◎4年連続ベアゼロ これでよかったのか?

 トヨタ自動車の2012春闘は、3月14日に会社が回答して終わりました。労組は賃上げ(ベア)を要求せず、定期昇給に当たる「賃金制度維持分」の確保と一時金の5カ月+3万円(組合員平均年間178万円=前年より3万円減)を要求。会社は、労組の要求通りに回答しました。

 2009春闘で労組は、4000円を要求してベアゼロ。10、11、12年春闘では、労組は要求しませんでした。これで4年連続ベアゼロになります。2002~05年までの4年連続ベアゼロに続くものです。この11年間で、ベアは3回、合わせて3000円にすぎません。

 トヨタ労組の上部団体の連合は、2012春闘方針で、「内需を拡大し、日本経済を縮小均衡、デフレから早期に脱却し、持続可能な成長をめざす」との大義をかかげ、「1%を目安に配分を求め、労働条件の復元・格差是正に向けた取り組みをすすめる」としていました。

 1997年と2010年の労働者の賃金を比較すると、4%減になっているからです(厚労省の毎月勤労統計調査)。

 連合の方針からいっても、トヨタの春闘結果は納得できるものでしょうか? 4年連続ベアゼロで内需拡大はいっそう遠のき、日本経済は縮小均衡にすすむでしょう。自動車の国内販売も縮小均衡になりかねません。

 トヨタの労使協議会で、豊田章男社長が「国内生産300万台の維持と雇用を守る」とのべてもむなしく聞こえるのではないでしょうか。

 春闘回答日の労使協議会(14日)で、豊田社長は春闘の労使交渉間の2月24日にトヨタの「労使宣言」50周年を迎えたことから、「労使宣言」の柱を1つひとつあげ、「誇りうる貴重な財産」と絶賛しました(労組のニュースから)。

 労組も、「労使宣言」でうたわれているのは、労使が対等の立場で、互いに相手の立場を尊重することなどであり、トヨタ労使の誇るべき考えであると強調しています。その上で、「企業の繁栄のため会社諸施策に積極的に協力する」との「宣言」の教えを守り続けていく覚悟とのべました。

 はたしてそうでしょうか。労働省編著の『解釈通覧労働基準法』は次のようにのべています。

 「弱者の立場にある労働者にとって、使用者と対等な立場をとることはできず、事実上使用者が一方的に決定する労働条件にしたがって契約を結ばざるを得ないことになり、結果的には、長時間労働、低賃金その他過酷な労働条件の下において、その存在をも脅かされる状態におかれる」

 実際、労使協議会でプリウスを生産している堤工場の支部長は、大震災による減産のばん回に追われ、作業の辛さに耐えきれなくなった期間従業員が次々と職場を去っていったとのべました。

 このため、GL(グループリーダー)のライン入りが常態化し、職場労働者の疲労は限界に達し、「極限状態」だったと指摘しました。さらに会社から残業増をいわれた時は、「職場の体制が崩壊する」との懸念を持ったとのべました。

 今年の春闘の結果は、「労使宣言」そのものが問われるのではないでしょうか?

40  99 トヨタの賃上げと営業利益の推移
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2012春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2012/03/17 13:39

◎春闘 マスコミ回答でトヨタ一時金満額

 2012春闘は3月14日、トヨタ自動車などが金属労協(JC)に加盟する労組にいっせいに回答します。その前日の13日夕方には、マスコミがいっせいにトヨタの回答を報道しました。

 いわゆる“マスコミ回答”で、トヨタは労組が要求した、定昇分に相当する「賃金制度維持分」を認め、一時金要求(5カ月+3万円)についてはも満額回答するというものです。

 トヨタ労組は、賃上げ(ベア)要求は3年連続して見送っています。賃金制度維持分について日本経団連は、「延期・凍結」もありうるなどと脅していましたが、維持して当たり前のものです。

 一時金の満額回答といっても、要求額は昨年の妥結額約181万円(年間、組合員平均)を3万円も下回る約178万円程度です。満額は、当然すぎるものです。

 この1年、トヨタ労組の組合員は、東日本大震災やタイ洪水による減産を取り戻すために、土曜日の振替出勤や残業増、ラインタクトアップ、夏の土日出勤・木金休みなど「限界状態」(労組)で働いてきました。これに報いるのは当たり前といえます。

             ◆

 トヨタでは、これで4年連続して賃上げがありません。内部留保日本1のトヨタに続け、とばかりに、他の大企業も4年連続して賃上げがない状態です。三菱重工やIHIなど造船・重機の労組は、4年ぶりに3000円の賃上げをめざしましたが、ゼロ回答でした。

 一時金では、多くの企業で前年割れになっています。日産自動車は5・3カ月(前年5・5カ月)、日立製作所5・28カ月(同、5・3カ月)、三菱電機5・67カ月(同、5・74カ月)などです。


満額は当然
(トヨタ労働者)

JC回答
(JC本部のホワイトボードに回答を書き入れる職員=NHKニュースから)
2012春闘 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2012/03/14 08:38

◎明日、春闘回答日 満額回答は譲れない


 2012春闘は、明日14日(水)がトヨタ自動車労組など金属労協(JC)に加盟する自動車、電機、鉄鋼などの労組への集中回答日です。

 トヨタ労組は、賃上げは要求せず、定昇に相当する賃金制度維持分と一時金要求(5カ月+3万円)です。この間、各工場門前で職場委員らがかけあいコールをしています。

 「賃金制度維持分の責務を果たしているぞ!」
 「一時金要求では、5カ月に込めた思いを主張します!」
 「ガンバロー!」

 前回、3月7日の第3回労使協議会では、大震災以降、組合員は「極限状態」にいたるまで働いている実態を豊田章男社長らに主張しました。労組のニュースによると、ある3交代の職場では、土曜日の2直は、残業をふくめると帰宅は日曜日の午前2時になり、その日はただ体を休めるだけで、月曜日の朝5時にはもう出勤していると指摘。「家族の話も聞いてやれない日が続く」と社長らに訴えました。

 会社は、それでも「慎重に判断していきたい」「要求に応えることは大変難しい」などという姿勢です。

 賃上げはもう3年もありません。賃金制度維持分を回答するのは当然でしょう。一時金は、満額でも昨年より4万円ダウンします。会社は、「単独決算で赤字」をくり返しますが、ため込んできた内部留保は13兆円もあります。そのほんの一部分をはきだすだけで、ささやかな要求に応えることができます。

 賃金制度維持分と一時金の満額めざし、「ガンバロー!」

満額をとトヨタ労働者
(一時金の満額回答はトヨタ労働者の願いです)
2012春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/03/13 13:38

◎「極限状態」で働いてきた 第3回労使協で労組

 トヨタ自動車の2012年春闘は山場を迎えています。3月7日に第3回労使協議会が開かれました。会社側は、労組の一時金要求(5カ月+3万円)に、「応えることは大変難しい」と、まったく態度を変えよとしていません。

 一方、ホンダでは前年を0・9カ月下回る5・0カ月の組合要求に、会社側は3月14日の回答指定日を待たず、満額回答しました。

 この日のトヨタの労使協は、組合ニュースによると、堤工場、本社工場の2人の支部長が主張。プリウスを生産している堤工場の支部長は、大震災による減産のばん回に追われ、作業の辛さに耐えきれなくなった期間従業員が次々と職場を去っていったとのべました。

 このため、GL(グループリーダー)のライン入りが常態化し、職場労働者の疲労は限界に達し、「極限状態」だったと指摘しました。さらに会社から残業増をいわれた時は、「職場の体制が崩壊する」との懸念を持ったとのべました。

 (堤工場では昨年夏、大震災の生産挽回のために、▽ラインタクトを84秒から57秒に短縮する、▽大震災による稼働中止分を土曜日の1直へ振替出勤する、▽1、2直の「直間」を20分間拡大し、残業を両直で2時間30分にする、▽夏の電力節電のために、木金休み、土日出勤にする――など、「極限状態」の生産体制がつくられました。)

 これを聞いた豊田章男社長は、「組合員のみなさんの熱い思いとひたむきな努力は『石にかじりついても国内生産300万台を守り抜きたい』という私の思いそのものであり、大変心強く感じた」とのべました。

 その上で豊田社長は、一時金について「誤りのない判断をしていかねばならない」とのべました。

 次回の第4回労使協は、3月14日(水)で、会社が労組の春闘要求にたいする回答を示します。

堤工場労働者
(「極限状態」で働いてきた堤工場の労働者)
2012春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/03/10 09:33

◎春闘・第2回労使協 依然としてかたくなな会社

 トヨタ自動車の2012春闘は、3月1日に第2回労使協議会が開かれました。組合ニュースによると、賃金、一時金とも、会社は依然としてかたくなな態度をとり、自制的な組合要求にも応えようとしていません。

 組合側は、超円高のもとで日本の製造業の人件費はドルベースで見ると、アメリカや韓国と比べ高い水準であり、トヨタの競争力を落ちていることは理解しているとのべました。

 その上で、日本のモノづくりの強みは改善力、人材育成力などにあるとして、たとえば改善力では、「一つひとつの工程において、無駄な動きが無いかを突き詰め、1動作、1秒に拘(こだわ)り続けている」と主張。こうした事がトヨタの競争力の向上につながっているとしています。

 また、「一時金は年間賃金の一部、生活の原資」とのべました。

 会社側の小沢哲副社長は、組合が要求している「賃金制度維持分」については、「従来にも増して難しくなっている」「慎重に判断しなければならない」とのべ、これまでの姿勢を崩そうとはしません。

 一時金についても、「5カ月を超える要求に応えることは大変困難」などとのべるなどかたくなな姿勢です。

 次回の第3回労使協議会は、3月7日(水)です。

春闘 トヨタの労働者
(会社は、労働者の期待にこたえるのか?)
2012春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/03/06 10:06

◎シリーズ「経労委報告」批判 非正規労働者の改善は「不適当」

 日本経団連は、2012年版の「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)で、非正規労働者の時給引き上げなどは「不適当」とのべ、劣悪な労働条件を改善しようとはしません。

 経労委報告では、連合が「非正規労働者の時給の引き上げや一時金の支給、通勤費・駐車料金、慶弔休暇など福利厚生全般にかんする取り組みを、重点項目と位置付けている」ことについて、次のように批判しています。

 「すべての従業員の総額人件費の問題としてとらえる視点が大前提であり、非正規労働者の処遇だけを取り上げて改善を図ることは、雇用の減少をまねきかねず不適当と考える」

 いまや非正規労働者は、労働者全体の35・2%、1733万人にもなっています。その多くが年収200万円に満たないワーキングプアです。労働者をコストの面だけでとらえ、非正規労働者を増やし続けてきたのが日本経団連です。

 連合は、2008年のリーマン・ショック時の派遣切り、期間工切りにたたかえませんでした。トヨタの6000人以上の期間従業員切りにも、労組は会社に抗議し、撤回を要求したのでしょうか?

 そうしたなかで連合は、春闘ではまがりなりにも、非正規労働者の時給の引き上げなどをかかげるようになっています。経労委報告は、それにさえ耳を貸そうとはしません。非正規労働者の労働条件を改善するのは、「雇用の減少」をまねくというのです。

 低賃金で、いつでも雇用の調整弁になる非正規労働者を大量にかかえておきたいとうのが本音です。こうした経団連の横暴を許さないためにも、トヨタの期間従業員の正社員化を、労組は労使協議会で強く要求することが必要でしょう。

けいろうい③
(バスで出退勤するトヨタの期間従業員)
2012春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/03/05 07:48

◎シリーズ「経労委報告」批判 いいたい放題 賃上げ「論外」、定昇「延期・凍結」

 日本経団連は、2012年版の「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)で、「ベースアップの実施は論外」とか、「定期昇給の延期・凍結も含め、厳しい交渉を行わざるを得ない可能性も出てこよう」などと、いいたい放題です。

 経労委報告では、トヨタ労組の上部団体の連合が、「昨年に引き続き『1%を目安に賃金を含め、適正な配分』を要求しているのは、企業の危機的な経営環境に対する認識が甘い」と批判しています。

 連合は、経団連からなめられているのではないでしょうか。連合は、ナショナルセンターとして統一的な賃上げ要求を示さず、「1%を目安に賃金を含め、適正な配分」というような事をかかげているからです。

 このため、獲得して当たり前の定昇にまで踏み込まれ、「延期・凍結」まで迫られています。トヨタ労組は、3年連続で賃上げは要求しませんでした。定期昇給に相当する「賃金制度維持分」を実施する要求だけです。

 トヨタの春闘の労使協議会では、その「賃金制度維持分」さえ、会社側は「極めて慎重な判断が必要」とのべています。「賃金制度維持分」とは、1人ひとりの労働者が1歳年上の労働者の賃金に追いつくだけです。定年退職者の賃金はなくなるわけですから、トヨタの総額人件費は変わりません。

 「賃金制度維持分」を実施しなければ、総額人件費は減ることになります。経労委報告が主張するような定昇「延期・凍結」は、余りにも身勝手な言い分です。

 こんなことがまかり通れば、事実上の賃下げになり、労働者の購買意欲は委縮し、内需拡大に向かわないでしょう。そうなればトヨタの車も売れなくなります。売れなければ、利益が減り、さらに賃下げに向かう…悪魔のサイクルです。

 経労委報告のいう、賃上げ「論外」、定昇「延期・凍結」は、冷え切った日本経済をさらに冷やすものです。今冬は、四半世紀ぶりの厳しい寒さです。日本経済を厳冬にすることはお断りです。

けいろうい②
出勤するトヨタ労働者



2012春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/03/03 09:03

◎シリーズ「経労委報告」批判 消えた内部留保

 トヨタ自動車をはじめ、各企業では2012年春闘の労使交渉・団体交渉が始まっています。会社側の主張は、日本経団連が毎年、春闘対策方針として出している「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)が基本になっています。

 同委員会には、経団連副会長であるトヨタの渡辺捷昭相談役(前社長)が入っています。2012年版の「経労委報告」の主な点を、シリーズで見てみました。

 今年の「経労委報告」の最大の特徴は、昨年あった内部留保が消えていることです。いまや大企業の内部留保は、1年間で22兆円増えて266兆円という巨額にのぼっています。トヨタは、そのうちの13兆円を占め、ダントツのトップです。

 昨年の「経労委報告」は、「内部留保の取り崩しによる賃上げ論の不合理性」という項目を設けていました。内部留保とは、「配当などの形で社外流出した後の未処分剰余金の累積」などとのべ、「相当程度、生産設備や在庫などの資産形態で保有されている」と言い訳に躍起になっていました。

 その上で、「企業が、国際的な競争力を高めるためには、老朽化する設備を更新し、M&Aも含めた国内外の投資などを一層積極化することが必要であり、今後とも、内部留保の確保に努めなければならない」とのべていました。

 今年、内部留保が消えたのは、言い訳が通らなくなったからでしょう。取り上げれば取り上げるほど、言い訳に回らねばならず、内部留保の土俵から降りた方が得策だと考えたのでしょう。

 たとえば、トヨタでの賃上げは、仮に1人が1000円要求しても―

 1000円×12カ月×63000人(組合員数)=7億5600万円

 たったこれだけです。トヨタの内部留保、13兆円のほんの、ほんの一部にすぎないからです。

 都合が悪いと触れない――内部留保論では、労働者側の勝ちです。勝負あったと見ていいでしょう。

2012年版 経労委報告
2012春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/02/29 07:23

◎一時金 5カ月要求は当たり前


 トヨタ自動車の2012年春闘労使交渉で、会社側は組合の一時金要求について、「高すぎる」と主張していますが、金属大手企業では5カ月要求は当たり前になっています。

 労組の一時金要求は、基準内賃金の5カ月+3万円で、昨年妥結額の181万円より4万円ほど低い、平均で177万円程度です。これをトヨタ労組が加盟している金属労協(JC)で比較してみると――。

 自動車総連では、日産5・5カ月、ホンダ5カ月、マツダ5カ月、スズキ5・4カ月、ダイハツ5カ月+0・3カ月、富士重工5カ月、いすゞ5・2カ月、日野5カ月などです。

 電機連合では、業績連動ではない日立が5・5カ月、三菱電機6・04カ月で、基幹労連では、住友金属が170万円、住友金属鉱山185万円などです。

 主要企業の要求は、軒並み5カ月以上です。これらの企業のなかでトヨタの内部留保はダントツの13兆円をたくわえています。連結決算では、2012年3月の営業利益は2700億円の見込みです。単独決算だけを取り上げ、赤字だといって抑え込もうとしています。

 豊田章男社長は、組合員が東日本大震災、タイ洪水による減産から、「過去に例を見ない増産対応」をしてくれているとして、「心から感謝」するとのべています。そうであるならば、昨年より引き下げた要求に対し、満額獲得で報いるべきでしょう。

トヨタの労働者たち
  トヨタ労働者
2012春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/02/26 08:41

◎一時金の5カ月超えは“高すぎる” トヨタ・春闘第1回労使協


 トヨタ自動車の2012春闘の労使交渉が始まりました。その第1回労使協議会が2月22日開かれ、会社側は労組の一時金要求に、「5カ月超える要求は高すぎる」とのべ、組合員の切実な要求に背を向ける姿勢を示しました。

 労組のニュースによると、豊田章男社長は東日本大震災やタイ洪水による生産挽回で、(2交代合わせて)20直分の振替出勤や残業拡大など、「過去に例をみない増産対応にも協力いただいている」とのべ、組合員に「心から感謝申し上げる」とのべました。

 その上で、超円高やTPPなど経済連携協定の遅れで、トヨタの国際競争力は著しく悪化し、日本でのモノづくりは「空洞化どころか崩壊への道をたどるのではないかと大変危惧している」とのべました。

 そして、持論である「日本の雇用を守る『最後の砦』となる気概で、石にかじりついてでも国内生産300万台を守りたい」と語りました。

 この後、会社側から組合の要求にたいする見解が示されました。組合は、賃上げは要求せずに、いわゆる定期昇給分に当たる「賃金制度維持分」を要求していますが、会社側は、「極めて慎重な判断が必要」とのべました。

 一時金要求(基準内賃金の5カ月+3万円で、昨年妥結額の181万円より4万円ほど低い、平均で177万円程度の要求)に対し、会社側は「5カ月超える要求は高すぎる」とのべました。

 会社側は、トヨタの国際競争力が悪化していることやトヨタ単独の営業利益が4期連続で赤字の見込みなどをあげて、ひかえめな組合要求にも応えない姿勢です。

 次回の労使協議会は3月1日(木)です。回答指定日は3月14日(水)と確認しました。

社長は組合員に「感謝」するが
(豊田章男社長は、組合員に『感謝』をのべるが…)
2012春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/02/25 09:55

◎トヨタ「到底、困難」 労組の一時金要求に

 トヨタ自動車は2月16日、トヨタ労組が前日に提出した2012年春闘要求に対するコメントを発表しました。一時金要求に、早くも「到底、困難」とのかたくなな態度を示しています。

 トヨタ労組の要求は、賃金はいわゆる定昇にあたる「賃金制度維持分」だけで、3年連続で賃上げ要求はしませんでした。一時金要求は、年間5カ月+3万円で、昨年の妥結(約181万円)より4万円低いものです。

 コメントでは、今年の春闘の意義について、次のようにのべています。超円高のもとでトヨタの採算は悪化しており、危機的な状況にある国内のモノづくり環境についての「認識」を会社、組合で「共有化」した上で、豊田章男社長がいう「国内生産300万台雇用を維持する」ことの重みについて、「理解を深める」ことが大変重要としています。

 トヨタの連結営業利益は2700億円もあるのに、単体の営業利益を恣意的に取り上げ、「4期連続赤字」だといって危機感を煽っています。内部留保は、連結で13兆円、単体で7兆円という日本1のばく大な額にのぼっています。

 つまり、春闘での労使の論議では、労使がトヨタの“危機”を「共有化」し合うことが必要で、雇用維持のためには労働条件の向上などはありえないという勝手なものです。

 労組が賃上げを要求しない以上、一時金の満額獲得は絶対に譲れないものです。会社側のこうした主張をはねかえしていくことが必要です。

 第1回労使協議会は22日(水)に開かれます。

トヨタ労働者 一時金
出勤するトヨタ労働者
2012春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/02/19 09:24

◎トヨタ労組が2012春闘要求を会社へ提出

 トヨタ自動車労組など、自動車総連の労組が2月15日、いっせいに会社に2012春闘要求を提出、3月14日(水)の大手労組の集中回答日に向けて労使交渉が始まります。

 「主要労組 ベア求めず」

 新聞各紙などに寂しい見出しが載りました。自動車総連傘下の大手労組は、そろってベア要求をしなかったからです。年間一時金も、トヨタ労組が基準内賃金の5カ月+3万円と昨年妥結額(181万円)より4万円ほど低い、平均で177万円程度を要求しました。

 ホンダ労組も昨年妥結額の5・9カ月から引き下げ、5カ月分を要求。日産労組は、昨年の妥結額と同じ5・5カ月分を要求しました。

 トヨタは、韓国のヒュンダイの方がトヨタよりコストが低いなどとして、「5カ月を超える組合要求に応えることは困難と言わざるを得ない」(宮崎直樹常務役員、日経新聞15日夕刊)と早くも満額回答はむずかしいとのべています。

 東日本大震災、タイ洪水による減産をとりもどすために、「すさまじい協力」(トヨタ労組の鶴岡光行委員長)をしてきた組合員の期待に、そむく姿勢を見せています。

トヨタ労働者たち
組合員は会社に「すさまじい協力」をしてきました
2012春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/02/16 08:23

◎賃金はカイゼンされないのですか

 トヨタ労組は2月9日に開いた評議会で、2012春闘要求について執行部提案通りに可決しました。賃金制度の「改善分」(賃上げ)は要求せず、賃金制度の「維持分」だけを要求するとしています。これで、3年連続で賃上げ要求はしないことになります。

 「改善分」と「維持分」は、図のようになります。「改善分」とは、組合員全体の賃金の底上げをはかるもので、階段を大きく登るものです。「維持分」は、いわゆる定期昇給分にあたるものです。

 2009年は、4000円の賃上げを要求して会社の回答はゼロだったために、4年連続で賃金がカイゼンされないことになります。

 一時金は、基準内賃金の5カ月+3万円、平均で約177万円を要求します。昨年の妥結額約181万円を4万円下回ります。

 組合員であるシニア期間従業員についての要求では、現行賃金テーブルを維持した賃金(日給)ということで、社員同様、賃上げ要求は求めていません。

 この要求を2月15日に会社に提出し、労使協議会での議論をへて3月中旬に会社が回答を示します。

 今年の春闘は、東日本大震災、タイ洪水による減産をばん回するために、1~3月のほとんどの土曜日の1直が出勤になるなど、組合員は会社に「すさまじい協力」をしているなかで行われます。

 賃金がカイゼンされないために、一時金の満額回答は当然といえるでしょう。

賃金制度 維持、改善
2012春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/02/14 09:01

◎「障子を開けてみよ。外は広いぞ」

 「障子を開けてみよ。外は広いぞ」
 トヨタグループ創業者の豊田佐吉の言葉です。

 このブログ「トヨタで生きる」に、2月7日にいただいたコメント(下記参照)を拝見し、この言葉を思い出しました。私たち日本共産党トヨタ自動車委員会が賃上げを主張しているのは、トヨタ自動車という社内からだけでいっているわけではありません。

 トヨタは、連結で13・8兆円、単体でも7・8兆円もの内部留保をたくわえている、ダントツの日本企業です。1人1000円の賃上げをしてもたった7・5億円です。トヨタが率先して賃上げすれば、トヨタの部品メーカーや下請けばかりか、日本の労働者への波及効果、ひいては内需拡大による日本経済発展のためにはかりしれないものがあるでしょう。

 そうした、「外は広いぞ」という立場から賃上げを呼びかけているのです。いただいたコメント、「トヨタ社員は充分な待遇を受けている」―たしかに中小企業や下請け関連会社とくらべれば事実でしょう。問題は、なぜそれらの企業に務める人の待遇がトヨタに比べて低いかということです。

 トヨタの内部留保は、労働者全体が生みだしたものです。下請けの労働者や期間従業員に代表される、使い捨て労働者の存在があるからこそ、相対的にトヨタの社員の待遇が良く見えるのではないでしょうか。

 車を作るには3万点もの部品が必要です。トヨタを頂点とするピラミッド構造の全体からばく大な内部留保が生まれたのです。にもかかわらず、その利益がトヨタ自動車だけに集中している。ここに問題があると思います。

 トヨタが賃上げをしなければ、日本全体の賃金は抑え込まれるでしょう。事実、自動車や電機の部品メーカーの労働者でつくる連合JAM労組の幹部は、経営者から「トヨタで賃上げがないのに、なぜあなたたちは要求するのですか」といわれ、返答するのに困っていると語っています。

 賃上げが抑え込まれれば、日本国内の景気を悪化させ、国民の生活はひどくなります。ひいては車も売れなくなるでしょう。「充分な待遇を受けているトヨタ社員」もまわりまわって、その影響をうけるでしょう。トヨタが率先して賃上げをする→内需拡大→景気回復と自律的な日本経済へ歩む――好循環になるようにと考えています。

 トヨタは、良き企業市民になるといっています。トヨタに、その社会的地位にふさわしい役割を果たしてもらいたい―そうした思いから私たちは賃上げを訴えているのです。

             ◆
 「トヨタで生きる」に2月7日にいただいたコメント

 トヨタの社員は充分な待遇を受けていると思いますが・・・利益1兆円の頃に、一体いくらの賞与を貰ってたのですか?新入社員が支給される賞与はどれだけだったのですか?あなた達は、トヨタの社員として恩恵を充分受けてきたのではないですか?トヨタの社員ということで社会的身分も保証されているのではないのですか?・・・住宅ローンの金利優遇とかね。あなたの退職金は、いくら用意されているのですか?中小企業には到底準備できない金額水準ではないのですか?賃金水準だって他と比べてご覧なさい・・・低いですか?わずか7.5憶円?金額の大小は内部留保との相対比較で決まるのですか?企業経営を全く知らないみたいですね・・・虫酸が走る。そうやって、何でも要求して要求して・・・会社も国家も食い潰してきたんだろ社会主義は。

トヨタ本社
(トヨタ本社)
2012春闘 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2012/02/09 10:02

◎何か、変ですね?    パートⅡ

2011年3月期決算 株主配当

 表を見てください。株主配当は、2011年3月期決算で1株50円、総額1568億円です。株配当は、単独決算で行います。単独では3期連続の営業赤字といってさわぎながら、巨額な配当をしています。

 2002年の1株28円からウナギ登りです。株主といってもトヨタの場合は、金融機関や外国企業などが約8割を占めています。個人株主などは2割にすぎません。大株主には、手厚く配当しているのです。

 ところが、私たち社員・労働組合員には、どうでしょうか?
 仮に、組合員に賃上げ1000円をしたとしましょう。

 1000円×63000人(組合員数)×12カ月=7億5600万円

 たったこれだけです。
 トヨタ自動車は、「トヨタ行動指針」で、ステークホルダー(顧客、株主、社員、地域社会など)とは、「深い関わりを持っている」として、それを重視することをうたっています。

 単独決算が赤字だといって社員・組合員にはベアゼロで(昨年までの)3年間も我慢を強いながら、株主には巨額配当する――何か、変ですね?

2012春闘 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2012/02/06 08:47

◎日本の製造業の人件費 先進国で低い


 トヨタ労組が加盟している金属労協(IMF-JC)は、2012春闘の資料を作成していますが、このなかで製造業の「時間当たり人件費」(2010年)の国際比較(18カ国)をしています。

 それによると、日本は2808.52円、ノルウエーは347.77ノルウエークローネ、ドイツは33.00ユーロ、アメリカは34.74ドル…となっています。これを2010年の平均為替レートで比較(日本を100)したのが、表です。

 トップがノルウエーの179・8、2位がデンマークの142.2、3位がスウェーデンの136・9、4位がドイツの136・8…9位がアメリカの108・6と続きます。主要先進国(7カ国)で日本より低いのは、イギリスの92・0しかありません。

 トヨタ自動車が競争しているGM(アメリカ)やフォルクスワーゲン(ドイツ)、ルノー(フランス)などがある国々はいずれも日本より人件費が高い国ばかりです。日本の人件費を引き上げるのは、当然といえるでしょう。

製造業の時間当たり人件費の国際比較
2012春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2012/02/02 08:47

◎トヨタの春闘 この10年

 2012年春闘は、日本経団連が打ち出した「定昇の延期・凍結」が焦点になろうとしています。経団連は、賃上げどころか、定期昇給(定昇)にも踏み込もうというのです。

 トヨタ労組が加盟している金属労協(IMF・JC)の西原浩一郎議長(自動車労連会長)は、経団連の主張に強く反発しています。
 「定昇の意義、目的、重要性を労使が理解しあおうというのならわかる。定昇は、人事処遇の基本であり、これに踏み込むことは容認できない。賃金構造維持分(定昇)の原資をしっかりとるのはわれわれの至上命題。妥協の余地はない」

 当然でしょう。しかし、定昇をめぐる春闘とはおかしなことです。自動車総連は、2012年春闘をふくめ3年連続で統一的ベア要求をしませんでした。

 日本の春闘は1954年から始まり、半世紀以上の歴史をもっています。春闘の最大の目標は、労働者の賃上げでした。それが、賃上げではなく、いつから定昇が焦点になったのでしょうか。

 それは、今から10年前、2002春闘のトヨタの労使の対応がきっかけでした。トヨタ労組は1000円の賃上げを要求していましたが、当時の奥田碩会長は「まだ100円玉を積み上げる交渉をしているのか」と労務担当重役を一喝し、ベアゼロに抑えました。

 1兆円の利益をあげるトヨタがベアゼロ――”トヨタショック”ともいわれ、他の企業もトヨタに右ならえ、でベアゼロという異例の事態になりました。翌2003年春闘から05春闘までの3年間、トヨタ労組はベア要求をしませんでした。

 2006年~08年までの3年間は、1000~1500円要求し、いずれも1000円で妥結。09年は、久しぶりに4000円を要求するもののベアゼロに終わりました。10、11年は要求をしませんでした。

 つまり、2002年からの10年間で、ベアを要求したのは半数の5回しかありません。実際に賃上げがあったのはわずか3回です。半分の5回は、定昇の確保だけでした。これでは、賃上げどころか、経団連から「定昇の延期・凍結」を迫られてもしかたがないでしょう。

 明日31日、トヨタ労組は組合員に要求案を示します。「定昇の延期・凍結」をはねかえす意味でも、賃上げ要求はまったなしです。

春闘 トヨタ労働者
(出勤するトヨタの労働者)
2012春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/01/30 18:52

◎賃上げどころか定昇も「延期・凍結」!

 日本経団連は1月23日、経営者側の2012年春闘方針である「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)を出しました。賃上げどころか、定期昇給(定昇)の「延期・凍結」も主張するとんでもないものです。

 トヨタ労組は、1月31日に2012年春闘方針案を組合員に提案します。こうした経団連の乱暴な方針にたいし、どのような方針案を示すのでしょうか。

 経労委報告の今年のタイトルは「危機を乗り越え、労使で成長の道を切り拓く」というもの。

 このなかで、「恒常的な総額人件費の増大をまねくベースアップ(賃上げ)の実施は論外」とのべ、年齢があがるごとに増える定期昇給(トヨタでは「賃金制度維持分」という)についても、「負担がとりわけ重い企業では、延期・凍結も含め厳しい交渉を行わざるを得ない可能性」もあるというものです。

 トヨタ労組の上部団体の自動車総連は、1月12日に開いた中央委員会で、「賃金カーブ維持分確保を大前提とする」と、「賃金カーブ維持分」=「賃金制度維持分」=定昇分の確保を大前提とするとしました。総連として、各労組がいっせいに賃上げ要求は行わないというものです。

 これで自動車総連としては、3年連続して統一的な賃上げ要求はしないという方針になりました。定昇だけを確保すればいいというものです。経団連が賃上げどころか、定昇の「延期・凍結」を主張するようになったのは、こうした腰を引いたような姿勢が原因ではないでしょうか。

 トヨタ13兆円、ホンダ7兆円…と自動車大手は軒並みばく大な内部留保をたくわえています。定昇どころか、大幅な賃上げも可能です。そうしたなかで定昇の確保だけを大前提にすれば、経団連の思う壺ではないでしょうか。

 トヨタ労組の要求案では、こうしたことがないようにしてほしいものです。

経団連

(日本経団連が入っているビル=東京都千代田区)
2012春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/01/25 08:10

◎「社会に貢献する」というなら 内部留保を還元するべき

 このブログで、トヨタ自動車のダントツの内部留保をアップ(1月22日)したところ、次のようなコメントをいただきました。

 「内部保留金は、東北大震災のような、いざという時の復興や、そのような時にも社員に給料を出すためにも、必要なものであればあるほど社員の安心度が増すものだと思うのですがね」
 「赤字な上に円高で実質賃金が暴騰している日本人よりも、黒字かつ実質賃金の下がっている外国人の賃金上昇が行われるべきでしょう」

 ちょっと待ってください。トヨタの内部留保は、連結ベースで13兆円と日本の大企業で飛び抜けた額です。その例として、日本経団連会長会社の住友化学が、これまで営々としてため込んできた6163億円を、トヨタはわずか1年で積み上げるという例をあげました。

 赤字といいますが、それはほんの一時のことです。トヨタは、リーマン・ショック前の2008年3月期の内部留保は13兆9332億円でした。2011年3月期の内部留保は13兆8630億円です。わずか702億円しか減らしていないのです。

 もう少し数字をあげましょう。大震災の時に社員に給料を出すとしましよう。人件費ですからトヨタ単体をもとにします。トヨタ単体の2010年3カ月決算では、年間の人件費は7340億円でした。単体内部留保は7兆8668億円です。これを大震災時に回すとすると約10年間、まったく働かなくても社員には給料を出せる計算になります。

 日産自動車の株の時価総額は、1月23日現在で3兆2413億円です。いま世界では、企業を買収するM&Aが盛んです。株総数の半分を取得すればM&Aができます。すると、連結で13兆円の内部留保があるトヨタは、日産を簡単に買収することができるでしょう。

 世界各国のGDP(国内総生産)と比較してみましょう。購買力平価(各国の換算物価が互いに等しくなるような為替レート)で見た2010年のGDPでは、日本は世界3位の約430兆円ですが、59番目のクウェート、60番目のベラルーシ、61番目のスロバキアが12兆円から13兆円です。トヨタの内部留保は、これらの国のGDPに匹敵するほどの巨額なものです。

 こうした数字は、トヨタの内部留保の大きさを、わかりやすくするためにあげたものです。問題は、こうした内部留保が、私たちトヨタで働く者と部品・下請けメーカーによって積み上がってきたものだということです。

 トヨタは「基本理念」で、「企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する」とうたっています。「社会に貢献する」というなら、トヨタはこうした利益を労働者、部品・下請けメーカー、地域に還元すべきではないでしょうか。たとえば、トヨタが労働者に月1万円の賃上げをするには、内部留保のわずか0・47%を取り崩すだけで可能です。

 内部留保トップのトヨタが、率先して賃上げをするべきではないでしょうか。

雪のトヨタ本社
2012春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/01/24 09:26

◎ダントツの13兆円 トヨタの内部留保

 トヨタ自動車の内部留保(連結ベース)が2010年度決算で13兆円を超え、日本の大企業でダントツの1位であることが全国労働組合総連合・労働運動総合研究所の調査で明らかになりました。

 トヨタがこの1年間に増やしたのは、何と5874億円! 日本経団連会長会社の住友化学がこれまでにたくわえた内部留保額、6163億円に匹敵するものです。内部留保の総額ばかりか、その増加ぶりもケタ違いです。

 1位 トヨタ自動車  13兆8630億円
 2位 NTT      9兆5713億円
 3位 三菱UFJ    8兆6804億円
 4位 ホンダ      7兆7826億円
 5位 キヤノン     4兆3141億円
 6位 パナソニック   4兆1662億円

2012011701 内部留保推移 


 表(「しんぶん赤旗」作成)は、資本金10億円以上の大企業の内部留保の総額と民間平均賃金の推移です。内部留保は、1997年の142兆円から2010年の266億円へと1・8倍に増やしています。

 一方、民間平均賃金は1997年の467・3万円から2010年の412万円へと55・3万円も減っています。

 トヨタ労組の上部団体の連合は、2012春闘方針で、「すべての労働組合が1%を目安に賃金を含め、適正な配分を求めていく」との方針を決めました。

 その理由として、労働者の賃金を1997年と2010年を比較した場合、厚生労働省の毎月勤労統計調査で4%減、賃金構造基本統計調査では労働者1000人以上規模で5・6%減少していることをあげています。「復元・格差是正に向けた取り組みを徹底する」としています。

 トヨタ労組は、1月31日に2012春闘方針を組合員に提案するとしています。トヨタをはじめとする大企業が内部留保を増やし続ける一方で、労働者の賃金は下がり続けています。

 私たち組合員は、2009年から3年連続してベアゼロです。2012春闘では、連合の方針にもとづいて賃金を復元するためにも、今年こそはベア要求をしようではありませんか。
2012春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/01/22 08:23

◎それでも、トヨタ株の時価総額は10年連続トップ


 トヨタ自動車の株価は低迷しているといわれています。1月4日、東京証券取引所は市場を開きました。トヨタ株は2644円で、昨年末より79円高でした。トヨタ株の過去最高値は、リーマン・ショック時の前年の2007年2月27日の8350円です。

 現在の株価は、最高時の3分の1程度です。昨年末のトヨタ株の時価総額は、8兆8441億円(「日経」2011年12月31日)でした。1年間で2割減少し、16年ぶりに10兆円を割ったといいます。

 しかし、トヨタはそれでも、10年連続トップです。ダントツです。2位のNTTドコモの6兆円余、6位のホンダの4兆円余を大きく上回っています。

 トヨタの株主は60万人を超えますが、「個人・その他」が99%を占めています。金融機関や法人、外国法人などは1%にすぎません。その1%が株総数の76・3%を持っています。大株主上位10位には、信託銀行や生保、外国法人などが並んでいます。

 別表を見てください。2011年4月~9月のトヨタの中間決算での、株主配当です。東日本大震災でトヨタは、工場の稼働が中止に追い込まれるなどしましたが、株主への中間配当は前期並みの1株20円、総額627億円を配当しました。

 この表を見て納得できないのは、2009年3月期で純損失になりながら、年間配当は100円もしていることです。トヨタは、「単独決算は3期連続の赤字」と繰り返し、危機感を煽っています。

 ところが、株主配当は続けています。しかも、配当先は金融機関や法人、外国法人など大株主です。その一方で、労働者への賃上げは2009、10、11年と3年連続なしでした。労働者が汗水たらして働いた成果は還元されていないのです。

 いよいよ、2012春闘が始まります。賃上げ要求が実現するよう声を上げようではありませんか。

2012年3月期 中間決算株配当
2012春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2012/01/05 10:22

◎連合が1%改善要求 2012春闘で

 いよいよ2012年春闘が動き出します。トヨタ自動車労組が加盟している連合は12月1日、中央委員会を開き、2012春闘では「すべての労働者の処遇改善に向けて昨年同様、マクロ的観点から、すべての労働組合が1%を目安に賃金を含め、適正な配分を求めていく」との方針を決めました。

 その理由として、労働者の賃金が1997年と2010年を比較した場合、厚生労働省の毎月勤労統計調査で4%減、賃金構造基本統計調査では労働者1000人以上規模で5・6%減少していることをあげ、「復元・格差是正に向けた取り組みを徹底する」としています。

 また、2012春闘の意義としては、「内需を拡大し、日本経済を縮小均衡、デフレから早期に脱却し、持続可能な成長をめざす」ものと位置付けています。

 トヨタ労組は、2009春闘で4000円の賃上げを要求しましたが、会社はゼロに抑えました。2010、2011春闘で労組は賃上げを要求せず、賃金制度維持分(いわゆる定期昇給)だけを確保しました。3年連続でベアがない状態です。

 トヨタ労組が、連合のこうした方針をどのように受け止め、2012春闘ではどのような方針を決めるのかが注目されます。

 トヨタは、東日本大震災やタイ洪水の影響で利益が減っているものの、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は2011年9月の中間決算では11兆8232億円もあります。ダントツで日本企業最大です。

 連合の主張するように、内需を拡大する上でも賃上げ要求は必要です。

トヨタ労働者の賃金も下がっています
(賃上げ要求は切実です。写真はトヨタ労働者)
2012春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/12/07 10:44

◎2012春闘へ始動 連合が1%賃上げ要求へ

 トヨタ労組が加盟する連合は10月27日に開いた中央執行委員会で、2012春闘の「基本構想」を決めました。

 基本構想では、「すべての労働者のために1%を目安に配分を求め、労働条件の復元・格差是正に向けた取り組みをすすめる」としています。その前提として、「労働運動の社会的責任から、賃金カーブ維持分を確保」するとしています。

 また、「適正な配分が消費拡大、内需拡大へとつながる好循環につなげていかなければならない」としています。

 連合が1%の配分を求めるのは、賃金を1997年と2009年で比較すると、一般労働者で5・1%減(厚労省・毎月勤労統計調査)、平均所得内賃金の全産業・規模計で7・0%減(同・賃金構造基本統計調査)となっているからです。

 連合は、こうした賃金低下を5年程度かけて、賃金ピーク時の1997年に復元するとの中期目標を2011春闘でかかげました。これを来春闘でも継続します。11月1、2日に春闘討論集会を開催したうえで、12月1日の中央委員会で正式に方針を決めます。

 トヨタ労組は2011春闘で、2年連続して賃上げ要求を見送りました。定期昇給に相当する「賃金制度維持分」(7300円)のみを要求し、獲得しました。提案された連合の基本構想からは、「1%を目安に配分」を求めることになります。
201110 トヨタ労働者
(トヨタ労働者)
2012春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/10/31 08:54
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