◎組合費還付金と相殺 会費という名の民主党献金

 組合費を1人平均1万2485円還付します―2011年7月末のトヨタ自動車労組評議会で、執行部からこうした提案が行われました。「健全な財政運営ができる」として、組合費を返却するというのです。

 同時に、「(全ト)参政会」会員は、「会費」(720円×口数)を相殺して還付するといいます。還付金から「会費」を差し引くというのです。組合費は、トヨタが支給する賃金から天引きしています。

このため、組合員にとっては、「(全ト)参政会」の会費を納入したという意識はほとんどありません。それどころか、組合員は「組合費が返ってくるのでみんな喜んでいる」といいます。この「会費」とは何か?

 「(全ト)参政会」は、「全トヨタ政治に参加する会」というのが正式名称。トヨタ自動車労組などトヨタと関連会社などの労組でつくる全トヨタ労働組合連合会(全トヨタ労連。現在、32万6000人)が1997年4月に発足させた政治団体です。

 なぜ、労組とは別に政治団体をつくったのか? 当時、リクルート事件などにみられるように、日本の数々の金権・腐敗政治の温床には、企業・団体献金があるとして、その禁止を求める世論は高まっていました。

1995年以来の政治資金規正法の改正で、企業や労組などの団体が政治家個人に寄付することは禁止になりました。しかし、政党・政党支部、政治資金団体に寄付する抜け道は残されました。

 こうしたなかで、「(全ト)参政会」がつくられたのです。当時のトヨタ労組の「評議会ニュース」では、「(全ト)参政会」は、「実質的には個人寄付の受け皿の役割を持つ団体です。つまり、便宜上『(全ト)参政会会費』として、資金を納入していただきます」としています。

 つまり、労組の団体献金に風当たりが強くなったので、個人献金の形に変えたというのです。しかも、「組合費の還付がある場合は、その還付金の中から会費を納入していただく」ということも決めていました。

 「(全ト)参政会」は、その基本的性格として、「組織内議員(国・県)や顧問議員の活動資金を、個人の寄付により拠出し、資金面で議員を支える組織」としています。そして、「形としては労働組合とは別の組織(政治団体)となるものの…あくまでも全トヨタ労連の方針や大会決定に基づく運営組織」としています。

 「(全ト)参政会」の2008年の決算報告を見ると、1億6414万円の会費を集めています。一方、「国政後援会への寄付」として7000万円、「民主党への寄付」として500万円を支出しています。

 トヨタ労組のある組合員は、「ほとんどの組合員が『(全ト)参政会』に入らされており、事実上強要されているのが実態だ。『(全ト)参政会』がつくられてから毎年、組合費の還付が行われている。毎年、還付するくらいなら組合費を引き下げるべきだ。それをしないのは、『(全ト)参政会』会費=政治献金をとるために、組合費をわざわざ高くしているとしか思えない」と指摘します。

 労働組合は、賃上げなどの要求で団結し、会社にその実現を迫るものです。特定の政党―全トヨタ労連の場合は民主党―の支持を組合員に押し付け、政治献金を強いるのは、思想・信条の自由を保障した憲法に反するものです。

 民主党は、小沢一郎、鳩山由紀夫の両元代表が「政治とカネ」の問題を引き起こし、国民の政治不信を招いています。全トヨタ労連やトヨタ労組は、こうした「(全ト)参政会」をやめるべきではないでしょうか。

            ◆

 総務省は11月30日、2010年の政治資金収支報告書を発表しました。しんぶん赤旗(12月1日付)は、トヨタ労組の組織内議員である直嶋正行・元経済産業相への政治献金を明らかにしています。

 それによると、直嶋氏が代表を務める民主党参議院比例区第10総支部に、全トヨタ労連の上部団体、自動車総連が2000万円、「(全ト)参政会」が1000万円、自動車流通政経懇話会が50万円を献金しています。また、「(全ト)参政会」は、政党支部以外にも、直嶋氏の関係政治団体に合計8552万円の政治献金をしています。

トヨタ労組のかんばん
(後方の建物が「(全ト)参政会」やトヨタ労組、全トヨタ労連が入るカバハウス)
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民主党支持押しつけ | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/12/02 16:29

◎ダントツのトップ トヨタの企業献金

201111 トヨタ本社
(トヨタ本社)

 トヨタ自動車が自民党に献金した額は5140万円で、大企業でダントツのトップ―総務省が11月30日に発表した2010年分の政治資金収支報告書で、トヨタの突出ぶりが明らかになりました。

 2位がキヤノンの2500万円、3位が日産自動車の2100万円です。いずれも自民党に献金しています。

 企業・団体献金は、わいろと同義語であることは常識になっています。経団連も、ゼネコン汚職をきっかけに、政治献金のあっせんをやめたほどです。ところが、奥田碩元会長(元トヨタ会長)が2004年に約10年ぶりに再開しました。

 民主党も、同党のマニフェストで「企業・団体献金の全面禁止」を掲げていましたが、これを反故にしました。小沢一郎元代表や鳩山由紀夫元首相の「政治とカネ」の問題を引き起こし、国民から厳しい批判を受けています。

 「(会社)役員は自民、労組は民主 電力、労使で資金提供」(日本経済新聞)―12月1日付の各新聞は、東電の福島第一原発事故があっただけに、電力会社、電力労組と自民、民主両党との黒いカネの関係を指摘しています。

 電力各社は1974年以来、「事業の公益性確保のため、特定政治団体との結びつきを避ける」として企業献金を自粛(日経)していましたが、個人献金は制限していません。しかし、実態は役員、管理職の役職に応じて自民党への個人献金額の目安を決めています。

 電力労組も、労組とは別に政治委員会などという政治団体をつくり、組合員を99%以上、事実上、強制的に加入させて、個人献金という名目で民主党への政治献金をしてきました。労使で、“実質的な企業・団体献金”を行っています。

 実は、トヨタ労組も民主党と同党議員への巧妙な政治献金を行っているのです―。(続く)

民主党支持押しつけ | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/12/01 10:31

期日前投票 21・1%にも 豊田市議選

 豊田市議選(4月24日投票)の有権者(30万1667人)に対する期日前投票率が、21・1%にのぼることが明らかになりました。投票者数(21万3145人)との比率では、31・7%です。

 この投票率がいかに高いかは、全国平均と比べると明らかです。総務省のいっせい地方選挙後半の期日前投票の調査では、有権者の7・8%です。最も高い鹿児島県が19・6%、最低が滋賀県の5・1%です。

 豊田市議選は、全国平均の2・7倍という高さです。愛知県一宮市では6・1%でしたから、それより3・5倍の高さです。

 投票者数との比較では、豊田市の昨年7月の参院議員選挙での期日前投票率は、市議選の31・7%を上回る36・88%でした。

 この投票率の高さの1つには、トヨタ労組などが行っている「期日前投票に行きましょう!」とのキャンペーンや「投票済証」の回収があります。

同労組は、国政や地方政治の選挙で、憲法で保障された思想・信条の自由に反して、組合員に民主党などの支持を押しつけています。同時に、選挙管理委員会が発行する「投票済証」を、職場委員を通じて回収しています。

表向きは棄権防止活動ですが、実態は労組推薦候補への投票を誘導するものです。ある組合員が語ります。

「職場委員は、『投票済証』の回収をするために1人ひとりにあたっている。上司のEX(エキスパート)が職場委員になるケースが多い。どれだけ回収したかが、EXの評価にもつながるから必死です」

 豊田市の期日前投票率は、全国からみても異常ともいえる高さです。組合員への特定政党への支持押し付けや「投票済証」の回収をやめさせましょう。

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(写真上は、豊田市議選の「投票済証」。下は、愛知知事選などでの期日前投票のキャンペーン)
民主党支持押しつけ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/04/26 14:16

今日20日(水)は休業日、連休明けまで4日も

 トヨタ自動車の生産11工場では、今日4月20日(水)は休業日です。賃金は80%支給で、20%カットです。5月の大型連休明けまでに、4月28日(木)、5月6日(金)、7日(土)と4日間になります。

 18日に全工場で生産を再開しましたが、約150部品の納入がとどこっています。このため、日々の生産は5割程度で、休業日も設けています。

 トヨタは、「生産の先行きは極めて不透明」「問題の長期化も想定される」としています。収益も「圧迫」されるために、コスト意識を徹底して費用の削減を求めています。

 ハイブリッド車のプリウスを生産している堤工場では、プリウスとプリウスの3列シートの生産だけで、カムリやプレミオなどの車種は生産をストップしています。プリウスも、1日1直で3時間程度の生産時間です。

            ◆

 休業日になった20日、豊田市では市議選の期日前投票で、投票所はいっぱいでした。ある労働者は、「朝9時半過ぎに投票所へ行ったが、駐車場はいっぱいで、投票も待たされた。職場の同僚も2人いた」と驚いています。

 トヨタ労組は、期日前投票を推奨しています。その際、選挙管理委員会から「投票済証」を受け取り、職場委員に提出するよう求めています。トヨタ労組が推薦する候補への確実な投票をめざして行っているものです。

投票済証 image
(トヨタ労組が回収している豊田市議選の「投票済証」)
民主党支持押しつけ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/04/20 12:19

そこまでやるのか? 労組の「投票済証」の回収

 いっせい地方選挙の後半戦がいよいよ告示されます(市議会は17日、町村議会は19日。投票はいずれも24日の日曜日)。トヨタ自動車の職場では、トヨタ労組の職場役員が、「『投票済証』を早めに持ってきてください」と組合員に督促しています。

 「投票済証」とは、選挙で投票した後、選挙管理委員会が出す証明書です。トヨタ労組は、組合員からこの「投票済証」の回収を毎回の選挙で行っています。

 表向きは“棄権防止活動”になっていますが、実態は労組の推薦候補へ投票するよう誘導するものです。豊田市議会(定数47、今回の選挙は46)で、トヨタ労組などが推薦した民主党系の会派「市民フォーラム」は、10人を占めています。

 トヨタ労組は、愛知県議会候補(10日投票終了)とともに豊田市議会候補を推薦しています。組合員に推薦候補の後援会への加入や事務所訪問などを強要しています。

 これは、憲法で保障された思想・信条の自由を踏みにじるものです。そうした上に「投票済証」を回収して、確実に労組推薦候補への投票に結び付けようというものです。

 ある労働者がいいます。「組合の会議出席などは、仕事中でも(会社が認めた)“離業証明”になる。国県市議会選挙などの投票は、個人の自由時間の行動であり、『投票済証』の提出を強要するのはおかしい」

別の労働者は、「職場役員はEX(エキスパート)など上司が多い。『投票済証』の100%回収が仕事の評価にもつながってくるから、職場役員は必死になって回収する」と指摘します。

 実際、県議選の投票が終わった11日(月)、「家族は10日に投票に行く」といっていた組合員のAさんは、職場役員から「投票済証」を催促されて、あわててかばんの中をさがして手渡していました。

 「投票済証」の回収は、組合員本人だけではなく、家族も対象になっているのです。他府県の有権者に聞くと、「『投票済証』? そんなのは見たこともない」といいます。豊田市を中心にした異常な「投票済証」の回収は、やめるべきです。

投票済証 県議選

(4月の愛知県議選の「投票済証」)
民主党支持押しつけ | コメント(7) | トラックバック(0) | 2011/04/15 12:27

このカードは何だ!

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 今年はいっせい地方選挙の年。トヨタの職場では、名刺大の奇妙なカードが出回っています。「期日前投票に行きましょう!!」と呼びかけています。

表側は、愛知県知事選挙、名古屋市長選挙、安城市長選挙、田原市議会選挙の告示日や投票日が表にしてあり、「自分が投票に行く日に○をつけよう」となっています。

裏側は、4つの選挙が書いてあり、その右に大きな「MEMO」欄があります。おかしなことに、カードには作成した組織の名前がどこにもないことです。

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 あるトヨタマンの話 「労組の職場会で配られた。『MEMO』欄に民主党が推す知事選の候補者名が手書きで書かれていた。投票済証といっしょに回収するとのことだった」

 そのトヨタマンの話では、こうしたカードは、これまでも衆院選挙、参院選挙でも配られていたといいます。昨年夏の参院選挙では、トヨタ労組が推す候補者名を、組合員自身が「MEMO」欄に書くよう指示されたといいます。候補者名を体で覚えさせるとともに、投票所へ行って確認して書かせることをねらっているのではないか、といいます。

 どの党の、どの候補者に投票するかは、憲法で保障された思想・信条の自由です。特定の政党の候補者の支持を押しつけるのは、これを踏みにじるものです。労働組合が思想・信条の自由を踏みにじるのは許されないことです。

 組合員の中には、それぞれの支持政党があったり、政党に所属している人もいます。各人の選挙への参加を保障することこそ、「要求で一致」して頑張る労組の団結をいっそう強めるものです。大企業ばかり応援する党や候補者を、組合員の「幸せ」になるといって押し付けるのは、労組と組合員の私物化ではないでしょうか。

09年の衆院選挙で、民主党の小林千代美衆院議員(北海道5区)陣営が、北海道教職員組合(北教組=連合・日教組加盟)から政治資金規正法に反する資金提供を受け、辞職に追い込まれました。小林元議員は11年1月、札幌高裁から5年間の立候補禁止の判決を受けました。労組が票も金も丸抱えしているとして大きな問題になったばかりです。

トヨタの労働組合の職場会で、特定の政党の期日前投票を事実上、強制するのは、思想・信条の自由を侵すものです。投票済証を回収し、期日前投票に行ったかどうかをチェックすることも同様なことです。こうしたことはやめさせましょう。

投票済証1
民主党支持押しつけ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/29 10:35

小沢一郎氏の強制起訴は当然

私がトヨタに入社した1968年。トヨタ労組は、民社党を支持していました。社会党が割れ、右といわれたのが民社党です。その後、この政党は消え、新進党へ、この新進党も消え、民主党へ、そして小沢一郎氏が引き入る自由党と合併した今の民主党支持へと労組はくるくる変わってきました。

 支持する政党の共通点は、常に自民党政治を助ける政党だったといえるでしょう。労組は、1人ひとりの組合員の政党支持の自由を奪い、こうした政党の支持と政治献金を強要してきました。“組織内候補”を前面に押し出すことによって、事の本質を隠してきたのです。

 08年のリーマン・ショック後、一時金は大幅に減ったばかりか、残業代の減、1直勤務への移行による手当の減とトヨタ社員の収入はガタ減りしています。早く家に帰る、昼働き夜眠るという、人間らしい生活は当然ですが、これと引きかえのように明日の生活、将来不安を増大させています。

 一方、トヨタの期間従業員のように、使い捨ての非正規労働の拡大で青年の夢を奪い、人生設計すら立てられないことがまかり通ってきました。非正規雇用労働者のさけびに、民主党は本当に耳を傾けているのでしょうか?

 小沢一郎氏が10月4日、強制起訴になりました。市民感情からいえば当然のことです。民主党支持を押しつけてきた労働組合には、小沢氏の「カネ」の流れや「政治とカネ」の問題を民主党から説明を受け、これを組合員に明らかにする義務があります。企業・団体献金は、政治をゆがめるものです。小沢氏の強制起訴を機に、労組は「政治とカネ」の問題に本腰を入れて欲しい。(I)
トヨタ労組
 (写真はトヨタ労組が入っているカバハウス)
民主党支持押しつけ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/10/05 17:41
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