◎16春闘 格差は是正されたか?

 16春闘の回答状況についてトヨタ労組などが加盟する金属労協(JCM)は4月4日、これまでに回答があった865組合の平均は月額1249円だったと発表しました。

 この金額は、15春闘の約7割ほどで、トヨタが3月期決算で史上最高の2兆8000億円の営業利益を上げる見通しなど大企業が空前の利益を上げるなかで、賃上げによる消費拡大と経済の好循環には、ほど遠いものです。

 規模別では、1000人以上が1122円、300~999人が1128円、299人以下は1281円で、規模が小さくなるほど獲得額が大きくなりました。

 これまでの春闘は、大手ほど獲得金額は大きかったのが、初めて中小労組が上回ったことになります。これは、金属労協が16春闘を格差是正、中小の底上げと位置付けたことにより、一定の格差是正になりました。

 背景には、労働人口の減少や東日本大震災の復興事業、東京オリンピックのプロジェクトなどによる人手不足があります。トヨタが期間従業員を募集しても集まらないなかで、中小企業が賃上げをしなければ労働者を採用できない状況に追い込まれているからです。

 15春闘で自動車総連に加盟する労組は、6000円を要求して、トヨタが4000円、ホンダが3400円、ダイハツが1600円とメーカー組合間でも格差が生じていました。

30 自動車 格差是正


 16春闘では、要求を昨年の半額の3000円にし、トヨタ、ホンダ、ダイハツのメーカー組合をはじめ、トヨタグループのデンソー、アイシンの各組合もトヨタと同じ1500円を獲得しました。

 自動車総連が4月1日で集計したところ、メーカー13組合の獲得額(単純平均)は1415円(昨年は3000円)、車体・部品228組合は1039円(同、1435円)、販売111組合は1152円(同、1668円)、輸送10組合は1190円(同、1839円)、一般31労組は1346円(同、2041円)で、メーカー組合とその他の組合の格差は一定程度縮まりました。
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16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/04/05 10:50

◎トヨタ、賃上げわずか1500円を回答

 トヨタ自動労組など金属労協(JCM)に加盟する労働組合の16春闘は、会社側が3月16日、いっせいに回答を示しました。

 賃上げ(ベア)では、トヨタは労組が要求していた3000円に対し1500円を回答しましたが、組合員が願っていた満額の半分という定額回答でした。昨年の4000円回答(要求は6000円)を大きく下回りました。

 定昇分にあたる賃金制度維持分の7300円を加えると8800円です。

 年間一時金は、要求の7・1カ月(約257万円)の満額回答でした。昨年(約246万円)より0・3カ月増です。

 また、組合員である2年目のシニア期間従業員と非組合員の期間従業員の日給を150円引き上げることを求め、回答は満額回答でした。昨年の回答(300円)、1昨年の回答(200円)に続くものです。

 人手不足で、期間従業員が集まらない実態があることも満額回答に結びつきました。

 トヨタの3月期決算(連結)は、過去最高の2兆8000億円の営業利益をあげる見通しです。もちろん、日本企業でダントツの利益です。内部留保も、その大きな部分を占める利益剰余金は、2016年3月期第3四半期まで(15年4~12月)で16兆円を超えています。

 会社のばく大な利益からみると、昨年の回答の半分以下というのは、生活実態からいって組合員が納得できるものでしょうか?

 豊田章男社長ら会社幹部は、労使協議会で、「賃金の引き上げは行うべきではない」「賃金制度維持分を上回る賃金引き上げは1000円に及ばない」などといって賃上げを抑え込みました。

JCM回答
(トヨタの賃上げは1500円に定昇をふくめて8800円です。JCMのホワイトボード)

 他の自動車各社では、ホンダが1100円、三菱自工が1100円、富士重工が1300円、マツダが1200円、日野自動車が1500円でした。

 電機では、日立製作所や三菱電機などの組合が、トヨタ労組と並ぶ3000円の賃上げ要求を求めていましたが、会社側はいっせいに1500円を回答しました。

 新日鉄住金や三菱重工などでつくる基幹労連は、賃上げ要求は2年に1回で、鉄鋼の新日鉄住金やJFEスチール、神戸製鋼は16、17年度に各4000円を要求していましたが、回答は16年度が1500円、17年度が1000円でした。

 三菱重工や川崎重工など造船・重機は16年度に4000円を要求していましたが回答は1500円でした。

 他の産業では、全日空が3000円を要求して14日に出た回答は1500円、日本航空は3000円要求して11日の回答は1000円でした。

 こう見ると、自動車のトヨタや電機の日立、鉄鋼の新日鉄住金、全日空などが1500円で横並びしています。ベテラン労働記者が語っていました。

 「2兆8000億円の過去最高の利益を上げる見通しのトヨタの幹部が、『賃金引き上げは1000円に及ばない』と言ったのが重しになったのではないか。マスコミは、トヨタの賃上げは、『2000円を軸に』との観測があったが、見誤った。1000円から積み上げるのがやっとで、1500円が上限となって横並びした」

 連合やJCMの単産は、16春闘を中堅・中小労組の「底上げ・格差是正」と位置付けました。これから回答が出る中堅・中小労組の回答がどうなるのかが注目されます。

16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/16 23:30

◎1000円に及ばない トヨタ第3回労使協

 トヨタ自動車の16春闘で、第3回労使協議会が3月9日(水)、開かれました。会社側は、組合側の3000円の賃上げ要求に対し、「1000円に及ばない」と極めて厳しい態度を示しました。

 組合の「評議会ニュース」によると、前日の8日に開かれた組合の大集会、ブロック集会で執行部は、賃上げは「納得のいく回答」を引き出す、7・1カ月の一時金要求は「満額に最後まで拘る」との決意を表明したことを会社側に伝えました。

 これに対し上田達郎常務役員は、「現在の厳しい経営、競争環境、極めて優位性のある当社の賃金水準、上昇していない物価状況などを合わせて考えると、本年の賃金制度維持分を上回る賃金引き上げは、1000円に及ばない」と驚くべき発言をしました。

 昨年は、組合の6000円要求に4000円を回答しました。今年3月期決算では、昨年を上回る2兆8000億円の営業利益見通しというなかで、1000円にも及ばないというのです。

 組合側は、「到底理解し難く、納得できない」と強く反論。東富士研究所や明知工場、堤工場の支部長が、組合員が仕事に懸命に頑張っている姿を豊田章男社長や副社長らに訴えました。

出退勤 堤工場
(出退勤する堤工場の労働者)

 東富士研究所では、「失敗もせずに、突き抜けた技術は生まれない」と挑戦し続け、革新技術を生み出してクルマに載せたいと主張。4代目プリウスの生産を始めた堤工場では、1分を切る最速タクトのなかで、量産技術確立に苦闘していることを強調しました。

 豊田社長は、賃金、一時金要求について、「本年ほど悩んでいることはありません」とのべたうえで、「さらに悩みぬいていきたい」と答えました。16日(水)が回答日です。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/14 09:07

◎トヨタ16春闘 マスコミ回答 賃上げ2000円?

 トヨタ自動車の16春闘は、16日(水)に会社側が回答しますが、マスコミは早くも組合の3000円の要求に対し、「2000円を軸に調整」(時事通信)と回答を示しています。

 トヨタ労組は、3月8日(火)に各職場でいっせいに集会を開きました。本社地区の集会であいさつした鶴岡光行委員長は、「賃金は納得いく回答を、一時金は満額に最後までこだわる」とのべました。

 一時金は、最近では最高の7・1カ月を要求しましたが、賃上げは昨年の6000円の半額の3000円の要求です。

出勤するテクニカルセンターの労働者
(出勤するテクニカルセンターの労働者)

 工場の集会で、労組幹部の訴えを聞いた労働者は、「賃金は、満額をめざさないのか? 『納得のいく回答』とは、そもそもなんなのだろう? すでに会社の回答がわかっていて、要求額に満たないということなのか?」と疑問を投げかけていました。

 仮に回答が2000円だとしたら、昨年の回答の4000円の半分です。トヨタの3月決算の見通しは、過去最高の2兆8000億円の営業利益をあげます。

 それなのに回答が下回るとは…。16日の回答までには、まだ時間は十分あります。会社側に満額回答を迫って欲しいというのは6万8000人の組合員の願いではないでしょうか。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/11 07:25

◎トヨタ労組 山場に向け集会

 トヨタ自動車の16春闘は、3月16日(水)の回答日に向けてヤマ場を迎えているが8日、本社地区や工場でいっせいにブロック集会が開かれた。約3万人が働く本社地区では、本社東側のグラウンドで昼休みに開かれた。

 この日、気温が20度を超える夏に近い日差しになった。12時を過ぎると本社ビルなどから組合員が続々、集まっていた。技術労働者が働くテクニカルセンターなどから集まってくる。

トヨタ労組 本社地区集会1


 トヨタは、これまでの2回の労使協議会で、組合の3000円賃上げ要求に対し、「賃金の引き上げは行うべきではない」とのべ、7・1カ月の一時金要求についても、「高すぎる理解しがたい」と厳しい姿勢を示している。

 集会では、ボデー設計B職場の職場委員長が、組合の「評議会ニュース」にそって交渉状況を報告。労組の鶴岡光行委員長は、「賃金は納得いく回答を、一時金は満額に最後までこだわる」とのべ、執行部をバックアップして欲しいと訴えた。

 最後にガンバローコールをした。集会は、昼休みとあって10分ほどだった。

 3月決算で、過去最高の2兆8000億円の営業利益を見込むトヨタ。ダントツの利益を上げるトヨタの春闘だけに、新聞、テレビ各社が集会の様子を取材し、鶴岡委員長にインタビューしていた。

トヨタ労組 本社地区集会2


 今日9日に事実上、最後の交渉になる第3回労使協議会が開かれる。
16春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/03/09 07:47

◎部品値下げ要請して「相互繁栄」?

 トヨタの16春闘をめぐり、3月2日に開かれた第2回労使協議会では、「トヨタグループ全体」の競争力についての議論が行われました。組合の「評議会ニュース」によると、このなかで増井敬二専務役員は次のようにのべました。

 「車両の外注部品は数万社にも及ぶ仕入れ先殿の協力を得て成り立っている。創業以来、仕入れ先殿との相互信頼に基づく相互繁栄を共に目指す関係を継続し、苦難も乗り越えてきた」

 この発言で考えさせられたのが中日新聞の社説、「トヨタと春闘 格差是正の取り組みは」(3月4日付)です。社説は、「同社は通常、1%程度の値下げ要請を半年ごとにするが、下請けの賃上げに協力するため、14年秋から2期にわたり要請を見送った」と指摘。ところが、16春闘と並行して、トヨタが部品値下げ要請を再開したことについて批判をのべているのです。

 トヨタが過去最高の営業利益が見込まれるもとで、組合が賃上げ要求を昨年の半額の3000円に抑えたなかで、下請けに部品値下げを要請するのは、格差是正の流れに逆行し、「下請け企業から賃上げへの余力をも奪う」と痛烈です。

 社説の指摘は正論でしよう。このブログ「トヨタで生きる」(3月3日アップ)でも、「トヨタなど大企業の利益を中小・零細企業に回し、下請け労働者の賃上げのために使うことが必要だ」「仮に、賃上げ要求を半分にした分の3000円を下請け単価の値下げ要請をしないことに使うという手もある」と主張してきました。

トヨタ総行動 下請け単価を改善せよ
(「トヨタは下請け単価を改善せよ」などをかかげて開かれたトヨタ総行動=2月11日)

 しかし、先の増井専務役員の発言では、部品値下げなどには触れず、「相互繁栄」を継続してきたとのべるにとどまっています。「相互繁栄」というのなら、最高益のこの時こそ、部品値下げを要請せず、その分を下請けの賃上げに使うべきでしょう。

 そうあってこそ大企業の社会的責任は果たせるというものです。次回の労使協議会は3月9日(水)に開かれます。労組は踏み込んで会社に要請して欲しいと思います。

 連合や自動車総連は16春闘を、大手は引っ込む形で、下請けの賃金を底上げし、底支えする春闘と位置付けています。実のある16春闘にするためには、労使協議会での真剣な議論が期待されます。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/08 09:45

◎トヨタ春闘 第2回労使協 「賃上げ行うべきではない」と会社

 トヨタ自動車の16春闘で、第2回労使協議会が3月2日、行われました。会社側は、組合の3000円賃上げ要求に対し、「賃金の引き上げは行うべきではない」とのべ、7・1カ月の一時金要求についても、「高すぎる理解しがたい」とかたくなな姿勢を示しました。

 組合の「評議会ニュース」によると、工場の支部長は、新型プリウスの立ち上げなど「特別な稼働対応」に応じるために、組合員は努力し、頑張ってきたとのべ、この思いに、「満額で応えるべき」と主張しました。

 支部長は、全社から「要員の捻出」をするために、直間(1、2直の間)を広げ、日当たりの残業時間を増やした上で土曜日もフル活動するレベルのタクトダウンになったこと。1人当たりの作業量が莫大に増え体への負荷が高まり、作業習熟にも多くの時間がかかり、職場の負担が高まったと強調しました。

 事技職の職場の支部長は、賃金増による消費の押し上げ効果は一時金の4・5倍という厚労省の数値を示しながら、外食を増やす、子どもを習いごとに通わせるなどゆとり・豊かさを感じられる行動は賃金引き上げであるとのべ、3000円の賃上げ要求に応えるべきだと主張しました。

トヨタ本社 労働者出勤
(出勤するトヨタ労働者ら=右は本社、左奥はテクニカルセンター)

 また競争力やグループ全体の競争力についても労使で議論。トヨタの新たな経営戦略、「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」や「もっといいクルマづくり」について意見を交わしました。

 その上で組合執行部は、2月に愛知製鋼の爆発事故で1週間、生産停止になってことについて、「部品1つ欠けても車を作ることはできないこと、数万社といわれる関係各社のみなさんにささえられていることをあらためて痛感」するとのべました。

 さらに、事技職の支部長は、賃上げにあたってはトヨタグループ全体の底上げ・底支えや日本経済好循環実現に向け、個別労使の議論の枠を超えた賃金引上げに取り組んでいかねばならないと主張しました。

 会社側は、「本年の当社のように生産性向上・物価上昇がないという状況においては、経済の好循環という観点からの賃金の引き上げは行うべきではない」(上田達郎常務役員)、「昨年より0・3カ月も上積みされた(一時金の)水準は今なお高すぎる理解しがたいもの」(伊地知隆彦副社長)と、要求に応じない姿勢を示しました。
16春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/03/07 09:27

◎トヨタ 最高益を下請けに回そうよ

 【トヨタ詰所談義】

 A 「トヨタ 最高益でも部品値下げ要請」という中日新聞(3月2日付)の記事を読んだかい?
 B 読んだ、読んだ。考えさせられたよ。3月期決算で、トヨタは2兆8000億円と営業利益が最高益になるが、下請けに4月から0・5%の部品値下げ要求をしたというのだろう。
 A 一方で、トヨタ労組は、年間一時金を最高の7・1カ月要求する、と対比させられている。
 B なんか、おれたちが要求しているのが肩身が狭いよ。

 A 記事にあるように、トヨタは恒例のように年2回の値下げ要請をしてきたが、約2兆3000億円の営業利益を出した14年秋と15年春には値下げ要請を見送ったという。
 B その時よりさらに利益が増えているのに、値下げ要請を再開したというから世間は納得しないだろうね。
 A そうだよ。ある下請けの町工場を見たことがあるが、おじさん、おばさんが家内工業のように薄暗い工場で仕事していた。「これ、トヨタさんの部品だが、どこに使うのだろうね」といって見せてくれたのが印象的だ。
 B 自動車は、3万点もの部品でつくられるから、わからないだろうね。でも、部品1つ欠けても自動車はつくれないことは、愛知製鋼の爆発事故で2月に1週間も工場が止まったことで再確認したよ。

中日 下請け単価要請


 A 記事にあるように、トヨタの「コスト削減努力」の2350億円(2015年4月~12月まで)は、下請けへの部品値下げ要請とおれたちのQCサークル活動、創意くふう運動などによるコストダウンがふくまれている。
 B いまだにQCサークル運動をサービス残業でやらざるをえないところもあるよ。創意くふう運動にも知恵をしぼっている。みんな苦労しているんだ。

 A トヨタ労組が加盟する自動車総連や組合の全国組織の連合は、16春闘では、大手組合と中小零細組合との賃金格差是正をかかげ、底上げ、底支え春闘と位置付けている。
 B トヨタ労組は、トヨタが最高益ながら昨年の賃上げ要求6000円を3000円に半額にしたのも、格差是正と底上げ、底支えと説明している。
 A そのためには、トヨタなど大企業の利益を中小・零細企業に回し、下請け労働者の賃上げのために使うことが必要だ。
 B その通りだ。仮に、賃上げ要求を半分にした分の3000円を下請け単価の値下げ要請をしないことに使うという手もある。

 A そうだね。そうすることで底上げ、底支えになる。
 B トヨタの労使協議会で、組合が会社に申し入れることをしたらどうだろう。そうすれば、組合の7・1カ月の一時金要求も下請けの皆さんに理解してもらえるのじゃないか?
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/03 10:21

◎「トヨタには…1円もない」? 第1回労使協

 トヨタ自動車の16春闘の第1回労使協議会が2月24日(水)開かれました。組合が要求した、昨年の6000円の半分の3000円の賃上げ要求に対し、会社側は「高すぎる理解しがたい」と全面否定しました。

 組合の評議会ニュースによると豊田章男社長は、2月24日のこの日は、(1950年のストライキによる)労働争議をへて、「対立からは何も生まれない」と労使相互信頼を基盤とする「労使宣言」を締結した日であると指摘。「話し合いの精神」の「たすき」を次世代につないでいかねばならない、と強調しました。

 労組の要求について上田達郎常務役員は、新型プリウスの立ち上げで製造部門の生産性はマイナスになっており、賃金制度維持分(定昇相当分の7300円)を上回る引き上げを行う要素は見当たらない、と指摘。3000円の賃上げ要求は、「高すぎる理解しがたい」と否定しました。

トヨタの本社
(トヨタ本社)

 さらに大竹哲也常務役員は、「トヨタにはお金がたくさんある」と世間からも一部誤解を受けていると指摘。「自然災害や金融危機などの将来の有事の際にも、事業を安定的に行うためには、半年分の固定費や借り換え資金を保持していく必要がある。『少しくらいなら使ってもかまわない』というお金はトヨタには1円も無い」と驚くような発言をしました。

 トヨタは、08年のアメリカ初のリーマンショックで4610億円という巨額の営業赤字を出しました。北米での過剰投資、過剰生産を主要因としたものでした。この時は、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金を8769億円減らしました。それでも、日本1の11兆5316億円の利益剰余金が残りました。

 それから7年。トヨタの利益剰余金は、16兆3697億円(16年12月の第3四半期決算時点)にまでふくれあがっています。「トヨタにはお金がたくさんある」のです。内部留保はたっぷりです。

 その内部留保に手を付けるまでもなく、今期の営業利益見通しの2兆8000億円で簡単に3000円の賃上げなどは可能です。「1円もない」というのは、こけおどし以外のなにものでもないでしょう。
16春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/02/27 10:36

◎組合が“ゆめW”の要求を提出するが…

 【詰所談義】

 A 2月17日(水)に、いよいよ組合が賃上げ要求を会社に提出するね。
 B トヨタ労組をはじめ金属労協に加盟する労組に、いっせいに回答が出るのが、恒例によって3月16日(水)だから、この1カ月間が春闘本番だ。もっとも組合は“ゆめW”というがね。
 A “ゆめW”って、死語に近いよ。「ゆめ…ゆたかさ・ゆとりをめざそう」「W…Wage(賃金)とWorkig Time(労働時間)」からとっているだ。
 B 時短なんて10年以上、要求してないからなぁ。

 A 今年の賃上げ要求は3000円で、昨年の半分。一時金は昨年より0・3カ月増やして7・1カ月にした。約258万円といわれる。08年のリーマン・ショック以来、最高の要求額だ。
 B なんで、賃上げ要求が半分になった? 昨年の4000円の獲得額より低い。
 A 物価がほとんど上がっていないとか、大企業と中小零細企業との賃金格差を縮めるというのが理由だ。確かに、メーカーと部品の賃金格差は大きい。
 B トヨタの営業利益は、史上最高の2兆8000億円の見通しだよ。半分にする理由が腹に落ちない。

 A トヨタの労働者は、トヨタというピラミッドの頂点の賃金をもらっている。メーカーと部品・下請け会社との賃金格差は大きいよ。職場委員から聞いたが、昨年は、自動車総連の約1200の組合のうち9割を超える組合が要求を出したが、獲得したのは約6割だという。
 B トヨタ労組が4000円の賃上げを獲得していた時でさえ、賃上げがなかったのはそんなに多いのか?
 A そうだ。デンソーでさえ、昨年の賃上げは3000円だった。今年は、トヨタの組合員は我慢して部品・下請けに頑張って賃上げをしてもらおうということだ。
 B トヨタが3000円なら、たとえばデンソーが4000円、さらに下請けは5000円を要求するってことか?

賃上げと利益の推移


 A そうならなければ格差が縮まらないからね。部品・下請けがどんな要求をするかにかかっているし、トヨタ労組も応援しなければならないと思うよ。
 B トヨタ労組は、日本の賃上げを引っ張る“リーダー労組”だろう。利益はたっぷりだし、昨年の6000円以上の賃上げを要求することと部品・下請けとの賃金格差を縮めることは両立するんじゃないか?

 A 今年は、賃金格差を縮めることを一度、やってもいいと思うよ。どこかで挑戦しないと永久に格差はなくならない。
 B そりゃそうだが、“トヨタショック”ともいわれた2002年のトヨタベア(賃上げ)ゼロで、日本の賃金は軒並みベアゼロになった。それ以来の14回の春闘で賃上げがあったのは5回にすぎない。ベアゼロとか組合が要求しなかったのが9回もある。どーんと取り戻すことも必要だと思うよ。

16春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/02/17 08:02

◎「大幅賃上げ」のボードをいっせいに掲げる トヨタ総行動

 トヨタ総行動が2月11日、トヨタ自動車の本社・工場がある愛知県豊田市で行われました。第37回トヨタ総行動実行委員会(愛知県労働組合総連合などで結成)が主催したもの。早朝7時30分からトヨタ本社前で、宣伝カーから訴えるとともに出勤する労働者らにビラを配布しました。

16トヨタ総行動1


 午後1時からは山の手公園で集会を開催。東海、北陸地方から約800人の労働者が参加。トヨタ本社へ向けて約1時間、デモ行進しました。

 トヨタ総行動は、1981年に始まり30年以上の歴史をもつ運動です。17兆円にものぼる日本1のトヨタの内部留保を労働者や下請け、地域に還流・還元し、賃上げや下請け単価を引き上げるなどして、日本経済を発展させようと毎年、行っています。

16トヨタ総行動2


 雪のためにデモ行進が中止(2011年)になったこともありますが、この日は快晴に恵まれ、小春日和のような暖かさになりました。

 愛労連の榑松佐一議長は、地元の中日新聞がトヨタの2兆円の利益の1%を使えば、愛知県の20万人自動車労働者に月8000円、年間10万円の賃上げが可能だと書いたことを紹介しました。

16トヨタ総行動3


 また、トヨタ労組出身の連合系、金属労協(JCM)議長が大企業と中小・下請け労働者の賃金格差是正が必要だと主張するなど、トヨタ総行動が長年にわたって訴えてきたことが世論になってきたと強調しました。

 その上で、この1週間、トヨタの関連会社の爆発事故でトヨタのラインが止まっていること。下請けでは、有期雇用労働者から休業補償の声が上がっていること。利益はトヨタに、リスクは下請けに、ということは許されず、トヨタの社会的責任を求めていこうと呼びかけました。

16トヨタ総行動4
(トヨタ本社前をデモ行進する参加者)

 全労連の小田川義和議長は、労働者派遣法を改悪したり、「残業代ゼロ」法案をねらい、戦争法を強行して暴走する安倍政権とたたかおうと呼びかけました。

16トヨタ総行動5
(出勤するトヨタ労働者ら、午前8時=右はトヨタ本社ビル)

 愛労連の知崎広二事務局長は、2月5日にトヨタ本社と関連会社へ、賃上げと正規雇用の拡大などを申し入れしたと紹介。しかし、トヨタ本社は要請書を受け取らなかったとのべ、社会的責任を果たそうとしない姿勢を厳しく批判しました。

 参加者は、いっせいに「大幅賃上げ」と書いた紙のボードを掲げ、16春闘をたたかう決意を示しました。デモ行進がトヨタ本社前にさしかかると、「トヨタは史上最高の利益、内部留保を賃上げ、下請け単価切り上げに」などと訴えました。
16春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/02/12 15:03

◎経団連「経労委報告」を読んで考えた② 内部留保活用に反論するが

 日本経団連の春闘対策方針、「2016年版 経営労働政策特別委員会報告」(「経労委報告」)で、経団連が反論に特別に力を入れているのが内部留保問題です。

 「わが国企業全体の内部留保が増加していることを捉えて、それを原資とした賃金引き上げを求める主張がある」という書き出しで、見開き2ページも費やしています。

 添付した表では、内部留保の大きな部分を占める「利益剰余金」の推移を掲載しています。トヨタ出身の奥田碩経団連会長が02春闘でトヨタ労組をベアゼロに抑えた年の利益剰余金は188・9兆円でした。それが14年には実に354・4兆円に2倍近くになっています。

 内部留保が激増していることを示していますが、「機械設備や国内外の子会社・関係会社の株式が含まれる投資有価証券などさまざまな形で保持されている」と使い古びた言い訳に終始しています。

 これが成り立たないことは、安倍政権の麻生太郎財務相兼副総理のたびたびの発言でも明らかです。2013年3月8日の衆院予算委員会基本的質疑で、日本共産党の笠井亮衆院議員の質問に対し、麻生財務相は、「共産党と自民党が一緒になって賃上げを、というのはたぶん歴史始まって以来ではないか。内部留保が賃金に回ると、そこから消費に回る。GDP(国内総生産)に占める個人消費の比率は極めて高い」と応じました。

 昨年10月16日の経済財政諮問会議では、榊原定征日本経団連会長ら民間4議員が「アベノミクスの第2ステージに向けて」との資料を提出。このなかで、「活用されていない内部留保を、人的投資、将来利益の源泉となる投資、取引先を含めた経営力強化に振り向けて好循環拡大を図るべき」とのべています。

 同会議に麻生財務相が提出した資料には、「現金・預金等」も14年で210兆2000億円までに積み上がっていることを示しています。内部留保は「機械設備…」などという議論はもはや通じず、内部留保活用論は、安倍政権内部や財界からも公然と出ています。

16年版 経労委報告 内部留保
(経労委報告では、利益剰余金が激増している表を掲載しています)

 「経労委報告」の利益剰余金の表では、企業規模別の内訳を掲載しています。資本金10億円以上の大企業は、日本には約500社あります。その総額は170・5兆円といいます。

 トヨタの利益剰余金は、15年3月期決算で15兆5919億円です。もちろんダントツの日本1ですが、トヨタ1社で500社のうちの9%も占めるという巨額なものです。

 トヨタは、16年3月期決算で過去最高の2兆8000億円の営業利益を上げる見通しです。仮に、昨年並みの6000円の賃上げを要求しても、6000円×12カ月×6万1335人(組合員数)=約43億円にすぎません。

 ばく大な内部留保を使うまでもなく6000円の賃上げは可能です。内部留保の一部を使えば万単位の賃上げも可能です。「経労委報告」の内部留保の反論は、もはや通じないものです。

             ◇

 この記事は、2月11日にアップする予定でしたが都合により9日にアップしました。
16春闘 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2016/02/09 18:15

◎経団連「経労委報告」を読んで考えた① 昨年を上回る賃金引上げ?

 日本経団連の春闘対策方針、「2016年版 経営労働政策特別委員会報告」(「経労委報告」)を読みました。ネットの時代、経団連のホームページにアップしてよさそうですが、HPは目次だけ。やむをえず、書店で買い求めました(800円+税)。

 「特別委員会」のメンバーには、トヨタの内山田竹志会長が経団連副会長として入っています。トヨタの意向も反映されているということです。

 まず目に付くのは、「2014年の政労使会議のとりまとめに則り、2015年を上回る『年収ベースの賃金引上げ』について、前向きで踏み込んだ検討が望まれる」とあります。

 「2014年の政労使会議のとりまとめ」とは、安倍首相が大企業と金持ちのための政策――円安と株価の上昇などを目的にした“アベノミクス”のために、経済の好循環をはかるなどと称して経団連に賃上げを要請したことをいいます。

 つまり、これを受けて16春闘では、昨年を上回る賃上げに、「前向きで踏み込んだ検討が望まれる」というのです。おぉ、トヨタの昨年(15春闘)の賃上げは、組合が6000円要求して4000円の回答だったから、「4000円以上」の賃上げになるのか?

 と喜んだら、「年収ベース」という修飾語が付いていました。「経労委報告」では続いて、「月例賃金より金額ベースでの引き上げが総じて大きい賞与・一時金の増額も有効な選択肢」とあります。

16年版 経労委報告


 なんだ、なんだ、「前向き」とは、賃上げより一時金ということか! トヨタ労組執行部が提案した要求案は、賃上げは3000円、一時金はリーマン・ショック(08年)以来最高の7・1カ月でした。

 これを昨年と比べると、賃上げ要求では半分になりました。一時金要求は、昨年の6・8カ月(約246万円=満額回答)に、プラス0・3カ月しています。経団連のいうように、「賞与・一時金の増額」へシフトしています。

 何か釈然としない気持ちが残ります。トヨタの16年3月決算では、営業利益を過去最高の2兆8000億円と見込んでいます。労働者の頑張りを、賃上げではなく、一時金で求めようというのか…。

 「経労委報告」では、総額人件費を100とした場合の賃金の内訳をあらわした表があります。「所定内給与」は59・7、「所定外給与」は5・7、「賞与・一時金」は16・1、「退職金等」は5・0…です。

 一時金は、その場限りですが、賃金にあたる「所定内給与」の割合は圧倒的に大きく、しかもこれが引き上がれば、残業にあたる「所定外給与」や「退職金等」にもろに反映します。トヨタ労組が加盟する連合が、一時金ではなく「月例賃金」にこだわり、求めているのは、このためです。

 トヨタ労組は、2月12日の評議会で16春闘の要求を決定します。3000円の賃上げ要求について、リーダー労組として、これでいいのかの真剣な検討が求められるでしょう。

             ◇

 この記事は、2月10日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/02/09 18:10

◎ふたたび、ベア要求「3000円」でいいのでしょうか?

 トヨタ労組の機関紙「評議会ニュース」の「16ゆめW要求案 特集号」が職場に配られました。執行部が提案した要求案は次の通りです。

 ▼賃上げ EX級、技能4等級、技能職の賃金を36万1820円とする。組合員1人平均で1万300円を要求する。内、賃金制度維持分は7300円とする(つまり、賃上げ(ベア)は3000円)。

 ▼一時金 年間一時金として基準内賃金の7・1カ月。

 ▼シニア期間従業員の日給を150円引き上げる。

 これは1月28日の評議会に提案されたもので、職場討議を経て2月12日(金)の評議会で採決されます。

つつみ トヨタ
(トヨタ堤工場)

 3000円というのは、15春闘の半分です。なぜ、昨年の半分になったのか? わかりません。理解できません。朝日新聞の編集委員は、「頑張れ労組 頑張れ経営者」のコラム(2月7日付)で、生産性が飛躍的に伸びていることに触れてこう指摘します。

 「現場の改善努力に見合った賃上げは実現していない。もうけは、内部留保として会社の中に蓄積されていった。…春闘相場のリード役、自動車業界労働組合は昨年の半分の『ベア月3000円以上』という控えめな要求を提出した。…会社の懐事情への労組の物わかりは良すぎる感がある」

 “物わかりは良すぎる”などと痛烈に批判されていいのでしょうか。トヨタは、2月5日の2016年3月期第3四半期決算発表で、この3月期の決算では、史上最高の2兆8000億円の営業利益を見込むとしています。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、わずか9カ月間(15年4~12月)で、前期より7777億円増やし16兆3697億円もの巨額になっています。この7777億円がどれほどすごいものか?

 日本経団連会長会社の東レの利益剰余金は、15年3月期決算で5445億円です。トヨタは、わずか9カ月間で東レが長年蓄積してきた内部留保をあっさり上回っているのです。

 その東レ出身の榊原定征・経団連会長は、労使トップ会談(1月29日)で、「収益が拡大した企業に、昨年を上回る(ボーナスを含む)年収ベースの賃上げを呼びかけている」とのべました。

 これに対しトヨタ労組が加盟する労組の全国組織、連合の神津里季生会長は、「月例賃金(月給)の引き上げこそが重要だ。ボーナスは収益次第で、持続的な賃上げにはつながらない」と反論しました。

 ボーナス(一時金)ではなく、賃上げ(ベア)の引き上げを求めたのです。トヨタ労組の一時金要求案は、08年のリーマン・ショック以来、最高の7・1カ月です。ベア要求案は昨年の半分の3000円。これでは、榊原会長のいうように「年収ベースの賃上げ」と同じではないでしょうか?

 神津会長の主張するように、「持続的な賃上げ」のためには賃上げ要求「3000円」について再考する必要があるのではないでしょうか?
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/02/09 10:48

◎3000円でいいのですか?

 トヨタ労組は、1月下旬に開く評議会で、執行部が16春闘の要求案を提案します。しかし、「ベア3000円要求へ トヨタ労組方針」(中日新聞、1月12日付)とメディアは、早々と報じています。

 上部団体の自動車総連は、1月14日の中央委員会で、昨年(6000円)の半分の「3000円以上」と決めたことから、トヨタ労組が3000円になることは既定事実のように受け止められています。

 職場からは、「史上最高益が予想されるのに、なぜ昨年の半分?」という疑問の声が上がったり、「リーダーユニオンとして、少しは高くなければやる気が出てこない」などの声が出ています。

 実際、トヨタの16年3月期の決算見通しは、営業利益が2兆8000億円と昨年の最高益を更新します。NTTやソフトバンク、三菱UFJ銀行などの利益の3倍といいますから、ダントツでトップの利益です。

トヨタ 労働者です
(出勤するトヨタ労働者)

 それで、なぜ昨年の半分の3000円なのか? 連合や自動車総連は、大手組合と中小組合との格差を是正するためだといいます。自動車産業は、トヨタなどメーカー組合をピラミッドの頂点にして、部品組合とは大きな格差があるのは事実です。

 格差是正と底上げに取り組むのは、当然でしょう。しかし、全体の賃金を押し上げるには、メーカー組合がもっと賃上げを獲得することが必要です。利益NO1のトヨタを見ているからです。賃上げと格差是正の2つの課題は矛盾するものではないはずです。

 「トヨタの賃金は高いから、一時金を満額とればいい」などの声もある一方で、「人材育成を考えると、もっと高い水準が必要」などの声があります。

 このブログ「トヨタで生きる」は、春闘アンケートを実施(1月13日アップ)しましたが、このなかで、「基本的にあと10万円くらいほしい。5万は子供の大学進学の積立に、残る5万は住宅ローンの繰り上げ返済資金にしたいから」(40~50代の男性)との意見が寄せられました。

 トヨタの賃金は高いといっても、中高年の組合員は、教育費、ローンの支払いに汲々しているのが実態でしょう。組合員の生活を少しのでもよくするためには、16春闘の要求づくりは重要です。職場会で生活実態を訴えようではありませんか。

16春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/01/27 18:13

◎自動車総連 賃上げ要求、昨年の半分の「3000円以上」

 トヨタ労組などの労働組合でつくる自動車総連(相原康伸会長、組合員約76万7000人)は1月14日、東京都内で中央委員会を開き、2016年春闘の賃上げ要求として、「3000円以上」とすることを決めました。

 賃上げ要求は3年連続ですが、要求額は15年春闘の「6000円以上」の半分です。しかも、トヨタ労組が15春闘で獲得した4000円にも及ばないものです。

 自動車産業は、トヨタがこの3月期決算で史上最高益を更新する見通しなど日本の産業でもっとも利益を上げている産業です。春闘を引っ張る自動車総連が、昨年より要求を下げる理由は見当たりません。

自動車 16春闘
(記者会見する相原康伸会長=sankeibizから)

 実際、相原会長は、「報道の一部には、控えめすぎる、半分に抑えたなどの論調があることも承知するところ」とのべています。引き下げたことについて、16春闘の最大の眼目は、連合方針に沿って「底上げ・格差是正」をすることとしています。

 確かに、メーカー組合と部品組合とは大きな賃金格差があります。その是正はまったなしです。底上げ・格差是正するというのなら、部品組合が5000円、6000円などの要求をかかげなければ不可能でしょう。

 トヨタ労組などが、そうした部品組合を全力挙げて応援してこそできることではないでしょうか。そうでなければ、メーカー組合が、要求を自粛したことになってしまいます。

 全トヨタ労連やトヨタ労組の要求額の決定はこれからであり、職場会などでの真剣な議論が期待されます。

16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/01/15 07:55

◎2016年春闘アンケートにご協力ください

 トヨタ自動車やトヨタ関連の2016春闘が、いよいよ本格的に始まります。トヨタ労組は、1月下旬の評議会で執行部が賃上げ要求案を提案します。職場会をへて2月上旬の評議会で採決されます。

 16春闘でみなさんの願いを実現するために、トヨタ自動車とトヨタ関連で働くみなさんに、次のアンケートをお願いすることにしました。ブログのコメント欄に、【】の番号と○の番号を記入して答えてください。公表できない場合は、メールアドレス(toyotaman365@gmail.com)でも結構です。

【1】職種は? ①技能職 ②事技職 ③その他
【2】性別は? ①男性 ②女性
【3】年齢は? ①20~30代 ②40~50代 ③60代

【4】あなたの生活実感は? ①苦しい ②まあまあ ③ゆとり
【5】生活は、あといくら必要ですか? ①3000円 ②6000円 ③1万円以上
【6】残業代は正しく支払われていますか? ①支払われている ②不払いがある ★②と答えた方は、具体的にご記入ください。月に約○時間

堤 労働者
(出勤するトヨタ労働者)

【7】カードリーダーによる労働時間は正しく運用されていますか? ①されている ②されていない ③わからない ★②と答えた方は、その内容を具体的にご記入ください。
【8】QCサークル活動をサービス残業で行っていますか? ①行っていない ②行っている ★②と答えた方は、月当たりどれくらいの時間ですか?

【9】あなたの職場で不安なことや困っていることは、どんなことですか?
①残業、休日出勤が当たり前になっている ②現実的に不可能な仕事量を押し付けられる ③残業が月45時間を超えることがある ④心の病で休職したり退職したりする人がいる ⑤ハラスメントがある ⑥健康に不安がある

【10】ご意見、ご要望などがありましたなら、自由にお書きください。

 ご協力、ありがとうございました。

16春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/01/13 12:09

◎賃上げは15年を上回るように 経団連

 日本経団連は、16年の春闘対策方針で、賃上げについて、15年を上回る方向で検討しようとしていることが明らかになりました。日経新聞が12月22日付の夕刊で伝えています。

 それによると、例年1月に発表する「経営労働委員会報告」について、経団連は同日、大筋了承したといいます。このなかで、16春闘の賃上げについて、次のような方針で臨むと日経新聞は書いています。

……
 経済の好循環を実現させるため、賃金引き上げについて企業収益に見合った「積極的な対応」を会員企業に求めていくことを柱に据えた。賃上げの水準でも「15年を上回る年収ベースでの賃上げについて前向きで踏み込んだ検討が望まれる」と明記した。
……

日本経団連
(日本経団連=東京都千代田区)

 「年収ベース」という条件が付いているものの、15春闘を「上回る」ことについて、「前向きで踏み込んだ検討が望まれる」というのです。しかも、企業収益に見合った「積極的な対応」を求めていくというものです。

 トヨタ自動車の内山田竹志会長は、経団連の副会長です。日本1の利益のトヨタ自動車で、経団連のこの方針をあてはめれば、2兆8000億円という過去最高の利益を上げる見通しのため、賃上げについて「積極的な対応」を求められることになります。

 15春闘では、トヨタ労組は6000円の賃上げを要求して、回答は4000円でした。16春闘では、トヨタはこれを「上回る」ことについて、「前向きで踏み込んだ検討が望まれる」ということになります。

 4000円以上の回答を引き出そうとすれば、トヨタ労組は、昨年の6000円以上の要求をすることが必要でしよう。経団連が、こうした方針を出すのであれば大幅賃上げの絶好のチャンスです。

 経団連の方針の背景には、「安倍政権からの再三の賃上げ要請も背景にある」(日経新聞)といいます。円安と株高で大企業と富裕層にだけに利益を増やしたアベノミクスの破たんを、賃上げで取り繕うとする安倍政権の思惑が経団連の方針に反映しているといえます。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/23 10:05

◎自動車総連 賃上げ要求3000円以上

 トヨタ労組などでつくる自動車総連は12月18日、中央執行委員会を開き、16春闘の賃上げ要求として、「3000円以上」を統一要求とすることを決めました。連合の2%程度という要求に沿ったものです。

 また、期間従業員など直接雇用の非正規労働者についても、月3000円に相当する時給20円程度の賃上げを統一要求の目安とします。

 相原康伸会長(トヨタ労組出身)は、16春闘では、「底上げと格差是正を最大の眼目に手段を講じる」としています。

 3000円というのは、15春闘要求の6000円の半分です。トヨタ労組は、15春闘で6000円を要求し、4000円を獲得しています。トヨタは、16年3月決算で史上最高の2兆8000億円の営業利益を得る見通しであり、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金も16兆円を超えています。

JC 15春闘
(15春闘では、トヨタ労組は4000円の賃上げに賃金制度維持分7300円を加えた1万1300円を獲得しました=金属労協のボードに書き込まれました)

 なぜ、15春闘の半分の要求なのか? これでは昨年の獲得額さえ下回ります。しかも、日本経団連の榊原定征会長が加わる安倍政権の経済財政諮問会議が、「内部留保を活用し3%の賃上げを」などと主張しています。

 労働組合の方が要求の方が、政府や財界より控えめというのはありえないことです。14、15春闘で賃上げがあったものの、消費税の増税や物価上昇で、労働者の実質賃金は下がっています。

 自動車総連が3000円以上とするのなら、トヨタでは少なくとも昨年の6000円以上の要求にして当然ではないでしょうか? もちろん、「底上げと格差是正」は重要です。関連・下請け企業は、トヨタなどメーカー企業に比べて、大きな格差があるからです。期間従業員の日給の底上げもまったなしです。

 2つを対立させるのではなく、両立させてこそ日本の労働者の賃金は上がるでしょう。GDPの6割を占める個人消費を活発するには、賃上げが不可欠であることは、もはや常識です。

 アベノミクスで恩恵を受けたのは、円安になって為替利益を得た大企業と、株高になって株の利益を得た富裕層だけです。世論調査でも明らかなように、圧倒的な国民は、景気の回復の実感はありません。大幅賃上げと「底上げと格差是正」で、日本経済が本格的な景気回復の道にすすめるような16春闘にしようではありませんか。
16春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/12/19 10:17

◎連合ソコアゲ応援団 全トヨタ労連の旗も

 トヨタ労組や全トヨタ労連が加盟する、労組の全国組織、連合は12月8日の夜、東京・日比谷野外音楽堂でクラシノソコアゲ(暮らしの底上げ)応援団、連合開始宣言集会を開きました。

 会場では、全トヨタ労連の旗もひるがえりました。連合は、2016春闘で、すべての働く者の処遇を改善と「底上げ・底支え」「格差是正」で経済の好循環実現をかかげています。

 正社員だけではなく、派遣労働者や期間従業員(契約社員)、パートなど非正規労働者、大企業の関連会社や下請けの労働者の賃金、労働条件の「底上げ・底支え」「格差是正」を実現しようというものです。

連合 ソコアゲ


 トヨタ自動車でも、トヨタをトップに関連・下請け会社がピラミッド型になっています。賃金や労働条件も関連・下請けでは低くなっているのが実態です。こうした関連・下請け労働者の「底上げ・底支え」「格差是正」は、まったなしです。

 自動車総連などでつくる金属労協は12月4日に協議委員会を開き、相原康伸議長(自動車総連会長、トヨタ労組出身)は、16春闘で賃上げ・格差是正を最重視するとあいさつしました。

 その上で、3000円以上の賃上げを要求する方針を示しました。トヨタ労組は15春闘で、期間従業員の日給を300円引き上げる要求をし、満額を獲得しました。14春闘での200円アップに続くものです。

 こうした「底上げ・底支え」「格差是正」を重視するとともに、日本の労働者の賃金全体を引っ張り上げるには、正社員の大幅賃上げが不可欠であり、それを実現するためには、昨年の獲得額以上を要求することが重要です。

 経済の好循環を果たすうえでも必要でしよう。トヨタ労組は、15春闘で6000円を要求し、4000円を獲得しましたが、これを上回る要求が必要ではないでしょうか。トヨタは16年3月期で史上最高の2兆8000億円の営業利益を予想しています。

 内部留保も16兆円以上とたっぷりです。正社員の大幅賃上げと「底上げ・底支え」「格差是正」の両立を16春闘では実現しようではありませんか。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/09 11:14

◎「残業代ゼロ法案」に注視を トヨタ労組

 トヨタ労組は16春闘で、安倍政権が来年1月から始まる通常国会で導入をねらっている「残業代ゼロ法案」に注視するよう呼びかけています。16春闘の基本方針である「16ゆめW 取り組みにあたって」(評議会ニュース)で呼びかけているものです。

 「残業代ゼロ法案」とは、労働基準法で定められた1日8時間、週40時間の労働時間制度を崩し、賃金は仕事の成果で決めるというもので、どれだけ働いても“残業代はゼロ”です。

 対象労働者は、金融商品の開発業務や研究開発業務など“高度プロフェッショナル”な仕事にたずさわり、年収1075万円以上で、労働者の平均賃金の3倍以上、希望する労働者などといいます。

25 トヨタ労組 高度プロフェッショナル
(トヨタ労組の「16ゆめW 取り組みにあたって」(評議会ニュース)から)

 この法案に対し、「残業代ゼロより過労死ゼロ」を、とトヨタ労組が加わる連合が反対運動を強めるなど労働界はいっせいに反対の声をあげています。いまでも年間120人ほどの過労死が認定される“過労死大国”の日本で、いっそう過労死を増やす恐れがあるからです。

 トヨタ自動車労組出身の相原康伸・自動車総連会長は、9月3日に千葉市で開かれた自動車総連の大会あいさつで、残業代ゼロ法案について、「労働法制の改悪に断固反対する」と強い口調でのべました。

 トヨタ労組は、残業代ゼロ法案の内容をわかりやすい表で説明しています。このなかで、「長時間労働による過労死や健康疾患の増加に繋がらないための健康確保措置の実効性や、年収要件が省令で定められることによる容易な対象者拡大への懸念に対する動向にも注視が必要」などとしています。

 残業代ゼロ法案は、今年の通常国会に提出されましたが、安倍首相が戦争法(安保法制)を成立させることを優先させたために、継続審議になっていました。廃案めざし頑張りましょう!
16春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/12/05 08:40

◎金属労協 要求は昨年の半額

 トヨタ労組が加盟する金属労協(JCM)は、今日12月4日に開く協議委員会で、16春闘の要求を決めます。発表された議案では、賃上げ要求は、「3000円以上」としています。

 これは、15春闘の6000円の半額です。「国内経済の動向、生産性や金属産業の動向、物価動向をはじめとする勤労者生活などを総合的に勘案」したものだといいます。

25 金属労協 16春闘3000円以上


 議案では、金属労協組織内の大手企業50社について、15年度の通期見通しは、「総じて増収増益傾向が続く」としています。一方、全産業・一般労働者の所定内賃金は、14、15春闘で賃上げがあったにもかかわらず、消費税増税分をのぞけば、「実質賃金を維持できていない」といいます。

 議案では、内部留保についてふれていませんが、財務省が1日発表した7~9月期の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業がため込んだ内部留保は301・6兆円と、初めて300兆円を突破しました。

 2012年7~9月期の263・2兆円から38・4兆円も増えています。大企業は空前の大もうけで、内部留保もたっぷり。労働者は、実質賃金を維持できていないとすれば、大幅賃上げしかありえません。

 自動車総連や電機連合、基幹労連などでつくる金属労協の議長は、トヨタ労組出身の相原康伸・自動車総連会長です。

 金属労協が仮に「3000円以上」と決めても、トヨタは史上最高の2兆8000億円の営業利益が予想されています。内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、16兆円を超えています。

 トヨタ労組は、昨年の6000円要求(獲得額は4000円)を大幅に上回る1万円以上が必要ではないでしょうか。トヨタ労組には、16春闘の牽引車の役割が求められています。

16春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/12/04 10:28

◎どちらが組合?

 【トヨタ詰所談義】

 A いよいよ2016春闘だが、新聞があれこれ書き始めているね。
 B トヨタ労組が加盟している金属労協は、賃上げ要求として3000円以上とするという記事が出たよ。
 A 15春闘の6000円要求の半分じゃないか!
 B 「えっ、何で3000円? びっくりポン」という感じだよ。

 A トヨタの16年3月期決算見通しは、営業利益で2兆8000億円だ。前期より1・8%増だ。要求は6000円以上に上げるのが当然だが、もし3000円で、半分になるようなことになったら理由がわからない。
 B 新聞を読むと、産業・企業で利益はまだら模様だからという。トヨタグループのダイハツは、軽自動車の増税で減益になることをあげている。
 A 個別企業のことはあるが、全体として内部留保はため込んでいるんだぜ。
 B 確かに。アベノミクスで大幅な円安となり、どこもウハウハだよ。

30 堤工場出勤風景2
(トヨタの工場)

 A 組合とは反対に、安倍政権の経済財政諮問会議が、内部留保を活用して3%の賃上げをとぶちあげているんじゃないか。その会議には、日本経団連の榊原定征会長も入っている。
 B そりゃなんじゃ、といいたい。財界や大企業が3%の賃上げを主張するなかで、組合の方が半分の要求なんてまったくおかしいよ。
 A その通りだ。トヨタ労組の上部団体の連合は、2%程度の要求といっている。労使が逆転しちゃっているよ。
 B 11月22日の日経新聞を持ってきた。安倍政権と自民党の法人税減税をめぐる議論のなかで、内部留保に課税をせよという議論があるんだって。これには驚いたよ。

 A そうだよ。政府や自民党が内部留保の活用やそれへの課税を主張するなかで、組合が内部留保についてまったく触れていないのはおかしい。
 B ここでも労使が反対になっている。
 A 韓国や台湾では、内部留保課税が導入されたというのも初めて知ったよ。
 B 麻生太郎財務相が、「(法人税減税で)税金を安くして企業に内部留保だけためこまれては話しにならん」と怒ったというじゃないか。

 A 安倍政権や財界が賃上げ、賃上げといっているのなら、組合はもっと大幅に賃上げ要求するのが当然だ。
 B そうだよ。15春闘で組合が6000円要求して、獲得は4000円だった。3%要求だったらⅠ万円になる。営業利益は2兆8000億円、内部留保は16兆円もある。
 A そう。どーんとⅠ万円を要求して当然だ。
 B 3000円なんてとんでもないよ。
16春闘 | コメント(9) | トラックバック(0) | 2015/11/23 08:31

◎安倍政権 3%賃上げの大合唱

 このブログ「トヨタで生きる」で11月5日に、「内部留保を活用し3%の賃上げを」をアップしました。安倍政権の経済財政諮問会議(11月4日)が真剣に内部留保の活用を議論していることを紹介したものですが、その議事録要旨が明らかになりました。

 このなかで、民間委員の日本総合研究所の高橋進理事長は、連合の16春闘要求案では不十分だと指摘しています。

 「日本労働組合総連合会は2016春闘に向けて、いわゆるベアについて、2%程度を要求水準としているが、これはGDP600兆円を実現する上では、不十分だと思う。…マクロ的に見ると、来年度名目成長率並み、つまり3%程度の賃上げが必要だと思う」

 同じ民間委員の伊藤元重東大大学院教授も、「ベア、ボーナス、最低賃金は、GDP600兆円を考えると、5年で2割ぐらい、年平均3%ぐらい増えないと、つじつまがあわない」と発言しています。

 こうした発言を受けて、甘利明経済再生担当相は会議後の記者会見で、賃上げについて年3%程度をめざすべきだとの考えを示したのです。

 民間議員の1人である日本経団連の榊原定征会長らが同会議に共同で提出した資料には、「活用されていない内部留保を、人的投資、将来利益の源泉となる投資、取引先を含めた経営力強化に振り向けて好循環拡大を図るべき」と書かれています。

30 経済財政諮問委 現金積み増し
(日本経団連の榊原定征会長らが経済財政諮問会議に提出した資料)

 その上で、「大企業の支出行動をみると、設備投資、研究開発費や人件費といった前向きのキャッシュアウトを抑制し、リーマンショック後の水準まで利益を現預金等として積み増ししている」とのべています。

 つまり、賃上げや設備投資を抑制し、現預金などとして内部留保を積み増ししていると強調。「活用されていない内部留保」を、賃上げなどに振り向けるべきだと主張しているのです。

 ここから賃上げとして3%は必要であり、連合の2%程度では不十分だという主張がでてくるのです。労働組合の賃上げ要求が低いといわれては、労組の存在価値が問われます。11月5日のブログで試算したように、トヨタで3%の賃上げといえば1万円ほどになります。

 16春闘では、3%以上の賃上げ要求をし、必ず1万円の賃上げを獲得しようではありませんか。
16春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/11/12 10:08

◎連合 16春闘のベア要求「2%程度を基準」へ

 労働組合の全国組織、連合は10月22日、16春闘の基本構想を発表しました。このなかで賃上げ(ベア)要求について、定昇相当分をのぞいて「2%程度を基準」にするとしました。連合が具体的な賃上げ要求をするのは、14春闘以来3年連続です。

 また、すべての働く者の「底上げ・底支え」と「格差是正」を通じて、「デフレからの脱却」と「経済の好循環」をめざすとしています。

 10月の大会で新会長に選ばれた神津里季生氏(基幹労連、新日鉄労連出身)は、「デフレからの脱却と経済の好循環は1年や2年の賃上げで具体的な姿にはならない」とのべ、3年連続の賃上げをめざすことを強調しました。

金属労協 ボード
(金属労協本部=東京=の白板にトヨタの賃上げ額が書き込まれました。定昇分込みの数字です。15春闘で)

 15春闘で連合は、「ベア2%以上」を掲げ、5469組合の平均賃上げ率は2・20%となり、前年の2・07%を上回りました。賃上げ率が2年連続で2%台となったのは、1999年以来16年ぶりです。

 連合は、この方針案を11月27日の中央委員会で正式に決めます。これを受けて自動車総連は、来年1月12日に開く中央員会で要求を決め、トヨタ労組は2月上旬の評議会で要求を決めます。

 トヨタ労組の09~13春闘の5年間は、賃上げはありませんでした。14春闘では2700円、15春闘では4000円を獲得しています。トヨタの16年3月期決算見通しは、過去最高の2兆8000億円です。もちろん日本1です。

 トヨタ労組は、「15ゆめW 取り組みにあたって」で、「以前は鉄鋼がリーダーユニオンとなって交渉をリードし、他社はそれに追随することで賃金水準が向上。トヨタがリーダーユニオンと見なされている現在においては、トヨタが交渉をリードすることが期待されている」とリーダーユニオンを自認しています。

 16春闘では、トヨタ労組がリーダーユニオンとして、大幅な賃上げを獲得する先頭を走ることが期待されています。
16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/10/23 07:50
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