◎残業時間上限 月45時間、年360時間 「特例」は設けない

 日本共産党の笠井亮政策委員長(衆院議員)は3月3日、「長時間労働を解消し、過労死を根絶するために――日本共産党の緊急提案」を発表しました。

 安倍政権は、「働き方改革」などと称して「特例」を設け、月100時間、年720時間などと「過労死ライン」まで残業を認めようとしています。日本共産党は、残業時間の上限は、月45時間、年360時間までとし、「特例」は設けないという抜本的な提案です。

 提案の骨子は、次の通りです。

……
(1)残業時間の上限規制と残業代の割増率引き上げ
・残業時間の上限を週15時間・月45時間・年360時間に規制。特例は設けない
・勤務終了から次の勤務までに11時間のインターバル規制を導入

・1日2時間、週8時間超の残業の賃金割増率を50%にする。3日連続で残業したら、4日目から割増率は50%にする
・違法なサービス残業は残業代を2倍にする

・労働時間の記録を義務付け、本人や同僚、家族、友人がチェックできるようにする
・「課長にも残業代を」―残業代が免除される管理監督者の規定を厳格に運用する

(2)パワハラを行った企業に、厚労省が助言・指導・勧告し、従わない企業は名前を公表。労働局にパワハラの是正指導を求めた労働者への不利益取り扱いを禁止する。

(3)労働基準監督官を増員するなど労基署の体制を抜本的に強化し、違法行為を繰り返す悪質な企業名を公表する。
……

トヨタ本社地区 出勤
(出勤するトヨタの技術労働者ら=豊田市のトヨタ本社地区)

 トヨタ自動車では、これまでにわかっているだけでも5件の過労死認定があります。現在も名古屋地裁で、労災認定を求めて遺族が争っています。

 トヨタの関連会社、テー・エス・シーで働いていた夫の過労死認定を求めていた三輪香織さん(39)は、名古屋高裁で労災として認められました(2月23日)。

 厚労省の過労死認定基準は、亡くなる1カ月前の残業は「おおむね100時間」ですが、名古屋高裁は「85時間48分以上」にサービス残業があったこと。うつ病であり、「直近1カ月は1日5時間程度の睡眠を確保できない状態。うつ病でない人の100時間超の時間外労働に匹敵する過重な負荷だった」と認めました。

 100時間を切っても、他の要因を加味して過重労働だったと認める画期的な判決でした。安倍政権のように月100時間までの残業を認めれば、過労死が激増するでしょう。

 日本共産党の提案のように、残業時間の上限は、月45時間、年360時間までで、「特例」は設けないというのが法律になっていたなら、過労死しなかったはずです。提案が法律になるよう日本共産党は全力をあげます。
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サービス残業 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/03/07 09:05

◎サービス残業 過去最多の20万人超

 日経新聞が3月22日付で、「サービス残業20万人超 14年度、過去最多 厚労省指導、142億円支払い」の記事を掲載しています。実は、この内容は「しんぶん赤旗」も3月4日付で報道しています。

 その内容は、サービス残業代が支払われたのは、前年度より8万8627人増えて20万3507人にもなり、厚労省が02年度から始めた調査開始以降、最多を更新したというのです。

 支払われた未払い残業代は、実に142億4576万円にもなりました(前年度より19億378万円増)。サービス残業の具体的な事例とは?

 ▽残業代が一定額に決められ超過分が支払われない、▽入力された労働時間とパソコンを操作した時刻が食い違う、▽出勤・退勤時刻の15分未満の時間を切り捨てる――などといいます。

 私たちが働くトヨタ自動車に、カードリーダーが導入(2003年)されて13年になります。出退勤の時刻がコンピューターに記録され、サービス残業がなくなったはずです。

toyota カードリーダー
(トヨタのカードリーダー)

 しかし、このブログ「トヨタで生きる」には、サービス残業の訴えがなくなりません。たとえば、昨年4月5日には、「ある生産技術部の職場で、組織的にサービス残業が行われていたと聞きました。6日月曜日からの2週間、その部は全員8-17時のオール定時勤務になるそうです」とのコメントが寄せられました。

 同年4月9日には、「実情、サービス残業は当たり前のように行われています」とのコメントが寄せられました。会社も組合も、「勤務ルール遵守」や「ワークルールを確認しよう」とくり返し、社員、組合員らに呼びかけています。

 サービス残業の根絶が急務であることは、厚労省のデータでも明らかです。カードリーダーが導入されたトヨタの社内ルールでは、勤務時間の前後1時間を超える職場滞在は認められていません。

 しかし、勤怠入力システムに業務外である旨のコメントを入力し、上司が承認すれば無制限に社内にいることができます。こうした実態を踏まえ、ブログに昨年6月、次のような提案が寄せられました。

 ▽「1時間ルール」は、どのような理由でも厳守する(例外規定を作らない)
 ▽インフォーマル活動の負荷軽減
 この2つで、サービス残業の無い職場環境を作っていけるのではないかと思います――。

 こうした建設的な提案などを参考にして、サービス残業のない職場づくりの議論をしてみようではありませんか。
サービス残業 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2016/03/22 10:09

◎トヨタからサービス残業をなくすために その③

 サービス残業は、トヨタが「労働時間の過少申告」とのべているように、これは労働基準法違反です。日本共産党は、サービス残業を根絶するための政策を発表し、法案を提出しています。

 次は、政策です(2013年の参院選政策から)

……
 日本では、ヨーロッパと違い、労働基準法で残業の上限が定められていないため、長時間労働が横行しています。その労基法さえふみにじる「サービス残業」(ただ働き残業)も横行しています。

 日本共産党は、1967年以来40数年間、300回をこえる国会質問で、「サービス残業」は企業犯罪だと追及し、2001年には、厚生労働省に、根絶のために企業が責任をもって時間管理を強化することなどを内容とする「サービス残業」根絶通達をださせました。この通達を活用して、過去8年間だけでも1547億円以上の未払い残業代を支払わせています。

 通達を活用し、職場からのとりくみを強化するとともに、「サービス残業根絶法」を制定し、悪質な企業には、企業名を公表するとともに、不払い残業代を2倍にして労働者に支払わせるようにします。中間管理職や裁量労働制で働く労働者の時間管理をきちんとさせます。

 「店長」、「マネージャー」といいながら、管理職としての権限、実態もない「名ばかり店長」「名ばかり管理職」にたいする残業代不払いを許しません。
……

 ここでいう厚労省の2001年の「サービス残業」根絶通達をもとに、トヨタが導入したのがカードリーダーです。

トヨタ工場 労働者
(トヨタ堤工場)

 次は、日本共産党の「サービス残業根絶特別措置法」(案)です。これは、「『企業組織再編にともなう労働者保護法』、『解雇規制法』、『サービス残業根絶特別措置法』の労働者保護と雇用の確保・拡大のための三法案の衆議院提出にあたって」からの抜粋です(2000年3月28日 日本共産党国会議員団)

……
 サービス残業は、もともと労働基準法で懲役6月以下または30万円以下の罰金が科せられている犯罪行為です。ところが、多くの大企業では、「月間の残業時間は20時間まで」などと目標を決めて、労働者が実際にどれだけ多く働いても、目標の範囲内で「自主申告」をさせています。これが、労働基準監督官が見回りにきてもサービス残業を発覚させない手口の代表です。

 また、サービス残業をやらせれば、かえって高くつくという仕組みがないために、大企業に、もし発覚しても「25%の割増賃金を払えばすむ」という無責任な態度を許しています。

 本法案は、こうした犯罪行為のやり得を許さないための仕掛けを作ろうとするもので、その骨子は次の通りです。

① 使用者に実際の労働時間を把握し、記帳する義務を負わせています。こうすれば、労働基準監督官が調査に入れば、ただちに違法を摘発することが可能になります。記帳していなければ、それ自体が法違反として罰せられます。不正な記載を許さないために、労働者のチェックを受けさせる制度も盛り込みました。

② サービス残業が発覚したら、使用者は労働基準法で定められた割増賃金とは別に制裁金を労働者に支払わなければならないようにしています。これによって、サービス残業は使用者にとって割に合わないものになります。
……

 以上、3回にわたって掲載してきました。みなさんの建設的な意見をお待ちしています。 管理人
サービス残業 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/06/12 10:36

◎トヨタからサービス残業をなくすために その②

 サービス残業をなくするために、ある社員から「1時間ルール」を守ろうとの提案が寄せられました。次に紹介します。

……
 会社のルールでは、勤務時間の前後1時間を超える職場滞在は認められていませんが、勤怠入力システムに業務外である旨のコメントを入力し、上司が承認すれば無制限に社内に居ることができます。

 業務時間1時間以内の入退場ルールに、コメントを入力することで例外が発生します。組合活動やHUREAI(注)活動などのインフォーマルである旨のコメントを入力し、業務に携わる姿を多く見受けます。


カードリーダー 2
(カードリーダー)

 この業務外コメントの「1時間ルール」の「例外」が隠れて業務を行うことの温床となっているのではないでしょうか? 私は、この「1時間ルール」の「例外の撤廃」を訴えます。

 「1時間ルール」の例外をなくした場合でも、月の出勤日数が概ね20日あり、就業時間前後のそれぞれ30分間、インフォーマル活動を行った場合、月に20時間の業務外活動時間を確保できます。

 わざわざ、ルールの例外適用にしなくても多くの時間をインフォーマル活動に充てられます。ただ、実際に組合活動であったり、HUREAIの役員・幹事である人は、やらなければいけないことがたくさんあるのも事実です。

 そこは、自主活動といえども、組織力向上や職場環境改善など企業価値上昇に寄与している部分も多大にあるので、会社側もインフォーマル活動の負荷軽減に一緒に取り組んでいってほしいと考えます。

・「1時間ルール」は、どのような理由でも厳守する(例外規定を作らない)。
・インフォーマル活動の負荷軽減

 この二つで、サービス残業の無い職場環境を作っていけるのではないかと思います。

 (注)HUREAI活動
https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/data/company_information/personnel/welfare/hureai_activities.html
……
サービス残業 | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/06/11 13:21

◎トヨタからサービス残業をなくすために その①

 日本には、世界に例のないといわれるただ働き=サービス残業があります。厚生労働省が企業に対し、サービス残業の是正指導をして支払わせたのは、2013年度で次のようです。

 ・是正企業数 1417企業 (前年度比140企業の増)
 ・支払われた割増賃金合計額 123億4198万円(同18億8508万円の増)
 ・対象労働者数 11万4880人(同1万2501人の増)
 ・支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり871万円、労働者1人当たり11万円

 びっくりするような数字ばかりです。これは、厚労省が是正指導しただけの数字ですから、氷山の一角でしょう。

 私たちが働くトヨタ自動車の職場に、カードリーダーが導入(2003年)されて12年になります。出退勤の時刻がコンピューターに記録され、サービス残業がなくなったはずです。しかし、このブログ「トヨタで生きる」にサービス残業の訴えがあります。

カードリーダー
(トヨタのカードリーダー)

 たとえば今年4月5日には、「ある生産技術部の職場で、組織的にサービス残業が行われていたと聞きました。6日月曜日からの2週間、その部は全員8-17時のオール定時勤務になるそうです」とのコメントがブログに寄せられました。

 4月9日には、「実情、サービス残業は当たり前のように行われています。(4月7日のブログに)『過労死とサービス残業のない職場づくりに、力を合わせようではありませんか。』とありますが、私たちは何をすれば良くて、共産党は何をしてくれるのですか?」とのコメントが寄せられました。

 そうした訴えにこたえるためにも、私たちはサービス残業をなくするためにみなさんとともに考えたいと思います。

 トヨタとトヨタ労組は、これまでも「勤務ルール遵守」や「ワークルールを確認しよう」とくり返し、社員、組合員らに呼びかけています。2月下旬にも会社は、社員が「やりきる」「やらねばならない」と懸命に仕事を取り組んでいるなかで、勤務ルール違反、36協定違反、労働基準法違反になっていないかと社員に問いかけました。

 「労働時間の過少申告」などの違反は、会社のコンプライアンス遵守の姿勢を非難されるなどとして、始終業時刻と入退場時刻の乖離(かいり)、深夜・休日勤務の状況など、毎日の勤怠の実態の確認や確実な勤怠申請などを行うよう求めています。

 「労働時間の過少申告」とは、サービス残業のことですが、会社の問いかけは、サービス残業の実態が広くあることを示しているのではないでしょうか? ブログに寄せられたコメントは、その一部ではないでしょうか?

 (本日は3回分の1回目です)
サービス残業 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/06/10 19:47

◎だれでも対象になりうる? 「残業代ゼロ」法案

 「残業代ゼロ」法案の導入をめぐって論議している厚労省の労働政策審議会労働条件分科会が1月29日、東京都内で開かれました。

 このなかで労働側代表の連合(トヨタ労組が加盟する労組の全国組織)は、骨子案にある「働き過ぎ防止」について、「実効的に労働時間を抑制できる内容ではない。これで過労死がどれだけ減ると考えているのか」と批判しました。

 その通りです。過労死の認定件数は年間300件前後で推移し、過労死の根絶にはほど遠いからです。

 労使の意見が大きく隔たっているのに、厚労省は2月上旬の次回分科会に報告書案を提出し、2月中に取りまとめる考えを明らかにしました。第1次安倍政権で、法案そのものを出せずに終わった安倍首相の執念を見せつけるものです。

80 残業ゼロ 骨子


 では、表に沿って「残業代ゼロ」の「対象業務」「対象労働者」「導入要件」などについて見てみましょう。

 「対象業務」は、“高度プロフェッショナル”などど、かっこいい名称にして、ほとんどの労働者が当てはまらないかのように見えます。ここであげたのを法律に明記するわけではなく、厚労省の「省令」で決めることになっています。法律だと変更・追加しようと思うと、国会で議論して法改正しなければならなくなります。「省令」にして、いくらでも拡大できるようにしているのです。

 「対象労働者」も「省令」です。今は年収1075万円以上だから、“オレはまったく関係ない”と思っていても、どんどん下げることが可能なのです。気が付いたら、数百万円でも対象者になりかねません。

 「導入要件」のうちの長時間労働抑制については、①~③のうちのいずれかを選択するとしています。③の「4週4日以上、年104日以上」を選ぶのが多数といわれています。

 トヨタ自動車の事務・技術職の所定労働時間は1952時間(244日)にです。すでに週休2日を基本に、121日が休日であり、「年104日以上」は簡単にクリアーできるからです。これで、長時間労働抑制になるとでもいうのでしょうか?

 以上のように、今は一部の“高度プロフェッショナル”が対象で、”オレには関係ない”と思っていたらとんでもないことになるでしょう。「残業代ゼロより過労死ゼロ」の日本をつくることが先決です。

              ◇

 この記事は2月3日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
サービス残業 | コメント(0) | トラックバック(1) | 2015/02/02 18:25

◎“残業代ゼロ” トヨタ、伊藤忠、富士フィルム?

 安倍内閣は、1000万円以上の年収がある労働者に対し、どれだけ働いても残業代や割増賃金の支払いをしないという“残業代ゼロ”法案=「ホワイトカラー・エグゼンプション」を15年の通常国会に提出、16年春からの実施をめざしています。

 日本経済新聞(8月18日付)は、伊藤忠や富士フィルムなどが導入の検討を始めたと報道しています。同紙は、1年前の8月14日付で、新制度「プロフェッショナル労働制」(仮称)を取り入れ、トヨタ自動車などに打診したと報道しました。

 その対象者は、大企業の課長級の平均である年収800万円超の社員としていました。部課長級の社員やエンジニアらもふくまれるとしています。日経の後、安倍政権は年収を1000万円以上に引き上げましたが、核心部分の“残業代ゼロ”はそのままです。

トヨタ 技術労働者 (2)
(出勤するトヨタの技術労働者ら)

 今回の日経の報道は、導入には労組との協議などに時間がかかるために、政府の制度設計の完成を待たずに、伊藤忠などは検討を始めたというのです。伊藤忠は、総合職の大半を対象者にすることを念頭に導入を検討しているといいます。

 富士フィルムも幅広い職種の早期の導入を検討するなど、タカラトミー、HOYA、東芝、日立、ダイキン、日本精工などの企業名をあげ検討を始めているといいます。

 法案も提出されてもいないのに、大企業がこぞって“残業代ゼロ”法案の成立を求めているかのようです。

 トヨタ労組が加盟する連合は8月1日、「緊急シンポジウム~労働時間規制のあり方を考える~」を開催しました。古賀伸明会長は、「政府は長時間労働や過労死の問題解決にこそ全力を注ぐべき。『残業代ゼロ』ではなく、『過労死ゼロ』に向けた施策が行われなければならない」などとあいさつしました。

 もう1つの労働組合の中央組織「全労連」も導入に強く反対しています。第1次安倍内閣は、2006~7年にかけて導入しようとしましたが、労働界がこぞって反対したため、第1次安倍内閣は法案提出を断念しました。

 前回の教訓に学び、“残業代ゼロ”法案の提出断念に追い込みましょう!

             ◇
 この記事は8月20日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
サービス残業 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/08/19 17:06

◎「残業代ゼロ」をふたたび提案 産業競争力会議

 第1次安倍政権(2006~7年)が提出した、「残業代ゼロ」というホワイトカラー・エグゼンプションは、労働界や法曹界、メディアがこぞって反対したために、同政権は断念しました。

 ところが、4月22日に開かれた経済財政諮問会議・産業競争力会議の合同会議(議長・安倍晋三首相)にふたたび提案しました。産業競争力会議の雇用・人材分科会の主査である長谷川閑史・経済同友会代表幹事(武田薬品社長)が出したものです。次のように主張します。

 ○新たな労働時間制度は、業務遂行・健康管理を自律的に行おうとする個人を対象に、法令に基づく一定の要件を前提に、労働時間ベースではなく、成果ベースの労働管理を基本(労働時間と報酬のリンクを外す)とする時間や場所が自由に選べる働き方である。

○また、職務内容(ジョブ・ディスクリプション)の明確化を前提要件とする。目標管理制度等の活用により、職務内容・達成度、報酬などを明確にして労使双方の契約とし、業務遂行等については個人の自由度を可能な限り拡大し、生産性向上と働き過ぎ防止とワーク・ライフ・インテグレーションを実現する。

民放 残業代ゼロ
(「残業代ゼロ」を報道する民放番組のパネルから=4月23日)

 こむずかしいいいかたですね。このなかでAタイプ、Bタイプに分けて具体的に提案しています。労使合意や本人同意が必要とか、1000万円以上の年収があるもの、などいいことずくめ、対象者は限定されたものであるかのようにいっています。

 要するに、労働基準法で定めた1日8時間、1週40時間などにしばられず、企業にとって必要な時に必要なだけ働いてもらうが、残業代はもう支払わないというものです。成果だけを出せという身勝手なものです。

 しかも、対象者は一部であるかのようい見せかけています。これがくせもので、小さく産んで大きく育てる――労働者派遣法の対象業務の拡大や消費税率の相次ぐアップなどと同じ手法です。

 トヨタ自動車の2013年の年間総労働時間は、1人当たり1952時間です。このうち残業は248時間です。仮に1時間当たりの残業単価を3000円とすると年間で74万4000円になります。

 マイホームのローンやマイカー、子どもの教育費などに残業代をあてにしている人は多いでしょう。74万円余が消えてなくなっていいのでしょうか?

 長谷川氏の提案の全文は、次で読めます。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/goudou/dai4/siryou2.pdf
サービス残業 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2014/04/23 09:38

◎「1分でも過ぎれば皆帰る」

 日本経済新聞の最後のページにある「私の履歴書」は、実に面白い。昨年9月に亡くなった豊田英二・元トヨタ自動車社長、女性で初めて日本物理学会会長になった米沢富美子慶応大名誉教授…登場する人々の人生の喜怒哀楽に魅かれるのだろう。

 この2月は、歌舞伎俳優の市川猿翁さんだ。スーパー歌舞伎などを演じ、歌舞伎を革新させた3代目市川猿之助で知られている。私生活では、宝塚トップ娘役の浜木綿子と結婚し、香川照之の誕生、離婚。日本舞踊の藤間紫との再婚…実に波乱万丈だ。

 猿之助は、海外公演も精力的に行っている。そのなかでこう書いている。

 「欧米ではユニオンが非常にしっかりしている。稽古も決まった時間を1分でも過ぎれば皆帰る。上演時間もしかり、日本と同じように上演するとタイムオーバーになる。そこで海外版『四ノ切』ではト書浄瑠璃などをカットした。本質を失わず、いかにテンポアップするか」

 ユニオン(労働組合)がしっかりしているから、1分でもオーバーすると帰ってしまう――日本だったら、非常識になるだろう。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の工場に行ったことがあるが、終業時間のサイレンがなると、労働者はいっせいに工場を後にしていた。1分も過ぎていなかった。

歌舞伎座
(東京・歌舞伎座)

 新幹線に乗る。東京駅を出る。1時間41分後に名古屋駅に到着する。電波腕時計に目をやるが秒単位まで正確だ。これほど、日本の鉄道は正確に走ることで有名だ。

 ところが、日本の職場では終業時間があっても、あいまいな場合が多い。「1分でも過ぎれば皆帰る」というような職場は、まれだろう。トヨタの職場でカード・リーダーが導入されたのが2003年。始業、終業時間がコンピューターに記録され、サービス残業ができなくなった。

 しかし、終業時間から1時間以内に、事業場の門でカード・リーダーを通せば問題にされない。欧米の1分とは、まだ相当の開きがある。労働基準監督官は、「1分でも残業です」と語っていた。日本と欧米を比較し、文化、習慣の違いというだけでいいのだろうかと思う。
サービス残業 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/02/24 13:16

◎残業 年360時間超 リコール問題、大震災で増える


 トヨタ自動車で、年間の残業が360時間を超える労働者が2010年度で2352人にのぼることが明らかになりました。前年の3倍になっています。2010年1月に起きた日本と世界でのリコール問題や今年3月の東日本大震災によって残業が増えたものです。

 厚生労働省は、労働者の残業について、「年間360時間を超えないものとしなければならない」という告示を出しています。“カローシ”という言葉が世界語で通じるほど、日本の労働者の働きすぎが問題になっているからです。

 トヨタ自動車で、これまで過労死と認定された社員はわかっているだけでも5人にのぼります。現在も技術者1人が労災申請しています。下の数字は、トヨタで年間残業時間が360時間を超えた社員の数です。

 2003年度   10375人
   04      6613
   05      1341
   06      1910
   07      1684
   08       893
   09       690
   10      2352

 2003年度は、1万人を超えるという異常な事態でした。前年の02年度に、トヨタが初めて1兆円の利益をあげた年でした。猛烈な仕事が強いられていたころです。03年1月にはサービス残業も発覚し、同年4月から本社、工場に順次、カードリーダーが導入されました。

 その後は、労使の取り組みもあって年々減少してきましたが、10年度はリコール問題、大震災で増加しました。しかも、伊地知隆彦専務は、「今の労働行政では、若い人に充分に働いてもらうことができなくなっている」とのべています。

伊地知専務は、韓国のヒュンダイはトヨタより労働時間が1000時間も多いとのべ、「時間を気にしないで働いてもらう制度」の導入を主張しています。労働省告示など労働行政を変えよというのでしょうか。トヨタから働きすぎ、過労死をなくすには、このような主張は許されないでしょう。

2011 トヨタテクニカルセンター
(技術者が働くトヨタテクニカルセンター)
サービス残業 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/10/19 13:42

サービス残業を是正して! 匿名で投稿

 トヨタ自動車の社員から、「献身的に働く従業員を救うために、無償残業(サービス残業)をやめさせて!」という匿名の投書が、ブログ「トヨタで生きる」に寄せられました。次に紹介します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

生産台数は、東日本大震災前には、まだ程遠いです。
サプライヤーからの部品供給が震災以前の状況に戻るまでは、プリウスなど需要の高い小型車・低燃費車に生産を集中させているために、車種ごとの生産台数には大きな開きがあります。

そのため、小型車生産を主に行っている工場への人員異動があり、生産の少ない職場では少人数生産を行っています。トヨタのいろいろな工場で勤務する人の話を聞くと、そういった人員配置によって、私が聞く限りでは生産台数に関わらず、皆忙しいといいます。

実際、私の職場でも、毎日、定時勤務時間を超えても、多くの従業員が仕事をしています。そして、そのほとんどが、サービス残業として業務を行っています。また、定刻始業時間前にも多くの従業員が始業点検・起動作業を無償で行っています。

こういったことは、私の職場に限らず他の職場でも行われていると思います。私達が退社する時刻に、ロッカールームで他の職場の人達と、毎日のように出会います。そこでは毎回、次のようなことを問われます。

「○○、こんな時間まで仕事して、残業はついてるのか?」

皆、この言葉を発するときは、含み笑いで意味ありげです。残業を付けられないのをわかっていての発言です。もちろん、その言葉を発した人たちも無償残業をしていると思われます。

トヨタの製造現場では、特別な勤務体系以外は、上司(GL)が部下の実勤務時間をパソコン入力し、人事に申請します。製造現場の従業員はGLからの指示によって残業を行っていますが、私の職場では、実際にはその残業は会社には計上されていません。

会社のサービス残業対策である「1時間ルール」(*ブログ管理人の記事を参照してください)が守られていません。GLが勤務時間をパソコン入力する際に、残業が1時間を超えていた場合であっても、

”業務外の自己研鑽”
”従業員同士の雑談”
”業務外の組合活動”

等、実際には業務を行っていたにも関わらず、業務外(サービス残業)として人事に申請しています。

我々、従業員にあっては、震災後の会社操業停止や休日変更等を目の当たりにしているだけに、大きな声で批判、非難するよりも、いち早く会社が元の元気な状態に戻って欲しい、という気持ちから渋々そういった業務にあたっています。

しかし、気心が知れた仲間からは、
「いくらなんでも、毎日ひどすぎる」
「会社はこのようなことまでしなければ、生産が回復できない状況なのか?」
との声が出ています。

大震災後、カードリーダーと時間管理システムの差が大きくなった部署はたくさんあると思います。

このブログは会社上層部や人事関連の方もご覧になっているかと思います。
日本共産党のブログだからということではなく、こんなにまでも献身的な従業員を救うためにも今のシステムの是正を強く願います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

トヨタ・カードリーダー
(カードリーダー)

●ブログの管理人から―。

 日本の企業では、これまでサービス残業が横行していました。トヨタも例外ではなく、あまりのひどさに、2003年1月に労働基準監督署から是正指導を受けました。トヨタは、同年4月から本社、工場へと順次、出入口にカードリーダーを設置、全従業員の出退勤時刻を記録しています。出退社時刻内での実勤務時間は、各々がパソコンにて入力を行い、人事に申請しています。

勤務時間前の1時間を超える入門、勤務時間後1時間を超える出門を、会社は禁じています。これは、サービス残業をなくすとりくみの一つで、「1時間ルール」と呼ばれています。

 トヨタの幹部は常日頃、「必要な仕事であればどんどんやってください。残業が必要ならば行ってください。会社は残業をするな! ということは言っていません」と語っています。

ということならば、サービス残業は、会社の方針ではないはずです。仮に管理職の労務管理の点数稼ぎだったら、あらためるべきです。社員は、毎日、愚直で真面目で献身的に働いているからです。
サービス残業 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/06/21 07:42

労働時間、残業の上限規制がない日本

 日本の労働者の働きすぎは、ヨーロッパ(EU)と比べ、いぜんとして縮まっていません。生産労働者の年間総実労働時間を比較すると、2007年で日本は2003時間、ドイツは1538時間、フランスは1537時間です。

 日本は500時間近くも長く、これはドイツ、フランスに比べ3カ月以上も長く働いていることになります。日本が長い理由は、法律で労働時間、残業時間の上限規制がないからです。

EUでは、1993年に出された労働時間指令で、週の労働時間の上限は、残業時間をふくめて48時間。1日は、残業をふくめて13時間です(1日の休息時間は連続11時間)。このため、ドイツでは年間残業時間が41・9時間(2006年の全産業)という短さです。

日本では、EUのような上限規制がないために、年間の残業時間が209時間もあります。これは、労使が労働基準法36条によって協定を結ぶ(36協定)ことによって、無制限で残業ができるからです。

トヨタの36協定は、年間の残業時間の「限度時間」は360時間で、これ以上はしてはならないという「絶対限度時間」は、600~720時間という長さです。トヨタの年間所定労働時間は、事務・技術職で1952時間、技能職で1911時間(いずれも年244日)です。

有給休暇は、労働時間短縮の大きな要素ですが、日本は労働基準法で最低10日、最高20日にすぎません。ヨーロッパでは、EU指令で最低でも20~30日です。

このように、労働時間や残業時間、有給休暇の差が労働時間の長さの差になっています。仕事と家庭を両立させるという「ワーク・ライフ・バランス」というならば、法律による規制が必要でしょう。

(以上は、『働くルールの国際比較』(筒井晴彦著、学習の友社)を参考にしました)

工場に出勤するトヨタの労働者

(工場に出勤するトヨタの労働者)
サービス残業 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/10/28 07:04

異常だった長時間残業

 2003年度   10375人
   04      6613
   05      1341
   06      1910
   07      1684
   08       893

 この数字は、年間残業時間がトヨタで360時間を超えた人数です。カードリーダーが導入された2003年度は、なんと1万人を超えていました。前年の02年度に、トヨタが初めて1兆円利益を計上するなど、いけいけどんどんで猛烈な仕事をしていた時でした。

 サービス残業、長時間労働、過労死…カードリーダーで、労働時間の正確な把握が可能になり、トヨタの職場が深刻な実態であることが明らかになりました。年間360時間の残業とは、厚生労働省告示で「年間360時間を超えないものとしなければならない」とした基準です。

 あまりのもの長時間労働に、トヨタへの批判は厳しいものでした。日本共産党トヨタ党委員会は、職場新聞「ワイパー」でその是正を訴えてきました。労使の取り組みも本格化し、長時間労働は年々、減少していきます。カードリーダー導入の成果があらわれたといえるでしょう。

ワイパー サービス残業

「ワイパー」2007年6月26日号
サービス残業 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/10/26 08:33

カードリーダーはなぜ設置された?

 トヨタの工場の出入り口には、「カードリーダー」と呼ばれる機械が設置されています。出勤、退勤時に社員らが従業員証を読み取り部分にふれていきます。「ピィ」という音が鳴り、出退勤時刻がトヨタのコンピューターに記録される仕組みです。

2003年4月から順次、本社、工場へと設置されました。いまでは社員にとって、日常の風景です。しかし、7年以上も経過しており、なぜ設置されたかわからない社員もふえています。
 
「しんぶん赤旗」は、10月24日付けの「検証特集」で、トヨタが設置にいたった経過をわかりやすくまとめています。

世界に例のないサービス残業(ただ働き)が、トヨタをはじめ日本の企業では当たり前のように行われていました。残業は、労働者の自己申告制度になっていました。しかも、企業が残業代削減のために、労働者の1カ月の残業目標を決めていました。これをオーバーしても付けにくくしていたのです。

2001年4月6日、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」という「4・6通達」(ヨンロク通達)を出しました。

企業が労働者の労働時間を管理するにあたって、ICレコーダーなど客観的な記録で、把握するよう義務づけたものでした。「通達」を出させた背景には、日本共産党が国会でサービス残業の根絶を求めて、25年間で240回を超える質問をしていたことがあります。

トヨタは、03年1月に労働基準監督署からサービス残業の是正指導をうけました。これをうけ、トヨタは生産ラインを止めて緊急集会を開きました。「通達の効果を象徴的に示した出来事」(しんぶん赤旗)でした。緊急集会後の4月からカードリーダーが設置されたのです。

しんぶん赤旗10月24日付

「しんぶん赤旗」10月24日付
サービス残業 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/10/25 08:26
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