◎ホンダ「NSX」を見た

 東京へ行ったついでに、港区の青山にあるホンダ本社へ行った。2006年に販売を打ち切っていた高級スポーツカー「NSX」(New Sports Car Xの略)の新型を発売する、と8月25日に発表したからだ。

 本社前の広場には、ホンダのクルマが青空のもとにズラリと展示してある。さすがに「NSX」は、本社1階を入ったところに展示してあった。排気量は3・5リットルのV6ツインターボエンジンで、581馬力にもなるという。真っ赤な「NSX」は、実に精悍な顔つきをしていた。圧倒的な存在感だ。

ホンダ NSX


 ホンダは、トヨタとよく比較される。個性あるクルマづくりに熱烈なファンが多い。世界の自動車メーカーが合従連衡するなかで、ホンダは日本資本を守り抜いている。労働条件もトヨタよりいいのが多い。

 トヨタは、カローラに代表されるように、没個性といわれる。果ては、“退屈なクルマ”と酷評する評論家がいて、反発したくなる。「NSX」は、個性のホンダをもっとも表現したクルマだろう。

 新聞に、2370万円もする「NSX」の全面広告を打つという力の入れようだ。しかし、2000万円以上の高級車の日本での市場は、年間400台程度といわれる。

 「NSX」の販売目標は、年間100台。こんな高級車が、目標通りに売れるのか? ホンダは、アメリカで開発し、同オハイオ州で生産する。

 初代の「NSX」は、バブル経済が崩壊する直前の1990年秋に発売された。世界累計で1万8737台を売った。今回の2代目のパンフレットには、「Hondaは人間の感性こそがモノづくりの根幹であると考える」と書いていた。

 モノづくりの根幹が感性? ホンダは、採算を度外視してでも発売するといわれている。このところ、フィットの相次ぐリコールなどで、ホンダのイメージは低下している。「NSX」の復活で、何をねらっているのだろうか?
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ホンダで | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/09/11 04:00

◎ホンダの輸出、「0」になる?

 ホンダの輸出が急激に減っています。このままでは、「0」になる可能性も指摘され始めています。労働者の雇用はどうなるのか?

 ホンダで、輸出台数が最も多かったのは、リーマン・ショック前の2007年度の69万5678台でした。国内生産の53・7%を輸出していました。この年をピークに減り続けました。

 13年度は9万7311台で、ピーク時の14%までに激減しました。国内生産のうちのわずか10・4%になりました。

 ホンダの伊藤孝紳社長は、世界で「6地域同時開発」「現地最適図面」をかかげ、グローバル開発・生産・販売の世界戦略をすすめています。昨年度の海外生産比率は78・7%に達しています。

 今年2月には、メキシコの新工場(労働者約3200人の予定)が稼働を始めました。16年には労働者数は、約4700人になるといいます。

ホンダ フィット
(ホンダのフィット)

 一方、トヨタ(単体)の2013年度の国内生産は337万7598台で、そのうち輸出は185万4651台。輸出分は54・9%を占めました。ホンダの07年度と同水準です。

 トヨタが国内生産を、ホンダのように海外へ急激に移したならばどうなるでしょうか。ホンダ並みにピーク時の10%程度になると仮定すると、輸出分は18万台前後になります。国内販売分の約152万台に+約18万台で、国内生産は約170万台にしかなりません。

 豊田章男社長は、「国内生産300万台死守」で雇用を守ると主張しています。国内生産をホンダ並みに海外に移せば、そうした主張は崩れ、雇用問題になることは必至です。

 ホンダは、軽自動車の「Nシリーズ」が好調で、三重県の鈴鹿製作所は軽自動車専用工場に変貌しつつあります。しかし、軽自動車をふくむ日本国内の自動車市場は、1996年には729万台でしたが、この数年間は、500万台前後で推移しています。

 自動車メーカー同士のシェアの奪い合いはあっても、日本の人口が減少するなか、市場は減りこそすれ拡大する見通しはありません。ホンダのような急激な海外生産シフトは、雇用にどんな影響をあたえるか?

 日本の基幹産業であり、4大重工業産業のうち、造船や鉄鋼のリストラに続いて、電機産業では現在、20数万人のリストラがすすめられています。それを対岸の火事と見ているだけでいいのでしょうか? 自動車産業で、“雇用を守れ”の声を大きくしていくことが切実になってきました。
ホンダで | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/07/09 08:44

ホンダの期間従業員募集 初回は3カ月以内

 トヨタ自動車は7月中旬をめどに3000~4000人の期間従業員を募集します。ホンダは、1000人規模の期間従業員の募集をしていますが、初回の契約期間は「3カ月以内」という短さです。

 しかも、そのうちの2週間を「試用期間」としています。会社が気に入らなかったら2週間以内で雇い止めになる可能性があります。

 「更新あり」としていますが、「減産や正規従業員の配属により、余剰人員が発生したとき、または余剰人員が発生することが見込まれるとき、事業の縮小や生産ラインの移管により、業務が減少又は無くなったとき」などの条件をつけています。

 これでは、ほとんど更新のめどがないに等しいものです。ホンダは、2008年のリーマンショック時に期間従業員を全員、雇い止めしました。

 いつまで雇用されるのかわからない、生産状況により、簡単に雇い止めされる―こんな労働条件で応募する労働者がいるのでしょうか?

 日本共産党ホンダ鈴鹿製作所支部のホームページ、「ワイパー」には、かつて雇い止めされた期間従業員の話がでてきます。そして、期間従業員募集の案内にこうした一文が添えてあれば、その期間従業員の不安も多少やわらいだろう、と書いています。

 「草むしりやペンキ塗りをさせてでも、最低半年間、雇用を保証いたします。 代表取締役社長・伊東考紳」

0903ホンダ鈴鹿
(ホンダ鈴鹿製作所=三重県鈴鹿市)
ホンダで | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/07/07 15:35

ホンダが一時帰休実施へ

 ホンダが7月中旬から17日間、一時帰休に入ることが明らかになりました。賃金は80%補償です。部品の供給が十分でないことや原発事故での電力抑制で7~9月は土日出勤、木金休みが重なり、複雑な出勤になります。

フィットハイブリッドなどを生産している鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)のベテラン労働者は、「一時帰休は初めての体験。電力使用の抑制と部品がまだ、きちんと入らないためだと聞いている」といいます。

 同労働者はまた、「一時帰休の間に、学校の夏休みの間の登校日のように、”休業出勤日”がある」と語ります。

同製作所では、6月から7月中旬にかけて振替休日が14日間あるために、木、金、土、日が工場の稼働が中止になります。このため、この間は週休4日制になります。

 先の労働者は、「この間、工場の生産が止まって、出勤しても工場の清掃やペンキ塗りなどの仕事しかなかった。お金に困っている仲間も多い。その上に一時帰休で、みんなつらい思いをしている」と語ります。

              ◆

 ホンダは、2011年3月決算で5340億円の純利益をあげ、上場企業で初めて純利益トップ企業になりました。トヨタは4081億円で5位でした(日経新聞、5月21日付)。

 そのホンダが、自動車産業で一時帰休実施の先頭に立ったり、期間従業員の雇い止め(このブログやホームページの5月8日参照)を行うなどしています。

ホンダ鈴鹿 (2)

(ホンダ鈴鹿製作所)
ホンダで | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/05/22 10:22

ホンダが期間従業員600人を雇い止め

 大型連休前の4月28日、ホンダが埼玉県の埼玉製作所(狭山市)の期間従業員600人を雇い止めにするというニュースが流れました。この日は、ホンダが2011年3月期決算を発表した日です。5697億円もの巨額の営業利益をあげていました。

 ホンダの営業利益は、前期(2010年3月期)より2060億円増の1・57倍という大もうけぶりでした。東日本大震災で457億円の損失額を計上しましたが、それをはるかに上回る利益増です。

 それなのに、なぜ期間従業員の雇い止めをするのでしょうか? ホンダでは、ピーク時に4500人の期間従業員が働いていました。リーマンショックの際、期間従業員を雇い止めし、2009年4月にはゼロにしていました。

 ところが、生産が回復すると一転して、2010年6月に埼玉製作所で600人の期間従業員を採用しました。その期間従業員を、東日本大震災で操業が5割になっていることを理由に、雇用期間が6カ月を超えた人は契約更新をしないというものです。

 期間従業員を生産の調整弁にしていることがあまりにも明白です。巨額の利益をあげられるのも期間従業員の人たちの働きがあるからです。ホンダの身勝手ぶりは、あまりにひどいものです。

 リーマンショック時に、栃木製作所で雇い止めになった桜井斉さんは、ホンダを相手取り、職場にもどすよう東京地裁でたたかっています。桜井さんは、11年間で1~3カ月の短期の契約更新を104回もしていました。

 トヨタ自動車の決算発表は5月11日(水)です。ホンダのように巨額の利益をあげる一方で、期間従業員の雇い止めをするようなことを、絶対に許さないようにしましょう。

ホンダ埼玉製作所
(ホンダ埼玉製作所=狭山市、ホンダのホームページから)
ホンダで | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/05/08 17:42

ホンダは11日(月)から生産開始へ 「会社待機」状態か?

0903ホンダ鈴鹿
(ホンダ鈴鹿製作所=三重県鈴鹿市)


 ホンダは11日(月)から、「当面5割程度の操業率」で生産を再開すると発表しています。

ホンダ鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)は、大震災後の3月14日(月)から3週間、工場の生産を休止しました。労働者の多くは、有休休暇を使っていました。同工場の労働者の話です。

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私は、3日間出勤しただけで、後は年休でした。会社は、年休を奨励しているからです。年休が少ない、年休がない労働者は出勤して工場の清掃などをしていました。労働者の3割くらいは出勤していたのではないかと思います。

あす4日(月)から、「全員、平常勤務で出勤するように」との連絡が会社からありました。てっきり多くの労働者が「一時帰休」だと思っていたのですが…。そういううわさが流れていました。

ただし、出勤しても生産はありません。また、清掃でしょうか。ホンダ公報は11日から5割操業といっています。しかし、今のところ聞いている情報では、これまで1直だった1ラインが5割操業、これまで2直だった3ラインが4月度は”生産予定なし!”です。

3月に埼玉製作所で生産・発表予定だったフィット・シャトル(ハイブリッドのワゴンタイプ)を鈴鹿で作るための準備のためです。出勤しても、多くのラインマンは、ぶらぶらの「会社待機」状態になるようです。

なぜこういう対応にしたのか? よく分かりませんが、世間体でしょうか? 労働者からは、「収入が減って大変だ」という悲鳴があがっています。また、「仕事がないのはキツイ」「一時帰休にしてほしい」「出勤と一時帰休を選択させてほしい」などの声があがっています。

いずれにしても生産が回復するのは時間がかかりそうです。
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ホンダで | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/04/03 09:17

ホンダは20日(日)まで工場の稼働休止

ホンダは、20日(日)まで、三重県の鈴鹿製作所や熊本県の熊本製作所などすべての工場の稼働休止を決めました。工場休止で、労働者の出退勤の扱いはどうなるのでしょうか? 鈴鹿製作所の労働者は、「会社は、個人の有給休暇を使うよう奨励しています。有休がない人や少ない人は出勤しています」といいます。

 有休扱いについて、日本共産党鈴鹿支部のホームページ「ワイパー」(http://www21.ocn.ne.jp/~wiper/)では、意見が相次いでいます。「会社都合により有休を取らされるのは納得できません」「天災での生産休止日に、有休カードに『計画有休』と記入させる感覚は理解できません」「振替休日もしくは通常休日にしたほうが賢明だと思います」…。

 また、1人が死亡した本田技術研究所栃木研究所の労働者からは、「天井が抜け落ち、壁が崩れ、穴があき、脚の踏み場もない建屋が多数」と研究所の様子を知らせるメールが寄せられています。

 日経新聞(15日付)は、ホンダの状況について次のように報道しています。
 「ホンダによると、震度6以上の地域に拠点を置く同社の『1次取引先』は113社。うち40社は14日現在も連絡が取れない状況が続いているという」
 
 ホンダの関連・下請けの状況がわかります。トヨタもこうした情報を明らかにしてほしいと思います。

ホンダ栃木製作所

(本田栃木製作所=栃木県)
ホンダで | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/03/15 15:30

夜勤が20分短いホンダ  

 先日(2月13日)のこのブログ「トヨタで生きる」で、ホンダの休職は無期限で、賃金が100%保障されていることを、実際に休職になっているホンダの労働者の話としてお伝えしました。ホンダで、もう一つ驚くのが、夜勤の労働時間が昼勤より20分短いことです。

 
三重県の日本共産党ホンダ鈴鹿製作所支部のホームページ「ワイパー」 http://www21.ocn.ne.jp/~wiper/ を見てください。「資料室」の「労働協約」の第5章の「労働時間」、第110条です。

 ここに、ホンダの交代制勤務の時間があります。鈴鹿製作所を見てみましょう。1勤(昼勤)は、6時30分から15時15分です。2勤(夜勤)は、15時5分から23時30分です。1勤は、休憩時間もふくんだ拘束時間は8時間45分です。2勤の拘束時間は、8時間25分です。2勤が20分短いことがわかります。

 ホンダでは、1勤と2勤の直間がなく、10分間ダブっています。これは、平日の残業がないからです。残業は、土曜日などの休日出勤しかありません。夜勤が20分短いために、2勤の終業時刻は23時30分です。つまり、その日に仕事が終わるのです。

 ホンダの労働者は、「23時30分に仕事が終わり、しかも残業がないから、その日のうちに家に帰ることができる」といいます。

 トヨタを見てみましょう。たとえばプリウスを生産している堤工場(愛知県豊田市)では、1直(昼勤)は、6時25分から15時15分で、2直(夜勤)は、16時10分から1時までです。1直、2直とも拘束労働時間は、8時間50分で同じ時間です。直間が55分も開いています。ここで生産ばん回の残業が可能になっています。

 2直の終業時刻は深夜の1時です。ホンダより1時間30分遅い時間です。1時から家へ帰るのです。この差は大きいものです。それでは、ホンダは2勤の20分間をどのように扱っているのでしょうか?

 ホンダ労組の元役員は、「20分間は、働いたこととみなしている」といいます。信じられないことですが、みなし労働だというのです。自動車産業の交代制労働は、深夜勤務があるなど非人間的な労働です。労働者の負担を少しでも減らすためには、ホンダのように2直の労働時間を短くすることが必要でしょう。

0903ホンダ鈴鹿

(三重県鈴鹿市のホンダ鈴鹿製作所)
ホンダで | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/18 09:17

もしトヨタがホンダだったら…どんなに嬉しかったか

 先日、ホンダの労働者と会いました。
 足の手術で、休職して3年目になるといいます。
 「休職期限は切れているんでしょ」と聞く。

 「えっ! 何のことですか? ホンダには休職期限はありませんよ。10年でも20年でも休職できる。ホンダの基本理念は、“人間尊重”だからでしょうか。正社員には、休職期限がないように一定の待遇はあるんですが、期間従業員や派遣労働者には冷たい。ここをなんとかしなくては」

 (ホンダの休職規定については、三重県の日本共産党ホンダ鈴鹿工場支部のホームページ「ワイパー」 http://www21.ocn.ne.jp/~wiper/ を参照してください。「資料室」の「労働協約」の「休職」の項目です)

 トヨタ労組の機関紙(「評議会ニュース」2010年12月28日)では、この1年間の物故者は52名、休職満了者50名、長欠者(3カ月以上)359名と集計しています。

 トヨタの休職期間は、勤続年数で異なっていますが、勤続10年以上で3年間(「傷病欠勤期間」4カ月をふくむ)です。賃金はでませんが、トヨタ健保組合から傷病手当金として、勤続10年以上の場合、最初の2年6カ月は、それまでの標準報酬月額の8割、その後の6カ月は4割支払われます。

 もしトヨタにもホンダ並みの休職規定があるのなら、50名の休職満了者は、治療、療養に専念し、定年まで在職できたはずです。また、長欠の359名も安心して治療に専念できるのではないかと思います。

 ホンダの労働者は、「生活費は100%保障ですから、休職中も心配はいりません」と安心した顔でいいます。是非、トヨタでも実現したいものです。

 年休の使い方も変わってくると思います。「入院した時などに、年休をたくわえておく」といった理由もなくなります。年休を有効に活用できます。ホンダとトヨタの違いは大きい。ホンダの労働者にもっと聞きたいと思います。

0903ホンダ鈴鹿

(ホンダ鈴鹿製作所。三重県鈴鹿市)
ホンダで | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/13 12:39
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