◎来年こそは賃上げを シリーズ「賃上げと安定した雇用を」

50 2013 トヨタの営業利益と賃上げの推移

 昨日まで「13春闘を考える」と題して、トヨタ自動車の13春闘を振り返りました。投稿も掲載し、これに対するコメントのやり取りも続きました。ありがとうございました。

 表を見てください。トヨタの2002年から13年までの12回の春闘と営業利益(連結)の推移です。2002年は、奥田碩会長(当時)の、「いつまで100円玉の争いをしている」という一喝で、組合の1000円のベア(賃上げ)要求が否定され、ベアゼロになった年です。

 “トヨタショック”ともいわれ、以後、トヨタをはじめ大手労組からベア要求が鳴りをひそめるようになりました。06~08年の3年間は、ベア1000円を獲得しました。しかし、09年からは、リーマン・ショックでまたもやベア要求とベアが消えました。

 トヨタのこの12年間の春闘は、1~2兆円の利益をあげてもベアがあったのはわずか3回、合計3000円にすぎません。内部留保日本1のトヨタが、このように賃金を抑制した結果、非正規雇用労働者の増大とあいまって、1997年をピークに、日本は“賃下げ社会”になりました。

 デフレ不況の大きな要因にもなりました。13春闘は、安倍首相が日本経団連などに“報酬の引き上げ”など賃上げを要請するという異例の展開になりました。労働組合からみれば賃上げの絶好のチャンスでした。それを見逃す結果になりました。

 日本共産党は、13春闘のさなかの2月14日、「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」を発表しました。
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2013/02/2013214.html

 このなかで、「賃下げ、非正規拡大がデフレ不況の悪循環をつくりだしています」と訴え、大企業の内部留保のほんの一部を取り崩すだけで、1万円の賃上げが可能だという試算を明らかにしました。

 トヨタでいえば―。
 10000円×63000人(組合員数)×12カ月=75億6000万円

 一方、株主配当の総額はこの03月決算で、1900億円(年間で1株60円で試算)の見通しです。

 1兆1500億円の営業利益の見通しのなかで、社員には賃上げなし、株主には大盤振る舞いではあまりに株主優先です。来年は円安で、トヨタの営業利益は2兆円を超すという見方もあります。来年こそ賃上げを実現しようではありませんか。

50 日経 13春闘回答表
(大手企業は賃上げはなく、一時金だけ=日経新聞、3月14日付)
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2013春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2013/03/20 11:14

◎「13春闘を考える」-その4 何のためのガンバローコール

 13春闘の回答を新聞で読んで、トヨタの賃金、一時金はこれでよかったのか疑問です。

 1つは、自動車や電機の大手はどこも賃上げ(ベア)がなく、ハンで押したように定昇にあたる「賃金制度維持」だとか「賃金体系維持」がズラリと並んだことです。みんないっしょです。

 新聞には、3月期の営業利益の予想が書いてありました。トヨタは1兆1500億円(連結)です。日立など電機大手7社の営業利益を合計しても、トヨタとほぼ同じです。トヨタの利益はそれほど大きいのです。

 それでいて、同じように定昇分は維持するとは、どういうことなのでしょうか?

 2つ目は一時金です。トヨタは、昨年の年間178万円より27万円増えて205万円の回答でした。ところがホンダを見ると、なんと昨年の183万1000円から217万1000円へと34万円も増えているのです。

 ホンダは、トヨタより今年は約12万円も多い。そのホンダの営業利益予想は5200億円で、トヨタの半分ほどです。トヨタは三河1の企業から日本1、世界の自動車会社ナンバー1になりました。利益と賃金、一時金は関係あるのかと思ってしまいます。

 今年の春闘で、私たちの職場はガンバローコールに全員参加するように職場委員からいわれました。1直が終わって帰ろうと思っても、帰る通路でガンバローコールを行っていましたから強制参加です。

 しかも、「国内300万台体制維持のためにガンバロー」「国際競争力強化のためにガンバロー」などとコールします。これが組合のガンバローなのかと思います。会社の利益をあげるためにガンバローということです。

 ガンバローとは、賃上げや一時金の要求の実現のために、組合員が団結してガンバルことではないでしょうか?

 トヨタは、組合が4年連続して賃上げを要求しませんでした。今年は、安倍首相も賃上げの要請を行ったくらいです。来年は、必ず賃上げを要求してほしい。ガンバローコールのあり方も考え直してほしい。

13春闘を考える ガンバローコール
(工場の入口付近でガンバローコール)
2013春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2013/03/19 09:54

◎「13春闘を考える」―その3 満額回答ではない? (下)

 (前日の続き)

 さらに評議会ニュースを読み進めて、疑問に思った内容です。豊田章男社長の回答の次の部分です。

 「単独黒字化は仕入先やグループ各社の多大なご協力があった。当社の判断が、関係各社の皆さんとの一体感や結束力を損なうことがあってはならない」

 これは、関係各社の協力があってこそ、今回の単独黒字化が達成された。だからこそ、関係各社のとの賃金差が発生してはいけない。よって一時金要求に応じることはできない、と読み取れます。

 だから、「差額調整を行わない」とか、同じ205万円なのに、「200万円+5万円」という奇妙なカタチで回答してきたのでしょう。

 私の思いは、会社側が労使協議会で使う文言を利用するなら、「その主張は到底理解することができない」に尽きます。トヨタ自動車が単独赤字を計上している間、関連各社には仕入れ価格等で無理を随分言っているのも存じています。

 今回の単独黒字化は、為替変動等の外的要因も重々にあるでしょうが、関連各社の企業努力によることが大きいことも承知しています。ですが、「関係各社のとの賃金差が発生してはいけない」との主張には強い違和感があります。

 トヨタ自動車従業員、関連会社が努力した結果が、単独黒字化に結びついていることは会社も認識しています。にも関わらず、トヨタ自動車従業員への利益還元を行わない。また、関連会社においても利益還元を行わない。

 結局のところ、自社従業員、関連会社の努力(利益)をすべて会社(トヨタ自動車)が持っていった。これでは会社は潤いますが、個人は努力のみで全く報われません。

 利益還元の方法はいくつでもあると思います。従業員に対しての、賃上げ。関連会社においては、仕入れ単価の見直し(単価向上)など、などです。

 企業の内部留保を増やしたところで景気は回復しません。一昔前は、国内での家庭内タンス預金が景気減退の原因として話題になりました。上場企業が溜め込んだ内部留保金額だけでも260兆円といわれます。内部留保を増やして企業体力を増したところで、消費者の購買力が下がれば結局のところ企業体力も減退します。トヨタ自動車はどこを向いているのでしょうか。

出勤するトヨタ労働者 本社工場
(出勤するトヨタの労働者=本社地区)
2013春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2013/03/18 15:06

◎「13春闘を考える」―その3 満額回答ではない? (上)

 トヨタ労組組合員から次のような投書がありましたので紹介します。

              ◇

 評議会ニュース(組合会報)の「'13ゆめW速報 第4回労使協議会報告」が組合員に配られました。妥結内容について職場委員から次のような説明がありましたが2点について、とまどい、疑問を感じました。

・賃金は賃金制度維持分(定期昇給)を確保
・一時金は要求額と同額。ただし、差額調整は行わない。

 【その1】―差額調整を行わない?

 一時金は、賃金以上に会社の損益に連動して支給されます。組合が要求する金額の元になる計算方法も会社の損益と連動するようになっており、第二クォーター時点(第2四半期決算)の見込損益を使いますが、決算時の実損益分との差額は組合の提示した計算式で算出され、支給されていました。

 これが今回、『第2四半期時点の経常損益見通しと実績の差額については、調整を行わない』との記載。「ん?」っと、いつもとの違いを不思議に思い、評議会ニュースをよく見ると、『本年の賞与は、組合員一人平均 年間200万円+5万円』と書かれています。

 【その2】―満額回答ではない?

 組合の要求は『5カ月+30万円』だったはず! そのことを職場委員に尋ねると、「実は、会社は満額回答とは言っていない」との答え。職場委員は、労使協議会での会社回答について、組合側の「これは満額回答ということか?」との問に対して、“言葉を濁した”とのこと。会社から明確に満額回答という答えは得られなかったらしい。

 昨日(3月14日)、豊田章男社長は安倍首相に一時金の満額回答をしたことを報告したというニュースが流れた中、実に奇妙で不可解です。実際のところ、組合が要求する『5カ月+30万円』と、会社回答の『200万円+5万円』とは同額とのこと。ではなぜ会社はそんなカタチで回答してきたのでしょうか?


50 トヨタ労組13春闘 申し入れ
(トヨタ労組の13春闘申し入れ。一時金要求は、「基準内賃金の5カ月+30万円」)

40 トヨタ 13春闘回答 
(トヨタの一時金回答 「200万円+5万円」)
2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/03/17 09:43

◎「13春闘を考える」-その2 ベアなしでは車は売れない

 トヨタ自動車の一時金回答が満額だといっても、あくまでも一時金は、一時的なものだ。日経新聞は、「正社員の年収が一時的にやや増えるだけ」と書いていたが、その通り。リーマン・ショック前の2007年は、258万円だったが、それにも届いていない。

 組合のアンケートでは、一時金はローンや教育費など生活費の補てんに使っており、一時金が昨年より増えたといっても果たして消費に回るだろうか? 

 しかも、この3月期決算の業績が、会社の見通しを上回っても「差額調整はしない」という条件付きだ。一時金の要求は、3階建てになっている。2階の「業績反映部分」は、トヨタ単独の営業利益が1000億円当たり5万円を支給することになっている。円安が続き、業績が上回ることは確実だ。それなのに差額調整をしないというのはおかしい。

 今期の連結営業利益の見通しは、1兆1500億円だが、来期の2013年度は円安がすすんで2兆円を超えるという予想もある。それなのに、組合はベアを要求しなかった。ベアがないということは給料が上がらないということである。1~2兆利益の企業が、これで5年連続ベアなしということは異常である。

 アベノミクスが盛んにいわれるが、消費(需要)が伸びることがカギだというのは常識だ。デフレ不況が克服できない大きな元凶は、日本のトップ企業のトヨタがベアを抑えているからではないか? 中小零細企業もふくめて日本の企業のベアを抑えることになるからだ。

 トヨタは、日本経済をどう考えているのだろうか? 日本の労働者の賃金が上がらなければ、国内の需要は伸びない。伸びなければ、国内で車は売れない。トヨタの海外生産比率は6割を超えるまでになっている。ドル箱のアメリカや新興国で車が売れて利益がでればいいというのだろうか?

 そうだったら、トヨタには国益という発想はなく、あるのは自社の利益が上がれば、日本経済や国民の暮らしがどうなってもいい、というものだ。―そんな会社で、トヨタはいいのか?

トヨタ 国益
(トヨタ本社)
2013春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2013/03/16 10:11

◎「13春闘を考える」-その1 組合の存在意義

 トヨタ自動車の13春闘は、13日に会社が一時金などを回答したことで終わりました。今春闘は、デフレ不況克服のために、安倍首相が“報酬の引き上げなど”を日本経団連に要請するという異例の展開を見せました。

安倍・豊田会談 NHK 
(安倍首相と会談した後、記者団に語る豊田章男社長=14日のNHKテレビから)

 トヨタの豊田章男社長は14日、その安倍首相に一時金の満額回答をしたことを報告。安倍首相は、「トップ企業として、そういう姿勢を示されたことはありがたい」とのべたといいます。組合員から見て、今春闘はどうだったのでしょうか? 投書や意見が寄せられていますので紹介します。

              ◇

 新聞やネットニュースでは「トヨタ、満額回答」の見出しが踊りました。
その中で、わたしが「13ゆめW」を振り返って、腑に落ちない点があり、投稿します。

 組合の申し入れに対しての会社の主張ですが、
・定期昇給→「本年要求については、慎重な上にも慎重な判断が必要」
・一時金→「本年の要求に答えることは、到底、困難」

 労使協議会のたびに会社から同様の主張が発せられ、その都度組合は、「依然厳しい状況!」と繰り返します。で、蓋を開けてみれば、3年連続の満額回答。

「到底困難」
 ↓
「厳しい状況」
 ↓
「満額回答」
 これは春闘時期の“風物詩”ともなっています。

  さて、会社は「慎重な上にも慎重な判断」を行った上で、「到底困難」といっていた要求を受け入れることを、毎年くり返しているのでしょうか? それは、本当に「到底困難」な要求だったのでしょうか?

 政府が2%の物価上昇目標率を設定して景気の底上げを進めている中、単年度の一時金ではなく恒常的に収入がアップするシステム(ベースアップ)でなければ結局のところ賃金は目減りしてしまいます。

 流通・小売大手はベースアップを行い、賃上げによって需要拡大をねらった行動を行いました。トヨタ自動車労働組合は自らをリーダーユニオンと位置づけて、他の組合にも影響力があることを認めています。

 その組合が、毎回、会社と慣れ合いともいえるような春闘で、ベースアップ要求をせず、はじめから決まったような一時金を要求する。日本で300万台生産を確保するのであれば、国内需要の拡大のためのベースアップは必至です。

 執行部の皆さん、自分が職場復帰した時の地位ばかり考えずに、組合員、会社、そして日本経済のことを本気で考えませんか?

春闘 トヨタ労働者
(13春闘のさなか、工場に出勤するトヨタの労働者)
2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/03/15 11:13

◎一時金、満額回答 トヨタ13春闘

 トヨタ自動車の13春闘は3月13日、会社が回答を示しました。トヨタ労組は賃上げ(ベースアップ)要求はしませんでした。労組が要求したのは、定昇にあたる「賃金制度維持分」と一時金は組合員1人当たり平均で年間205万円(昨年妥結額は178万円)です。会社は、要求通り回答しました。

 13日早朝、組合員に連絡が入りました。

 「賃金、一時金満額獲得! ただし、業績アップしても差額調整はしないと連絡があった」

 しかし、この日の新聞朝刊は、すでに「一時金 トヨタ、満額獲得へ」(日経新聞)などとマスコミ回答していました。

 定昇にあたる「賃金制度維持分」は、当たり前のことです。定昇は、勤続年数を重ねるごとに増えるものです。一方で、定年退職する労働者がいることから、会社の総額人件費は増えないのです。基準内賃金(基本給)を上げる賃上げでなければ、労働者の賃金は増えないことになります。

 一時金は、あくまでも一時的なものです。昨年より27万円増え、5年ぶりに200万円台に回復しましたが、「2008年(253万円)と比べると2割近く少ない」(日経新聞、13日付)ものです。

 この3月期連結決算で1兆円以上、単独でも5年ぶりの黒字になるというのに、賃上げはありませんでした。労組が賃上げを要求しなかったのは、これで4年連続です。賃上げがなかったのは09年から5年連続になります。

 安倍首相が賃上げをふくむ「報酬の引き上げ」を日本経団連などに要請するというかつてない事態を賃上げに結ぶことができない13春闘になりました。

 トヨタ労組のある組合員が語っていました。
 「職場では、『会社は一時金を満額出してくれるかねぇ。削られなければいいが』と心配する声もありましたが、満額は当然です。来年は必ず賃上げしてほしいし、期間従業員の日給も上げてほしい」

2013春闘 ホワイトボード
(賃金、一時金などの会社回答をホワイトボードに書き込む金属労協=3月13日、NHKテレビから)
2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/03/13 14:07

◎連日のガンバローコール

99 補正 堤工場ガンバローコール
 トヨタ自動車の13春闘は、明日13日(水)が会社の回答日。それを前にした11日(月)、工場のある職場では、トヨタ労組の組合員全員参加の“ガンバローコール”が行われた。

 プリウスを生産している堤工場。午後3時30分ころ。工場の入口の両側の歩道で、100人ほどの組合員が並んで“ガンバロー”“オー”が行われた。工場の外からもよく見える。声も外に響いてくる。

 組合は、賃上げ要求はしなかった。一時金の要求は、年間205万円。ここにいたっても会社は、「到底困難」の1点張り。ホンダなど他の自動車会社は、満額回答を明らかにしている。

 堤工場のガンバローコール。
 「日本のモノづくりを守るためにガンバロー!」
 「国際競争力強化のためにガンバロー!」

 組合員は、プラカードを掲げている。
「3月13日(水) 回答指定日 最後の最後まで納得のいく回答を求めていく」
 整然としたガンバローコール。午後3時50分ころに終わり、工場入口は静かになった。

 今から62年前、1950年のトヨタ本社工場内では、“希望退職募集”に反対して、激しい集会、デモがくり返された。当時、トヨタは三河の一企業にすぎなかった。現在、世界1の自動車メーカー。1兆円利益、14兆円の内部留保を持つ日本最大の企業。

 この日販売の週刊「エコノミスト」。特集「賃金を上げろ」の文字が躍る。「賃上げは『最高の成長戦略』だ」とも書く。

 先週の金曜日から始まった、トヨタ労組の全員参加のガンバローコール。今日12日(火)も行われる予定。安倍首相までが、賃上げをふくむ“報酬の引き上げ”を企業に要請。トヨタは、どんな回答を示すのか?

99 堤工場ガンバローコール2
2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/03/12 12:21

◎13春闘 置き去りにされた期間従業員 シリーズ「賃上げと安定した雇用を」

 トヨタ自動車の13春闘。トヨタでは2000人を超える期間従業員が働いています。2年目からはシニア期間従業員としてトヨタ労組の組合員になります。しかし、春闘からは置き去りにされています。

 期間従業員の日給は、1年目は9000~9800円。2年目は1万円、3年目は1万300円です。リーマン・ショック時(2008年)から5年たっていますが、日給はそのままです。

 一方、赴任手当は3万円(2007年8月)から2万円(11年8月)とダウン。食事手当も同様に2万円から1万円にダウンしています。

 かつてシニア期間従業員だったAさんは、「組合員になるメリットは? メリットは? メリットは?」と正社員の職場委員に問いました。

 職場委員「会社の福利厚生施設が使えます」
 Aさん「僕らは稼ぎにきているんです。100円でも1000円でもほしい」

 正社員は、福利厚生のポイントを食事補助などに使えます。しかし、期間従業員にはありません。Aさんは、「僕らもポイントがほしい」といいます。

 組合費は、正社員が基準内賃金の100分の1・5+上部団体費です。期間従業員は100分の0・4+上部団体費です。

 シニア期間従業員のBさんは、リーマン・ショック時に、契約期間満了(最長の2年11カ月)で、雇い止めになりました。組合に、「会社に延長してくれるよう働きかけてほしい」と求めましたが、かないませんでした。Bさんは、2008年9月の賃金から959円の組合費を支払っていました。

 今年の13春闘もトヨタ労組の会社への要求に、シニア期間従業員に対す日給のアップ要求などはありません。

トヨタ労組要求 期間従業員
(労組の期間従業員の要求には、日給のアップはありません)

 トヨタの春闘のさ中の3月8日の衆院予算委員会基本的質疑。日本共産党の笠井亮議員は、内部留保の1%未満で大企業は月1万円の賃上げができることを安倍首相に示しました。

 笠井議員が、それをパネルにして示しました。トップ企業はトヨタ自動車。13兆円余の内部留保のわずか0・2%を取り崩せば1万円の賃上げができるのです。

 その上で笠井議員は、「非正規労働者の時給を100円上げよう」という要求が全国で高まっていること、また安倍首相が日本経団連などに賃上げの要請を行ったことを評価しつつ、「安倍内閣の賃上げ対策に非正規労働者は入っているのか」とただしました。

 安倍首相「正規・非正規関係なく、(賃上げの)呼びかけは行っていきたい」

 安倍首相も認めた非正規労働者への賃上げ要請。トヨタの春闘では、非正規労働者は置き去りにされています。トヨタの期間従業員や事務・技術派遣労働者、パート労働者など非正規雇用労働者の時給を、少なくとも100円上げることを掲げられなかったのでしょうか―。

DSC_0412.jpg
(期間従業員らが乗ったトヨタのバス)
2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(1) | 2013/03/11 12:24

◎全員、ガンバローコール

 トヨタ自動車の13春闘は、13日(水)が会社の回答日ですが、異例の事態です。これまで職場委員らが行っていたガンバローコールが、組合員全員が対象になったのです。

 安倍首相が一時金など“報酬の引き上げ”を要請するなかで、日産やホンダなどは一時金の満額回答を明らかにしています。ところが、利益、内部留保ともダントツ日本1のトヨタは、いまだに、「到底困難」という信じられない対応です。

 このためトヨタ労組は8日(金)から、1直と2直の間の直間で、組合員全員にガンバローコールをするよう指示しています。11(月)、12日(火)も行う予定です。

 8日のある職場。1直者は終業後に、2直者は始業前に、それぞれ約30分間、行いました。“ガンバロー”“オー”“ガンバロー”“オー”の掛け声が響きました。

 「国内生産300万台体制の維持」「国際競争力を付ける」などといって、トヨタのためにもっと“がんばる”から、一時金の満額回答をして欲しいというものです。

 ある組合員がつぶやきました。
 「仕事が終わってから30分もやるのか。いやだなぁ…」。帰ろうと思うと、集会は通路で行っており、その前を通らざるをえないからです。

 別の組合員が語っていました。
 「これまでのガンバローコールは、職場委員ら組合役員が行っていた。組合員全員が参加して、直間の間にやるのは初めて。要求の実現のために、組合員が団結してがんばるというのが組合の役割のはず。そうではなく、会社のためにガンバル、ガンバルというのは、何か変だね」

評議会ニュース ガンバロー
(ガンバローコールする組合員=トヨタ労組の「評議会ニュース」から)
2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/03/10 11:11

◎共産党と自民党が一緒に賃上げ “歴史始まって以来”と麻生副総理

 「共産党と自民党が一緒になって賃上げを、というのはたぶん歴史始まって以来ではないか」――麻生太郎財務相・副総理がこう答弁したことが話題になっています。

 3月8日の衆院予算委員会基本的質疑で、日本共産党の笠井亮衆院議員に、のべたもの。笠井議員は、2月8日の基本的質疑で、「デフレ不況打開のカギは賃上げだ」と主張。これを受け安倍首相が、日本経団連などに“報酬の引き上げ”を求めました。

 笠井議員は、経団連は一時金の引き上げにとどまっていること。設備投資にまわさず、使い道のない大企業の内部留保のごく一部で、月1万円の賃上げが可能なことを示し、財界・企業に要請すべきだとのべました。

 笠井議員が示したパネルのトップにあるのがトヨタ自動車。連結内部留保は13兆円余り。国内従業員約23万人に1万円の賃上げをするには、その0.2%を取り崩すだけで可能だとのべました。

笠井質問 20130308
(パネルを示して質問する笠井亮衆院議員=NHKテレビから)

 麻生副総理の答弁です。

 「共産党と自民党が一緒になって賃上げを、というのはたぶん歴史始まって以来ではないか。内部留保が賃金に回ると、そこから消費に回る。GDP(国内総生産)に占める個人消費の比率は極めて高い。短期的にも一時金で内部留保が賃金に回ることは、日本の経済が活気づくためにも重要な要素の1つだ」

麻生答弁 20130308
(答弁する麻生副総理=NHKテレビから)

 笠井議員がのべました。

 「内部留保のほんの一部を一時金、基本給も含めて賃上げにあてれば日本経済の好循環の突破口になる。だからこそ今、本腰で要請すべきだ」

 トヨタ自動車の13春闘は、残念ながらトヨタ労組が賃上げを要求しませんでした。麻生副総理がのべたように、内部留保が賃金に回ると消費に回り、日本経済が活気づくのです。

 13春闘では、一時金の満額獲得とともに、14春闘では何としても、賃上げを要求しましょう。
2013春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2013/03/09 18:37

◎トヨタ13春闘 第3回労使協 「到底困難くり返す」

 トヨタ自動車の13春闘の会社回答が1週間後に迫った3月6日、第3回労使協議会が開かれました。この日、日産やホンダは、一時金の満額回答をするのが明らかになりました。しかしトヨタは、「お応えすることは到底困難」といまだにかたくなです。

 トヨタ労組の要求は、賃上げを4年連続して見送り、定昇にあたる「賃金制度維持分」と一時金年間205万円です。

 トヨタ労組の評議会ニュースによると労使協では、組合側は単独黒字化のために、組合員が懸命に生産と原価低減活動に取り組んできたことを訴えました。

 それは、▽ドリルの刃先をあとコンマ5ミリでも使い続けられないか、ドリルの寿命延長・再利用にこれまで以上に取り組んでいる、▽田原工場では、会社の大幅な増産要求に対応するために、毎週となる6日稼働に歯をくいしばって協力してきた――などと主張。会社は、組合員の頑張りに応えてほしいとのべました。

 会社側も、モデルチェンジしたクラウンを生産している元町工場では、計画の6倍を上回る初期受注を記録したことを指摘し、組合員に「深くお礼を申し上げる」とのべました。

 豊田章男社長は、「『真の競争力』を強化し、『持続的成長』を成し遂げていかなくてはならない」とのべた上で、賃金制度維持分については、「慎重に判断していきたい」とのべるにとどまりました。

 また、一時金については、「当社の賞与決定がグループ会社や仕入れ先などの関係各社の皆さんに与える影響を十分に勘案し、万が一にも当社と関係各社の皆さんとの一体感を損なうことがあってはならない」と強調、「誤りのない判断をしなければならない」とのべました。

 これは、トヨタの関連・下請け会社を引き合いに出して、組合員の頑張り、要求に背を向けるというものです。2013年3月期決算で、5年ぶりの単独黒字化が確実ななか、一時金の満額回答は譲れないところです。

日産などは満額
(日産などの一時金は満額回答、と報道する新聞)
2013春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2013/03/08 15:18

◎賃上げで、デフレ経済から脱却へ シリーズ「賃上げと安定した雇用を」

 13春闘は、13日の回答に向けてヤマ場を迎えています。安倍首相が企業に“報酬の引き上げ”を要請するなかで、イトーヨーカ堂など流通関係の企業で賃上げを表明するところがでています。

 私たちのブログ「トヨタで生きる」が、賃上げのキャンペーンをしているのは、党の功績にしようというような“さもしい”ねらいからではありません。今、日本では長引くデフレ不況からどう脱却するかが問われています。

 私たちは、その鍵は賃金の引き上げにあると考えています。日本の労働者の平均賃金は、1997年をピークに減り続け、年収で70万円も減っています。この間に賃上げがほとんどなかったことや、非正規雇用労働者が労働者の3人に1人、年収200万円以下の労働者が1000万人にもなっているからです。

 トヨタ自動車でも、この11年間の賃上げはわずか3回、合計3000円しかありませんでした。期間従業員や事務・技術派遣労働者が1万人以上にも増えたことがありました。

 6000万人を超える日本の労働者の賃金がダウンし、ローンや教育費、将来不安などから物を買うことを控え、内需が冷え込みました。

 一方、企業は内需の冷え込みから国内で投資することなどを控え、利益を内部留保としてたくわえました。この10年間でも100兆円以上積み増しし、260兆円にもなっています。

 トヨタでも、約14兆円の内部留保のうち設備投資や研究開発費は合わせて1兆5000億円程度(2011年度)です。

 実際、麻生太郎副総理・財務相は、「たまった内部留保が賃金や配当、設備投資にまわらず、じーっとしている状態は異常だ」とのべたほどです(1月20日)。

 私たちは、企業がため込んで使い道のない内部留保を、賃上げや、非正規労働者の正社員化、下請け代金のアップなどに還流させ、日本経済を内需中心の経済に立て直すことを主張しています。こうした立場から、今年の春闘では、デフレ不況脱却の最大の保障である賃金の引き上げを求めているのです。

テクニカルセンター 労働者
(トヨタのテクニカルセンターへ出勤する労働者)
2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/03/07 09:30

◎トヨタの13春闘 ガンバロー!、ガンバル!

 トヨタ自動車の13春闘は、3月13日の回答日まであと1週間。安倍首相が“報酬の引き上げ”を企業に要請する中で、職場では――。

 各工場では、昼休みの食堂前で、トヨタ労組の職場委員らが並んで“ガンバローコール”をくり返している。

 オッス!
 ▽▽職場の○○です。“ガンバローコール”を行います。
 かまえて―!
 組合の存在意義をかけ、最後の最後まで―。
 ガンバロー!
 ガンバロー!
 ガンバロー!

 今年の春闘は? 賃上げ要求は4年連続ナシ。定昇に相当する「賃金制度維持分」と一時金の年間205万円(昨年妥結は178万円)。会社は、「到底困難」と堅い姿勢。

 ある職場では、職場委員が組合員に“寄せ書き”に書いてくれるよう頼む。自分たちが仕事で、これだけがんばっているんだから、組合の要求通りに回答してほしいというものだ。たとえば―。

 「国内300万台体制の維持のためにガンバル」
 「国際競争力を付けるために、原価低減活動でガンバってる」

 工場では5日、昼休みに建屋ごとにブロック集会が開かれた。上司のGLが「遅れないように参加してください」と声かけ。詰所の電気は消された。集会では、執行委員が情勢報告。「いまだ、会社とのへだたりは大きい」、と。

 職場委員の代表が決意表明。「オッス!」。「オッス!」。300万台体制、国際競争力…と同じような言葉が続く。組合員は床に座って聞く。10分程度で終わる。

 組合員のなかからは、「賃上げがないのに、なにをガンバルのかナー」との声も。

トヨタ 本社労働者
(会社は、要求に応えるか。写真は、トヨタの労働者ら。右ビルは本社ビル)
2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/03/06 06:41

◎トヨタ春闘 第2回労使協 「要求に応えることは到底困難」

 トヨタ自動車の13春闘で、第2回労使協議会が2月28日に開かれました。トヨタ労組の評議会ニュースによると、会社側は、組合が要求している、いわゆる定期昇給分にあたる「賃金制度維持分」については、「慎重な上にも慎重な判断をしたい」とのべるにとどまりました。

 また、組合員1人平均で年間205万円の一時金の要求(昨年の妥結額は178万円)については、「要求に応えることは到底困難」と、いぜんとしてかたくなな態度に終始しました。

 組合側は、トヨタの単独黒字化のために、「1秒、1滴、1円にこだわった原価低減活動」をしてきたこと、「あるエンジン製造ラインではコンマ1秒単位の効率化に挑み、サイクルタイムを29・7秒から29秒に短縮し収益向上を実現」したことなどをのべました。

 その上で、一時金の使い道についての組合員アンケートを紹介。「支出は住宅ローン、車両購入費、教育費に加え、将来への備えがほとんど占め、堅実なもの」であると主張。生産変動にともなう勤務形態変更で、月々の収入が減少する事態も生まれており、組合員の頑張りに応えるべきだとのべました。

 次回の第3回労使協は3月6日で、同13日にトヨタをふくめた大手労組に一斉に回答が示される予定です。今春闘では、安倍首相が企業に“報酬の引き上げ”を要請しています。トヨタ労組が4年連続賃上げ要求を見送る中で、トヨタが「賃金制度維持分」や一時金要求に応えるかどうかが問われています。

toyota 労働者
(トヨタ労働者)

                         ◆

 この記事は、3月3日アップの予定でしたが、都合により2日にアップしました。
2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/03/02 21:36

◎円安を喜んでばかりいられない

 今日から3月。例年にない寒さだっただけに、「やっと春か!」と少し心も踊ります。しかし、ガソリンスタンドへ行って、寒くなりました。なんと1リッター158円。えっ、という感じ。この3カ月間に約10円も値上がりしていました。

 円安、円安と騒いでいる一方で、ガソリンはじりじり上がっていたのです。いつもは、ガソリンのメモリ残が2メモリになると入れていますが、今回は残り1メモリで入れました。満タンの45リッターを入れると約480円の値上げになってしまいます。

ガソリン 158円


 小麦をはじめ、電気料金、ガス料金も輸入する燃料の上昇で、値上げが続きます。冷凍野菜、ワイン…などの値上げの可能性があるといいます。

 来年4月には、消費税が5%から8%へ、さ来年の10月からは10%へと値上げされます。支出増が続き、家計がアップ、アップしそうな中で、収入は増えるのか?

 トヨタ自動車の春闘は、3月13日の回答に向けて労使の話し合いが行われています。トヨタは、この3月期決算で昨年11月に予想していたより営業利益を1000億円増やし、1兆1500億円になる見通しを明らかにしています。

 円安で、利益が大幅に上積みされます。あるエコノミストが新聞で語っていました。「円安はマイナス面も大きい。景気が良くなり、賃金が増えなければ、消費者にも企業にも厳しい」、と。

 トヨタのような輸出企業は、円安で利益が増えますが、それを賃上げ、一時金で還元し、内需を拡大する方向に向けないと日本経済はうまくまわらないということでしょう。安倍首相は前日(2月28日)の施政方針演説で、こうのべました。

 「私自身、可能な限り報酬の引き上げを行ってほしいと、産業界に直接要請しました。政府も、税制で、利益を従業員に還元する企業を応援します」

 トヨタもリーディングカンパニーにふさわしく、13春闘では、日本1の1兆円の”利益を従業員に還元する企業”となった、と評価されるようになってほしいものです。
2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/03/01 09:45

◎ダントツの国際競争力 トヨタ、2014年には1000万台

 トヨタ自動車の13春闘で、会社の対応について、「妄想人」さんから2月27日、次のようなコメントをいただきました。
 
「今年もフォーマットありきのテンプレートに沿ったような繰返し『…到底困難』」

 第1回労使協議会で、トヨタ労組の一時金要求などに対し、会社が「要求に応えることは到底困難」とのべたことを痛烈に皮肉ったものです。確かに、毎年、同じようにのべているからです。

 もう1つ、“テンプレートに沿ったような繰返し”の言葉があります。豊田章男社長がのべた、「競争力の強化」という言葉です。これも春闘のたびにくり返しているものです。

 この言葉を聞いて、トヨタの2014年の世界生産台数がグループ全体で1000万台を超えるというメディアの報道を思い起こしました。トヨタが、トヨタとレクサスブランドの生産を950万台とする計画をたてていることが2月20日、わかったというニュースです。

 900万台超えは初めてで、ダイハツ、日野をくわえれば1000万台を超えるといいます。1000万台超えは、世界の自動車メーカーで初めて。トヨタは、GMとVWと激しく世界1を争っていますが、1000万台超えで、両社を突き放します。

新型クラウン
(新型クラウンは好調で、生産している元町工場は多忙です)

 トヨタは、2008、09、10年と3年連続世界1になりました。11年は、東日本大震災で生産が落ち、3位になりました。12年は、2年ぶりに世界1に返り咲きました。2013年も世界1が確実視されています。

 東日本大震災がなければ、今年をふくめて6年連続世界1になることは間違いないでしょう。これは、トヨタが世界1、ダントツの国際競争力を持っていることを証明しています。

 毎年、毎年、“テンプレートに沿ったような繰返し”の「国際競争力の強化」という言葉で、賃金を抑えようということは、そろそろやめてはどうでしょうか。今日2月28日は、第2回労使協議会です。
2013春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2013/02/28 08:56

◎賃上げが好循環に シリーズ「賃上げと安定雇用を」

出勤するトヨタ労働者 DSC_0016
(出勤するトヨタ社員ら。向こうは、トヨタ本社ビル)

 トヨタ自動車の13春闘は、あす28日に第2回労使協議会が開かれます。会社側は第1回労使協議会で、トヨタ労組が賃上げを要求していないにもかかわらず、「賃金を引き上げる要素は見当たらない」と全面否定。一時金については、「要求に応えることは到底困難」というかたくなな姿勢です。

 日本トップの1兆円利益をあげる企業が、このような姿勢でいいのでしょうか? 安倍首相も、“報酬”の引き上げを要請しています。賃上げすべきだという声がエコノミストからも多数上がっています。

 その一人、日本経済研究センター主任研究員・前田昌孝氏は、日本経済新聞電子版(2月13日)で、「日本経済、賃上げで好循環を起動させる局面」という論文を発表しています。

 このなかで、財務省の企業統計調査をもとに、「大企業の内部留保と賃金」の表を作成。「狭義の内部留保である利益剰余金が右肩上がりで伸びているのにもかかわらず、従業員1人当たりの賃金(賞与を含む)は2001年度の612万円を境に減少傾向となり、直近の2011年度は554万円になった」と指摘しています。

 表を見ると、大企業の内部留保は130兆円ほどにふくれあがっています。トヨタの利益剰余金(連結)は、約11兆円ですから、トヨタ1社でその1割ほどを占めます。トヨタが大企業の中でダントツであることがわかります。

 前田氏は、「産業界は発想を切り替え、賃上げを起点にして景気の好循環を引き起こすぐらいの戦略性を持ってもいいのではないか」と提起します。「賃上げから始まれば、一部は貯蓄されても、商品やサービスに対する需要も増える。企業は脱外需依存の余地が生まれるし、懐に余裕ができた消費者は輸入品も購入する。この結果、為替市場には円安圧力が加わり、企業にはさらなる賃上げの余裕ができる」と主張します。

表 賃上げで好循環に


 そして、「多くの企業が『賃上げは経営環境が好転してからだ』などと慎重になっていると、いつまでもこの好循環は始まらないかもしれない」といいます。

 この通りではないでしょうか。日本共産党は2月14日、「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」を発表しました。
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2013/02/2013214.html
 前田氏の主張とほぼ重なります。

 トヨタの第1回労使協議会で豊田章男社長は、「競争力の強化」をあげました。“賃上げは国際競争力をつけてからだ”という考えですが、“国際競争力論”は毎年、くり返していることです。前田氏のいうように、「慎重になっていると、いつまでもこの好循環は始まらない」ことになるでしょう。
2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/02/27 10:15

◎未来工業とトヨタを比較してみました シリーズ「賃上げと安定した雇用を」

 痛快でした。日経新聞のインタビュー、「未来工業」の創業者、山田昭男さん(81)。「社員を日本1幸せに」というタイトルで、2月12日から15日までの4回連載。何度も喝采とさけびました。日本に、こんな企業があるのか!

 電気設備資材の製造販売などをてがけ、名古屋証券取引所の2部上場会社。本社は、岐阜県輪之内町にあります。休日日数は年間138日。経済産業省が「日本1休日が多い」と折り紙を付けました。

 残業は、なんと禁止! このため年間総労働時間は、ドイツやフランス並みの1640時間。「午後5時には会社に誰もいなくなるから、がらーんとしとるよ。終業後に趣味に時間を使ったり、家族持ちは帰宅して家族そろって夕食を食べたり、社員みんな喜んどるよ」と山田さん。

未来工業 日経


 トヨタは、2011年度で年間総労働時間は1914・2時間、残業は199・6時間です。トヨタの労働者は、未来工業の労働者より、年間約270時間、月数では1カ月も多く働いていることになります。

 未来工業の定年は70歳。しかも、60歳をすぎたら賃金が半分程度になる、トヨタのSP(スキルド・パートナー)のようではなく、60歳の賃金を維持しています。「けちなこと言わ」ない(山田さん)といいます。

 未来工業の平均年間給与は、617万円(平均年齢43・7歳)です。65歳では700万円あるといいます。トヨタは、740万円(平均年齢38・3歳)ですが、残業代や交代手当などがふくまれています。

 未来工業の単体の従業員、776人は全員が正社員(連結では128人のパートがいる)です。

 ビックリするような労働条件なのに、1965年の創業以来、経営赤字はありません。売上高経常利益率は10%で、超優良企業だといいます。

40 未来工業とトヨタの比較


 この山田さん、「しんぶん赤旗」日曜版(2月24日号)の1面に登場しました。日本共産党が2月14日に発表した「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」の記事に対してです。

 山田さんは語ります。

 「今は大きな内部留保がある大企業までパートや派遣社員を使い、コストを下げる。人間をコスト扱いするなと言いたい。きちんと給料を払えば、社員はよく働くし、もらった給料を使うから製品も売れる。景気がよくなって会社も伸びるんです…」

 「日本共産党の言っていることは、まともだと思います。格差拡大を批判し、雇用の安定を求めるなら、自民党ではなく、共産党にもっと投票しろよ、と私は言っています」

未来工業 赤旗

2013春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2013/02/26 11:39

◎シリーズ「賃上げと安定した雇用を」 「じーっとしている(内部留保は)異常だ」

 国会で「内部留保」のバトルが起きています。仕掛けたのは、日本共産党。応じたのは、安倍総理や麻生副総理・財務相です。

 麻生「いまこれだけ(企業の)内部留保が厚くなったのだから、労働分配率を上げろというのは連合の仕事なんじゃないの」(2月22日)

 麻生「たまった内部留保が賃金や配当、設備投資に回らず、じーっとしている(今の)状態は異常だ」(20日、日本共産党の大門実紀史参院議員の質問に対する答弁)

 口火を切ったのは、1月31日の志位和夫委員長の衆院代表質問です。安倍首相のデフレ経済脱却策「3本の矢」を批判し、「働く人の所得が減り続けてきたことが、デフレ不況の最大の原因」と指摘。「大企業の内部留保は不況下でも増え続け、260兆円にものぼっており、そのごく一部を還元しただけで賃上げは可能です」と主張しました。

 続いて笠井亮衆院議員が衆院予算員会で2月8日、内部留保について、「大企業のなかに手をつっこんでお金を取り出して国民のために使えと言っているのではなくて、それぞれの会社が自ら雇っている労働者や下請けの給料が上がるために使うように、政治がルールつくろうということを提起しているんです」とのべました。

 安倍首相は、笠井議員の質問に対し、「経営者に要請する」と答弁したのです。これを受けて2月12日、安倍首相は日本経団連の米倉弘昌会長ら財界トップに、「業績が改善している企業は報酬引き上げなどを検討していただきたい」と要請しました。

内部留保日本1
(内部留保日本1のトヨタ自動車の本社)

 先に紹介したように、麻生副総理は「たまった内部留保が賃金や配当、設備投資に回らず、じーっとしている(今の)状態は異常だ」といいます。

 トヨタでは(2012年3月期決算)―。
 内部留保    14兆円(連結)
 給料および手当 1294億円(単独)
 株配当金総額  1577億円(単独)
 設備投資    7067億円
 研究開発費   7798億円

 日本1の内部留保は、「じーっとしている」のでしょうか? そうだとすれば、「異常」ですね。トヨタの13春闘、頑張りましょう!



2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/02/23 10:26

◎1兆円利益でも 一時金4カ月?

 トヨタ自動車の13春闘。2月13日、第1回労使協議会が開かれました。トヨタ労組の要求は、賃上げは4年連続で求めず、定昇にあたる「賃金制度維持分」と年間一時金205万円(昨年の妥結額は178万円)です。

 安倍首相が、デフレ不況の克服のために日本経団連など財界に“報酬”の引き上げを要請するという異例の展開になった13春闘。しかし、トヨタは3月期決算で、日本1の1兆1500億円(連結)、1500億円(単体)の営業利益をあげる見通しなのに、賃上げはなし。これで5年連続ベアゼロという、こちらも異例の事態です。

 トヨタ労組の評議会ニュースによると、労使協議会で豊田章男社長は、2008年のリーマン・ショック時の赤字、世界的なリコール問題、東日本大震災時の生産ストップなどのために、トヨタは「『とにかく出血を止め、大けがした体を治療すること』に追われてきた。大けがからようやく回復しつつある」とのべました。

 その上で、「持続的成長の実現」と「真の競争力の強化」について、「労使で理解を深め合い、議論を進めて行きたい」と語りました。2011年は、2年ぶりに世界1になり、世界1の競争力を持ちながら、さらに競争力の強化を労組に求めました。

 この後の論議では、会社側から、労組が賃上げを求めていないのにもかかわらず、「賃金を引き上げる要素は見当たらない」「賃金の引き上げが、万が一にも競争力の低下を招き、雇用に影響を与えることのないよう、慎重な上にも慎重に判断しなければならない」と強い調子で賃上げを否定しました。

 さらに一時金については、「4カ月程度が適当」とのべたり、「本年の要求に応えることは到底困難であるといわざるを得ない」(小沢哲副社長)と、労組の最低限の要求さえしりぞけました。

 第2回労使協議会は、2月28日。回答は3月13日です。

トヨタ本社と社員
(出勤するトヨタ社員らとトヨタ本社ビル)
2013春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2013/02/22 09:08

◎春闘でみんなを笑顔にして! 豊田会長の会見から

 今年の春闘は、安倍晋三首相が日本経団連など財界に、労働者の“報酬”の引き上げを要請するという、異例の展開のなかで労使交渉が始まります。

 トヨタ自動車社長であり、日本自動車工業会の豊田章男会長は2月15日の記者会見で、記者から安倍首相の要請など春闘について問われ、次のように答えました。

 「春の労使交渉では、まず各企業労使が取り巻く環境や課題について認識を共有することが大切である。そのうえで、各社の経営状況を踏まえて真摯に議論を重ね、決定していくものである」

 「これから議論がスタートするが、労使の立場の違いこそあれ、日本のものづくり、日本の将来の笑顔のために、建設的な議論が深まることを期待する」

 具体的なことにはふれていませんが、労使が自動車産業の環境や課題の「認識を共有する」ことが大切だと語っています。「認識を共有」するというのは、トヨタの「労使宣言」路線からくるものです。

出勤する社員 テクニカルセンターで
(出勤するトヨタ労働者=テクニカルセンター前で。右の時計塔の下に「労使宣言」碑があります)

 トヨタ労組が13日に会社に提出した要求は、賃上げは4年連続で見送り、定昇にあたる「賃金制度維持分」と年間一時金205万円(昨年の妥結額は178万円)です。

 トヨタの3月期決算見込みでは、営業利益は連結で前期の3556億円から1兆1500億円へ、単独では前期の4398億円の赤字から1500億円の黒字へと大幅に増えます。単独の営業黒字は円安などで5年ぶりです。

 それだけに職場からは、「なぜ、賃上げを見送るのか?」などといった意見がでています。

 豊田社長の2010年の収入は、トヨタ株の配当をふくめ約3億4000万円といわれています(『週刊金曜日』2012年6月1日号)。トヨタの組合員6万3000人に、仮に1000円賃上げしても7億5600万円です。

 豊田社長が「日本の将来の笑顔のために」というならば、まずは13春闘で組合員のみんなが笑顔になるようにしていただきたいものです。

2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/02/17 09:09

◎「働くみなさんへのアピール」 賃上げと安定した雇用拡大へ日本共産党 

 「賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」―と日本共産党は2月14日、「働くみなさんへのアピール」を発表しました。

 アピールは、デフレ不況が続く日本社会と経済を立て直すには、労働者の賃上げと安定した雇用の拡大がもっとも有効な道であること、そのためには、労働組合の違いを超えて、対話と共同をすすめようとよびかけています。

働くみなさんへ
(「しんぶん「赤旗」 2月15日付)

 アピールによると―。日本の賃金は、1997年をピークに年収で70万円も減っています。これを欧米と比べてみると、1997年を100とすると日本は87・8へと減り、反対にイギリスは189・9、アメリカは177・8、フランスは163・1へと大幅に増えています。

 最低賃金は、日本の時給は全国平均で749円に対し、購買力平価で比較すると、フランス1084円、イギリス928円、アメリカ753円…と日本は先進国で最低です。

 非正規雇用は、日本が35・5%、ドイツ14・5%、イギリス5・7%と日本が突出して多くなっています。

 一方で、大企業がこの10年間に内部留保を100兆円も積み増しし、260兆円にもなっていること。エコノミストから「企業内部の余剰資金を動かすべきだ」と指摘されていること。国会で、麻生太郎副総理が、「(賃上げ)できる条件に企業があることはたしかだ」と答弁していること。

 異常な日本の事態、デフレ不況をストップさせるには、内部留保の1%を使えばほとんどの大企業で賃上げが実現できるとしています。トヨタ自動車でいえば、13兆円の内部留保(連結ベース)があり、約23万人(連結ベース)の労働者に1万円の賃上げをするには、内部留保の0・2%で可能だという試算を明らかにしています。

 また、連合が「1%の賃上げ」をかかげていることなどをあげ、「賃上げの“1点共闘”を広げよう」(志位和夫委員長)と語っています。

トヨタ総行動5 2013
(出勤するトヨタの社員。右のビルはトヨタ本社)

 トヨタ労働者の話 「『働くみなさんへのアピール』を読み、“この通りだ”と納得しました。ブログ『トヨタでいきる』で読みましたが、トヨタは、株主には中間配当で、5割アップの回答をしました。総額950億円です。トヨタ労組(連合加盟)が2008春闘で獲得した賃上げは1000円です。その賃上げを実現するには約7億円があれば可能だといっていますよ」

 「トヨタではこの4年間、賃上げはありませんでした。だから、みんな残業をしたいといっています。3月期の決算見込みは、連結で1兆1500億円、単独で1500億円の営業利益です。すごいですね。これだけあれば内部留保を使うまでもなく、十分賃上げできるでしょう。残念ですが、組合は2月13日に賃上げを見送った要求を会社に提出しました。一時金要求の205万円(年間)の満額獲得は譲れません。『アピール』でみんなと話し合いたいですね」
2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/02/15 11:57

◎安倍首相が財界トップに報酬引き上げを要請

 安倍晋三首相は2月12日、日本経団連の米倉弘昌会長をはじめ、日本商工会議所、経済同友会の財界3団体トップと会談し、「業績が改善している企業は報酬引き上げなどを検討していただきたい」と要請しました。

 会談は、「デフレ脱却に向けた経済界との意見懇談会」という名目で開かれたもの。日本共産党の笠井亮衆院議員は8日の衆院予算委員会で、日本経団連が経営労働委員会報告で“賃下げ宣言”していることについて批判。「財界の姿勢はおかしいとおもわないか」と追及しました。安倍首相は、財界に「賃上げや一時金が増えるよう要請を行っていきたい」と答弁していました。

 しかし、この日の要請では「賃上げ」ではなく、一時金などをふくむ「報酬」としました。連合系の大手労組が、軒並み賃上げを要求せず、一時金だけにしていることについて配慮したものとみられます。

 トヨタ労組は、今日13日に会社に要求を提出します。賃上げ要求は4年連続で見送り、定昇分にあたる「賃金制度維持分」と年間一時金として組合員1人平均205万円(昨年の獲得額は178万円)を要求します。

 トヨタは3月期決算では、営業利益は連結で前期の3556億円から1兆1500億円へ、単独では前期の4398億円の赤字から1500億円の黒字へと大幅に「業績が改善」(安倍首相)する見通しです。単独の営業黒字は円安などで5年ぶりです。

首相が報酬引き上げ要請
(新聞各紙は、安倍首相の財界への要請を報道しています)
2013春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/02/13 09:58

◎1000人がトヨタ総行動 1兆円利益を賃上げ、下請け単価切り上げに 

トヨタ総行動1 2013
(トヨタ本社前で訴え=午前8時)

 日本の賃上げに大きな影響をあたえるトヨタ自動車。祝日の日にもかかわらず、2月11日、トヨタは出勤日です。毎年この日、トヨタ総行動がトヨタ本社のある愛知県豊田市で開かれています。今年で34回目。愛知県労働組合総連合などでつくる実行委員会が主催したものです。

 トヨタは、この3月期決算で、日本最高の1兆1500億円の営業利益(連結)をあげる見通しです。トヨタ単体でも、円安になったことなどから5年ぶりに営業黒字(1500億円)になります。

 安倍晋三首相は、日本共産党の笠井亮衆院議員の質問にこたえ、あす12日に日本経団連幹部などと会って、デフレ不況克服のために、賃金、一時金のアップを要請するとのべました。トヨタは、これに応えるのでしょうか。

トヨタ総行動2 2013
(出勤する技術労働者ら=午前8時30分)

 実行委員会は、この日、早朝からトヨタ本社前や、同名古屋本社前などでためこんだ14兆円の内部留保を労働者、下請けに還流せよと宣伝カーから訴え、出勤する労働者にビラを配布しました。会社は、「ゴミ箱」を用意し、「不要物を捨てるように」といってビラ配布を妨害しました。

 午後1時からは豊田市内の山之手公園で約1000人が参加して決起集会。福井県などの労働者もかけつけました。

 槫佐一松実行委員長(愛労連議長)は、「この15年、トヨタは1、2兆の利益をあげているのに、労働者の賃金は下がり続けている。賃上げとともに、円安でバーゲンセールをするように、トヨタにも下請け単価切り上げのセールをやってもらわなければならない」と訴えました。

トヨタ総行動4 2013
(山之手公園で集会=午後1時30分)

 全国労働組合総連合の大黒作治議長や業者らがあいさつ。トヨタの労働者は、「トヨタは世界に進出し、世界1になった。賃金は、まわりよりよいなどといってトヨタ労組は4年連続賃上げを要求していない。トヨタの労働者の賃金が上がないと中小企業の労働者も上がらない。全国の労働者と連帯して頑張りたい」と訴えると、共感の大きな拍手と歓声が起きました。

 集会後、トヨタ本社までデモ行進しました。豊田市では、デモ行進がほとんどなく、沿道沿いの人やトヨタ本社ビルからも社員が、デモ行進の様子を見る姿がありました。

トヨタ総行動3 2013
(トヨタ本社前をデモ行進=午後2時37分)

2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/02/11 18:17

◎株主配当は増配、労働者は賃上げなし?

 トヨタ自動車は、2013年3月期決算で、トヨタ単体で5年ぶりに営業黒字になります。その額は1500億円の見通しです。連結営業利益は、実に1兆1500億円といいます。すでに株主への中間配当は増やしており、5年ぶりの賃上げは十分可能です。

 この見通しは、2月5日の第3四半期決算発表で明らかになったもの。中日新聞が1面トップで伝えるなど、新聞、テレビが大々的に報道しました。

 模式図を見てください。こうした利益は、私たち労働者が研究・開発・生産・販売で、毎日、毎日、懸命に働いてきた成果です。QCサークルや創意くふう提案など原価低減活動もあります。その額は、900億円(連結)にもなっています。

 こうした利益を、私たち労働者に賃金や一時金などで還元するのは当然でしょう。たとえば、賃上げを仮に1000円として、その12カ月分に組合員数の6万3000人を掛けると、わずか7億5600万円です。

99 2トヨタ 賃上げ 株配当

 一方、株主配当はどうでしょうか? トヨタは、すでに中間配当として1株30円を決めています。総額は950億円です。前期の2012年3月期の中間配当が20円でしたから、5割増しという大盤振る舞いです。

 仮に年間配当が60円とすると、年間配当総額は約1900億円にもなります。前期の年間配当総額が1577億円でしたから、400億円近くも増えることになります。

 しかも、株の配当先は、日本国内の金融機関や法人が52%、外国法人が26%を占め、個人・その他は22%にすぎません。4分の3以上が大企業に渡ってしまうのです。

 トヨタ労組は、今日8日に評議会を開き、執行部が提案した▽賃上げは求めず、いわゆる定昇にあたる「賃金制度維持分」を要求する、▽一時金は、組合員1人平均年間205万円(昨年の獲得額は178万円)を要求する――について議論し、決定します。

 一時金は、1回限りのものですが、賃上げは残業の割り増し代や退職金などに影響します。前回賃上げを獲得したのは、2008年春闘の1000円です。5年ぶりの単独営業黒字、配当金の増配…私たちの賃上げも5年ぶりに実現することは、十分可能ではないでしょうか。
2013春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2013/02/08 11:19

◎「安倍首相は賃上げに動くべきだ」 富士通総研の研究者

 富士通総研の根津利三郎エグゼグティブ・フェローが安倍首相は、「賃上げに動くべきだ」との長文のコラムを、同総研のホームページに発表し、話題になっています。

 http://jp.fujitsu.com/group/fri/column/opinion/201301/2013-1-6.html

 根津氏は2011年春闘にあたって、トヨタ労組の上部団体の連合の春闘討論集会で、「毎年、4%程度の賃上げが必要」と講演し、労働界に衝撃をあたえた研究者です。(ブログ「トヨタで生きる」(2011年1月4日アップ)を参照)。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-116.html

クラウン
(トヨタのクラウン)

 根津氏はコラムで、安倍首相が1回目の首相当時の2007年参院選挙で大敗した原因について、「国民は企業サイドの好景気を一方で耳にしながら、自分たちの生活が一向に良くならないことに不満を感じ始めていた」からだと指摘しています。

 根津氏は、当時、「戦後最長の景気回復の期間を通じて、賃金は下落し続けた」と指摘。これは、企業がバブル期の不良資産の整理に必死で、「設備投資は抑え、正規職員を非正規に置き換え、賃金コストの圧縮に邁進した。拡大した企業収益は借金の返済に回され、あるいは内部に溜め込まれた。これでは需要は盛り上がるはずがない。それでも成長できたのは外需が堅調だからだ」と分析しています。

 そして根津氏は、日本が長期のデフレに悩まされているのは、「日本だけが傾向的に賃金が下落し続けているからである」と強調。アベノミクスのように、「いくら金融政策を緩和しても賃金が上昇しなければ、デフレ脱却はできない」とのべています。

トヨタの技術労働者ら
(出勤するトヨタの技術者ら=愛環鉄道の三河豊田駅)

 その上で、「日本のGDP473兆円のうち賃金は52%の245兆円である。仮にこれを4%引き上げるとすれば、10兆円必要になる。他方、企業が保有している現金・預金は215兆円だ。米国と比較しても、この数字は異常に大きい」と指摘しています。

 根津氏は、2008年に福田内閣が御手洗経団連会長に「賃上げ要請」を行ったように、安倍首相は賃上げに動くべきだ、と主張しています。根津氏のように、賃上げ4%をトヨタ自動車に当てはめると次のようになります。

 EX級、技能4等級、技能職の賃金は34万7130円ですから、1万3885円になります。

 あなたはどう思いますか?
2013春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2013/02/07 11:31

◎13春闘 「労組の役割」「政治の責任」

 長引くデフレ不況のもとで迎えた2013春闘。労働組合の役割と政治の責任とは、何でしょうか?

 デフレ不況―トヨタ労組の上部団体、連合の古賀伸明会長は、新聞、テレビなどのインタビューに、こう答えています。

 「デフレ経済からの脱却は、春闘の交渉結果も大きなカギを握る」

 賃上げで内需を拡大し、デフレ不況にストップをかけようというものです。いまや労働組合の違いを超えて、こうした考えは大きな流れになっています。一方、安倍晋三首相は、デフレ不況に対し無制限の金融緩和をすすめ、「2%の物価上昇目標」を持つという立場です。

 こうした安倍首相に真っ向から批判したのが、日本共産党の志位和夫委員長・衆院議員です。1月31日の衆院代表質問で、1997年を100として、企業の経常利益は163にまで増えたのに、労働者の所得・雇用者報酬は88に落ち込んでいると指摘しました。

利益と賃金


 この十数年の賃金下げとリストラのくり返しで、「働く人の所得を減らし続けてきた、このことにこそ、デフレ不況の最大の原因がある」とのべました。

 日本経団連は、賃上げの拒否どころか、「定期昇給の延期・凍結」も宣言し、電機・情報産業の13万人リストラなどをおこなっている時、政府は日本経団連にその中止を強く要請し、政治の責任でストップをかけるべきだと迫りました。

 その上で、物価の上昇目標ではなく、「“賃上げ目標”こそ持つべきだ」と迫りました。

 トヨタ労組は、同じ31日の評議会で、4年連続して賃上げを求めない執行部案を提案しました。トヨタは、13年3月期決算で1兆円以上の営業利益をあげる見通しです。世界1の自動車メーカーに返り咲きました。

 連合も1%を目安に賃金を引き上げる方針をかかげています。世界1の自動車メーカーの労組の役割は、賃金など労働条件のいっそうの向上とともに他の企業の底上げのために奮闘することではないでしょうか。

 トヨタ労組の今回の執行部案について、あなたはどう思いますか? 2月8日に開催される評議会では、執行部案を議論し、決定することになっています。

志位代表質問 20130131
(代表質問する日本共産党の志位和夫委員長・衆院議員=1月31日)
2013春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/02/03 11:08

◎もう一度考えてみませんか? 5年連続賃上げなし

 「この先、春闘でベアという言葉は無くなるのではないかなぁ」
 「業績は一時金に反映してくれればいいよ」

 これは、ブログ「トヨタで生きる」に寄せられたトヨタの春闘へのコメントです。その通りですね。この11年間、トヨタの春闘で賃上げがあったのは、2006、07、08年の各1000円、合わせて3000円だけという寂しさだからです。

 1兆円、2兆円利益でも…組合員があきらめの気持ちになるのは、当然でしょう。しかし、これでいいのでしょうか? もう1回考えてみませんか!

3000円


              ◇

 トヨタ自動車労組は1月31日、評議会を開き、2013年春闘の執行部案を提案しました。賃上げは要求せず、年齢ごとに賃金が上がる定期昇給分=「賃金制度維持分」だけを求めるというものです。

 トヨタ労組が賃上げを要求しないのは、2010年、11年、12年に続いて4年連続です。09年は4000円を要求してゼロ回答でしたから、今回要求しないと5年連続して賃上げがないことになります。

 一方、年間一時金は「基準内賃金+30万円」=組合員平均205万円を要求するとしています。要求額が200万円を超えるのは、2008年(獲得額253万円)以来、5年ぶり。昨年の獲得額は178万円でした。

 トヨタの業績は、昨年11月に発表した13年3月期決算見通しでは、連結で営業利益が1兆500億円。単独で200億円の営業赤字です。しかし、このところの円安で営業利益は大幅に上積みされる見通しです。

 単独決算では、200億円の赤字といいますが、前期の4398億円の赤字から大幅に改善します。さらに円安で、赤字から黒字になる可能性があります。経常利益は、前期の230億円から5700億円とこれも大幅に改善する見通しです。

頑張り 堤工場

 リーマン・ショックから完全に立ち直り、世界1の座をふたたび手にしたトヨタ。仮に1000円の賃上げを要求してもごくわずかです。

 1000円×12カ月×63000人(組合員数)=7億5600万円

 株主配当金の総額(2012年3月決算)=1577億円

 企業は、株主だけのものではなく、従業員(労働者)や関連・下請け、顧客、地域社会というステークホルダーからなっています。これは、「トヨタ行動指針」でもうたっています。

 一時金は、あくまでも1回限りのものです。賃上げは、残業の割り増し分、退職金など、賃金のあらゆるものに影響します。私たちは、トヨタを世界1の自動車会社にするために頑張ってきたのです。声をあげてみませんか。

2013春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2013/02/01 10:35

◎1兆円利益でも5年連続ベアなし?

 トヨタ労組の2013春闘の要求案が、1月31日に開催予定の評議会で、執行部から提案されます。中日新聞は29日付で、「トヨタ労組 ベア見送り方針」との記事を出しました。

 仮に、同記事があたっているとするならば、2009年から5年連続してトヨタの組合員はベア=賃上げがないことになります。トヨタは今年3月期決算で、1兆500億円の営業利益を見込んでいます。このところの円安で、さらに利益が増大します。

 1兆円利益があっても、ベアを要求せず、年齢が上がるごとに賃金が増える定昇=「賃金制度維持分(自動車総連は“賃金カーブ”と表現)」だけでいいのでしょうか?

 昨日(29日)、トヨタ労組の上部団体の連合の古賀伸明会長と日本経団連の米倉弘昌会長が春闘をめぐって会談しました。古賀会長は、「デフレ経済からの脱却は、春闘の交渉結果も大きなカギを握る」とのべ、定昇とともに賃金を1%を目安に引き上げるよう求めました。

 デフレ経済からの脱却は、いまや大きな政治問題です。連合は、日本の労働者の賃金は1997年をピークに下がり続け、2011年と比較すると、厚生労働省の毎月勤労統計では、一般労働者で4・1%減になっていると指摘しています。

 賃金がダウン→物を買わない→生産は落ちる→物価は下がる…この悪循環をこの10数年くり返しているのです。トヨタがふたたび1兆円の利益を出すこの時にこそ、賃上げを要求するのは当然ではないでしょうか?

中日新聞 ベア見送り
(中日新聞)

 しかもトヨタは、2012年の世界販売でGMやVWを上回って2年ぶりに世界1になりました。2008年、09年、10年と3年連続世界1でした。2011年は、東日本大震災で生産が激減するという状況がありましたが、実質的には5年連続世界1といえるでしょう。

 いまや世界1の国際競争力を持ったトヨタ。このトヨタをここまで大きくしたのは、車の設計から生産、販売にいたるまで組合員の頑張りがあったからではないでしょうか。

 「世界1になったのだから、トヨタの賃金も世界1に」という声が上がるくらいです。そこまでいかなくても、この4年間はベアゼロです。今年くらいは要求してこそ、組合員の頑張りに答えるというものではないでしようか。

プリウス 201301
(プリウス)

 プリウスを生産している堤工場では、エコカー補助金が終了し、昨年秋は残業がゼロでした。家のローン、子どもの教育費、老後のたくわえ…多くの組合員は残業をあてにして生活設計してきました。

 この上賃上げがなくなり、残業がゼロになるようなら、生活設計が狂ってしまいます。組合は、組合員の頑張ってきた気持をくみ上げ、組合員が納得できるような春闘方針案を示してほしいと思います。

             ◆
 《訂正》1月27日アップの「真冬の1直の朝はつらいよ! プリさんの職場日記」で、ブログ管理人のミスで、起床時間や家からの出発時間、工場の駐車場から門に向かう時間などが30分繰り下がっていました。正しくは、30分繰り上がります。記事はすでに訂正しています。申し訳ありませんでした。
2013春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2013/01/30 17:49
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