総行動実行委員会のビラ)
17春闘 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/02/16 17:16

◎「会社富み 民貧し」 中日・東京新聞が特集

 中日新聞と東京新聞が2月12日付のサンデー版で、「会社富み 民貧し」「利益配分 労働者に薄く」「増え続ける企業の現・預金」――との特集を組んでいます。

 特集では、「春闘で賃上げが実施されてきたものの、賃上げの実感が行き渡っていないのが現状」とのべ、労働者への労働分配率が低下する一方で、企業が現・預金を積み上げている、と指摘。たくさんの図を使って解明しています。

 1997年度に、67・5%あった労働分配率は年々下がり続け、15年度に58・7%にまで下がっていることをグラフ化しています。これに対し、企業の現・預金は――。

 97年度に134・5兆円あったのが、15年度には199・9兆円へと増え続けている――というのです。

中日 内部1 (2)

中日 内部2


 さらに、企業は貯め込んでいても投資は進まず、労働者の生産性は高まっても賃金に反映されていない。ドイツ、フランス、アメリカなどでは労働者の実質賃金が上がっているのに、日本やイタリアなどは下がっている…も明らかにしています。

 中央大学の松沢弘兼任講師は、企業が貯め込んだ内部留保は、15年度で377兆円にもなっていることをあげ、その一部でも賃上げに回せば、個人消費増→国内需要増→企業の業績向上→設備投資増…で景気の全般的な回復につながると指摘しています。

 この指摘は、ブログ「トヨタで生きる」で、くり返し主張してきたことではないですか! 2月15日は、トヨタ労組が会社に賃上げ要求(3000円)を提出する日です。掛け値なしで満額を獲得しようではありませんか。

 内部留保たっぷり、トヨタは日本でダントツの20兆円! 一部を賃上げに回せ!
17春闘 | コメント(9) | トラックバック(0) | 2017/02/13 13:08

◎トヨタ労組 17春闘の要求案3000円

 トヨタ労組は17春闘の賃上げ要求として執行部は3000円を提案しています。職場討議を経て、2月10日に開く評議会で採決します。上部団体の金属労協や自動車総連は、3000円以上であり、それに沿った要求です。

 要求内容は、EX級、技能4等級、技能職の賃金を36万6980円に引き上げるというものです。1人平均で1万300円の賃金引き上げになります。このうち定期昇給に当たる賃金制度維持分は7300円で、賃上げ分(ベースアップ)は3000円です。

 要求の基礎(一般組合員平均)は、35万4960円で、平均年齢は38・4歳、平均勤続は17・3年、平均扶養は1人です。対象組合員数は6万1941人です。

 トヨタは2月6日に開いた4~12月の決算発表会で、2017年3月期(連結)の営業利益の見通しを、円高などのために1兆8500億円としました。前期の2兆8539億円より約1兆円減益になる見通しとしていますが、それでも日本の大企業なかでは巨額の利益を得ます。

 内部留保の利益剰余金は、すでに17兆円を超え、日本の大企業で突出しています。自動車総連は、自動車産業の“付加価値(利益)の循環運動”で、中小労組の底上げ、底支えをかかげています。

 日本の“リーダーユニオン”のトヨタ労組の賃上げ要求が3000円で妥当かどうか、職場集会や評議会での真剣な議論が求められます。

出勤するトヨタ労働者
(出勤するトヨタ労働者)

 トヨタ労組の過去3年間の要求と獲得額は次の通りです。
         要求    獲得額
 2014年  4000円  2700円
   15年  6000円  4000円
   16年  3000円  1500円

 また、17春闘での年間一時金要求案は6・3カ月です。16春闘の7・1カ月(約257万円)より0・8カ月減です。一時金は、16春闘をふくめ過去3年間満額回答で、15春闘は、6・8カ月(約246万円)、14春闘は、6・8カ月(244万円)でした。

 2年目からのシニア期間従業員(組合員)の日給を150円引き上げることを提案しています。期間従業員の日給は、過去3年間、150円(16春闘)、300円(15春闘)、200円(14春闘)で、いずれも満額回答でした。人手不足で期間従業員が集まらないなどの背景があります。
17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/02/09 10:40

◎トヨタシンポ開く 36年間の総行動の成果の上に

 第32回トヨタシンポジウム(愛知県労働組合総連合などでつくる実行委員会主催)が2月4日(土)、デンソー本社が見える愛知県刈谷市内で開かれました。

 トヨタの社会的責任を求めて第1回のトヨタ総行動が開かれたのが1981年。わずか80人の参加から、今日では約1000人が参加して豊田市内で集会を開き、トヨタ本社に向けてデモ行進する、2月の“トヨタ総行動”としてすっかり定着しています。

 日本1、しかも20兆円もの突出したトヨタの内部留保の還元(還流)で、賃上げや下請け単価の切り上げなど労働者、下請け業者らの要求を実現しようという国民春闘として位置づけられています。

 日本のなかでも例のない総行動です。シンポでは、愛労連の榑松佐一議長が「総行動は今年で38回目になり、シンポは今日で32回目になる。その時代、時代のトヨタの問題を明らかにし、トヨタに社会的責任を迫ってきた。これまでの役割を明らかにしていきたい」とあいさつ。

 その上で、「われわれが主張してきた内部留保については、今や安倍晋三首相や麻生太郎財務相も語るほどで、世論化してきた。トヨタも一時、下請け単価の切り下げを見送らざるを得なくなった」と運動の成果を強調しました。

トヨタシンポ1
(シンポジウムでは、スライドで総行動の歴史を振り返りました)

 この後、榑松議長と西三河労連の桜井善行顧問が総行動のたたかいの歴史と意義について対談。総行動が誕生した経過やトヨタの下請けへのアンケート調査、トヨタが電気料金の安い土、日曜日に労働者を出勤させ、木、金曜日に休みして労働者、地域を大混乱させたが、2回(1987年、2011年)とも1年限りでやめさせたこと、トヨタ堤工場での内野過労死事件を名古屋地裁で勝利させた――など総行動での運動と成果について語り合いました。

 トヨタの労働者からは、低賃金、長時間労働などという総行動のスローガンを、もっと社員の感覚に合った内容にする必要があると問題提起。さらに、ベテラン労働者から期間従業員、60歳からの再雇用者(スキルドパートナー)、障害者まで「1人工」(いちにんく)扱いされ、ラインでの厳しい労働に耐えられず退職に追い込まれている実態を告発。再雇用者が増えるなかで、労働の軽減策などを訴えていくと語りました。

 日本共産党の根本みはる豊田市議は、豊田市がトヨタテストコース造成で公的支援を行うなどトヨタへのばく大な市の補助金制度を市議会で追及してきたこと、2008年のリーマン・ショック時のトヨタと関連会社の派遣切り・非正規切りに相談に乗ってきたことなどを報告しました。

トヨタシンポ2


 またフロアーから参加者、学者が発言しました。「『1人工』なんてありえないこと。能力に見合って仕事をさせるべきだ」とか、「総行動は、トヨタのばく大な内部留保を還元(還流)させようとの主張で世論をつくってきた。16春闘で、自動車総連・トヨタ労組は“付加価値(利益)の循環運動”を主張した。全トヨタ労連のなかで32労組がトヨタ労組の1500円の賃上げ獲得額を上回った。これまでになかったこと。36年間の総行動に確信を持ち、さらに総行動を発展させよう」などと語りました。

 愛労連の知崎広二事務局長は、まとめと行動を提起。今年の総行動は例年開いている2月11日が土曜日でトヨタ本社・工場が休みになるために、3月20日(月、祭日)の午後1時から豊田市の山ノ手公園で集会を開いた後、トヨタ本社へ向けてデモ行進する――などを提起しました。
17春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/02/06 09:52

◎3000円以上の賃上げ要求 自動車総連

 自動車総連は1月12日、広島市で春闘要求を決める中央委員会を開きました。相原康伸会長(トヨタ労組出身)は、あいさつで14春闘からの3年間で、「底上げ」「格差是正」を着実に前進させてきたことを止めてはならず、中小労組と非正規労働者の賃上げを加速させる必要があるとのべました。

 具体的には、連合の「2%程度基準」に沿って、賃上げ(ベア)として3000円以上をめざすとしました。これで、14春闘から4年連続の賃上げ要求になります。

 自動車産業では、トヨタ自動車が円安から円高に振れることで営業利益が1兆円以上減る見通しから、その対応が注目されてきました。「底上げ」「格差是正」を前進させる立場から、16春闘と同じ3000円以上の要求となったものです。

 全トヨタ労連も13日、トヨタ労組も3000円以上の要求を決定。これで、トヨタ労組も3000円の要求をかかげる方向となります。

出勤するトヨタ労働者
(出勤するトヨタ労働者)

 相原会長がのべたように、「底上げ」「格差是正」については、全トヨタ労連のなかでもこの3年間前進してきました。

 16春闘で、トヨタ労組は3000円を要求して獲得額は1500円でした。全トヨタ労連(製造)のなかで、トヨタ労組より要求が上回った組合は58労組でした。15春闘の1労組から大幅増になりました。

 獲得額でも、トヨタ労組を上回ったのは32労組で、これもゼロから32労組へと大幅増になりました。

 一方で、賃上げを獲得できなかった労組は8労組ありました。15春闘の3労組より増えました。また、企業の規模別では、大手主要8社と中堅約30社を除いた約80社の小企業の賃上げ平均獲得額は861円にとどまり、トヨタ労組の1500円とは大きな開きがあります。

 「底上げ」「格差是正」は前進したとはいえ、いぜんとして大手と中小企業との間には大きな格差が残っています。トヨタが16年3月期決算で2兆8539億円の空前の営業利益をあげたもとで、その利益が中小にいきわたっていないことを示しています。

 「底上げ」「格差是正」は当然のことですが、それによって利益日本1のトヨタでの賃上げ要求を“自粛”することになってはならないでしょう。“リーダーユニオン”といわれるトヨタ労組が日本の賃上げ額を事実上、左右しているからです。

 トヨタ労組の賃上げ要求と格差是正の2つの課題は矛盾するものではないはずです。
17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/01/14 14:40

◎JCMが17春闘要求、ベア3000円以上

 トヨタ自動車労組が上部団体の自動車総連を通じて加盟する金属労協(JCM、議長=相原康伸自動車総連会長=トヨタ労組)は12月2日、協議委員会を開き、17春闘の要求を「ベア(賃上げ)3000円以上」とすることを決めました。

 JCMは、トヨタや日立、新日鉄住金など金属関係の大手労組、中小労組でつくる協議会で、日本の春闘相場をつくってきました。ベア3000円以上と決めたことで、2月に春闘要求を正式に決めるトヨタ労組も、その方向になることが確実になりました。

 JCMの賃上げ要求は、4年連続になります。トヨタ労組は、この3年間で次のような要求をかかげ、回答を引き出してきました。

       要求     回答
 14春闘 4000円  2700円
 15春闘 6000円  4000円
 16春闘 3000円  1500円

16春闘回答 JCMボード
(トヨタの16春闘の賃上げ回答は、ベア1500円に定昇をふくめて8800円でした。写真は、JCMのホワイトボード)


 トヨタはこの3年間、2兆円~3兆円に迫る営業利益をあげており、回答は当然です。トヨタは11月に発表した2017年3月期の第2四半期決算で、3月期の見通しについて、営業利益は1兆7000億円としています。

 前期の2兆8539億円より1兆円以上減るとしています。その最大の要因は円高ですが、決算時は1ドル103円の見通しでした。足元の円相場は、急速に円安がすすんでおり113円ほどになっています。

 円安の流れが続けば、営業利益は大幅に上方修正になる可能性があります。円高で利益が大幅減になると煽る理由はなくなるでしょう。

 実際、トヨタの内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、16年3月期の16兆7942億円から、第2四半期決算時の16年9月には、17兆4013億円にもなっています。わずか6カ月で6071億円も増やしています。

 内部留保たっぷり。さぁ、4年連続で要求し、大幅なベアを勝ち取りましょう!
17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/12/06 08:55

◎連合 17春闘要求「2%程度」

 労働組合の中央組織、連合は10月20日、中央執行委員会を開き、2017春闘方針を決めました。賃上げ(ベースアップ)は、16春闘と同じ「2%程度を基準」とする方針です。

 定期昇給相当分(定昇、賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とするとしています。春闘の基本として、これまで打ち出してきた「底上げ、底支え」「格差是正」を踏襲することにしています。

 円安、株高を煽ってきたアベノミクスの破たんで、大企業は17年3月期決算では円高によって大幅に減益になると主張しています。日本1のダントツの利益をあげたトヨタ自動車は、2兆8539億円の過去最高の営業利益から、一転して1兆2000億円余り減益になるとしています。

春闘 東京駅
(GDPの6割を占める個人消費を増やすには賃上げが必要です=東京駅)

 過去3年間、大企業労組を中心に賃上げはあったものの、16春闘の結果は利益トップのトヨタでベア1500円(賃金制度維持分の7300円を加えて8800円)に終わりました。

 連合のまとめでは、全体では定昇込みで5779円(2%)、300人未満の中小組合に限ると4340円(1・81%)にです。定昇は当たり前のもので、賃上げとはいえないものです。

 これほどの小幅な賃上げでは、GDPの6割を占める個人消費は伸びず、年金や医療、介護など安倍政権の社会保障の切り下げ・改悪による将来不安で、労働者・国民の財布のひもは固くなるばかりです。

 「底上げ、底支え」「格差是正」は当然ですが、トヨタなど大手労組が全体の賃上げ水準を引き上げる積極的な要求が必要です。トヨタ労組でいえば、4000円(14春闘)から6000円(15春闘)へと要求を引き上げたものの、16春闘では3000円に引き下げました。

 トヨタは過去最高の利益を上げるなかで、回答は前年の1500円に終わりました。こうした轍を踏まないためにも、17春闘では積極的な要求が必要でしょう。
17春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/10/23 07:43

◎17春闘「大変厳しい」と鶴岡トヨタ労組委員長

トヨタ自動車労働組合(約6万8000人)は10月15日、豊田市で定期大会を開きました。毎日新聞は、共同通信の配信記事として次のように伝えています。

……
 鶴岡光行委員長は2017年春闘に関連し、トヨタの17年3月期連結決算が円高進行で「大幅な減益が見込まれる大変厳しい状況だ」と指摘。経営悪化に伴い、賃金交渉が難しくなるとの見通しを示した。
……

 トヨタの17年3月期の見通しは、8月の4~6月決算発表で、過去最高だった前期の営業利益の2兆8539億円より、1兆2000億円余り減益になり1兆6000億円なることを明らかにしています。

 円高が最も大きな要因ですが、原油安によるハイブリッド車の売れ行きがかんばしくないことなどもあります。しかし、それでも1兆6000億円という日本の大企業で突出した利益をあげる見通しです。

30 トヨタの営業利益と賃上げ要求、回答の推移 jpeg


 トヨタの春闘は、表のように2002年から13年までベアゼロか1000円程度の賃上げに抑えられてきました。14年からの3年間でこれを脱し、14春闘では4000円を要求して2700円、15春闘では6000円要求して4000円、16春闘では3000円要求して1500円の回答を獲得してきました。

 自動車総連の相原康伸会長(トヨタ労組出身)は、「賃上げのある労使交渉へのステージへ、確実に扉を開いた」(14春闘で)とのべていました。しかし、アベノミクスは破たんし、GDPの6割を占める個人消費は冷えたままです。

 安倍政権は、来年2月から月末金曜日をプレミアムフライデーと位置づけ、仕事を早く終わらせて買い物や外食をしてもらおうと消費喚起に躍起です。そんな小手先な方法ではなく、もっとも効果あるのは賃上げです。

 4年連続して、賃上げのあるステージへの扉を確実に開くことを、利益NO1のトヨタから実現しようではありませんか。
17春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/10/18 10:19
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