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◎「終身雇用なんてもう守れない」 経団連・中西会長

 日本経団連の中西宏明会長は4月22日、「正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを作り変えていくか、そういうことだというふうに(大学側と)お互いに理解が進んでいるので」などと語り、財界として終身雇用を放棄する考えを示しました。

 また中西会長は、「人生100年時代に、一生一つの会社で働き続けるという考えから企業も学生も変わってきている」との考えを示しました。

修 中西会長 終身雇用2
(日テレのニュースから)

 終身雇用は、戦後の日本の雇用システムの1つといわれ、高度経済成長を支えた柱ともいわれています。実際には、中西会長が社長を務める日立製作所では、“黒字リストラ”と呼ばれる人減らし「合理化」をすすめています。

 ビラは、連合加盟の電機連合とは別の「電機・情報ユニオン」のものです。同ユニオンは、非正規労働者の組織化や正規の労働者のリストラの相談にのっています。

 ビラにあるように電機情報関連産業では、2011年から35万人の労働者のリストラが続いています。なかでも日立は、「営業利益率5%に満たない事業は撤退する」 として、神奈川県では戸塚事業所、HGST小田原事業所が閉鎖されました。

 さらに、日立関連の日立国際電気の半導体製造装置事業と日立工機の売却を発表。日立工機は、米投資ファンドに売却されました。黒字でも、営業利益率5%以下なら売却し、労働者をリストラするというのです。

修 ビラ 日立の黒字リストラ

 そうした“黒字リストラ”を強行してきたのが、中西氏が社長、会長を務めてきた日立です。この日立方式を、「終身雇用なんてもう守れない」と言って経団連として公然とすすめようというものです。

 電機連合は、自動車労連と並ぶ民間大単産で70万人を超えていましたが、今は56万人に減少しています。日立などのリストラとたたかわなかったからです。

 「電機・情報ユニオン」は、ビラにあるように「退職強要をはね返す5か条」をまとめ、労働者が勇気をもってリストラをはね返すよう激励しています。実際、多くの労働者の雇用を守っています。
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解雇・雇い止め | コメント(5) | トラックバック(0) | 2019/04/23 17:02

◎リーマン・ショックから10年 改めて学ぶことは

 9月15日は、世界的大不況=大恐慌の契機になったリーマン・ショック(米証券大手のリーマン・ブラザーズの経営破綻)からちょうど10年になりました。

 トヨタ自動車は、この年の決算(09年3月期)で4610億円という巨額の営業赤字を計上しました。リーマン・ショック直前の08年3月期決算の発表(同年5月)で、世界で891万3000台を販売し、2兆2703億円と過去最高の営業利益をあげていました。

 この決算時で、09年3月期の見通しを明らかにしていますが、世界販売は906万台で、営業利益の見通しは、14円の円高で6703億円減の1兆6000億円としていました。

 その4カ月後にリーマン・ショックの激震がトヨタを襲ったのです。トヨタは、リーマン・ショックの震源地、アメリカでもっとも利益を稼いできただけに深刻でした。

 北米での販売見通しは、日本国内の220万台を上回る277万台でしたが、221万2000台しか売れず、前期より74万6000台も減りました。アメリカだけで、トヨタ全体の販売台数減の55・4%を占めました。

トヨタ 期間従業員
(リーマン・ショック時に大量に雇い止めされる直前のトヨタの期間従業員=2008年4月、豊田市)

 ツケは労働者などに回りました。海外では約4割、のべ3万人を超える労働者に「ワークシェリング」を実施。日本国内では、正社員には「一斉年休」と「会社休業」(基準賃金の80%支給)を、非正規の期間従業員を6000人以上雇い止めし、グループ全体では1万人以上の派遣労働者や期間従業員を解雇、雇い止めしました。

 トヨタ自動車のある独身寮では、雇い止めされた期間従業員の布団が玄関に山積みになりました。期間従業員は、沖縄、関西、四国など故郷に帰って行きました。部屋で使われているのは3分の1ほどになりました。

 20代の期間従業委員は、「僕たちはトヨタの過酷なラインを支えてきた。その自負はある。辞めたくて辞めたんじゃない。もっと働きたかった」と語りました。ハローワークへ行くと相談者で満杯でした。

 会社を追い出され、ネットカフェで泊まる労働者たちが社会問題になりました。12月には、「年越し派遣村」が東京の日比谷公園に設けられ、炊き出しに長い列が…その光景は、国民に強烈に焼き付きました。

 “派遣切り”された労働者が労働組合をつくるなどして立ち上がり、全国各地で数十件の裁判が起きました。「偽装請負」を告発し、不当解雇されたパナソニック・プラズマディスプレイ労働者への最高裁判決(09年12月。偽装請負を認めたものの、パナの雇用責任を認めず)が“重し”となって労働者のたたかいは困難を極めました。

 その中でも、マツダの防府工場(山口県防府市)から“派遣切り”され、裁判に訴えていた15人が14年7月、広島高裁のあっせんでマツダと和解しました。

 派遣労働は、一時的・臨時的で、正社員の代替にしてはならないというのが労働者派遣法の大原則で、派遣期間の上限は3年です。これを超すと派遣先は、派遣労働者を直接雇用する義務を負います。

 ところがマツダは、派遣会社から受け入れた派遣労働者を、3年を前に一時的にマツダの直接雇用の期間社員にし、期間社員も労働基準法で3年までとなっているために、3カ月と1日たつとふたたび期間社員を派遣労働者に戻していました。これをくり返していました。

 山口地裁は13年3月、これを違法とし、元派遣労働者を正社員と認める画期的な判決を出しました。これが力となってマツダと和解したのです。

トヨタ車体 派遣寮
(”派遣切り”の嵐のなか、トヨタ車体富士松工場=刈谷市=の派遣労働者独身寮の前には、引っ越しのトラックが並びました=2009年1月)

 リーマン・ショックを機に、世界的大不況になりました。大不況=恐慌は、1825年のイギリスに始まり、この180年余で20回起きています。戦後でも1957年、74年、80年、91年、2000年前後、リーマン・ショックの2008年と6回起きています(不破哲三著『マルクスは生きている』)。実に、ほぼ10年に1回の割合です。

 「アメリカで、住宅産業や自動車産業の危機が最大の焦点になったことにも見られるように、私は土台にあるのは過剰生産恐慌だとみています」(不破哲三『マルクスは生きている――公開連続セミナー講演録』)と指摘されるように、資本主義の必然である大恐慌に、トヨタは飲み込まれたのです。

 皮肉にもこの2008年は、世界1のGMが前年より販売を11%も大幅に減らして835万6000台になり、4%減にとどまり897万2000台のトヨタが初めて世界1になりました。

 リーマン・ショックで、派遣労働者や期間従業員ら非正規労働者が最大の犠牲にされました。それから10年。非正規労働者の比率は増え続け、今年7月時点で37%にもなっています。

 貧困・格差はますます広がり、その是正と政治の革新を求める運動は、日本、アメリカ、世界で広がっています。リーマン・ショックの苦しみのなかで学んだことを改めて考える時です。
解雇・雇い止め | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/09/16 16:46

◎ロックアウト解雇と金銭解決

 安倍首相の諮問機関「規制改革会議」は3月25日、裁判で労働者に「不当解雇」の判決が出た場合、企業側が金を払って退職させる「金銭解決」の導入を検討するよう提言しました。

 安倍首相の“3本の矢”の1つ、「成長戦略」では、「残業代ゼロ法案」など、労働者保護ルールの改悪を盛り込んでいますが、“3本の矢”が“毒矢”であることがいよいよ鮮明になっています。

 歴代の自民党政府は、日本経団連の意向を受けて、これまでも解雇の金銭解雇をねらってきましたが、「金を払えばクビにできる」制度に、労働組合から強い反対が起き、簡単には実現できていません。今回の提言を受けて、厚生労働省は導入の検討に入るとしています。

 日本には、“終身雇用”という神話がありますが、日本航空が会社更生中の2010年末に、パイロットと客室乗務員の165人を大量解雇し、最高裁もこれを追認するなど、解雇問題は深刻です。日本IBMの異常なロックアウト解雇も起きています。

 ロックアウト解雇とは、ある日、突然、労働者に解雇通告を突きつけ、その日のうちに職場から追い出すという、信じられないような手法です。日本IBMは、2011~12年の間に全日本金属情報機器労組の組合員だけでも30人、今年3月には再び5人を解雇しています。

 東京都労働委員会は、「(解雇に当たって)格段の配慮をはらうよう」求める勧告をするほどです。

 「規制改革会議」の提言は、解雇された労働者から申し立てた場合だけに適用するとしています。しかし、企業から見れば解雇がこれまでよりも容易になるのは目に見えています。労働者から見れば、裁判で「不当解雇」の判決が出ても、長期の裁判が強いられるケースなどが多く、職場復帰が容易ではないのが現実です。

 企業に、「解雇の金銭解決」という“麻薬”を与えると解雇の乱発が予想されるでしょう。厚労省のまとめによると、民事上の個別労働紛争のうち解雇問題の相談は、この10年間、4~7万件で推移するほど多くなっています。

stop 労働者保護ルール改悪
(連合愛知とトヨタ労組の15春闘ビラ。「カネさえ払えば、クビ切り自由化!」に反対を呼びかけています)

 連合愛知とトヨタ労組は、15春闘のビラで安倍政権に対し、「STOP 労働者保護ルールの改悪」を掲げています。「カネさえ払えば、クビ切り自由化!」に反対を呼びかけています。

 安倍政権の不当解雇の金銭解決制度は、解雇の自由化を認めるものであり、反対の世論を起こそうではありませんか。
解雇・雇い止め | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/03/27 17:11

◎くり返される電機リストラ 8回もの退職強要

 パナソニック、ソニー、シャープ、ルネサス…電機産業でのリストラが止まりません。その数は18万人ともいわれています。

 次は、今から12年前の2001年11月24日の「しんぶん赤旗」の記事です。「変身大学」という「追い出し部屋」を設け、労働者に退職を強要している実態を告発したものです。

 「松下電器(現パナソニック)は、『早期退職』の名で八千人ともいわれる人減らしをすすめていますが、社内に『変身大学』を設け、労働者に退職を強要しています。工場でゴミ拾いをさせるなどの人権侵害のいやがらせをしているもので、労働者は『ひどすぎる』と立ち上がっています」

松下 変身大学
(「変身大学」が設けられた2001年当時の松下電機茨木工場)

 朝日新聞は、8月26日付の「追い出し部屋」の記事で、この2001年当時の大量リストラ時に、松下電器が作成した首切りマニュアルがあったことを暴露しています。

 「あなたの能力を生かせる職場がない」と退職を迫る手順などが書かれているものです。「電機業界ではリストラ指南書の原点のようなものだった」といいます。

リストラ 赤旗、朝日
(電機のリストラを報道する「しんぶん赤旗」=左=と朝日新聞)

 朝日新聞の2日前、「しんぶん赤旗」(8月24日付)は、三千数百人のリストラをすすめている半導体大手のルネサスの退職強要の面談記録を1ページ近くにわたって詳細に報道しています。それは、まさにリストラ指南書に沿ったようなものでした。

 ルネサスで課長職から降格された40代後半の男性は、今年6月下旬から8月上旬にかけて8回もの面談を受け、退職を強要されました。

 「8月1日以降のポジションは決まっていない。残っても仕事はないから、視野を広く持ちキャリア(再就職)相談をするように」(7月上旬)

「9月末に事実上解雇(整理解雇)をすることもありうる。…9月に事実上解雇になれば降格者は対象になる可能性が高い。もう一度考えてほしい」(7月下旬)

 「募集期間に想定人数に達しなかった場合には、ご本人の意思に反してでも事実上解雇に踏み切る状況にあります」(8月上旬)

 最高裁は、このような退職勧奨のくり返しは違法(1980年7月10日の下関商業高校事件判決)としています。

 電機連合とは別の労組、電機・情報ユニオンは、「“辞めません”とはっきり言う。“辞めません”の一言が、あなたと家族を守ります」など、「リストラ・退職強要をはねかえす4カ条」をつくって、労働者にたたかいを呼びかけています。

 戦後の日本の4大基幹産業だった造船重機、鉄鋼、電機、自動車。自動車をのぞく3産業では、これまで激しいリストラがくり返されてきました。トヨタでは海外生産比率が6割を超えました。自動車産業で働く私たちも、雇用を守るたたかいが重要になってきました。

                           ◆

 この記事は、8月28日アップの予定でしたが、都合により前日の27日にアップしました。

解雇・雇い止め | コメント(3) | トラックバック(0) | 2013/08/27 17:52

◎三菱電機名古屋の派遣切りは不法行為 名古屋地裁が損害賠償命令


 トヨタ自動車が6000人以上の期間従業員を雇い止めした2008年のリーマン・ショック。トヨタが非正規切りの引き金を引きましたが、ナゴヤドームの近くにある三菱電機名古屋製作所でも派遣切りの嵐が吹き荒れました。

 これに屈せず立ちあがった3人の派遣労働者への判決が10月2日、名古屋地裁でありました。裁判長は、三菱電機と派遣会社3社が労働者派遣法違反の偽装請負(派遣労働を請負と偽る)をしていたと認定しました。

また、派遣契約期間の中途解雇も、「リーマン・ショックで雇用情勢が極めて厳しいなか、突然の派遣切りは、たださえ不安定な地位にある派遣労働者の生活を著しく脅かした」とのべ、派遣先の三菱電機の不法行為を断罪。損害賠償として143万円の支払いを命じました。

 労働者派遣は、一時的・臨時的が原則であり、派遣法は最大3年間の派遣期間しか認めていません。訴えた3人のなかには、派遣期間と偽装請負期間を通算して6年半の労働者もいます。派遣法では、派遣期間が過ぎた場合、派遣先に直接雇用の義務を課しています。

 労働者らは、三菱電機に正社員としての地位があったと訴えましたが裁判長は、「三菱電機が実質的な雇用主とは認められない」などとして、しりぞけました。地位確認が認められませんでしたが労働者らは、「三菱電機の責任が認められてうれしい」と語りました。

 リーマン・ショックで解雇された労働者の裁判は、全国で約50件あります。大手鉄鋼メーカー、JFEの下請けの共和物産京浜事業所(神奈川県)の期間工4人が訴えていた裁判で、職場復帰で和解するという快挙(11月1日)がありました。一方で、パナソニック若狭(福井県)の不当判決などもあります。

しかも、民主党政権が提出した抜け道だらけの労働者派遣法の「改正」(製造業派遣禁止といいながら1年以上の常用型派遣を容認し、「専門26業務」を禁止の例外とする)さえ、審議もされずたなざらしのままです。

そうしたなかでの三菱電機の判決。日本共産党の志位和夫委員長は、「1つひとつのたかいには、困難もあれば、曲折もあります。しかし、不当な抑圧には屈せず、泣き寝入りしないで、それとたたかってこそ、労働者は人間としての誇りを取り戻せるのではないでしょうか」(10月23日の青年大集会でのあいさつ=ブログ「トヨタで生きる」の10月24日付)と語ります。共に頑張りましょう!

090506三菱名古屋
解雇・雇い止め | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/11/03 10:51

大震災で雇い止め・解雇急増 愛知県643人

 東日本大震災で、雇い止め・解雇が急増しています。

 このブログ「トヨタで生きる」にメールをいただいた“アプリさん”は、トヨタ関連の部品工場で派遣労働者として働いていました。工場が長期にわたって休業になり、解雇されるかもしれない状況になりました。

 「他で(仕事を)探すか、地元へ帰るか」と悩んでいました。幸い、賃金60%補償で契約更新になりました。

 厚生労働省が4月28日にまとめた「非正規労働者の雇い止め等の状況」の全国集計(4月17日時点、3~6月の実施と予定)によると、派遣、契約、請負など非正規労働者の雇い止め・解雇は、73事業所で6806人にのぼっています。

 今年に入って、1876人(1月)、3871人(2月)、4564人(3月)と増え続け、今回4月調査で急増しました。県別では、福島県が1182人で最も多く、東京都735人、愛知県643人、大阪府579人、宮城県536人の順です。大震災の被災地が多くなっています。

 愛知県では、部品の納入が滞り、トヨタの工場の生産が3月14日からストップしました。このため、アプリさ んのように、トヨタ関連・下請け工場で雇い止め・解雇が増えたのではないかとみられています。

 雇い止めや解雇が通告されたなら、すぐ愛知県労働組合総連合(愛労連)の「労働相談110番」(052-881-1411)へ相談しましよう。無料で相談にのってもらえます。祝祭日をのぞく月~金曜日の午前9時30分~16時30分です。

自動車の部品
(自動車用の部品)
解雇・雇い止め | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/04/30 13:22
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