◎真冬の1直の朝はつらいよ! プリさんの職場日記

レンジで
(レンジで残りのおかずを温める)

 今年の冬は、いつもの年より冷える。午前6時25分始業の1直はつらい。
 午前4時45分。目ざましが鳴る。真っ暗な中、フトンから手探りで止める。窓の外はまだ暗い。

 エイッと起き上がる。少しでも目をつむると、体がスト―ンと落ちてしまうから。台所の電気スイッチを入れ、廊下を照らす。うす明りでトイレへ。突然の照明は目にくらむから、弱い光に目を慣らす。

 トイレがすんだら、すぐストーブをつける。体が冷えないうちに素早く着替える。みそ汁のガスをつけ、弁当にご飯をつめる。たくあん、ラッキョウ、板のりを乗せて。おかずの野菜にはマヨネーズ。おかずは、女房が夜のうちに詰めてくれている。感謝。

 女房が朝、つきあって起きるのは無理! 弁当の準備が終わるころには、みそ汁も温まる。朝ごはんのおかずは、冷蔵庫をさがしてサッサと食べる。歯磨きをしたら、2リットルのペットボトルにストーブの上のヤカンのお湯を入れて、さぁ出発!

 5時25分、駐車場へ。真冬の時期、車の窓には霜がしっかりついている。ペットボトルのお湯が役に立つ。かじかんだ手もあったかい。

 5時30分、出発。表道路に出ると歩く人や自転車が暗闇の中に動いている。豊田の街は、朝早い。ある人は、トヨタの関連の作業衣をはおっている。派遣労働者だ。家の近くの借り上げアパートに住んでいる。他にも早朝ジョギングの人もいる。車からは見つけにくい。せめて反射板をつけてほしい。

 工場の周りにくると、暗い中、人影がゾロゾロと門に向っている。横断歩道を人や自転車が通る。これがまた、見つけにくい。年末に、車と自転車の事故があったばかりだ。

 5時45分には工場の駐車場から門に向かう自分がいた。5月になれば家を出るころには明るくなっている。しばらくは暗いよ。

朝の駐車場
(トヨタ本社地区の駐車場=12月の午前6時30分ごろ)
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プリさんの職場日記 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/01/27 11:36

◎「プリさんの職場日記」 もうごめん土日出勤

 9月末で、やっと土日出勤・木金休みが終わった。夏の電力節電という名目で始まったこの3カ月間、いろんなところに大きな影響をあたえた。特に地域や家庭では大変だった。トヨタ自動車の現場で働いている人たちは、交代勤務だ(平日の晩は、1週間おきになる)。

 だから、地域の自治会やスポーツなどの各種の団体は、会合や競技を行うのは当然のように土日に行っていた。木金休みだからといって、「ハイ、変更しましょう」というわけにはならない。3カ月間、休止や不参加に追い込まれた団体もあった。

 家族も土日の予定がたてにくくなった。お父さんを残して遊びにいくこともあった。家族だんらんがこの3カ月間、崩れてしまった。

 土日出勤が必要だったのか? クーラーの設定温度を上げるなど通常の節電対策で十分だったのではないか? 今年は、昨年ほどの猛暑ではなかったこともあるが、ここまでやる必要性はなかったはずだ。

 土日出勤を決めた日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)も27日の記者会見でいっている。

 「想定以上に従業員の家族や部品メーカー、関連産業に負担をかけた」

 ホントにそうです。2度と行わないでください。10月からやっと元の生活に戻れます。とはいえ、大震災の振替出勤は3月末まで続く。1直は、ほとんどが週1日休みとなる。

 「お客様は待っている」
 「オレたちは疲れている」

土日出勤終わる

(やっと土日出勤は終わります。写真はトヨタ労働者)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/09/30 08:30

「プリさんの職場日記」 残業で、4時半の朝帰りだよ!

 プリウスを生産している堤工場(豊田市)は9月に入って、1直、2直の直間を55分→75分へと広げた。このため、1直(6時25分~15時15分)、2直(16時25分~1時30分)という時間へと変更になった。

日当たり2・5時間(1直は1時間、2直は1・5時間)の残業を行って、プリウスαを大増産するためだ。来年の3月まで続く予定。先週と今週、この勤務をやった。職場の声を聞いてみると―。

 「1直の勤務のために、5時20分過ぎに工場前の駐車場に入った。そこで裏番(2直)の連中にあったよ。2直は、1・5時間残業で3時にはラインが止まって、もう帰っているはずなのに…トラブルがあったのか?」

 「組立ラインは、『ハイ! 終了!』で終わる。前工程や下請けは、そんなわけにはいかないんだよ。仕事が遅れて、(組立に回す)非常用在庫を使ってしまえば、その直のうちに、ばん回しておかなくちゃならないし」

 「そのうちに対策はするだろうけれど、しばらくは大変だ」

 「2直で帰って、家に着いたら4時だよ」
 「オレなんか4時半だぜ。風呂に入って食事をしてりゃ、夜が明けてくるよ」
 「深夜労働を軽減するために、(昼夜2交代制から)連続2交代に変えたのに、夜勤復活だね」

 「あっ、それから不具合の流出が増えているよ。ラインタクトはアップするし、慣れない応援者、期間従業員の受け入れ…。それに『ここは1人区だよ』(1人作業)といわれる。みんな、ラインを止めずに、間に合わせようと必死だよ。ばたばたしていると不具合を見逃しちゃうよ」

 「標準作業を守れ! ルールを守れ!、といわれるが」
 「『遅れたら(ラインを)止めろ!』というが、たびたび止めるわけにはいかないよ」

 「(電力節電の)土日出勤・木金休み(7~9月)は、今年限りにしてほしい」
 「オレなんか、スポーツクラブは3カ月間休みだよ。1人でやるスポーツならいいけれど。団体競技はだめだね」

「わが家では、(土日が休めない)お父さんは別!、といわれ、女房や子どもたちだけで行動するようになっちゃたよ。さみしいョ」

堤工場は超忙し

(堤工場は大忙しです)
プリさんの職場日記 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/09/13 12:44

「プリさんの職場日記」 今週から6日出勤だよ!

 「お客様がプリウスαを待っている」―と会社はいう。

 今週、8月27日(土曜日)から1直(6時25分~15時15分)は、6日間の出勤になる。休日出勤じゃないよ。東日本大震災で工場の稼働が止まったが、その振り替えだよ。休みは1日しかない。

来年の3月まで、20日分が振り替えになる(1直、つまり1人当たりでは10日分になる)。

それだけじゃないよ。9月からトヨタ自動車の堤工場、三好工場、それからトヨタ車体などで1直、2直(16時10分~1時)の間(直間)を広げて、フル残業になる。

直間が55分しかないので、残業は30~45分しかできなかった。2直の始業時間を20分遅らせ、16時30分にし、1直の残業が1時間できるようにする。2直は、残業を1時間30分行なう。終わるのが、真夜中の3時だよ! 3時!

ラインタクト(ラインのスピード)は、58秒という速さだから、期間従業員やトヨタ社内ばかりか、外からも応援者を大量に送り込んで大増産だ!
「お客様が待っている」―と。

現場では、てんやわんやのおまつりだ。不慣れな期間従業員、応援者。若い人は、1週間もすれば何とかラインタクトに間に合うが…。中高年や畑違いの部署から来た人たちはどうなる?

現役の自分でもギリギリでやっている仕事だよ。応援者だって1人で仕事をするんだよ。なんとかラインに間に合わそうと必死です。ヘルメットのオデコには、汗とりパットが付いているけれど、全然、ラインのスピードに間に合わない。

ボタ、ボタ、ボタ、ボタ…

汗が落ちる、目に、耳に…

忙しいくらい仕事があるのは、ありがたいが、わが身がどれだけもつか?

堤工場労働者

(堤工場の労働者)
プリさんの職場日記 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/08/28 08:41

「プリさんの職場日記」 土日のパパを返して!

 電力の節約といって、7月から土日出勤・木金休みになった。職場では、今までと何ら変わりなくライン作業が続いている。労働者にとって何ら問題はないのか?

 家族や世間の人たちは、土日休みのパターンで生活している。トヨタマンは、会社に行っているから出退勤時間も作業も変わらない。だけど、土日に仕事に行くオヤジのために、家族は合わせなければならない。

 そのため、家族は土日休みの友人、家族とはいっしょに行動できない。子どもの声が聞こえる。

 「土日のパパを返して!」

 そもそも連続2交代制(1週間交代で、1直は6時25分~15時15分、2直は16時10分~1時)の勤務そのものが世間と家族からヅレている。そこにもう1つ、土日出勤が加わった。

 ズレた生活が当たり前(入社時に交代勤務を承知している)で、何のギモンも感じていないのがトヨタマンだ。

 昼間さわぐ子どもに、「パパが寝ているから静かにしなさい!」と子どもをしかるママ。抱っこを迫る子どもに、「パパは疲れているからダメョ」、とも。

 休日に「創意工夫」の提案用紙を書いていると子どもが不思議そうに聞く。

 「パパの会社に宿題があるの?」

 そもそも働き方がヅレているんじゃないのかな? トヨタで働く以上、仕方がないと思っているのか? 

 「パパはいいかもしれないけど、ボクはイヤだよ。ぼくのパパを返してよ!」

トヨタの労働者はつらいよ
(連続2交代制と土日出勤でズレた生活を強いられるトヨタマン)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/07/10 09:28

「プリさんの職場日記」 プリウスαで残業

 大型連休が終わり、5月10日(火)から、久々の出勤だった。でも、2直(16時10分~1時)がなく、1直(6時25分~15時15分)だけの生産である。

 堤工場は、売れ筋のプリウスを生産しているとあって、0・5時間の残業だ。他の工場は、半日稼働のところもあると聞くから、上司は、「堤はいいんだ」というが…。

 5月16日(月)~20日(金)の週は、休みだ。大型連休がまたあるようなもんだ。ミーティングでGL(グループリーダー)が、「アルバイトは絶対にしないように」と念を押す。

「休みばかりで、給料明細表を見るのがコワイよ」
「お前んとこの女房、正社員だろ。給料、負けちゃうね」
こんな会話が飛び交う。

6月からは連続2交代勤務が復活!
特に、堤工場は0・75時間残業になる。いち早く立ち直らせるという。プリウスα(ワゴンタイプ)は、今、注文しても納車は来年になるといわれている。

それから、浜岡原発(静岡県御前崎市)が停止したことを受けて、自動車工業会が7~9月の休日は、木、金曜日とすると発表した。われわれ従業員に知らされたのは、13日(金)だった。

作業終了後10分足らずの説明だった。「電力不足を緩和するためだ、というが…」。共稼ぎのAさんら。「子どもの保育園は、どうしよう」「土、日曜日の出勤時は、だれが子どもを預かってくれるんだよ」「労働者のことは考えてくれないんじゃないか」など、など。あまりに唐突な話にとまどう。

全体としては、11~12月に大震災前の状態に回復するというが、堤はいち早く7月にはフル稼働する。田原工場では、“ライン統合で生産を減らす”計画だったが、統合は来年4月まで中止になる。

元町工場では、先週は午後のホットタイムで仕事は終了。ラインタクトは90数秒。6月から180秒くらいに落として、さらに生産をダウンさせるという。“余らされた人”は、田原工場か堤工場へ応援にだされるという。人選はこれからだという。どの工場も大変だ。

プリウスα―
(プリウスα=カタログから)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/05/17 11:33

「プリさんの職場日記」 震災ボランティアに行った友人

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 トヨタの関連会社で働いている友人が、故郷の宮城県へ震災ボランティアに行きました。次は、友人から聞いた話です―。

 部品の調達ができないトヨタ自動車と同じで、仕事は“長期連休”になってしまった。僕の故郷は宮城県。やっと友人と連絡がとれて、何とか力になりたいと思った。

 電車に乗り込んで宮城県へ着いた。「一般のボランティアは受け付けない」といわれ、急きょ、他の県の援助団体にまぎれこんで?現地に入れてもらいました。

 「4日間は、避難所での対応。後の2日間はガレキの整理でした」
 「めちゃくちゃ暑くて、くさくて…」

 そんな事をいってられないけれど、ほんの少しでも力になれればと思って。故郷の友人には会えなかった。ギターを持って行きました。避難所で歌いました。

 夜のひと時、避難されている方たちに喜んでもらえました。これくらいしかできなかたけれど…。
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/05/10 07:38

「プリさんの職場日記」 工場はお化け屋敷?

工場内の暖房が切られた? 寒いよ〜。1直(6時25分~15時15分)の朝は14度だよ。「風邪ひかないように、体調の管理をして下さい」とミーティングで上司のGL。東日本大震災前は17〜18度だったのに…。

暗いよぉ、―。
2直(16時10分~1時)の昼休みや帰りはお化け屋敷みたいだ。

節電・省エネで、休憩時間の照明は消せと指示される。もう、何年も前からだけどね。震災後は、オール定時だから、通路のまわりの作業場もみんな照明を切られてしまう。足元も暗い、数メートル先の人が誰だかわからないくらい…。

 ホント、お化け屋敷の様だ。 駐車場も暗いしオール定時で大渋滞、駐車場の中までつながっちゃうよ。生産再開しても水曜日は、いっせい年休。それに工場が暗いから、心まで暗くなっちゃう。早く、明るくなりたいよ!

201103 堤工場

(工場は真っ暗だよ=堤工場)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/04/06 09:07

今日28日(月)から堤工場は再開だが…

 28日(月) 朝8時

 今日、3月28日(月)から、プリウスを生産している堤工場(豊田市)が2週間ぶりに稼働を再開します。「働けるのはうれしい。でも、上司から、部品が十分入ってこないので、半日程度しか動かないだろうと聞いているので、どうなるのだろう…」と労働者は心配げです。

クラウンなどを生産している元町工場(豊田市)は、4月4日から2交代制が中止になり、1直化になる予定でした。労働者は、堤工場へ大量に応援に行く計画でした。人選も決まり、労働者たちは行くばかりでした。

ある労働者がいいます。
「堤とトヨタ九州(福岡県宮若市、レクサスを生産)しか稼動しない、どうなるんだろう? それでも、堤や九州は、まだいいよ。動かない他の工場はどうなるんだろう? 原発みたいに、いつになったら回復するのかわからん。5月の連休まで、ズルズル行くのかなぁ…。会社が、少しでも早く生産を回復させたいのはわかるけれど」

労働者の不安な思いの中で、一部の工場が動き出します。

元町工場の労働者
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/03/28 08:17

「プリさんの職場日記」 やっと仕事だ!

DSC_0422.jpg
(28日から生産が再開される堤工場)

 やっと仕事に行ける。2週間ぶりだ。堤工場(豊田市)で仕事だ。うれしいヨ。
 東日本大震災の後、ずーと休みだった。
 それも、2日とか3日とか、細切れの休みで。
 ズルズルと休んでいるのは、ダレてしまう。

 東北、関東の人は、大変な目にあってしまった。オレたちは募金ぐらいしかできないけれど。以前、トヨタに期間従業員で来ていた宮城の人に、やっと携帯電話が通じた。

 「自分のアパートは、地震にも津波にも大丈夫だった。だけど、停電だし、ガソリンも灯油もない。スーパーやコンビニに行っても棚はカラッポ。おまけに、3月に入って雪が降ったりで。寒くて、毎日、フトンにくるまってふるえていますよ」

 地震後、埼玉に帰った人は、「余震もあり、停電で、家の中でもヘルメットをかぶって生活しているよ」といっていた。

 おまけに、福島の原発で放射能もれとかで、大変な事になってしまったね。「安心」「安全」な生活ができるように、政治・行政に期待しています。

 トヨタも関東自動車岩手やセントラル自動車宮城は、第3の拠点として動き出したのに。自動車ってのは、1つの部品がなくてもつくれない。と、いうのと“かんばん方式”で、必要最小限の在庫しか持たない。

 地震や台風の自然災害のある日本では、見直しも必要じゃないかな。何でも、合理的にとか、より安くとか、もっと儲(もう)けるにはどうしようか、という考え方も…。

プリウスP1190004
 (堤工場で生産しているプリウス)


 さすがに2週間も休みつづけると、身体もなまる。来週から大丈夫かな? 会社も自分の身体も。

 期間従業員の人が心配していた。
 「最初の1週間は振替出勤になると聞いていたけれど」
 「じゃあ、その分は今月の出勤日数が減って、まるまる減収だよね」
 「オレらだと、5万円まるまるふっとんじゃうとエライことだよ」
 「何とか、80%の(賃金支給の)特別休暇とかにならんかね」

 高岡工場から堤工場に来ている人がいっていた。
 「遅れた分は、人を増やして増産すればいいのに」
 「高岡じゃあ、人が余らされて、毎日、清掃やっているし」
 「むりやり、年休をとらされてる人もいる」

 「そんな人たち、使ってくれんかね? そうすりゃあ、振替出勤も減らせるし、生産を早くばん回できるし。会社にとっても、オレらにとってもいい事だと思うがなぁ」
 「トヨタのイメージアップにもつながると思うけどな…」

 トヨタの中では、職場力の向上、変化に強い体質づくりと日々、取り組んでいる。より安く、早く、少ない人数で、と。もっと儲(もう)ける仕組みにするために、と。
 こんな時こそ、見直してもらいたい。

プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/03/25 14:36

「プリさんの職場日記」 職場集会開かれたが…

 トヨタ自動車の職場では春闘といわない。「ゆめW」という。1989年から始まったもので、賃上げと時短のダブルの取り組みで、ゆたかさと、ゆとりをめざすというものだ。今年の第1回労使協議会が開催(2月23日)された。その様子を報告するブロック集会が開かれた。200人ほどが、部ごとに昼休みに集まる。

 みんな作業衣のままで、前の方は床に座り込む。後ろの方は立っている。職場委員長が報告する。トヨタは単独決算では赤字だ、リコール問題からまだ会社は立ち直っていない、労使協議では会社とのへだたりは大きく厳しい状況だ、トヨタ再生へ頑張っていこう――こうしたことを話す。

 後ろの方で聞いていたが、まわりではぼそぼすと話し声がする。携帯電話をいじくっているヤツがいる。司会が「ガンバロー三唱をします」という。「団結ヨーイ」「ガンバロー」「ガンバロー」…。自分のまわりでは、小さな声でオー、オ―、オーという声が聞こえる。

 質疑はない。10分ほどの報告で終わる。ぞろぞろと、それぞれの詰所へ帰る。集会参加は、なかば強制だ。食堂からの帰り道には、職場委員が立っていて、通りすぎようとする組合員に参加をうながす。詰所に残っているとGL(グループリーダー)が、「おい、集会へ行けよ」と呼び出しにくる。

集会は、会社の報告みたいだ。みんなが春闘に期待しているとは思えない。生産減で残業もなくなり、みんな生活は大変だ。ローンをかかえている人間は四苦八苦だ。それなのに組合は、賃上げを要求しなかった。時短の要求もない。これで「ゆめW」というのだろうか。

toyota労働者
プリさんの職場日記 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/02/27 21:09

「プリさんの職場日記」 リポビタンD1本か?

 2月26日(土曜日)は、振替出勤だった。1月17日が雪のために、2直が生産中止になったからだ。土曜日だから、2直ではなく、振替といっても1直出勤になる。昼休み、詰所にいるとリポビタンD1本が支給された。会社の差し入れだという。

「こんなもんかよー」という声が出る。みんな土曜日出勤なんかしたくないのだ。土、日の連休がなくなり、1日だけでは疲れがとれないからだ。雪の日、1直は、半日くらい仕事をした。だから1直は振替出勤にならず、1週間、毎日30分の残業で生産をばん回した。

エコカー減税が昨年9月に終わり、急激な生産減になった。職場では、「2直も振替出勤にせずに残業で生産のばん回をしてほしい」「年休でいいから休ませてほしい」などと、土曜日の振替出勤に反対の声が起きた。

しかし、そうした声は届かず、振替出勤になってしまった。2直の深夜手当が3時間弱なくなる。本来、休日の土曜日なら休日出勤手当が付くが、振替だから付かない。いいことが1つもない。それなのに、リポビタンD1本なのか…。

土曜日の午後3時半ころ、みんなは工場を後にした。「お疲れさん」「土曜日出勤はいやだ!」という声が出る。本当にお疲れさんだ。

リポビタンD
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/26 21:30

「プリさんの職場日記」 風呂でおぼれそうになった! 

 やっと日中が暖かくなり、春が近づいた。早くこい、春よ。特に冬の2直(16時10分~1時)はつらい。夜中に家に帰って、家族が寝静まったなかで風呂に入る。体がだんだんほかほかになり、気持ちよくなる。うと、うと、うと…ズドンー、と頭が風呂のお湯の中へ落ちる―。

 しまった! お湯を飲んでしまった! ペッ、ペッと吐く。
 風呂でおぼれそうになったことが、何度あることか! 
 妻はいう。「会社のシャワーを浴びてきたら。そのうち死んじゃうよ!」

 職場でも話題になる。「おれも何度もお湯を飲んだよ!」「おれもだ」
 みんな体験者だ。風呂だけじゃない。深夜、1人で食事していると、疲れが一気に出てくる。目がとろーんとなる。気が付くと、箸を持ったまま眠っている。

 1直(6時25分~15時15分)の時。夕方、食事がすんでテレビを見ながら、新聞を読んでいると、そのまま引きずり込まれるように寝てしまう。

 早朝、4~5時に無理やり起きていれば当然かも。
 「お父さんは、いつも寝ています」という小学生の作文。
 「お父さんは、いつも疲れています」 涙、涙。

 交代制勤務はつらいよ! 早くこい、春よ!

20110224風呂
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/24 08:18

「プリさんの職場日記」 “再出発の日”に向け、寄せ書き

のこぎり屋根の工場
(トヨタの工場ののこぎり屋根) 

 トヨタの「再出発の日」に向け、職場で「寄せ書き」を行った。「再出発の日」とは、トヨタの豊田章男社長がアメリカ議会公聴会で証言した、昨年(2010年)の2月24日のことを指している。世界でのべ1000万台のリコールを出した問題で、社長が公聴会で証言を求められた。

 寄せ書きを書く前に、30分の残業を付けて会社作成のビデオを見た。詰所の電灯を消し、パソコン画面で見るのだ。小さな画面の上に音量が低いから、みんなが額を寄せ集めて見る。何のビデオか? 昨年のアメリカでのリコール問題だった。

アメリカテレビ局のリコールのニュースや事故にあった被害者の声、公聴会で議員から激しく追及される豊田社長、リコールに対するトヨタ社内やディーラーでの対応、それに対するお客さんの声…生のニュース映像がそのまま映し出された。

20分ほどのビデオを見て、「1年前は、大変だったなぁ」「車の暴走は、電子制御の不具合のせいではなかったんだ」「トヨタたたきだったのだ」などの声が出た。自分たちのつくった車が悪くいわれるのは、社長でなくてもつらいものである。

これを見た後に、寄せ書きを書く。リコールを人ごとにせず、自分がどう受け止めるか、という趣旨だ。「自工程完結で、不具合を後に流さない」「不良品を流さない。きっちりチェックする」―みんな真剣に書いている。

リコール問題の後、職場では品質チェックが、さらに厳しくなった。「自分の作業の持ち場で品質を完璧にチェックし、後工程には絶対に流さないように」と。「忙しかったから…」は理由にならない。

たとえば、「ビス締め、ヨシー」などと指差呼称を行ったか、標準作業を守っているか―などが点検される。1個、1個の部品に自分のサインを書くことは以前から行われていたが、個人責任がさらに厳しくなった。

5本のビス締めの場合、「1、2、3、4、5 ヨシー」と大声で確認する。職場のあちこちから、「ヨシー」の大声が聞こえる。まるで、動物園のようだ…。

プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/22 07:26

「ぷりさんの職場日記」 インフルエンザ流行

■1月○日 朝のミイーティングでのこと。
 GL(グループリーダー)の話 「近ごろインフルエンザがはやっている。となりの組みでも○○さんが休んでいる。具合が悪い時は無理をして出てこんでもいいからね」

 (出勤当日の朝、電話して休むのを“突発年休”という。たいがいのトヨタマンは、少しぐらい熱が出たり、かぜをひいたぐらいでは休まない。年休は、1つの組=14~15人くらい=で“1日1人”と決められている。突発で休むと、他のメンバーに迷惑をかける。ぎりぎりの人数で生産しているからからだ)

 GL「組みのメンバーにインフルエンザをうつされたら大変です。とにかく具合が悪いと思ったら休んでください」

 (他の人にうつさない、たんなる、かぜでは休めないのか?…)

■1月○日 朝から職場は大騒ぎだった。新聞にトヨタ社員の交通事故のニュースが載った。

 「ひき逃げの疑い トヨタの社員逮捕 名古屋で男性重傷 / 1月23日午前3時10分頃 名古屋市天白区で酒気帯びの上 赤信号を無視し 軽自動車と衝突 重傷を負わせて逃げた」

 近ごろは、「トヨタ」と名前が出てしまう。以前は、「豊田市の会社員」だった。トヨタの社会的イメージダウンとして、会社から処分される。自動車メーカーとして当然かもしれないけれど…。交通安全の「訴え」(立哨)運動がきつくなるだろう―。

豊田市の街
(豊田市の街で)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/27 09:35

プリウスの生産はつらいよ―その14

 【日曜日】
 日曜日は、駅伝の選手たちを激励する壮行会。金曜日のミーティングで、GL(組長)や職場レク幹事から参加の要請があった。「自主参加」なのだが。休みの日くらいは開放してもらいたいョ―。

 同じ金曜日、工場へ入る横断歩道で、部課長たちが立って、歩行マナーの点検をしていた。「ポケットに手をつっこんでいないか」「ちゃんと立ち止まって、『右ヨシ』『左ヨシ』と指差呼唱しているか」など、など、と。他の部署の人まで点検している。見張り、監視なんだ! うちの部の人間は、全員ちゃんとできていたそうだが…。

交通安全の立哨(りっしょう)は、月曜日に始まり、結局、金曜日まで1週間続いた。交通違反はしないという決意をこめた「自主的」な活動のはずだ。事故を起こした本人からすれば、「おれのせいでみんなに迷惑をかけている」「2直(遅番)の始業1時間前から、みんなが立たされている」と強い責任を感じるだろう。事故は絶対に起こしてはならないことだ。だけれど、同僚に責任はあるのか―。

この2週間で、1直(早番)、2直(遅番)という連続2交代制のワンサイクルが終わった。こうした2交代制を続けて40年ほどになる。トヨタでは、60歳以降も働くことができる(賃金は大幅にダウンする)が、辞める人もいる。

 2交代制で心も体も疲れきっているからだ。自分の体がもたない。交代制がどれほどのストレスになるか? 堤工場で働いていた内野健一さんの過労死認定判決(名古屋地裁、07年11月)は、こう断定した。

「夜勤・交代制による労働は、人間の24時間の生理的な昼夜リズムに逆行する労働態様であることから、慢性疲労を起こしやすく、さまざまな健康障害の発症に関連することがよく知られており、とくに、近年の研究により、心血管疾患の高い危険因子であることが解明されつつあることに照らせば、健一の業務が、深夜勤務をふくむ2交代制である本件勤務形態の下でされていたことは、慢性疲労につながるものとして、業務の過重性の要因として考慮するのが相当である」

 判決のように、2交代制は、「過重な負担」になるのだ。また、いっしょに暮らす家族への負担も重い。夫や父親の勤務に気遣って生活しなければならない。不規則な勤務によって地域の人々とのつながりがとりにくいこともある。

 プリウスは、確かにいい車だ。そのプリウスは、現場の労働者の多大な犠牲と、“いい車をつくりたい”という懸命な思いでつくられているのではないか―。そのことを多くの人にわかってほしいと思う。

真っ赤なプリウス
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/21 21:18

プリウスの生産はつらいよ―その13

【土曜日】
 次の日曜日は、全社駅伝大会の壮行会だ。部の代表で走る選手たちを応援する。部ぐるみの行事として、「全員の方に参加していただきたい」とGL(組長)と労働組合、職場の行事、ボランティアなどの活動をする「ふれあい」の幹事がミーティングで訴える。

 駅伝の応援のための当番表がつくられている。「○月○日は○係」というように。仕事が終わった後、工場のグラウンドまで車で行く。2直(遅番、午前1時終業)だと、夜中の2時や3時になる。

 寒くて鼻水をたらしながら、応援する。上司を探し、「自分もきたョ」とのアピールも忘れずに。選手たちも大変だ。練習が終わり、厚生センターの風呂で汗を流してから帰る。2直だと午前5時をすぎることも、しばしばの様子…。

 納得して走っているとはいえ、過労死しないようにね。ちょっと心配。

モーニング

(練習の後にはコーヒーを)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/20 08:34

プリウスの生産はつらいよ―その12

【金曜日】
 堤工場の門前で、10人くらいが立って交通安全の「訴え」(立哨)を3日間連続でやっていた。横断幕を持ち、黄色い帽子をかぶり、門前の歩道で「訴え」る。

 堤工場の従業員の交通事故が続いた。「非常事態」であるという。その対策として、「訴え」や交通安全ミーティング行われる。自動車メーカーであり、交通安全を呼びかけるのは大切なことだ。「しかし…」と思う。

 交通安全ミーティングは、30分の残業が付けられる「Iタイム」の時間で行われるが、「訴え」は「自主活動」というので無償扱いである。しかも、3層会(職制会)や交通安全委員会、労働組合、職場の行事やボランティアなどの活動をする「ふれあい」など、各団体ごとに行われる。

 通常は、長期連休前や交通安全週間などで行うが、自分たちの部で事故者を出せば独自に行われる。「自主参加」になっているが、その組織の役員たちはぬけられない。EX(エキスパート、班長級)会でやれば、役員以外のEXはその前を知らん顔して通れるわけがない。

 「ふれあい」の清掃ボランティアでは、工場の門を出ると、上司がゴミ拾いの道具を手渡す。終了後は、エコポイント・シールをくれる。参加確認ができる仕組みになっている。

 ほかにも、いろんなボランティア活動や駅伝の応援、エコ活動などたくさんの「自主活動」がある。「創意くふう」も自主活動、「自主」「自主」「自主」…トヨタマンは、「自主」活動でしばられている。
 
プリウスも走る豊田市の道路

(豊田市内。プリウスも走る)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/19 23:17

プリウスの生産はつらいよ―その11

【木曜日】
 トヨタの現場作業は、ギリギリのタクト(1台の生産時間)で設定されている。不良品が出たり、マシントラブルがあれば、当然、作業遅れになる。自分たちは、なんとかラインを止めずに間に合わせようとする。

 今年1~2月、トヨタ始まって以来のリコール騒動。プリウスもその対象になった。品質問題がいっそう厳しくなった。それ以後、「異常があったらラインを止めよ」「止める勇気を持て」と上司(会社)から指示があった。

 自分たちは、あまりの変わりように、とまどいながら、「止めていいんですか?」―と。ところが止めると、♪草競馬―など大音量のメロディーが工程中に響きわたる。作業遅れを回復し、起動させるまで鳴り続ける。

 「あいつのせいで止まっているんだ」といわんばかりだ。メインラインを止めれば、数十人の作業が中断する。そのことを知っているから、何とか止めずに、間に合わせようとする。

無理をしてケガをしたりすると、「お前、なんで止めないんだ」と責任を追及される。「止めよ!」、「止めたら、迷惑かける」、「止めよ!」「止めたら問題が起きる」―今日も悩みながら仕事する。「余裕時間が欲しいよ!」

生産ラインの模型

(生産ラインの模型)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/18 08:09

プリウスの生産はつらいよ―その10

【水曜日】
 月曜日は、「創意くふう」提案の提出日だった。うっかり忘れていた。チームリーダー(TL)は、「明日までに提出して下さい」「ネタがなかったらいって下さい」とやさしい。これまでと大きく変わった。

トヨタのカイゼン活動には、1人で行う「創意くふう」提案と数人の小集団で行う「QCサークル」活動がある。上司が新入社員に、こう話していた。「『QCサークル』活動と『創意くふう』提案は、トヨタに入った以上、のがれられないものだ」

「自主活動」で、“仕事ではない”といわれてきた。だから、サービス残業が当然とされてきた。2年ほど前は、「昼休みに書け!」とTLから命令された人もいた。高圧的な態度だった。それが様変わりした。

夫の過労死を名古屋地裁で認定させた(07年11月)、内野博子さんの運動の影響が大きい。内野さんの夫、健一さんは自分と同じ堤工場で働いていた。健一さんは、仕事でサービス残業をしなければならなかった。その上に、「QCサークル」活動や「創意くふう」提案などもサービス残業になっていた。

博子さんは、「自主活動」といわれたその実態を裁判で明らかした。その結果、「QCサークル」活動や「創意くふう」提案が強制的でなくなった。1人の妻が声を上げたことがトヨタを動かした。ふたたび強制的にならないようにしなくちゃ。

99創意くふう
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/17 08:08

プリウスの生産はつらいよ―その9

 【火曜日】
午後3時45分、堤工場へ出勤。仕事は4時10分からだが、11月の日暮は早い。もうすぐうす暗くなる。この時期の2直(遅番)は、なにかわびしい。

昼休み―とはいっても遅番では、午後8時25分~9時10分までだが。パチンコの話にはずむ。Aさんが久しぶりに勝ったようだ。
「2~3万円を持っていかないと遊んだ気がしないよ」
「おれは30分で1カ月分の小遣いがなくなってしまった。泣きたいよ」

職場の同僚の平均的な小遣いは、3~5万くらい。ここからタバコ代、コーヒー代、会社の親睦会費などを払う。不規則な2交代制勤務でパチンコは、手っとり早い遊びだ。スロット機の一部が禁止された。長時間遊べるように1円パチンコも増えたという。

 小遣いを使い果たし、妻に「パチンコ代をくれ」とお願い?したのがB君だ。妻は、「ダメ、なにをいっているの! 残業代も減ったのに」と怒ったという。B君はしょんぼり―だったろう。

 「子どもが生まれて、小遣いはゼロになってしまったよ!」
 30代のC君は悲鳴をあげる。金がいる世代だから。自分も大変だった。「残業したい」という声が起きるのも無理はない。

ぱちんこ・スロット 140
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/16 08:27

プリウスの生産はつらいよ―その8

 【月曜日】
 今日から2直(遅番)。起きたのが午前7時。月曜日だけは、家族といっしょに朝食をとることができる。家族ともしばらく会えなくなる。なぜ? 遅番は、午後4時10分から午前1時まで。家に帰るのは午前1時半ころだ。午前様の帰宅である。

そぉーと玄関をあけ、しのび足でわが家に入る。妻のつくってくれたおかずをレンジで温める。そして、タイマーとにらめっこ! 5、4、3、2、!! レンジが、チーンと鳴る前にスイッチを切る。家族を起こさないためだ。ふとんにも、そーっと入る。

家族だって同じ。疲れて寝ているお父さんを起こさないようにと気遣う。“おはよう”も小さな声で。テレビの音が漏れないように…。自分が起きる午前10時ころには、家族はだれもいない。こうした生活が夜勤だ。

車は、深夜まで働いてつくらねばならないのか。昼間だけ生産すればいいのではないか。トヨタで夜勤が導入されたのは、1962年。それまでは、昼間だけの生産だった。自分が入社した時は、交代制が入っていた。

鉄鋼のように高炉の火が消せないから3交代制があるのは理解できる。車の生産には、そんな理由はない。家族や地域にも大きな影響を与える交代制勤務とは、いったい必要なのか?

電子レンジ
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/15 08:19

プリウスの生産はつらいよ―その7

 【日曜日】
 仕事から解放される日だ。身も心も軽くなる日。子どもたちも成人になり、それぞれの道を歩いている。妻も、子離れして自分のことに忙しい。自分は、好きな山登りや音楽で休日をすごすことが多い。

 友人と近くの公園で待ち合わせる。共通の趣味はギターの演奏。昼の弁当を持って午前11時集合。 ♪ブルースを奏でる。リードギターが自分、友人はサイドギター。へたながらも熱中する。時間がすぎるのを忘れる。1週間の仕事のストレスも…。気がつくと夕方近くになる。

 妻に頼まれていた家の補修のために、ホームセンターへ材料を買いに行く。日曜大工は、自分の仕事だ。プリウスをつくっているのに比べれば、なんてことない。仕事に違って、少しくらいの失敗で、妻から詰められることはないから。

 明日から2直(夜勤)。始業時間は、午後3時15分。目覚ましを気にすることはないから、すごく気が楽。テレビを見ながら、ついつい飲みすぎて深酒になる。

ビール3本
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/14 08:21

プリウスの生産はつらいよ―その6

【土曜日】
 朝、5時、目が覚める。うと、うと、ストーンと眠る。ハッとして電気をつける。5時30分。ウワァー。遅刻する! 待てよ、今日は土曜日だ! 休みだ!

 休みでも体がさめてしまう。長年の交代制勤務で体の時計がそうなっているのだろう。少しゆっくりとした気分になる。それでも6時になるともう眠れない。起きて朝飯の準備をする。家族もぱら、ぱら、と起き始める。土日は、ゆっくりしたい。

 プリウスの大増産で土曜日が休日出勤になったことがある。疲れが取れなかった。日曜日1日だけの休みで、月曜日からは夜勤の2直に入った。いくら休日出勤で手当てが入るとはいえ、体にきつい。

 しかし、職場の期間従業員の人は喜んでいた。いつ、契約期間満了で辞めさせられるかもしれない。日給は、9000円~1万300円だから、稼げるだけ、稼ぎたいという思いだ。「独身寮に1人でいるより、働いていた方がいいですよ」という。

 夕方からスポーツで思いっきり汗をかく。1週間の疲れ、ストレスが吹っ飛ぶ。小学生たちに教える立場だ。「コーチ!」「コーチ!」と呼んでくれる。喜々としたその様子に心がなごむ。

トヨタでは、心を病む人が増えている。いわゆるうつ病だ。トヨタ労組は「メンタルヘルスケア促進」を運動方針にかかげている。秒単位の仕事、品質管理…職場ではパチンコでストレス解消をする者が多い。スポーツは有効な手段だと思うが―。

夕焼け
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/13 07:39

プリウスの生産はつらいよ―その5

【金曜日】
 今日で1週間の仕事(1直=昼勤)も終わりだ。金曜日がくるとホッとした気分になる。ふと、期間従業員だったCさんのことを思う。リーマンショック(08年9月)で、契約満了という名で解雇された。

 故郷に帰ったが、50歳代では仕事がなく、電話をすると「首をくくりたい」と話していた。最近、やっと仕事がみつかった。働きつづけているのだろうか? 穏やかないい人だった。

 故郷の妻子に17万円を送金し、月4万円で生活していた。朝は、食パン2枚にインスタントコーヒー、夜の晩酌も安い発泡酒や焼酎だけだった。正月も帰省旅費が工面できないために、ガラーンとした独身寮にいた。

 Cさんは、職人気質の人だった。自分が「Cさん、不良品出ているよ」と指摘すると、「オレはちゃんとやっている」と返事。お互い口論になったものだ。それくらい仕事には真剣だった。

 そのCさん、ある時、こんな不満をもらした。「トヨタの上司は、人を使うのをしらん」。よく聞いてみると、「仕事をきちんと教えないで、責任を部下になすりつける」という。Cさんは、トヨタへ来る前、他の企業では部下に教える立場だった。それだけに、仕事にたいしては厳しい。

 Cさんのような、きまじめな人が社員と同じラインでプリウス(旧型)を生産していたのだ。Cさんは3回社員登用試験を受けたが、だめだった。Cさんの人生を狂わせた解雇。トヨタは、こうした人にやさしくできないのか?

コーヒーとパン2枚
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/12 08:24

プリウスの生産はつらいよ―その4

【木曜日】 先日、知り合いがプリウスに乗って訪ねてきた。「いい車だよ」といわれ、つくっている自分としてはいい気分だった。プリウスのリコール問題があっただけに、「プリウスを分解すれば、部品に自分の名前が書いてありことがわかりますよ」

 知り合いは驚いた。「えっ、トヨタはそこまでするの!」
 トヨタは、労働者の個人責任を明らかにするために、生産にかかわった部品に名前を書いておくのだ。

 プリウスがリコールされたのは今年2月。当初、新聞、テレビで報道されるだけで、よくわからなかった。部品に自分の名前を書くくらい、品質問題では頑張ってきてはずだ。

 豊田章男社長がアメリカの公聴会に呼ばれる事態になって、職場で緊急ミーティングが開かれた。上司は、「リコールを他人事と思わず、自分のこととして、品質・安全問題に取り組んでほしい」といった。

 自分は納得できなかった。プリウスの増産でラインタクトが6秒縮められ、余裕がなくなるなかでもみんな必死だった。会社幹部こそどうだったのか? 社長を先頭に「グローバル品質特別委員会」がつくられたという。現場の気持ちをわかってほしい。安全な車をお客さんに届けたい―みんな懸命に働いているんだ。

プリウスだ
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/11 08:22

プリウスの生産はつらいよ―その3

 【水曜日】
 プリウスを大増産するために、職場では、完成車をどんどんつくれ、と“玉出し”“玉出し”をあおられてきた。新型プリウスは、09年5月にラインオフ(生産開始)。当初のラインタクト(1台の生産時間)は63秒だった。

 それが57秒に短くなった。09年6月から、政府からエコカー補助金が出るようになったからだ。工場では、工程を細分化し、高岡工場やトヨタ九州など他の工場、関連会社からの応援と期間従業員の再募集(09年10月)で人員を増やした。 

 ♪タン、タン、タタ、タタ…
作業が遅れてラインを止めると、フォスターの「草競馬」の音楽が工程内に響く。早く、早くとさらにあおられる。エッサ、 エッサ、 エッサホイ、 サッサの「お猿のかごや」や「バラが咲いた」など、あちこちの工程で響きわたる。

10年9月にエコカー補助金が終了。ヤマハなど関連会社からの応援者は引き揚げた。11月は減産になり、第2ラインが65秒になった。期間従業員の一部は、契約期間満了で雇い止めされた。きつい仕事といわれる組立ラインへ異動になった期間従業員もいる。

 自分の感想―。
 「つくれ、つくれから一転して減産。体や精神は楽になったか? 減産になって無理やりラインから人が抜かれた。プリウスづくりに誇りを持ってきたが…」

99プリウス

(新型プリウス)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/10 08:07

プリウスの生産はつらいよ②

【火曜日】
 やっと昼休み。とはいっても、午前10時40分から11時25分までの45分間だ。連続2交代制では、世の中のように午後零時からというわけにはいかない。立ちっぱなしの仕事であり、昼休みはせめて1時間は欲しい。

 自分の職場から食堂へは片道で6~7分かかる。食べて帰ってくると、30分はかかる。昼休みは、食うだけでなくなってしまう。ソファーに椅子の詰所で、仲間のうち8割が弁当を食べる。

 若者はコンビニ弁当が多い。いつもコンビニ弁当で栄養は大丈夫か? 自分も、おかずは昨日の夜食の残り物が多い。お茶は、家で魔法ビンに入れてきたものだ。冷えた弁当をさっさと食べる。胃に流し込むだけで、食う喜びはない。

「車を買い替える?」
「ローンが残っているからまだだめだよ」

 みんなは、雑談したり、詰所のテレビを見たり。スポーツ新聞に目を通すことも。若者は、携帯電話をいじくっている。そのうち、椅子にすわったまま目を閉じる。うたた寝だ。少しでも疲れをとって午後の仕事にそなえる。

 10年ほど前だったか。詰所で、段ボールを敷いて寝ていた仲間もいた。その方がよく眠れるからだ。今は、工場から段ボールが撤去され、それができなくなった。椅子にすわったままで眠るしかない。

堤工場です

(堤工場=豊田市)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/09 08:21

プリウスの生産はつらいよ①

 プリウスは09年5月に第3代目としてモデルチェンジしました。それから10年10月まで、軽自動車を抜いて日本の新車販売ナンバー1を記録しています。毎月、目標の月1万台を大きく上回る2~3万台を販売してきました。次は、プリウスを生産しているベテラン労働者の手記です。

 【月曜日】午前5時に目覚ましが鳴る。今日から1直勤務だ。午前6時25分から午後3時15分まで。月曜日は気が重い。今日から金曜日までの5日間、仕事だと思うと…。秋は日が短い。起きるとまだ真っ暗。家が遠い仲間は、午前4時に起きて5時に家を出るという。

 家族を起こさないように、そっと布団を抜け出す。ジャーに残っている、前夜のご飯を茶わんに盛る。みそ汁にたくあん、残り物のおかずで朝飯だ。
 昼飯用の弁当をつくる。これも余り物が多い。

 午前5時45分、トヨタ車に乗って家を出る。ヘッドライトをつける。霜が降りると、それを取り除く作業が増える。堤工場(豊田市)へ向かうヘッドライトが増えてくる。午前6時ごろ、工場の駐車場へ着く。空は白みかけてきた。
 
「おはようございます」「オッス」
 おっと、と。車のライトを消し忘れないように。バッテリーが上がってしまったヤツもいた。歩道橋を渡って工場門前へ。社員証を取り出し、カードリーダーにかざす。出勤時間が会社のコンピューターに記録される。

 それぞれの詰所へ向かう労働者たち。自分は、その中の1人だ。
 「今日は、詰所のテーブルに自分の不良品が置いてないだろうな?」
 前日、不良品を出すとテーブルの上にさらしもののように置かれている。上司から詰められる。そんな思いが頭をかすめる。1日の始めがこの気分では―。

時計 午前5時

(午前5時、目覚ましが鳴る)
プリさんの職場日記 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/08 08:38
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