◎「応能負担」の税制改革を――トヨタシンポジウムから⑦

 このシリーズで6回にわたって、富裕層がいかに税金を支払っていないか、富裕層優遇税制を見てきました。大企業への優遇税制については、あらためてシリーズで見てみます。最後の7回目は、本来の税制の在り方を問う問題です。

 第31回トヨタシンポジウム(5月16日開催)で、講演した税財政問題研究者の垣内亮氏の答えです。

「応能負担」の税制改革を


……
 以上、トヨタを入口にして、日本の法人税、所得税などの問題点を見てきました。このほか、消費税や相続税など、いろいろな税金がありますが、時間の関係で省略させていただきました。

 最後に、こうした大企業や富裕層優遇の税制を改めれば、どれだけの財源が生まれるのか、昨年の総選挙の際に日本共産党が明らかにした試算を紹介させていただきます。

 今日説明した大企業優遇税制、トヨタだけでも毎年数千億円規模の減税になっている可能性がありますが、これを改めれば、日本全体では2.4兆円になる。

 法人税率については、民主党政権時代に決めた引下げをやめることで1.9兆円です。

 今年、自民党政権がやった分を加えれば、さらに増えることになります。所得税・住民税の最高税率を98年時点まで、相続税の最高税率を02年時点に戻すことで1.8兆円、富裕層の株のもうけにきちんと課税することで0.6兆円になります。

 そのほか、富裕層の資産に毎年課税する「富裕税」の創設、年金や健康保険などの保険料が高額所得者では頭打ちになっていることを改めること、為替取引税、環境税などを提案しています。

 税の基本は「能力に応じた負担」です。
……

                  ◇

 この記事は7月6日アップの予定でしたが、都合により4日にアップしました。
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トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/07/04 10:56

◎アベノミクスで富裕層は大儲け――トヨタシンポジウムから⑥

 第31回トヨタシンポジウム(5月16日開催)で、講演した税財政問題研究者の垣内亮氏は、アベノミクスで株を大量に保有している富裕層が大儲けしている実態を、ユニクロ、ソフトバンク、楽天の3人のトップのケースをあげています。

アベノミクスで富裕層は大儲け


……
 この間、「アベノミクス」で景気が良くなったわけではありませんが、株価だけは上昇しています。2012年の国会解散前には8000円台だった株価が、先月、ついに2万円台になりました。

 調べてみますと、この株価上昇で、保有している株式の時価総額が100億円以上増えた富裕層が、224人もいます。

 たとえば、ユニクロのこの人は家族4人あわせて1兆5800億円、ソフトバンクのこの人は1兆1500億円、楽天のこの人は夫婦あわせて1兆1400億円です。

 こうした、株で大儲けした富裕層に、きちんと税金を負担してもらう、そういう税制の改革を進めていく必要があると思います。
……

 さて、どのように税金を負担してもらったらいいでしょうか?

              ◇

 この記事は7月5日アップの予定でしたが、都合により4日にアップしました。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/07/04 10:48

◎富裕層の所得は株が中心――トヨタシンポジウムから⑤

 このシリーズの前回の記事で、「日本の配当、株式譲渡の税率が極めて低い」ことを明らかにしました。コメントで、「資産の80%は株で所持しているから、配当金や税率はありがたい」というのをいただきました。

 第31回トヨタシンポジウム(5月16日開催)で、講演した税財政問題研究者の垣内亮氏の作成した次のパワーポイントの表を見て、どう考えられますか?

30 富裕層の所得は株が中心


……
 2013年の申告納税者について、その所得のうちで株式譲渡所得がどのくらいを占めているかを示したグラフ(青線のグラフ)です。

 低所得者では、株式譲渡所得は1%前後しかありません。給与をはじめとした、働いて得た所得がほとんどです。所得1億円程度でも株式譲渡所得は10%くらいです。

 ところが、それ以上の富裕層になると、所得の大半が株式譲渡所得になっています。この部分の税率が低いために、先ほど示した税負担率(6月28日アップの表)をもう1度示すと(赤線のグラフ)――。ほら、このように、富裕層の税負担率が低くなってしまうのです。
……

 トヨタ自動車の社員の平均年間給与は、848万円(15年3月期の有価証券報告書)です。青いグラフを見ると株の所得は、年間給与の2~3%程度にすぎないでしょう。

 ここで問題にしているのは、少なくとも1億円以上になると、急激に所得は株が中心になり、所得税負担率が下がるということです。富裕層ほど、税負担率が少ないということです。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/07/03 16:27

◎株のもうけへの税率 日本は低い――トヨタシンポジウムから④

 「富裕層の税負担率が低くなってしまう大きな原因は、株の儲けに対する税率が低くなっていることです」――第31回トヨタシンポジウム(5月16日開催)で、講演した税財政問題研究者の垣内亮氏は、こう指摘します。

 垣内氏は、パワーポイントで作成したグラフをこう説明します。

30 株のもうけは低い税率に


……
 このグラフは、各国の株式配当と譲渡所得に対する所得税・住民税をあわせた最高税率を比較したものです。アメリカはニューヨーク市に住んでいる場合です。

 配当は、各国とも30%前後なのに、日本は2013年までは10%で、今も20%しかありません。

 株式譲渡所得の税率も30%前後、フランスでは8年を超えて長期に保有してから売った場合は低いですが、8年以下で売った場合は60%にもなる。日本は保有期間によらず、配当と同じ税率です。
……

 日本とアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスと比べて、日本の配当、株式譲渡の税率が極めて低いことがわかります。日本は、富裕層に手厚いことがわかります。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/07/01 13:52

◎金持ちほど低い所得税負担率――トヨタシンポジウムから③

 豊田章男社長の税負担率が低いのは、なぜでしょう? 第31回トヨタシンポジウム(5月16日開催)で、講演した税財政問題研究者の垣内亮氏が作成した2つのグラフを見てみましょう。次は、垣内氏の説明です。

30 金持ちほど低い所得税負担率


……
 これは、2013年分の申告納税者のデータから計算した、所得階級別の所得税負担率のグラフです。所得が1億円程度を超えると、逆に負担率が下がってしまうのがわかります。

 所得が100億円を超える超富裕層になると、11.1%しか負担していません。

 余談ですが、所得100億円を超える人は、2013年には日本全国で18人でしたが、そのうち2人は愛知県にお住まいの方です。
……
30 引下げられた最高税率


 グラフからは、金持ちほど所得税負担率が低いことがわかります。しかも最高税率が、自民党政権のもとで、1983年までは75%(所得税)、18%(住民税)だったのが、次々と引き下げられ、2007年からは40%(所得税)、10%(住民税)になっています。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/06/28 08:06

◎トヨタ社員の方が豊田社長より税・保険料負担率高い!―ートヨタシンポジウムから②

 昨日のこのブログで、「豊田社長 株配当を含め12億円の報酬」をアップしたところ、「役員報酬の額は、特別多いとは思いません」などとのコメントをいただきました。

 しかし、次のことには驚き、共感されるでしょう。第31回トヨタシンポジウム(5月16日開催)で、講演した税財政問題研究者の垣内亮氏が、次のように語ったことです。

30 豊田社長の税・社会保険料負担率


……
 「会社が税金を払えるようになってうれしい」と発言(2014年5月8日の14年3月期決算発表で)した豊田社長ですから、社員の130倍もの年収かあったら、さぞかし、税金もたくさん払ったのではないかと、誰もが思います。

 もしかすると、社員の200倍とか、300倍とか、払っているんじゃないでしょうか? 社長の役員報酬が判明している4年間について所得税と住民税の年収に対する負担率を計算すると、こうなります。

 青が社員の平均、赤が社長です。社長の負担率が下がってきていますが、まだ、社長の方が高い。ただ、これは税だけの負担率です。一般社員の場合、年金や医療、介護などの保険料の負担の方が大きい。そこで、社会保険料を加えて計算してみます。

 こうなりました。何と、社長の負担率の方が低いんですね。
……

 欧米では、大企業経営者の税負担率が社員より低いなどと富裕層の税負担率の低さが問題になっています。米投資家のウォーレン・バフェット氏が米紙への寄稿(2011年8月15日)で「大金持ちを甘やかすのはやめよう」と富裕層への増税を訴えました。

 欧州の大富豪が次々賛同したことは、よく知られています。残念ながら、豊田社長をはじめ日本の富裕層からは、こうした声は出ませんでした。社員にとって、社長より税・保険料の負担が重いとは、耐えられないですね。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/06/26 14:14

◎豊田社長 株配当を含め12億円の報酬 ――トヨタシンポジウムから①

 トヨタ自動車の豊田章男社長の14年度の報酬が3億5200万円だったことが6月24日に開示された同社の同年度の有価証券報告書で明らかになりました。昨年度は約2億3000万円でしたから、1年間で1億2200万円増えたことになります。

 役員で1億円以上の報酬がある場合は、開示義務があるため、トヨタの役員8人の報酬が記されています。内山田竹志会長は、前年度より3600万円多い2億100万円でした。6人いる副社長は、横並びの1億2000万円台でした。

 豊田社長は、トヨタ株を459万6000株保有しています。1株200円の配当のために、9億1800万円の配当金を受け取ります。報酬と合わせると12億7000万円になります。

 報酬が飛び抜けて多いことで知られている日産自動車のカルロス・ゴーン社長の14年度の報酬は10億3500万円でした。ゴーン社長の日産株保有は、312万2000株です。日産の株配当は、1株あたり33円ですから、ゴーン社長の株配当額は1億302万円です。報酬と株配当金を合わせると11億3802万円になります。

 豊田社長の報酬と株配当金を合わせた方が、ゴーン社長より1億3198万円も多いことになります。

30 豊田社長 報酬・株配当
(単位は億円。グラフ下の年は、決算年度)

 5月16日に開かれた第31回トヨタシンポジウムで、税財政問題研究者の垣内亮氏が「トヨタからみた日本の税制の問題点」と題して講演。このなかで、この11年間の豊田社長の報酬と株配当金をグラフで示しました。株配当金がこの4年間で6倍にも急騰していることがわかります。

 株主優先が、経営者にとってもたまらない政策だということがわかります。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/06/25 14:58

◎下請法違反 公取の指導5461件

 豊田市や刈谷市などを歩いていると、小さな町工場がたくさんあるのに気づきます。愛知県は、工業出荷高日本1であり、なかでも自動車産業が最も集積しているからです。

 公正取引委員会は6月3日、下請法違反=“下請けいじめ”で公取が親事業者を指導したのは、2014年度は過去最多の5461件だったと発表しました。13年度より10%増え、5年連続で過去最多を更新したというから驚きです。

 下請けいじめは、下請け代金の支払いの遅延や一方的な切り下げ、買いたたきなど親会社の優越的地位を利用して行うものです。

 下請事業者の不利益について,親事業者209名から,下請事業者4142名に対し,下請代金の減額分の返還など総額8億7120万円分の原状回復が行われたといいます。

 業種別では、製造業が最も多く45・0%と半数近くを占め、卸・小売業が22・0%、情報通信業が8・7%などでした。公取は、円安で輸入材料が高騰したことなどで、下請法違反が増えたとみています。

 公取は、下請法違反に問われた企業名を公表していませんので、どのような企業が違反していたかはわかりません。しかし、公取の指導が5年連続で増えているというのは、下請けいじめが依然としてまかり通っている実態を示しています。

                                        ◆


下請け トヨタ総行動
(トヨタ総行動の集会=2月11日、山之手公園)

 トヨタ総行動実行委員会(愛知県労働組合総連合などで結成)は、今年2月11日に約1000人が参加して、ビラ配布や集会、トヨタ本社へのデモ行進などの総行動を行いました。

 総行動に先立つ2月6日には、トヨタ本社やアイシン、デンソー、トヨタ車体などの関連会社に、トヨタの内部留保14兆円のほんの一部分を使い、下請け単価の改善などを積極的に行うよう要請しました。

 単価改善で、末端の下請け労働者の賃上げや非正規労働者の賃上げにおよぶよう求めたものです。しかし、トヨタ本社は要請書を受け取りませんでした。


トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/06/16 11:11

◎なぜトヨタが法人税ゼロ? トヨタシンポ開かれる

 第31回トヨタシンポジウムが5月16日、名古屋市内で開かれました。愛知県労働組合総連合などでつくるシンポ実行委員会が開いたものです。1984年から始まった伝統あるシンポです。

 税財政問題研究者の垣内亮氏が「トヨタからみた日本の税制の問題点」として講演しました。トヨタ自動車は、昨年5月に2014年3月期の決算を発表しました。席上で豊田章男社長は、「一番うれしいのは納税できること。社長になってから国内では税金を払っていなかった」などとのべました。

 利益日本1で、同3月期決算で過去最高の営業利益、2兆2921億円をあげたトヨタの社長のびっくり発言でした。垣内氏は、なぜトヨタが国税の法人税を08~12年度までの5年間、支払っていなかったかを有価証券報告書などの資料から詳細に分析して報告しました。

トヨタシンポ


 そして、①受取配当の益金不算入制度、②外国子会社配当益金不算入制度、③研究開発減税、④連結納税制度、⑤「自己株式」による税の軽減――の5点にわたってくわしく説明しました。

 その上で、トヨタが5年間で支払うべき本来の税額は2612億円だったのに、▽配当益金不算入(国内外)で1434億円、▽研究開発減税で443億円、▽外国税額控除で178億円、▽繰越欠損で557億円――が減税されたと推計しました。

 垣内氏は、これは違法なことをトヨタがやっているのではなく、長年の自民党政権がつくりだしてきた大企業優遇税制にあり、これを政治的にただすことが重要だと強調しました。

 また日本共産党の大村義則豊田市議は、豊田市の法人市民税が国税の法人税と連動して、491億円(07年度)、381億円(08年度)あったものが。34億円(09年度)、52億円(10年度)、51億円(11年度)、60億円(12年度)、59億円(13年度)と激減したことを報告しました。

 愛労連の吉良多喜夫事務局長は、今年2月11日に行われたトヨタ本社へのデモ行進などのトヨタ総行動には1000人が参加したと報告。▽トヨタなど大企業への優遇税制を改める、▽大企業・富裕層に負担を求める、▽消費税の10%への増税阻止、戦争法案阻止、労働法制改悪阻止――などの運動に全力をあげようと提起しました。

 (垣内氏の報告は後日、くわしくブログでアップする予定です)
トヨタシンポ・総行動 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/05/17 10:31

◎15兆円の内部留保の活用を トヨタ本社に向けて総行動

 トヨタ自動車に、そのばく大な内部留保や利益を社会に還流させることを求めて2月11日、「トヨタ総行動」(愛知県労働組合総連合など実行委員会主催)が行われました。1981年から始まった運動で、今年で36回目になります。豊田市のトヨタ本社前をはじめ、名古屋駅前などでいっせいに訴えました。

15総行動1
(出勤するトヨタの労働者ら。右のビルはトヨタ本社)

 午前7時30分。トヨタの朝は早い。本社やテクニカルセンターなど本社地区では、多くの社員が出勤します。愛労連の榑松佐一議長や国会からかけつけた日本共産党の本村伸子衆院議員、大村よしのり、根本みはるの両豊田市議らが訴えました。

15総行動3
(本社前で訴える=右から=榑松、本村、根本、大村の各氏)

 榑松議長は、「トヨタは、この3月期の決算で2兆7000億円もの営業利益をあげる見通しであり、内部留保は15兆円にものぼります。いまや自民党・安倍政権さえ内部留保を賃上げなどに活用することを主張しています。全労連や日本共産党が主張してきたことが世論になっています」と訴えました。

 そして、「トヨタはこの13年半、下請けに1年に2回単価の切り下げを求めてきました。円高の時は、円高特別協力といって切り下げを求めました。円安でばく大な利益をあげているいま、円安還元金を支払うべきです」と強調しました。

15総行動2
(山之手公園での集会)

 その上で、「中日新聞も、単価引き上げが必要と書いたり、中小企業はトヨタと交渉すべきだと書くなどしています。トヨタに社会的責任を求める運動を大きく広げていこう」と呼びかけました。

 午後1時からは、山之手公園で集会を開催。小春日和のような暖かい日差しを浴びてトヨタ本社に向けてデモ行進。大幅賃上げや下請けへの単価引き上げなどを訴えました。早朝からの訴えや集会・デモ行進にはのべ1000人が参加しました。

15総行動4
(トヨタ本社前をデモ行進する労働者)

 トヨタ労組執行部は、賃上げ6000円、期間従業員の日給300円の引き上げを求める執行部の提案をしており、13日の評議会で正式に要求を決めます。18日に会社に要求を提出。3月18日の集中回答日に向けて労使協議会が3回開かれる予定です。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/02/11 18:24

◎下請け単価切り下げ トヨタ、下期は中止

 トヨタ自動車は毎年2回、下請けに対し、単価の切り下げを事実上、強要してします。2014年10月~15年3月(14年度下期)は、中止すると日本経済新聞が報道(10月25日付)しています。

 同紙によると、トヨタ下請けでつくる「協豊会」の約450社と半年ごとに単価の交渉をしています。リーマン・ショック後は3%近く、ここ数年は1%程度の値下げを求めていたといいます。

 14年3月期決算で、2兆2921億円の史上最高の営業利益をあげたことから、14年4月~9月(上期)は、値下げ幅は1%を切ったといいます。今回、15年3月期では円安などから、トヨタはさらに最高益を更新する見通しのために、下期は「値下げを求めない方針を固めた」といいます。

 日経新聞は、これにより「数百億円の収益改善分を取引先に還元する」ことになると伝えています。

トヨタ総行動1 2013
(「トヨタは下請け単価引き上げよ!」などの横断幕をかかげて集会をするトヨタ総行動=2013年2月11日、豊田市の山之手公園で)

 トヨタ総行動実行委員会(愛知県労働組合総連合や中小・零細企業でつくる愛知県商工団体連合会、学者、日本共産党などでつくる)は、毎年、トヨタ本社に対し、下請け単価の切り下げをやめ、下請け各社に利益を還元するよう運動してきました。

 今年5月16日には、総連合の榑松佐一議長ら第35回トヨタ総行動実行委員会のメンバーがトヨタ本社に要請しました。要請では、同実行委員会が下請けに行ったアンケート160社の声を届けました。

トヨタ総行動2 2013
(トヨタ本社前をデモ行進するトヨタ総行動の参加者たち=2013年2月11日)

 そこには、「大企業には毎年の定期価格改定(4、10月)は直ちにやめてもらいたい。利益は中小企業には出させない仕組みとなっているのでは?」「消費税が『価格』に転嫁できない場合が多く経営を圧迫しています」――など切実な声にあふれていました。

 今回の単価切り下げの中止は、こうした下請けの声を反映したものであり、当然というべきものでしょう。トヨタは、2兆円を超すばく大なもうけの還元を今回限りにせず、単価の切り下げどころか、切り上げをすべきでしょう。

           ◇

 この記事は10月26日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/10/25 21:25

◎トヨタシンポ 2兆円の利益を労働者、下請けに

 利益、内部留保日本1の大企業、トヨタ自動車は、社会的責任を果たすべきだ――トヨタ総行動実行委員会(愛知県労働組合総連合などで結成)は、11月24日、第30回トヨタシンポジウムを刈谷市内で開きました。

 主催者あいさつで榑松佐一実行委員長は、節目の30回目になったトヨタシンポジウムについて、研究者、労組、労働者、下請け、地域住民が「トヨタ」をキーワードに、トヨタ研究の最先端を担ってきたと強調しました。

 そのトヨタは、西三河のトヨタから、愛知のトヨタ、日本のトヨタ、世界のトヨタと多国籍企業となってきたこと。奥田碩・元会長が初代の日本経団連会長に就任、下請けへのコストダウンや製造業への派遣労働解禁、リーマン・ショック時の派遣労働者切りなどをすすめてきたことなどを告発しました。

 その上で、トヨタがどれだけ儲けても、トリクルダウンになっていないこと。円安でふたたび2兆円を超す利益をあげるトヨタに、労働者への賃上げや下請けへの単価改善などを実現させるために運動を強めようと呼びかけました。

トヨタシンポ 20131124


 シンポジウムでは、フリージャーナリストの林克明氏がトヨタや関連労働者の取材から、日本の労働問題はどうなるのかのテーマで講演。また、▽日本共産党トヨタ自動車委員会は、ブログ「トヨタで生きる」の3年余の経験について、▽豊田市の大村義則市議(日本共産党)は、市民のくらし・経済について、▽愛知県商工団体連合会は、消費税増税と中小企業への影響について――それぞれ報告しました。

 実行委員会事務局の吉良多喜夫氏は、「“アベノミクス”と対決! いっそうの共同をひろげよう」と題して問題提起。具体的な行動として、▽来年2月2日に名古屋市で「消費税増税反対、内部留保を活用しすべての労働者の賃上げを」(仮称)を開く、▽2月11日には、豊田市山之手公園でトヨタ総行動の集会を開き、デモ行進する、▽下請け中小企業アンケートに取り組む――などを提起しました。

トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/11/25 16:38

◎トヨタ総行動に1000人 内部留保還元せよ


 毎年2月11日に愛知労働組合総連合などが行っているトヨタ総行動(今年で33回目)が、豊田スタジアム西側の河川敷で開かれ、全国から約1000人が参加しました。

 今年は、土曜日にあたり、トヨタ本社が休日のために、本社へのデモ行進に代わり、豊田市駅前までデモ行進を行いました。工場は、1~3月の期末の6日稼働のために、1直の労働者は出勤していました。

要求せず
11日付の日経新聞にトヨタ労組など連合労組は軒並み賃上げ「要求せず」と報道されました。

歌声
愛知の歌声の仲間たち

過労死
水野幹男弁護士が「過労死防止基本法」の制定を求める署名を訴えていました

中外
解雇を撤回し職場復帰したJMIU中外分会のブラジル人労働者たちが報告

レンジャー
今年も登場、アイレンジャー

ガンバロー
春闘ガンバローとシュプレヒコールする参加者

すだれ
トヨタは内部留保をはきだせ、とすだれ旗を持つ参加者

今日も出勤
土曜日も出勤、トヨタ堤工場の労働者
トヨタシンポ・総行動 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/02/11 17:11

◎トヨタシンポジウム タイ洪水、大震災でトヨタは


 ため込んだ内部留保が11兆円以上。ダントツで日本一のトヨタ自動車に、労働者や下請け、地域にその利益を還元せよ、と30年も続けている運動があることを知っていますか? 

「トヨタ総行動」といいます。そう、毎年2月11日にトヨタ本社へ向けてデモ行進していますね。それです。第1回が1981年3月21日といいますから、そのねばり強さはすごいですね。

 その一環である、第28回トヨタシンポジウムが11月13日、豊田市内で開かれました。愛知県労働組合総連合(愛労連)などの実行委員会が1984年以来、毎年、開いています。

 今年は、東日本大震災、タイ洪水、超円高、TPP(環太平洋経済連携協定)などトヨタ自動車を取り囲む情勢が大きく動いているなかで開かれました。労働者、下請け、地域経済、地域住民の暮らし、営業はどうなるのかと熱心な議論が続きました。

 榑松佐一実行委員長(愛労連議長)は、野田首相が11日にTPPへの参加を表明したことについてふれ、農業も国際競争力を持つべきだなどとの主張は、トヨタの国際競争力論と同じ立場だと指摘しました。

トヨタが国際競争力を強化するなかで起きたことは、労働者の賃下げであり、非正規切りであったと批判。年収200万円の労働者が増えるなかで、150円弁当が現われるなど、労働者、国民の暮らしが貧しくなっているとのべました。

その上で、利益第一主義のTPP(Toyota profit plan)に対し、利益を社会的に還元させる運動を強めていこうと呼びかけました。

 井内尚樹・名城大学教授は、自然エネルギーを基礎とした循環型地域経済の構築に向けて講演しました。その具体例として、被災地・岩手県宮古市でのがれき処理やドイツのバイオガス発電農家の取り組みなどを多数示しました。

 そして、名古屋市の産業構造を、自然エネルギーを基礎とした電気・ガス・水道業へと転換させること、豊田市でも国際競争力型から国際共生型への産業構造と自然エネルギー型産業構造をミックス化することが必要ではないかと提起しました。

 吉良多喜夫事務局長(愛労連事務局長)は、トヨタに社会的責任を果たさせるために続けてきた、トヨタシンポやトヨタ総行動の30年来の運動の到達点にふれながら、今年から来年にかけての具体的運動を提起しました。

トヨタ本社への要請やトヨタ総行動の実施(2012年2月11日)、仕事量・単価に関する中小企業アンケートへの取り組みなどです。

 この後、各団体から特別報告がありました。日本共産党トヨタ自動車委員会からは、トヨタが「3つの矛盾」(大震災とタイ洪水で生産がストップ、期間従業員募集がうまくいっていない、土日操業への職場からの不満)に直面していること、日本共産党豊田市議団からは、根本みはる市議がトヨタの土日操業が保育やくらしなど市民に与えた影響について報告しました。

刈谷民主商工会からは、トヨタの下請けや地域の商店がタイ洪水やトヨタの土日操業で大打撃を受けたことを報告。ある下請けは、工賃の3%を協力費として半強制的に出すよう迫られていること、零細業者の経営者は3~10%の単価切り下げで、自分のふところから出さざるをえなくなっている実態を訴えました。

20111113 トヨタシンポ
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/11/14 10:28

労働者は変化している 自動車労働者が交流会

 自動車産業で働く全国の労働者が2月10日、名古屋市内で交流会を開きました。マツダ、ダイハツ、スズキ、いすゞなどの労働者が報告、自動車大企業の攻撃に対し立ちあがるなど、労働者が変化していることが強調されました。

 マツダの山口県・防府工場の労働者は、派遣切りされて山口県労連へ相談に行き、正社員化を求めて17人が裁判闘争に立ち上がった、と報告しました。マツダは、労働者派遣法で、最長3年までとしている派遣期間に違反しないように、3カ月と1日だけ、マツダに直接雇用し、ふたたび派遣に戻してきたといいます。

 「なぜこんなことをやるのか、違和感を持っていたが、よくわからなかった。派遣切りされて、だまされたとわかった」と労働者。「物をつくることが好き、車が大好き。自動車産業をまともにしたい。正社員化を裁判で認めさせたい」と訴えました。

 ダイハツからは、リーマンショック後、約三千数百人の非正規労働者が切られたことや大阪府池田市の工場集約でラインが減らされたことが報告されました。「昼勤だけになり、残業もゼロになって、月収が20万円も減った労働者がいる。もう限界だ、との声があがっている。トヨタ車体などへの応援に行くと手当が出るので、みずから手をあげて応募する労働者がいる」とのべました。

 こうした生活苦が広がるなかで、これまでは会社の“国際競争力論”に同感してきた労働者が、「理解はするが納得しない」とのべるなど、労働者は変化してきている、と強調しました。

 静岡のスズキの労働者は、リーマンショックで約900人の派遣労働者・期間従業員が切られたことを報告。職場新聞を配布したり、春闘アンケートを取るなどねばり強く活動しているとのべました。

 アンケートでは、会社の経費節減にたいし、「自分のお金から会社で使うノートやシャープの芯などを出している。内部留保ばかりして(ためて)、社員に還元されないのはおかしい。納得いかない」との声や、内部留保について「そんなにためこんでどうするんだろう。あの世にまで持っていくつもりか、社員に配ればいい会長だと後世に残るが?」などの声が寄せられていることを報告しました。

 派遣切り・期間工切りに対し裁判闘争をしているいすゞの労働者(神奈川県、栃木県)からは、偽装請負があったかどうか、など3つの争点で争っていることを報告。非正規労働者と正規の労働者が手を取り合って、一時金を増額させた運動の教訓をのべました。

110210 自動車交流会
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/14 09:05

トヨタ総行動 写真特集「雪の中でも頑張った!」

トヨタ総行動1
(トヨタ本社前で、横断幕で訴える労働者。11日午前7時45分)


トヨタ総行動2
(本社前で宣伝カーから訴える日本共産党の大村よしのり=右=、根本みはる、の両豊田市議)


トヨタ総行動3
(本社前で、出勤する労働者にビラを手渡す)

 トヨタ総行動6
 (本社前のテクニカルセンターに出勤する技術者)

110211豊田 雪だるま
 (雪だるまをつくる親子。山之手公園で)
 
トヨタ総行動5
 (派遣切りとたたかういすゞ藤沢工場の佐藤良則さん=左=とパナソニック若狭の河本猛さん。山之手公園で)
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/12 22:19

雪の中でトヨタ総行動 13兆円の内部留保を還元せよ

トヨタ総行動4

 「トヨタは13兆円の内部留保を社会に還元せよ」「政府はTPP参加、消費税増税をやめよ」-今年で32回目を迎えるトヨタ総行動(愛労連など実行委員会主催)が2月11日、愛知県豊田市で開かれました。

 記録的な寒波となった今年の冬。豊田市は午前7時前から雪になり、集会が開かれる午後零時半ころにはピークに。山之手公園では親子が雪だるまをつくる風景がみられました。

 このため総行動は、集会(約1000人参加)だけになり、トヨタ本社に向けたデモ行進は中止になりました。

 主催者あいさつで、愛労連の榑松佐一議長は、「不況打開のためには賃上げは必要。富士通総研の研究者も主張している。国際競争力論を持ち出して賃上げを抑えようというのは、労働者の賃金は安ければ安いだけいい、ということの裏返し」とのべ、トヨタの内部留保を社会に還元させようと呼びかけました。

 東京からかけつけた全労連の小田川義和事務局長は、総行動が始まった1981年ころは、トヨタをはじめとする大企業は、減量経営といって人減らしをすすめていたと指摘。「総行動の歴史は、減量経営とのたたかいでもあった」とのべました。

 また、トヨタは今年3月期決算で4900億円の純利益をあげる見通しであり、エコカー補助金を政府から受けて利益をあげたトヨタは、内部留保を還元すべきだと訴えました。

 集会では、神奈川県からいすゞの派遣・期間工切りと裁判でたたかう労働者や同じようにパナソニックの派遣切りと裁判でたたかう福井の労働者らがかけつけ、エールを交わしていました。

 集会に先立って、午前7時半からはトヨタ本社前で、宣伝行動。出勤するトヨタの社員らに、大幅賃上げの実現を呼びかけました。これには、トヨタの労働者らも参加して訴えました。
 デンソーの本社などがある苅谷駅前では、ビラをティシュに折り込んだ宣伝物を約4000枚配布しました。


<お断り>
 2月11日は、「トヨタ総行動」の日でしたが、パソコンの不具合で記事をアップすることができませんでした。申し訳ありませんでした。12日で2日分をアップさせていただきます。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/12 22:02

過酷なトヨタのコスト削減

コスト削減計画原価改善(決算発表から)
00「CCC21」(総原価低減)
30%原価低減
実績7600億円
(00年~03年)
01
022600億円
03「BT2」 
目標「中国コストに勝つ」
30%原価低減
(03年~06年)
3000億円
042300億円
051600億円
06「VI」
目標「不可能と思われるコスト削減」
(06年~08年)
1300億円
071000億円
081700億円
09「RRCI」(良品廉価)
目標「黒字転換実現」
30%コスト削減
(09年~11年)
0
105200億円
111300億円
(見通し)
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トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/29 09:41

高岡工場に“ピカピカ隊”

トヨタシンポ


 第27回トヨタシンポジウムが11月28日、豊田市内で開かれました。トヨタ労働者から、高岡工場(豊田市)でのラインの集約、「寄せ停め」が報告されました。

 高岡工場の2つの組立ラインのうち、1つのラインの改修が2013年以降に延期され、1900人が“余剰”とされています。12月からこのうちの340人が堤工場(豊田市)へ転籍になる、と訴えました。

 また、高岡工場のロボットを清掃する“ピカピカ隊”がつくられていると報告。当初15人で発足した“ピカピカ隊”は、他の工場へ応援にいっていた労働者が工場へ戻ると同隊に入れられるなど増え続けているとのべました(詳細については今後、掲載する予定です)。

 シンポでは、丸山惠也立教大学名誉教授が「トヨタの拡大路線とリコール問題」と題して1時間半にわたって講演。09年秋から今年3月にかけて世界で1000万台を超えるリコールを引き起こした構造的要因についてくわしく解明しました。

 その要因について丸山教授は、①開発期間の短縮など、世界1への拡大戦略を支えた効率主義は車の安全性を危ういものにした、②期間工などの非正規労働者の大量導入がもたらしたもの―それは、総合的な技能を調整して生産する自動車では、技能の「すり合わせ」が不能になるような職場の疲弊をつくった、③下請けメーカーへのコスト3割削減など、行き過ぎた原価低減は、品質の低下や欠陥品を誘発する原因となった―ことを明らかにしました(シンポについては続報します)。
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/28 22:42
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