◎トヨタ下請けの怒り――14春闘を考える⑦

 トヨタ自動車が14春闘で、組合の賃上げ要求に回答した3月12日。日本経済新聞系の東京テレビは、トヨタ下請けをまわり、賃上げの取材をしていました。「小規模工場にも賃上げの動きは少しずつ出始めていました」と報告。そのなかで、匿名を条件にトヨタ孫請け会社の経営者は、こう語りました。

 「賃金が上げられるほど工賃が上がらない。外国に持っていけば安くできるが、この仕事を国内でやりたいなら、うちが見積もった3分の1くらいの価格で(やれと)。こういうことを言うとトヨタを怒らせるかもしれないが、自分のところでひとりもうけして、われわれには返ってこない」

トヨタ下請け 東京テレビ
(トヨタの孫会社の経営者に取材する東京テレビのキャスター=3月12日放送から)

 親会社のトヨタには、正面切っては言えない下請け経営者の怒りでした。これは1例で、「トヨタ総行動実行委員会」(愛知県労働組合総連合などがつくる実行委員会。1981年に始まり今年で35回目)の西三河地域中小企業アンケートでも、同様の怒りが噴出していました。

 「リーマンショック以来、たび重なる下請け単価値下げによって、社員の賃上げはとてもできない」

 「大企業には、毎年の定期価格改定(4、10月)は、直ちにやめてもらいたい。利益は中小企業にはださせないしくみとなっているのでは?」

 「大企業との給料の格差が広がるばかり。部品の単価、時間当たりレートのupをしてほしい」

 「消費税の問題よりも仕事の減少、単価の引き下げ要請が問題だ。一次、二次企業からの要求は年2回、3%以上の要求がある」

 「末端企業は単価を下げることに協力し、親企業は利益をあげた。自分たちだけ給与をあげて喜ばず、少しは潤いをわけて下さい」

 トヨタの下請けへの単価切り下げは、年2回あるというのは常識になっており、トヨタ1人だけがもうけていると怒っています。「休みもなく頑張っている。何度もやめたい、本当に毎日思っているのです」という悲痛な声が上がっています。

トヨタ総行動 20140211
(トヨタ総行動で、トヨタ本社前で訴える愛知県労働組合総連合の榑松佐一議長=2月11日)

 アンケートは、自動車部品製造や金属加工業を中心とした中小企業1046社に手渡したり、郵送したりして152社から回答を得ました。

 この1年間で単価切り下げの要請は、「あった」と答えたのが90件と過半数を数えました。

 「今後の見通し」では、「悪くなる」と答えたのは73事業所で、「良くなる」と答えたのは8事業所にすぎませんでした。

 安倍内閣は、アベノミクスで「大企業が利益をあげれば下請け、労働者にもまわってくる」という“トリクルダウン”を主張しています。実行委員会は、アンケートの結果からは、「まったく機能していない」と厳しく批判しています。

 その上で、大企業の利益・内部留保の中小企業への還元と政府など行政の中小企業支援策の拡充は欠かせないと主張。経済産業省や愛知県への要請とともに、5月下旬にはトヨタと関連企業への要請をおこなうとしています。
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2014春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/03/23 15:20

◎内部留保、最賃、雇用ルール――14春闘を考える⑥

 トヨタ自動車の14春闘で、特筆すべきは非正規雇用労働者である期間従業員の日給が200円アップしたことでした。月額4000円ほどになり、期間従業員からは喜びの声があがっています。

 パートやアルバイト、派遣労働、契約労働(期間労働)など日本の非正規労働者の割合は、いまや4割に迫ろうとしています。一時的、臨時的業務であり、正社員の代替にしない、という2大原則で労働者派遣法を自民党が成立させたのは1985年。当時、非正規労働者の割合は、16・4%でした。

 それから10年後の95年に日本経営者団体連盟(日経連、02年に経団連と合併)が「新時代の『日本的経営』」を発表。労働者を、(1)管理職、総合職、技能部門の基幹職など「長期蓄積能力活用型グループ」、(2)企画、営業、研究開発など「高度専門能力活用型グループ」、(3)一般職、技能、販売など「雇用柔軟型グループ」の3つのグループに分けるというものでした。

 要するに、人件費のコスト削減のために、幹部社員になる一部エリート、日常業務をこなす一般社員、補助的作業の非正規雇用労働者の3つに分類して雇用するというものでした。

 自民党は、経団連の方針を受け、労働の規制緩和を次々とすすめました。製造業への派遣の解禁など労働者派遣法の原則自由化は、その1つでした。非正規労働者は激増しました。青年の2人に1人が非正規という深刻な事態になりました。

 トヨタ自動車でも、非正規労働者は13年3月期決算で、連結で8万3190人(20・0%)、単独で9320人(12・5%)を占めています。

非正規推移
(厚労省のホームページから)

 半世紀以上の歴史を持つ日本の春闘で、非正規労働者の賃上げや正社員化が大きな課題になってきました。トヨタの14春闘では、非正規労働者の賃上げとともに、正社員の賃上げが6年ぶりに実現するなど、春闘の新たな出発点になりました。この春闘をどう発展させるのか?

 日本共産党は、14春闘にあたって、「こうやって賃上げ実現を」と3つのことを提起しました。(1) 大企業の内部留保の一部を活用する、(2)最低賃金を大幅に引き上げる、(3)雇用のルールを強化する、の3つです。

 トヨタ自動車の内部留保の大きな部分をしめる利益剰余金(2013年3月期)は、連結で12兆6892億円、単独では7兆1076億円です。労組の賃上げ、一時金、期間従業員の日給アップなどの要求は、満額回答しても300億円ほどで、単独の利益剰余金のわずか0・4%程度でした。内部留保を活用すれば1万円以上の賃上げは可能でした。

トヨタ労組 集会
(トヨタ労組の14春闘本社地区集会)

 愛知県の地域最賃は時給780円、産別最賃(輸送用機器器具製造業)で時給863円という低さです。中小零細企業に直接援助して、すくなくとも1000円に引き上げれば、トヨタ関連、下請け労働者の賃上げにつながり、トヨタ自動車との賃金格差も是正できます。

 安倍政権は、労働者派遣法の2大原則をくずし、“一生涯ハケン”になるような派遣法の改悪を閣議決定し、通常国会での成立をねらっています。トヨタでは、テクニカルセンターなどで技術派遣労働者がたくさん働いています。

 安倍内閣は、日本経団連や大企業に賃上げを要請する一方で、サービス残業を合法化することや解雇の自由など労働の規制緩和をいっそうすすめようとしています。雇用のルールを破壊すれば、日本は賃下げ社会になってしまいます。労働者派遣法を抜本的に改正することや均等待遇、ブラック企業を規制することなど、雇用ルールの強化こそ賃上げ社会にする道です。

 15春闘では、今年の春闘から学び、賃上げが当たり前になる日本をつくろうではありませんか。

2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/03/22 11:31

◎賃上げのある春闘へ――14春闘を考える⑤

 14春闘は、久しぶりに新聞、テレビなどのメディアで大きく取り上げられました。長年、春闘を取材してきた東京のベテラン労働記者に、14春闘の内実を聞きました。

 ――金属労協に加わる大手労組にいっせいに回答が出た3月12日の新聞、テレビの大きな扱いにはびっくりしました。

 記者 「トヨタ労組が5年ぶりに賃上げ要求したように、大手労組がこぞって賃上げ要求したからです。東京の金属労協の本部は、例年の1・5倍の記者が集まりました。昨年までの春闘は労組の賃上げ要求がなかった。一時金だけでは報道してもニュースにならなかったからです」

 ――賃上げ回答は、トヨタが4000円要求して2700円、日立など電機大手は4000円要求で2000円、新日鉄住金など基幹労連は、2年間でそれぞれ3500円要求して各1000円と、低額回答でしたね。

 記者 「その通りです。13年度の物価上昇は昨年12月時点で0・4%ですし、4月からは消費税増税が待っています。デフレ不況を脱する金額かといえば、そう言えないでしょうし、生活が下がるおそれがあります。しかし、6年ぶりに賃上げを獲得したことは評価できるでしょう」

 ――“追い出し部屋”などをつくって10数万人のリストラをしている電機連合の要求と史上最高の2兆4000億円の利益をあげるトヨタが同じ4000円の要求とは意外でした。

 記者 「連合の方針は1%以上というものでした。電機連合はインパクトがある要求にするには1・5%ぐらい、4000円の要求が必要だといっていました。いつもトヨタさんに引っ張ってもらうのはまずいと、今回は自主的に動いた。電機は、業績がばらついていましたが、単産として統一して要求、妥結する伝統がありますから2000円にこだわった。自動車総連は、軽自動車のスズキやダイハツが、軽自動車税が上がることを理由に800円に抑えられるなどばらばらの回答でした」

金属労協 ボード
(テレビカメラが回る金属労協の本部=3月12日)

 ――日産自動車は、満額の3500円を回答しましたね。

 記者 「そう見えますが、日産は定昇分をふくめると平均賃上げは9500円です。トヨタは、定昇分にあたる賃金制度維持分が7300円、賃上げ分が2700円で、合わせて1万円です。5ケタに乗せる、きりのいい数字にしたわけです。日産より実際には500円高くなっています」

 ――昨年10月から「政労使会議」が開かれ、安倍政権は財界や労組に賃上げを要請していました。新聞に「官製春闘」という見出しが踊ったように、効果があったのでしょうか?

 記者 「単産の委員長や会長は、強い調子で否定していました。賃上げは、あくまで“労使自治”で決めたと主張していました。しかし、ある委員長は『要請が効いたのは間違いない』と本音を漏らしていました。連合労組の自主性が問われるでしょう」

 ――来年の15春闘も賃上げはあるのでしょうか?

 記者 「消費税増税などで物価は上がるでしょうから、やらざるをえないでしょう。幹部は、共通して賃上げをやる方向です。自動車総連の相原康伸会長(トヨタ労組)は、『ここ数年は賃上げのない労使交渉だったが、賃上げのある労使交渉へのステージへ、確実に扉を開いた』と語っていた。賃上げ要求しない春闘から様変わりになる可能性があると思います」


2014春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/03/21 12:32

◎考え直したい“ガンバロー・コール”――14春闘を考える④

 トヨタ自動車の春闘を考える場合、トヨタ労組が行っている“かけ合い・コール” (ガンバロー・コール)の内容に、強い違和感をおぼえるという声があがっています。

 14春闘のヤマ場に向けて開かれた3月4日の本社地区ブロック大集会。豊田市の旧本社横の駐車場で約3000人(組合発表)が、賃上げ4000円、一時金6・8カ月(約244万円)の満額回答を求めて開きました。

 テレビカメラなどがまわり、メディアからも注目される集会です。本社支部の役員が次のような“かけ合い・コール”を行いました。

本社地区 ブロック集会
(本社地区でのブロック大集会=3月4日)

 「われわれ組合員は、会社の持続的成長のために、真の競争力強化に向け、1人ひとりが覚悟を持って取り組む決意がある。その覚悟を全員で共有するために、意思結集をはかりたい」

 「オッス!」
 「オッス!」(参加者)
 「14ゆめW 全組合員が一丸となり、満額獲得に向け、最後の最後まで団結してがんばろう!」

 「がんばろう!」(全員で3唱)

 組合員が意思統一し、満額獲得をめざす“かけ合い・コール”は、必要でしょう。しかし、その内容は、「会社の持続的成長のために、真の競争力強化に向け、1人ひとりが覚悟を持って取り組む決意がある」というのは、いかがなものでしょうか?

 これは本社地区だけではなく、工場での集会でも「真の競争力強化」などという、国際競争力論が入っているのが見受けられます。「真の競争力強化」とは、豊田章男社長ら会社幹部が使っている言葉です。

 豊田社長は労使協議会で、「永続的な負担となる大幅な賃金の引き上げが、万が一にも、日本のトヨタのモノづくり競争力の低下を招くようなことがあってはならない」と、国際競争力を持ち出し、組合の賃上げ要求を抑えようとしたのではないでしょうか。

 組合が満額獲得といっても、同じ言葉では迫力ないでしょう。私たち組合員の生活を守り、向上させるのが賃上げのはずです。会社と同じような言葉を、“かけ合い・コール”で使う必要があるのでしょうか? 15春闘に向け、再考したいものです。

               ◇

 この記事は、3月19日アップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。

2014春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/03/18 18:55

◎初めての非正規春闘――14春闘を考える③

 14春闘のさなか、トヨタ自動車のある職場では、組合役員とシニア期間従業員との話し合いが開かれました。期間従業員として2年目になると、シニア期間従業員としてトヨタ労組の組合員になるからです。

 「組合員になるメリットはなんですか? 福利厚生施設を社員なみに使わせてほしい」

 「食堂のメニュー料金が高い。コンビニ弁当を買ってくることもある。社員並みに、食堂で使えるウエルチョイス(福利厚生制度で、社員は年間8万円)のポイントがほしい」

 「年休が6カ月以上働かないとない。体調が悪くても休まず出勤している。せめて2カ月以上からは年休がほしい」

 シニア期間従業員から、切実な要求がだされました。

期間従業員 バス
(期間従業員らが出退勤時に乗っているトヨタのバス)

 トヨタの14春闘では、労組が画期的な要求を会社に出しました。期間従業員の日給の200円アップの要求です。初めての日給アップの要求でした。

 期間従業員の日給は、9000~9800円(トヨタでの経験回数によって異なる)、18~24カ月満了者は1万円、30~35カ月満了者は1万300円です。

 長い間、この日給に据え置かれていました。200円アップの要求は、月にすると約4000円になります。正社員並みの賃上げ要求でした。これに対し、会社側は満額回答しました。しかも、組合員でない期間従業員も200円アップすると回答したのです。

 トヨタの非正規雇用労働者に対する賃上げは、他の産業・企業に波及する画期的なものです。

 労使協議会では、賃上げのほかにも期間従業員のキャリア形成についても会社と議論されました。組合は、「正社員登用」や「社外での正社員化につながる能力開発支援」について、今後も着実に継続していくよう求めました。

 会社側は、「毎年、一定数の登用を実施。今後も、本人がトヨタに残りたい、職場もともに働きたい、と強く希望される方をしっかり採用していきたい」と回答しました。

 実際の正社員登用は、狭き門というのが実態です。トヨタは、登用数を明らかにしていた時期もありましたが、現在はまったく不明です。職場では、上司が懸命にバックアップしても登用されないケースがあります。

 トヨタでは、2008年のリーマン・ショックで6000人以上の期間従業員を雇い止めしました。4月からの消費税増税にともなう駆け込み需要で、トヨタは、期間従業員の募集を続けています。昨年11月末で、期間従業員は4100人を数えます。

 豊田章男社長は、社長に就任する前に、こう語ったことがあります。
「同じ生産ラインで汗を流したり、机を並べて議論した仲間は、家族のようなものと思っている」

日給のアップとともに、家族同様の期間従業員を正社員にもっともっと登用してほしいものです。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/03/17 16:17

◎“奥田ショック”のトラウマ――14春闘を考える②

 トヨタの春闘を語る時、奥田碩元会長が「いつまで100円玉の争いをしているのだ」と労使を“一喝”し、ベアゼロにした2002年春闘が、今でも語り継がれています。

 “トヨタショック”“奥田ショック”ともいわれました。奥田会長は春闘後の02年5月、新しく発足した日本経団連会長に就任。財界会長として春闘終結に追い込もうとしました。トヨタ労組だけでなく、電機連合など他の労組も04年から3年間、賃上げ要求をしない“春闘冬の時代”が続きました。

 さらに、09年春闘では、トヨタ労組は4000円の賃上げを掲げながら、リーマン・ショックを口実にベアゼロに抑えられました。この後の4年間、トヨタ労組は賃上げ要求をしませんでした。

 02年からの13年間、トヨタの賃上げは、今春闘と合わせ4回、合計5700円しかありません。残る2回はベアゼロ、7回は労組が要求しませんでした。

利益と賃上げ表
(注、14春闘の回答、2700円は書き込んでありません)

 一方、トヨタの内部留保の大きな部分をしめる利益剰余金は、連結で6兆5279億円(02年3月期決算)から12兆6892億円(13年3月期決算)とほぼ2倍になりました。

 賃上げしない分は、内部留保は積み上がっていったのです。今春闘の第3回労使協で、組合側はこう主張しました。

 「今年は長く続いたデフレから脱却し、日本経済を好循環に導く千載一遇のチャンス」と春闘の意義を強調した後、こう指摘しました。

 「社会的に注目を浴びた2002年の交渉は『ベアゼロ』という極めて厳しい交渉に終わったが、競争力への影響や労働の質の反映といった視点から賃金引上げを考える大切さを学んだ。その意味において、トヨタ労使にとっては正しい判断だったと今でも信じている」

 トヨタが世界販売でGMを追い抜いたのは08年でした。賃上げが競争力に影響を与えたでしょうか? ノーでしょう。さらに組合側は、この主張の後に、こうのべました。

 「一方、当時組合が主張した『合成の誤謬』、すなわち1人ひとり、あるいは個々の企業が合理的な行動を取るが故に、全体が望ましく方向に向かうという懸念が今も残っている」

 その通りでしょう。トヨタは、自社の競争力のために賃上げを抑えたものの、他の企業もリーデング企業のトヨタに足並みをそろえたために、日本全体の賃上げは抑えられました。

 その結果は、内需が縮まり、日本経済は非正規雇用労働者の増大と合わせ深刻なデフレ不況に陥ったのです。自動車の国内販売も減る一方でした。今春闘で、6年ぶりに賃上げが実現しました。内需拡大に向けた第1歩、ベアのある春闘に引き戻す春闘になったといえるでしょう。


 ◇

 この記事は、3月15日アップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/03/14 09:26

◎5年ぶりの要求、6年ぶりの賃上げ――14春闘を考える①

 トヨタ自動車の14春闘は、トヨタ労組が5年ぶりに賃上げ要求を掲げ、6年ぶりに有額回答を引き出す(3月12日)など、久しぶりに職場も活気づき、春闘らしい春闘となりました。

   労組の主な要求             会社の回答
   賃上げ 4000円           2700円
   一時金 年6・8カ月(約244万円)  満額回答
   シニア期間従業員の日給200円アップ  満額回答
   (組合員でない一般の期間従業員も200円アップ)

 賃上げは満額に届きませんでした。新退職金制度へ2750円移行させることが労使合意で決まっているために、実質的な賃上げはなかったことになり、問題は残しました。しかし、ベアゼロが続いたなかでのベアの回復は、評価できるでしょう。

トヨタ本社地区 頑張ろう (3)
(ガンバローコールをするトヨタ本社地区の組合員=3月4日)

 会社と労組との3回にわたる労使協議会で、賃上げを抑えるために豊田章男社長をはじめ会社幹部がくり返したのは「万が一」論でした。

 「永続的な負担となる大幅な賃金の引き上げが、万が一にも、日本のトヨタのモノづくり競争力の低下を招くようなことがあってはならない」(豊田章男社長)

 トヨタは、かんばん方式(トヨタ生産方式)によるコストダウンで競争力をつけ、世界の自動車メーカーで世界1になっても、手綱をゆるめることはありませんでした。豊田社長は、あらたに“真の競争力”論を持ち出しました。どんな想定外のリスクに直面しても、安定した成長を続けられる状態=「持続的成長」のために、“真の競争力”をつけねばならないと主張しました。

 “真の競争力”とは、原価低減であり、人材育成力、品質、柔軟な稼働・要因対応…などトヨタ生産方式のすべてを出しつくすという意味です。賃上げが、“真の競争力”の「万が一にも」低下を招くことがあってはならないとくり返しのべたのです。

 しかし、こんな「万が一」論は、通用するでしょうか。トヨタのこの3月期決算は、連結でこれまで最高だった08年度の2兆2703億円を上回る、過去最高の2兆4000億円の営業利益をあげる見通しです。単独決算の営業利益見通しも、1兆8800億円です。

 内部留保も、その大きな部分を占める利益剰余金は13年3月期決算の連結で12兆6892億円、単独で7兆1076億円にもなります。利益、内部留保日本1で、4000円を賃上げしても30億円余りです。「万が一」論が通用するはずはないでしょう。

 トヨタ労組の「評議会ニュース」によると、豊田社長は回答にあたって、組合員はリーマン・ショック以降、生産性の向上などに努力し頑張ってくれたことに応えたい、経済の好循環に向け個人消費を活性化することが大変重要であり、その一翼を、になっていく必要があるなどとのべました。

 当然でしょう。

2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/03/14 09:17

◎トヨタ14春闘 残念な会社回答

 トヨタ自動車の14春闘の回答について意見が寄せられましたので紹介します。

………
3月12日、大手企業の春闘集中回答日でした。今年は例年とは少し様子が違い、春闘の様子がメディアでも盛んに取り上げられました。さらに、政府が賃上げを経営側に要請したことも世間で騒がれる要因になったのではないでしょうか。

甘利明経済財政政策担当大臣が昨日(11日)の閣議後の記者会見で、賃上げについて「政府は、法人税の減税を前倒しして企業に原資を渡している。利益があがっているのに何もしないのであれば、経済の好循環に非協力ということで、経済産業省から何らかの対応がある」と、大手企業の集中回答日前に異例の発言を行いました。

そして、翌12日、トヨタ自動車も来年度の賃金・一時金で労使間で妥結しました。結果は、ご存知の通り、
・賃金制度改善分(ベア相当分)が2700円(要求額4000円)
・賃金制度維持分(定昇相当分)が7300円(要求通り)
・一時金(ボーナス)が6.8か月(要求通り)
となりました。

jc回答2
(金属労協本部、トヨタの賃上げを書き込む=12日)

組合がベア4000円の要求を示したのは、来年度から始まる新退職金制度の積立金が月額2750円であることを踏まえてのことでした。退職金積立金は将来的には自分に返ってきますが、4月からの消費税増や予想される物価上昇を前にして、手取り収入が前年より目減りすることを避けるための要求額でした。

妥結額は前述の通り、定昇とボーナスは満額で、新退職金制度積立金を勘案すると、実質ベアはマイナス50円となります。

トヨタ自動車の宮崎直樹専務役員は、組合への回答後の記者会見で「日本経済の好循環に向けた個人消費の活性化も考慮した」と発言しましが、以前組合が行った調査では、一時金の使い道の多くは貯蓄でした。そういった意味では今回のベア2700円は消費活性に繋がらないでしょう。

会社側は「国内生産300万台体制を守り、長期的な雇用と労働条件の維持・向上を確かなものとする持続的成長の実現」に向けた判断としてこのような回答を行ったとしていますが、トヨタの従業員が一番のトヨタの顧客でもあります。その従業員の購買意欲の持続的成長はベア満額回答だったのではないかと思い、残念です。

また、今春闘は政府主導などとメディアで騒がれていますが、トヨタ自動車においては非正規(期間従業員)の賃上げ要求を組合が行い、要求通り会社と妥結したことも特筆すべことだと思います。

基幹職へのステップ、“御用組合”と揶揄されていたトヨタ労組が、しっかりとした要求で、組合員の思いや世情を反映したことは評価されるものと思います。
2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/03/13 09:44

◎賃上げ、2700円 トヨタの14春闘回答

 トヨタ自動車の14春闘は3月12日、会社が回答を示しました。賃上げは、2700円で、トヨタ労組が要求していた4000円には届きませんでした。定昇の7300円を加えると1万円になります。賃上げは、実に6年ぶりです。

 また、一時金は組合の要求、年間6・8カ月(約244万円)通り、満額で回答しました。これまでの最高は、08年の253万円でした。

 トヨタの労使は、賃上げのなかから4月からの新退職金制度へ2750円を移行させることで合意しています。賃上げが2700円に終わったことから、定昇分にまで食い込むことになります。また、今回の金額では、実質的な賃上げはないことになります。

jc回答
(金属労協の本部のボードに書かれたトヨタの賃上げ、定昇込みで1万円)

 トヨタのこの3月期決算では、連結でこれまで最高だった08年度の2兆2703億円を上回る過去最高の2兆4000億円の営業利益をあげる見通しです。単独決算の営業利益見通しも、1兆8800億円です。

 内部留保も、その大きな部分を占める利益剰余金は13年3月期決算の連結で12兆6892億円、単独で7兆1076億円にもなります。賃上げで満額回答しても30億円程度です。

 トヨタの豊田章男社長は、「永続的な負担となる大幅な賃金の引き上げが、万が一にも、日本のトヨタのモノづくり競争力の低下を招くようなことがあってはならない」などとのべ、組合員の満額獲得の願いをしりぞけました。

 他の自動車各社では、日産自動車が組合の賃上げ要求通り、3500円の満額回答を示しました。ホンダは2200円、三菱自工は2000円でした。

 電機では、日立製作所や東芝、三菱電機などが、組合の4000円の賃上げ要求に対し、2000円を回答しました。

 新日鉄住金や三菱重工などでつくる基幹労連は、組合の賃上げ要求、2年間で7000円に対し、2000円の回答を示しました。

2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/03/12 17:32

◎14春闘 電機連合は2000円?

 14春闘は、3月12日(水)のトヨタ自動車など大手への回答まであと3日に迫りました。自動車総連とならぶ電機連合は、単産として4000円の賃上げを要求していますが、半分の2000円程度といわれています。

 電機トップの日立製作所は、14年3月期決算(連結)で、過去最高の5100億円の営業利益の見通しです。最高益といっても、トヨタの5分の1ほどです。プラズマテレビの生産中止を発表するなどリストラをすすめているパナソニックも、13年4~12月期の決算で、過去最高の利益になりました。しかし、大手でも利益はばらついています。

 電機連合の有野正治委員長は8日、「満額にこだわっていては交渉はすすまない」とのべ、2000円程度をめざすとしています。

 電機連合の賃上げは、07年が2000円の要求で500円、08年が2000円の要求で1000円、09年は4500円の要求でゼロに終わりました。10~13年は要求しませんでした。この春闘パターンは、トヨタ労組とほとんど同じです。

堤2 頑張ろう
(ガンバローをくり返す組合員ら=右手奥。7日、堤工場の門前)

 トヨタ労組の上部団体、自動車総連は8日、最終盤の労使交渉にのぞむにあたって、賃上げについては、「自らが掲げた要求に沿った回答にこだわり、最大限押し込む」との確認事項を明らかにしました。

 「最大限押し込む」とは? 満額獲得ではない? 電機も自動車も、最近獲得した金額を上回ればいいのでしょうか。トヨタの場合、4000円の賃上げ要求のうち、2750円は新退職金制度へ移行になります。

 満額獲得しても残るのは1250円にしかなりません。06~09年に獲得した1000円よりも250円アップするだけです。4月からの消費税増税や物価上昇で生活は大変になります。

 6年ぶりの賃上げのチャンス。4000円の満額獲得は、今でしょう!
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(1) | 2014/03/09 10:19

◎「万が一」なんてありますか? 第3回労使協

 トヨタ自動車の14春闘は、いよいよ大詰めです。3月7日(金)、このところのポカポカ陽気から、真冬に戻ったような日。トヨタの職場では、いっせいにトヨタ労組のガンバロー・コールが行われました。

 午後3時ころ。雪がちらつく堤工場では、2直で出勤する労働者が次々工場に入っていきます。その入り口で、職場委員らが通路の両側に分かれて、ガンバロー・コールをくり返しました。

頑張ろう 堤
(ガンバロー・コールをする組合員=3月7日、堤工場)

 これに先立つ3月5日には、第3回労使協議会が開かれました。今回も、会社側は「万が一にも競争力低下を…」をくり返し、労組の要求に応えない姿勢です。

 トヨタ労組の「評議会ニュース」によると、豊田章男社長は「永続的な負担となる大幅な賃金の引き上げが、万が一にも、日本のトヨタのモノづくり競争力の低下を招くようなことがあってはならず、誤りのない判断をしていきたい」とのべました。

 他の役員も、「そのままお応えすることは、大変難しいと言わざるを得ない」とかたくなな態度を変えようとしませんでした。

 組合員からも、かたくなにくり返しましょう。トヨタは、この3月期決算では、単独営業利益で1兆2200億円の見通しです。単独の内部留保(利益剰余金)は、7兆1076億円もあります。4000円の賃上げでこうなります。

 4000円×12カ月×6万3000人組合員=30億2400万円

 たったの30億円です。トヨタがこんな金額で競争力を失うのでしょうか? 日産自動車は、組合の要求の3500円に満額回答すると伝えられています。日産は、競争力を失うのでしょうか? ホンダは? ありえないでしょう。

 満額の4000円が回答されても、今年4月からの新退職金制度へ2750円が移行されますから、残るのは1250円です。満額回答でも、今年の実質的なベア分は1250円しか残りません。

 4000円のベアは、絶対必要なものであり、譲ることはできないでしょう。組合側は、リーマン・ショック以来の組合員の努力・頑張りに応えるべきだ、と会社に迫りました。

 また、デフレから脱却し、日本経済を好循環に導く絶好のチャンスだと主張しました。春闘の大義は働く者の側にあります。今年は、6年ぶりの賃上げのチャンスです。3月12日(水)の回答日に向け、「満額回答を!」の声をあげようではありませんか。
2014春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/03/07 17:42

◎マスコミ回答 2000~4000円?

 14春闘は3月12日に、トヨタ自動車など大手企業がいっせいに回答を示します。それを前に、新聞などが“マスコミ回答”しています。

 もっとも注目されているのが2兆円利益のトップ企業、トヨタです。トヨタ労組は、4000円の賃上げと年間6・8カ月(約244万円)の一時金を要求しています。

 日経新聞は、3月6日付1面トップで、「トヨタ ベア2000円台提示」と伝えています。

 「労使ではリーマン・ショック前の好業績時に出した1000円のベアをたたき台にいくらの積み上げが可能かを議論している。組合が求める4000円には届かないものの、直近の実績の倍以上となるベアや、一時金を満額回答する…」

 一方、中日新聞は、「トヨタ、ベア3000円以上」の見出しで、労使はその「攻防に入った」と報道。朝日新聞は、「トヨタ・日産 ベア満額方針」などの見出しで、日産が組合の賃上げ要求3500円に、満額回答する方針としています。トヨタも、「満額で応じる見通し」と観測しています。

14年まで(40) トヨタの営業利益と賃上げの推移


 このように各紙はバラバラです。表を見て下さい。2002年は、当時の奥田碩会長が「いつまで100円玉の争いをしている!」と労使を一喝し、べアゼロに抑えました。

 それから昨年までの12回の春闘で、労組が賃上げ要求したのは5回にすぎません。このうち、満額獲得したのは、06年春闘で1000円を要求した時の1回だけです。

 残る4回は、ベアゼロ(02年、09年)に抑えられるか、1500円要求して1000円に引き下げられた07年と08年の2回の春闘があります。賃上げの満額獲得は、これほど厳しいのが実態です。

 トヨタは、この3月期決算では、単独営業利益で1兆2200億円の見通しです。単独の内部留保(利益剰余金)は、7兆1076億円もあります。4000円の賃上げで――
 4000円×12カ月×6万3000人組合員=30億2400万円

 会社は、満額回答すれば、「万が一にも競争力を失うような事態」になるかのように主張しています。たったの30億円余です。トヨタは、びくともしません。職場から、「満額回答せよ」の声をあげましょう。
2014春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/03/06 13:37

◎14春闘 トヨタ労組が集会

 トヨタ自動車の14春闘で、トヨタ労組は3月4日、豊田市の旧本社横の駐車場で約3000人(組合発表)が、賃上げ4000円、一時金6・8カ月(約244万円)を求めて集会を開きました。

 集会は、第3回労使協議会(5日)を前に開いたもので、この時期の恒例の日程です。昼休みの約20分間、本社支部の組合員らが集まりました。

 本社支部委員長の交渉状況の報告の後、労組の鶴岡光行委員長が決意表明。2回の労使協では、会社と大きなへだたりがあり平行線とのべました。特に賃金に関して会社は、競争力の低下を招いて、雇用をおびやかしてはいけないと主張していると指摘しました。

 さらに鶴岡委員長は、労組はリーマン・ショック以降、労働の質的向上、原価低減、生産性の向上に取り組んできたとのべました。今年の春闘は、デフレからの脱却、日本経済の好循環に向けたものになるとのべました。

 これは社会からの要請でもあり、今年はこれに取り組むべく特別な年だと主張しました。その上で、賃金は要求通り、一時金は満額獲得であり、それ以外にはない、と強調しました。

トヨタ労組集会 20140304


 この後、職場委員長が登壇。「ガンバローコール」を行いました。
 「われわれ組合員は、会社の持続的成長のため、真の競争力強化に向け、1人ひとりが覚悟を持って取り組む決意がある。その覚悟を全員で共有するため、意思結集をはかりたい」
 
 「オス」
「オス」(参加者)
 「構えて~満額獲得のために最後の最後までガンバロー」
 「ガンバロー」(参加者)
 
 集会には、テレビカメラがずらりと並びました。2兆円利益のトップ企業、トヨタの春闘が、日本の賃上げに決定的な影響を与えることを示していました。日経新聞(5日付)は、「労組の大集会では鶴岡委員長が一時金について『満額、それ以外にない』と交渉に向けた決意を表明していた」と伝えています。

 集会後、鶴岡委員長は、「明日(第3回労使協)は、組合員の努力、頑張りを主張する予定。会社が要求に応えることが、組合員の意欲、活力、持続的成長に向けての力になる。(ストライキなど)争いからは何も生まれない。あくまでも話し合いで、納得、解決していくことが、トヨタが築いてきた労使関係」などと語りました。

 
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/03/05 10:52

◎14春闘終盤 かけあいコール

 トヨタ自動車の14春闘は、3月5日(水)に第3回労使協議会が開かれる。その次の第4回目の12日(水)は回答日だから、5日が事実上、最後の交渉だ。要求、賃上げ4000円、一時金年244万円。どんな交渉になるのか?

 各職場では、昼休みに職場会が開かれ、情勢報告とかけあいコールが行われている。職場委員が、大きな声で発声する。
「オッス、オッス、オッス、構えて~!」
「賃金・一時金・働き方にこめた、我々の思い・決意を徹底的に主張し、トヨタの競争力向上とさらなる発展に向け~、ガンバロー!、ガンバロー!」

 組合員は、唱和する。
 「ガンバロー!、ガンバロー!」

 なんか、イベントでのパフォーマンスみたいだ。

トヨタ春闘 終盤
(トヨタの14春闘は終盤。後ろは、トヨタ本社)

 期間従業員たちもいう。「シニア組合員の日給200アップの要求は、うれしいです」「上げてもらえるのは、もちろんウレシイよ」。日給200円は、月にすると4000円ほどになる。正社員なみの賃上げになる。

 ある期間従業員は、「だけど」という。「正社員になれなければね。安定した生活を勝ち取るのが目標だよ」という。その通りだ。4月からの消費税増税前の駆け込み需要で、期間従業員を大募集した。4月以降、どうなるのか? 「オレたち、他へ応援や転籍されるのかな?」。

 別の期間従業員はこういう。「組合は、『キビシイ、労使のへだたりは大きい、マスコミ報道は信用するな…』。いつものパターンだね。ハチマキして、オー、オーさけんで強そうだけれど、会社のいいなりだよ」。よく見ているね。

 でも5年ぶりの賃上げ要求だ。賃上げ4000円は絶対にとってほしいよ。日給200円アップも。

                  ◇

 この記事は、3月4日アップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。

2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/03/03 21:20

◎「万が一、万が一」をくり返す 春闘第2回労使協

 トヨタ自動車の14春闘の第2回労使協議会が2月26日(水)、開かれました。会社側は、賃上げについて、「万が一」「万が一」をくり返すかたくなな態度に終始しました。

 労組の評議会ニュースによると、「万が一にも競争力を失うような事態に至れば、日本を含めた世界中のトヨタは、その支えを失ってしまう」(小平信因副社長)、「賃金の大幅な引き上げが、当社の競争力低下を招き、国内生産300万台体制と雇用を揺るがすようなことが、万が一にも、あってはならない」(上田達郎常務役員)などとのべました。

 労組の要求する賃上げ4000円、一時金年244万円は、満額回答しても単独営業利益見込み1兆8800億円(14年3月期)のわずか1・6%程度です。「万が一」は、ありえないでしょう。

 会社側はさらに、「1ドル80円でもコスト競争力が確保できるモノづくり(pi80活動)に加え、『固定費のスリム化』もあわせ、活動を進めなければならない」「柔軟な生産対応とともに、原価低減へのご協力を、引き続き、よろしくお願いする」などとトヨタ生産方式(かんばん方式)への協力を求めました。

 組合は、4月からの消費税増税による駆け込み需要に合わせた生産増に対し、「1月~3月の間、合計10回もの土曜稼働を実施」するなど、「柔軟な生産対応」をしているとのべました。

トヨタ労働者 14春闘
(トヨタ労働者)

 また組合は、非正規雇用の期間従業員の日給200円アップを要求していますが、キャリア形成についても会社と議論。「正社員登用」や「社外での正社員化につながる能力開発支援」について、今後も着実に継続していくよう求めました。

 会社側は、「毎年、一定数の登用を実施。今後も、本人がトヨタに残りたい、職場もともに働きたい、と強く希望される方をしっかり採用していきたい」と回答しました。

 正社員登用を望んでいる期間従業員はたくさんいます。実際には、登用は狭き門になっています。毎年の登用計画数や登用数を明らかにするとともに、言葉通り「しっかり採用」することを強く求めたいと思います。

 次回の第3回労使協議会は、3月5日(水)に開かれます。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/02/28 10:08

◎トヨタ 賃上げ余力は?

 経済雑誌『日経ビジネス』(2月24日号)が、14春闘の特集を組んでいます。主要企業500社の賃上げ余力格付けです。利益トップのトヨタ自動車は、なぜか「AA」です。

 格付けは、1人当たり人件費や労働分配率、経常利益など10項目で行っています。最高の格付けのAAAには、KDDやソフトバンク、NTTドコモなどスマートフォーンで大きな利益をあげている通信会社が並んでいます。

 労働分配率は、6%(ソフトバンク)、8%(NTTドコモ)などと、急激な利益増を労働者に配分していないからです。

 円安などで利益を増大している自動車産業では、米国で売り上げを急増している自動車の富士重工がAAAです。労働分配率は49%で、トヨタの65%に比べ余力があるからです。

日経ビジネス


 トヨタは、今期の経常利益見込みが500社トップの2兆5300億円。1人当たり人件費は1119万円で、ソフトバンク(1093万円)、NTTドコモ(1236万円)と同じ水準です。

 ところが格付けは、2番目に当たるAA。日経ビジネスは、ホンダや日立製作所など日本を代表するメーカーのいくつかがAAになった理由を、こう説明しています。

 「大きな収益を上げている海外事業が含まれず、単独決算ベースに算出した労働分配率が高いこともAAAに達しない要因となった」

 つまり、トヨタなどもAAAと同じということです。特集では、「『もっと要求しても…』 トヨタ社員の高揚と戸惑い」との記事を合わせて掲載しています。

 このなかで堤工場の50代の労働者の話をのせています。トヨタ労組が、5年ぶりに賃上げ4000円を要求したことについて、電機メーカーに勤める友人はこう語ったといいます。

 「トヨタがもっと賃上げ要求してくれないと、我々が要求しづらい」

 500社を格付けした日経ビジネスの結論は? 「半数近くは十二分に賃上げが可能という結果が出た。賃上げの流れはもっと広げられる。決断の時がやってきた」

 豊田章男社長! 満額回答の、“決断の時”です。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/02/27 13:05

◎こうやって賃上げ実現を

 14春闘は、本番です。トヨタ自動車では、明日2月26日に第2回労使協議会が開かれます。日本共産党は、こうやって賃上げを実現しましよう、と工場門前や駅頭などでビラを配布して訴えています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、1月29日の衆院代表質問で、「経済好循環」の実現のカギとなる賃上げについて、3つの具体的政策を提起し、安倍首相に実行を求めました。ビラは、それをまとめたものです。

10 賃上げ政策 201402 その1


(1) 大企業の内部留保の一部を活用することです。日本経団連などに正面から提起することを求めています。

 トヨタ自動車の内部留保の大きな部分をしめる利益剰余金(2013年3月期)は、連結で12兆6892億円、単独では7兆1076億円です。ダントツの日本1です。

 トヨタ労組の要求は、賃上げ4000円、一時金年244万円、期間従業員の日給200円アップなどです。6万3000人組合員に、満額回答しても300億円程度です。これは、単独の利益剰余金のわずか0・4%程度です。

 リーデングカンパニーのトヨタが率先して満額回答して、日本の賃金を押し上げるべきでしょう。

(2) 最低賃金を大幅に引き上げることです。そのためには、中小企業へ直接支援をすることです。最賃の引き上げのために、アメリカでは5年間で8800億円、フランスでは3年間で2兆2800億円の税金を支出しています。日本は3年間で99億円にすぎません。

 トヨタの連結の労働者数は33万人を超えています。また、派遣労働者や期間従業員などの非正規雇用労働者は、8万3190人(13年3月期)にのぼります。さらにぼう大な下請け労働者がいます。

 愛知県の地域最賃は時給780円、産別最賃(輸送用機器器具製造業)で時給863円という低さです。時給1000円になるよう中小企業に直接支援することが必要です。

20 賃上げ政策 201402 その2
(カクサン部の雇用のヨーコ)

(3) 雇用のルールを強化することです。労働者派遣法を抜本的に改正することや均等待遇、ブラック企業を規制することです。

 トヨタでは、テクニカルセンターなどで技術派遣労働者がたくさん働いています。安倍政権は、“一生涯ハケン”になるような派遣法の改悪をすすめています。正社員よりも低い賃金で働く派遣労働者を増やせば、ますます賃金は下がる一方です。正社員があたりまえの社会になるよう、派遣法を抜本的に改正すべきです。
2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/02/25 10:54

◎賃上げなどのコスト増 利益の1・6%程度

 トヨタ自動車の14春闘で、会社側は「万が一にも当社の競争力の低下につながることがあってはならない」(2月19日の第1回労使協議会で小平信因副社長)とのべ、組合の賃上げ、一時金、期間従業員の日給アップの要求に「到底困難」とのべています。

 トヨタ労組の要求は、賃上げ4000円、一時金6・8カ月(約244万円)、期間従業員の日給200円アップなどです。

堤労働者
(出勤するトヨタ堤工場の労働者)

 おおざっぱに会社のコスト増を計算してみます。

 賃上げについては、過去4年間、組合は要求しませんでしたから、会社の新たな負担増は、4000円×12カ月×6万3000人(組合員数)で、30億2400万円です。

 日本経団連は、賃上げをすると退職金や諸手当、福利費など総額人件費は、増えるといいます。所定内賃金を100とすると総額人件費は165になるといいます(2014年版の経営労働政策委員会報告)。仮に、これを当てはめて計算すると、30億2400万円×1・6倍で約48億円増です。

 一時金は、前年の回答が205万円でしたから、新たな負担増は39万円です。これに組合員6万3000人を掛けると245.7億円です。

 48億円+245.7億円=293.7億円です。これは、トヨタの2014年3月期の単独営業利益見込み1兆8800億円のわずか1・6%程度です。

 トヨタは、株主には中間配当として1株65円、総額2059億円を配当しました。これは前期の1株30円の倍以上という大盤振る舞いです。

 組合の要求は、控えめなほどでしよう。内部留保の大きな部分を占めるトヨタの単独の利益剰余金は、7兆1076億円(2013年3月期)もあります。満額回答しても、国際競争力の「低下につながる」ようなことは、「万が一にも」ないでしょう。
2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/02/23 10:55

◎「到底困難」と会社 トヨタの14春闘第1回労使協

 トヨタ自動車での14春闘の第1回労使協議会が2月19日(水)に開かれました。会社側は、労組の要求に「到底困難」と厳しい姿勢を示しました。トヨタ労組は、賃上げ4000円、一時金6・8カ月(約244万円)、期間従業員の日給200円アップなどを要求しています。

 トヨタ労組の「評議会ニュース」によると、第1回労使協には恒例によって豊田章男社長が出席。「優れたモノをつくるには、まず優れた人をつくらねばならない」とトヨタの基本的考えをのべました。

 その上で、「『国内生産300万台』を守り続け、『人の力』を引き出す『長期安定的な雇用』と『労働条件の維持・向上』を確かなものとする『持続的成長』を、なんとしても実現していかなければならない」などと総論をのべました。

トヨタ テクニカルセンター
(出勤するトヨタの労働者=本社テクニカルセンター)

 小平信因副社長は、賃上げ要求について「近年例を見ない、極めて高い水準」「万が一にも当社の競争力の低下につながることがあってはならない」などと世界1の国際競争力で世界1の自動車メーカーになったトヨタの国際競争力を持ちだしました。

 そして、「会社としてそのまま応えることは、到底困難」と要求に応えない姿勢を明らかにしました。一時金についても、「他社の要求が、軒並み6カ月以下である中、突出して高い」と要求そのものに否定的な考えを示しました。

 日本の産業のなかでは、トヨタの2兆2400億円という突出した利益見通し(14年3月期の連結決算)のように、自動車産業がもっとも利益をあげています。また、内部留保も14兆円とトヨタはダントツの1位です。

 トヨタ労組が要求を満額勝ち取るかどうかは、他の労組、中小零細企業労組へ大きく影響します。第2回労使協(2月26日)に向け、職場から満額獲得の声をあげていきましょう。


2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/02/21 09:40

◎日経がトヨタの内部留保を指摘

 トヨタ自動車など大企業での14春闘の交渉が始まりました。日経新聞が2月19日付で、トヨタなどの内部留保にふれ、「各労組は内部留保が積み上がっている点などから満額回答を訴えていく方針だ」と伝えています。

 このブログ「トヨタで生きる」では、トヨタの内部留保の大きな部分を占める利益剰余金が13年3月期決算で、前年より7721億円増えて、12兆6892億円になっていると指摘(2013年5月9日アップ)してきました。

 日経新聞は、こう書いています。
 「トヨタの場合、『利益剰余金』は13年3月末で12兆6892億円と、その前の年に比べ7722億円増えた。トヨタ労組が要求する月4000円の賃金改善に応じた場合、年間30億円程度。単独営業利益が1兆2200億円(見通し)のトヨタなら支払い余力は十分にある」

日経 利益剰余金
(日経新聞、2月19日付から)

 4000円の満額回答した場合―
 4000円×12カ月×6万3000人組合員=30億2400万円

 この試算も「トヨタで生きる」の2月9日付でアップしています。
 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-1313.html

 日経新聞の指摘のように、“内部留保たっぷり”、“利益突出”のトヨタです。トヨタ労組が要求した賃上げ、一時金(年間6・8カ月、約244万円)、期間従業員の日給アップ(200円)については、「支払い余力は十分にある」のです。

 満額獲得以外にないでしょう。満額獲得は、他の企業、中小零細企業にも大きな波及効果をあたえるでしょう。満額獲得へゴー、です。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/02/20 09:22

◎14春闘 19日に第1回労使協

 トヨタ自動車の14春闘は、2月19日(水)に第1回労使協議会が開かれ、いよいよ労使交渉が始まります。毎週水曜日にあたる2月26日に第2回、3月5日に第3回、3月12日の第4回に会社が回答を示す予定です。

 トヨタ労組は、2月12日に会社側に要求案を提出しました。賃上げは、09春闘以来5年ぶりの4000円、一時金は6・8カ月(約244万円)、シニア期間従業員の日給200円アップ――などです。

 評議会ニュースによると、鶴岡光行委員長は、「組合員の努力、頑張りに『何としても応えたい、応えなければならない』という思いを、この要求に込めた」とのべました。

トヨタ本社と出勤する労働者ら
(出勤するトヨタの労働者ら=後方はトヨタ本社ビル)

 これに対し、小平信因副社長(資源エネルギー庁長官を経て2008年にトヨタ顧問に就任)は、営業利益は連結、単独とも過去最高を見通しているとのべました。

 その上で、賃上げは「近年例を見ない極めて高い水準」「万が一にも、将来にわたって負担し続けることになる大幅な賃金引上げによって、当社の競争力が低下することがあってはならない」とのべました。国際競争力論を持ち出し、早くも賃上げを抑制しようという姿勢です。

 一時金についても、「昨年に比べ、約1カ月分、金額では約40万円の増加となる要求であり、他社の要求と比較しても突出」とのべました。トヨタの営業利益は、2兆4000億円の見通しで、他の企業で1兆円をあげる企業はほとんどありません。トヨタの利益は突出しており、労組の要求は当然といえるでしょう。

 賃上げ、一時金、シニア期間従業員の日給アップなど満額獲得をめざして職場から、“頑張ろう”の声をあげようではありませんか。

             ◇
 この記事は2月19日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/02/18 17:50

◎トヨタ総行動 本社前で訴え、ビラ配布

 トヨタ総行動実行委員会(愛知県労働組合総連合などで結成)は2月11日、トヨタ自動車本社前などで、第35回総行動の一環として宣伝カーから訴えるとともに出勤する労働者らにビラを配布しました。

 デンソーなどトヨタグループが集中する刈谷駅前でも行われました。また、トヨタの下請けへのアンケート活動に取り組みました。

 トヨタ総行動は、1981年に始まり30年以上の歴史をもつ運動です。日本1のトヨタの内部留保を労働者や下請け、地域に還流・還元し、賃上げや下請け単価を引き上げるなどして、日本経済をまともに発展させようと毎年、行っています。

総行動120140211
(トヨタ本社=向こう側のビル=前で訴える人びと)

 トヨタの職場では、トヨタ労組が5年ぶりに賃上げ4000円を要求することを決めたのをはじめ、一時金を年間6・8カ月(約244万円)、期間従業員の日給200円アップを要求することなどを求めています。

 明日2月12日に会社側に申し入れし、3回の労使協議会をへて3月12日に会社が回答を示す予定です。各職場では、職場会が開かれ、組合員がガンバローコールなどをしています。

総行動2 20140211


 総行動のこの日は、雪が降った先週と変わって、さわやかな晴天になりましたが、冷え込みが一段ときびしい朝になりました。午前7時30分、愛知県労働組合総連合の榑松佐一議長らが本社前で、出勤する労働者らに安倍内閣の消費税増税をやめさせましょう、などと訴えました。

 このなかで榑松氏らは、トヨタは、営業利益2兆円、内部留保15兆円というばく大なもうけをあげており、「いま、やるべきは賃上げです」と強調。仕事は増えたが、利益は減少した会社が過半数をしめるという豊田市の下請けアンケート結果を紹介し、トヨタは利益を下請け単価の改善にまわすよう訴えました。

総行動3 20140211


 総行動には、日本共産党から本村のぶ子・愛知県委員会原発ゼロ対策部長、大村よしのり、根本みはるの両豊田市議、トヨタ党委員会の代表らが参加しました。

 トヨタ党委員会の代表は、出勤する労働者らに「なんとしても要求を満額獲得しましょう」と呼びかけました。また、ばく大内部留保はトヨタの労働者や関連・下請け全体で生みだしたものであり、デフレ不況から脱するためにも、トヨタは要求に満額回答して責任を果たすべきだと強調しました。

 そのことが可処分所得を増やし、国内でもクルマが売れるようになることであり、トップ企業のトヨタは、日本経済に責任をもつべきだと語りました。そして、「トヨタの労働者の1人ひとりが職場から、“満額獲得”の声をあげ、賃上げを勝ち取りましょう」と呼びかけました。

総行動4 20140211
(出勤するトヨタ労働者ら)
2014春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2014/02/11 14:44

◎賃上げ 満額回答は1回だけ

 トヨタ自動車労組は、14春闘で09年以来、5年ぶりに賃上げ(ベア)要求をします。4000円です。02年春闘以来、要求をかかげた5回の春闘で、満額獲得をしたのはわずか1回にすぎません。

 一時金では、満額獲得が続いていることから、賃上げでも4000円獲得は間違いないと考えるのは、早計です。職場から、賃上げも、一時金(244円)も、期間従業員の時給200円アップも満額を、の声をあげることが必要です。

 表を見てください。労組が賃上げを要求したのは、02、06、07、08、09年の5回の春闘です。このうち、満額獲得は06春闘の1000円だけです。02年は、1000円要求してベアゼロに終わりました。

14年まで(40) トヨタの営業利益と賃上げの推移


 当時の奥田碩会長が、「いつまで100円玉の争いをしている!」と労使を一喝し、べゼロに。トヨタ・ショックといわれ、他の単産・企業労組も軒並みベアゼロに終わりました。トヨタ労組はその後の3年間、トヨタが1兆円以上の利益を上げながらも要求をしませんでした。

 07、08年は、労組は各1500円を要求しながら1000円に終わり、09年は4000円を要求しましたが、リーマン・ショックを理由にベアゼロに抑えられました。

 今春闘は、09春闘と同じ4000円要求ですが、この間の賃上げ交渉の結果をみると、満額獲得は容易ではないことがわかります。トヨタは、1~2兆円のばく大な利益をあげ、10兆円もの内部留保を持ちながらも、ベアゼロに抑えたり、回答を値切っているからです。

 トヨタは、この3月期決算では、連結営業利益で2兆4000億円という過去最高の利益を上げる見通しです。単独営業利益でも1兆2200億円、単独経常利益にいたっては1兆8800億円の見通しです。

 内部留保たっぷりの14兆円。4000円の賃上げで――
 4000円×12カ月×6万3000人組合員=30億2400万円

 単純計算で、わずか30億円あまりです。トヨタの利益のごくごくわずかです。満額回答めざし、職場から声をあげようではありませんか。
2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/02/09 10:06

◎トヨタ労組 期間従業員の日給200円アップ要求へ

 トヨタ自動車労組は、2014年春闘で、期間従業員の日給を200円引き上げる要求を掲げます。同労組が非正規雇用労働者の日給の引き上げを要求するのは初めてのことです。

 トヨタでは、期間従業員として雇用されて2年目からシニア期間従業員になります。トヨタ労組は、2008年4月からシニア期間従業員を組合員にしてきました。

 期間従業員の契約期間は、最長で2年11カ月(35カ月)です。賃金は、日給になっており、1年目が期間従業員の経験回数によって9000~9800円です。18~24カ月満了者は1万円、30~35カ月満了者は1万300円です。

期間従業員 募集
(「TOWN WORK」の2月3日号)

 トヨタ労組は、2年目からのシニア期間従業員の日給を200円引き上げることを要求しようというものです。1カ月で働くのは、通常21~22日ですから4000円余りアップすることになります。残業の割り増し代なども増えることになります。

 トヨタで働く期間従業員は、昨年11月末で4100人(日経新聞、12月29日付)です。消費税増税前の駆け込み需要のための生産増で、現在も募集を続けています。

 14春闘では、200円アップを勝ち取ってもらいたいものです。それは、リーディングカンパニーのトヨタでの日給アップは、日本の非正規雇用労働者の全体の賃金アップにつながるからです。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/02/08 16:08

◎ベア容認していない 日本経団連

 トヨタ自動車など大企業が利益を大幅に増やしている、安倍首相が賃上げを盛んにいっている―2014春闘で日本経団連が賃上げ(ベア)を容認しているかのような見方が広がっています。

 とんでもない誤解です。経団連の春闘方針「経営労働政策委員会報告 2014年版」を読むと、ベア容認はどこにもありません。

 経団連はこのなかで、メディアの報道を取り上げ、「『賃上げ=ベースアップ』との誤解が多い」と批判しています。その上で、「賃上げとは文字どおり、賃金を引き上げることではあるものの、ベースアップはその選択肢の1つであることを正しく認識すべきである」とおどしています。

 そして、「所定内賃金のベースとなる基本給の昇給方法には、年齢・勤続年数や人事評価などによって賃金カーブ上を移動する『昇給』と、賃金カーブそのものを底上げする『ベースアップ』がある」としています。

 経団連にいわれるまでもなく、前者が定期昇給であり、後者がベア(賃上げ)です。

 さらに経団連は、緒手当の改定、職務給や役割給など成果主義賃金などをあげ、賃金制度が多様化していると指摘。「賃上げという場合、『年収ベースでみた報酬の引き上げ』として捉えていくべきである」とのべています。

 つまり、賃上げとは、ベアだけでなく定昇もふくまれる、さらには一時金、手当などもふくめた「年収ベースでみた報酬の引き上げ」だというのですから驚きます。ベアは、容認していないのです。

経営労働委員会報告


 この3月期決算では、トヨタのようにリーマン・ショック前を上回る2兆4000億円と過去最高の利益をあげる見通しです。これまでに、ためにため込み、使い道がないといわれる大企業のぼう大な内部留保は、270兆円にものぼります。

 その一方で、1997年をピークに下がり続けているのが、私たち労働者の賃金です。日本経団連は、こうした実態を隠せなくなり、ベアで還元するのではなく、定昇や一時金など「年収ベース」で少しでも上がればいいという考えです。

 年齢が上がるにしたがって増える定昇は、実施して当たり前です。結婚、子育て、マイホーム、老後…定昇がなく、同じ賃金では、生活も維持できないし、年金などにも影響して日本社会も成り立たなくなります。

 一時金は、“賃金の後払い”というのが労働界の常識です。年間で、最低限でも5カ月はないと、自動車やマイホームのローンが計画的に支払うことがむずかしくなるでしょう。生活設計、人生設計が狂ってしまいます。

 ベアは、残業の割り増し代や退職金などにも影響します。文字どおり、ベアは私たち労働者、組合員の生活のベースになるものであり、生活を底上げするものです。これを上げてこそ、懸命に働いている私たちの生活はよくなります。

 2014春闘、賃上げをはじめかかげた要求を満額、勝ち取ろうではありませんか。
2014春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2014/02/07 10:18

◎ベア要求 連合方針からはずれる?

 トヨタ自動車労組の「14ゆめW要求案特集号」の評議会ニュースが職場で配られました。すでに各メディアで取り上げられており、特に目新しいものはないだろうと思っていましたが、驚きました。

 報道の通りベア(賃金制度改善分)は4000円でしたが、その根拠は次のようなものでした。

 「基本的なベア(1000円+α)+新退職金制度負担金(2750円)」の合計で4000円

 これは予想外でした。上部団体の連合が示したベア目標は1%です。今回、連合が1%のベア目標を掲げたのは、今後控えている消費増税や物価上昇によって消費活動が停滞することを懸念していたという背景があります。

ゆめW要求案


 1%のベアで生活負担を軽減し、購買力の向上、そして経済の好循環を狙ったものです。しかし、今回トヨタ労組が要求案として提示したベア4000円の内訳は、新退職金制度で給与から天引きされるものの補てんがその多くを占めます。

 その補てん分を除いた、実質手取り分のベア額は、平均1250円で平均賃金基準では0.3589%になり、連合の掲げる1%とはほど遠いものとなります。連合の1%要求の根拠となった理由から考えると、トヨタ労組のベア要求案は連合方針から外れたものではないでしょうか?
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/02/05 05:31

◎ベア要求4000円、一時金244万円 執行部案

 トヨタ自動車労組(約6万3000人)は1月30日に開いた評議会で、2014年春闘の執行部案を組合員に提示しました。ベースアップ(ベア)に相当する「賃金改善分」として4000円、年間一時金は賃金6.8カ月分に当たる約244万円(組合員1人平均)を示しました。

 ベア要求は、10年春闘から4年連続して見送ったために、5年ぶりになります。一時金要求は、昨年の妥結の205万円より39万円増額しています。事前のマスコミ報道は235万円でしたが、それより9万円多くなっています。

 職場会で執行部案を議論し、2月6日の評議会で正式に決定し、12日に会社側に提出する予定です。

14年まで(40) トヨタの営業利益と賃上げの推移


 トヨタの2014年3月期決算は、日経新聞がこの日に報道したように、過去最高の08年3月期決算の連結営業利益(2兆2703億円)を上回る見通しです。単体の営業利益の見通しも、トヨタは6000億円としています。

 内部留保の大きな部分にあたる利益剰余金は、連結で12兆6892億円、単独でも7兆1076億円もあります。いずれも日本1、突出した金額です。1万円のベアでも、単独内部留保のわずか0・1%で実現できます。

 こうしたばく大な利益、内部留保は、私たち組合員が懸命に働いて実現し、たくわえたものではないでしょうか。工場のラインは、秒単位の動作が求められ、1秒のムダも許されない仕事です。1直、2直の厳しい交代制勤務で、2直は深夜の午前1時まで働いています。

 自主的な活動といわれながらも、QCサークル活動や創意くふう運動などの原価低減活動もしています。原価低減額は、08年のリーマン・ショック以来、1兆3000億円にも達しています。1ドル=80円でも利益が出るトヨタの体制は、組合員全員の頑張りでつくりだしたものでしよう。

 一方、私たちの生活の見通しは、どうでしょうか? 年金支給の65歳への段階的引き上げで、会社と労組は60~65歳までの生活費に1000万円が必要といいます。今春闘の賃上げ分(職能個人給)から2750円を移行させることを検討しています。

 4月からの消費税増税もあります。執行部案で本当にいいのか。組合員の頑張りに応えた要求なのか、職場会で議論を尽くしたいものです。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/01/31 16:03

◎トヨタ労組 一時金要求235万円?

 NHKなどメディアが、トヨタ労組の2014年春闘での一時金要求額(組合員1人平均)を年間235万円(6・8カ月分)だとこぞって報道しています。あす1月30日に、トヨタ労組が評議会で示す金額を先取りして伝えているものです。

 この通りだとすると、昨年の205万円(要求、妥結金額)より30万円増額したものになります。

 しかし、トヨタの一時金は、リーマン・ショック前の2008年春闘では、過去最高の253万円でした。この時は、賃上げは1000円(要求は1500円)ありました。トヨタの業績は、連結営業利益で07年3月期が2兆2386億円、08年3月期が過去最高の2兆2703億円でした。

 トヨタは、14年3月期の営業利益見通しを2兆2000億円としています。ところが100円を超す円安で、これを上回り、過去最高になるといわれています。

20 2013年まで 賃上げと一時金の推移


 今回の一時金要求は、過去最高の253万円よりも18万円少なくなっています。トヨタの営業利益が過去最高になるとき、果たしてこれでいいのでしょうか? 単独でも営業利益は6000億円、経常利益は1兆2100億円と見込んでいます。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、連結では12兆6892億円、単独でも7兆1076億円もあります。

 仮に、賃上げを1万円要求したとすると――。
 10000円×12カ月×63000人(組合員数)=75億6000万円
 単独の利益剰余金のわずか0・1%です。

 内部留保について、「トヨタの経営が危なくなっても大丈夫なように積み立てておくべきだ」などという議論があります。

 しかし、1万円の賃上げでわずか0・1%です。トヨタは、びくともしません。トヨタの今期のばく大な利益を考えると、内部留保を取り崩さずとも、1万円以上の賃上げと過去最高の253万円以上の一時金要求は可能でしよう。
2014春闘 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2014/01/29 09:52

◎電機が4000円ベア要求決定 トヨタ労組は?

 自動車総連とならぶ民間の有力単産の電機連合は、1月27~28日に開いた中央委員会で、4000円のベアを要求していくことを正式に決めました。電機大手はこの数年、パナソニックやソニーなどが約20万人の人減らし・リストラをすすめていますが、5年ぶりにベア要求をすることを決めました。

 電機連合は、産別が大手の統一要求を決め、各企業別労組もこれに足並みをそろえます。企業の回答が、電機連合の統一要求の歯止めに達しない場合は、ストライキをするかどうかを組合員全員の投票にかけます。産別の機能が、企業労組まかせの自動車総連とは、格段に強いものになっています。

 しかし、1980年を最後に、電機連合の春闘でのストライキは消えました。ここ30年はまったくありません。

 中央委員会で有野正治委員長は、「電機連合としては2009年以来5年ぶりに『賃金水準の改善』を要求します。具体的な賃金水準改善要求は『開発・設計職基幹労働者』賃金を4,000円以上引き上げるというものです」とのべました。

 その上で、「電機産業はここ数年、厳しい業績実態にありましたが、ここにきてようやく業績改善に勢いが見え始めてきています。今こそデフレマインドから脱却し、電機産業が果たすべき社会的役割を認識し、結果を『賃金水準の改善』という形で出していくことが求められています」などとのべました。

 有野委員長が「業績改善に勢いが見え始めた」とのべたように、電機の2014年3月決算は富士通やパナソニック、シャープなどが赤字から黒字になる見通しです。それでも大手8社の純利益(連結)は、日立2100億円、東芝1000億円、パナソニックとソニーがそれぞれ500億円…で合わせて5900億円です(昨年5月の発表時点)。

トヨタ労働者の出勤
(工場に出勤するトヨタ労働者)

 これにくらべて、トヨタ自動車の14年3月期決算(連結)見通しは、純利益が1兆6700億円です(トヨタ単独では9000億円の見通し)。なんと電機8社の合計の2倍以上というから驚きです。

 中日新聞は、トヨタ労組がベア4000円を要求する方針を固めたと報じています(28日付)。電機が4000円の要求を決めたとき、それをはるかに上回る業績を上げる見通しのトヨタに対して4000円の要求でいいのでしょうか。

 ベアよりもボーナスという声もあります。しかし、ボーナスはあくまでも一時金です。基本給を上げるベアは、残業代の割り増し賃金や退職金などあらゆるものに影響します。

有野委員長は、「電機産業が果たすべき社会的役割を認識」してベア要求に踏み切ったと語りました。トヨタは、リーデングカンパニーであり、トヨタ労組は日本の賃上げを引っ張り、底上げする“社会的役割”があるはずです。連合とならぶもう1つの労組の中央組織、全労連は1万6000円以上の要求をかかげています。これも参考にして大幅なベア要求にしようではありませんか。
2014春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/01/28 10:54

◎賃上げ要求 4000円でいいのでしょうか?

 今日1月27日、日本経団連の労使フォーラムが開かれ、経団連と連合の会長が14春闘をめぐって討論します。いよいよ春闘はスタートします。そのなかで注目されているのは、日本1の2兆円を超える利益を上げるトヨタ自動車で、労組がどれくらいの賃上げ要求をかかげるかという点です。

 トヨタ労組(組合員、約6万3000人)は、1月30日の評議会(評議員、645人)で、執行部が賃上げ要求案を示します。評議員は、約4000人の職場委員に伝え、職場会にかけます。職場での意見を集約し、2月6日の評議会で要求を決め、会社に提出するという段取りです。

 電機連合は、今日1月27日から開く中央委員会で4000円の賃上げ要求を正式に決めます。トヨタ労組の上部団体、自動車総連は、具体的な要求額は明示せず、連合の1%以上という賃上げ要求方針を踏まえることを決めています。

 このことからメディアは、トヨタ労組は「月給の1%以上に当たる組合員平均4千円を要求する方向で最終調整に入った」(共同ニュース)などと報道しています。

 私たちは、トヨタ労組がこの4年間、賃上げを要求しなかったこと、09春闘で4000円を要求したにもかかわらず、ゼロに終わったことから、今年は6年ぶりに賃上げを実現するチャンスとして、1万円程度の大幅な要求は必要だということを訴えてきました。

賃上げ4000円でいい?
(出勤するトヨタの労働者)

(1) 賃上げがなかったこの5年間、トヨタはふたたび2012年から世界1の自動車メーカーになりました。それは、職場で懸命に頑張った組合員の努力の結果です。会社は、頑張りにこたえるべきです。

(2) 営業利益は連結で2兆2000億円以上と過去最高になる見通しです。単独でも2013年5月の発表では、営業利益が6000億円、経常利益が1兆2100億円です。なによりも内部留保は14兆円(連結)とたっぷりです。


(3) 世界の製造業の時間当たりの人件費を比較(2012年)すると、日本を100とした場合、ドイツは184・4、フランスは160・3、アメリカは133・2で、日本はかなり低くなっています(トヨタ労組が加盟する金属労協の14春闘資料から。1ドル=105・30円で換算)

(4) 4月からの消費税8%への増税で年間9万4000円(月に7833円)の負担(日経新聞の試算)になります。この負担分は賃上げでまかなってほしい。


(5) 長引く不況、デフレは、賃金が1997年から下がり続け、内需が極めて弱くなっているからです。賃金が下がっているのは、非正規労働者の増大と正規労働者の賃上げがないからです。トヨタでも、2002年からの12年間で、賃上げはわずか3回、合計3000円しかありませんでした。不況、デフレを克服するには何よりも賃上げです。

 この5つの理由から、私たちは大幅な賃上げをかかげるべきだと考えます。いかがでしょうか。
2014春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/01/27 11:56
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