◎トヨタの15春闘 賃上げ4000円を回答

 トヨタ自動労組など金属労協(JCM)に加わる労働組合の15春闘は、会社側が3月18日、いっせいに回答を示しました。

 賃上げ(ベア)では、トヨタは労組が要求していた6000円の6割強にあたる4000円を回答しましたが、組合員が願っていた満額に届きませんでした。6年ぶりの有額回答になった昨年の2700円に続くものです。

 定昇分にあたる賃金制度維持分の7300円を加えると1万1300円になります。

50 JCM トヨタ回答
(金属労協本部=東京=のボードに書き込まれるトヨタの賃上げ回答。定昇込みで1万1300円)

 年間一時金は、要求の6・8カ月(約246万円)の満額回答でした。昨年と同じ月数(約244万円)になります。

 賃上げの要求根拠は、EX級、技能4等級、技能職の賃金35万7030円でした。

 また、組合員である2年目のシニア期間従業員と非組合員の期間従業員の日給を300円引き上げることを求め、満額回答になりました。昨年の回答(200円)に続くものです。

 トヨタの3月期決算(連結)は、過去最高の2兆7000億円の営業利益をあげる見通しです。もちろん、日本企業でダントツの利益です。内部留保も、その大きな部分を占める利益剰余金は14年3月期決算の連結で14兆1162億円もありました。

 会社のばく大な利益からみると、昨年の回答を上回ったとはいえ、生活実態からいって組合員が納得できるものでしょうか。要求自体が消費税増税をふくむ物価上昇分に届かないものでした。

 4000円では、実質賃金は下がることになります。すでに日本の賃金は、19カ月連続で実質賃金を割り込んでおり、生活を最低維持するには問題を残した春闘になりました。

 豊田章男社長ら会社幹部は、労使協議会で国際競争力を前面に主張し、「1000円+α」程度に抑えようとし、「6000円という要求は身の丈を大きく上回るもの」などとのべて、満額回答を抑え込みました。

 他の自動車各社では、日産自動車が5000円(平均賃金改定原資として1万1000円)、ホンダが3400円、三菱自工が2000円、富士重工が3300円、日野自動車が3000円でした。

 電機では、日立製作所や東芝、三菱電機などの組合が、トヨタ労組と並ぶ6000円の賃上げ要求を求めていましたが、会社側は3000円を回答しました。

 新日鉄住金や三菱重工などでつくる基幹労連は、賃上げ要求は2年に1回のために、今回は要求しませんでした。
スポンサーサイト
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/03/18 17:27

◎メディアがトヨタ労組に回答 賃上げ4000円

 毎年のこととはいえ、15春闘でメディアが、「トヨタの賃上げ 4000円で決着」と、3月15~16日にかけて報道しています。会社の正式回答は18日のはずですが…。

 日経新聞(16日付)は、「(ベア)過去最高の月4000円」「年額一時金は6・8カ月と満額回答」「非正規社員の日給も過去最高の300円」…なんか、いいことづくめのようです。

4000円で決着?


 しかし、要求は賃上げ6000円です。

 「全員の想いはひとつ! 満額回答を獲得する!」
 「満額を勝ち取るしかない!」
 「なんとしてでも満額回答で答えて頂きたい。最後の最後の最後まであきらめない!」

 職場委員長が書きつづったものです。各工場のブロック集会でも、ガンバローコールしたはずです。4000円では、満額にほど遠いものです。消費税増税をふくめて物価は約3%も上がります。

 “過去最高”といっても、実質賃金は下がってしまいます。トヨタの労使交渉を見ているのが電機各社です。6000円の要求に対し、メディアは半額の3000円と回答しています。

 利益、内部留保日本1のトヨタがもっと引っ張らないと、日本の労働者の賃金は上がらないでしょう。関連・下請け、非正規雇用労働者の底上げのためにも、「最後の最後の最後まであきらめない!」ことが必要ではないでしょうか。

 「満額を勝ち取るしかない!」

トヨタ 15春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/03/16 13:53

◎トヨタ15春闘 第3回労使協 豊田社長「熟慮に熟慮」

 トヨタ自動車の15春闘は3月11日、第3回労使協議会が開かれました。労組の賃上げ要求6000円に対し、メディアが「3700円軸に」(日経新聞)と報道するなど、18日の回答に向けて労使の折衝が続いています。

 12日のトヨタ株は、トヨタが賃上げするとの報道に、「一時、前日比119円高の8277円まで上昇し、約8年ぶりの高値を更新した」(日経、13日付)といいます。賃上げが経済の好循環になるからだといいます。

 仮に回答が3700円程度だとすると、要求の半分ほどにすぎません。消費税増税分をふくめた3%近い物価上昇分に追いつかず、経済の好循環には、少なくとも満額の6000円が必要でしょう。

満額獲得


 労組の「評議会ニュース」によると、この日労組側は、今春闘はトヨタでの賃上げにとどまらず、「中小企業で働く方々、有期契約労働者の方々の賃金を引き上げられるかどうかが日本経済における重要なテーマ」と、あらためてその意義を強調しました。

 日本全体とトヨタグループで働く労働者の賃上げ、有期雇用のトヨタの期間従業員の日給300円引き上げなどは、利益日本1のトヨタ本体の賃上げが左右するからです。

 そして、職場での組合員の頑張りを豊田章男社長ら会社幹部に訴えました。研究開発の職場では、新プラットフォームや燃料電池車など、開発の量の増加・要求される性能や品質の高まりに応え、挑戦していること。ある部品ではリードタイムを半分以下に短縮したなどとのべました。

 生産現場では、在庫を半分以下にする活動に取り組み、トラブルで疲労困憊になりながらも懸命に日々の生産を支えていること。塗装の現場では、1000分の1ミリ単位で手塗り作業をすすめているなどとのべました。

梅


 その上で、3月10日に開いた労組の大集会での執行部の決意表明――賃上げは、「昨年獲得実績(2700円)を乗り越え、大きな前進を図るべく、最大限、押し込んでいく」、一時金(年6・8カ月、約248万円)は、「満額、要求どおり」を主張し、会社にこれに応えるよう求めました。

 これに対し、豊田社長は、労使で共通の理解になった2点にふれ、①本年が、揺るぎない競争力を目指した「意志ある踊り場」の正念場であること。②販売店、仕入先、グループ各社のみなさんといっしょに競争力強化に取り組んでいく必要があること――などとのべ、要求については、「熟慮に熟慮を重ね、慎重に判断していきたい」と答えました。
トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/03/13 11:25

◎トヨタ労組が春闘集会 委員長「昨年を乗り超える」

 トヨタ自動車の15春闘は、会社回答日(3月18日)に向けて労使協議会で議論が続いているが、労組は11日、本社地区や工場などでブロック集会を開いた。

 本社地区では、昼休み時間に本社東側にあるグランドで行われた。利益トップで、春闘相場のリード役といわれるトヨタ労組だけに、新聞、テレビのカメラがズラリと並んだ。

15春闘集会2 (2)


 この日は、風が強く、冬に逆戻り。赤い組合旗が風にはためく。持っている組合員は大変だ。技術職場の職場委員長が第2回労使協議会の内容を報告。トヨタ労組の鶴岡光行委員長が決意表明した。

 鶴岡委員長は、▽6000円の賃上げ要求については、会社側と大きな隔たりがある、▽今こそ、人への投資を会社に訴えなければならない、▽組合員は、E―P応援(技術部門から生産部門への応援)で生産現場を支えた、▽TNGA(車種ごとの開発を改め、ユニットごとに開発して共通化するなどして原価低減をめざす)などに取り組んできた――などとのべた。

 その上で、賃上げは昨年獲得実績を乗り超え、大きな前進をはかるべく最大限押し込んでいく、一時金(年間6・8カ月、約248万円)は要求通りの満額――を獲得するなどと決意を語った。

 一時金は満額をめざすが、賃上げは昨年の2700円を超えればいいということか――。

 この後、ガンバローコールが行われた。
 「われわれ組合員は、会社の持続的な成長に向け、真の競争力強化に取り組んできた。その決意を全員で共有するために意思結集をはかりたい」
 「ガンバロー!」「ガンバロー!」

15春闘集会2 (1)


 労組の「評議会ニュース」によると、第2回労使協議会で労務担当の上田達郎常務役員は、昨年の回答「改善分2700円」は、新退職金制度への移行原資を考慮した部分を除くと「1000円+α」と指摘。これは単年ではなく、リーマン・ショック以降の複数年の(組合員の)努力・頑張りに応えたものであり、これを上回ることは考えにくく、「6000円という要求は身の丈を大きく上回るもの」などとのべている。

 賃上げをわずか「1000円+α」に抑えようとしている。とんでもない。職場委員長らをはじめ組合員は、「満額回答以外にない」と決意している。6000円の満額回答は絶対に譲れない。

 第3回労使協議会は、3月11日に開かれる。
トヨタ 15春闘 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/03/11 11:18

◎労務費は年200億円増にすぎない 第2回労使協

 トヨタ自動車の15春闘第2回労使協議会が3月4日、開かれました。組合の賃上げ6000円、一時金年6・8カ月(248万円)の要求に対し、会社側は国際競争力や関連・下請け会社との「一体感」などをあげて、「到底困難」との立場に終始しました。

 組合の「評議会ニュース」によると、会社側は、豊田章男社長が主張する「意思ある踊り場」(「1000万台を超えても成長し続けるために、あえて立ち止まるという意味=豊田社長、「日経ビジネス」14年6月30日号」)にくり返し言及しました。

 また、経営戦略の「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー=車種ごとの開発を改め、ユニットごとに開発して共通化するなどして原価低減をめざす=)」や「RR-CI」(「良品・廉価・コスト・イノベーション」の頭文字からとった原価低減)などにふれ、関連・下請けと一体となった競争力強化が必要だと主張しました。

 組合側は、燃料電池車・ミライの組立ては、13人という少人数で、手作業で行っており、そうした技能を職場に持ち帰ったり、新興国への支援につなげていくこと、新日鉄・住金名古屋製鉄所が出した黒煙で、約2万2000台に付いた直径1ミリ程度のスス落とし作業を、昨年の猛暑のなかでやりぬいたことなど、組合員の頑張り・努力を主張しました。

ミライ 工程
(ミライの生産工程=トヨタが公開した画像から)

 また、サイクルタイムの短縮など、「1秒・1円にこだわる改善」などに懸命に努力しているとのべました。

 会社側は、賃上げ6000円に定昇にあたる賃金制度維持分(7300円)を合わせた1万3300円の要求は、「賞与、超過勤務手当、法定福利費への影響を含めると、労務費は年間200億円増加」するなどとして、「組合要求にそのまま応えることは到底困難」などとはねのけました。

 トヨタの3月期決算の営業利益見通し(連結)は、2兆7000億円です。内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は14兆円を超えます。日本の大企業で突出した利益であり、200億円の労務費はわずかなものです。

 しかも、株主に対しては14年度の中間決算(14年4~9月)で、中間配当を1株75円(総額2379億円)と決めています。前年の65円(総額2059億円)より10円(15%増)増やしています。

 組合の賃上げ要求は、執行部自身が「6000円は2%に満たない」というささやかなものです。それに対し、株主にはドーンと配当を増やしています。組合員の頑張り・努力に会社は誠実に応えるために、賃上げ、一時金とも満額回答すべきでしょう。

 次回の第3回労使協議会は3月11日、回答は3月18日です。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/03/06 11:12

◎15春闘 第1回労使協 「理解をはるかに超える」要求

 トヨタ自動車の15春闘は、2月25日に第1回労使協議会が開かれました。会社側は、労組の要求に対し、国際競争力を前面に主張し、「理解をはるかに超える」ものであり、要求に答えることは「到底困難」と、早くもかたくなな姿勢を示しました。

 労使協は、3月18日の回答日をふくめ毎週水曜日に合わせて4回開かれます。労組の要求は、賃上げ(ベア)6000円(定昇分にあたる賃金制度維持分は7300円)、年間一時金は基準内賃金の6・8ヵ月(約248万円)、非正規雇用の期間従業員の日給を300円上げるというものです。

 一方、会社の3月期の決算は、営業利益(連結)が2兆7000億円と過去最高の見通しです。この金額は、日本の大企業で2番目が1兆円程度であることをみれば突出した利益になります。また、世界の自動車メーカーでトップの座を争っているフォルクスワーゲンを上回るものです。

トヨタ本社 150211
(トヨタ本社)

 労組の「評議会ニュース」によれば、この日の労使協には豊田章男社長も出席。「時間と費用をかけてでも、真の競争力を強化するために、『意志ある踊り場』として『基盤固め』と『イノベーション』に注力しなければならない」などとのべました。

 また副社長や常務役員は、「熾烈な国際競争の中で、勝ち抜いていかなければならない」「賃金を大幅に引き上げることによって、万が一にも、当社の競争力低下につながるようなことがあってはならない」「6000円という要求は身の丈を大きく上回るもの」などとのべ、「そのままお応えすることは、到底困難」と労組を強くけん制しました。

 これに対し労組は、「健全な危機意識を強く持つ必要がある」(鶴岡光行委員長)とのべながらも、日本経済は「6割を占める個人消費は足踏み状態が続いて」いること、「実質賃金はマイナスが継続し、消費低迷から抜け出せずにいる」ことなどをあげ、経済の好循環のためにも要求に答えるよう求めました。

 また、「トヨタ労組も、賃上げによる賃金の底上げ・底支えを通じ社会の一員としての役割を果たしていく」などとの決意を明らかにしました。
トヨタ 15春闘 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2015/02/28 11:47

◎賃上げ要求 「会社の理解をはるかに超えるもの」?

 トヨタ労組は2月18日に、6000円の賃上げなど15春闘の要求を会社に提出しましたが、会社側は早くも「会社の理解をはるかに超えるもの」という対応です。会社のガードの固さを示すものです。

 一方、職場からは「会社は、毎年、毎年、セレモニーのように同じことを繰り返す。茶番劇のようにも見える」と受け止める声も出ています。

 組合の「評議会ニュース」によると、組合の鶴岡光行委員長の申し入れに対し、小平信因副社長は、昨年の会社回答(4000円の要求に対し2700円の回答)は「ここ数年の、生産性の向上や組合員の努力・頑張り」に加え、『個人消費の活性化』という観点も含めた異例のものであった」などとのべました。

 2700円の回答が、「異例のものであった」というのです。回答は、満額に届かなかった上に、新退職金制度へ2750円移行させることが労使合意で決まっていたために、実質的な賃上げはなかった回答でした。

 小平副社長はさらに、「昨年より更に高い今年の要求は、会社の理解をはるかに超えるものと言わざるを得ない」とのべ、物価上昇に追いつかない6000円の要求を、「理解をはるかに超える」とまでのべました。

 正式な交渉――豊田章男社長も出席する第1回労使協議会は2月25日(水)――を前にしての会社側の岩盤の固さを示すものです。そうした岩盤を崩し、満額獲得へ日本のリーダーユニオンの役割を果たそうではありませんか。
トヨタ 15春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/02/20 18:09

◎トヨタ労組、賃上げ6000円の要求を会社へ提出

 トヨタ労組など自動車総連に加盟する労働組合は2月18日、いっせいに会社に15春闘の要求を提出しました。3月18日の金属労協(JCM)の集中回答日に向けて労使交渉が始まります。

 トヨタ労組は、賃上げ(ベア)要求は6000円(EX級、技能4等級、技能職の賃金を35万7030円とする)で、賃金制度維持分は7300円です。年間一時金の要求は、基準内賃金の6・8ヵ月(約248万円)です。また、組合員である2年目のシニア期間従業員と非組合員の期間従業員の日給を300円引き上げることを求めています。

 昨年は、4000円の引き上げを求めて回答は2700円でした。一時金は、6・8カ月要求で満額(約244万円)でした。期間従業員の日給は、200円の引き上げ要求に満額回答でした。

出勤 技術労働者ら
(出勤するトヨタの技術労働者ら=三河豊田駅前)

 トヨタ労組の「評議会ニュース」によると、要求案を決める2月13日の評議会では、執行部の賃上げ6000円要求の提案に対し、「上部団体である連合は2%以上、自動車総連は6000円以上という方針を掲げる中、トヨタ労組はリーダーユニオンとして6000円を超えていく改善分要求を掲げ、全体を引っ張っていくべきという考え方もあるのではないか?」との意見もでました。

 執行部は、「確かにトヨタ労組にとって、6000円は2%に満たないが、自動車総連全体の賃金水準でみれば6000円は2%を踏まえているもの。…トヨタ労組が他と違う水準を掲げて取り組むよりも、皆と同じ水準に取り組み、自動車関係労組が一塊りとなることで、全体の底上げにつながると判断」したなどと回答しました。

 確かに、6000円では消費税増税をふくむ物価上昇分に追いつかず、トヨタの組合員の実質賃金は下がります。また、内部留保15兆円、3月期の営業利益2兆7000億円というダントツの利益からみても、「リーダーユニオンとして6000円を超えていく改善分要求を掲げ、全体を引っ張っていくべき」という主張は、当然ではないでしょうか。

 しかし、要求は6000円と決まり、会社にも提出しました。昨年の回答は、満額に及びませんでした。6000円は、生活を守るために絶対に譲れない金額です。今年こそ、賃上げで満額を勝ち取ろうではありませんか。
トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/02/19 09:10

◎賃上げ要求6000円を正式決定 2%に届かず

 トヨタ自動車労働組合(約6万3000人)は2月13日、評議会を開き、執行部が15春闘で6000円の賃上げ要求をすると提案したことを可決しました。18日に会社側に申し入れ、3月18日の金属労協(JCM)の集中回答日まで3回の労使協議会を開いて回答を求めます。

 昨年の要求は4000円で、回答は2700円でした。

 今年の執行部の要求案は、EX級、技能4等級、技能職の賃金を35万7030円とし、組合員1人平均で1万3300円を要求するというものでした。このうち定期昇給分にあたる賃金制度維持分は7300円、賃上げ分(ベースアップ)は6000円です。

 トヨタ労組が加盟する労組の全国組織、連合は2%以上の賃上げ要求としています。EX級の賃金35万7030円の2%は、7140円であり、連合の要求に届いていません。

 メディアからは、「ベアの水準は連合など上部団体が求める2%(約7千円)よりも少ない」(日経新聞、14日付)、「要求額は上部団体の連合が示す『2%以上』という水準を1000円程度下回る」(毎日新聞、14日付)などとの批判が出ています。

 しかも、消費税増税分をふくめた14年度の消費者物価上昇率(日銀見通しで2・9%)にも追いつかないもので、満額を勝ち取っても生活レベルはダウンします。

 内部留保15兆円、営業利益2兆7000億円(3月期決算見通し)というダントツの利益があるトヨタでの要求額は、問題を残したものとなりました。

トヨタ本社 出勤
(出勤するトヨタ労働者ら。右のビルはトヨタ本社)

 年間一時金は、執行部提案通り6.8カ月分を要求します。満額回答の場合、組合員1人平均で約248万円となります。昨年の要求も6・8カ月で、回答は満額の約244万円でした。

 また、非正規雇用労働者である期間従業員の日給を300円上げる要求をかかげることを決めました。月額6000円になり、正社員と同様の要求をめざします。

 昨年は、シニア期間従業員(期間従業員は、2年目からシニア期間従業員として組合員になる)の日給200円を上げることを要求し、満額を獲得しました。組合員でない期間従業員も200円アップになりました。今年は、全期間従業員の賃上げをめざします。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/02/16 11:11

◎期間従業員 日給300円引き上げを求める

 トヨタ労組執行部は、15春闘の要求案で、シニア期間従業員(期間従業員として2年目の組合員)の要求について、「現行の日給を300円引き上げる」ことを提案しています。

 非正規雇用労働者の期間従業員の日給を引き上げる要求は、昨年に続いて2回目。昨年は200円の要求で、満額を勝ち取りました。非正規雇用労働者の処遇に取り組むのは、大いに評価されるものです。

 トヨタの期間従業員の日給は、トヨタでの経験回数によって、9200~1万円までとなっています。また、18~24カ月満了者は1万200円。30~35カ月満了者は1万500円です。

期間従業員募集
(トヨタのネットでの期間従業員募集広告)

 これまでは、トヨタが期間従業員を募集すると全国から集まっていましたが、昨年の前半ころから集まらないという深刻な事態になりました。昨年6月ころには、それまでは週200人程度採用していたものの、週70人程度と3分の1に落ち込んでいました。

 新たに10万円の特別手当を支給しても、厳しい状態のために、期間従業員の採用拡大に向けて、手当面などの条件を見直すことを明らかにしていました。

 少子化にともなう労働人口の減少という大きな背景のもとに、東日本大震災にともなう復興事業や東京オリンピックのプロジェクトなどによって日本全体が人手不足になっています。

 2年連続の日給アップの要求には、こうした人手不足にともなう“人材争奪戦”があることが追い風になっています。期間従業員は、どんなに働いても最長2年11カ月で辞めざるをえなくなります。

 日給アップとともに、正社員化にも大いに力をそそいでほしいところです。シニア期間従業員は組合員です。正社員化を希望する期間従業員には、門戸をもっともっと広げるよう、組合として会社に要求すべきでしょう。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/02/06 15:53

◎6000円要求では、物価上昇に追いつかない

 トヨタ自動車労組執行部は、2015春闘で6000円の賃上げ要求案を組合員に示しました。職場会の議論をへて2月13日(金)の評議会で決定し、2月18日(水)に会社に要求を提出します。

 要求案は、EX級、技能4等級、技能職の賃金を35万7030円とし、組合員1人平均で1万3300円を要求するというものです。このうち定期昇給分にあたる賃金制度維持分は7300円としています。賃上げ(ベースアップ)分は6000円になります。

 日本銀行は、14年度の消費者物価上昇(1月時点)の見通しについて、2・9%(消費税増税の影響をふくむ。ふくまないと0・9%)としています。ベース賃金に、物価上昇の見通しをふくめて計算するとⅠ万353円になります。

 少なくとも1万円以上の賃上げを獲得しないと、実質賃金は低下し、私たちの生活はダウンすることになります。6000円では、満額を獲得しても追いつかないのです。14春闘では、4000円要求して2700円の回答で終わりました。

トヨタ労働者 フル生産が


 トヨタ労組の上部団体の自動車総連は、消費税増税分は「広く日本全体で分かち合う」として要求しないことを決めました。トヨタ労組執行部は要求案で、物価について次のようにのべています。

……
 トヨタにとって物価は、「その動向いかんでは(賃上げ要求の)4つの判断要素を超えて改善分を含めた賃金の引き上げを検討することもあり得る」と労使間で整理している極めて重要な要素であり、その物価が上昇基調にあることから、組合員の生活を守り、実質賃金の低下を防ぐ取り組みは労働組合としての基本的役割であると考える。以上のことから、4つの判断要素を超えて、賃金制度改善分を会社に要求していく。
……
 
 物価上昇は「極めて重要な要素」としています。消費税増税による上昇分はふくまれているのでしょうか、ふくまれていないのでしょうか? わかりにくい表現です。ふくんでいないとしたら、それでいいのでしょうか。職場会で大いに議論しようではありませんか。

トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/02/05 11:36

◎6000円でいいのでしょうか?

 トヨタ自動車労組は1月29日に開いた評議会で、15春闘の賃上げ要求として、執行部は6000円を提案しました。今後、職場会の議論をへて2月に開かれる評議会で正式に決めます。

 6000円は、上部団体の自動車総連が1月15日の中央委員会で決めた6000円以上の賃上げ要求に沿うものです。これは、連合の2%以上という要求基準に合わせたものです。

 しかし、総連の要求は物価上昇分(日銀の14年度の見通しは、消費税増税分を含め3・0~3・2%)のうち、消費税分は「広く日本全体で分かち合う」として要求しないとしています。

 6000円要求では、物価上昇分に追いつかず、私たちの生活レベルはダウンすることになります。連合の中では、UAゼンセンやJAMなどが物価上昇分を折り込んで、3%以上要求する単産もあります。

 JAMは、自動車や電機の中小の部品会社の労組などでつくっています。トヨタ労組が、果たしてこうした要求でいいのでしょうか。

 トヨタは、この3月期決算で過去最高の2兆5000億円(連結)の営業利益の予想をしています。アメリカでの販売増や円安で、さらに利益を上積みし2兆7000億円という予想もあります。

 会社が史上最高の利益をあげているときに、逆に私たちの生活レベルが下がるような要求でいいのでしょうか。しかも、日本の全体の労働者の実質賃金は、17カ月連続で前年を下回っています。

アクア


 実質賃金ダウン→自動車を買えない→自動車産業の持続的成長ストップ――の悪循環をくり返します。国内の新車の販売減は、昨年の4月から続いています。プリウスを生産している堤工場では、定時割れが続いています。

 内需を拡大するには、GDPの6割を占める個人消費を拡大することであり、そのためには賃金を上げる以外にないことは明白です。日本1の利益、日本1の14兆円以上の内部留保をたくわえているトヨタが率先して賃上げすべきでしょう。

 日本経団連も、15春闘方針対策「経労委報告」で、「賃金の引き上げを前向きに検討することが強く期待される」とのべているほどです。生活を向上させるためには、少なくとも1万円以上の要求が不可欠です。

 職場会で大いに議論しようではありませんか。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/01/30 23:17

◎自動車労働者 家計の収支トントンは57%

 トヨタ自動車など日本の自動車労働者の家計の収支は、この6年間「トントン」というのが57%前後で推移していることが、自動車総連の組合員生活実態調査で明らかになりました。

 同総連の中央委員会(1月15日)議案書で報告しているものです。それによると、2014年の調査では、家計で「繰り越しができるゆとりがある」のは24・6%、「収支トントン」は57・2%、「貯金の取り崩してやりくりしている」は16・5%の順になっています。

出勤 つつみ
(出勤するトヨタ労働者)

 総連では、14春闘でトヨタ労組が賃上げ4000円を要求して2700円の回答を引き出すなど08春闘以来、6年ぶりに賃上げを実現しました。このため、「貯金の取り崩してやりくり」が16・5%と12年より1・3ポイント減少しました。

 しかし、「トントン」は、56・0%(10年)、57・4%(12年)、57・2%(14年)と57%前後で推移しており、家計が依然として厳しい状態であることが浮き彫りになっています。

 年間の賃金の「満足度」を聞いたところ、14年では「満足」と「まあ満足」を合わせると54・6%で、12年に比べ4・5ポイント増えました。賃上げがあったことを反映しています。

 しかし、「やや不満」と「大いに不満」を合わせると44・2%になります。12年の49・1%より4・9ポイント減りましたが、半数近くが「不満」といいます。

 「満足」と「不満」の差は、10・4ポイントですが、賃金に不満を感じている組合員が4割台を占めることは、賃上げへの要求が強いことを示しています。

 自動車総連は、15春闘で6000円以上の賃上げを要求することを決めましたが、消費税増税分は「広く日本全体で分かち合う」として要求に入れませんでした。

 物価上昇分(日銀見通しは14年度で3・0~3・2%)をクリアーできない要求になりそうです。生活実態調査から見ると、トヨタ労組では1万円以上の賃上げ要求は譲れないところでしょう。

              ◇

 この記事は、1月29日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/01/28 20:31

◎トヨタ 利益2兆7000億円?

 トヨタ自動車の15年3月期の営業利益(連結)が、約2兆7000億円にふくらみそうです。昨年11月時点の見通しは2兆5000億円でしたから、2カ月で約2000億円も増える勢いです。

 日経新聞(1月24日付)が伝えているものです。ガソリン価格が下がり北米でピックアップトラックやSUV車の販売が好調なこと、円安が一段とすすんでいることなどが要因です。

 2月上旬に発表する第3四半期決算で、利益の上方修正をするものとみられます。

 トヨタは、昨年11月時点で為替ルートを1ドル=105円と想定していましたが、1月23日で118円と110円台で推移しています。また、原価低減活動も利益増の大きな要因になっています。

トヨタ14春闘
(トヨタ労組の14春闘の集会。右の建物はトヨタ本社)

 日本の大企業で、1兆円ほどの利益を稼ぐのはNTTやソフトバンク、三菱東京UFJ銀行などごくわずかです。そうした企業の3倍近く、3兆円にあとわずかで届くような利益をトヨタは稼ごうとしています。

 日本経団連も15春闘方針で、「賃金の引き上げを前向きに検討することが強く期待される」とのべています。トヨタ労組の上部団体、自動車総連は中央委員会で6000円以上の賃上げ要求を決めました。

 仮に、トヨタ労組が6000円を要求すると――
 6000円×6万3000人(組合員数)×12カ月=45億3600万円
 2兆7000億円のごくごくわずかです(単独での利益予想は発表していません)。1万円を要求しても、75億6000万円にすぎません。

 トヨタ労組は、「トヨタがリーダーユニオンと見なされている現在においては、トヨタが交渉をリードすることが期待されている」と主張しています。そうであるならば、6000円程度の要求にとどまらず、1万円以上の大幅賃上げをめざそうではありませんか。

 トヨタ労組執行部が賃上げ要求案を示すのは、1月29日の評議会です。
トヨタ 15春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/01/25 11:42

◎経団連 賃上げ「論外」から「強く期待される」へ変化

 日本経団連は1月20日、15春闘対策方針である「経営労働政策委員会報告」(「経労委報告」)を出しました。その基調は、これまでの経労委報告と大きく変わっています。

 トヨタ労組など大企業労組が賃上げ(ベースアップ)を要求しなかった12春闘の「経労委報告」――。

 ・「ベースアップの実施は論外」
 ・「定期昇給の延期・凍結も含め、厳しい交渉を行わざるを得ない可能性も出てこよう」
 ・「(連合が)昨年に引き続き『1%を目安に賃金を含め、適正な配分』を要求しているのは、企業の危機的な経営環境に対する認識が甘い」

 今年の15春闘「経労委報告」――

 ・「収益の拡大という成果を賃金の引き上げにつなげていく企業行動が連鎖し合うことで、縮小経済を拡大する経済へと変えていく大きな力が生まれ、好循環の形成はより確かなものとなっていく」
 ・「賃金の引き上げを前向きに検討することが強く期待される」

toyota 本社です
(トヨタ本社)

 どうですか。賃上げについて、「論外」から「強く期待される」へとびっくりするほどの変化です。

 12年3月期のトヨタの営業利益は3556億円(連結)、2421億円(単独)ありました。09年3月期の連結の赤字4610億円をわずか1年で、単独で続いた4年間の赤字も脱していました。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、日本1の11兆9170億円もありました。賃上げは、「論外」などという状況ではありませんでした。13春闘で、トヨタ労組は4000円の賃上げを要求しましたが、回答は2700円にすぎませんでした。

 経団連や利益日本1のトヨタが、賃上げを抑え続けてきた結果、日本経済はどうなったでしょうか? 日本の労働者の実質賃金は、昨年11月まで17カ月連続で減少し、14年度のGDPの見通しは、マイナス0・5%で、リーマン・ショック後の09年以来、5年ぶりのマイナスになります。

 昨年4月からの消費税増税も追い打ちをかけ、個人消費は冷え込む一方です。今年の「経労委報告」は、賃上げを「論外」、「定期昇給の延期・凍結」とまでいっていたことによって、景気を悪化させたことを、事実上、認めたのです。

 そのために、「収益の拡大という成果を賃金の引き上げにつなげていく」ことで、「縮小経済を拡大する経済へと変えていく」といわざるを得なくなったのです。

ハリアー


 しかし、その一方で、「賃上げ=ベアといった単純なものとはならない」とのべ、「賃金の引き上げを『年収ベースの引き上げ』ととらえる」などと主張しています。賃上げを「賃金を引き上げる場合の選択肢の1つ」に押し込めようとしています。

 賃上げを抑え、一時金などで勘定を合わせようというものです。ブログ「トヨタに生きる」にも、「トヨタの場合、一時金が大幅に増えて、消費税アップ分はカバーできているはずですけど」(1月19日)という一時金を評価するコメントが寄せられています。

 賃上げは、残業代の割り増しや退職金、年金などにも影響するものです。一時金ではなく、賃上げこそ、生活の向上につながるものです。

 トヨタ労組が加盟する自動車総連は、15日の中央委員会で6000円以上の賃上げ要求を決めました。この額では、物価の上昇分(3~3・2%)をカバーできず、実質賃金は下がります。

 経団連が、賃上げが「強く期待される」というならば、生活向上分もふくめて1万円以上の大幅要求をかかげようではありませんか。トヨタ労組は、1月29日の評議会で賃上げ要求の執行部案を示します。そこへ反映させましょう。
トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/01/23 18:30

◎ドイツ 金属産業労組が賃上げ5・5%要求

 トヨタ労組が加盟する自動車総連は、2015年の賃上げ要求として、連合の2%以上という方針をふまえ、6000円以上と決めましたが、ドイツの金属産業労組(IGメタル)は、日本の倍以上の5・5%を要求しています。

 IGメタルには、トヨタと激しく世界販売台数の1、2位争いをしているVWや燃料電池車で提携しているBMWの労働者が加盟しています。連合通信社は、IGメタルのたたかいを次のように伝えています。

IGメタル HP
(IGメタルのホームページ)

……
 IGメタルの金属・電機部門(協約適用対象約370万人)は3点セット要求(1)賃上げ5・5%(2)職業教育を受けるためのパートタイム制新設(3)高齢者パートタイム制の改善を統一基本要求として提出し、全国を7分割した各労働協約地区で交渉を開始した。IGメタルによれば、5・5%要求の根拠は、(1)物価上昇率分2%(2)生産性上昇分1・5%(3)「業績の公平還元と内需安定化」のための再分配分2%――の3要素である。
……

 日本の自動車総連は、消費税増税分による物価上昇分は、「日本全体で分かち合う」として要求しないために、2%を超えるという低い要求になっています。物価上昇分(日銀の見通しで14年度は3~3・2%)にも追いつきません。IGメタルの3要素は、物価上昇分もふくめてきわめて明確な数字をあげています。

 国際金属労連が、自動車産業労働者の時間当たりの賃金比較(購買力平価、2006年)をしたことがありますが、ドイツの29・4ユーロに対し日本は9・71ユーロと3分の1にすぎません。

 トヨタは、春闘のたびに「国際競争力」論を持ち出して、「賃上げは困難」といい続けてきましたが、ドイツに比べて賃金が低いのは常識です。ドイツの自動車労働者の賃金に追いつくには、大幅な賃上げ要求を掲げることが必要ではないでしょうか。

                ◇

 この記事は、1月21日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。

トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/01/20 18:50

◎6000円以上でいいのですか 自動車総連

 トヨタ労組が加盟する自動車総連(約76万人)は1月15日、名古屋市で中央委員会を開き、15春闘で6000円以上の賃上げ要求をすることを決めました。総連として金額を明示したのは09春闘以来6年ぶりといいます。

 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」がくわしく伝えています。それによると、総連の相原康伸会長(トヨタ労組)は、次のようにあいさつしました。

……
 現在、日本経済は、円安・株高の一方、輸入物価の上昇、地方や中小企業への景気波及問題など、政府の政策がもたらす様々な光と影が交錯する状況にある。とりわけ消費税引き上げ以降、自動車など耐久消費財の需要は回復が遅れている。物価の上昇が先行し続け、消費低迷を長引かせば、景気失速は明らかであり、一年半にも及ぶ実質賃金の低下をこれ以上放置できない。
……

 この通りです。実質賃金の低下は、昨年11月でもう17カ月連続になっています。14年度のGDPは、個人消費が落ち込んだために、リーマン・ショック以来のマイナスの0・5%減になる見通しです。アベノミクスの破綻を示しています。

 景気を回復するには、大幅な賃上げしかないでしょう。「自動車など耐久消費財の需要は回復が遅れている」(相原会長)のであり、そのためにも大幅な賃上げは不可欠です。

toyota 本社地区
(トヨタ本社地区)

 ところが不可解なのは、相原会長が次のようにのべた部分です。

……
 消費税の影響も含めた物価上昇率が3%程度に及ぶなか、6000円以上という水準設定に落ち着いたことについて、同日の中央委員会の前に行われた会見で相原会長は、「消費税分の取扱いについては、連合、金属労協での方針論議において一定の整理がついた。消費税率の引き上げ分については税と社会保障の一体改革が待ったなしであり、国民で広く負担すべき」と述べる一方、家計への影響も考慮して総合的に判断して6000円以上としたと説明した。
……

 14年度の物価上昇の見通しについて日銀は、3・0~3・2%としています。これには消費税増税分がふくまれています。相原会長は、消費税率の引き上げ分については、「税と社会保障の一体改革が待ったなしであり、国民で広く負担すべき」だというのです。

 要するに、消費税による物価上昇分は、要求しないというのです。連合内では、ものづくり産業労組(JAM)のように、物価上昇分をふくめて3%以上の要求をするところもあります。

 自動車産業は、円安もあってトヨタの2兆5000億円の営業利益の見通し(15年3月期決算)をはじめ、もっとも利益をあげている産業です。6000円程度では、物価上昇分に追いつかないことは明白で、実質賃金の低下はさらに続くことになります。

 トヨタでいえば、14春闘のベース賃金、35万3530円(EX級、技能4等級、技能職)で試算してみると、3%で1万6059円になります。少なくとも1万6000円以上の賃上げが必要です。

 トヨタ労組は、1月29日の評議会で、執行部が要求案を示します。物価上昇分はもちろん、生活向上分をふくめた大幅要求のために、職場から声を上げようではありませんか。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/01/19 13:34

◎どこまで続く賃金減、新車販売減

 11月の実質賃金(物価上昇分を加味したもの)が、17カ月連続でマイナスになりました。12月26日に厚労省が発表した毎月勤労統計で明らかになりました。13年7月以来、マイナスは続いており、11月は前年同月比マイナス4・3%と、この間でもっとも大きく減りました。

 このうち製造業(従業員30人以上)では、8月以来4カ月連続マイナスになり、11月はマイナス3・2%でした。月間現金給与額は、34万5018円で、同じくマイナス0・5%でした。

 安倍政権のアベノミクスの破綻を示すものです。しかも、4月からの消費税増税と賃金減少で個人消費が弱まり、新車の売り上げは4月~11月まで8カ月連続で前年割れになっています。

新車販売減
(新車の国内販売減が続いています。後方はトヨタ本社のビル)

 トヨタ自動車の11月の国内新車販売は11万4908台で、前年同月比で92・1%に落ち込んでいます。車種別ではアクアが同様に95・8%、プリウスが62・9%でした。

 プリウスを生産している堤工場では、1直の生産が定時割れという事態になっています。

 安倍政権は、消費税10%への引き上げを、1年半先送りし、17年4月から実施するとしています。日本自動車工業会は、10%への引き上げで、新車販売は、最大で年間50万台減少すると試算しています。

 こうした賃金減を止めるには、15春闘で大幅な賃上げを実現することがなりよりも必要でしょう。自動車総連がめざす6000円程度の要求では、物価上昇分(日銀の見通しでは3・2%)に追いつきません。

 もっとも好調といわれる自動車産業で、少なくとも1万円以上の賃上げを実現しなければ、賃金減少→新車販売減少の悪循環に歯止めをかけることはできないでしょう。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/12/27 18:06

◎トヨタ 内部留保の0・18%で2万円賃上げ可能

 トヨタ自動車労組が加盟している労組の全国組織、連合(日本労働組合総連合会)は、15春闘で「2%以上」の賃上げ要求を掲げています。もう1つの労組の全国組織、全労連(全国労働組合総連合)は、「月額2万円以上、時間額150円以上」を掲げています。

 全労連は、14春闘より月額4000円、時間額30円引き上げました。消費税増税や物価が3・2%(日銀見通し)も上がり、実質賃金が16カ月連続して低下しているなかで、実質賃金を下回らないという要求です。

 トヨタ労組の上部団体の自動車総連は、6000円以上の賃上げを要求しますが、これでは物価上昇分をまかなえず、実質賃金の低下に歯止めがかかりません。

 全労連は、大企業がため込んでいる285兆円の内部留保のわずか2・3%を賃上げ(月1万9800円)に回せば、全産業で賃金がピークだった1997年の金額に戻すことができるというデータを示しています(「2015年国民春闘白書」)。

 トヨタでいえば、14春闘のベース賃金、35万3530円(EX級、技能4等級、技能職)で試算してみると、単独の内部留保の大きな部分を占める8兆1283億円の利益剰余金(14年3月期)の0・18%で月2万円の賃上げが可能です。

カバハウス2
(トヨタ労組が入っているカバハウス)

 全産業でいえば全労連のいうように2・3%で可能ですが、ダントツの内部留保日本1のトヨタでは、その10分の1以下で可能です。

 麻生太郎財務相は、「企業に内部留保がたまっている。賃金か配当か設備投資に回すのが本来の姿だ」とのべました(16日の閣議後の記者会見で)。政府さえも内部留保を賃上げなどに活用すべきだと語っているのです。

 トヨタ労組は、「トヨタがリーダーユニオンと見なされている現在においては、トヨタが交渉をリードすることが期待されている」(「15ゆめW 取り組みにあたって」)と文字通り春闘のリード役と自負しています。

 15春闘では、実質賃金を維持し、生活を向上させるためには大幅な要求を掲げようではありませんか。
トヨタ 15春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2014/12/25 16:17

◎ベア6000円以上要求へ 自動車総連

 自動車総連(相原康伸会長=トヨタ労組)は12月19日、中央執行委員会を開き、15年春闘の賃上げ(ベア)要求として、月6000円以上とする方針案を決めました。15年1月15日に名古屋市で開く中央委員会で正式に決めます。

 ベア要求は14春闘に続くもの。10~13春闘の4年間は要求をしませんでした。労働組合の全国組織、連合は「2%以上」の要求を掲げており、6000円は同総連に加盟する労組の平均賃金の2%を上回るといいます。

 一方、同じ日に中央執行委員会を開いたUAゼンセン(流通や繊維・化学などの労組で構成)は、3%の賃上げ要求とする方針です。逢見直人会長は「実質賃金は大幅に下がっており、物価の上昇分を取り戻す要求をしていく」(朝日新聞、20日付)としています。

マークx
(トヨタ車の国内販売は、8カ月連続で前年割れが続いています)

 実際、実質賃金は15カ月連続で前年を下回っています。新車の国内販売も4月の消費税増税以来、11月まで8カ月連続で前年割れが続いています(トヨタの11月の販売は、前年の92・1%)。

 14年度の日本銀行の物価上昇見込み(消費税増税分をふくみ、生鮮食料品を除いて3・2%=10月31日時点)を上回る賃上げが実現できなければ、実質賃金は下がることになり、景気回復にもならないでしょう。

 UAゼンセンの方針は、そうしたことを踏まえたものであり、自動車総連の6000円以上というのは疑問が残るものです。トヨタ労組の場合、14春闘のベース賃金は35万3530円(EX級、技能4等級、技能職)でした。

 仮にこれを使って試算すると、ベア要求は物価上昇分だけで1万1313円になります。少なくともこれだけなければ生活は下がることになります。6000円であれば、半分ということになります。

 トヨタ労組は15年1月下旬の評議会でベア要求案を提示し、2月上旬に決めます。生活実態を出し合い、大いに議論しようではありませんか。
トヨタ 15春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/12/22 10:39

◎自民・谷垣、麻生の両氏が「内部留保活用」を主張

 総選挙直後から自民党の谷垣禎一幹事長や麻生太郎・副総理・財務相が、日本共産党の主張に応えて内部留保の活用をとなえています。大企業の内部留保総額は、約285兆円というぼう大なものです。

 トヨタ自動車には、14兆円という日本1、ダントツの内部留保があります。上場企業約1300社の約5%を占めるといいますから、無関心ではいられません。

14兆円のトヨタ
(内部留保14兆円のトヨタ。写真は本社)

 総選挙の結果が明らかになった12月15日の夜、NHKは「選挙結果を受け、国政にどうのぞむか」の各党党首らの討論を行いました。アベノミクスについて日本共産党の志位和夫委員長は、次のように語りました。

……
 志位 (党首討論などで)安倍首相ともずいぶん議論したんですが、結局、安倍さんがおっしゃるのは、「大企業がまずもうけをあげれば、いずれは国民の暮らしに回ってくる」ということでした。しかし、待てども待てども回ってこないわけです。実質賃金は16カ月マイナスですし、「雇用が増えた」といっても非正規の方であって、正社員は減っています。ですから、首相は「この道しかない」とおっしゃいますが、私は「この道に先はない」と思います。

 やはり、大企業応援から暮らし応援にかじを切り替えるという政策転換が必要だと(思います)。カギになってくるのは、大企業が抱えている285兆円まで膨れ上がった内部留保を活用して、国民の暮らしに回るようにすることです。

 政府が企業に「命令」して「出せ」というわけにはいきません。ただ、国民の暮らしを守るルールをつくることで、内部留保が暮らしに回るようにすることはできます。

 たとえば、非正規から正規への(流れをつくる)ルールをつくっていく。あるいは最低賃金の引き上げのルールをつくっていく。あるいは(中小企業の)下請け単価を適正なものにするルールをつくっていく。長時間労働を規制するルールをつくっていく。このことによって、285兆円の内部留保が暮らしに回るようにしていく。これを政治の責任でやっていくということが、いま本当の意味での経済の好循環をつくるカギだと思っています。
……

 内部留保について一部に誤解があります。企業の内部留保=“サイフ”に手を突っ込んで強制的に取り上げるというものではありません。志位委員長が語っているように、内部留保が国民・労働者の暮らしに回るようにルールをつくるということです。

 NHKの討論で、志位委員長の発言を受けて谷垣幹事長は、内部留保について次のようにのべました。

 「賃上げに結び付けていくことは必要。手法はいろいろと志位さんのところと同じかどうかわかりませんが、内部留保を活用する意味では大きな発想は共通のところがあるかもしれません」

 内部留保の活用について日本共産党と共通のところがあると認めたのです。麻生財務相は翌16日の閣議後の記者会見で、「企業に内部留保がたまっている。賃金か配当か設備投資に回すのが本来の姿だ」とのべました。賃上げなどに内部留保を活用すべきだと語ったのです。

アクア
(消費税増税、実質賃金の16カ月マイナスなどでトヨタ車の国内販売は、前年割れが続いています。写真はアクア)

 同じ16日には、政労使会議が開かれ、安倍首相、日本経団連の榊原定征会長、連合の古賀伸明会長らが出席。15春闘の賃上げに「最大限努力する」との合意文書をまとめました。14春闘に続くものです。

 日本共産党は、内部留保の一部を活用すれば1万円以上の賃上げは可能だと主張してきました。14兆円の内部留保にとどまらず15年3月期決算で2兆5000億円の営業利益をあげる見通しのトヨタは、内部留保を活用するまでもなく1万円以上の賃上げは可能です。

 自民党の幹事長や財務省が、日本共産党と並んで内部留保の活用を主張しているのは重要です。15春闘では、トヨタで1万円以上の賃上げを獲得し、景気の回復をはかろうではありませんか。

トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/12/18 18:15

◎ベア要求、6000円以上でいいのでしょうか

 トヨタ労組の15春闘が本格的に始動します。「15ゆめW 取り組みにあたって」を掲載した「評議会ニュース」(No1144、11月28日発行)が職場に配布されています。

 具体的な要求額などはこれからですが、トヨタや自動車産業を取り巻く情勢を分析しています。2013年の世界市場は、「約8470万台で、12年に引き続き過去最高を更新。14年もさらに拡大する見通し」と分析しています。

 しかし、日本国内市場は、「14年4月の消費税増税に伴う駆け込み需要の反動もあり、14年の国内市場は、約485万台と500万台を割る見通し」と消費税増税によって厳しい情勢と指摘しています。

 トヨタの、今期の営業損益は、「連結2兆5000億円(増収増益)、単独1兆300億円(減収減益)の見通し」と連結では過去最高の利益になるとしています。

 その上で、15春闘の基本的な考え方として、「賃金相場の波及力を高め、未組織労働者も含め広く社会全体の底上げ、底支えをはかり、格差の是正(規模間、正規・非正規間、男女間)に全力を尽くすことである」と指摘しています。

 また、「家計消費の回復が求められる中、物価上昇局面にあることや経済成長をけん引するためにも賃上げを継続的に行っていくことが『デフレからの脱却』と『経済の好循環実現』のために必要である」とのべています。

 こうした考え方は、このブログ「トヨタで生きる」で、昨日にアップした「賃上げと正規雇用の拡大で経済の好循環を」と基本的に同じ方向だと考えます。

堤 出勤
(出勤するトヨタ労働者=堤工場で)

 そうしたなか、朝日新聞が「自動車総連、ベア月6千円以上要求案 平均賃金の2%」(11月30日付)を掲載しました。

 トヨタ労組の14春闘の要求は4000円でしたから、これを上回りますが、「2%のベアを獲得しても、日本銀行の消費者物価指数の今年度見通し(生鮮食品を除く総合で3・3%上昇)を下回り、実質的な賃金は減る」(朝日新聞)と指摘しています。

 私たちは、「トヨタで生きる」で、消費税増税などによる物価上昇を考えると、トヨタでは少なくとも1万円以上を要求しないと実質賃金は維持できないと主張してきました。

 トヨタ労組での具体的な要求額はこれから議論されますが、真剣な議論になることを期待したいと思います。それは、「15ゆめW 取り組みにあたって」でも次のように強調しているからです。

 「以前は鉄鋼がリーダーユニオンとなって交渉をリードし、他社はそれに追随することで賃金水準が向上。トヨタがリーダーユニオンと見なされている現在においては、トヨタが交渉をリードすることが期待されている」
トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/12/01 10:53

◎成果主義賃金とは何?

 トヨタ自動車の14春闘で会社が回答したのは、賃上げ(ベア)が2700円、定昇(賃金制度維持分)が7300円でした。両方を合わせるとかっきり1万円になります。

 ある組合員が数人のトヨタマンに、どれだけ上がったかを聞きました。すると、全員が1万円以下でした。その組合員、「いったいだれが1万円以上上がっているのか?」と疑問を抱きました。

 トヨタの賃金は複雑です。生産現場の毎月の賃金明細表を見ると、「基準賃金等」「家族手当」「超過勤務手当」「深夜勤務手当」「時間帯手当」「通勤費補助」などがあります。

 このうちの「基準賃金等」がいわゆる基本給に当たります。それは、「職能基準給」「生産性給」「職能個人給」「習熟給」「役割給」に分かれています。それぞれが、職能資格や賃金等級、勤続年数などで細分化されています。

つつみ (1)
(出勤するトヨタ労働者)

 このうち、「職能個人給」の比率がもっとも大きくなっています。ある労働者は4割を占めています。この「職能個人給」に「成績率」が適用されます。現場の技能職の場合の成績率は、「85~115」です。

 つまり、労働者1人ひとりの成果によって85~115で評価するというのです。たとえば1000円上げるとします。このうち、成果が上がれば最高で1150円にするが、成果が上がらなければ最低で850円にするというものです。上下で300円もの差が生じます。

 これが成果主義賃金です。要するに、「職能個人給」の総額原資は変わらないのですが、労働者のなかで奪い合うものなのです。労働者同士を競い合わせるだけで、会社の支払う「職能個人給」の総額は増えないのです。

 トヨタの場合は、すべてが成果主義賃金にはなっていませんが、日立製作所は9月26日、まず管理職からすべてを成果主義賃金にすることを発表しました。これまで勤続年数や年齢などに応じた賃金部分が75%を占めていましたが、これを全廃するというのです。これに飛びついたのが安倍政権です。

 政府や日本経団連、連合などでつくる「政労使会議」が9月29日に開かれましたが、安倍晋三首相が年功序列の見直し・成果主義賃金の導入を主張したのです。アベノミクスの3本目の矢の「成長戦略」の1つとして取り上げたもので、ここまで踏み込むのは歴代政権ではありえなかったことです。

 成果主義賃金は、富士通が1993年に導入して以来、大企業で広がってきました。しかし、競争主義とノルマのなかで自殺、うつ病が増え、成果をあげるためには違法すれすれのことまでする事態が生まれました。

 「成果が上がれば賃金が上がる」といいますが、上がるのはごくわずかです。しまもそれは、他の労働者から奪っているのにすぎません。労働者が労働組合に団結して、全体の賃金を底上げする――このことがもっとも重要ではないでしようか。

                ◇

 この記事は、11月16日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/11/15 07:48

◎定昇って何?

 定昇(定期昇給)って何ですか? トヨタの場合は、「賃金制度維持分」といいます。次の表を見て下さい。トヨタ労組が10月に開いた第81回定期大会の議案書にある定昇とベアのイメージ図です。

20 定昇と賃上げ トヨタ労組

 左の定昇のイメージは、労働者が今年の階段から来年の階段へ上がっていきます。昇格・昇等級、勤続などによって賃金が上がります。わかりやすくいえば、1年先輩の賃金に追いつくことです。

 60歳の定年になると、労働者は退職します。他方、新入社員が入ってきます。階段を上がっている労働者は、入れ替わるだけです。この階段の面積全体は変わりませんから、会社が労働者全体に支払う賃金の総原資は、同じです。労働者は1円も上がらないわけですから、これを賃上げとはいいいません。

 一方、ベア(ベースアップ、賃上げ)は、図のように1人ひとりの階段そのものが上がることをいいます。階段の全体の面積が増えていますね。会社が労働者全体に支払う総原資は、増えます。

 トヨタで仕事を続け、結婚、子どもが生まれるとなると、マイカーやマイホーム、教育費、老後のたくわえなどが必要になります。賃金が上がらないと生活は出来ないわけですから定昇があるのは当然といえます。

 ベアは、私たちの生活をよくすることですから、労働組合が組合員の要求を汲みあげて会社に要求します。これが毎年の春闘です。トヨタ労組は14春闘で4000円を要求して、会社が示した回答は2700円でした。

 定昇分は7300円ですから、2700円+7300円で1万円上がったように見えますが、ベア=賃上げはあくまでも2700円です。定昇とベアをプラスして1万円上がったということにはならないでしょう。
トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/11/15 07:31

◎やっぱり、大幅な賃上げが必要ではないでしょうか

 このブログ「トヨタで生きる」に、「賃上げ1万円以上は必要ではないでしょうか」(11月7日)をアップしたところ、長文のコメントをいただきました。ありがとうございました。

 誤解されている点がありますので、私たちの考えをあらためて整理したいと思います。まず、日本共産党だけが大幅な賃上げを主張しているわけではありません。

堤 労働者
(出勤するトヨタ労働者)

 たとえば、トヨタ労組が加盟している連合の2011年春闘討論集会で、富士通総研の根津利三郎エグゼグティブ・フェローが講演した例をあげましょう。

 根津氏は、1996年~2008年までの各国の賃金を比較すると、日本は先進国(日本、米国、ドイツ、フランス、スイス、イギリス)で一番低いと指摘しています。

 一方、日本の企業の遊休資金は1997年10月から2009年12月まで増え続け、その総額は200兆円になっているとのべています。「なぜ企業はかくも貯蓄をするのか」との答えでは、▽有望な投資機会がない▽不確実な将来への備え▽各国で行われた法人税の減税―などをあげています。

 その上で根津氏は、「デフレ、円高の原因は賃金の低迷。生産性に見合った賃金を確保することが鍵。それにより内需の掘り起こしが可能となる。成長戦略の達成(名目3%、実質2%成長)のためには毎年4%程度の賃金上昇が必要。民間企業は潤沢な資金を有しており、不可能ではない」と語っています。

 現在、日銀の異常な金融緩和策で円安にはなっていますが、賃金は14カ月連続で前年を下回っています。根津氏は4年前に、4%もの賃上げを主張しています。トヨタにあてはめれば1万4000円を超えます。

 このように連合の集会で研究者が語っていることであり、日本共産党だけの主張ではありません。

エクスワイア
(トヨタの新車、エクスワイア)

 またコメントでは、14春闘で1万円の賃上げがあったといわれますが、正確には定昇(賃金制度維持分)7300円+賃上げ(ベア)2700円です。定昇は、1年先輩の賃金に追いつくことを意味しており、賃上げとはいわないのが常識です。

 実際、連合が15春闘の賃上げ要求目標を「2%以上」としているのは、ベア分だけで定昇はふくまれていません。

 コメントでは、トヨタの労働者は「高給取り」とのべています。確かに、トヨタ関連のなかでは高いでしょう。しかし、トヨタはフォルクスワーゲンやBMWなど世界の自動車メーカーと競争をしています。

 労働条件を競争の条件にしてはならないのは当然です。ところが、トヨタ労組が加盟する金属労協(JCM)の14春闘資料は、こう書いています。

 世界の製造業の時間当たりの人件費を比較(2012年)すると、「日本を100とした場合、ドイツは184・4、フランスは160・3、アメリカは133・2…」。

 コメントしていただいた方は、海外赴任が多いと見受けしますが、アメリカやドイツなどの自動車労働者の賃金を是非、調べてほしいと思います。それとともに、トヨタの国内販売をもっと増やすことを、ともに考えようではありませんか。私たちの雇用を守るためにも必要だからです。

 GDPの6割を占める個人消費を増やしてこそ、日本経済は好循環するのであり、そうすればトヨタの車も売れるでしょう。4月の消費税増税で、トヨタ車が4月~10月までの7カ月連続で前年割れしている実態をなくすには、やっぱり大幅な賃上げではないでしょうか?
トヨタ 15春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/11/09 12:58

◎賃上げ1万円以上は必要ではないでしょうか

 急激な円安で、原材料費などの輸入品が値上がり、私たちの暮らしに必要な衣料、コーヒー、パン、スパゲティ…などの価格が上がっています。毎日の通勤に必要なガソリン代は、150・3円(2013年11月)、162・4円(14年7月)、150・3円(14年11月)と乱高下しています。

 電気料金は、中部電力が今年5月から家庭向けに3・77%引き上げました。標準的な家庭では、消費税込みで657円上がり、月8225円程度になっています。物価上昇は、私たちの家計を直撃しています。

 日本銀行は、14年度の物価上昇見込みについて、消費税をふくめて3・2%、ふくめないで1・3%としています。

パン、コーヒー、スパゲティ


 今年3月のトヨタの賃上げ(ベア)は、組合が4000円要求して2700円でした。新退職金制度へ2750円を移行させることが労使合意で決まっていましたから、実質の賃上げはなかったことになります。

 そこへ4月からの消費税8%への増税が襲いました。私たちの生活は、確実に下がっています。このため、トヨタ労組が加盟する連合(労組の全国組織)は、15春闘の賃上げ目標として昨年の「1%以上」を上回る「2%以上」とする方針です(12月2日の中央委員会で正式決定)。

 連合内では、物価上昇を考慮すれば「3%以上」が必要との意見もあります。

 日銀の3・2%の物価上昇を使って賃上げ目標を試算してみましょう。トヨタ労組の場合、14春闘のベース賃金は35万3530円(EX級、技能4等級、技能職)でした。ベア要求は物価上昇分だけで1万1313円になります。

 少なくともこれだけ獲得できなければ、私たちの生活は下がることになります。賃上げは、14春闘で定昇をふくめ1万円あった、一時金が年間約244万円(6・8カ月)あったといわれるかもしれません。

 定昇(トヨタ労組は賃金制度維持分という)は、1年先輩に賃金が追いつくだけです。一時金は、マイホームやマイカー、教育費、老後の蓄えなどに回している人が多いでしょう。

 私たちの生活を向上させるのは、あくまでも賃上げ(ベア)です。実際、トヨタをふくめた日本の労働者の賃金は14カ月連続で前年を下回っています。これでは、新車を買うことも多くの国民は控えるでしょう。実際、トヨタの国内販売は、4月から10月まで7カ月連続で前年割れです。

プリウス


 GDPの6割を占める個人消費。ここを温める以外に日本経済を好循環にする手立てはないでしょう。トヨタは、15年3月の営業利益を史上最高の2兆5000億円としています。中間株式配当を1株10円上げて75円にすることを発表しています。

 トヨタ労組出身の相原康伸自動車総連会長は、9月の同総連定期大会で、08年春闘以来6年ぶりにベアを実現したことについて、「ベアのない春闘からベアのある春闘へ、春闘の風景を変えた。その情景を共有できた。春闘の基点になった」と15春闘への決意を語っています。

 この通りです。15春闘で私たちの生活を守り、向上させましょう。トヨタの利益、内部留保はたっぷりです。
トヨタ 15春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/11/07 11:55

◎トヨタ労組が定期大会 2年連続ベア要求へ

 トヨタ自動車労組(約6万3千人)は10月18日(土)、豊田市の組合事務所、カバハウスで第81回定期大会を開きました。2兆円以上の利益をあげ、日本の賃上げの目安を示すといわれるトヨタだけに、メディアはトヨタ労組が15春闘をどう取り組むかに注目して報道しました。

 「鶴岡光行執行委員長は冒頭のあいさつで2015年春の賃金交渉について『物価動向などの判断要素を踏まえた議論を進める』と強調。年明けの決定に向け2年連続のベースアップ(ベア)にあたる賃金改善分の要求を議論する」(日経新聞)

 「(鶴岡委員長は)『上部団体の方針や労働の質的向上、物価動向を踏まえ、地に足を着けた議論をすすめる』と述べた」(中日新聞)

 組合員からは、満額回答でないのに回答日前に妥結した14年春闘について『(執行部の)説明が十分でなかった』との意見が出された」(共同通信)

トヨタ労組
(トヨタ労組が入っているカバハウス)

 トヨタ労組は14春闘で、4000円のベアを要求。回答は満額に届かず、2700円でした。6年ぶりのベア実現となりましたが、4月からの消費税増税や円安によるガソリンの値上げなど物価上昇で、ベア分が吹っ飛んでいます。

 トヨタ労組の上部団体の連合は、「2%以上の賃上げ要求」の方針を示しました(12月の中央委員会で正式決定)。しかし、2%程度では生活は守れないと、3%以上の要求を主張する労組もあります。

 トヨタの労働者の賃金は、今年3月の14春闘回答の結果、EX級、技能4等級、技能職の個別賃金で35万2540円になりました。

 トヨタの現場の多数は、2交代制です。このため、「基準賃金」のほかに、交代制手当に当たる「時間帯手当」や「深夜勤務手当」があります。また、残業の「超過勤務手当」や家族手当などもあり、これらで10万円前後になります。一見するとトヨタ労働者の賃金は高く見えますが、こうした諸手当がふくまれているからです。

 世界の製造業の時間当たりの人件費を比較(2012年)すると、日本を100とした場合、ドイツは184・4、フランスは160・3、アメリカは133・2です(トヨタ労組が加盟する金属労協の14春闘資料から。1ドル=105・30円で換算)。

 トヨタが国際競争しているVWやGMなどと比べても低いといわざるをえないでしょう。

出勤する労働者
(出勤するトヨタ労働者)

 春闘で、トヨタが日本の賃上げを左右するといわれて20年ほどになります。自動車の部品などをつくっている中小企業の労組で組織するJAM(連合加盟)の幹部は、こう語ります。

 「トヨタ労組以上の要求をすると、経営側から『あのトヨタ以上の要求をするのか? うちが儲かっていると見られ、コストダウン要求をされる。とんでもない』といわれ、たたかいにならない」

 トヨタ労組が、日本の賃上げを引っ張っていく大きな役割があるのです。トヨタ労組の執行部が賃上げ要求案を提示するのは、例年1月下旬の評議会で、2月上旬に要求額を決定します。

 それだけに、私たちの生活実態から、どれくらいの要求が必要かを今から議論していく必要があるでしょう。ある組合員は、「今度の春闘では、物価上昇などを考えると1万円以上が理想だよね」と語ります。大いに議論していきましょう。
トヨタ 15春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/10/23 12:56

◎15春闘では、物価上昇分は絶対確保

 2015年春闘に向け、トヨタ自動車労組が加盟する連合が動き始めます。10月17日の連合中央執行委員会で、15春闘の基本構想案を提案します。ベア(賃上げ)要求を「2%以上」とすることをメディアが伝えています。

 4月からの消費税増税で、4~6月期のGDPは、年率換算でマイナス7・1%も落ち込んでいます。とくに、家計消費はマイナス19・5%も落ち込み、この20年来で最大となりました。

 なぜでしようか? 厚生労働省の毎月勤労統計調査では、実質賃金は8月がマイナス2・6%になり、14カ月連続で前年を下回っています。消費税増税に、ガソリン価格など円安による物価上昇が加わって、賃金の目減りが続いているからです。

 14春闘で、トヨタ労組は4000円の要求をかかげ、2700円の賃上げを獲得しました。6年ぶりの賃上げに喜んだのはつかの間のことでした。消費税増税と物価上昇で私たちの生活は落ち込む一方です。

キャベツ


 15春闘では、どんな要求をかかげるべきでしょうか? 14春闘では、このブログ「トヨタで生きる」(2013年11月24日アップ記事)で明らかにしたように、次のような生活に根ざした要求を提起しました。

………
 (a)消費税増税3%分
 (b)定年までに1000万円をためる(65歳まで働く)ために職能個人給から2750円を移行させる分
 (c)ガソリン代やパン代など物価上昇分
 (d)生活向上分――などです。
………

 こうした根拠をもとにした最低の要求案は1万円でした。実際に、消費税増税分や物価上昇分をふくめると、それだけの賃上げは必要だったでしょう。

 では、15春闘ではどのくらい要求すべきでしょうか? 今年度の物価上昇の見通しについて日本銀行は、生鮮食料品と消費税増税の影響を除いて1・3%としています。物価上昇分をふくめれば3%以上になるのは確実といわれています。

 このブログ「トヨタで生きる」(9月15日アップ)で、すでに明らかにしました。仮に物価上昇分を3%とすると、トヨタ労組の場合、14春闘のベース賃金は35万3530円(EX級、技能4等級、技能職)でしたから、この数字で試算すると、ベア要求は物価上昇分だけで1万606円になります。

 15春闘では、最低でも物価上昇分を確保しましょう。その上に生活向上分が必要です。賃上げ要求は、2%程度でいいのでしょうか。3%以上が必要ではないでしょうか。大いに議論しましょう。
トヨタ 15春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/10/14 14:42

◎トヨタ労連 2年連続ベア要求へ

 トヨタ労組などトヨタ関連の労組でつくる全トヨタ労連(約32万人)は9月12、13の両日、名古屋市内で定期大会を開き、15春闘では統一して賃上げ(ベア)を要求していくことにしました。

 新聞各紙が報道しています。賃上げ要求は、14春闘に次いで2年連続です。東正元会長が、ベアに当たる賃金改善分を要求する方向で検討することを明らかにしました。

 すでに上部団体の自動車総連もベア要求することを決めています。トヨタ労組は10月の大会で決める予定です。

 トヨタ労連は、トヨタ労組と同様に、10~13春闘の4年間、ベア要求をしませんでした。09春闘もベアゼロで終わったことから、14春闘でトヨタ労組がベアを獲得(2700円)したのは6年ぶりになりました。

トヨタ 技術労働者 出勤
(出勤するトヨタ労働者)

 15春闘でベアを要求するのは当然でしよう。4月の消費税増税で14春闘の賃上げ分が吹っ飛んでいるのが実態です。連合はこれまで、過年度物価上昇分を確保して実質賃金を維持するとしてきました。

 自動車総連の賃上げ要求について、ブログ「トヨタで生きる」にアップしました(9月7日)。そのなかで、今年度の物価上昇の見通しについて日銀は、生鮮食料品と消費税増税の影響を除いて1・3%としていること。それをふくめれば3%以上になるのは確実と指摘しました。

 仮に物価上昇分が3%とすると、トヨタ労組の場合、14春闘のベース賃金は35万3530円(EX級、技能4等級、技能職)でしたから、これを使って試算すると、ベア要求は物価上昇分だけで1万606円になります。

 14春闘のトヨタ労組の要求は、4000円。15春闘で1万円以上、5ケタの要求に連合内に躊躇する動きがありますが、生活を守るためにはきっちりと要求しましよう。トヨタは、2年連続で2兆円以上の利益をあげる見通しですから。
トヨタ 15春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/09/15 15:04

◎自動車総連 15春闘でベア要求へ

 トヨタ労組などでつくる自動車総連(76万人)は、9月4、5の両日、東京都内で定期大会を開きました。相原康伸会長(トヨタ労組)が大会あいさつや記者会見で、15春闘ではベア(賃上げ)要求していくとのべたことがメディアで報じられています。

 相原会長は、大会前の記者会見で、「(15春闘では自動車総連)全体として要求をかかげて取り組んでいく。ここは明確に申し上げてよい」とのべたと報道されています。

 また、08年春闘以来6年ぶりにベアを実現したことについて、「ベアのない春闘からベアのある春闘へ、春闘の風景を変えた。その情景を共有できた。春闘の基点になった」と指摘し、15春闘でのベア実現に意欲を示したと伝えられています。

 14春闘ではトヨタ労組が2700円、日立が2000円、新日鉄住金が14、15年度でそれぞれ1000円などと、金属労協(JCM)加盟の労組は6年ぶりにベアを実現しました。

 9月2日の金属労協大会で議長に選出されたばかりの相原会長は、それを意識しての発言とみられています。連合全体としても15春闘はベアを求める春闘になりそうです。

トヨタ労組の14春闘集会
(トヨタ労組の14春闘集会=14年3月4日。右はトヨタ本社)

 当然でしょう。4月からの消費税の8%への増税で、14春闘の賃上げ分は吹っ飛んでいるのが実態だからです。自動車総連など連合労組は、ベア要求の根拠の1つに物価上昇分をあげていますが、あくまでも「過年度」分です。14春闘では消費税増税分は折り込まれませんでした。

 今年度の物価上昇の見通しについて日銀は、生鮮食料品と消費税増税の影響を除いて1・3%としていますが、それをふくめれば3%以上になるのは確実です。

 仮に物価上昇分が3%とすると、トヨタ労組の場合、14春闘のベース賃金は35万3530円(EX級、技能4等級、技能職)でしたから、これを使って試算すると、ベア要求は物価上昇分だけで1万606円になります。

 これに生活向上分をふくめると5ケタの要求、1万円をはるかに上回るかつてない“高いベア要求”になることから、連合労組内には、躊躇し、自制する動きがあるといわれています。

 この10年間で、トヨタ労組が要求した最高額は09、14春闘の4000円です。相原会長は、「経済状況や非正規労働者の実態など、幅広く検討材料を出していきたい」(朝日新聞、9月5日付)とのべました。

 過年度物価上昇分を要求しなければ、私たちトヨタの組合員の賃金は維持できず、生活は守れません。5ケタになっても、ためらわず要求することが求められるでしょう。

トヨタ 15春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/09/07 10:31
 | HOME |