◎「平和の使者になることができる」 沖縄・女子高生の詩

 沖縄戦から72年目の6月23日、沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」(主催・沖縄県と県議会)が開かれました。

 このなかで自作の詩「誓い―私たちのおばあに寄せて」を朗読した沖縄県立宮古高校3年生の上原愛音(ねね)さん。「平和の使者になることができる」との呼びかけが感動を呼んでいます。

 合唱団で鍛えたという、すがすがしいなかにも力強い声で、原稿を見ることもなく朗読した上原さん。4年前の2013年に同じ「追悼式」で自作の詩「へいわってすてきだね」を読んだ当時6歳の安里有生君-。

 さらに、22年前の1995年10月21日、米兵による少女暴行事件を受けて宜野湾市で開催された沖縄県民総決起大会。当時、普天間高校3年生だった仲村清子さんの決意表明。

 いずれも、20万人が亡くなったといわれる沖縄戦をふたたびくり返さないという決意と、そのためには米軍基地の全面撤去を求めるという若者たちの思いにあふれています。

 上原さんの詩です。

 今日も朝が来た。/母の呼び声と、目玉焼きのいい香り。/いつも通りの平和な朝が来た。/七十二年前/恐ろしいあの影が忍びよるその瞬間まで/おばあもこうして/朝を迎えたのだろうか。/おじいもこうして/食卓についたのだろうか。

 爆音とともに/この大空が淀んだあの日。/おばあは/昨日まで隠れんぼをしていたウージの中を/友と歩いた砂利道を/裸足のまま走った。/三線の音色を乗せていた島風に/鉄の臭いが混じったあの日。/おじいはその風に/仲間の叫びを聞いた。

 昨日まで温かかったはずの冷たい手を握り/生きたいと泣く/赤子の声を抑えつけたあの日。/そんなあの日の記憶が/熱い血潮の中に今も確かにある。/決して薄れさせてはいけない記憶が/私の中に/私達の中に/確かに刻まれている。

上原愛音さんの詩
(「しんぶん赤旗」、6月24日付から)

 少女だったおばあの/瞳いっぱいにたまった涙を/まだ幼かったおじいの
両手いっぱいに握りしめたあの悔しさを/私達は確かに知っている。/広がりゆく豊穣の土に芽吹きが戻り/母なる海がまた/エメラルドグリーンに輝いて/古くから愛された/唄や踊りが息を吹き返した今日。

 でも/勇ましいパーランク―と/心臓の拍動の中に/脈々と流れ続ける/確かな事実。/今日も一日が過ぎゆく。/あの日と同じ刻ときが過ぎゆく/フェンスを飛びこえて/締め殺されゆく大海を泳いで/癒えることのない/この島の痛み

 忘れてはならない/民の祈り/今日響きわたる/神聖なサイレンの音に/「どうか穏やかな日々を」/先人達の願いが重なって聞こえる。/おばあ、大丈夫だよ。/今日、私達も祈っている。/尊い命のバトンを受けて/今/祈っている。

 おじい、大丈夫だよ。/この島にはまた/笑顔が咲き誇っている。/私達は
貴方達の想いを/指先にまで流れるあの日の記憶を/いつまでも/紡ぎ続けることができる。/誓おう。/私達はこの澄んだ空を/二度と黒く染めたりしない。

 誓おう。/私達はこの美しい大地を/二度と切り裂きはしない。/ここに誓おう。/私は、私達は、/この国は/この世界は/きっと愛しい人を守り抜くことができる。/この地から私達は/平和の使者になることができる。

 六月二十三日。/銀の甘蔗(かんしょ)が清らかに揺れる今日。/おばあ達が見守る空の下/私達は誓う。/私達は今日を生かされている。

 上原さんの詩の朗読の動画は、次のアドレスで見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=ygVgvCfCQoo&feature=youtu.be
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沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/06/25 10:44

◎勝利のラインダンスを踊ろう! 沖縄と連帯

 名古屋市の繁華街・栄で毎週土曜日、沖縄に連帯する集会が開かれている。三越デパートの前にライオン像があるが、その前の通路がふくらんだ広場状になっている場所で、午後6時から7時まで行っている。

 所用で名古屋に出かけた帰り、久しぶりに参加した。この日で、47回目だという。1年近く続いていることになるから、ねばり強い運動だ。40人ほどが集まっていた。

栄沖縄1


 沖縄では、安倍政権が米軍・普天間基地に代わる新基地を、名護市の辺野古沖の海を埋め立ててつくろうとしている。県民の圧倒的な反対にもかかわらず、強権をむき出しにしている。

 県知事の岩礁破砕許可は3月末で期限が切れたにもかかわらず、問答無用で埋め立てている。翁長雄志知事は、差し止め訴訟などの対抗策を講じることを明らかにしている。

栄沖縄3


 集会では、歌とスピーチが交互に行われ、地元のシンガーソングライターの五島良子さんが自作の「君死にたもうことなかれ」を歌った。彼女は以前、「電気グルーヴ」という有名なバンドにいたことのある人だ。ユーチューブにアクセスするとすぐ出てくる。

 スピーチでは、日本に住んでいるアメリカ人の訴えが心に残った。日本とアメリカを比較し、今の日本は平和だと指摘した。アフガンやシリアなどで戦争をしているアメリカ、9条がある日本…この平和な日本を守ろうとの訴えは、心に響く。

栄沖縄4


 いよいよ最後のラインダンスだ。参加者全員が手をつなぎ、足を上げて踊る。沖縄のバンド「ディアマンテス」の「勝利のうた」のCDに合わせてダンスをするのだ。これが実に楽しい。

 辺野古の米軍・キャンプシュワブ基地の前のテント村に座り込んでいる沖縄のおじい、おばあがラインダンスやっているという。以前、名古屋の集会に来た沖縄平和運動センターの山城博治議長は、現地では“ばば殺し”というと語っていた。長時間踊るとかなりハードだ。

 この日は、視覚障害者の人がカラオケで歌った。「勝利のうた」に合わせて踊った。みんな、とても上手で、楽しそうだった。カンパ袋に、千円円札を入れていく人がかなりいた。名古屋と沖縄が熱い連帯に包まれた土曜日だった。

栄沖縄2
沖縄 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2017/06/20 08:52

◎山城議長の即時釈放を 沖縄県選出の全6国会議員が声明

 沖縄県選出の全国会議員6人は2月18日、安倍政権がすすめている名護市辺野古への新基地建設や米軍北部訓練場でのヘリパッド建設の抗議行動で、逮捕・起訴されている沖縄平和運動センターの山城博治議長の即時釈放を求める「声明」を発表しました。

 山城議長は、威力業務妨害容疑などで、約4カ月にわたり勾留されています。異常な長期の拘留について「声明」は、次のようにのべ、安倍政権を強く批判しています。

 「軽微な容疑にもかかわらず、存在しない『証拠隠滅や逃亡の恐れ』を口実に長期拘留と接見禁止が続けられていることは、辺野古および高江の闘いとウチナーンチュの平和と尊厳回復を求める非暴力の抵抗をつぶす目的の政治弾圧だ」

 声明を出したのは、赤嶺政賢、照屋寛徳、仲里利信、玉城デニーの各衆院議員、糸数慶子、伊波洋一の各参院議員です。オール沖縄が推薦するすべての議員です。安倍政権の与党の自民党などの国会議員は、沖縄県からすべていなくなっています。

 このニュースに接し、昨年5月1日に山城議長が名古屋に来た時のことを思い起こしました。同日、“つながろう愛知”からと、栄の久屋大通り公園・光の広場で沖縄県名護市辺野古への米軍・新基地建設を許さない集会・ライブ・デモ行進が行われました。

山城1
(沖縄平和運動センターの山城博治議長=2016年5月1日、名古屋市で)

 山城議長はメインゲストで、大きな身振り手振りで歌も歌いながら1時間近く話し、最後にゲート前で行われているラインダンスをみんなでやろうと呼びかけました。

山城2


 参加者全員が立ち上がりロック調に合わせラインダンスをして盛り上がりました。現地では、歌あり、踊りありで、楽しく、非暴力で運動をしているといいます。

山城3


 実際、ヘリパッド反対の運動の現場では、「座り込みガイドライン」の立て看板があり、「私たちは非暴力です」「いつでも愛とユーモアを」と記しています。山城議長らは、これを徹底しているのに、安倍政権は「非暴力の抵抗をつぶす目的の政治弾圧」(「声明」)で異常な長期の拘留を続けているのです。

沖縄 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/02/23 05:35

◎ヘリパッドの高江で 「沖縄 16」④

 年末の9回目の沖縄旅行で、激しいたたかいになった沖縄北部の東村高江に向かった。米軍の北部訓練場(東村、国頭村の7800㌶)に、安倍政権がオスプレイなどを離発着できるヘリパッドを建設している現場だ。

 名護市辺野古から車で1時間30分ほどかかる。東村の集落をぬけると、木がジャングルのように密生している。地元の人たちがブロッコリーと呼んでいる木だ。その中を国道70号線がどこまでも続いている。一本道だ。

高江1 201612


 ヘリパッドの建設は、地元住民と沖縄の人々のたたかいですすんでいなかった。ところが昨年夏、安倍政権は突如、建設の再開を強行した。参院選の投開票日の翌日(7月11日)だった。

 全国から機動隊を動員して、資材の搬入口に連日、座り込む県民、支援の人たちをごぼう抜きした。有無を言わさない、力づくの強行突破だった。昨年完成したN4ゲート前は、フェンスを張り、ガードマンが数人並んでいた。

修  ヘリパッド 地図 沖縄タイムス
(「沖縄タイムス」から)

 そこから5分ほどのところに、反対する人々のN1ゲートテント村がある。全国から激励に訪れる人たちにレクチャーをしていた。年末だが多くの人々が来ていた。

 その反対側には、資材などの搬入口のゲートがある。多数のアルソックの警備員が並んでいる。搬入路の坂道に沿ってフェンスがある。大阪府警から動員された機動隊員が沖縄県民に向かった「土人発言」をしたところだ。この日は静かだった。

高江2 201612


 N1裏ゲートにも行った。新川(あらかわ)ダム入り口から畑の中を10分ほど車で走る。ブルーシートのテント村があった。昨年来たときには白いテントが2つあっただけだったが、村として大きくなっていた。

 テントの裏側には、H地区に通じる通路があり、金網のフェンスに板を貼り付けて道をふさぎ、そのうしろではアルソックの警備員が立っている。昨年とは大きく様変わりしていた。

 6つのヘリパッドは、安倍政権の強行突破で、ほぼ完成に近い状態になっている。辺野古に新基地ができれば、高江のヘリパッドと合わせて米軍基地の強化が最大限のものになるだろう。

高江3 201612


 豊かなヤンバルの自然とジュゴンが生息する辺野古の美しい海を破壊し、米軍基地を強化する。なんとしても阻止したい、と山と海で体を張ってたたかう沖縄の人々。

 参院選では、ヘリパッド建設と新基地建設に反対するオール沖縄が推した伊波洋一候補が約35万票、自民党現職で島尻安伊子・沖縄北方担当相が約25万票で、伊波候補が10万票の大差で勝利した。

 これで、自民党は沖縄県で衆院小選挙区(4議席)、参院(2議席)のすべてで議席を失った。6議席ともオール沖縄が占めた。県民の民意は明白だ。

高江4 201612


 米軍は昨年12月22日、北部訓練場の約半分にあたる約4000㌶を「返還」した。6カ所のヘリパットの建設が完成したからだ。「返還式」なるものに、翁長雄志沖縄県知事は参加せず、同じ日に開かれたオスプレイ墜落に抗議する集会に参加した。

 翁長知事は、あらゆる方法を使って新基地はつくらせない、とくり返し語っている。私たちも、知事の不退転の決意に応え、日本全国で声を上げ、オールジャパンで安倍政権のアメリカ言いなりの政治を変えなくてはと思った。

沖縄 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/01/17 11:38

◎米軍基地前のテント村で 「沖縄 16」 ③

 年末の9回目の沖縄旅行で、名護市辺野古にある米軍キャンプ・シュワブ前のテント村を訪れた。辺野古漁港側のテント村からは、辺野古の集落の中を歩いて15分くらいのところだ。

 地元のボランティアが車で送ってくれた。車でわずか5分ほどである。米軍基地は、クリスマス休暇だったので静かだった。テント村も午前中だったこともあり、留守番の人が数人いただけだった。

シュワブ1
(米軍キャンプ・シュワブ=右側=とテント村=左側=)

 テントが立ち並んだテント村は、米軍基地と対峙するように50mほど続く。米軍の正面ゲートは静かだった。入口で、アルソイックの警備員が1人立っているだけだった。

 正面ゲートから50mほど北側には搬入ゲートがある。以前は、テント村がこちらにあったが、現在の場所に移動した。搬入ゲートは、沖縄県警の大型バスとトラックが入り口をふさぐように駐車しており、アルソックの警備員10人ほどが警戒していた。

シュワブ2


 テント村で留守番をしている若者と話をした。12月22日に北部訓練場の「返還式」が行われ、形式的にはオスプレイが発着できるヘリパッドが完成したことになっているので、辺野古の基地建設が本格的に始めるだろうと語っていた。

 話の途中に、防衛省沖縄防衛局の作業服を着た人が見回りに来た。テント村の人とひとこと二言話をして帰って行った。いつも来るという。

シュワブ3


 いよいよ辺野古の新基地建設をめぐってたたかいが、また始まる。全国から大きな支援すると同時に、全国各地で抗議の意思表示をして、オールジャパンでたたかわなくてはならないと思った。

シュワブ4


 若者が語っていたように、正月明けになると安倍政権は、米軍のための新基地建設をめざし一気に動き始めた。沖縄防衛局は5日午前、米軍キャンプ・シュワブの沿岸部の砂浜に準備していた浮桟橋を海上に設置する作業を始めた。

 海上では、船3隻、カヌー10ほどが抗議。ゲート前では、今年最初の抗議行動が始まった。稲嶺進名護市長ら約400人が参加。稲嶺市長は、「絶対に屈しない。新基地は造らせない」とのべた。

 沖縄防衛局は、6日にはフロートを作業船で海上に設置する作業を始めた。テント村で県民らが座り込み、海上では船とカヌーから抗議した。連日、県民らは抗議し、9日も抗議は続いている。

 これに先立つ4日、翁長雄志沖縄県知事は、県庁で職員に向けて年頭あいさつ。「辺野古に新基地を造らせないことを県政の柱とし、県の有するあらゆる手法を用いて取り組む」とのべた。

フロート 琉球新報から
(安倍政権は辺野古の海にフロートを張った=琉球新報から)

 知事は5日、米軍のオスプレイ空中給油再開について県庁で、「県民に寄り添うと言いながら、米軍の要求を最優先する政府の姿勢は、信頼関係を大きく損ねるものであり、強い憤りを感じている」と語った。

 新基地を造らせない、という翁長知事の姿勢は、いささかも揺らいでいない。県民に寄り添うというのは、知事のことだ。安倍政権が寄り添っているのは、アメリカなのだ。
沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/01/09 14:42

◎辺野古の海とテント村で 「沖縄16」 ②

 年末の沖縄への旅行で行った名護市辺野古のテント村は、にぎやかだった。テント村は、辺野古の漁港にある。冬休みに入ったせいか、学生のグループや教員グループなどが次々と訪れていた。

 テント村のボランティアスタッフが、次々と訪れるグループにレクチャーをしていた。若い学生たちが、実際の現場を前にして真剣に耳を傾けている様子は頼もしい限りだった。私もいっしょに聞かせてもらった。

辺野古16 ①
(辺野古のテント村)

辺野古地図


 米軍は12月22日、沖縄本島の北部にある東村の北部訓練場(7800㌶)の約半分にあたる約4000㌶を「返還」した。オスプレイが離発着する6カ所のヘリパットの建設を安倍政権が強行した後でのことだ。

 ヤンバルクイナが生息する貴重な森を切り裂き、使用できない谷筋などを「返還」しただけで、訓練場をいっそう強化したにすぎない。「返還式」なるものに、翁長雄志沖縄県知事は参加せず、同じ日に開かれたオスプレイ墜落に抗議する集会に参加した。

辺野古16 ③
(どこまでも青い辺野古の海。向こう側に見えるのが米軍キャンプシュワブ)

 スタッフは、安倍政権は今後、辺野古の新基地建設に集中するだろうという。安倍政権に追随した最高裁の不当な判決で、辺野古の埋め立ての取り消しをした翁長知事側は一歩、後退を余儀なくされた。

 安倍政権は、待ってましたとばかりに、12月27日午後、新基地建設の工事を10カ月ぶりに再開した。県民は、米軍キャンプシュワブのゲート前に座り込み、抗議した。

辺野古16 ④

辺野古16 ⑥


 翁長知事は同日、首相官邸で菅義偉官房長官に事前協議を要請したが、菅長官は拒否した。翁長知事は、「絶対に新基地は造らせないという気持ちで頑張りたい。いろいろな形でやることをやっていく」と断固とした決意を示した。

 テント村には、「新基地建設阻止! 闘争開始より8年(2639日)の命を守る会の闘いとテント村座り込み4633日」の看板があった。4633日とは12年以上にもなる。

辺野古16 ②


 辺野古の青い海に向かった。キャンプシュワブと日本を隔てるフェンスに、新基地建設に抗議する横断幕やリボンなどが取り付けてある。15の横断幕があった。「オール沖縄の心 全国の願い1つ 基地もオスプレイもいらない!」「美しい海を汚さないで」など全国からの連帯メッセージだ。

 こうしたメッセージが、何者かによって取り去られるという。沖の方では年明けから本格的に再開される工事に抗議するために、カヌーの練習をする人たちがいた。

辺野古16 ⑤
(カヌーの練習をする人たち)

 ジュゴンが生息するこの美しい海に、またフロートを張り巡らすのか! 海保と呼ばれる海上保安庁の強力なゴムボートが抗議する人々を排除するのか! フェンスに「沖縄不屈」のメッセージが取り付けてあった。

 そうだ。沖縄県民は不屈のたたかいをしているのだ。すでに12年以上も。たたかいを始めた時と今は何が違うのか? 県民が選んだ翁長知事がいるのだ。県民の民意を示して選んだ翁長知事が、県民の不屈のたたかいに寄り添っているのだ。
沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/12/31 13:19

◎オスプレイ墜落現場で 「沖縄16」 ①

 沖縄の2016年は激動だった。安倍政権による辺野古の海の埋め立て強行、高江でのヘリパッド建設強行、オスプレイ墜落-。その一方で、夏の参院選挙ではオール沖縄の勝利…沖縄の人々の不屈のたたかいを追った。今年で9回目となる沖縄の旅で。

 沖縄は、すごい暑さだった。気温25度。豊田市の初夏のようだった。沖縄の人もこんな暑さは初めてだと言っていた。クリスマスイブの12月24日、中部国際空港セントレアを飛び立って那覇空港に着いた。

 ホテルで地元紙の琉球新報を読んでいると、25日の午後0時からオスプレイが墜落した名護市の海岸で、残骸を回収する作業が行われるという記事があった。早速、参加することにした。コンビニで軍手を買った。

 安倍政権が普天間基地に代わる新基地を建設しようとしているのが名護市の辺野古だ。その辺野古にある米軍キャンプシュワブのゲート前を、車で通って10分ほど走ると墜落現場に着いた。

沖縄16 ①


 車を停める場所を探していると、前からTシャツを着た人が2人歩いてきた。Tシャツには「“菅(義偉官房長官)悪代官” ウチナー(沖縄の人々の意味)の未来は ウチナーが決める 基地負担軽減はウソ」「表現の自由」とあった。

 悪代官なんかに屈するか、という思いが伝わる。意気盛んだ。様子を聞くと、すでに回収作業は終わったという。公民館の広場に回収した残骸の山が箱に入れて置いてあるという。

 広場に行くと、地元新聞社の記者がインタビューをしているところだった。海岸から見ると、墜落現場にはもう何もないように見えるが、海中には尖った金属片などがたくさん残されたままになっているという。

沖縄16 ん

沖縄16 ③




 回収された中には、小さな金属片や切断された配線、パイプ、グラスファイバーの小片などがあった。地元の人たちは、これら回収物を米軍に引き取ってもらうといっていた。

 この状態を見れば、安倍政権がいうような不時着なんかではなく、墜落だった事は明らかだ。墜落した現場にも行ってみた。海岸線に沿って岩場を歩く。現場は浅瀬で、ごつごつした大きな岩がたくさんあった。

 現場には、もう何もなかった。米軍が回収したのだ。海上保安庁が捜査の申し入れをしたにもかかわらず、米軍は何も回答しないままに回収作業を一方的に行った。日米安保条約に基づく屈辱的な地位協定で、アメリカ軍の同意が必要だからだ。

沖縄16 ④
(オスプレイの墜落現場)

 日本の領土で、事故原因を究明できないのだ。地元の人々の話では、海の中には、まだまだ多数の残骸があるそうだ。ダイバーによる回収作業も必要だと言っていた。

 現場から正面を見ると辺野古のキャンプシュワブの建物や鉄塔が見える。目と鼻の先だ。新基地の建設現場でもある。海岸線に沿って集落がある。墜落現場からは1kmもない、本当に危ないところだったことがわかった。
沖縄 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/30 13:21

◎内野裁判の裁判長 辺野古の埋め立てで判決へ

 安倍政権は、米軍の新基地を、沖縄県名護市の辺野古の海を埋め立ててつくろうとしています。この安倍政権に対し、埋め立てに反対している沖縄県が争っている裁判で福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は明日9月16日に判決を出します。

 このことを書いた日経新聞の記事を読みながら、「多見谷寿郎裁判長?」、どこかで聞いた名前だなと記憶を探しているうちに、見つかりました。

 トヨタ自動車堤工場で2002年に亡くなった内野健一さん(当時30歳)の裁判(名古屋地裁)で2007年11月、妻の博子さんの訴えを認めて、過労死と認めたのが多見谷裁判長だったのです。

辺野古の海
(沖縄県名護市の辺野古の青い海)

 新基地建設反対の県民の支持を受けて当選した沖縄県の翁長雄志知事は、前知事の埋め立て承認には瑕疵があったとして15年10月、取り消しました。ところが安倍政権は、取り消しの是正を知事に求めましたが、知事が従わなかったとして福岡高裁那覇支部に提訴しました。

 今年3月、多見谷裁判長は安倍政権と翁長知事に、▽国は訴訟を取り下げ、埋め立て工事を直ちに停止、知事は訴訟を取り下げる▽国と県は円満解決に向けた協議を行い、訴訟になった場合には、国と県は相互に判決に沿った手続きの実施を確約する――などの和解案を提示。双方が受け入れました。

 しかし、埋め立て工事を急ぐ安倍政権は、和解協議を閉ざし7月22日、ふたたび高裁那覇支部に訴えました。翁長知事は9人の尋問を求めましたが、多見谷裁判長が認めたのは翁長知事だけでした。

 翁長知事は裁判で、一方的に新基地を建設しようとする安倍政権に対し、「沖縄県への基地の過重負担を固定化させることになる」などと主張し、安倍政権の対応を強く批判しました。

 現憲法は、戦前の侵略戦争への反省から地方自治を憲法の大きな柱にすえています。安倍政権は、新基地建設反対の沖縄県民の民意と地方自治の原則を踏みにじり、権力を使って強引に辺野古の埋め立てをすすめようとしています。

 多見谷裁判長が、16日にどのような判決を示すのか注目されます。多見谷裁判長は内野裁判では、過労死と認めなかった豊田労基署の決定を覆しました。豊田労基署は、健一さんが亡くなる1カ月前の残業時間を45時間35分としか認めませんでした。

 多見谷裁判長は、トヨタが「自己研鑚」としていたQCサークル活動や創意くふう提案活動、交通安全運動、EX(班長)会の役員活動を業務と認め、残業時間を106時間45分として過労死と認めました。

 多見谷裁判長は、判決文の要旨を読み上げた後、「最後に一言つけ加えたい。原告は強い思いで(夫の過労死の実態を)調査された」と異例ともいえるねぎらいの言葉をかけたのです。

 人間味のある判決とねぎらいの言葉に博子さんや傍聴者は感動しました。辺野古に新基地をつくらせるかどうかは、日本の政治課題でもっともおおきな争点の1つです。国政をゆるがす判断となりそうですから予断は許しませんが、沖縄県民に寄り添った人間味のある判決を期待したいものです。
沖縄 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2016/09/15 10:40

◎地図は語る “銃剣とブルドーザー”で普天間基地はつくられた

 「(沖縄県の米軍基地)普天間は日本で二番目に危ない空港(一番は伊丹空港)と言われていますが戦後の基地開設時は、周囲に畑と森しか無いような場所でしたが徐々に基地周辺に多くの人が移り住んで来ています。良くテレビに出る小学校も後からあの場所に建設しました」

 これは、このブログ「トヨタで生きる」に寄せられたコメントです(2012年5月15日アップの「米軍基地をなくすのは簡単なこと」の記事に対し)。これに対しブログでは、「米軍は、“銃剣とブルドーザー”で沖縄県民の土地を基地にした」(2012年6月2日アップ)と反論してきました。

 私たちの反論が正しかったことは、地図が雄弁に語っています。16年7月に発行された『地図がわかれば社会がわかる』(田代博・日本地図センター地図研究所長著、新日本出版社)に、2枚の地図が掲載されていました。

 1枚は、普天間基地がつくられる前の1921年発行の国土地理院の2万5000分の1の地図です。もう1枚は、普天間基地がつくられた後の1974年の地図です。

30 普天間 新旧地図


 比べれば、一目瞭然です。「周囲に畑と森しか無いような場所でしたが徐々に基地周辺に多くの人が移り住んで来ています」ということは成り立たず、米軍は、“銃剣とブルドーザー”で沖縄県民の土地を基地にしたことがよくわかります。

 滑走路こそ畑と森だったようですが、その南側や東側に広がる集落は、基地の中に完全に消えています。2枚の地図をコピーして重ね合わせるとさらによくわかります。
沖縄 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2016/09/14 08:31

◎記者の誇り、沖縄のマスコは県民のもの

 安倍政権が米軍のために強行している、沖縄県東村高江のヘリパッド建設。県民が連日、抗議行動をくり広げています。その行動に連帯した沖縄マスコミ労働組合協議会(沖縄マスコミ労協、新聞、テレビ、ラジオ12社の約650人が参加)の副議長のあいさつは感動的です。

 あいさつしたのは、沖縄マスコミ労協の大矢英代副議長です。琉球朝日放送の記者です。あいさつの様子がユーチューブの動画に投稿されています。大矢記者は、あいさつの冒頭で、千葉県出身で3年有期の契約社員として入社したことを明らかにしています。

 正社員化の運動をしてきた組合の力で、現在は正社員になったことや、沖縄のことを何も知らなかったなかで、取材するうちに県民の側にたった報道を痛感したことなどを語りました。そして、次のように記者としての姿勢を語りました。

沖縄マスコミ労協 大矢副議長
(あいさつする沖縄マスコミ労協の大矢副議長=ユーチューブから)

……
 私たち(沖縄)マスコミ労協は、あらゆる戦争につながる原稿は書かないことを約束します。戦争のためにカメラを回しません。戦争のためにペンは取りません。戦争のために輪転機を回しません。

 71年以上前、先輩たちが犯した過ちは2度とくり返しません。そんな思いで沖縄の記者たちは、日々現場に立っています。それを支えているのは沖縄のみなさんです。

 沖縄のマスコは県民のものです。民(たみ)のものです。
……

 まだ、若い女性記者です。原稿を用意せずに、こんな格調高いあいさつができることに驚きます。拍手する県民の後ろには、県民を排除する構えの警備員らが映っています。

 安倍政権の権力を使ったマスコミ操作、分断、圧力で、新聞社やテレビ局は、政権批判のトーンを落としています。高市早苗総務相の電波停止発言は露骨で、参院選報道の時間は激減。党首討論会はわずか1回しかなく、争点が明らかにならないなかで投票日を迎えました。

 新聞、テレビ局幹部の安倍政権を忖度した経営姿勢のなかで、現場の記者が萎縮しているのが現実です。そうしたなかで、「沖縄のマスコは県民のものです。民のものです」と語った大矢副議長のあいさつは、全国の記者を励ますものでしょう。ユーチューブのアドレスは次の通りです。

https://www.youtube.com/watch?v=_XCKn1W0m5U&feature=youtu.be

沖縄 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2016/09/07 08:27

◎強権むきだし 沖縄・高江 ヘリパッド建設強行

 防衛省沖縄防衛局は7月22日午前6時、沖縄本島北部の東村高江に建設中の米軍ヘリ着陸帯(ヘリパッド)の建設工事を、約2年ぶりに再開しました。全国から動員された数百人の機動隊員が、反対する人々を強制的に排除しました。

 建設のための資材が搬入されたのは、参院選が終わった7月11日のことでした。安倍自公政権が突然、牙をむき反対運動を押しつぶそうというものでした。参院沖縄選挙区では、現職の島尻安伊子・沖縄北方担当大臣が、オール沖縄が推す伊波洋一候補に大差で負けた直後のことでした。

60 沖縄タイムスから
(反対運動の宣伝カーから機動隊に引きずり下ろされる人=7月22日、「沖縄タイムス」から)

 機動隊員の暴力的な排除をテレビで見ながら、昨年8月に現地を訪れた時のことを思い起こしました。その時のことは、このブログ「トヨタで生きる」に書きました(2016年8月31日アップ)。以下は、その採録です。

……
 沖縄県東村高江。ここに、安倍政権は米軍のヘリコプターの着陸帯、「ヘリパッド」を新たに建設しているのだ。返還される代わりに新たに4カ所6個のヘリパッドをつくろうとしている。

 防衛省沖縄防衛局は、2007年7月に工事を強行。14年3月には、集落からもっとも近いN4地区のヘリパッドを完成させた。今年1月、安倍政権は先行供与の閣議決定をしたため、オスプレイの本格的訓練が始まった。

 「ヘリパッドいらない住民の会」やこれを支援する人々は、ゲート前にテントを張り、昼も夜も24時間体制で抗議と監視体制を続けている。6月28日には、「高江座り込み8周年報告会」が開かれた。その粘り強さは驚きだ。

 座り込みをしていた「高江ヘリパッド反対現地行動連絡会」の共同代表の仲村渠(なかんだかり)政彦さんに話を聞いた。テントからは見えないがオスプレイなどが飛び回っていると語る。米軍のヘリには、機体の一部に劣化ウランや放射線を出すストロンチウム90を使っているという。

沖縄・高江 座り込み 201508
(高江に座り込む人々=2015年8月)

 米軍は、イラク戦争などで劣化ウラン弾を使ってきた。そのために異常児が生まれている。北部訓練場など北部には沖縄本島の60%をまかなう水がめ、ダムがあちこちにある。そのダムで米軍は訓練し、ヘリが墜落する事故も起きている。

 決して沖縄北部だけの問題ではなく、沖縄全体の命にかかわる問題だと仲村渠さんは語る。「夜も2~3人で、交代で泊まりこんでいます。寝袋で寝たり、自動車で寝たりしています。へびもムカデもでますよ」と笑う。学者タイプの冷静な人だ。
……

 安倍政権は、さらにこの日、名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、辺野古埋め立て承認取り消しに対する国側の「是正指示」に翁長雄志知事が従わないのは違法だとして、県を相手取って違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に起こしました(第1回口頭弁論は8月5日)。

 強権に次ぐ強権に、翁長知事は、「沖縄の米軍基地問題についての国の強硬な態度は異常だ。多くの選挙を通じて民意が示されたのに、全く聞く耳を持たずに新基地建設を進めることは民主主義国家のあるべき姿からほど遠いものだ」と厳しく批判しました。

 参院選沖縄選挙区で自民党が敗れてために衆参6議席は、すべて翁長知事らオール沖縄が占めました。これを民意といわなくて、何を民意というのでしょうか。それを強権的に上から押しつぶそうとする安倍政権。沖縄県民と連帯してたたかおう!

沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/07/26 05:37

◎翁長与党・県議選大勝利 また米兵事故

 沖縄県で6月5日、県会議員選挙(定数48)の投開票が行われ、辺野古への新基地建設に反対する翁長雄志知事与党の日本共産党、社民党などが改選前の議席を4上回る27議席(半数は24議席)を獲得、大勝利しました。

 「オール沖縄」勢力の大勝利で、あらためて辺野古新基地建設反対の民意が示されました。

 このブログ「トヨタで生きる」は、投開票日に名古屋市で行われた「辺野古新基地反対コンサート」を紹介(7日アップ)しましたが、名古屋からの思いが沖縄に届きました。

 日本共産党は、前回より1議席増やして6議席となりました。得票数も前回比115・8%へと増えました。翁長知事は、「(辺野古新基地建設は)沖縄県民の誇りにかけて許されないことだ、というような思いが伝わってくる選挙戦の結果が出た」と語りました。

 県議選の直前に、アメリカの元海兵隊員が、うるま市に住む女性(20)の遺体を捨てた容疑で逮捕(5月19日)される事件が起きました。安倍首相は、伊勢志摩サミットで来日したオバマ大統領に地位協定の改定を要求しませんでした。

嘉手納基地の模型
(嘉手納基地の模型。左のオレンジの線が国道58号。基地を取り囲むような道路です)

 しかも、県議選投開票の当日の5日の未明には、米軍嘉手納基地所属で女性米海軍2等兵曹のアイメ・メヒア容疑者(21)が飲酒運転し、車2台と衝突する事故を起し、逮捕されました。

 遺体遺棄事件の後、米軍が基地外での飲酒禁止命令を出しているなかで起きた事件でした。メヒア容疑者は、嘉手納町水釜の国道58号を南向けに逆走し、北上車線の車と正面衝突する事故を起こしたものです。

 この事故で35歳の女性が胸骨骨折の疑いの重傷を負いました。嘉手納町水釜は、嘉手納基地の外側を走る幹線道路です。私が昨年8月に嘉手納基地を外から見るために走った道路です。

嘉手納基地
(嘉手納基地を離陸する戦闘機)

 この道路を逆走するとは、信じられないことです。メヒア容疑者は、呼気から基準値の約6倍のアルコールが検知されたといいますから、言語道断の飲酒運転です。

 また、また起きた事件。在日米海軍司令部は6日、日本に駐留するすべての海軍将兵に対し、基地内外で飲酒を全面的に禁止するとの措置を取りました。この措置は暫定的で、期間も指揮官の判断でいつでも解除できるものです。

 辺野古への新基地をつくらないことはもとより、すべての米軍基地をなくさないかぎり沖縄の人々は安心して暮らすことはできないでしょう。県議選の結果は、こうした県民の民意を強く示すものになりました。

             ◇

 この記事は、6月8日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。

沖縄 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/06/07 20:43

◎沖縄の平和とジュゴンを守ろう

 沖縄の辺野古新基地の建設に反対し、平和とジュゴンを守ろうと6月4日、辺野古新基地反対コンサート(実行委員会主催)が名古屋市の繁華街・栄で開かれた。栄交差点の三越デパートの向かいにある栄広場が会場だった。

 浅野義高実行委員長は訴える。「沖縄でまたしても、アメリカ海兵隊員による凶悪城極まりない事件が起きてしまった。事件現場で座り込む父の『お父さんのところに帰るよ、みんなと一緒についてきて…』との悲痛な叫びに胸が痛む」

辺野古コンサート1


 「ただウォーキングしていただけで、あまりにも悲しすぎる、辛すぎる。何の落ち度もないのに女性をねらった犯罪は、基地がある限りくり返される。安倍首相は、辺野古移設が唯一の解決策とオバマ大統領と認識を共有していた」

 「このような政治はみんなの力で変えていくしかない。米軍の基地はすべて撤去するしかない。基地をなくして平和な沖縄を取り戻すしかない」

 コンサートでは、こうした思いを1つにした。今回で5回目となるコンサート。椅子に座っている人、歩道の花壇に腰掛けている人、そして絶え間なく行き交う人々のなかで開かれた。

辺野古コンサート3


 シールズ東海の集会、デモと重なったために、デモの後にしか参加できなかった。合唱団、グループ、ソロ、バンドなどさまざまな人々が午前11時から午後4時すぎまで出演した。残念ながら最後の4グループの演奏しか聞けなかった。

 4回目の時も参加したが、主催者の沖縄への情熱、思いを感じた。6回目は、9月25日(日)に、同じ栄の久屋大通りのもちのき広場で行われる。参加は無料だが、新基地建設に反対する運動を支援する「辺野古基金」とコンサート実行委員会へのカンパに協力した。

辺野古コンサート2
沖縄 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2016/06/07 14:11

◎沖縄県民の思いをどこまで踏みにじるのか

 このブログ「トヨタで生きる」では、アメリカの軍属(元海兵隊員)によって、沖縄の女性(20)の遺体が遺棄された事件を伝えました。日米地位協定で、公務中の事件の第1次裁判権は米側にあることなど米兵、軍属らに特権が与えられていることについて、翁長雄志知事が安倍首相に地位協定の見直しを求めたことも伝えました(5月24日アップ)。

 ところが、ブログへのコメントでは、「日本共産党のデマ」だとか、「犯罪発生率で言うと沖縄県民は米軍や軍属の倍以上」「日本1荒れる沖縄の成人式」などといって、米兵、軍属らの卑劣な犯罪を擁護する信じられないものが寄せられています。

 遺体遺棄現場の恩納村の県道のそばへは23日、父親が訪れ女性の名前を呼び、「お父さんだよ。お父さんのところに帰るよ。みんなと一緒について来てよ。お父さんのところに帰ってきてよ」と語りかけたといいます(「沖縄タイムス」)。こうした悲痛な叫びが届かないのでしょうか。

 安倍首相は、伊勢志摩G7首脳会談で来日したオバマ米大統領と5月25日に会談しましたが、地位協定の見直しを求めませんでした。オバマ大統領から事件への謝罪の言葉もありませんでした。

伊勢志摩サミット
(沖縄県民の願いに背を向けるオバマ米大統領と安倍首相。5月26日、三重県の伊勢神宮で=NHKから)

 沖縄県議会は翌26日、米軍普天間基地の閉鎖・撤去と「県内移設」の断念、海兵隊の撤退などを求める抗議決議と意見書を、自民党会派などが退席した上、全会一致で可決しました。

 同日、日本共産党の志位和夫委員長は記者会見で、イギリス人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で米国政府から入手した資料を提供されたとのべました。沖縄に駐留する米海兵隊の文書で、新兵の研修に使っているものです。

 それには、「(沖縄の世論は)論理的というより感情的。二重基準、責任転嫁」「(本土側の)罪の意識を沖縄は最大限に利用する」「沖縄の政治は基地問題を『てこ』として使う」などと県民を侮蔑した植民地主義丸出しの文書です。

 沖縄へ行くと、“ウチナンチュー”(沖縄の人)と“ヤマトンチュー”(本土の人)という呼び方をよく聞きます。戦時中は、唯一地上戦を強いられ、12万人を超える犠牲者を出した沖縄。今また日本の米軍基地の74%を強いられる沖縄。この事件で、沖縄県民の怒りに寄り添えるかどうかが、ヤマトンチューに問われるでしょう。
沖縄 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2016/05/27 14:41

◎「日本の独立は神話」 翁長知事が首相に

 沖縄県うるま市に住む女性(20)が、元米海兵隊員によって遺体が遺棄された事件で、翁長雄志県知事は5月23日、首相官邸で安倍首相と会談し、G7で来日するオバマ米大統領と面談する機会を求めました。

 安倍首相は返答しませんでした。翁長知事は、「いまの地位協定のもとでは日本の独立は神話だと言われる」と直言し、日米地位協定の見直しを求めましたが、これにも応じませんでした。日本をゆるがす大事件にもかかわらず、会談はわずか10分ほどでした。

翁長 安倍
(安倍首相との会談後、記者に語る翁長沖縄県知事=テレビ朝日系から)

 日米地位協定とは、安倍首相の祖父の岸信介・元首相が1960年の日米安保条約とともに国会承認を強行したものです。米軍の権限や基地使用など米の特権を規定したものです。米兵が犯罪を起こしても、公務中であれば第一次裁判権は米側にあります。基地内にいれば、日本の警察は身柄を拘束できません。

 1995年の少女暴行事件で協定の見直しが強まりましたが、日米両政府は運用の改善で収束させました。「殺人または強姦(ごうかん)という凶悪な犯罪」で、日本が起訴前に身柄引き渡しを求めれば米側は、「好意的考慮を払う」というだけの屈辱的な内容です。

 今回の事件は、嘉手納基地のネット関連の仕事をしている軍属の公務外での事件であり、日本の警察は身柄を拘束することができました。外務省は「QアンドA」で、「在日米軍の特権を認めることを目的としたものですか」との問いに、「外国軍隊の扱いに関する国際的慣行からみても均衡のとれたものです」という卑屈な態度です。

50 沖縄 米軍基地
(沖縄県の「米軍基地マップ」から。女性は右下のうるま市内に住んでいました。着色してあるのが嘉手納基地などの米軍基地、施設)

 沖縄県の本土復帰(1972年)後、2015年末まで、沖縄での米軍による凶悪犯罪は574件も発生。米側は事件のたびに、「綱紀粛正」とのべ、「外出禁止令」などを出してきました。しかし翁長知事がのべたように、くり返される米兵などの凶悪犯罪を見れば、「日本の独立は神話」にすぎないでしょう。

 事件を受け、沖縄の市民や政党などでつくる「オール沖縄会議」は、6月19日(日)に那覇市内で10万人規模の抗議県民大会を開くことにしています。

 また、26日に開かれる予定の県議会臨時会には、抗議決議案が出される予定です。翁長知事与党は、海兵隊の撤退や普天間基地の閉鎖・撤去と県内移設断念を盛り込んだ抗議・決議・意見書案をまとめ、自民党会派などと協議しています。

 殺害された女性が住む、うるま市の地図を見てみました。キャンプコートニーやホワイトビーチなど広大な米軍の施設が広がっています。西隣には嘉手納基地や弾薬庫地区…基地の撤去しかないことが痛いほどわかります。
沖縄 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2016/05/24 11:13

◎「基地があるがゆえの事件」 翁長沖縄県知事

 沖縄県うるま市の島袋里奈さん(20)が、アメリカの元海兵隊員によってレイプされて殺害され、遺体を捨てられた凶悪事件。翁長雄志沖縄県知事が、「基地があるがゆえの事件…怒りの持って行き場がない」と語ったように、くり返される米兵などの凶悪事件に県民の怒りは頂点に達しています。

 沖縄県警に5月19日に逮捕されたのは、シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)=同県与那原町=。沖縄・嘉手納基地の軍属で、ネット関係の仕事に携わっているといいます。元米海兵隊員でした。

嘉手納基地 201508
(米軍嘉手納基地=2015年8月)

 20日には、嘉手納基地ゲート前で県民約250人が「米軍基地を撤去せよ」と緊急の抗議行動を行いました。

 島袋さんは、4月28日から行方不明になっていました。シンザト容疑者の供述で、恩納村の県道104号沿いで島袋さんの遺体を発見しました。部分的に白骨化していたといいます。

 恩納村と聞いて沖縄の地図を広げました。昨年8月に普天間基地や嘉手納基地などをめぐる沖縄旅行へ行った時に、泊まったペンションがあるのが恩納村でした。県道104号は、ペンションからすぐ近くです。

恩納村の海 201508
(恩納村の美しい海。この近くには、米軍キャンプハンセンがある=2015年8月)

 ペンションの裏山は、米軍キャンプハンセン(第12海兵連隊)が広がっており、県道104号は基地に沿って伸びています。こんな寂しい県道沿いに島袋さんが捨てられていたかと思うと言葉がありません。

 沖縄県の本土復帰(1972年)後、2015年末まで、沖縄での米軍による凶悪犯罪の件数は、574件も発生しています。1995年に起きた米海兵隊員らによる少女暴行事件は、県民の基地への怒りが沸騰し、翌年には日米両政府は米軍普天間飛行場の返還で合意しました。

琉球新報 凶悪事件
(米軍による沖縄での凶悪事件=琉球新報から)

 しかし、日米両政府は名護市辺野古に普天間基地に代わる新基地の建設を強行しています。翁長知事のいうように、米軍基地があるがゆえに、おぞましい凶悪事件は後をたちません。

 日本共産党の志位和夫委員長は5月20日、次のように語りました。
 「基地があるゆえの犯罪、事件であり、基地のない平和な沖縄をつくることが米兵による犯罪、事件の防止にむけた最も有効な解決策です」
沖縄 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/05/21 10:37

◎沖縄から見たアベ政治と憲法

 豊田革新懇は4月23日(土)、豊田産業文化センターで、元南山大学教授で、現在は沖縄に移住(2011年4月)して沖縄大学客員教授に就任した小林武氏を招いて講演会を行った。約120人が参加した。

 私は、毎年年末に沖縄へ旅行に行っており、すでに8回を数える。それだけに、この日の「沖縄から見たアベ政治と憲法」と題した講演は、辺野古への新基地建設に反対してたたかう沖縄県民と心を1つにすることができた。

 講演に先立って「速報辺野古のたたかい」のDVDが上映された。現地の緊迫したたたかいがよくわかった。沖縄では、新基地に関する安倍政権と翁長沖縄県知事の訴訟が、裁判所の和解勧告を受け入れることで、安倍政権が辺野古の埋め立て工事を中止するという新局面を迎えている。

豊田革新懇1
(講演する小林武氏)

 講演で小林氏は、①戦争法(安保法制)の違憲性、②安倍政権による憲法破壊の最も深刻な危機、③沖縄の「今」をどう考えるか―辺野古基地問題―についてくわしく語った。

 このなかで、沖縄米軍基地の歴史的背景や基地の本質についてのべ、「長期のスパンで見れば必ず沖縄県民は勝利する」と指摘した。沖縄に移住し、沖縄県民の心を体で感じてきた小林氏だけに説得力がある。

豊田革新懇2
(DVD「速報辺野古のたたかい」の上映)

 さらに小林氏は、「知性を侮蔑する独裁者が憲法をもてあそぶ」とのべ、昨年から続く安倍政権の戦争法強行とその廃止をめざす学者や学生、ママたち市民たちのたたかい――「市民革命」が進行中だと強調。市民たちとともに「この局面をどうしても打ち破りたい」と結んだ。

 憲法学者であり、弁護士でもある小林氏は、準備がすすむ戦争法の違憲訴訟にもふれた。参院選で安倍政権を退陣に追い込むために、1人区での野党の選挙協力も急ピッチですすむ。勇気をもらった小林氏の講演だった。

(注)革新懇=政治革新を目標に、思想や信条の違いをこえて共同する組織として全国革新懇が1981年5月26日に結成された。豊田革新懇は、地域の組織。
沖縄 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/04/25 16:15

◎辺野古埋立工事を中止 沖縄県と安倍政権

 年末の沖縄旅行から2カ月余。名護市辺野古への米軍新基地をめぐり3月4日、突然、動きがあった。辺野古の海の埋め立てをめぐって沖縄県と安倍政権が裁判で争っていたが、裁判所の和解を受け入れ、埋め立てを中止するというのだ。

 米軍キャンプ・シュワブ前で、早朝から毎日座り込むなどしてたたかいつづけた沖縄県民が安倍政権を追い詰めたのだ。年末の沖縄旅行で、「不屈 座り込み538日目」という看板を見て感動した。看板には、「座り込み24時間監視 勝つまで絶対、諦(あきら)めない」ともあった。

辺野古1
(米軍キャンプ・シュワブ前に建てられた不屈の看板=2015年12月26日)

 大浦湾側から見た美しい海岸線と静かで穏やかな湾。そこからキャンプ・シュワブ側を見ると、醜いフロート・オイルフェンスが蛇行して浮いていた。安倍首相は、和解を受け入れたその日に、「辺野古が唯一の選択肢」と言い放った。

 沖縄県民に冷や水を浴びせるもので、工事の中止といいながらこの先がどんな風に展開するか予断は許さない。しかし、1年ほどは工事中止になるのだ。

 沖縄県の翁長雄志知事は、「新辺野古基地は造らせないという公約を持って知事になっているので、ありとあらゆる手段で、信念を持ってやっていきたい」と表明している。

 知事と県民は腕を組んで日米政権とたたかい、辺野古に絶対新基地はつくらせないだろう。今年も年末に沖縄へ旅行する予定だ。9回目になる。1回目は、リーマン・ショックの年の2008年だった。

辺野古2
(辺野古の海に敷かれたフロート・オイルフェンス=2015年12月26日)

 沖縄のたたかいは、この数年、劇的だった。保守、革新を乗り越えた「オール沖縄」の動きが急ピッチで進んだ。オスプレイの沖縄配備反対と普天間基地の県内移設の断念を求め、2013年1月に「建白書」を安倍首相に提出した。

 14年1月の名越市長選挙で稲嶺進氏が再選、同年11月の知事選で翁長氏の勝利、同年12月の衆院選挙で、沖縄4小選挙区制のうち自民党がすべて敗北、「オール沖縄」候補の完勝…。

 民意は、翁長知事を先頭とする「オール沖縄」にあることは明白だ。「オール沖縄」のたたかいは、本土にも波及した。安倍政権の違憲の戦争法(安保法制)とのたたかいと参院選に向けた「野党共闘」への動きは、安倍政権の打倒をめざす。1人区の参院宮城選挙区では、日本共産党と民主党との間で辺野古新基地建設に反対するなど6項目の政策協定を結んだ。

 沖縄を旅してあちこちで見かけたスローガン。「勝つ方法はあきらめないこと」。あきらめず不屈にたたかうことを見習おうと思う。
沖縄 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/03/06 15:37

◎それでも、辺野古の新基地建設は反対だ

 沖縄県宜野湾市長選(1月24日投票)は、「オール沖縄・オール宜野湾」の新人、志村恵一郎氏が得票率44・08%で健闘しましたが、及びませんでした。自民党県連、公明党県本部推薦の現職、佐喜真淳氏が再選されました。

 メディアの出口調査を見ると、安倍政権がいうように普天間基地の名護市辺野古への移設(新基地建設)に、宜野湾市民がイエスと答えたわけではないことが明らかです。

 共同通信の出口調査では、辺野古への移設について「反対」と答えた人は56・0%と過半数を超え、「賛成」の33・2%を大きく上回りました。「反対」のうち、志村氏へ投票したのは77・1%でしたが、佐喜真氏に投票した人も22・9%いました。

 朝日新聞の出口調査では、辺野古への移設に「反対」が57%、「賛成」が34%で、共同通信調査と同じ傾向になりました。「反対」した人の76%が志村氏に投票しましたが、佐喜真氏に投票した人も24%いました。これも共同通信と同じ傾向でした。

 ここから宜野湾市民の米軍基地に対する思いをどう汲み取ればいいのでしょうか? 選挙戦では、志村氏は、普天間基地の「移設条件なしの返還」を掲げ、辺野古新基地反対を鮮明にしました。

 佐喜真氏は、前回選挙で掲げた「県外移設」の公約を反故にし、辺野古新基地問題に口をつぐみました。「“辺野古隠し”を徹底し」(朝日新聞)、「普天間基地のフェンスを取り払う」とまで主張しました。

 普天間基地の重圧に苦しんできた宜野湾市民は、辺野古への新基地建設に反対しながらも、一部の人は佐喜真氏に投票するという屈折した選択をしたといえるのではないでしょうか。

辺野古 大浦湾から
(安倍政権は、辺野古の海のボーリング調査をすすめています)

 日本共産党の市田忠義副委員長は、ネットで次のように発信しました。

……
 この結果で決して辺野古への新基地建設が信任されたわけではない。何しろ現職陣営は一言も辺野古問題を語らなかったのだから。住民を収容所に閉じ込めて、銃剣とブルドーザーで土地や家を奪って、その上に作ったのが普天間基地。

 別のものをよこさなかったら返さない。こんな理不尽な酷い話があるか。日本政府がアメリカにいうべきセリフはただ一つ。「引越し先は自分で見つけて、さっさと荷物をまとめ、引越し費用も自分で出して、出て行ってください」
……

 安倍政権は、辺野古への海にコンクリートブロックを投入するなどして埋め立てに向けた作業を加速するといいます。志村氏を全面的に支援した翁長雄志知事は、あらゆる手法を尽くして辺野古「移設」を阻止するという方針に変わりはないことを強調しています。


 この記事は1月30日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
沖縄 | コメント(13) | トラックバック(0) | 2016/01/29 17:36

◎辺野古の海 生物多様性にダメージ

 「地図が好き」マガジンと銘打った月刊「地図中心」という専門雑誌(日本地図センター発行)があります。毎月、さまざまな地図の特集をしており、地図ファンが買い求めるといいます。

 その特集号に「沖縄の海 大浦湾を識る」(2009年7月号)があります。安倍政権が、普天間基地(宜野湾市)に代わって強行建設しようとしている米軍の新基地建設地、辺野古・大浦湾のカラー特集(19ページ)です。

 このなかで国士舘大学の教授らが「『辺野古・大浦湾サンゴ礁マップ』のためのベースマップ」について書いています。辺野古・大浦湾はサンゴとジュゴンの生息で知られています。結論は、次のようです。

 「現在の大浦湾の自然環境は、湾口にあるサンゴ礁の高まりによって外洋的な環境と内湾的な環境が微妙にバランスを保って形成されていると思われるので、流れや波浪環境の大規模な変化をもたらすであろう大型構築物の存在は、大浦湾、辺野古の非常に高い生物多様性に対して与えるダメージが大きすぎるということになろう」

地図中心 辺野古
(「地図中心」の写真は、大浦湾、辺野古の青い海)

 宜野湾市では、1月24日投票で市長選が行われています。安倍政権や自民党、公明党が推す現職の佐喜真淳市長と、翁長雄志知事が推す「オール沖縄」のシムラ恵一郎候補(元県職員)との一騎打ちになっています。

 シムラ候補は、「一番の争点は、普天間基地の閉鎖・返還、危険性の除去を行うかだ」と主張。普天間基地の移設条件無しの閉鎖・返還、5年以内の運用停止実現、辺野古新基地建設にきっぱり反対すると訴えています。

 一方、佐喜真市長は4年前には普天間基地の「県外移設」を公約にしていましたが、今回はそれにふれず、辺野古への移設を容認しています。世論調査では、6割余りの無党派で両候補は拮抗するなど激戦になっています。

 かけがいのない辺野古・大浦湾の生物多様性の海を守るには、シムラ候補の勝利しかないでしょう。14年の名護市長選、沖縄知事選、衆院選で完勝した「オール沖縄」の勢力が、安倍政権に4たび民意を示す選挙戦になっています。
沖縄 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2016/01/20 07:49

◎激動・沖縄2015⑤ 大浦湾から見たオイルフェンス

 年末の沖縄旅行で米軍基地、キャンプシュワブの正門前から、その裏側にあたる大浦湾側へ回った。辺野古の海の側(地図の左下側)からは見えないが、安倍政権がボーリング調査のための工事を行っているのは、大浦湾側(地図の右上側)である。

辺野古地図
(辺野古の新基地建設予定地図。V字型に2本の滑走路を設ける)

 思わず声を上げたくなるような、美しい海岸線と静かで穏やかな湾が広がっていた。漁港もある。別のグループが見学して帰るところだった。ここから見ると、フロート・オイルフェンスが蛇行するように広がっている。

 地元漁協の漁船が、ブイに固定されて浮いているのがところどころに見える。防衛施設庁が雇っているという。調査という名目で、カヌーなどによる抗議をけん制しているのだという。

大浦1
(大浦湾。上に見えるのが米軍基地・キャンプシュワブ)

 1隻に3人が乗っている。点々と20隻以上いる。1日中、漁船に乗って海上にいるだけだ。船の間を海上保安庁の船がゆっくりと回っている。関係する漁協には、漁をしない補償として、1日4~6万円支払われているという報道もあるという。

 地元住民を分断するのは、権力の常とう手段だ。それだけではない。菅義偉官房長官は10月26日、辺野古の周辺の3地区の代表者を首相官邸に呼び、振興費を今年度中に支出することを明らかにした。

大浦2


 沖縄県や名護市の頭越しに行うもので、いわば飴を与えるというものだ。こんな卑劣な手段まで権力は使うのだ。地元住民の精神は、ズタズタに切り裂かれる。

 陸上では、キャンプシュワブ前の正面ゲート前での座り込み。海上では、カヌー隊の抗議。辺野古に新基地をつくらせないという強い心を持った運動は、16年の新年が明けても続く。

大浦3


 年末の5日間の短い沖縄旅行だったが、まだまだ半分は他人事のように見ている自分を反省させられた。3が日が明けた1月4日、翁長雄志知事は、県職員向けの庁内放送で、こう年頭あいさつをした。

 「米軍基地は沖縄県の宿命的な課題だ。私たち責任世代が、屈することなく立ち向かっていく後ろ姿を見せることによって、子どもたちは自信と勇気と誇りを持って生きていくと信じている」

 なんという気高い志であろうか!
沖縄 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/01/07 10:01

◎激動・沖縄2015④ 米軍基地前で

 15年年末の沖縄旅行で、名護市辺野古の米軍基地、キャンプシュワブのゲート前へ行った。辺野古の漁港にあるテントのスタッフが、正面ゲート前へ送ってくれた。車で5分の距離だ。

 正面ゲート前に、青いテントが50mほど続いている。「新基地は許さない」などののぼりがはためいている。この日は、100人ほどの人々がテント村に座り込んでいた。沖縄の三線を弾きながら歌っている人もいた。

シュワ1


 本土などから大型バスで激励に訪れる人も多い。年末に入り、さすがに沖縄防衛局も基地建設のためのボーリング調査の工事を一時中断している様子だ。

 安倍首相は、14年11月の知事選で勝利した翁長雄志知事と会おうともしなかった。国民の厳しい批判で、翁長知事との集中協議期間(8月10日~9月9日)を設けた。1カ月間工事は中断していた。

シュア2


 しかし、翁長知事が、辺野古への新基地建設は沖縄の民意ではない、と安倍首相や菅義偉官房長官に伝えてもまったく聞く耳を持たなかった。集中協議期間が終わるやいなや、安倍政権は工事を強行した。

 基地への工事車両の進入に抗議し、座り込む人々を実力で排除した。東京の警視庁の機動隊を投入するほどで、権力丸出しだった。右翼がテントを襲い、机やいすなどをぶち壊すことまでした。

シュワ3


 正面ゲート前へ行き、観察すると、黄色いラインが引いてあった。このラインを越えたことを口実に、抗議する人々を不当に拘束するのだ。そばにいた警官に、「これが問題のラインですね。写真を撮らせてもらいます」というと、ニヤリと笑う。

 昨年暮れに来たときは、テント村は大浦湾側(正面ゲートの反対側)へ300mほど寄った工事車両の出入り口ゲート前にあった。右翼によるテント村破壊などがあったために現在の正面ゲート前に移動したという。

 工事車両の出入り口ゲートには、シートで覆って隠していたが、鉄板の上にギザギザの板が見えた。昨年も問題になったもので、座り込むと痛みが走る。それでも早朝の6時に県内各地から抗議の人々が集まり、工事車両出入り口ゲート前に座り込んでいる。

シュワ4


 その人たちを機動隊などが1人ずつごぼう抜きし、工事車両を基地へ入れる。こうした抗議と排除が毎日くり返されているのだ。毎日だ。正月明けからも続く。辺野古漁港にあった看板を思い出した。「勝つ方法はあきらめないこと 知事と共にガンバロウ!」
沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/01/06 20:08

◎激動・沖縄2015③ 辺野古の海で

辺野古1
(辺野古のテント村)

 年末の沖縄旅行は、最初は雨が続いたが12月26日(土)は、名護市の辺野古の海が輝くようないい天気になった。まず、海岸にあるテント村へ行った。「勝つ方法はあきらめないこと 知事と共にガンバロウ!」の看板があった。

 「毎年、来てくれる人ですね」とスタッフはおぼえていてくれた。今回で、8年目になるからだ。米軍の新基地を建設させない、と座り込んで4269日になるという看板もあった。

辺野古2


 すでに10年を超える長いたたかいだ。防衛庁(当時)が辺野古のボーリング調査を始め、その阻止行動が始まったのは2004年4月。調査のためのやぐらを撤去させたのが05年9月だ。

 仲井真弘多・前沖縄県知事が、安倍首相の懐柔に屈し、県民を裏切って辺野古の海の埋め立て承認をしたのが13年12月だ。それから2年。辺野古の海では、安倍政権と沖縄県民のたたかいが続く。

辺野古4
(辺野古の海でカヌーの練習をしています。向こうの白い建物が米軍・キャンプシュアブ)

 米軍キャンプシュワブの金網には、「翁長さんの勇気と行動 “オール日本”で支えよう」(静岡市平和委員会)との横断幕が掲げてあった。仲井真前知事に代わった翁長知事は、元沖縄自民党県連幹事長だったが、安倍政権の脅しに屈しない。

 テント村は、辺野古漁港にある。防波堤に立つと、紺碧の海にキャンプシュアブ基地が見える。沖合には、長島、平島が見える。その向こうの大浦湾側でボーリング調査が行われている。

辺野古3


 漁港側からは、ボーリング調査は見えない。浜辺の近くでは、経験の浅いカヌー隊が練習をしていた。テレビでよく見る、ボーリング調査に対する抗議隊だ。美しい海に、カヌーが実によく似合う。

 突然、沖合から海上保安庁のゴムボートが近づいてきた。浅瀬まで来ると、数人の男女をおろしていた。おろされた人たちは、海中を歩いて浜辺へ向かって行く。

辺野古5
(突然、現れた海上保安庁のボート。白い建物が米軍・キャンプシュアブ)

 大浦湾側で、抗議行動をしていたカヌー隊を拘束し、浜辺へまで連れてきたのだ。ゴムボートには、それぞれ5人ずつ乗っていた。大型の船外機(船舶の推進システム)を2基付けている。カヌーに比べると、問題にならないほど大きい。

 辺野古の海での海上保安庁の行動は、最近、かなり狂暴化しているとテント村のスタッフは語っていた。ユーチューブなどで、その様子が伝えられている。けが人も出ている。

辺野古6
(海上保安庁のボート)

 沖縄の人々の新基地をつくらせない、美しい辺野古の海を守ろうという気概を感じる。沖縄の民意は、翁長知事を誕生させたことに現れている。それを権力で押しつぶそうとする安倍政権。しかし、県民は絶対に屈しないだろう。
沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/01/02 11:41

◎激動・沖縄2015② 宜野湾市長選

 世界1危険といわれる米軍・普天間基地のある宜野湾市へ行った。来年1月17日告示(24日投票)で市長選挙が行われる。市内のど真ん中に基地があり、市は東と西に分断されている。基地を囲むようにして、市民は生活を強いられている。

宜野湾1
(宜野湾市のど真ん中にある米軍・普天間基地)

 市長選には、普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去をかかげる、シムラ恵一郎候補(63)と辺野古への移設を容認している現職の佐喜真淳市長との対決だ。シムラ候補は、宜野湾市出身で県土木建築部建築都市統括監などの経歴がある。翁長雄志知事をはじめ「オール沖縄」の勢力が推している。

 4年前の市長選では、県外移設を公約していながら、これをひるがえした佐喜真市長を、安倍政権や自民党、公明党が推している。

宜野湾4

 市内に入ると、両候補の宣伝カーが走り、いたるところにノボリや横断幕があった。選挙が目前であることを感じる。シムラ候補の事務所へ行った。スタッフに話を聞いた。シムラ候補の妻もいた。「オール沖縄」の流れを、「オールジャパン」にするためにも重要なたたかいだとひしひしと感じる。

 すぐ近くの統一連(沖縄県労働組合総連合)の事務所へも行った。労組や民主団体が集まっており、スタッフがあわただしく動き回っている。この日の午後2時から、「ひやみがち宜野湾うまんちゅうの会」の西海岸地域事務所の事務所開きがあるという。

 佐喜真市長が住んでいる真志喜地区にある事務所で、いわば相手候補のもっとも重要な地域だ。うまんちゅうの会の事務所は、市内の東西南北に4カ所あり、行ったのはその1つだ。

宜野湾2
(政策を語るシムラ恵一郎候補)

 40人くらいの人たちが集まっていた。シムラ候補は、とつとつとした語り口で政策を語り、普天間基地の撤去と辺野古に新基地をつくらせない決意を語った。市民が信頼できる候補だと感じた。

 事務所開きの後、参加者と話した。安倍政権の戦争法とたたかった愛知県のシールズ東海やママの会など新たな運動の状況を語った。「オール沖縄」のたたかに学び、愛知県や豊田市でも1点共同の運動がすすんでいることを話した。

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 沖縄では、宜野湾市長選に続いて6月には県議選、7月には参院選挙がある。2014年には、名護市長選挙、沖縄知事選、衆院選で「オール沖縄」の勢力が連勝し、辺野古への新基地ノーの民意を安倍政権に突き付けた。

 16年でも連勝し、その流れを「オールジャパン」の流れにつなげてほしい。「お互いに頑張りましょう」と励まし合ってきた。ささやかながらカンパも置いてきた。

沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/31 11:42

◎激動・沖縄2015① 昼休みデモと号外

 2015年の年末、沖縄へ行った。毎年恒例の旅行で、8回目だ。名護市・辺野古への米軍新基地建設をめぐって沖縄は、激動の年だった。安倍政権は、新基地建設強行のために違法をいとわず、沖縄の民意を押しつぶそうとした。保守、革新を超えた「オール沖縄」で選ばれた翁長雄志知事は、一歩もひかなかった。その現場を歩いた。

 12月25日(金)のクリスマス。午後零時。沖縄県庁と那覇市役所の間の通りで待っていると、宣伝カーが来た。「昼休みデモ 1660回」。窓に貼り付けてある。

 核兵器廃絶! 辺野古への新基地建設反対! ヘリパッド建設許すな! 普天間基地は無条件撤去せよ! オスプレイ配備反対!

沖縄昼でも1
(古堅実吉さん=中央=らの昼休みデモ)

 デモは、1984年2月17日に、トマホーク配備反対をかかげて始まった。毎週金曜日の昼休みデモは、雨が降っても台風が吹き荒れても、欠かさず続けてきた。今回で何と1660回目だ。次回の1月1日は元旦だが、この日も続く。

 中心メンバーの1人は、日本共産党の元衆院議員、古堅実吉さん(86)だ。1990年から96年まで衆院議員を務めた。元気にデモの先頭に立つ。この日の参加者は11人。少人数でも続けることが大事だという考えで、人を集めるということはしないそうだ。

沖縄昼でも2


 この粘り強さはどこからくるのか? 県庁前から出発。シュプレヒコールをくり返す。よく知られた国際通りの交差点を通り、県庁を1周して終わった。20分ほどの行動だった。

 昨年12月に就任した翁長知事は、本土復帰後の知事として7代目になる。古堅さんが衆院議員になった1990年は、革新の大田昌秀知事が就任した。当時、翁長さんは、自民党の那覇市議だった。自民党県連幹事長も経験する。

 保守、革新を超えた「オール沖縄」は翁長知事を誕生させ、12月14日には、政党・会派、労働団体、経済団体、平和・民主団体、女性・青年、学者・文化人・法律家、各市町村の「島ぐるみ会議」など幅広い団体を網羅し、「辺野古新基地をつくらせないオール沖縄会議」を結成した。

 
沖縄昼でも3

この団結が、翁長知事を後押しする。昼休みデモが終わった午後2時過ぎ、翁長知事が安倍政権を提訴するニュースが流れ、琉球新報と沖縄タイムスの地元2紙が号外を出した。コンビニに号外はあった。

 翁長知事による辺野古埋め立て承認取り消しの効力を、国土交通相が一時停止したのは違法として、これを取り消すよう求めた訴えをこの日(25日)、那覇地裁に起こしたのだ。

沖縄昼デモ4 同外


 昼休みデモと並行するように、県庁で大きな動きがあったのだ。安倍政権が行政不服審査法を用いて、知事の埋め立て承認取り消しを一時停止したことについて、同法は私人の救済を目的としているものであり、国である沖縄防衛局は「私人ではないから、行審法による審査請求等の適格は認められない」と指摘している。

 防衛局の申し出に基づく執行停止は「違法な決定」だと断定している。憲法違反の集団的自衛権の行使などを盛り込んだ戦争法(安保法制)を強行した安倍政権は、違法なんてどこ吹く風だ。翁長知事の訴えは大義があるのだ。

沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/12/30 11:35

◎寺島実郎氏が辺野古新基地について語る

 世界を飛び回り、各国の実態をリアルに見て、時代の情勢を大きくとらえることで知られている日本総合研究所理事長の寺島実郎さんが、「しんぶん赤旗」日曜版(11月1日号)のインタビューで、沖縄辺野古の新基地問題について語っています。

 寺島氏は、この5年間で沖縄を取り巻く情勢が大きく変わったと指摘し、2点をあげています。1つは、翁長知事を誕生させた沖縄の決意は、「普天間基地を日本の別のところに移転するという程度の発想」ではなく、「東アジアの相互理解と協調を促す拠点に変えたい」ということだと語ります。

 もう1つの変化は、尖閣諸島をめぐる問題が先鋭化するなかで、「日米安保条約の本質が見えてきたこと」と強調します。

 その上で、中国が尖閣諸島を攻撃したならば、沖縄の米軍基地などが守ってくれると期待するならば間違っていると断定します。オバマ政権は尖閣諸島の日本の施政権を認めるが、領有権にはコミットしないという態度であり、日米安保の責任は果たすが、「米中戦争になるような事態は何としても避けたい」と考えているといいます。

 その理由として、米中は戦略・経済対話を今年6月までで7回も積み上げていることをあげ、日米同盟の責任を果たすという意味は、「米中軍事衝突」ではなく、「『除く戦争』というカードでサポートする意味です」といいます。

15 日曜版 寺島実郎


 アメリカにしょっちゅう出かけ、要人たちと対話を重ねている寺島氏。オバマ政権の奥深い情報を持ち合わせているだけに説得力があります。寺島氏は、日米同盟への「過剰期待、過剰依存では時代認識を捉えられない」と強調します。

 よく中国の海洋進出に対し、「話し合って分かり合える相手ではない」と中国脅威論を居丈高に唱える論調がありますが、寺島氏はそうした時代認識では米中関係は捉えられないと警告しているのです。

寺島著作
(寺島実郎氏の著作の一部)

 寺島氏はさらに、日本が米国の「周辺国」と位置付けられているかぎり、「日本は世界からまともに相手にされません」と語ります。「そもそも、戦後70年たっても外国の軍隊が『占領軍』のまま存続していることに問題意識すら持たない国が独立国といえるのか」という問いは強烈です。

 安倍首相がアメリカ議会(4月29日)で、戦争法(安保法制)を夏までに成立させると演説しことを思い起こします。日本の国会で議論もしないうちにアメリカに約束するという卑屈な姿勢――寺島氏が指摘するように、「問題意識すら持たない」のが日本の首相なのです。

 ではどうするのか? 寺島氏はアジアの平和と繁栄をどう築くのかの展望を語ること、仮に襲いかかってきそうな隣人がいるとしても、「賢く制御し、決定的衝突にならないようにしておく」ことと語り、軍事中心ではなく外交力をつけることだと指摘します。

 翁長知事は、沖縄に新基地を建設するのではなく、「東アジアの相互理解と協調を促す拠点に変えたい」という思いで安倍政権に向かい合っていること、そして21世紀の日本と東アジアの安全保障の在り方を問うていると強調し、そのことに沖縄県民は共感しているのだと指摘します。

         ◇

 この記事は、11月4日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/11/03 19:41

◎首相はオバマ大統領に伝えるのか 安倍・翁長会談

 安倍晋三首相と沖縄県の翁長雄志知事との初めての会談が4月17日、首相官邸で行われました。12月の翁長知事就任以来、4カ月もたっての会談です。安倍首相が会談を拒み続けてきましたが、4月下旬からの訪米を前に、無視できなくなったためです。

 30分余りの会談でしたが、安倍首相は、辺野古への新基地建設を「(普天間基地問題の)唯一の解決策」とくり返すだけでした。これに対し翁長知事は次のように、沖縄県民の民意を伝えました。

……
 政府は「普天間飛行場の県外移設」という公約を撤回した仲井真弘多前知事の埋め立て承認を錦の御旗にして辺野古移設を進めていますが、昨年の名護市長選挙、県知事選挙、衆議院選挙はすべて、前知事の埋め立て承認が争点でした。すべての選挙で、辺野古新基地反対という圧倒的な民意が示されました。

 沖縄はみずから基地を提供したことは一度もありません。普天間飛行場もそれ以外の基地も、戦後、住民が収容所に収容されている間に接収され、それ以外の基地は銃剣とブルドーザーで強制接収されました。

20 辺野古の海 2014年12月
(沖縄県名護市辺野古の美しい海=2014年12月)

 みずから土地をうばっておきながら、老朽化したから、世界一危険だから、沖縄が負担しろ、いやなら代替案を出せという、こんな理不尽なことはないと思っています。

 辺野古移設に反対する県民の思いとともに、私は絶対に辺野古新基地はつくらせません。沖縄県知事、あるいは県民は辺野古移設計画に明確に反対しているということをオバマ大統領に伝えていただくようお願いします。
……

 安倍首相は、翁長知事が要請したオバマ大統領への県民の思いを伝えるかどうか、答えませんでした。これが1国の首相でしょうか。辺野古での新基地建設で、県民を納得させる道理も意思もないことを示しました。

 今年は戦後70年目の節目の年です。沖縄県民に70年間も、一方的に米軍基地の重しを付けてきた自民党の歴代政権と安倍政権。安倍首相は、オバマ大統領との会談で何を語るのでしょうか。
沖縄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/04/19 10:20

◎“上から目線”を強く批判 菅×翁長会談

 安倍政権が面会を拒み続けて4カ月。4月5日、ようやく実現した菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志知事の会談。県民の民意を背負った翁長知事の発言は、県民をないがしろにする安倍政権への厳しい回答でした。

 「県民のパワーは、私の誇りと自信、祖先に対する思い、それから将来の子や孫に対する思いが全部重なって、私たち一人ひとりの生きざまになっています。こういう形で『粛々』と進められるのなら、建設するのは絶対に不可能になると思います」

 翁長知事が語った県民のパワー、祖先と子や孫への思い。普天間基地に代わる辺野古への新基地建設が「唯一の解決策」という菅長官の言葉のなんという弱弱しさか…。

翁長知事
(菅官房長官との会談で意見をのべる翁長知事=4月5日、FNNから)

 ――沖縄は全国の面積の0・6%に、74%の米軍専用施設がおかれ、日本の安全保障を支えてきた自負、無念さがあります。

 ――沖縄県が今日まで自ら基地を提供したことはないのだと強調したい。普天間基地も、それ以外の基地も、全部戦争がおわって、県民を収容所に入れて、そこにいないうちに、あるいはいるところでは「銃剣とブルドーザー」で土地を奪って基地に変わったのです。すべて強制接収されたわけです。

 ――自ら奪って県民に苦しみを与えておいて、そして普天間基地は世界一危険だから、その危険性除去のために沖縄が負担しろ、おまえたち代替案は持っているのかと。日本の安全保障はどう考えているのか、こういった話をすること自体、日本の政治の堕落ではないのか。

 ――(菅長官の)「粛々」という言葉には脅かされない。上から目線で「粛々」という言葉を使えば使うほど、県民の心が離れて、怒りは増幅していくでしょう。

 翁長知事の言葉に説明はいらないでしょう。知事の発言要旨は、「しんぶん赤旗」(4月6日付)で読むことができます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-06/2015040602_02_1.html
沖縄 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/04/06 10:48

◎沖縄県民への政治的いじめ、いやがらせ

 安倍政権は、民意とはどういうものか、民主主義とはどういうものかがまったくわかっていないのでしょう。沖縄県名護市辺野古への新基地建設をめぐって強権を発動しています。沖縄県民への政治的いじめ、いやがらせの限りを尽くすものです。

 沖縄県の翁長雄志知事は3月23日、名護市辺野古沖への米軍の新基地建設をめぐり、海底ボーリング調査を、1週間以内に停止するよう、沖縄防衛局に指示しました。応じない時は、海の埋め立てに必要な岩礁破砕許可を取り消すことを明らかにしました。

 ところが1週間後の30日、林芳正農林水産相は、一時的に効力を停止するとの決定を発表しました。岩礁破砕許可の根拠は、水産資源保護法にもとづく県漁業調整規則のため、防衛局は同法を所管する農水相へ請求したというのです。

 同相の決定は、行政不服審査法にもとづき、知事の決定を不服とした防衛局の執行申し立て(24日)を認めるというものでした。

 行政処分で、国民が不利益を受ける場合の救済措置として定めた審査法の趣旨をゆがめるものです。国(防衛局)が国(農林水産省)に救済を求めるというのは想定されておらず、学者からも疑問が出ています。

翁長知事 農水相決定
(農水相の決定を批判する翁長知事=3月30日、民放テレビから)

 翁長知事も、「審査が公平・公正に行われたか理解できず、残念だ」と批判しました。ところが菅官房長官は、「粛々と対応していきたい」などとのべました。「粛々」の言葉で、沖縄県民をブルとーザ―のように踏みにじっていく官房長官。安倍政権は、沖縄県民をどこまでいじめ、いやがらせをするのでしょうか。

 安倍首相は、4月下旬訪米し、オバマ大統領と会談します。新基地建設の着手を、その手土産にしたいのでしょう。沖縄県民を売り渡す何物でもないでしょう。

辺野古の海
(辺野古の美しい海)

 俳優の故・菅原文太さんは、翁長知事の誕生を願って、昨年11月1日、沖縄での大集会で、こう訴えました。亡くなる直前の名演説です。

 「沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も、空気も風も、すべて国家のものではありません。そこに住んでいる人たちのものです。辺野古もしかり! 勝手に他国へ売り飛ばさないでくれ」

 日本共産党の山下芳生書記局長は、「この法律(行政不服審査法)を使うのは、法の逆法・悪用であり、法治国家として到底許されない」と厳しく批判。「(宜野湾市の)普天間基地の『痛みは他の場所へ移すのではなく、取り除くべきだ』というのが県知事選、総選挙で下された宜野湾市民、沖縄県民の声だ」と強調しました。
沖縄 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/03/31 11:00

◎辺野古の新基地は普天間の5倍 抑止力でなく侵略力

 沖縄県の翁長雄志知事は3月23日、名護市辺野古沖の米軍の新基地建設をめぐり、海底ボーリング調査を、1週間以内に停止するよう、沖縄防衛局に指示しました。応じない時は、海の埋め立てに必要な岩礁破砕許可を取り消すことを明らかにしました。

 沖縄防衛局が沈めたコンクリートブロックにより、サンゴ礁が損傷されていないかの海底調査をするためとしています。

 翁長知事は、昨年秋の知事選で、世界1危険な普天間基地の県内移設に反対し、賛成の仲井真弘多・前知事に圧勝。県民の民意を受けた翁長知事に、仲井真前知事を支持した安倍首相や菅官房長官は6回も面会を断っています。

 話し合いにも応じない安倍政権は、「我が国は法治国家。粛々とすすめる」と民主主義の国とは考えられないよう姿勢に終始。沖縄県民だけでなく、古賀誠・元自民党幹事長らからも批判されるなど孤立を深めています。

辺野古の新基地建設計画


 新基地建設について、安倍首相は、「普天間基地の危険性除去」とか、他国から日本を守るための「抑止力維持」などと、あたかも沖縄県民、日本国民のためになるかのようにのべています。

 この主張を全面的に突き崩し、新基地建設は沖縄県民の負担軽減どころか、いっそうの痛みを強いるものであること、抑止力どころか、アメリカ軍の“殴り込み”部隊の出撃基地になることなどを明らかにしたのが、日本共産党の山下芳生書記局長の参院予算委員会での基本的質疑(3月17日)です。

……
 山下 総理は、普天間の辺野古への移設は「抑止力維持」のためだと先ほどおっしゃいました。しかし、「抑止力」と言いますが、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争、アメリカが世界中で引き起こす無法な戦争で、先陣を切って「殴り込み」の任務を果たしてきたのが沖縄の海兵隊です。

 山下 これが国防総省が明らかにしている数字です。
 在日米軍から毎年3000人、4000人、イラク、アフガンに派遣されております。その中心は沖縄の海兵隊です。ですから、海兵隊というのは、沖縄や日本を守る「抑止力」ではなくて、まさに他国に攻め込む「侵略力」と言わなければなりません。加えて、宜野湾市の調査によりますと、普天間のヘリコプター部隊は、2006年から2010年まで、年の半分以上海外に出かけていたということが明らかになっております。半分以上日本を留守にしていて何が「抑止力」かと言わなければなりません。
……

辺野古の海
(辺野古の美しい海=昨年12月撮影)

 また山下書記局長は、辺野古の海を埋め立ててつくる新基地について、「背景地にある(米軍の)キャンプ・シュワブあるいは辺野古弾薬庫と一体で運用されることになります。一体で運用される基地の面積は現在の普天間基地の約5倍、嘉手納の約1・2倍に相当します」とのべ、巨大な基地があらたにつくられると指摘しました。

 さらに、新基地で係船機能付き護岸が、200mから272mに延長されたことについて追及。強襲揚陸艦を接岸できるようにするものではないかとただしました。

 中谷元防衛相は、「強襲揚陸艦は、海兵部隊等の輸送能力に加えて、ヘリなどの航空機や上陸用舟艇の搭載能力を有する水陸両用艦艇であると認識しており」ます、などと答えました。

 佐世保を母校とする米軍の強襲揚陸艦(ボノム・リシャール)は、全長257mで、国会議事堂(206m)がすっぽり入る巨大な戦艦です。

 山下書記局長は、米軍資料に基づいて強襲揚陸艦について、「ワスプ級の場合、オスプレイ12機、ハリアー攻撃機6機をはじめ、掃海・輸送ヘリ、攻撃ヘリ、戦車も運べるホバークラフト型揚陸艇LCAC、水陸両用車両などが搭載されます。その上で、海兵隊員が、私の手にした資料では2000人乗り込むことができる」と指摘しました。

 その上で、「2003年のイラク戦争以来、強襲揚陸艦を中心とする部隊が中東・ペルシャ湾地域に切れ目なくローテーション配備されている」と米軍資料に基づいて明らかにしました。

 山下書記局長は最後に、「米国防総省の報告書では、新基地について『40年の運用年数と200年の耐用年数を持つ』と記されております。沖縄が半永久的に基地の島になってしまう」とのべ、新基地建設を断念するよう安倍首相に強く迫りました。

 山下書記局長の質問は、次のアドレスで読むことができます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-03-20/2015032008_01_0.html
沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/03/24 11:12
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