◎悲喜こもごも QC川柳

 昨日(7月29日)の、このブログ「トヨタで生きる」に、「VWが首位 1~6月の世界販売」をアップしたところ、次のようなコメントをいただきました。「今回の話題からそれて恐縮ですが、面白いサイトがあります」
 http://q-month.jp/archives/senryu.html

 日本科学技術連盟のホームページにある「品質月間 2016」のページへ飛びます。同連盟は、QCサークル活動の普及などをすすめています。理事長は、トヨタ自動車の元副社長の佐々木真一氏です。

 「品質月間 2016」では、品質やQCサークル活動などの川柳を毎年、掲載しています。その悲喜こもごもの様子を、ちくりと皮肉くりながら笑いを誘っています。

 たとえば2015年の優秀作品では――。

 「不良を出し 本音が出せず なぜ5回」(正直者)

 なぜを5回くり返すトヨタ生産方式で、本音が出せない思いをうたっています。

生産ラインの模型
(トヨタ会館にある生産ラインの模型)

 佳作もおもしろいものばかりです。

 「多国籍 対応しきれぬ 標準書」(ジェスチャー主任)
 
 「責任の 回避に 脳はフル回転」(脳トレ)
 
 「出尽くした 改善案は リサイクル」(枯渇化)
 
 「胸張れる 技術力より 謝罪力」(クレーム担当)
 
 「隠そうか 素直に言おうか 岐路に立ち」(運命の分かれ道)

 現場で思い当たることばかりですね。
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品質・リコール問題 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/07/30 11:14

◎フォルクスワーゲンの不正

 トヨタ自動車と世界1を争っているドイツのフォルクスワーゲン(VW)の不正が明らかになりました。最高経営責任者(CEO)のマーティン・ビンターコルン会長が辞任を表明しました。

 信じられないような不正です。日本で東芝の不正決算が明らかになり、同社は取り返しのつかないダメージを受けました。VWは、8700億円の特別損失の計上、米環境保護局から約2兆1600億円の制裁金が科されるともいわれ、これまでの利益が一挙に飛んでしまいます。不正は、企業をつぶしかねないものです。

 不正の方法は、ディーゼルエンジン車に排ガス規制を逃れるためのソフトウェアを搭載していたというのです。試験場で検査されるときは有害物質の量を大幅に減らし、実際に車が走行する時は有害物質が最大で基準の40倍に上る窒素酸化物などを排出していたというものです。

ビートル 2011年東京モーターショー
(VWのビートル=2011年の東京モーターショーで)

 ビンターコルン会長は、「一部の人の過ち」とのべていましたが、関与した技術者たちの内部告発はなかったのか? 組織的な関与だったのか? これからの解明が待たれます。

 米国で発覚したもので、世界で1100万台にのぼるといいます。米環境保護局は、VWの看板車種のゴルフやビートルなど5車種、約48万2千台の改修を求め、調査を始めたと発表しました。対象車は、日本で販売されていないといいます。

 VWは世界販売で、トヨタを激しく追い上げています。昨年(暦年)は、トヨタグループが1023万台、VWグループが1014万台で、9万台差でトヨタグループが首位でした。

 今年の上半期(1~6月)は、トヨタグループが前年同期を1・5%下回る502万台、VWグループが同じく0・5%下回る504万台でしたが、トヨタグループを2万台上回って逆転し、上半期で初めて首位になりました。

品質・リコール問題 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/09/24 09:59

◎レクサスやクラウンなど105万台リコール

 トヨタ自動車は10月15日、レクサスやクラウンなど105万台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届けました。トヨタのリコールは、ホームページによると今年になって13件目です。

 このうちレクサスについては、LS600h、GS460、IS F、IS350など12車種です。

10 レクサス LS600h
(レクサスLS600h)

 原因は、「原動機の燃料配管(デリバリパイプ)において、燃圧センサ締結面の平滑度が不適切なため、燃圧センサを規定トルクで締め付けても締結力が不足しているものがあります。そのため、燃圧センサ締結部がゆるみ、燃料が漏れるおそれがあります」といいます。

 また、ブレーキの不具合がクラウンやノア、ヴォクシーなどにも見つかりました。

 原因は、「制動装置のブレーキマスターシリンダにおいて、シール溝の形状が不適切なため、ゴム製シールが当該溝に強く押し付けられた際にシールリップ部が傷付くことがあります。そのため、傷を起点に亀裂が進行してブレーキ液が漏れ、警告灯が点灯し、制動力が低下するおそれがあります」といいます。

               ◇

 《今日の「しんぶん赤旗」イチオシ》

 インタビュー「黙ってはいられない」に、宝塚歌劇団特別顧問で「ベルサイユのばら」を演出した植田紳爾さんが登場しています。植田さんは、戦時中、宝塚市の大劇場が「戦争中の日本に不要」とされて閉鎖されたことから、「劇場が閉鎖される時代に、2度とさせてはならない」と語ります。

宝塚 植田さん
(「しんぶん赤旗」のインタビューに答える植田紳爾さん)

 また、「共産党は、信念を曲げない、矜持(きょうじ)のある政党だと思います。期待します」とのべています。

 植田さんは現在、日本経済新聞の「私の履歴書」に執筆しています。10月1カ月間の連載です。
品質・リコール問題 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2014/10/16 10:53

◎トヨタが227万台リコール エアバック不具合

 トヨタ自動車は6月11日、カローラなど助手席のエアバッグに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出ました。2000年12月~04年4月までに生産された64万8081台が対象です。

 海外分も162万台あり、合計227万台余りになる大規模なものです。エアバッグを生産したのは、部品メーカーのタカタです。昨年4月にも同じ不具合リコールを実施しましたが、タカタの対象リストに漏れがあったことから追加しました。

 トヨタは、交換部品の準備に時間を要するとして、助手席エアバッグの機能を停止するとともに、助手席サンバイザ部に助手席エアバッグが作動しない旨の警告を表示する暫定措置をとるとしています。その間は、可能な限り助手席に乗らないよう呼びかけています。

 トヨタは不具合の理由を次のように明らかにしています。

 「助手席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、ガス発生剤の成型工程が不適切又は成型後の吸湿防止措置が不適切なため、密度が不足したガス発生剤が組み込まれたものがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ内圧が異常上昇し、インフレータ容器が破損して飛び散り、出火したり乗員が負傷するおそれがあります」

カローラなどのエアバック不具合
(エアバック不具合の改善箇所説明図)

 室内の焼損事故が発生したことから、不具合が見つかったといいます。対象になるのは、カローラのほかに、アルファードやイプサム、ソアラ、ノア、ヴォクシー、マークⅡなどです。

 トヨタの国内リコールは、今年になって7回目です。トヨタは2009~10年にかけて世界で1000万台以上の大規模リコールをしました。GMが14年に公表したリコールは、1500万台を超えています。

 車種をまたがって大規模リコールになるのは、世界の自動車メーカーが部品の共通化によるコストダウン競争を行っているからです。トヨタにとって、リコール問題は依然として大きな課題になっています。

品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/06/12 14:59

◎トヨタが世界で639万台リコール

 トヨタ自動車は4月9日、世界で29車種、639万台のリコールを発表しました。2012年10月の743万台に次ぐ2番目の大規模なリコールです。

 トヨタの発表では、3つのケースがあり、その1つはポルテ、カローラアクシオ、オーリスなどです。

 「始動装置のスタータにおいて、スタータ駆動用リレーの通電設定が不適切なため、接点部に銀成分が凝集するものがあります。そのため、そのままの状態で使用を続けると、接点部から銀成分がはがれ落ち、回路内に挟まると当該リレーが通電状態となりスタータが回転し続け、最悪の場合、火災に至るおそれがあります」

 2つ目は、ヴィッツやイストなどです。
 「運転者席を前後調整するスライド機構において、固定用スプリングの強度が不足しているため、頻繁に前後調整を行うと、当該スプリングが折損するものがあります。そのため、座席が固定されず、最悪の場合、走行中に座席が動き出すおそれがあります」などといいます。

 3つ目は、RAV4やマークxなどです。
 「ステアリングに取付けられている電気配線(スパイラルケーブル)において、当該配線のガイドの形状および位置が不適切なため、当該配線のうちエアバッグ用配線の部分とガイド端部が点接触しているものがあります。そのため、そのままの状態で使用を続けるとエアバッグ用配線が摩耗し、最悪の場合、当該配線が断線することでエアバッグ警告灯が点灯し、衝突時に運転者席用エアバッグが動作しなくなるおそれがあります」

マークx


 いずれも設計ミスが要因といいます。国内製造分は、04年10月~13年8月までです。

 ヴィッツなどは、「運転中にシートが滑って体がハンドルにぶつかるなどのトラブルが08年以降333件あった」(朝日新聞、10日付)、ポルテなどは、「今年2月に走行中の車が全焼するなど火災が2件あった」(同)といいます。

 くり返される大規模なリコールの背景には、コスト削減のための部品の共通化があります。トヨタだけではなく、世界の自動車メーカーが競って行っていることです。コスト削減を優先させるために、品質・安全面が後回しになってはいないでしょうか?

 実際、「コスト競争力を高める取り組みが、車種や地域をまたいだリコールにつながった面がある」(日本経済新聞、10日付)と指摘しています。

 トヨタで世界的なリコール問題が起きた2010年2月24日。豊田章男社長は、米議会の公聴会に出席しました。トヨタはこの日を、「トヨタ再出発の日」と位置付けています。

 今年は、旧本社の一角に社員向けの研修施設「品質学習館」を開設するなど、10年の教訓から「品質はトヨタの生命線」の取り組みを強めています。しかし、今回の大規模リコールは、道半ばであることを示したのではないでしょうか。
品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/04/10 10:05

◎技術者集団が疲弊? トヨタ、ホンダのリコール

 トヨタ自動車の看板車種、プリウスの制御ソフトに欠陥があったために先月の2月12日、トヨタはリコールしました。その2日前に、ホンダンの看板車種、新型フィットが、制御ソフトの欠陥で3回目のリコールをしました。

 いずれもハイブリッド車の制御ソフトの欠陥では共通しています。なぜ、制御ソフトの欠陥が相次ぐのか? 日本経済新聞(24日の電子版)が、新型車発表から半年で3回のリコールをしたフィットの原因を追っています。

 フィットのリコールは、1回目が新車販売(13年9月6日)の1カ月後の同年10月24日。2回目が同年12月20日。3回目が14年2月10日。合わせて11万台余り。EUC(エンジン制御ユニット)などのプログラムに欠陥があり、エンストを起こし坂道で止まったままになる、などの事故が起きています。

フィットHV リコール
(フィットの制御プログラムの改善説明)

 このため、修正プログラムをインストールして欠陥を直します。これは、プリウスのリコールでも同じで、ディーラーで20分ほどの作業です。

 日経新聞は、ホンダの新車の世界同時立ち上げで、技術者集団が疲弊しているのではないか、と指摘しています。フィットの開発にかかわったある技術者は、「旧モデルの6倍の開発要員が欲しかったが、結果として2・5倍の規模でこなした」と語っていることを紹介しています。

フィット HV
(フィット=ホンダのホームページから)

 また、伊東孝紳社長が打ち上げた2016年度に世界販売台数600万台という量とF1への再参戦、燃料電池車の開発など質の問題の二兎を追う「成長痛」ではないかと指摘しています。

 トヨタも世界販売1000万台とハイブリッド車、燃料電池車、自動走行自動車などの開発という二兎を追っています。そのなかで、制御プログラムの欠陥という共通したリコール原因が起きています。

 技術者集団が疲弊していないか? 十分な人員、時間が保障されているのか? 余裕があるのか? 安全なクルマづくりのためには、人と技術をなによりも大切にしてほしいと思います。
品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/03/26 08:42

◎エアバックに不具合 トヨタなどがリコール

 これは本当の話です。
 10数年乗っていたトヨタ車から、同じトヨタの新型車に替えた中高年男性。デーラーで、営業マンにうれしそうに話しました。

 お客「これまでの車にはエアバックは付いていなかった。新車は、エアバックが標準装備なんですね」
 営業マン「そうですよ、お客さん。これからは安心して乗っていただけます」
 お客「ところで、エアバックを使った後は、どうしまうんだね?」
 営業マン「それはですね…」

               ◇

 トヨタやホンダなど6社は4月11日、エアバック装置に不具合があったとして国土交通省にリコール(回収・無償修理)届け出ました。

 衝突時にエアバックが膨らまず、出火する恐れがあるといいます。今年1月に愛知県で事故があったほか、これまでに2件の事故報告があったといいます。国内販売分のリコール対象車は、41車種、合わせて約73万台になります。

 このうちトヨタは、2000年11月~03年6月に生産されたカローラやマークⅡ、イプサムなど約30万8300台です。6社にまたがっているのは、自動車部品メーカーのタカタが製造した同じものを使っていたためです。

 トヨタは、不具合の原因について次のように報告しています。

 「助手席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、ガス発生剤の成型工程が不適切又は成型後の吸湿防止措置が不適切なため、密度が不足したガス発生剤が組み込まれたものがある。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ内圧が異常上昇し、インフレータ容器が破損して飛び散り、出火するおそれがある」

 自動車の安全技術は、年々進んでいます。歩行者や自転車に乗っている人と衝突した場合、そうした人を守る外部エアバックも開発され、実用化しています。自動車そのものの衝突防止装置も、研究から実用化に入っています。

 それだけに安全技術で、リコールがないようにしてもらいたいものです。

エアバック
(エアバックが膨らんだ時のイメージ=トヨタ車の説明書から)
品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/04/12 11:18

◎トヨタがカローラやレクサスのリコールを発表

 トヨタ自動車は1月31日、カローラやレクサスのISにエアバックやワイパーに不具合があるとしてアメリカや日本などでリコールしました。

 カローラは、2001年~04年にかけて生産した90万7000台。レクサスISは、2005年~11年にかけて生産した38万5000台です。合わせて129万2000台です。

 カローラについては、エアバッグのコントロールユニットに、電気ノイズに対する耐久力が不足したものがあり、車両の電装部品から発生するノイズにより、使用過程で当該ユニット内のICチップが損傷。最悪の場合、走行中にエアバッグが展開するおそれがあるとしています。

 ISについては、ワイパーの根元の部分の締めつけが設計上、不十分なため、動かなくなる可能性があるとしています。

 リコール対象になったカローラは、トヨタとGMが共同開発したもので、両社の合弁会社NUMMIで生産されてきました。日本に輸入されヴォルツの名で約6000台販売されているといいます。

 豊田章男社長は、2013年の年頭あいさつで、「品質問題を風化させることなく、品質がトヨタの生命線であることを肝に銘じる」「ためらうことなくリコールやサービスキャンペーンを行っています」などとのべています。
品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/01/31 10:56

◎トヨタ 国内最大のリコール152万台

 国内では過去最大の152万台のリコール(回収・無償修理)を国交省に届け出たトヨタ自動車は、11月15日から作業を始めます。先月に世界で743万台のリコールをしたばかりです。コスト削減のための部品共通化でリコール数が多くなったとはいえ、「コスト削減か? 安全か?」が問われる事態になっています。

 届け出たリコールは、プリウスやウィッシュ、カローラ、エスティマ、クラウンなど13車種の150万7454台。2000年~11年までに生産されたものです。

 トヨタは、不具合を次のように説明しています。

(1)かじ取装置において、ハンドルとギヤボックスを連結している継手部品(インタミエクステンションシャフト)のギヤボックス側強度が不足しているものがあるため、低速時にハンドルを強く一杯に切る操作を繰り返すと、継手部品の連結部にガタが発生することがあります。そのため、そのまま使用を続けると、連結部が摩滅し、かじ取り操作ができなくなるおそれがあります。

(2)ハイブリッドシステムの電圧変換器(インバータ)用電動ウォータポンプにおいて、コイルの巻き線工程が不適切なためコイル線に傷がついたものがあります。そのため、コイル線の腐食断線によりウォータポンプが停止して警告灯点灯や出力制限走行となります。また、線間ショートした場合には、電源ヒューズが切れて走行不能となるおそれがあります。

20121115 リコール箇所


 かじ取装置の不具合は、「ギヤボックス側強度不足」から操作不能になるおそれがあるとしています。「強度不足」といえば、三菱自動車製のトレーラーから、はずれた車輪に当たって母子3人が死傷した事件(2002年1月10日)を思い起こします。

 タイヤと車軸をつなぐ部品のハブの強度不足を知りながら放置していたためで、リコール隠しとして三菱の元社長が有罪になりました。こうした不具合は、自動車運転では人身事故につながるものであり、メーカーとしては致命的なものです。

 自動車メーカーは、世界で激しい競争をしており、そのためにコスト削減のために車種をまたがって部品の共通化をすすめています。このため、不具合が起きるとリコール台数は飛躍的に多くなります。こうした理由があるとはいえ、安全なクルマづくりは、メーカーの最大の使命のはずです。

 トヨタは、09~10年にかけて世界でのべ1000万台を超すリコールをしました。豊田章男社長が10年2月24日に、米議会公聴会で証言しました。トヨタは、この日を「再出発の日」と位置付けてきました。しかし、コスト削減を優先してはいないか―先月、今月と続く大規模なリコールは、再点検が必要なことを示しているといえるでしょう。

リコール対象車
品質・リコール問題 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2012/11/15 09:41

◎トヨタ 過去最大のリコール

 トヨタ自動車は10月10日、パワーウインドーの不具合が出る可能性があるとして、ヴィッツなど世界で約743万台のリコール(回収し、無料修理すること)をすると発表しました。1回のリコールとしては、2010年の445万台を上回り、過去最大です。

 トヨタは、09~10年にかけて世界的規模でリコール問題を起こし、豊田章男社長が10年2月24日に、米議会公聴会で証言しました。トヨタは、この日を「再出発の日」と位置付けてきました。

 工場では「自工程完結で良い物・良い業務を後工程へ流す」ことを目標に取り組むなどしています。そうした中でふたたび大規模なリコールが明らかになりました。

 今回のリコールは、国内ではヴィッツやオーリス、カローラルミオンなど6車種で、2006年9月~08年7月までに生産された車両です。トヨタの発表によると次のような内容です。

 「運転席ドア部のパワーウィンドウスイッチにおいて、スイッチの潤滑用グリースが均一に塗布されていないものがあり、スイッチ操作時に接点部で発生するアーク(火花)によってグリースが炭化して潤滑性が悪化することがあります。そのため、スイッチの摺動が悪くなり、早期に接点が摩耗して作動不良となるおそれがあります。また、スイッチの摺動不良を改善させようと市販の潤滑剤等を塗布すると、スイッチが溶損するおそれがあります」

 改善策として、販売店で次のようにするといいます。
 「全車両、パワーウィンドウスイッチを点検し、作動不良が確認されたものについては、耐熱性グリースを塗布したスイッチ基板と交換し、それ以外については、接点部に耐熱性グリースを塗布します。また、上記の点検により、耐熱性グリースを塗布したものについて、その後、作動不良が発生した場合は、パワーウィンドウスイッチを交換します」

 今回の大規模なリコールは、09~10年当時と同様に、コストダウンをはかるために車種を超えて部品の共通化をすすめているためです。しかも、ヴィッツ(日本)、ヤリス(フランス)などというように、国内と海外で同じ車種を生産しているために、不具合が見つかると世界的規模になります。

 「今回はわずか1社の供給部品の欠陥が原因とみられる」(日経新聞、11日付)との指摘があります。トヨタが強力にすすめているコストダウンには、こうした落とし穴があることを示しています。

3代目 ヴィッツ 
(写真は3代目のヴィッツ。今回のリコール対象車は2代目ヴィッツ)
品質・リコール問題 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2012/10/11 09:54

◎「トヨタ再出発の日」に考える

 トヨタ自動車で、世界的なリコール問題が起きた2010年。同年2月24日に豊田章男社長は、米議会の公聴会に出席しました。トヨタはこの日を、「トヨタ再出発の日」と位置付けています。

 今年もその日に向けて、工場では「自工程完結で良い物・良い業務を後工程へ流す」ことを目標に取り組んでいます。その具体化が、「寄せ書き」運動です。1人ひとりが品質に対する思いや取り組みを書き、宣言するというものです。

 トヨタがこの運動を行っている最中の2月8日。最高裁は、三菱自動車製のトレーラーからはずれた車輪に当たって母子3人が死傷した事件(2002年1月10日)で、業務上過失致死傷罪に問われた、同社の元幹部らの上告を棄却しました。

 これで、三菱の3つの刑事裁判すべてが終結しました。この事故は、三菱がタイヤと車軸をつなぐ部品のハブの強度不足を知りながら放置していたために起きました。

 ハブの破損は1992年から起きていました。三菱は、リコールせずに隠していたのです。この「リコール隠し」で、母子3人の死傷事件が起きたのです。三菱の元社長など、企業のトップも有罪になりました。

 三菱は大きな打撃を受け、車の販売も激減しました。「リコール隠し」の代償は、国民に対しても、三菱に対しても余りにも大きなものでした。

 トヨタが2010年度に国土交通省に届け出たリコールは、14件、212万台です。11年度もクラウンやマークx、Iq、プリウス、エスティマなどのリコールを届け出ています。リコールゼロにはほど遠いものです。

 国土交通省は、2009年度のリコール分析(メーカ名は明らかにされていない)のなかで、設計に問題があるが60%、製造に問題があるが40%としています。このなかで一番多いのが設計の「評価基準の甘さ」です。115件、48%も占めています。

 その内容を見ると、「最悪の場合、火災に至るおそれ」「燃料が漏れるおそれ」「エンストして再始動ができなくなるおそれ」…と車を運転するのが怖くなるようなことが次々とでてきます。

 いうまでもなく、車の安全は自動車メーカーにとって最優先の課題です。この2月、改めて車の安全問題を考えたいと思います。

車の安全は
トヨタ本社(奥)に向かって走る車
品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2012/02/27 10:03

電子制御に欠陥はなかった 米運輸省とNASA

 突然の急加速で死亡事故が起きるなど、トヨタ車のリコール問題を調べていた米運輸省とNASA(米航空宇宙局)は8日、電子制御システムに欠陥はなかったとする最終報告書を発表しました。

 急加速のほとんどは、アクセルとブレーキの踏み間違いの可能性が高い、としています。トヨタは、「トヨタ車の安全性をさらに高めていく」との声明を出しました。

 最近の車は、鉄から“ソフトウエアのかたまり”になったといわれるほどハイテク化しています。1台で1000万行といわれるほどのハイテク車もあらわれています。
 
 しかし、ハイテク車の設計や安全実験・確認、トラブルの再現性などは、複雑になる一方です。「数十種類の車種、頻繁なモデルチェンジ、締め切りに追われたゆとりのない設計期間、膨大なブログラム…」――技術者たちは、口をそろえてこう語ります。仕事に追われ、神経をすり減らしているのです。

 今回、「NASAは電子工学や電磁波干渉、人間工学などの専門家を総動員」(「日経」9日夕刊)して調査したといいます。メディアは、これで「トヨタバッシングはおさまるだろう」と報道しています。

 アメリカでのリコールを受け、トヨタは昨年10月、アクセルよりブレーキを優先させる「ブレーキ・オーバー・ライド・システム」を、2011年からアメリカで全車に標準装備することを明らかにしました。

 ヨーロッパ車では1990年代から標準搭載しているものです。日本での標準搭載は明らかにしていませんが、一刻も早い搭載が求められています。

 車は、今後もハイテク化がいっそうすすむことが予想されます。技術者や現場労働者が、安全に車を設計し、組み立てるためには、余裕を持った仕事が必要です。「トヨタ車の安全性をさらに高めていく」ための根本は、ここにあるといえるでしょう。

110209 米運輸長官

(電子制御装置に欠陥はなかったと発表する米運輸省のラフッド長官。NHKテレビから)
品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/10 07:39

米で全車標準装備へ ブレーキ・オーバー・ライド・システム

 レクサス
トヨタは4日、アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合、ブレーキを優先し、アクセルを利かなくする「ブレーキ・オーバー・ライド・システム」を、アメリカで2011年から全車に標準装備することを明らかにしました。
 アメリカでは、アクセルペタルがフロアマットに引っかかる恐れがあるなどとしてトヨタがリコールしていました。また、予期しない急発進が起きるなどの訴えがあり、トヨタ車の安全が問題になっています。
 ブレーキ・オーバー・ライド・システムは、アウディが1990年代なかばから搭載するなどヨーロッパでは標準装備になっています。
 今回、トヨタは日本国内では、将来的には標準装備するとしています。豊田章男社長は、一連のリコール問題を受け、安全第一の企業風土にすることを表明しています。自動車の安全にかんすることであり、日本国内でも一刻も早い標準装備が必要ではないでしょうか。
品質・リコール問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/10/06 09:06
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