◎「しんぶん赤旗」日曜版に内野博子さんが登場

 トヨタ自動車の過労死事件をはじめ、長時間労働問題などを追及した日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委員会基本的質疑(2月20日)が、反響をよんでいます。

 このブログでは、2月23日アップで紹介しました。「しんぶん赤旗」日曜版(3月1日号)は、志位委員長が取り上げた「トヨタ過労死事件」で、夫の過労死を認定させた内野博子さん(45)が登場しています。

 志位委員長の質疑のテレビ放送を見て、感想を語ったものです。次に紹介します。

日曜版 内野さん
(「しんぶん赤旗」日曜版に登場した内野博子さん)

……
 夫は、愛知県豊田市のトヨタ自動車堤工場の品質管理係班長で、2002年2月に過労死しました。夜勤明けの午前4時半、次の班への申し送り書を書いていて倒れたのです。病院に運ばれたときは心肺停止状態でした。

 亡くなる前、午前1時が夜勤明けなのに午前6時すぎに帰る日が続きました。帰宅時間の記録などから計算すると残業時間は月155時間余もありました。しかしトヨタは、QCサークルや創意くふう提案などのカイゼン活動は「業務ではない」から、残業は月44時間と主張しました。

 納得できなくて訴えた裁判の判決で、月106時間45分の残業で、過労死と認められたのです。

 志位さんは夫の過労死を含め、異常な日本の長時間労働を取り上げ、安倍首相に法律できちっと残業上限45時間と決めるよう求めてくれました。働き方が変われば夫は死なずにすみました。

 安心して働くためぜひ実現してほしい。過労死するような職場ではかえって成果もあがりません。「残業代ゼロ」法案なんてとんでもない。トヨタが世界1の自動車メーカーというなら社員や家族を大切にすることも世界1であってほしい。
……

スポンサーサイト
志位・雇用質疑 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/02/27 16:55

◎「月45時間残業」のリスク 志位質疑から

 日本共産党の志位和夫委員長は2月20日の衆院予算委員会基本的質疑で、長時間労働問題などを取り上げ、このなかで残業の限度は「月45時間」とする厚生労働大臣告示を法制化するよう安倍首相にせまりました。

 トヨタ自動車の「36協定」では、「月80時間」までの残業が可能となっています。「月80時間」は、厚労省が過労死ラインとしているものです。

 志位委員長は、厚労省の通達では、「月45時間」を超えると、健康障害のリスクが徐々に高まると強調。法律で残業は「月45時間」までとするよう求めたものです。

 しかし安倍首相は、「慎重に検討すべき課題」とのべるにとどまりました。質疑のやり取りは次のようです。

トヨタ 技術者
(出勤するトヨタの技術労働者ら=三河豊田駅前)

……
 志位 2001年12月に、厚生労働省は、過重労働による「脳・心臓疾患の認定基準」を決めております。これがその通達であります。そこでは、「脳・心臓疾患」を発症させる過重労働かどうかは、総合的に判断されるべきだが、最も重要な要因は労働時間であるとして次のように述べております。通達を読みあげます。

 「(1)発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること

 (2)発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること」

 パネルをご覧ください。これは厚生労働省が作製した図をパネルにしたものであります。残業時間が「月45時間以内」の場合は健康障害のリスクが低い。「月45時間」を超えた場合は、長くなればなるほど、健康障害のリスクが徐々に高くなる。「月45時間」を超えた場合、または2~6カ月の平均で「月80時間」を超えた場合は、健康障害のリスクが高いものになる。これは厚労省自身がつくっている図であります。

45時間リスク
(厚労省のパンフレットから)

 志位 この厚生労働省が決めた過重労働による「脳・心臓疾患の認定基準」というのは、ここに持ってきましたが、「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書」――これは2001年11月に出されたものですが、これを根拠にしたものであります。

 これは非常に詳細な、医学的研究をもとにしたデータが集積されていますが、ここでは脳・心臓疾患の発症と、睡眠時間の関係について医学的研究をもとに次のように結論づけています。

 「その日の疲労がその日の睡眠等で回復できる状態であったかどうかは…1日7~8時間程度の睡眠ないしそれに相当する休息が確保できていたかどうかという視点で検討することが妥当と考えられる」

 「1日7・5時間程度の睡眠が確保できる状態を検討すると、この状態は、……労働者の場合、1日の労働時間8時間を超え、2時間程度の時間外労働を行った場合に相当し、これは、1か月おおむね45時間の時間外労働が想定される」

 つまり、その日の疲労がその日の睡眠で回復できる状態を維持するには、残業時間は「月45時間」までということになります。それを超えると疲労が長期にわたって累積し、「脳・心臓疾患」の原因となってきます。

 すなわち「大臣告示」で定めた残業時間「月45時間」というのは、政府自身が行った検討でも医学的根拠を持ったものだと思います。この報告書はなかなか詳細な検討を行っています。

 ここで一つ、総理に問題提起をしたい。政府が本当に国民の生活・生命・健康に責任を持つというのであれば、残業の限度は「月45時間」とするという「大臣告示」が定めた規制を法律化し、法的拘束力を持ったものにすべきではないでしょうか。これも私は、本会議の代表質問でただしましたが、定かな答弁がなかったので、この場ではっきりとお答えいただきたい。

志位パネル 45時間
(志位委員長が国会質疑で示したパネル)

 首相 われわれ今、ワーク・ライフ・バランスもしっかりと、これは経済界とともに進めていかなければならないと考えていますし、政労使の場でも大きなテーマにしているところでございます。

 そうしたところを進めている中で、今、志位委員がおっしゃった健康管理という点もきわめて重要な点でありますが、事業の中身によっては、非常に仕事が波動性があって、非常に忙しいときとそうではないときがある。

 月単位では、非常に忙しいとき、まさにここで稼がなければというときに、45時間を超えていくということはあるというなかにおいて、こうした規定があるわけでありますが、基本は基本でございますし、常にそういうことが行われるということがないように、監督署等においては健康の観点からしっかり見ていくことが重要であろうと思っているところであります。

 ですが、法定にするということについては、さまざまな観点から、働く人の健康確保を含め、慎重に検討すべき課題であると考えております。
……

 厚労省の「脳・心臓疾患の労災認定」のパンフレットは、次のアドレスで見ることができます。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-11.pdf

志位・雇用質疑 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/02/24 11:13

◎志位質疑 トヨタ「過労死事件」

 日本共産党の志位和夫委員長は2月20日の衆院予算委員会基本的質疑で、安倍首相に対し、非正規雇用、長時間労働、最低賃金という雇用問題の核心を取り上げました。このなかでトヨタの過労死事件にふれた部分の詳報を紹介します。

志位質疑
(質疑する志位和夫委員長=2月20日、衆院予算委員会)

……
 志位 トヨタ自動車における「過労死」について、私は取り上げたい。トヨタにおける残業上限時間は「月80時間」で「過労死ライン」上にあります。トヨタでの「過労死」認定は、これまでに5件にのぼります。

 2002年2月には、内野健一さん(当時30歳)の「過労死」事件が起こっております。内野さんは、トヨタ自動車堤工場車体部で班長として働いていました。トヨタの製造部門では、1週間おきで昼夜逆転の不規則勤務が行われていました。

 加えて「QCサークル」活動――労働者の自主活動の名のもとに行われる品質管理と能率向上のための職場の小集団活動が過重労働に拍車をかけました。亡くなる1カ月前の残業時間は106時間45分に達しました。

 妻の博子さんは、「享年30歳でした。亡くなる半年ぐらい前から夫の残業がどんどん増え、年が明けてからは異様な働きぶりでした。私は不安にかられていたのですが、その不安は的中し、過労による致死性不整脈で死んでしまったのです」と訴えておられます。

 2006年1月にはAさん(当時45歳)の「過労死」事件が起こっております。Aさんは、主力の中型セダン「カムリ」ハイブリッド車のチーフエンジニアとして働いていました。

 亡くなる前年の2005年には、1年間でアメリカへ6回、のべ49日間出張し、帰っても休むことなく出勤していました。死亡1カ月前の残業時間は月79時間、2カ月前は106時間、6カ月前は114時間でした。妻が作った弁当をそのまま残したり、半分しか食べない状況だったこともあるといいます。

 妻のBさんは、「車をつくりあげる喜びで仕事が止まらなくなるんです。『今日もアドレナリンが出っぱなしだった』。帰宅するなり夫はそう笑っていました。職場は常に興奮状態で、みずからを追い込んでいく。だからこそ会社がストップをかけないと」と訴えておられます。

カムリ
(カムリ)

 志位 「会社がストップをかけないと」と遺族が訴えているときに、何人もの犠牲者を出しながら、トヨタの首脳はどういう姿勢でしょうか。

 総合自動車ニュースサイト「Responce(レスポンス)」によれば、トヨタ自動車の伊地知隆彦専務(当時)は2011年8月、4~6月期決算発表の席上で「今の労働行政では、若い人たちに十分に働いてもらうことができなくなっている」とのべ、韓国のヒュンダイはトヨタより年間労働時間が1000時間も多いと指摘。「私は、若い人たちに時間を気にしないで働いてもらう制度を入れてもらわないと、日本のものづくりは10年後、とんでもないことになるのではないかと思う」、こう言い放ちました。「会社は過労死するまで働けというのか」と怒りを広げました。

 総理に問いたいと思います。「過労死」した労働者の遺族が「会社が止めてくれないと」と訴えている。そのときに会社は止めるどころか、「まだまだ足らない、もっと働け」という。そうであるならば、政治が責任を果たすべきではないでしょうか。重ねて問います。残業の限度は「月45時間」とするという「大臣告示」の規制を法律化すべきです。法律にしてこそ拘束力が生まれ、「過労死」防止の本当の力になる。いかがでしょうか。

 首相 先ほど申し上げましたように、既にこの時間外労働が月45時間などの基準に適合したものでなければならない、これが基本でありますが、これを超えた場合については、1年の半分を超えない範囲、基準を超えた時間を別に定めることができるとされております。

 しかし、労働基準監督署ではですね、そうした健康に被害が出ないように、過重労働による健康障害を防止するために指導を行っているわけでございます。先ほど塩崎大臣からそれを徹底するようにということで、しっかりと指示をしているわけでございます。

 そこでいまいろいろな例を挙げられたわけでございますが、いままでの働き方のスタイルをですね、われわれみんなで変えていくという、ワーク・ライフ・バランスの観点から、もう一度これは各企業が再検討していく必要が当然あるんだろうなと、こう思います。

 いま挙げられたトヨタ幹部の方がですね、働くということについて、どの部門についておっしゃっておられるかということは分かりません。これは研究職なのか、現場そのものなのかということはもちろんあるんだろうと、こう思うわけでございますが、いわばまあ研究職の場合はですね、時には集中的に研究にまさに没頭するという形で、新たなものを生み出していくことに喜びを覚えていく場合がございます。

 同時に、それはしっかりと健康管理を、会社としても注意しながら行っていくことが重要だろうと、このように思いますが、基本的には、法制化についてはさっき申し上げた答弁の通りでございます。

堤工場
(トヨタ堤工場)

 志位 残業の限度は「月45時間」とするという「大臣告示」は、今日お話ししたように、政府自身が行った検討でも医学的根拠を持ったものです。ところがそれを、日本経団連、経済同友会役員企業をはじめとする多くの大企業はまったく無視して、異常な長時間労働を強制し、「過労死」を引き起こしている。

 それなのに、「大臣告示」の法律化について、これだけ聞いてもやるとはおっしゃらなかった。この姿勢は、労働者の命と健康よりも、日本経団連、財界大企業のもうけを上に置くというものであって、政治の重大な責任放棄だと私はいいたいと思います。重ねて「大臣告示」の法律化を強く求めたいと思います。
……

 志位質疑(100分)は、次のアドレスで見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=4n5D1DvPg_M&feature=youtu.be

志位・雇用質疑 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/02/23 15:07

◎雇用問題で100分質疑 圧巻の志位VS安倍

 日本共産党の志位和夫委員長は2月20日の衆院予算委員会基本的質疑で、非正規雇用、長時間労働、最低賃金という雇用問題の核心を取り上げました。

 昨年12月の総選挙で、8議席から21議席へ躍進したことで、質疑時間はそれまでの約50分の2倍の100分へ。日本の政治の焦点である雇用問題だけを取り上げた圧巻の100分でした。

 質疑は、安倍政権が「岩盤規制」打破の名で進めている労働問題の根幹を突き崩しただけではなく、どうしたら日本の労働者が安心して働くことができるかの「対案」を示しました。

 自共「対決」、「対案」「共同」の3つを掲げて躍進した総選挙を、文字通り質疑でも示したものとなりました。

 このなかで志位委員長は、日本の異常な長時間労働の実態を示しながら、1998年に残業の限度を「週15時間、月45時間」とした「大臣告示」が出されていると指摘しました。

 ところが、トヨタ自動車をはじめ日本経団連・経済同友会の役員の大企業が、「月80時間の過労死ライン」を超える協定を平然と結んでいると指摘し、「『大臣告示』も『過労死ライン』も眼中にない。放っておくのか」とただしました。

 安倍晋三首相は、「(『大臣告示』の)法定化は慎重に検討すべき課題」とのべるだけでした。志位委員長は「労働者の命と健康よりも財界・大企業のもうけを上に置くものだ」と批判しました。

志位質疑 20150210
(志位質疑を報道する「しんぶん赤旗」2月21日付)

 志位委員長は、安倍政権が労働時間規制を撤廃する「残業代ゼロ制度」を創設しようとしていることについて、「異常な長時間労働が横行している日本で労働時間規制の適用除外制度を導入したら、過労死がまん延する」と追及しました。

 志位委員長は、残業時間に法規制がないもと、「過労死・過労自殺」(未遂含む)が1998年度52人から2013年度196人へ4倍近くに増加していると強調しました。

 そして、過労死認定が堤工場の内野過労死事件やカムリのチーフエンジニアの過労死事件など5件にのぼるトヨタの過労死事件を取り上げました。

 過労死したチーフエンジニアの妻は、「職場は常に興奮状態で、自ら追いこんでいく。会社がストップをかけないといけない」と訴えています。ところが、トヨタの伊地知隆彦専務=当時=は2011年、「若い人たちに時間を気にしないで働いてもらう制度を入れてもらわないと」とまでいいました。

 志位 過労死遺族が「会社が止めて」と訴えても、会社は「もっと働け」という。そうならば、政治が責任を果たすべきではないか。「大臣告示」が定めた規制を法律化すべきだ。

 首相 研究職などは、ときには集中し、没頭することが喜びだ。法定化については、慎重に検討すべきだ。

 残業時間の上限制限の法制化に背を向ける首相に対し、志位氏は「労働者の命と健康よりも、経団連、財界・大企業のもうけを上におくのか。政治の重大な責任放棄だ」と厳しく批判しました。

 (志位委員長の質疑の詳報は続報します)
志位・雇用質疑 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/02/21 17:56
 | HOME |