◎ふたたび どこの国の首相か

 9月21日の朝7時、NHKテレビはニューヨークから国連のニュースを伝えました。1つは、核兵器禁止条約の署名式が行われ、50の国と地域が署名したという、うれしいニュースです。

 条約は、50か国が批准の手続きを終えた90日後に発効することになっています。いよいよ2018年に、核兵器禁止条約が発効する見通しになりました。広島、長崎への原爆投下から72年。核兵器に悪の烙印が押されるのです。

 もう1つが、安倍首相が国連総会で演説し、北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射に対し、「必要なのは対話ではない。圧力だ」と対話を否定した驚くべきニュースです。トランプ政権も対話を否定していないのに全否定したのです。

 核兵器禁止条約は今年7月、国連加盟国の6割を超える122の国と地域が賛成して採択されました。署名式には、長崎市の田上富久市長や長崎で被曝した日本被団協代表委員の田中煕巳さん(85)が参加していました。NHKは、次のように伝えました。

……
 田中さんは、「最も犯罪的で非人道的な核兵器を禁止する条約がこれまでなく、被爆者として悔しい、腹立たしい気持ちで叫び続けてきました。各国が署名する様子を見て涙が出るくらい嬉しかったです。亡くなった被爆者たちも喜んでくれると思います」と話していました。

 その一方で、日本政府が条約に参加していないことについては、「非常に残念です。核兵器がいかに犯罪的で非人道的で残虐かということを唯一の被爆国と言っている日本政府はほかの国に伝えるべきで、条約に参加することを求めていきたいと思います。そうでないと私たちの政府、総理なのかという思いがします」と話していました。
……

写真NHK 核兵器禁止条約 50カ国署名
(国連での核兵器禁止条約の署名式=NHKテレビから)

 安倍首相は、今年8月9日、長崎での平和式典後の被爆者との懇談で、「あなたはどこの国の総理ですか。私たちをあなたは見捨てるのですか」と被爆者から問い詰められました。

 この日の署名式に参加しない唯一の戦争被爆国の日本。田中さんも「私たちの政府、総理なのかという思いがします」と語ったのです。その一方で、安倍首相は核実験をくり返す北朝鮮との対話を自ら閉ざす演説をしました。

 署名式では、コスタリカのソリス大統領が、「いまだに核兵器を安全保障政策の中に据えている国は、人類と地球を危険に陥れている。すべての国が核廃絶に向けた歩みを進めるよう求める」とのべ、核兵器の保有国にも条約への参加を促した――とNHKは伝えました。

 ソリス大統領の格調高い発言に比べ、アメリカの核の傘のもとから一歩もでない安倍首相の姿勢は情けないくらいです。北朝鮮との対話を閉ざし、核開発・実験の中止の圧力だけでは説得力はないでしょう。
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戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/21 09:22

◎NHKスペシャル 「沖縄と核」の衝撃

 「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」などと問題発言をしていたNHKの籾井勝人・前会長。同氏が事実上、更迭されたNHKは、戦争と平和の問題で優れた作品を連発しています。

 NHKスペシャル「スクープドキュメント 沖縄と核」(9月10日放送)もその1つです。見ごたえがありました。半世紀前以上の1950~60年代の沖縄に、米軍が核兵器を配備し、「核戦争が始まる」(元米軍兵士)という衝撃的な事実を明らかにしたのです。

 隠された事実を丹念に掘り起こし、事の本質に迫る「調査報道」という、メディアが現在最も重視している報道の典型でした。しかも、決して過去の話ではなく、今につながっているという視点を貫いています。

Nスぺ 沖縄の核
(米軍の核ミサイル=NHKスペシャル「スクープドキュメント 沖縄と核」から)

 番組では冒頭、奇妙な建物を空撮します。かつて米軍が沖縄県恩納村に配備した核ミサイル発射基地の跡です。本土復帰前の沖縄には、「広島の70倍の威力を持つ核ミサイルを配備」していたというのです。

 恩納村といえば2年前の2015年8月、家族で沖縄旅行した際、泊まったペンションがある村です。ペンション前の国道58号線から南へ、嘉手納基地へ向かう途中に、核ミサイル発射基地の跡があったのですが、当時はその存在を知らず、通り過ぎてしまいました。

 番組では、恩納村の基地をはじめ、世界最大級の核拠点になっていた沖縄の真実を、未公開映像、機密文書など1500点を集めました。元米軍兵士に米国まで追跡し、証言を集め、真実に迫っています。

 番組で明らかにした真実の1つが、1060年代に米軍が飛行距離2400kmの核ミサイル「メースB」を沖縄に配備したことです。基地で働いていた元米軍兵士(74)は、半世紀ぶりに基地跡に入ります。米ソが全面的核戦争に突入するかといわれた「キューバ危機」(1962年)の際、指令室に勤務していたと言います。

 その証言が衝撃的です。「メースB」は中国をねらっていたこと。核戦争の準備態勢である「DEFCON2」の状態で、いつでも核ミサイルを発射できる「HOT」になっていたこと…。

 沖縄の女性と結婚した元米兵は、「家族に2度と会えないだろうと思った。沖縄が終ると思っていた。ソ連が沖縄を核攻撃すると思ったから」と語ります。キューバ危機は回避されたものの、沖縄は核戦争1歩手前だったというのです。

 1967年の段階で沖縄には1300発の核兵器が配備されていた! 本土復帰前の1969年、日本の佐藤栄作首相と米のニクソン大統領との会談で「メースB」の撤去に合意します。しかし、緊急時には核を沖縄に持って行くことなどの核密約が結ばれていました。

 沖縄の本土復帰から半世紀。NHKが米国防総省に問い合わせると、沖縄の核兵器の存在の有無について、「回答しない」というという姿勢です。日本の外務省は、日本には非核3原則があり、いかなる場合も拒否するという回答でした。

 番組では、最後にナレーションがこう締めくくります。「日米の思惑の下で核の島だった沖縄。思い負担を強いられる現実は変わらぬままです」、と。名護市の辺野古に新基地を造る動きとオーバーラップする言葉です。

古硬さんの昼休みデモ
(沖縄県庁前で昼休みデモをする古賢実吉さん=中央、2015年12月)

 番組では、復帰前の琉球政府の議員だった古賢実吉さん(88)がインタビューに応じています。「メースB」の配備を、当時の小坂善太郎外相がラスク米国務長官に事前に発表をしないように求めていた事実について、「怒りがわいてくる」と古賢さんは語ります。

 古賢さんは、後に日本共産党の衆院議員になりました。現在も、毎週金曜日の沖縄県庁周辺での昼休みデモに参加しています。このブログ「トヨタで生きる」(2015年12月30日アップ)に登場します。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2003.html
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/15 11:23

◎「直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に」 北朝鮮の核実験強行で志位委員長

 北朝鮮が9月3日、6回目の核実験を強行したことについて、日本共産党の志位和夫委員長は同日、ただちに、「北朝鮮の核実験を厳しく糾弾する――危機打開のため直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に」との談話を発表しました。全文は次の通りです。

……
一、北朝鮮は本日、昨年9月に続く6回目の核実験を強行した。北朝鮮は、「ICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載の水素爆弾の実験を成功させた」と主張している。

 北朝鮮の核実験は、今年だけでも13回行った弾道ミサイル発射とともに、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙である。それは、国際社会が追求している「対話による解決」に逆行する行為であり、核兵器禁止条約の採択など「核兵器のない世界」を求める世界の大勢に逆らうものである。

 日本共産党は、強い憤りをもって、この暴挙を糾弾し、抗議する。

赤旗 北朝鮮核実験 20170904


一、いまの最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということである。万が一にもそうした事態が引き起こされるならば、その被害は日本にも深刻な形で及ぶことになる。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければならない。

 私は、8月12日に発表した「声明」で、現在の危機の打開のためには、米朝の直接対話が必要だと提起したが、それはいよいよ緊急で切実な課題となっている。

一、北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求める。米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために、直接対話に踏み出すことを重ねて呼びかける。

 8月29日の国連安保理議長声明は「対話を通じた平和的で包括的な解決」を加盟国に呼びかけている。国際社会および日本政府に対して、米朝両国に直接対話をうながし、平和的・外交的な手段で核・ミサイル問題を解決するために、可能なあらゆる手立てをとることを強く要請する。

 とくに日本政府が、「対話否定論」に固執する態度をあらため、「いまこそ対話に踏み切るべきだ」ということを米国政府に説くことを、強く求める。
……

(参考)
朝日 北朝鮮核問題年表
(朝日新聞、9月4日付)
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/09/04 08:56

◎北朝鮮の弾道ミサイル発射に厳しく抗議

 「しんぶん赤旗」日刊紙は8月30日のトップ記事で、前日の午前5時58分ごろに、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことに厳しく抗議する記事と志位和夫委員長の談話を掲載しました。志位委員長の談話は、次の通りです。

……
 一、北朝鮮は、本日、国際社会が強く自制を求めているもとで、弾道ミサイルの発射を強行した。これは、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議などに違反する暴挙である。通告なしに日本列島の上空を飛び越える発射は、きわめて危険な行為である。日本共産党は、厳しく糾弾し、抗議する。

 とりわけ、今回の発射は、米国を含めて国際社会が対話による解決を模索しているもとで、それに逆行する性格をもつ行為であることを、強調しなければならない。

 一、世界と地域の平和と安定を破壊し、おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は絶対に回避しなければならないことを、重ねて強調する。
 北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求める。国際社会および関係国に対して、経済制裁の厳格な実施・強化と一体に、対話による解決の道を粘り強く追求することを、強く要請する。
……

赤旗 北朝鮮
(「しんぶん赤旗」、8月30日)

 このブログ、「トヨタで生きる」に、29日の午後6時前、次のようなコメントが寄せられました。

……
 本日早朝に起きた北朝鮮の核ミサイル実験は共産党上層部の指示により記事に致しません。
……

 とんでもないコメントであり、日本共産党のホームページに掲載された志位委員長の上記の談話を午後7時30分にコメント欄にアップしました。

 「トヨタで生きる」では、核兵器・ミサイル開発を加速させている北朝鮮が8月10日、中距離弾道ミサイル4発をグアム島の沖の海上に同時に撃ち込む案を検討するなど米国を恫喝していることを厳しく批判。ミサイルは、「島根県、広島県、高知県の上空を通過することになる」などと表明したことについて、志位委員長の談話を8月13日にアップしています。
 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2607.html

 コメント者は、こうした記事をご存じないのでしょうか? 日本共産党や「トヨタで生きる」は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を厳しく批判し、「対話による解決」を強く求めています。
戦争と平和 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/08/30 21:03

◎「野党共闘、他に道ない」 日経が不破・前議長にインタビュー

 日本経済新聞(8月24日付)が、日本共産党の不破哲三・前議長にインタビューしています。野党共闘のあり方や資本主義をどう見るか、政党と労働組合の関係、自衛隊問題、中国についてなど多岐にわたっています。

 これだけのテーマでしたら、少なくとも2ページほどが必要ですが、紙面の半分ほどというコンパクトなつくりのなかで、ポイントだけを不破・前議長の言葉からうまく切り取りとって掲載しています。

 見出しは、「野党共闘、他に道ない」と実に端的です。

……
 ――共産党結党から95年になりますが、政権にたどり着いていません。
 「1980年に社会党(現社民党)と公明党が連合政権構想で合意し、共産党排除を打ち出した。共産党との共闘はタブーとする時代が始まり、34年間続いた。過去の政権交代は共産党を排除した結果、失敗した」

 「2014年に基地問題で保守と革新が連携する『オール沖縄』という団結の旗が揚がり、翌年に市民と野党の共闘が始まった。安全保障関連法成立で共闘が始まり、政界に大きな変化を生み出した。本当に日本の政治を変えるなら野党の連合戦線は避けられない」
……

50 日経 不破インタビュー
(日経新聞8月24日付の不破・前議長インタビュー)

 日本共産党排除の1980年の「社公合意」から34年、それを乗り超えた15年の安保法制(戦争法)のたたかいで、市民とともにつくりあげた野党共闘――歴史の大道を不破・前議長は骨太に語ります。

……
 ――政権獲得に意欲を感じます。
 「意欲は大いにあるが、慌てない」
 ――共産党が国会前の安保法反対のデモで「野党団結しろ」と言わせたとの見方もある。
 「知識人をバカにするもんじゃない。私たちが全戦線を動かしていることは絶対あり得ない」

 ――資本主義をどう見ていますか。
 「危機的な様相を強めている。社会的な矛盾が高まっている。一番大きいのは社会的格差の拡大だろう。資本主義が格差を拡大するのは昔からの法則だが、これほど極端になったことはない」
……

 資本主義の格差問題を端的に語れるのは、日本の「資本論」研究の第一人者でもあるからです。不破・前議長の著作には、労働者向けの『「資本論」全三部を読む―代々木「資本論」ゼミナール・講義集』などがあります。

 今年は、『資本論』第1巻刊行から150年の節目の年です。この8月に「しんぶん赤旗」に14回連載をしたばかりです。

……
 ――支持層を広げるため、党名や綱領を見直す考えはありますか。
 「党名はこれが一番魅力的だ。共産党という名前をなくしたら(支持率は)がくんと落ちる。党名をころころ変えるのは日本の政界の悪習だ。綱領改定は当面の中心任務とする(一定の政策合意で政権に加わる)民主連合政府が実現したような段階で出てくる性質の問題だ」

 ――安倍政権は野党4党の選挙協力を「野合」と批判しています。
 「自民党と公明党こそ野合の典型だ。公明党は都議選で都民ファーストの会に支持を切り替え、自民党候補が落ちても涼しい顔をしている。自民党も国政では平気で公明党を受け入れる。我々は綱領や世界観が異なっても、国民が求めている当面の一致点を共同して実現する。これが独立した政党の間の共闘の姿だ」
……

2015年9月 名古屋市駅前
(2015年9月に名古屋駅前で開かれた安保法制に反対する集会。「野党は共闘」の声が高まりました)

 党名を変えろとか、野党共闘は野合という批判にも痛快に答えています。次の政党と労働組合との関係も重要な指摘です。

……
 ――民進党最大の支持団体の連合は共産党との協力を嫌がっています。
 「政党と労働組合の関係は『社会党イコール総評』という時代から続く問題だ。社会党は『労組依存主義』からの脱却を唱え続けたが、実行できずに終わった。そろそろ、政党と労組の双方が自主性を確立すべき時が来ているのではないか」

……

 インタビューは、民進党の代表選から衆院選での共闘、自衛隊問題とすすみます。

……
 ――民進党代表選に立候補した前原誠司、枝野幸男両氏のどちらが好ましいですか。
 「言わない方がいい。来るべき衆院選を考えるとほかに道はないように思う。共闘しかない」

 ――共闘の維持を掲げる枝野氏は共産党の政権入りを否定しました。
 「世の中すべて変化するものだ」
 ――国民連合政府は第1党から首相を出しますか。
 「内閣の顔ぶれまで予想するのは早すぎる。政権に共産党が入閣して参加するか、入閣しないで参加するかは未知数だ」

 ――政権交代を実現しても先が見通せません。
 「あまり細かいことを書いたってその図面通りにいくわけじゃない」
 ――野党共闘で経済はうまくいきますか。
 「安倍晋三さんより、はるかにうまくいく。安倍経済は国の借金をどこまでも増やして結構という経済学だ。そういう経済運営なら誰でもできる」

 ――将来的に自衛隊は解消する必要があるとの立場は変わりませんか。
 「この段階で国民は自衛隊をなくすことを認めない。新しい政府が平和外交に取り組み、アジアの平和環境を確立し『警察力だけで安心だ』となって初めて手をつける。それまで余分な軍備は縮小するが、日常的には災害などの対策を担い、軍事的危険が起きたら国の防衛任務にあたる。違憲状態が続くのはやむなし」
……

 日経のインタビューは、一部にある日本共産党への偏見から出発するのではなく、国民・労働者の思いを代弁して不破・前議長に率直に問うています。トヨタ自動車の社員の多くが日経新聞を読んでいます。不破・前議長の話は、どのように響いたでしょうか?
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/08/27 10:19

◎NHK 731部隊の人体実験に迫る

 NHKが終戦の日の前後に、日本の侵略戦争の実態に迫った力作を次々に放送しました。安倍政権にすり寄っていた籾井勝人NHK会長が交代したことで、会長を忖度する必要がなくなったのでしょうか?

 その1つがNHKスペシャル「731部隊の真実 ~エリート医学者と人体実験~」(13日放送)です。戦争中、日本がかいらい政権をつくった旧満州(中国東北部)で、秘密裏にチフス菌やペスト菌などの細菌兵器を開発、中国との戦争で使用した731部隊についてです。

 731部隊については、1982~83年にかけて「しんぶん赤旗」に作家の森村誠一氏らが「悪魔の飽食」として連載するなど、先人たちの優れた研究やルポがあります。

 NHKは今回、終戦直後に、旧ソ連が731部隊へ行ったハバロフスク裁判の音声記録を入手。戦後72年を経ての新資料でした。これをもとに、731部隊がどのようにして細菌兵器を開発していったかを、元隊員にも取材するなどして伝えています。

 なかでも京大や東大などのエリート医学者が、なぜ人体実験に手を染めていったかを、医学者の実名をあげて告発。侵略戦争の実態を描くその姿勢は、映像や音声記録とともに迫力十分でした。

NHK 731部隊 実験施設
(731部隊が使った実験施設の残骸=NHKテレビから)

 たとえば京大の田部井和助教授は、チフス菌を部下に命じて「スイカやマウリに入れて、満州人や支那人5~6名に食べさせた」(ハバロフスク裁判での日本軍兵士の音声記録から)のです。

 京大の吉村寿人講師は、零下20度の極寒地で、扇風機をまわして人工的に凍傷をつくる実験を実施。人体実験されたうちの2人は、指は骨だけになっていたといいます。

 番組では、細菌爆弾の実験の様子なども放送。実験には、捕らえた「匪賊」と呼ぶ中国人を使っていました。当時の日本のメディアは、中国人への憎悪を煽っており、日本にはそうした「時代の空気」があったと番組は指摘します。

 さらに番組は、731部隊が中国との実戦で、ペスト菌やコレラ菌、パラチフス菌を使用していた衝撃的な事実を明らかにします。集落の水源、井戸、貯水池などにも撒き、細菌を広げていったというのです。

 京大だけではなく、東大も731部隊に学者を送っていました。総長の長與又郎は、731部隊の石井四郎部隊長(京大医学部出身)と接点があり、731部隊を訪れていました。

 終戦間近の1945年8月9日、ソ連が参戦すると731部隊は、実験施設をすべて破壊し、実験に使う予定だったすべての囚人を殺害しました。殺害を命じられた元少年兵はNHKの取材に、「戦争って絶対にするんじゃない」と体を震わせます。

 その一方、研究者たちは一早く、日本へ脱出。田部井や吉村は戦後、京大の教授に就任します。日本を占領したアメリカ軍は、実験結果の提供と引き換えに、そうした研究者の罪は問わなかったといいます。

 一転して、日本学術会議で大学と軍事研究についての激しい議論の様子が映し出されます。731部隊のことも取り上げられました。ある女性の学者は、「科学者が戦争を残酷化してきた歴史がある」とのべ、731部隊のことが、今日の問題であることを訴えています。

 最後にナレーションはこう語りかけます。
 「今、私たちに問いかける医学者と731部隊の真実は、戦争へと突き進むなかで、いつの間にか人の守るべき一線を越えたこの国の姿でした」

 この言葉の意味は重い。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/08/19 08:47

◎「危機打開のため米朝は無条件で直接対話を」 志位委員長

 日本から南へ約2000km、太平洋のマリアナ諸島。サイパン島、グアム島、テニアン島などからなるマリアナ諸島は戦前、悲惨な戦いの歴史があった。

 現在、グアム島に米国のアンダーセン空軍基地などがあるが、美しい海は観光地になっている。私もサイパン島の戦跡めぐりと海水浴を家族で楽しんだことがあった。

 核兵器・ミサイル開発を加速させている北朝鮮は8月10日、中距離弾道ミサイル4発をグアム島の沖の海上に同時に撃ち込む案を検討していると米国を恫喝。ミサイルは、「島根県、広島県、高知県の上空を通過することになる」と表明した。

 米国のトランプ大統領は、「北朝鮮がこれ以上アメリカを脅すのであれば、炎と激しい怒りに直面することになるだろう」、「グアムに何かしたら、誰も見たことのないようなことが北朝鮮で起こる」などとのべた。

 北朝鮮と米国の軍事的恫喝のエスカレートは、世界を緊張させている。13日のTBS系の「サンデーモーニング」で、この問題が取り上げられた。司会の関口宏氏は、「(北朝鮮の)挑発に乗るなと(日本は)アメリカに言わなければならない」と安倍政権に外交努力を求めた。

 姜尚中・東大名誉教授は、韓国には20万人のアメリカ人がいること、同国からの避難には時間がかかるが、現時点ではそうした避難の兆候はないことをあげ、冷静な対応を求めた。

 小野寺五典防衛相は、閉会中審査の衆院安全保障委員会(10日)で、グアムが攻撃された場合、日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に当たれば迎撃できるとの考えを示した。亀石倫子弁護士は、そうした対応は「憲法違反になる」と批判した。

30 マリアナ諸島
(帝国書院の地図から)

 こうした事態のなか、日本共産党の志位和夫委員長は12日、「危機打開のため米朝は無条件で直接対話を」との声明を発表した。声明全文は次の通り。

……
 一、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発をめぐる米国と北朝鮮の間の緊張が、軍事衝突の危険性をはらむ新たな事態へと深刻化している。

 国連安保理が新たな制裁決議を採択したこと(5日)に対して、北朝鮮は7日、「断固たる報復で対処し、全面的に排撃する」と強く反発した。さらに10日、「アメリカに厳重な警告信号を送る」として、「グアム島周辺への包囲射撃」を検討していると表明し、米国を強く軍事的に威嚇した。

 一方、米国のトランプ大統領は、「北朝鮮がこれ以上アメリカを脅すのであれば、炎と激しい怒りに直面することになるだろう」(8日)、「グアムに何かしたら、誰も見たことのないようなことが北朝鮮で起こる」(10日)などと発言している。

グアム島北部 グーグル
(グアム島北部=グーグルアースから)

 米朝両国が、直接相手の意図を確かめるすべのないまま、軍事的恫喝の応酬をエスカレートさせることは、たいへんに危険である。それは、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算による軍事衝突につながりかねないことを、強く憂慮している。

一、 世界と地域の平和と安定を破壊し、おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければならない。
 日本共産党は、現在の危機を打開し、問題の平和的・外交的解決をはかるために、関係諸国に対して、次の諸点を緊急に要請する。

(1) 現在の危機が引き起こされた根本は、北朝鮮が、累次の国連安保理決議に違反して、核兵器・ミサイル開発を進めてきたことにある。北朝鮮に、国連安保理決議を順守し、これ以上の軍事的な挑発行為――とりわけ無謀きわまる「グアム島周辺への包囲射撃」の計画を中止することを強く求める。

(2) 米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために無条件で直接対話に踏み出すように呼びかける。直接対話に踏み出すなかで、核・ミサイル問題を解決する可能性を追求すべきである。この点で、トランプ大統領が、北朝鮮との交渉に関して、「オバマ(前政権)は話すらしたがらなかったが、私は話す。誰かがやらなければならない」(10日)と述べていることに注目している。

(3) 日本は、米朝間で何らかの軍事衝突が起こった場合に、最大の被害を受ける国の一つとなる。日本政府は、緊張をさらに高める軍事的対応の強化でなく、米朝の直接対話を実現し、核・ミサイル問題を平和的・外交的に解決するための努力をはかるべきである。

戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/08/13 16:09

◎「核の傘に依存する政策の見直しを」 田上長崎市長が平和宣言

 「長崎を最後の被爆地に」と安倍晋三首相を目の前にして訴える田上富久長崎市長の「平和宣言」は素晴らしい内容でした。テレビの生中継を見ながら感動しました。涙が出ました。

 8月9日、長崎市に原爆が投下されて72年目の日が来ました。平和公園での式典で、田上市長は冒頭から、この7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」にふれました。

……
 「ノーモア ヒバクシャ」――この言葉は、未来に向けて、世界中の誰も、永久に、核兵器による惨禍を体験することがないように、という被爆者の心からの願いを表したものです。その願いが、この夏、世界の多くの国々を動かし、一つの条約を生み出しました。
……

 そして安倍首相に向けて、次のように訴えました。

……
 核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにもかかわらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。

 唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。

 また、二度と戦争をしてはならないと固く決意した日本国憲法の平和の理念と非核三原則の厳守を世界に発信し、核兵器のない世界に向けて前進する具体的方策の一つとして、今こそ「北東アジア非核兵器地帯」構想の検討を求めます。
……

30 長崎 式典 20170809
(長崎市の平和公園での式典=8月9日)

 被爆者代表の深堀好敏さん(88)の訴えも感動を与えました。浦上天主堂が炎上するのを見て、「ああ、世界が終わる」と思ったという深堀さん。「核は人類と共存できない」と福島第一原子力発電所の事故にもふれました。

……
 2011年3月、福島第一原子力発電所の事故が発生し国内の原発は一斉に停止され、核の脅威におびえました。しかし、リスクの巨大さにあえいでいる最中、こともあろうに次々と原発が再稼働しています。

 地震多発国のわが国にあっていかなる厳しい規制基準も「地震の前では無力」です。原発偏重のエネルギー政策は、もっと自然エネルギーに軸足を移すべきではないでしょうか。

 戦後「平和憲法」を国是として復興したわが国が、アジアの国々をはじめ世界各国から集めた尊敬と信頼は決して失ってはなりません。また、唯一の戦争被爆国として果たすべき責務も忘れてはなりません。
……

20 浦上天主堂
(現在の浦上天主堂)

 式典の後の被爆者との懇談では、「あなたはどこの国の総理ですか。私たちをあなたは見捨てるのですか」と安倍首相に要望書を渡す前に、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(77)は、怒りを込めてのべました。

 安倍首相は、「真に『核兵器のない世界』を実現するためには、核兵器国と非核兵器国双方の参画が必要」などとのべるだけで、核兵器禁止条約にふれませんでした。

 平和式典や懇談会では、1人だけ違和感のある人がいたのです。長崎の被爆者の平均年齢は81歳です。田上市長がいうように、「『被爆者がいる時代』の終わりが近づいて」います。安倍政権にはまかせられません。核兵器禁止条約を採択する政府は、まったなしです。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/08/10 11:24

◎豊田市図書館ロビーで「原爆と人間展」

 8月は、広島(6日)、長崎(9日)に、原爆が投下された月だ。今年は、被爆者の長年の願いだった「核兵器禁止条約」が7月に国連で採択されただけに、核廃絶の世論が急速に高まっている。

 豊田市駅前にある豊田市図書館のロビーでは、「原爆と人間展」というパネル展示コーナーが設けられている(8月13日まで)。見に行った日は、平日のせいか人は少なかったが、原爆投下直後の写真やポスターなど42点が展示されていた。

 被爆によって全身やけどした人、一瞬にして焼け野が原になった広島、長崎…1枚1枚の写真に、改めて釘付けになった。核兵器は、毒ガスなど大量破壊兵器のうちでももっとも残酷な兵器だ。それが今なお、地球上に1万数千発もあるのだ。

「原爆と人間」展


 「核兵器禁止条約」について、原水爆禁止世界大会・長崎(7日)で発言した国連軍縮問題担当上級代表の中満泉氏は、「条約の核心は核兵器を否定し、それを国際法として成文化したことにある」とのべたように、核兵器に悪の烙印を押したことだ。

 唯一の戦争被爆国の日本の安倍政権が、条約に署名しないという驚くべき姿勢を示している。この豊田市でも、長年にわたって「平和都市宣言」や核兵器廃絶署名などには後ろ向きの姿勢を続けている。

 今日9日は、長崎に原爆が落とされた日だ。長崎に落とされた原爆と同型の原爆模擬爆弾が豊田市のトヨタ本社工場などに落とされた(1945年8月14日)。「核兵器禁止条約」に署名する政府をつくらねばならないと痛切に思う。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/08/09 09:19

◎どこの国の首相か

 原爆投下から72年目を迎えた8月6日のヒロシマ。今年は、高齢になった被爆者が特別の思いを持って迎えた日になりました。今年7月、国連で核兵器禁止条約が122カ国によって採択されたからです。

 しかし、アメリカなど核保有国と日本など核の傘のもとにある国は参加しませんでした。唯一の戦争被爆国・日本が参加しなかったのです。

 広島市主催で開かれた平和記念式典。松井一実市長は、「平和宣言」で核兵器禁止条約にふれるとともに、安倍政権に対し「核兵器禁止条約の締結促進」に取り組むよう求めました。

 広島県知事、広島市議会議長、国連事務総長(代読)もそろって禁止条約にふれましたが、安倍首相は言及せず、「核兵器国と非核兵器国双方の参画が必要」などと言い訳をし、同条約を否定する態度に出ました。

 この後開かれた被爆者の要望を聞く会で、広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄事務局長(88)は、安倍首相を前にしてこうのべました。

 「核兵器禁止条約は被爆者の悲願であり、世界各国の喜びだ、ところが、被爆国である日本が署名しないという、驚くべき態度をとった。満腔(全身の意味)の怒りを持って抗議する」

 吉岡氏ら被爆者と懇談した日本共産党の志位和夫委員長は、「条約にサインしないというなら、私たちの手でサインする政府をつくるために、みなさんといっしょに力をあわせていきない」とのべました。

広島 献花
(平和記念公園の原爆碑に献花する志位和夫委員長ら日本共産党代表団。志位委員長の右隣は本村伸子衆院議員=8月6日)

 懇談には、豊田市在住の日本共産党の本村伸子衆院議員も参加。本村議員の父親は、長崎市の出身で5歳のときに被爆し、本村議員は被爆2世です。

 また、大村よしのり豊田市議は、広島市で開かれていた原水爆禁止世界大会に参加しました。大村議員の父親は、戦前、軍隊の徴兵で長崎市にいて、地獄のような被爆地で被爆者の救援活動にあたりました。

 豊田市は、終戦1日前の1945年8月14日に、現在のトヨタ本社工場などに長崎の原爆と同型の原爆模擬爆弾が米軍によって落とされました。核兵器廃絶は豊田市民の願いです。核兵器禁止条約にサインする政府を、ともにつくろうではありませんか。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/08/07 11:22

◎「アベ政治を許さない」 崖っぷちの政権

 作家の沢地久枝さんが呼びかけた「アベ政治を許さない」のボードを掲げる毎月19日の行動が7月19日、全国各地で行われた。

 2015年9月19日に安保法制(戦争法)が強行採決されてから始まったらスタンディングアピールの日だ。

19日行動 1


 午後のトヨタ自動車堤工場門前での訴えに続いての行動となった。午後6時、豊田駅前のペデストリアンでの行動は、少し涼しくなってきた。

 この時間帯のデッキは、すごく混雑している。愛環豊田市駅から名鉄豊田市駅に通勤客が大量に移動してすごい人の波になる。

19日行動 3


 安倍政権の支持率は3割を割り、崖っぷちの状態になった。2012年12月26日に第2次安倍政権が発足して4年7カ月余。秘密保護法、安保法制、共謀罪など憲法違反の法律をしゃにむに強行、憲法9条を2020年までに改悪しようとしたり、森友・加計学園問題での国政私物化…国民は見放そうとしている。

 リレートークをしながらティッシュを配った。名古屋の栄では大規模な集会とパレードが行われている。まだまだ粘り強く続けて多くの市民にアピールし、安倍政権を退陣に追い込みたい。そして、「野党+市民」の共闘で新しい政治を切り開くのだ。

19日行動 2

                ◇

 この記事は、7月24日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/07/23 15:14

◎今日から「平和を願う戦争展」 産業文化センターで

 今年で30回目の節目を迎える「豊田市平和を願う戦争展」(実行委員会主催)が、今日7月22日(土)から明日23日(日)まで、小坂町の豊田産業文化センターで開かれます。22日は午前9時30分から19時まで、23日は午前9時30分から16時までです。入場は無料です。

 今年は、岡崎海軍航空隊があった上郷地区にスポットをあて、その調査結果を展示します。30回におよぶ戦争展の歴史を一堂に展示します。戦争体験を聞く会や講演会、朗読劇など多彩な企画が盛りだくさんです。

 戦争展の目玉は、現在のトヨタ自動車本社工場などに、終戦1日前の1945年8月14日に米軍によって投下された3発の模擬原子爆弾「パンプキン」(長崎に投下された原爆と同型)の関連資料です。

 パネルでパンプキンの投下の様子を明らかにするほか、民家の床の間に刺さり保存されていたパンプキンの破片が、昨年に続いて展示されます。終戦が遅かったら現在のトヨタ自動車はなかったといわれますが、それを物語る貴重な戦争遺物の1つです。

核模擬爆弾 破片
(展示される模擬原子爆弾「パンプキン」の破片)

 昨年は、2日間で約1100人の市民が見学に訪れました。2度と戦争をしない、させてはならないという「平和のための戦争展」。豊田市の夏の行事としてすっかり定着した戦争展に、夏休み中の子どもや孫を連れて訪ねてください。

30 戦争展 プログラム
(「戦争展のプログラム)
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/07/22 09:13

◎国連 核兵器禁止条約採択の快挙

 ヒロシマ、ナガサキに核兵器が投下されて71年余。遅すぎたとはいえ、国連で核兵器禁止条約が採択されました。核保有国が参加していませんが、1万数千発の核兵器が完全に廃棄される展望が出てきました。

 七夕にあたる7月7日、米ニューヨークの国連本部で開かれていた核兵器禁止条約の交渉会議で、122カ国の圧倒的多数の賛成で同条約が採択されました。オランダが反対、シンガポールが棄権しました。

 市民社会の代表として発言したカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(85)は、「しんぶん赤旗」の取材に次のように語りました。

 「この瞬間がくるとは思っていなかった。心と知力を尽くしてくれたことに感謝したい。核兵器廃絶に近づく壮大な成果で、この日を70年間待ち続け、喜びに満ちている。核兵器の終わりの始まりだ。核兵器は道義に反してきただけでなく、今では違法となった。世界の指導者はこの条約に署名すべきだ」

 しかし、唯一の戦争被爆国の日本は、会議に不参加。安倍政権の意を受けた別所浩郎国連大使が国連内で、アメリカなど核保有国の“段階的アプローチ”の立場に組して、「署名することはない」と表明。国際社会から孤立する姿を示しました。

平和大行進 20170602
(ヒロシマへ向かう豊田市での平和大行進=17年6月2日)

 これに先立ち、NHKは7月5日のニュースで、次のように伝えていました。

……
 共産党の志位委員長は、ことし3月に続いて、核兵器を法的に禁止する条約の制定を目指している国連の会議に出席するため、5日からニューヨークを訪問することにしていて、会議の成功に向け、最大限、貢献したい考えです。

 …NHKの取材に対し、「いよいよ核兵器を法的に禁止する条約文が採択されるという歴史的な会議の成功に向けて、被爆国の政党として、最大限の貢献をしたい。必ず会議は成功すると確信している」と述べました。
……

核保有国マップ
(『No Nukes』(講談社)から)

 会議に参加した志位和夫委員長は、採択を目の当りにして、条約の意義、完全廃絶への展望などを語った長文の声明「歴史的条約を力に、核兵器全面廃絶の実現を――核兵器禁止条約の採択を心から歓迎する」を発表しました。次は、その全文です。

……
(1)
 「核兵器禁止条約の国連会議」(「核兵器の全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議」)は、7日、核兵器禁止条約を、国連加盟193カ国の63%にあたる122カ国の賛成(保留1、反対1)で採択した。

 人類史上初の核兵器禁止条約の採択は、日本の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界各国と市民社会の多年にわたる共同のとりくみが結実した、文字通り、歴史的な壮挙である。私は、これを心から歓迎する。

(2)
 採択された条約は、5月22日に発表された草案を土台に、国際社会の英知を結集して練り上げられ、核兵器廃絶につながる禁止条約として、必要な要素が盛り込まれ、現時点で考えうる最良の内容となったと考える。

 条約は、その前文で、核兵器の非人道性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法にてらして、その違法性を明確にする太い論理がのべられている。国際社会がこうした認識に到達するうえで、「ヒバクシャ」をはじめとする「市民的良心の役割」が強調されていることは、この条約をつくりあげた力が世界の草の根の運動にあることを示すものとして、きわめて重要である。

 条約は、核兵器の法的禁止の内容として、核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、所有、貯蔵」、「使用、使用の威嚇」、締約国の領土と管轄地域への核兵器の「配置、導入、配備の許可」などを明記した。

 条約の仕上げの段階で、核兵器の「使用の威嚇」の禁止が新たに明記されたことは、核抑止力論――核兵器による威嚇に依存した安全保障論を否定したものとして、大きな意義をもつ。これらは、核兵器に「悪の烙印(らくいん)」を押し、それを全面的に違法化するものとなった。

 条約には、核兵器の完全廃絶にむけた枠組みが明記された。核保有国の条約参加の道として、①核兵器を廃棄したうえで条約に参加する道とともに、②条約に参加したうえで核兵器を速やかに廃棄する道が、規定された。

 核兵器完全廃絶には、核保有国とその同盟国の条約参加がもとより不可欠だが、条約はそれに門戸を広く開いている。

 条約は、「核兵器の使用または実験によって影響をうけた諸個人」に対する支援を、「差別なく十分に提供する」ことを、核兵器によって被害を与えたことのある締約国の責任として明記しているが、これは、長年にわたって被爆者援護を求めてきた被爆者の切望にこたえる画期的な条項である。

 条約は、被爆者を先頭とした日本と世界の反核平和運動と日本共産党が、戦後一貫して求めつづけてきた内容が、全面的に反映されたものとなっている。

核実験11


(3)
 核兵器禁止条約の採択は、新たなスタートであり、私たちのめざすゴールは、「核兵器のない世界」――核兵器完全廃絶の実現である。核兵器禁止から廃絶へとすすむうえで、次の三つの力を合わせることが重要になってくる。

 第1は、核兵器禁止条約そのものがもつ力である。
 この条約は、核兵器に「悪の烙印」を押し、それを違法化することによって、条約に参加していない核兵器保有国とその同盟国をも、政治的・道義的に拘束するものとなった。私たちは、核兵器完全廃絶にすすむうえで、強力な法的規範を獲得することとなった。

 第2は、この条約をつくりあげた、世界の多数の諸政府と市民社会の力である。
 「国連会議」に結集したこの力が、核兵器完全廃絶を求める圧倒的な国際的世論をつくりだし、核兵器保有国とその同盟国を、国際的に包囲していくことが、「核兵器のない世界」にすすむ根本の力である。
 「ヒバクシャ国際署名」を全世界で数億の規模で集めるとりくみは、いよいよ重要である。

 第3は、一つひとつの核兵器保有国とその同盟国で、核兵器完全廃絶をめざす世論を多数とし、禁止条約への参加を求める運動をさらに発展させることである。これらの国ぐにが禁止条約に参加するためには、政府が条約に調印し、議会がそれを批准することが必要となってくる。

 そうした政府・議会をつくるために、政治的力関係を変えるたたかいが、それぞれの国ぐにで重要となってくる。条約では「市民的良心」を発揮する担い手として「国会議員」の役割を強調していることもふまえ、大いに奮闘したい。

 歴史的な核兵器禁止条約を力に、核兵器完全廃絶にすすむ新たなたたかいに挑戦することを、心からよびかける。

原爆ドーム ヒロシマ


(4)
 日本政府が、唯一の戦争被爆国の政府であるにもかかわらず、歴史的な核兵器禁止条約に背を向ける態度をとっていることは、内外の強い失望と批判を招いている。そのことは、「国連会議」に参加しても、強く実感されたことだった。

 わが党は、日本政府が、従来の立場を抜本的に再検討し、核兵器禁止条約に参加することを、強く求めるものである。

 同時に、野党と市民の共闘を発展させ、このような政府を変え、核兵器廃絶を求める世界の本流にくわわり、その先頭にたつ政府をつくるために、わが党は、力をつくすものである。
……
戦争と平和 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/07/10 07:06

◎「戦争はいや!と、はっきり言いましょう」

 作家の沢地久枝さんが呼びかけた毎月3日に、「アベ政治を許さない」のボードを掲げて訴える行動が7月3日、全国各地で行われた。豊田市でも、豊田駅前で。

 7月に入って急に暑くなった。特に蒸し暑い。立っているだけで汗が流れてくる。今年の夏はどうなるのか心配だ。

許さない2


 この日の行動は、前日の2日に東京都議選の投開票が行われ、自民党が前回の半分以下、史上最低の23議席に終わっただけに、「アベ政治を許さない」の声にも力が入った。都民は、アベ政治をよく見ているのだ。

 共謀罪法の強行、国政を私物化する加計学園問題、2020年までに改憲する…などアベ政治に怒りが噴出したのだ。

許さない3


 リレートークでは、都議選の結果に触れながらアベ政治を一刻も早くやめさせ、国民のための政治をつくろう、そのためには野党と市民の共闘を衆院選めざし実現させようとの声が共通して出された。

許さない4


 いつも自作のプラカードを持って参加している女性が、初めてマイクを握った。静かな語り口で、自分の言葉で語った。

 「いやなら戦争はいや!と、はっきり言いましょう。変だと思うのなら、今の政治は変です!と、言いましょう」

 シンプルで、説得力があり、心にしみた。

許さない1
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/07/06 09:46

◎細菌・毒ガスの人体実験を告発 混声合唱組曲「悪魔の飽食」の愛知公演

 コレラ、ペスト、チフス、赤痢など細菌・毒ガスの人体実験を中国人に行った旧日本軍の「731部隊」。闇に葬られていた部隊の生々しい実態を、作家の森村誠一さんと「しんぶん赤旗」の記者が取材し、同紙に1981年から「悪魔の飽食」として連載した。

 その森村さんの原詩に作曲家の池辺晋一郎さんが作曲した混声合唱組曲「悪魔の飽食」の愛知公演が7月2日(日)名古屋市の日本特殊陶業市民会館で行われる。6月29日(木)の午後7時からは、最後の練習が行われた。

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 全国縦断コンサートは1995年から始まり、名古屋での公演は27回目。昨年10月から名古屋青年合唱団を中心に公募が行われ130人が月に3~4回の練習を重ねてきた。当日は全国各地から230人の公演経験者が参加する。

 来年は6月に富山県で開催されることが決まっている。愛知からもまた全国からも参加者が集まるだろう。同7月には、ヨーロッパのバルト3国で公演が予定されている。

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 この間の練習を通じて、戦前戦後の歴史を再度学び直した。戦前の負の遺産が現在の日本にいまだに影を落としていると感じた。秘密保護法、安保法制(戦争法)、共謀罪法などを強行成立させた安倍政権の「戦前回帰」は、あの暗い時代に戻そうというものだ。

 その流れを止めるためにも、ぜひ多くの人に聴いてもらいたいと思う。チケットの申し込みは、日中友好協会愛知県連合会(052-763-1152)へ。

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戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/06/30 11:36

◎愛知県で野党共闘めざし相次ぎシンポジウム (下)

 【名古屋市で「市民連合@愛知」】

 野党共闘をめざして運動している「市民連合@愛知」は5月28日(日)、名古屋市内でシンポジウム「RE:START」を開いた。約350人の参加者で会場はいっぱいになった。

 「市民連合@愛知」の呼びかけ人の安藤隆穂名大名誉教授が開会あいさつ。日本共産党の穀田恵二衆院議員・国対委員長、民進党の近藤昭一衆院議員、自由党の玉城デニー衆院議が参加。社民党の吉田忠智党首、日本共産党のもとむら伸子衆院議員、民進党の山尾志桜里衆院議員がメッセージを寄せた。

 3人の衆院議員は、「市民と野党は大義の旗をかかげ暴走する安倍政権を打倒しよう」(穀田氏)、「改憲を許さないためにも野党共闘は絶対必要」(近藤氏)、「自由に声をあげられる正しい社会を」(玉城氏)などと訴えた。

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(上から穀田、近藤、玉城の各衆院議員)

 中野晃一上智大学教授が、「市民と野党の共闘で立憲政治をつくり直す」と題して基調講演。2015年の安保法制(戦争法)反対の運動から、16年の参院選1人区での野党共闘への道筋について、市民運動の立場から、多くの困難さを克服していった例をあげながら語った。

 その上で、自民党の前回14年の衆院選小選挙区での絶対得票率(棄権した人を含めた有権者比)は24%にすぎないこと。米トランプ大統領やフランスの極右政党のルペン党首が大統領選で獲得したのもほぼ同じであることをあげ、「残り75%に、どう働きかけるかを考えるべきだ」と語った。

 後半のシンポジウムで、「安保関連法に反対するママの会」の新美加寿奈さんが、「選挙の時だけがんばってもダメだということがわかりました。今は、日常的に地域の活動をしたり、いろんな役員を引き受けでつながりを広げています」と話した。

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(シンポジウムで語る中野晃一上智大学教授=左から2人目=ら)

 三重県からは、参院選挙で野党共闘を支えた「市民連合みえ」の森原康仁・三重大学准教授が発言した。1人区の三重県で勝利したのは、芝博一民進党参院議員だ。民進党と日本共産党の間で、どのように共闘をつくりあげたのか、選挙中での有権者の期待など、三重選挙区での劇的な変化をリアルに語ってくれた。

 その上で、違いを乗り越え、立憲主義を守ることの一致点で共闘をつくりあげることの困難さはあるが、少しずつ効いてくる“漢方薬”のように頑張ることだと強調していた。特効薬は無い、という。

 愛知県は、野党共闘が難しいところだという意見が共通して出された。しかし、「市民連合@愛知」が結成され、この日のように民進党、日本共産党、自由党の衆院議員と市民が一堂に会して、安倍政権を退陣に追い込もうと心を1つにした。こうした積み重ねが“漢方薬”のように効いてくるのだと確信した。
戦争と平和 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/06/08 12:23

◎愛知県で野党共闘めざし相次ぎシンポジウム (上)

 監視社会をつくる「共謀罪」法案、森友学園、加計学園の国政私物化など安倍政権の暴走はとどまるところを知らない。安倍政権を退陣に追い込むために、野党と市民は共闘を強めようと愛知県で相次いでシンポジウムが開かれた。

 【瀬戸市で@愛知7区】

 瀬戸市で6月4日(日)、「野党と市民をつなぐ@愛知7区」が「共謀罪、改憲…その先にあるものは?」と題して緊急シンポジウムを開いた。会場の瀬戸蔵つばきホールには、超満員の370人が集まった。

 「愛知7区」とは、衆院小選挙の愛知7区のことで、現在は民進党の山尾志桜里議員が選出されている。シンポでは、山尾議員と日本共産党のもとむら伸子衆院議員(比例東海ブロック選出)、社民党愛知県連の平山良介副代表とママや大学生ら市民3人が発言した。

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 山尾、もとむらの両議員は、「共謀罪」法案はテロ対策などではなく、市民を監視するものであることなど国会での安倍政権と野党とのリアルな論戦の状況を語るとともに、同法案の強行や9条の改憲を絶対に許さない決意が語られた。

 市民3人は、若者の厳しい生活の実態や若者、ママの中で内心の自由を侵す「共謀罪」法案の中身がまだ十分に伝わっていないこと、もっと工夫しなければならないなどと訴えた。

瀬戸1


 衆院法務委員会で、「共謀罪」法案を強行採決したのは、自民党の鈴木淳司委員長であること。同議員は7区で山尾議員に敗れたものの重複立候補した比例東海ブロックで復活しており、次回衆院選挙では厳しい審判を下そうという話も出た。

 2時間半の集会の後、参加者は会場から尾張瀬戸駅までパレードして「共謀罪法案」反対、憲法改悪反対などを訴えた。駅前の広場では、リレートークをした。

瀬戸3 (2)

瀬戸4


 愛知県は、野党共闘のむずかしところといわれているが、次期衆院選挙をめざし、「野党と市民をつなぐ@愛知7区」や「市民連合@愛知」などがつくられ、こうしたシンポが開かれている。

 この日のシンポ、パレード、リレートークを見ながら野党と市民の共闘の発展にこそ、安倍政権を退陣に追い込む力があることを感じた。豊田市など西三河地方でも共闘を発展させるために頑張ろうと思った。

戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/06/06 18:44

◎「アベ政治を許さない」と3日行動

 作家の沢地久枝さんが提唱した毎月3日の「アベ政治を許さない」の行動が6月3日(土)、国会前をはじめ全国各地で行われた。ボードをかかげ、国民のための政治を取り戻そうと訴えた。

 豊田市では、豊田駅前で午後1時から2時まで、ティッシュを配りながら共謀罪法案反対の署名を集めた。参加者は、旗やボードをかかげて訴えた。

許さない1 20170603

許さない2 20170603



 「改憲・『共謀罪』反対 「テロ対策はたんなる口実」
 「共謀罪 盗聴・密告・監視の法案」
 「共謀罪 一般人 政府が決めればテロリスト」

 多くの人がティッシュを受け取り、署名をしてくれた。

 このところのアベ政治はあまりにもひどい。「ビールや弁当を持っていれば花見、地図や双眼鏡なら犯罪の下見」などと答弁した金田勝年法相。担当大臣がまともに答弁できないのに、共謀罪法案を衆院で強行可決した。

 森友学園問題に続いて加計学園問題が明らかになった。安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める学園に、37億円の公有地の無償提供、96億円の補助金、合わせて133億円以上の税金をつぎ込むものだ。

許さない3 20170603

許さない4 20170603



 前川喜平・前文科事務次官は、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」とあった文科省の内部文書を本物だと認めた。ところが菅義偉官房長官は、怪文書扱いしてはばからない。前川氏の国会証人喚問にも応じない。

 なんでもありのアベ政治がまかり通れば、“アベ独裁国家”になってしまう。豊田駅前で、こんなアベ政治をやめさせ、国民の政治を取り戻そうと交代でリレートークして市民に訴えた。

許さない5 20170603
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/06/05 09:13

◎豊田市で平和大行進 核兵器禁止条約への思い込め

 1958年に始まってから59年間、毎年夏にヒロシマへめざして歩き続ける平和大行進が6月2日(金)、豊田市に入ってきた。午後6時に豊田駅マック前広場で集会を開き、その後、豊田市内中心部を行進した。

 今年の平和大行進は、特別の意義を持っている。今年3月、ニューヨークの国連本部で「核兵器禁止条約」をつくるための初の交渉会議が開かれた。5月22日には、条約の草案が発表された。大行進のさなかの6月15日から7月7日まで交渉会議の第2会期が開かれる。

行進1 2017


 草案は、核兵器を法的に禁止し、核兵器全面廃絶につながるものであり、第2会期で採択される可能性がある。平和大行進や、「ヒバクシャ国際署名」など草の根の運動で核兵器廃絶へ大きくすすむのだ。

 豊田市には、終戦前日の1945年8月14日に、ナガサキに落とされた原爆と同型の核模擬爆弾が米軍によって、現在のトヨタ自動車本社工場などに落とされた。核廃絶は、豊田市民共通の願いだ。

行進2 2017

行進3 2017



 平和大行進は、全国8コースあり、このうち5月6日に東京・夢の島を出発したコースは、神奈川県、静岡県を経て愛知県入りした。夢の島には、米・水爆実験で被曝した第五福龍丸が展示してある。大行進は、原水爆禁止世界大会が開かれる広島市に8月4日に到着する。

行進4 2017

行進5 2017


 この日の豊田市での平和大行進は、金曜日とあって飲食店には多くの客がいた。外へ出てきて見ている人もいた。夜にかけての平和行進は全国でも珍しいという。

 東京からヒロシマまで歩く通し行進者の1人は、「人が多くて歩きがいがあります」と言っていた。場所によっては、だれもいない道を黙々と歩く時もあるからだという。参加者は元気に行進しながら、市の中心部を一周して豊田駅前の図書館などが入っている参合館前で解散集会を行った。

戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/06/04 12:18

◎刈谷、豊田で「9条の会」が憲法講演会

 安倍晋三首相が憲法9条に自衛隊の合憲化を書き込み、海外で大手を振って戦争ができるようにしたいと表明(5月3日)したが、刈谷市、豊田市で「9条の会」が相次いで憲法講演会を開いた。

 講演会は、安倍首相の思惑をつぶし、世界に輝く9条を守り抜こうというものだ。刈谷市では5月14(日)に、憲法学者の畑田重夫さんを招いた。畑田さんは「わが憲法人生70年」と題した講演した。

 畑田さんは、国際政治学者、平和運動家として有名な人だが、直接話を機会は初めてだ。びっくりしたのは、顔色もよく、声も張りがあり、とても93歳とは思えなかったことだ。

畑田講演
(講演する畑田重夫さん)

 健康法の本も出している。「3つ使って2つ出す」という健康法を教えてくれた。頭と体と足の3つを使い、声と汗の2つを出すというのだが、なるほどと思った。

 畑田さんは語る。人生の原点は、戦前の東京帝国大学の学生時代に学徒動員されたことにあるという。2000人のうち、畑田さん1人だけが生き残った。

 中国の戦線へ船で移動させられというなかで病気になり、畑田さんは1人残ったが、仲間は米軍の魚雷攻撃で全員亡くなった。畑田さんは、東大卒業後、内務省をへて1962年まで名古屋大学で助教授を務めた(13年間)。

 愛知県にも刈谷にも縁がある人だ。労働者教育協会会長や東京都知事選挙に無所属(日本共産党推薦)で立候補もした。こうした人だけに憲法9条について熱く語った。

 戦争を放棄し、戦力を持たないという9条について、「世界から注目される素晴らしい宝だ」と語る。そして、「正論がやがて世論となり、世論と運動が歴史を変える」とのべ、「学び、学び、さらに学ぼう」と訴えた。

 豊田市では5月20日(土)に、憲法学者の名古屋大学名誉教授の森英樹さんを迎えて開かれた。森さんは、「日本国憲法70年 9条の底力を今こそ」と題して講演した。安倍政権の憲法改悪の流れを時系列的にくわしく語り、とてもわかりやすかった。

森講演
(講演する森英樹さん)

 2人の講演を聞いて思った。安倍首相は、9条の1項(戦争の放棄)、2項(戦力の不保持)を残し、自衛隊を合憲化する3項を加えようとしている。これは戦力を保持しないとした2項を空文化させ、海外でアメリカといっしょに戦争ができる国にすることをねらっているのだ。

 9条を守り、70年以上続いた平和な日本からさらに世界に向けて9条を発信するのか、それとも侵略戦争に明け暮れた戦前の日本を、安倍首相に取り戻させるのか――時代の分かれ道に来ていると思った。

戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/05/24 09:50

◎安倍政権下で商船撤退、潜水艦建造へ特化 川崎重工

 安倍政権は、第2次政権発足(2012年12月)以来、軍事費を5年連続増やし、17年度は過去最大の5兆1251億円に達しています。これは、世界でも8番目になる規模です。

 違憲の集団的自衛権の行使などを盛り込んだ安保法制(2015年)を強行成立させたことが背景にあります。勢いづいているのが三菱重工や川崎重工などの軍需産業です。

 なかでも川重は、創業の地の神戸市で商船を建造してきましたが3月末、商船は香川県坂出市に集約すること。その坂出も2ドックから1ドックに削減し、中国のドックを1ドックから2ドックに増やすと発表しました。神戸市の神戸工場は、潜水艦を中心にするというのです。

 川重は、造船や鉄道車両、航空機、ロボット、産業プラントなどを生産する総合重機メーカーです。新幹線の車両や工場のロボットなど、私たちの身近な製品をはじめ、自衛隊向けの潜水艦や航空機など軍需生産も大きな柱で、三菱重工に次ぐ規模です。

 防衛省との契約実績は15年度で、川重が初めてトップの2778億円になりました。2位の三菱重工の1998億円を上回りました。防衛省が川重に対し、P1哨戒機20機のまとめ買い(2073億円)をした影響といいます。

 川重の3月末の経営方針は、投下資本に対し、利益を8%以上稼ぐという「ROIC」(投下資本利益率)第1主義を掲げるなかで、商船撤退、潜水艦建造へ特化することを明らかにしたものです。

川重の潜水艦の歴史
(川崎重工の潜水艦建造の歴史=川重のホームページから)

 その川重のホームページを見て驚きました。「日本初の潜水艦を建造して以来、いまも川崎重工では潜水艦をつくり続けています」と誇らしげに書いています。日露戦争直後の1906年の「ホーランド型」の完成から、「おやしお(2代目)」(1998年完成)までを潜水艦のイラストで紹介しています。

 直近では、今年3月13日に5年がかりで建造した「せきりゅう」を、神戸工場で防衛省に引き渡しました。戦後建造した潜水艦では27隻目になり、「そうりゅう」型潜水艦では第8番艦になります。

 神戸工場の隣には、三菱重工神戸造船所があり、2007年以来、両工場でほぼ毎年、交互に1隻ずつ潜水艦を建造しています。川重神戸工場のすぐ向かい側は、神戸港の中心のハーバーランドがあります。

 子どもたちでにぎわうアンパンマンミュージアムもあります。その目の前の工場では、商船の建造をやめ潜水艦に特化するというのです。安倍首相は5月3日の憲法記念日に、9条を標的に憲法を2020年までに変えると宣言しました。

50 せきりゅう引き渡し 川重ホームページ
(川崎重工が神戸工場で建造した自衛隊向けの潜水艦「そうりゅう」=川重のホームページから)

 川重が神戸工場で潜水艦づくりに特化することと、安倍政権が憲法を変えてアメリカといっしょになって海外で戦争ができる国づくりを推進していることとは、一体ですすんでいます。

 日本共産党川崎重工委員会は、職場新聞「はぐるま」の4月号外を労働者や市民に配布しています。日本の貿易輸送の99%以上が船舶であり、川重も認めているように造船業は中長期的に成長産業と指摘しています。

 その上で、川重に対し、「従業員・派遣社員と地域経済ファーストで、将来を見据えた魅力あるものづくりの展望と改革策を示すべきでしょう」と訴えています。

 私たちトヨタ自動車で生産している車の輸出は、100%船舶といっていいでしょう。「平和であってこそ車は生産・販売できる」のです。平和憲法を守ることと企業のまっとうな発展は一体のもののはずです。

                                   ◇

 この記事は、5月10日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/05/09 18:08

◎「読売新聞を熟読して」と安倍首相 答弁拒否

 70年目の憲法記念日の5月3日の読売新聞を見て、多くの人々が驚きました。「これは自民党の機関紙ではないか」と批判する民報テレビのコメンテーターがいたほどです。

 1面トップから2面にかけて、自民党総裁としての安倍晋三インタビューを大々的に伝えていたからです。3日の9条改憲派の集会に寄せたビデオメッセージと同じ内容を、読売新聞に語っていたのです。

 安倍首相はメッセージで、「『自衛隊が違憲かもしれない』などの議論の余地をなくす」として憲法9条の「1項、2項は残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」とのべました。

 大型連休明けの8日の衆院予算委員会で、民進党の長妻昭議員は、戦力を持たないとする9条2項を削除し、国防軍を新設するという自民党の改憲草案との整合性をただしました。

60 読売新聞 5月3日 安倍インタビュー
(読売新聞、5月3日付け)

 すると、安倍首相は、「自民党総裁としての考え方は相当詳しく読売新聞に書いてある。ぜひそれを熟読して頂いてもいい」とのべるだけで答弁を拒否しました。

 長妻議員が反発すると、首相は「自民党総裁として立っているのではなく、内閣総理大臣としての責任における答弁に限定をさせていただいている」などと都合よく首相と総裁の立場を使い分ける始末です。

 また、「改憲草案を取り下げるかどうかということではない」として、草案を撤回する考えはないことも明らかにしました。

 これが1国の首相でしょうか。しかも、憲法という行政の長である首相が最も守らなければならない憲法を、まるで紙くずのように軽く扱っています。改憲の条項、日程などは国会の場でこそ明らかにすべきで、身内の改憲集会やインタビューで明らかにすべきではないでしょう。

 安倍首相のおごりは、首相夫人が深くかかわっている国有地を格安で払い下げた疑惑の森友学園問題でも、まともな答弁もせず、野党の夫人の証人喚問要求にも拒否する姿勢に示されています。

 もはやこんな首相に国の舵取りをまかすことはできないでしょう。「アベ政治を許さない」の声を高めましょう。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/05/09 12:23

◎安倍首相 9条で自衛隊を合憲化・20年に施行

 安倍晋三首相は、70年目の憲法記念日の5月3日に、9条で自衛隊を合憲化し、「2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と明らかにしました。9条を標的にし、しかも期限を区切って実現させるという発言でした。

 国会で堂々と改憲を主張するのではなく、9条改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで語ったものです。その異様さは、国民が9条に寄せる願いに真っ向から挑戦するものです。

 安倍首相はメッセージで、「『自衛隊が違憲かもしれない』などの議論の余地をなくす」として憲法9条の「1項、2項は残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」とのべました。

 つまり、戦争の放棄をうたった9条1項、戦力と交戦権を否定した2項はそのまま残し、新たに3項を起こし、自衛隊を合憲とするものです。

 憲法記念日を前にしたNHKの世論調査では、「憲法9条」の改正の必要はあると思うかとの質問に、「必要ない」が57%と過半数を超え、「必要ある」は25%にすぎませんでした。

 また、「平和主義かかげた今の憲法 誇りに思うか」と聞いたところ、「そう思う」が44%、「どちらかといえばそう思う」38%、「そう思わない」5%、「どちらかといえばそう思わない」10%でした。

80 憲法集会 20170503
(5万5000人が参加した5月3日の憲法集会。手前は野党党首ら=東京・有明、ネットから)

 国民多数が9条を変える必要はないと答え、圧倒的な人々が日本の平和憲法に誇りを持っているのです。現在の9条の1項、2項に手を付けないという安倍首相は、国民のこうした9条への願いに踏み込まず、迂回作戦に出ようというものです。

 安倍首相は、2015年9月に集団的自衛権の行使などを盛り込んだ憲法違反の安保法制(戦争法)を強行しました。直近の14年12月の衆院選挙で、自民党が掲げた公約では、安保法制は271番目にすぎませんでした。

 国民には安保法制を隠しながら、実際には国会を大幅に延長して強行採決したのです。こうした国民をだます手法で、9条を改悪しようとしているのです。なぜでしょうか? わかりやすく図式的に説明すると――。

30 名古屋で憲法集会
(2200人が参加した5月3日の名古屋での憲法集会)

 安倍首相「自衛隊が違憲かもしれないなどの議論の余地をなくす」→日本共産党が「自衛隊は違憲」だと主張してきたことと首相も同じ考えなのか?

 自衛隊を合憲としてきた歴代の自民党政権→根拠は9条2項で、必要最小限の自衛の措置は持てる→しかし、海外派兵、集団的自衛権、武力行使を目的とする国連軍への参加はできない。

 安保法制(戦争法)で、集団的自衛権を合憲化→しかし、国会審議で、アフガンやイラク戦争のような武力行使を目的に戦闘に自衛隊は出せないと答弁。

 今回のビデオメッセージのように、憲法9条に自衛隊合憲を書き込む→合憲の根拠としてきた必要最小限の自衛の措置はなくなり、無制限に海外で武力行使ができるようになる。

 その結果、9条全体を無効にしてしまう。自民党は改憲草案で「国防軍」の設置をうたっていますが、事実上、その実現を可能とするものです。

 安倍首相は、手の込んだやり方で自衛隊を合憲化し、日本が海外で戦争ができる国につくり変えようとしているのです。9条に寄せる国民の願いを踏みにじるこうした安倍首相の悪知恵を絶対に国民は許さないでしょう。
戦争と平和 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/05/06 08:32

◎財界人・丹羽宇一郎さんが語る 憲法70周年の日

 愛知憲法会議は5月3日、「70年目に問う 憲法のいま」と題して、市民のつどいを開いた。つどいは毎年開いているもので、憲法施行70周年に当たる今年は、財界人・丹羽宇一郎さんを迎えた。

 例年開いている名古屋市公会堂は、2年間の改修工事に入ったため、名古屋国際会議場センチュリーホールに変更になった。2200人の参加者で会場は満員だった。

 第1部は、『日本国憲法前文』の歌で有名な北川てつさんのコンサートだった。

北川てつ 20170503
(北川てつさんのコンサート)

 第2部は、元中国大使で伊藤忠商事会長を務めた丹羽さんが「激動の世界の中 国の行方を憂ふ」と題して講演した。丹羽さんは名古屋市生まれで、名古屋大学を卒業した。

 丹羽さんは、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という「憲法の3原則」が世界中からうらやましがられていること。そして70年間、大きな外科手術もなく生き続いていることの素晴らしさを話した。

 また、グローバリゼーションの中で、自分の国だけで生きていけるのはほとんどないこと。日本も食料やエネルギーは自給できていない中で、グローバルに物事を考え、平和的に外交を進めることが大事であることを語った。

 さらに、日本の未来をになう若者がもっと世界に目を向け、グローバルな人材になる必要性を強調した。中国の事情についても語ったが、くわしくわかりやすい話だった。

丹羽宇一郎 20170503
(丹羽宇一郎さんの講演)

 丹羽さんのグローバルな話を聞きながら、改めて人間は1人では生きていけないこと。国際的な視点を持ち、分断ではなく協調していかなくてはならないこと。そうしなくては、人類も地球そのものも存在できないということを強く感じた。

 帰宅すると、安倍晋三首相が改憲を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した、とのニュースを流していた。9条に3項目目を加え、自衛隊を合憲化するものだ。

 自衛隊が海外へ大手を振って出て行こうというもので、安倍首相の本音が出てきた。「憲法3原則」の重要性を語った丹羽さんの講演を聞いた後だけに、アベ政治を許せない、の怒りが抑えられなかった。

戦争と平和 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/05/04 12:52

◎憲法 70年の重みをかみしめる

 ゴールデンウイーク中、トヨタ自動車の本社工場の北側にある枝下緑道をゆっくり歩いた。新緑の真っ盛りだった。いつ来てもここはいい。歩きながら、作家の故・井上ひさしさんの言葉を思い起こした。

 井上さんは、病気で死ねるのは幸せだと言った。戦前の日本の侵略戦争――アジア・太平洋戦争で、日本人が320万人、海外の人々が2000万人が死んだことに比べ、戦後は戦争ではなく、病気で死ねて幸せだという意味だ。

40 トヨタ本社工場 1
(枝下緑道)

 この枝下緑道の目の前のトヨタ本社工場に、終戦わずか1日前の1945年8月14日、長崎で落とされた原爆と同型の核模擬爆弾が米軍によって落とされた。現在の上郷工場の南側には広大な岡崎海軍航空隊の基地があった。

 終戦がもう少し遅ければ、現在の“世界のトヨタ”はなかったといわれる。5月3日、現憲法が施行されて70周年になった。この70年間、戦争で日本人はだれ1人殺されず、殺しもしなかった。

 憲法9条があるからだ。NHKの世論調査では、「9条が日本の平和・安全に、どの程度役立っていると思うか」と聞いたところ、「非常に役立っている」が29%、「ある程度役立っている」が53%で、初めて8割を超えたという。

 平和をおびやかす北朝鮮のミサイル・核開発、中国の海洋進出などは断じて許されないが、そうしたことがあっても、国民は9条を高く評価している。この9条に的を絞って改憲をねらっているのが安倍政権である。

20 トヨタ本社工場
(トヨタ本社工場と枝下緑道=工場の北側=グーグルアースから)

 安倍晋三首相は5月1日、改憲派国会議員らでつくる新憲法制定議員同盟の「新しい憲法を制定する推進大会」で、「憲法改正という大きな目標に向かって、(施行70年の)この節目の年に必ずや歴史的な一歩を踏み出す」とのべた。

 特定秘密保護法や安保法制(戦争法)に続いて、現代の治安維持法といわれる「共謀罪」法案を連休明けにも衆院で強行採決しようとしている。その先にあるのが改憲――憲法9条を改悪して、日本をふたたび戦争ができる国へと総仕上げしようとしている。

 戦前回帰のたくらみを決して許してはならないと思う。9条という世界に誇る平和憲法は、戦前の累々たる屍の上に築かれたものだ。枝下緑道を歩きながら、現憲法の70年の重みをかみしめた。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/05/03 16:11

◎豊田市に残る戦争遺跡・岡崎海軍航空隊基地跡

 今年で17回目となる「豊田市平和リレー講座」が4月29日(土)、開かれた。マイクロバス2台に50人が参加した。今年は豊田市南部の上郷地域から岡崎市、安城市に広がっていた岡崎海軍航空隊(第1、第2、第3航空隊があった)の基地跡を見てまわった。

 配布された資料などによると、アジア太平洋戦争末期の1942年、急きょ侵略戦争の最前線舞台として岡崎海軍航空隊基地が設立されたという。

 基地からは14歳から19歳の青年約1万2000人が飛行予科練生として全国に配属された。戦後の半年間は、米軍の管理下となり、全国から集められた米兵約3万人が本国へ帰還する拠点となった。

 基地は、地主関係者約1000人を半年で強制的に立ち退かせられた上に、朝鮮人約3000人と名古屋から集めた囚人約450人をはじめ周辺のすべての中学生を動員してつくられた。

 地域の戦没者は267人を数える。戦後の土地開拓は想像を絶する苦闘が続いた。これら戦争の苦難の歴史が残っている地域だ。しかし、戦争遺跡などはほとんどなくなっている。墓碑群や給水施設の跡などを見てまわった。

20 平和リレー講座 地図2
(現在の地図に岡崎海軍航空隊基地を重ねると…)

 今回のリレー講座で1番驚いたのは、豊田市の上郷地域に県下最大の海軍飛行場があったということだ。豊田市北部の伊保原飛行場(浄水町)の事は知っていたが、こんなに大規模な飛行場もあるとは、今回まで知らなかった。

 岡崎・安城から現在のトヨタ上郷工場(エンジン工場)の手前まで1500mの滑走路を中心として航空隊の宿舎を始め訓練施設が広がっていたというのだ。現在の三菱自動車岡崎工場の大部分が元基地の中にあるという。

 愛知環状鉄道(愛環)もこの中を走っている。トヨタの労働者の多くが愛環を使って通勤し、本社地区のある三河豊田駅などで降りている。何人がこのことを知っているのだろうか? ほとんどの人が知らずに通勤しているのではないだろうか。

平和リレー1
(野田味噌商店の味噌蔵)

平和リレー4
(野田味噌商店で学ぶ参加者)

 豊田市の桝塚西町の野田味噌商店では、第2・第3岡崎海軍航空隊の格納庫が味噌蔵として再利用されている。社長みずからが内部を案内して熱心に説明してくれた。今回が初公開という写真パネルも用意してくれていた。

平和リレー3


 今年の「第30回平和を願う戦争」(7月22~23日、豊田市産業文化センター)では、今回の調査結果が展示される予定だ。ぜひ多くの人に見てもらいたいと思った。

平和リレー2
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/05/01 18:41

◎坂本龍一の新譜『async』 “非同期”を奏でる

 ニューヨークに住み、東京との間を往復する音楽家、坂本龍一の8年ぶりの新譜『async』(アシンク)が話題になっています。がんの治療に専念するためにつくれなかったといいます。

 NHKは4月19日、「クローズアップ現代」で、「分断された世界で」というタイトルで放送しました。4月から新キャスターになった武田真一アナが鋭い問いかけをしています。

 ニューヨークや東京、街や林の中などで、スマートフォンで音を採録し、それを重ね合わせながら“同期しない音楽”をめざしたといいます。いわば、これまで排除してきたノイズをあえて使ったというのです。

 「同期しない」? アメリカや日本などの社会で、民主主義を否定し、人間を分断する“空気”に同期しないという意味か? ノイズは、そうした“空気”への抵抗なのか?

 番組では、後半に向けて武田アナがそうした坂本の思いを引き出していきます。『async』を制作中、トランプ政権が誕生。坂本は語ります。

50 クローズアップ現代 坂本米大統領選
(NHKの「クローズアップ現代」から。4月19日放送)

 「アメリカに住んでいるので、これからどうなっていくのか当然考えますけども、見方を変えると、いくらトランプ政権が誕生しても、有名人や一般人まで、きちんと反対意見を述べる人が半分近くいるというのは、アメリカのまだ少し健康なところ。だから、そうした目で日本を見ると、いかがなものかという気はして、じくじたる思いもしますけどね」

 坂本は、アメリカ以上に現在の日本社会に強い危機感を抱いているといいます。例にあげたのが福島第一原発の事故。原発反対の声をあげて6年以上がたったが、「なんか言いづらい、声を上げにくいような雰囲気もだんだん多くなってきた気がしますよ」と語ります。

 「やっぱり言いたいことが言えない社会というのは、よくないと僕は思う。2000人いれば2000人の受け取り方があっていいと思っている。それは、それぞれの固有のテンポを持っているということ。人間社会というのはそういうものでいいと思っていて、みんなが同じである必要はないですから」

 安倍政権にも鋭い質問を浴びせた国谷裕子キャスターが降板されてから1年。武田キャスターのもとで「クローズアップ現代」は、「おや、少し国谷キャスターの時のように変わったのか?」と思いました。また、“同期しない音楽”をめざした『async』を、俄然(がぜん)聞いてみたくなりました。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/04/26 17:23

◎安倍政権も即撤収を 「19日行動」

 「安倍政権も即撤収してください」――4月19日、豊田駅前でスタンディングアピールした女性は、こうしたパネルをかかげた。少し前は、「そろそろ」と書いていたが、それを消して「即(すぐに)」にしている。

 もやは、一刻の猶予もないという思いだろう。暴走に、暴走を続け、憲法も法律も無視して突っ走る安倍政権だからだ。国民の批判に南スーダンPKOから、自衛隊は撤収に追い込まれたが、次は安倍政権の即撤収だ。

419行動1


 このアピールは、一昨年(2015年)の9月19日に、安倍政権と与党の自民党、公明党が戦争法(安保法制)を強行成立させたことに対し、これを撤回させる野党連合政府をつくるために毎月19日に、全国各地で行っている。

 豊田市では、ペデストリアンデッキに10人が参加し、午後6時から7時まで、通勤・通学する人たちが行き交うなかで、リレートークして訴えた。女子高生のグループがよく話を聞いてくれた。

419行動3


 秘密保護法、戦争法に続いて「共謀罪」の審議が強行して衆院の委員会で始まった。金田勝年法務大臣が、しどろもどろになって説明できない法案を、国民が理解できるわけはない。

419行動2


 本丸の憲法9条改悪に向けて、数の力で進めようとしている。沖縄のたたかい――「勝まであきらめない」に学び、粘り強く頑張る。参加者の共通の思いだ。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/04/22 17:05

◎米国は軍事的選択肢をとるな――志位委員長が見解を発表

 4月14日朝、NHKは、米軍が13日、アフガニスタンで「大規模爆風爆弾」を実戦で初めて使用したというニュースを流しました。シリアへのトマホーク59発による空爆(6日)に続いて、レッドラインを越すトランプ大統領に凍り付く思いでした。

 ニュースでは、核兵器以外の通常兵器で最大の破壊力があるとされる「大規模爆風爆弾」を、アフガニスタンでの過激派組織ISに対する空爆で使用したというのです。

 同爆弾は、「GBUー43B・大規模爆風爆弾」と呼ばれ、全長およそ9m、重さがおよそ9800㎏で、核兵器以外の通常兵器では最大の破壊力があるといわれています。精密誘導装置も備えていて、「すべての爆弾の母」とも呼ばれているといいます。

縮小 NHK 大規模爆風爆弾
(「GBUー43B・大規模爆風爆弾」=NHKから)

 前オバマ政権でも使用しなかったものに、ゴーサインを出したのです。トランプ大統領は、「また見事に任務に成功した。アメリカ軍を誇りに思う」とたたえたといいます。「いずれ、核兵器のボタンを押すのではないか?」と暗澹たる思いになりました。

 シリアやアフガンだけではありません。北朝鮮に向けても、シンガポールに寄港していたカール・ビンソン空母打撃群を北朝鮮の近海にむけて北上させることを発表するなど「軍事対軍事」「力対力」の対決を示しています。

 同じ13日、日本共産党の志位和夫委員長は、「米国は軍事的選択肢をとるな――外交交渉のなかで北朝鮮の非核化を」と題する「見解」を発表。「見解」を速やかに日本政府に届け、関係各国に伝達すると表明しました。救われる思いでした。「見解」の全文を紹介します。

……
(1)
 米国トランプ政権によるシリアへのミサイル攻撃にかかわって、北朝鮮に対する軍事力行使につながりかねない、きわめて危険な動きがおこっている。

 トランプ大統領は、6日、安倍首相との電話会談で、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応として、「全ての選択肢がテーブルの上にある」とのべ、軍事力行使も選択肢とすることを表明した。さらに、11日、自身のツイッターに、「もし(中国が)協力しないのなら、米国が中国なしで問題を解決する」と書き込み、米国単独で北朝鮮への軍事力行使に踏み切る可能性を示唆した。

 ティラーソン米国務長官は、9日、米ABCテレビのインタビューで、「シリアに対するミサイル攻撃から北朝鮮が受け取るべきメッセージは何か」と問われ、「国際規範や合意に違反し、約束を実行できず、他国への脅威となるならば、いずれかの段階で対抗措置が取られるだろうというメッセージだ」とのべ、北朝鮮への公然たる軍事的威嚇を行った。

 米海軍第3艦隊は、9日、シンガポールに寄港していたカール・ビンソン空母打撃群を北朝鮮の近海にむけて北上させることを明らかにした。米国家安全保障会議(NSC)が在韓米軍への核兵器再配備を提案したとの報道がなされている。

 米国トランプ政権が、北朝鮮に対する軍事力行使を公然と選択肢とし、軍事的威嚇を強めていることは、きわめて危険な動きである。これに対して、北朝鮮がさらなる挑発行為で応じ、軍事対軍事の危険なエスカレーションが起こることを、強く憂慮する。

(2)
 重大なことは、安倍首相が、トランプ政権のこうした動きを手放しで歓迎する姿勢をとっていることである。
 安倍首相は、6日、トランプ大統領との電話会談で、「全ての選択肢がテーブルの上にある」との大統領の発言を「力強い発言」と歓迎した。

 また、安倍首相は、7日、トランプ政権によるシリア攻撃への支持を表明したうえで、「東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻さを増しています」とあえて強調し、「国際秩序の維持と同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の力強いコミットメントを日本は高く評価します」と表明した。

カールビンソン
(カールビンソン=ネットから)

 米国のシリア攻撃への支持と一体に、「東アジアでの大量破壊兵器の脅威」=北朝鮮の核・ミサイル開発にあえて言及し、米国の対応を「高く評価」する。安倍首相のこの姿勢は、米国が北朝鮮に対して軍事力行使を選択肢とすることを容認、支持するものとして、きわめて重大である。それは、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とした日本国憲法にてらして許されない。

(3)
 トランプ政権は、オバマ政権時代の「戦略的忍耐」といわれる、北朝鮮が非核化の意思を示さなければ交渉に応じないという従来の方針の破たんを認め、北朝鮮に対する「政策の変更」について検討を進めてきた。

 私は、この動きに注目するとともに、「問題は『政策の変更』の方向だ」と指摘し、「一部に先制攻撃などの軍事的選択肢が言われるが、これは絶対にとるべきではない」と強調し、「米国は、北朝鮮との外交交渉のなかで非核化を迫る方針をとるべきだ。そういう方向に向かうように、日本政府は働きかけるべきだ」との提唱を行った(2月19日、NHK「日曜討論」)。この方向こそ、いま強く求められていることを強調したい。

 米国のカーター前国防長官は、最近、米ABCテレビのインタビューで、「米国が北朝鮮を先制攻撃すれば、北朝鮮は韓国を攻撃するだろう。その戦争は、朝鮮戦争以来、見たこともないきわめて破壊的なものになるだろう」と強く警告している。

 米国が、北朝鮮に対し、シリアで行ったような先制的な軍事行動という選択肢をとった場合、韓国、日本を巻き込んで深刻な武力紛争に発展し、おびただしい犠牲が出ることは避けられない。地域と世界の平和の破壊につながる軍事力行使は、絶対に許されない。

 米国は、国際社会と協調して、経済制裁の厳格な実施・強化を行いながら、北朝鮮との外交交渉に踏み切り、外交交渉のなかで北朝鮮の核・ミサイル開発の手を縛り、それを放棄させるという選択肢こそとるべきである。

 安倍政権は、軍事力行使を選択肢とすることを歓迎する姿勢をただちにあらためるべきである。米国に対して軍事的選択肢をとるなときっぱり要求すべきである。北朝鮮問題の外交的解決の立場にたつよう、強く働きかけるべきである。
……
戦争と平和 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/04/14 15:41

◎侵略戦争への反省がまったくない 産経新聞

 このブログ「トヨタで生きる」では、「『アベ政治を許さない』 豊田駅前で訴え」をアップ(4月5日)し、このなかで次のように指摘しました。

……
 「戦後の国会で、「排除」や「失効」を確認した「教育勅語」(戦前の軍国主義教育の柱になったもの)を、親孝行などのところだけを取り出し、「義勇公に奉じ」という天皇のために死ねという部分を意図的に隠した上で、学校での教材に活用することを否定しないという閣議決定をした。
……

 ところが、「共産党は憲法23条(学問の自由)を守りなさい」などと、的外れのコメントが寄せられました。なぜ、こんなコメントがと思ったところ、産経新聞が同じ4月5日付けで、「教育勅語を全否定する野党と一部メディアの大騒ぎ それこそ言論統制ではないか」との記事を基にしていることがわかりました。

 産経は、民進党や日本共産党などの野党、朝日新聞や毎日新聞などメディアが閣議決定を批判していることについて、「憲法19条が保障する思想・良心の自由や、言論の自由を定めた憲法21条を自ら踏みにじっている」などと批判。「言論統制」などと、それこそ産経が自ら書くように「『妄想』全開」の悪罵を投げつけています。

 「教育勅語」は、「軍人勅諭」とともに、侵略戦争推進の精神的支柱、道具になったものです。アジア・太平洋戦争では、日本で320万人以上が、アジア・太平洋では2000万人以上が犠牲になりました。有史以来、初めて日本を滅ぼすことになった最大の過ちです。

教育勅語
(教育勅語)

 産経は、菅義偉官房長官の記者会見(4月3日)で、ジャパン・タイムズ記者が「教育勅語が戦争中に果たした役割、天皇のために命をささげなさい、臣民になりますというところに関して反省はないのか」と質問したことなどを引用し、「飛躍した追及が相次いだ」などと、安倍政権をかばうことまでしています。

 「教育勅語」にある「親孝行」や「友情」は、何も「教育勅語」を持ち出さなくても他の教材でできることです。安倍政権が、わざわざ「教育勅語」を持ち出すのは、「教育勅語」の核心の部分である「義勇公に奉じ」ということを教えたいのでしよう。

 学校法人「森友学園」で、保育園児が「教育勅語」を暗唱しているビデオがテレビで流されているのを見て驚愕しました。何もわからない幼児に、ふたたび侵略戦争の精神を刷り込もうとしていたからです。

 学者や研究者が「教育勅語」を研究する学問の自由や、思想・良心の自由、言論の自由を否定するものではまったくありません。そこへ問題をそらすのは侵略戦争賛美と受け取られないようにするための方策でしかないでしょう。

 戦前、朝日新聞や毎日新聞などは侵略戦争を推進する論調を張りました。そうした反省に立って、メディアは戦後、社会の木鐸を標榜してきました。産経は、それさえ失っているとしか言えないでしょう。
戦争と平和 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/04/12 18:51
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