満額回答は当然 労働者の声

 トヨタ自動車は16日、2011春闘で労組が要求していた、定期昇給に相当する賃金制度維持分(7300円)と一時金181万円に対し、要求通り回答しました。回答日前に東日本大震災(11日)があったとはいえ、労働者からは「満額回答は当然」という声が出ています。

 今年の春闘は、トヨタ労組が加盟する連合が「現金給与総額が1997年と2009年で比較すると5・1%減」と主張してきました。主張のように、労働者の年収が年々減り続ける一方、大企業の内部留保は244兆円の巨額になり、手元資金は64兆円(「日経新聞」)という“カネ余り”になっていました。

 トヨタは、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金が11兆円を超え、手元資金も2兆2584億円もありました。2011年3月期の連結営業利益見通しは、5500億円を想定していました。しかし、トヨタ労組は、賃上げ要求を2年連続して見送りました。

 ある労働者は、今春闘についてこう語っています。
「会社は、トヨタ単体の営業利益は赤字だとくり返し主張し、一時金の満額回答にも難色を示していました。トヨタの工場からヴィッツなどの生産車種を関連会社にどんどん移動させています。連結で黒字なのに、単体が赤字になるのは当然です。こんな理由を持ち出して賃金、一時金を抑えようというのは許せないことです」

1103トヨタ労働者
  (トヨタ労働者の賃上げ要求は切実でした)
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2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/03/17 15:36

非正規雇用問題、労使でもっと議論を

 日経新聞(3月7日付)が、「盛り上がり欠く春の交渉」との見出しで、2011春闘について論評しています。自動車や電機の主要労組が2年連続で賃上げ要求を見送ったこと、連合の1%増要求のわかりにくさをあげ、「盛り上げを欠く交渉」と指摘しています。

 そして、中東の動乱などで世界経済が混沌としているなか、「賃上げ交渉を避けることができた経営者は労組から助け舟を出してもらったようなものだ」と労使双方に皮肉めいたことをのべています。その上で、非正規で働く人たちの処遇の改善について、もっと労使が議論するよう求めています。

 ドイツ金属労組が派遣と正社員の時給を同じにすることで合意したこと、オランダでは、非正規と正規社員の処遇を均衡させることが原則になっていることなどをあげ、「『同一労働、同一賃金』は世界の流れだ」と指摘しています。

 「同一労働、同一賃金」など、国際比較で大変参考になるのが『働くルールの国際比較』(筒井晴彦著、学習の友社)です。「日経」が指摘したことを豊富なデータで紹介しています。

 この本を見ていて、「おやっ」と思ったのが、日本のトヨタとフランスのプジョー・シトロエン、ドイツのダイムラー・グループの臨時労働者(非正規雇用労働者)の比較です。

 表のように、トヨタの非正規労働者の割合は、プジョーやダイムラーと比べ大きなものです。2006年は22・6%でしたが2010年に半減しているのは、2008年のリーマン・ショックで、期間従業員を6000人以上雇い止めにするなど、非正規労働者を生産の調整弁にしてきたからです。

 「日経」が指摘するように、トヨタの労使交渉でも非正規労働者の処遇改善をめぐって労使は腰を据えた議論をすることが求められているでしょう。

99プジョー、ダイムラー、トヨタ
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/03/08 21:12

日本の賃金は「突出して高い」か?

 トヨタ自動車の2011春闘第2回労使協議会(3月2日)で、会社側は日本の賃金は突出して高い、といって労組の要求に背を向けています。

 このなかで会社側は、「足元の円高を反映し、日本の製造業の賃金は、世界的に見て突出して高い水準」と主張しています。果たしてそうでしょうか。

トヨタ労組が加盟する金属労協(JC)の資料(表を参照)によると、主要先進国や北欧の国々に比べ、日本は決して高くないことがわかります。

 それによると、日本の製造業の人件費を100とした場合、2011年1月21日の為替レートで比較すると、ドイツは127・5、フランスは110・9、ノルウエーは158・5です。

 トヨタは、ドイツのフォルクスワーゲンやフランスのルノーと国際競争しているのです。日本の賃金が競争力の足かせになっていないことは明白です。労組の要求―「賃金制度維持分」の確保や一時金(年間181万円)に応えるべきでしょう。

JC 日本の賃金国際比較
2011春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/03/06 08:42

一時金交渉 「要求に応えることは到底、困難」(会社)

 トヨタの2011年春闘の第2回労使協議会が3月2日、開かれました。会社は、組合の賃金、一時金要求に対し、厳しい姿勢を取り続けています。

 労組は、賃上げ要求を見送っています。いわゆる定昇に相当する「賃金制度維持分」について会社側は、「トヨタのモノづくり基盤をこの国に残すために」、組合員が向上させねばならない仕事の「生産性・効率性」はこれまでより格段に引き上がっている、などとして、「慎重な判断」をするという姿勢です。

 一時金についても、トヨタ単独の営業損失が昨年度より1000億円拡大する見通しをあげ、今年の要求額(年間181万円)が昨年の妥結額(180万円)を「上回ることは理解しがたく、要求に応えることは到底、困難」というかたくなな態度です。
 
 単独の営業損益が拡大する1つの要因は、エコカー補助金が昨年9月に終了し、プリウスなどの生産・販売が急速に減ったことにあります。エコカー補助金は、政府の税金投入であり、需要の先食いともいわれています。営業損失の拡大は、組合員には何の責任もないことです。

 単独の営業赤字といいますが、トヨタは単独で、内部留保のかなりの部分をしめる「利益剰余金」が6兆8557億円もあります(2010年3月期決算)。“金あまり”ともいわれるほど潤沢な内部留保を持っています。

組合員は、リコール問題で急加速の原因が電子制御装置の不具合かどうかの検証のために24時間体制で電波障害試験を行ったり、何十万行もの制御プログラムの見直しなど、懸命に働いてきました。今こそ、こうした組合員の努力・貢献に内部留保を回すべきでしょう。

トヨタ労働者1103

(組合員の一時金の要求は切実です)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/03/04 09:43

トヨタ単独赤字 でも巨額な株主配当

 トヨタ自動車では、2011春闘の労使協議会が始まっています。会社側は「単独営業損益は、3期連続の赤字で、前期より赤字幅が拡大する見通し」とのべています。

その上で、労組が要求している「賃金制度維持分」(いわゆる定昇分)や一時金(年間181万円)に対し、「(これに)応えることは、到底、困難」という態度です。

 はたしてそうでしょうか? 2010年3月期のトヨタ単独決算は、営業損益が3280億円の赤字、純利益が261億円の黒字でした(連結決算の営業損益は、1475億円の黒字)。

 トヨタ単独では、確かに営業赤字です。ところが株主配当は1株当たり45円、総額1411億円もの巨額配当をしているのです。内部留保の多くを占める利益剰余金を取り崩して配当しているのです。

 株主といってもトヨタの場合、個人株主は2割程度で、残り8割は銀行など機関投資家や外国の機関投資家です。こうした株主に巨額な配当をしているのです。車づくりに日夜、汗水たらして働いている社員の、ささやかで切実な要求に応えられないというのでしようか。

toyota本社
(トヨタ本社)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/03/02 12:52

これは複雑 一時金要求方式の変更

 トヨタ労組は、今年2011春闘から、一時金の要求方式を一部改正しました。要求は3階建てです。1階は「基礎部分」で、基準内賃金の5カ月分。2階は「業績反映部分」。3階は「総合加算部分」です。

 今回の改正は、2階部分にこれまでの「トヨタ単体の本業への貢献分」に加え、「グローバルなレベルも含めた国内外グループ会社などへの貢献分」「本業を支える活動への貢献分」を追加しました。

それと同時に、単独営業損益に対し、従来は利益の考え方しかありませんでしたが、損失の考え方を導入しました。これまで利益1000億円に対して+5万円としていたものを、損失1000億円に対して-5万円の考え方を導入しました。

この方式をもとに、計算すると今年の要求は次のようになります。

■1階 「基礎部分」 基準賃金の5カ月分。
■2階のa 「トヨタ単体の本業への貢献分」は、2010年度の単独営業損益予想額 ▲(マイナス)4900億円を前提に、1000億円当たり5万円で算出→▲(マイナス)24.5万円
■2階のb 「グローバルなレベルも含めた国内外グループ各社などへの貢献分」
■2階のc「本業を支える活動への貢献分」 
「b」「c」を合わせ2010年度の単独営業外損益予想額4300億円を前提に、1000億円当たり5万円で算出→+21.5万円
 2階の「a」「b」「c」を合計して▲(マイナス)3万円になります。
■3階 「業績に表れない頑張りなど」で10万円。

 複雑でわかりにくいと思いますが、以上の3階建てで、5カ月+(-3万円)+10万円=5カ月+7万円の要求になります。具体的には181万円になります(昨年の妥結額は180万円)。

 会社は、「赤字が要求に、そのまま反映されることが3年越の懸案であった」(春闘の第1回労使協議会)と評価しています。

今後の業績いかんでは、2階部分で赤字が発生すると、1階の「基礎部分」が5カ月を割り込むことが考えられます。5カ月割れが要求基準になるのではないか、と不安を感じます。

 会社は、5カ月分は高すぎると難色を示していただけに、現実のものとなりつつあるのではないか、と懸念しています。一時金は賃金の後払いです。残業や夜勤手当がなくても生活できるような賃金にしたいものです。一時金要求も生活実態を反映させたものにしましょう。

みなさんの御意見をお待ちしています。

toyota労働者2
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/28 18:02

トヨタ単独でも利益を確保

表 トヨタ 単独 純利益

 トヨタ自動車は2011年春闘で、トヨタ労組がいわゆる定昇相当分の「賃金制度維持分」(7300円)を申し入れた(2月16日)のに対し、「単独営業損益は、3期連続の赤字」(小沢哲副社長)といって、「極めて慎重な判断が必要」(同)とのべています。

 もともと、定昇相当分は上げて当然のものですが、それさえ否定しかねない態度です。確かに単独の営業損益は、2011年3月期決算見通しでは、4200億円の赤字です。しかし、純利益の決算見通しは800億円の黒字です。前年の261億円の3倍を見越しています。

 トヨタには、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、単独で6兆8558億円もあります(連結では11兆5686億円、いずれも2010年3月期決算)。これまでにため込んでもので、日本1です。日本で2番目がホンダの1兆6295億円(単独)ですから、ダントツです。

 賃金制度維持分の7300円は、こうした利益のほんの一部分です。
 7300円×12カ月×58744人(組合員数)=約51億円

 上げて当然の賃金制度維持分を否定するような態度は、懸命に働く組合員の働く意欲を失わせるものです。
表 トヨタ、ホンダの単独利益剰余金
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/25 11:00

経団連が評価する要求とは?

 トヨタ労組など自動車総連に加盟するメーカー組合が2月16日、春闘の要求をいっせいに会社側に出しました。賃金は、日産自動車労組をのぞいて、「賃金制度維持分」(いわゆる定昇分)だけで、横並びで見送りました。

 一時金は、4~5月+アルファーで、前年の妥結額を上回る要求を出しています。「大手労組 一時金攻防へ」(朝日新聞17日付)と書かれたように、2011春闘は早くも、労組が一時金を満額獲得できるかどうかが焦点になっています。

 日立やパナソニックなど電機連合も、自動車総連と同じように、賃上げ要求を見送りました。日本経団連の労働担当役員である大橋洋治副会長(全日空会長)は、「『組合側が苦悩して出した要求だ』と評価した」(日経新聞17日付)とのべました。

 経団連から“評価”される労組の要求とは―? 3月16日の回答日(予定)まで1カ月。組合員の生活は、会社以上に深刻です。組合員から評価されるような回答を、なんとしても引き出してもらいたいものです。

110211 テクニカルセンター

(トヨタの社員にも早く春が来てほしいものです)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/17 14:30

春闘要求  会社へ提出へ

 トヨタ自動車労組など、連合に加盟する金属関係の労働組合は、いよいよ春闘要求を会社に提出します。3月16日(水)=予定=の金属労協(JC)の集中回答日に向けて、1カ月間の交渉(トヨタ労組は、労使協議会)が始まります。トヨタ労組は、16日に要求を会社に提出します。

 トヨタ労組は2月9日の評議会で、賃上げ要求を見送り、賃金制度維持分(組合員1人平均7300円。いわゆる定昇分)を求める執行部案を決定しました。2年連続の賃上げ要求見送りになりました。年間一時金の要求は、基準内賃金の5カ月分プラス7万円(181万円、昨年の獲得額は180万円)です。

 トヨタ労組が賃上げ要求を見送ったことにたいし、鶴岡光行委員長は、「経済情勢などを考慮し責任ある要求」(中日新聞10日付)といいます。日経新聞(2月11日付)の集計によると、今年3月期決算予想では、上場企業は前期より連結経常利益が53%増になり、リーマンショック時前の73%まで利益が回復するとしています。

 トヨタも、3月期決算予想では、営業利益(連結)が前期の3・7倍の5500億円を見込んでいます。大企業は、どこも大幅な利益増です。経済情勢は極めて良好です。その中での賃上げ要求見送りです。労使協議会では、どんな議論になるのでしょうか。
110211トヨタ

(出勤するトヨタの社員=テクニカルセンター前)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/16 09:30

賃上げは必要ではないでしょうか 「4つの判断要素」から考える

0802トヨタ労働者22
(トヨタ労働者)

 トヨタ自動車労組は、2011春闘方針案で、賃上げ要求を見送るとしています。しかし、労組が決めた「賃上げの4つの判断要素」から見ても必要ではないでしょうか。

「4つの判断要素」を見てみましょう。

(1)「経済環境」
 日経新聞は、「企業の『カネ余り』一段と」(2010年12月11日付)との記事で、上場企業は、「手元資金は…64兆4400億円まで積みあがった」としています。大企業の内部留保は244兆円の巨額に達しています。

 トヨタには、内部留保の一部である利益剰余金は、11兆円を超えています。日本の大企業ナンバー1の内部留保額です。手元資金は、2兆2584億円もあります。“カネ余り”で、支払能力はたっぷりあります。

(2)「トヨタの競争力」
2010年の世界販売で、トヨタは841・8万台を販売しました。3年連続の世界1です。世界1の競争力を持っていることに間違いはないでしょう。

(3)「賃金水準」
ドイツの自動車産業の時間当たり賃金(購買力平価)は、29・4ユーロで、日本(9・71ユーロ)の3倍です。
また、「1996年~2008年までの各国の賃金を比較すると、日本は先進国(日本、米国、ドイツ、フランス、スイス、イギリス)で一番低い」(富士通総研の根津利三郎エグゼグティブ・フェロー)という指摘もあります。

(4)「労働の質的向上」
春闘提案では、「労働の質的向上」は、「賃金制度維持分」(定昇相当分)を上回るレベルで確実に存在する」といいます。「組合員は…より高い目標を設定して成果を出している」(春闘提案)のです。

以上の「賃上げの4つの判断要素」から総合的に判断すると、賃上げは必要ではないでしょうか。大いに議論したいところです。

2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/08 07:31

富士通総研の研究者の見識 改めて考える

 トヨタ自動車労組執行部は、2011春闘の賃上げ要求を見送ることを提案しました。2月9日の評議会で、採決が行われる予定です。この提案について考えてみましよう。

 提案では、トヨタ労組の賃上げの「4つの判断要素」(1「経済環境」、2「トヨタの競争力」、3「賃金水準」、4「労働の質的向上」)を、「総合的に勘案した結果」、「賃金制度改善分」要求は行わないというものです。

 「総合的に勘案した結果」といいますが、その内容は具体的に明らかにされておらず、きわめてわかりにくいものです。組合員からは、「なぜ、賃上げ要求をしないのかを示して欲しい」という声が出ています。

トヨタ労組が参加する上部団体、連合は昨年11月、春闘討論集会を開きました(2010年11月1日)。このブログでも紹介しました(1月4日)が、同集会で、富士通総研の根津利三郎エグゼグティブ・フェローが、春闘で毎年4%程度の賃上げを主張する講演を行いました。

トヨタ労組の春闘方針案が示されました今日、改めて根津氏の講演を考えてみましょう。根津氏の講演ポイントは―。

▽日本の賃金は、先進国(日本、米国、ドイツ、フランス、スイス、イギリス)で一番低い。
▽日本の企業の遊休資金の総額は200兆円になっている。
▽デフレ、円高の原因は賃金の低迷。生産性に見合った賃金を確保することが鍵。

根津氏が語るように、トヨタは、現金、定期預金など手元資金だけで2兆円を持っています。内部留保の一部である利益剰余金は11兆円を超えます。遊休資産はたっぷりです。

根津氏は、「内需の掘り起こし」や「成長戦略の達成」のためには、「毎年4%程度の賃金上昇が必要。民間企業は潤沢な資金を有しており、不可能ではない」と結論付けています。

賃上げは、根津氏がのべるように、どこからみても必要であり、可能です。賃上げについて真剣な論議をしましよう。

99富士通 結論

(根津氏の結論から)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/07 09:23

“寄せ書き”に何を書いた?

 トヨタ自動車では、2011春闘に向けて職場会が開かれています。職場会で提案された1つが“寄せ書き”です。職場の各組ごとに、B4大の紙に、組合員1人ひとりの思いを書き込むものです。

 「後工程に不具合な部品を流さない」「自工程完結でがんばる」
 ほとんどが仕事の内容です。えっ、これが春闘? 組合員が、仕事でどんなにがんばっているかを見せようというものです。

“寄せ書き”は、労組の職場委員と部課長との職場懇談会など活用されるといいます。
ある組合員は、こう書きました。
 「残業がないんで苦しんだ。それでもがんばっているんだ」

 最近まであった数時間~20時間ほどの残業が、ほとんどなくなったからです。多くのトヨタ労働者は、残業代をあてにした生活設計をしています。ところが、昨年9月からエコカー補助金がなくなるなどが原因で、プリウスをはじめ一気に生産減になりました。

生産準備やカイゼングループなど、昼だけの勤務に異動になる労働者もいます。こうなると悲惨だといいます。残業代はゼロ、2交代手当や深夜労働手当もなくなります。ベテラン労働者になると、2交代手当と深夜労働手当だけで7万円ほどになるからです。

あるベテラン労働者はいいます。
「春闘への期待がなくなろうとしているんですよ。このところ、賃上げ要求もないし、上がってもせいぜい1000円。手っとり早く、残業があればいい、と思っちゃう」

実際、2010春闘に続いて、今年の11春闘も執行部案では賃上げ要求はないからです。1000円の賃上げがあったのは08年春闘で、09、10年はなし。今年もないとすれば3年連続ゼロになります。

「これでいいわけはないですよ。本当は、みんな賃上げをしてほしいと思うんだけどね。残業したいというのはゆがんでいると思うけれど…」

99トヨタ賃金明細表

(トヨタの労働者の賃金明細表。手当が大きな比重を占めています)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/05 14:21

賃上げ要求せず トヨタ労組執行部が要求案

 トヨタ自動車労組は、2011春闘の要求案を各職場に配布しました。1月28日の労組評議会で、執行部案として示したものです。職場での議論をへて、2月9日の評議会で採決します。

 要求案では、自動車産業の情勢について、「急激な円高、諸外国より高い法人税率、EPA/FTA交渉の遅れなどにより、諸外国の自動車メーカーに比べ、非常に厳しい競争環境に立たされている」とのべています。

 トヨタの業績については、連結営業利益は改善の見込みであるが、トヨタ単独では、エコカー補助金終了、急激な円高などで、「会社の存続基盤を揺るがすような、3期連続赤字、しかも赤字幅が拡大するという大変厳しい見通し」とのべています。

 春闘では「組合員とその家族の真の幸せの実現」と「グローバルトヨタ発展」の両立を目指して取り組んでいくとしています。

 その上で、賃上げについては、「賃上げの4つの判断要素」(1「経済環境」、2「トヨタの競争力」、3「賃金水準」、4「労働の質的向上」)の観点から総合的に判断していくとしています。

 一時金については、年間賃金の一部として、「長期安定的な向上」「年間協定」「満額獲得」の観点を重視すること。「トヨタグループ全体の競争力強化に向けて」「組合員の努力・頑張りを反映させ報われたと実感できる」ために、「新しい3階建ての一時金要求」にしていくとしています。

 具体的には、賃上げについては4つの判断要素などを「総合的に勘案した結果」、「賃金制度改善分」要求は行わず、「賃金制度維持分」を要求するとしています。「賃金制度維持分」は7300円といいます。

 つまり、賃上げ要求は行わず、定期昇給の分だけを要求するというものです。2010年も賃上げは要求をしなかったために、これで2年連続の賃上げ要求見送りになります。

 一時金については、「年間一時金として、基準内賃金の5カ月+7万円」を要求するとしています。

1階は、「基礎部分」で、組合員の賃金の5カ月分です。

2階は、「業績反映部分」です。内訳は、(1)「トヨタ単体の本業への貢献分」で、2010年度の単体営業損益予想額 -4900億円を前提に1000億円あたり5万円で算出(-24・5万円)、(2)「グローバルなレベルも含めた国内外グループ各社などへの貢献分」、(3)「本業を支える活動への貢献分」で、2010年度の単独営業外損益予想額4300億円を前提に、1000億円あたり5万円で算出(21・5万円)――です。

3階は、「業績に表れない頑張りなど」の観点から、職場討議を踏まえ、加算額を総合的に判断するとしています。

以上をまとめると、「5カ月+7万円」で、具体的には181万円になります。昨年の要求額は184万円(獲得額は180万円)でしたから、3万円減ることになります。

カバハウス
(トヨタ労組が入っているカバハウス、豊田市)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/04 10:22

シリーズ 「経労委報告」批判 我慢を強いるグローバル競争論

 日本経団連の「経営労働政策委員会報告」(2011年)は、「労使一体となってグローバル競争に打ち勝つ」という、これまでの「報告」にないような副題が付いています。これは、なにを意味しているのでしょうか。

グローバル競争


 「報告」では、春闘のあり方について、「これまでも(経団連は)…『春闘』が終焉したことを繰り返し述べてきた」と指摘した上で、「今後は、労使が一体となって国際競争に打ち勝つための課題解決型労使交渉・協議(春の労使パートナーシップ対話)として、建設的な議論の場とする…」と強調しています。

 もはや春闘は、賃金や労働時間など労働条件について交渉する場ではなく、国際競争力にどうしたら打ち勝てるかを話し合う、「春の労使パートナーシップ対話」の場所だというのです。

 日本は、ドイツやフランスなど先進国とくらべ、低賃金、長時間・過密労働の典型として知られてきました。労働時間は、年間300~500時間も長く、生産労働者の時給は社会保険料の負担を加えると、ドイツの3分の1です。

 こうした劣悪な労働条件でグローバル競争をし、トヨタは2008年にGMを抜いて世界1の自動車メーカーになりました。経団連がいうように、「労使一体となってグローバル競争に打ち勝つ」てきたのです。

 春闘は終わった、などといって賃上げや労働時間について何ら交渉しなというのは、先進国より劣る労働条件で我慢せよということです。こんな身勝手な理屈はあるのでしょうか。

 日本共産党の志位和夫委員長は、衆院代表質問(1月27日)で、国連貿易開発会議の「貿易開発報告書」(2010年版)を引用して、総合的な賃上げの実行を菅内閣に迫りました。

「貿易開発報告書」では、日本に対し“輸出競争力を理由に人件費を抑える従来の手法から、賃上げを通じた内需拡大と雇用創出への転換”を求めています。日本が家計と内需主導の健全な経済成長を実現することは国際的要請ともなっている、のです。

2011春闘での大幅賃上げは、国際的な大義を持っています。
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/31 09:38

シリーズ 「経労委報告批判」 内部留保を賃上げに回すことを否定

 日本経団連の「経営労働政策委員会報告(2011年)」は、大企業がため込んだ内部留保を賃上げに回せという労組、労働者の要求を否定しています。

今や、日本の大企業の内部留保は244兆円に達し、現金・預金など手元資金だけでも62兆円と空前の「カネ余り」になっています。トヨタは、内部留保の一部である利益剰余金は11兆円を超える日本最大の企業です。手元現金・預金も2兆円を超え、カネ余りの代表企業です。

「経労委報告」は、「内部留保の取り崩しによる賃上げ論の不合理性」という項目を設け、言い訳と賃上げには使わないと宣言しています。

「経労委報告」は、内部留保とは、「配当などの形で社外流出した後の未処分剰余金の累積」などとのべ、「相当程度、生産設備や在庫などの資産形態で保有されている」と言い訳に躍起になっています。
 
その上で、「企業が、国際的な競争力を高めるためには、老朽化する設備を更新し、M&Aも含めた国内外の投資などを一層積極化することが必要であり、今後とも、内部留保の確保に努めなければならない」とのべています。

要するに、国際競争力をつけるためには賃上げに回せないという主張です。果たしてそうでしょうか?

トヨタは、リーマンショック時の08年度連結決算で4610億円の営業赤字を出しました。それでも1株100円、総額3135億円の巨額配当をしました。株式配当は単独決算で行うものですが、トヨタの単独の経常利益は1825億円でした。これでは、3000億円を超える配当ができません。

単独決算でみると、内部留保の一部である利益剰余金は、07年度の7兆3854億円から08年度は7兆20億円へと3834億円減っています。内部留保を取り崩したのです。

株主といってもトヨタの場合は、金融機関や外国企業などが約8割を占めています。こうした株主には、内部留保を取り崩しても巨額配当をしているのです。社員や労働者の賃上げ、下請けの単価を上げることなどには取り崩せないというのは、道理が通らないでしょう。

トヨタ本社
(トヨタ本社)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/30 11:25

シリーズ「経労委報告」批判 “定昇春闘”に閉じ込めさせるな

 日本経団連は毎年、春闘対策方針である「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)を出しています。2011年の委員会には、米倉弘昌会長や副会長の渡辺捷昭トヨタ副会長らが名前をつらねています。今年の特徴をシリーズで見てみます。

「報告」では、連合の要求に対し、「極めて厳しい」としりぞけています。連合の要求は、この10年余で低下した賃金を復元し、格差是正をさせるという観点から、「1%を目安に賃金をふくめ適正な配分を求めていく」というものです。

トヨタの30歳の賃金は29万2700円ですから、1%は2900円余りです。仮に1人月額3000円アップの要求をしても、6万3000人組合員では総額22億6800万円にすぎません。

トヨタには、内部留保の一部である利益剰余金が11兆円もあります。2010年度決算では、株主に総額1411億円もの巨額配当をしています。賃上げ総額は、そのわずか15・6%です。

連合のささやかな要求に対しても、経団連は「極めて厳しい要求」として拒否する構えです。「総額人件費の増加をまねく要求に対しては、慎重に対応する企業が大半となろう」と予測さえしています。

その上で、「定期昇給の維持をめぐる賃金交渉を行う企業が大半を占めると見込まれる」と半ば断定すらしています。人件費が増大する賃上げは認めないが、定昇なら容認するとの姿勢です。

「定昇は上がって当たり前で、本来は交渉事ではない」(労働ジャーナリスト)というのは常識です。あたかも交渉事のようにふるまい、それならば容認しようという経団連の姿勢は、労働組合をなめているとしか考えられません。

日本の大企業の内部留保は、244兆円もの巨額にのぼり、どこに使っていいかわからにという「金余り」現象になっています。1%のささやかな賃上げができないはずはありません。経団連がねらうような“定昇春闘”は断固拒否しましょう。

経労委報告2011年版
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/24 14:44

連合春闘方針とは?

 連合と日本経団連のトップ懇談会が19日開かれ、2011春闘がスタートしました。連合の古賀伸明会長が「給与総額の1%引き上げ」を求めました。トヨタ労組が加盟する連合の春闘方針を改めて見てみました。

 連合は、現金給与総額を1997年と2009年を比較すると、5・1%減になっていると分析。低下した賃金の復元・格差是正の観点から、「1%を目安に賃金をふくめ適正な配分を求めていく」というものです。

 非正規労働者の労働条件を引き上げるために、時間給で20~40円の引き上げを求めています。

 経団連の米倉弘昌会長は懇談会で、1%引き上げに難色を示し、賃上げより雇用だとのべるとともに、労使一体でグローバル競争に立ち向かっていく取り組みを主張しました。

 連合の「1%を目安に賃金をふくめ適正な配分」とは、わかりにくい表現です。ある労働ジャーナリストは、「要するに、賃上げを求めなくても、一時金、手当などで給与総額が1%上がればいい、という方針です」と語ります。

 賃上げ(ベースアップ)は、一時金と違い、残業の割増率や退職金、年金など生活のベースになるものにはねかえります。賃上げの重要性はここにあります。トヨタ労組は、近く開く評議会で11春闘案を提案します。

110119 NHK
(連合の古賀会長 NHKから)

110119 NHK (2)
(日本経団連の米倉会長 NHKから)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/20 08:39

2011春闘スタート

 2011春闘は今日19日に、連合の古賀伸明会長と日本経団連の米倉弘昌会長が懇談会を開き、スタートします。

連合は昨年12月の中央委員会で「給与総額の1%引き上げ」を決めました。経団連は17日に、「経営労働政策委員会報告」を出し、連合の要求に「きわめて厳しい要求」と賃上げを認めない方針です。

トヨタ労組も、評議会に要求案を提出する予定で、いよいよ11春闘は本格的に動きだします。

11春闘は、トヨタの11兆円をはじめ大企業が244兆円もの巨額の内部留保をたくわえ、使い道がないといわれるほどの“金余り”のなかで迎えます。一方、労働者の年収は減り続け、この12年間で61万円も下がっています。

トヨタ労組の上部団体の自動車総連のアンケート調査でも、「年収が減った」組合員が51・3%を占め、「貯金の取り崩しでやりくり」が組合員の23・7%にのぼっています。多くの組合員が生活の大変さを訴えています。

自動車総連は13日の中央委員会で、賃金カーブの維持(定昇確保)を求めるものの賃上げを要求しない方針を決めました。こうした方針に、労働界からは「定昇は当たり前で、要求するものではない」との声が上がっています。

春闘は、労働者の生活実態からスタートするべきでしょう。トヨタなど大企業は、あり余る内部留保をたくわえています。賃上げで内需を拡大し、景気を回復させる、同時に円高にストップをかける―賃上げの大義は、労働者側にあります。

11春闘、頑張りましょう!

経団連の大橋副会長

(経営労働政策委員会報告を発表する日本経団連の大橋洋治副会長=東京テレビ系から)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/19 09:27

毎年、4%程度の賃上げが必要

 富士通総研の根津利三郎エグゼグティブ・フェローが、春闘で毎年4%程度の賃上げを主張し、2011春闘の本格化を前に話題になっています。

これをトヨタ自動車に当てはめれば、高卒・技能職・男子・30歳の月例賃金が29万2700円ですから、約1万1700円の賃上げ要求になります。

 これは、根津氏が昨年(2010年)11月1日に開かれた連合の春闘討論集会の講演でのべたもの。それによると、1996年~2008年までの各国の賃金を比較すると、日本は先進国(日本、米国、ドイツ、フランス、スイス、イギリス)で一番低いと指摘しています。

富士通 にほんの賃金低い

(根津氏の講演資料から)


 一方、日本の企業の遊休資金は1997年10月から2009年12月まで増え続け、その総額は200兆円になっているとのべています。「なぜ企業はかくも貯蓄をするのか」との答えでは、▽有望な投資機会がない▽不確実な将来への備え▽各国で行われた法人税の減税―などをあげています。

富士通 企業はなぜ貯蓄?

 さらに、「巷(ちまた)にあふれる成長戦略をめぐるおかしな議論」として、「成長戦略の『1丁目1番地は法人税引き下げ』。法人税が下げられれば日本経済は成長する」との俗論を痛烈にこう批判しています。

 根津氏は、▽民間企業が200兆円を超える手元資金を持っている。1兆円の法人税減税に大きな効果はない、▽日本には内需拡大が求められている。現下の円高はこれ以上の輸出依存は認めない、という市場のメッセージ、▽企業内で眠っている資金を内需拡大に向けることこそが成長戦略の鍵―と主張しています。

 そして、根津氏の結論です。
 「デフレ、円高の原因は賃金の低迷。生産性に見合った賃金を確保することが鍵。それにより内需の掘り起こしが可能となる。成長戦略の達成(名目3%、実質2%成長)のためには毎年4%程度の賃金上昇が必要。民間企業は潤沢な資金を有しており、不可能ではない」

富士通 結論


 根津氏の講演に拍手です。トヨタは、現金、定期預金など手元資金だけで2兆円を持っています。内部留保の一部である利益剰余金は11兆円を超えます。文字通り、日本1潤沢な資金を有しています。

 一方、トヨタの賃上げは2002年以来の9年間で、賃上げは3回、合計3000円上がったにすぎません。根津氏が指摘するように、先進国で一番低くなっているのです。円高を止め、内需を拡大するためにも4%程度の賃上げ―1万円以上が必要です。
 
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/04 15:19

ベア要求せず?

トヨタ労組が2011年春闘で、賃上げ(ベア)を要求しない見通し、と報道されています(毎日新聞、21日付)。その理由として、トヨタ単独決算では、3期連続の赤字になるから、と伝えています。

 トヨタの11年3月決算見通し(10年9月期中間決算時)では、連結営業利益は3800億円です。一方、単独では、4900億円の営業赤字の見通しです。しかし、純利益は600億円を確保するとしています。

 前期(09年4月~10年3月)の連結決算は、赤字を脱して1475億円の黒字になりました。単独決算では、3280億円の営業赤字になっていますが、純利益は261億円を確保しています。

 この単独決算で見落とせないのは、「労務費の減少」として216億円を計上していることです。社員の賃金など労務費がいかに削られたかを示しています。それだけ労働者の犠牲が大きかったのです。

 仮にベア1000円を要求しても、1000円×12カ月×6万3000人(組合員)=7億5600万円にすぎません。労務費の削減にくらべればわずかなものです。

 2011春闘でベアを要求しないとすると、ベアゼロに抑えられた2002春闘からの10年間で賃上げはあったのは、06、07、08年の3回の春闘だけになります。ベアはそれぞれ1000円、合計3000円にすぎません。

99トヨタ賃上げ推移(pdf)


 株主配当は、赤字決算の年(09年3月期)に100円(1株当たり)、翌年(10年3月期)で45円配当しています。45円というのは、1兆円の純利益をあげた04年3月期と同額です。

トヨタの株主配当
(トヨタの決算プレゼンテーション資料から)

 株主には、赤字であろうと配当しています。一方、労働者には“営業赤字”を理由にベアゼロを押しつけていいのでしょうか?

 苦しくなる一方のわれわれの生活はどうするのか? GDPの6割を占める個人消費を増やしてこそ景気はよくなるはずです。これまでにトヨタがたくわえた内部留保の一部である利益剰余金は、11兆円を超えます。2011春闘に向けて大いに議論しましょう。

2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/12/21 10:23

JCはベア要求せず

 トヨタ労組など自動車、電機、鉄鋼などの大手労組が加盟するJC(金属労協)は7日開いた協議委員会で、2011春闘ではベア要求をせず、定期昇給相当分だけを確保する方針を決めました。

 あいさつで西原浩一郎議長(自動車総連会長)は、「(定昇分の)賃金構造維持分を取りきることが絶対的な責務」と強調した上で、「中小労組を中心に賃金改善に取り組む組合に対してはしっかりサポートしていく」とのべました。

 これは、大手労組はベア要求せず、格差是正のためにベアなど賃金改善を求める中小労組は支援していくという意味です。JCは、大手労組が加盟しており、日本の賃上げに大きな影響力を持っています。

 リーマンショック後の日本経済は、深刻な経済危機に陥っています。労働者の賃金は、「1997年と2009年の比較で5・1%減」(連合)であり、完全失業率は5%台で高止まったままです。就職難は深刻で、大学卒の内定率は57%と、就職氷河期下回っています。

 一方、大企業は自動車や電機など輸出関連企業を中心に利益を急増させ、内部留保は233兆円(08年度)から244兆円(09年度)にまで増大させています。昨日(12月11日)のブロクで紹介したように、「カネ余り」は一段とすすみ、手元資金は64兆円に積みあがっています。

 労働者の賃金が下がって内需が低迷し、新たな投資先がないために内部留保、手元資金だけが増え続けています。こうした日本経済の危機打開のためには、賃上げで内需を喚起することが必要です。

 連合は、2011春闘の方針で、目減りした労働者の賃金の「復元」をはかるとしています。2011春闘では、労働者の賃金を「復元」させるとともに、深刻な経済危機を打開するためにも、賃上げは不可欠です。

 JC議長は、これまでもトヨタ労組出身者が務めてきています。JCがこうした方針を決めるもとで、トヨタ労組がこれからどのような方針をかかげるのかが問われています。

トヨタ車

(内需低迷で新車販売は不振)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/12/12 16:18

連合が2011春闘方針


 連合は12月2日、東京で中央委員会を開き、2011年の春闘方針を決めました。1997年と2009年の賃金を比較すると5・1%の減少になっているとして、11春闘は「復元・格差是正」の春闘と位置付けています。

注目される賃上げ要求は、「1%を目安に、賃金を含め適正な配分を求めていく」というもの。統一的な数字であらわした目標はありません。平均的な労働者の賃金を月額30万円と仮定した場合、1%は3000円になります。来年1~2月にかけで各単産、単組が具体的な目標を決めます。

 わかりにくい目標について、労働ジャーナリストは、こう語ります。
「『賃金を含め』のなかに一時金も入るとしている。毎月の賃上げがなくても、一時金で1%に相当する部分を獲得すればOKとなる。大手労組は一時金にシフトし、ベアを要求することはないだろう。2010春闘と同様、賃金カーブ維持(定昇分)の要求になるのではないか」

 トヨタ労組は10春闘で、ベア要求はしませんでした。仮に賃金カーブ維持だけになると、09春闘以降、3年連続ベアゼロになります。

 トヨタをはじめ大企業は、“金余り”状態です。トヨタが内部留保である利益剰余金を11兆円もたくわえています。ばく大なお金が企業にためこまれるだけで社会に還流しないために、景気は悪化するばかりです。

 賃上げして、企業のお金を社会に還流させ、個人消費を高めてこそ景気はよくなるでしょう。トヨタ労組が、賃上げ要求をかかげることが強く求められています。

連合中央委員会
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/12/04 20:56

2011春闘へ始動

 連合は21日に開いた中央執行員会で、2011年春闘の構想を決めました。▽定期昇給分(カーブ維持分)を確保した上で、各労組が上乗せをはかる、▽非正規雇用労働者の賃上げは、時給換算で正社員より多く上げ、格差を縮める―という方向などです。

 11年春闘では深刻な景気を回復するためにも、賃上げによる内需拡大が強く求められています。「企業に眠る200兆円」といわれるように、企業は空前の“金余り”の状態です。
 このお金を社会に還流し、景気を回復する上でも賃上げは必要です。

 トヨタは、11兆円の利益剰余金(内部留保)をかかえる日本最大の企業です。赤字も1年で終わり、V字回復しています。2002春闘以来の9年間で賃上げは3回、合わせて3000円にすぎません。これでは、内需拡大の歯車は回らないでしょう。

これまでも春闘に大きな影響をあたえてきたトヨタ。11春闘こそ、家計を応援し景気回復ができる春闘にしましょう。

99トヨタ賃上げ推移(pdf)
2011春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/10/22 08:22
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