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◎トヨタ この5年間の業績データ

 トヨタ自動車は、19年3月期の中間決算(18年3~9月)発表(11月6日)のパワーポイントで、5年間の「業績推移」表を掲載しています。15年3月期~19年3月期(見通し)の5年間です。

 連結販売台数、売上高、営業利益、当期純利益、連結総資金量、総還元額、研究開発費、設備投資の8つの指標です。決算発表のパワポで、こうした業績推移を掲載するのは異例です。

 これらの数値から何が読み解けるのでしょうか? 連結販売台数は、この5年間、16年3月期を除いて890万台で推移しています。横ばい状態です。「持続的成長をめざす」という経営戦略でしょうか。

30 トヨタの5年間のデータ


 営業利益は、17年3月期を除いて2兆円台で推移しています。日本の大企業で突出した利益を続けています。16年3月期は2兆8539億円で、3兆円に迫る利益でした。

 研究開発費は、電動化、自動運転化、コネクテッド化、シェア化の自動車産業の「100年に1度の大変革の時期」(豊田章男社長)を受けて、毎年、1兆円を超えています。

 株主への配当の総額は、1株200円、210円、220円へと引き上げ、毎年6000億円の巨額にのぼっています。

20 トヨタの利益剰余金


 この8つの指標にないのが内部留保の大きな部分を占める利益剰余金です。表をつくってみました(単位は億円)。15兆円から21兆円へと、毎年1兆円ずつ積み上げています。もちろん、これも日本の大企業で突出しています。

 このばく大な利益剰余金、私たち社員に還元されているのでしょうか? 15春闘(賃上げは4000円)、16春闘(1500円)、17春闘(1300円)、18春闘(「昨年を上回る」との日本語回答)の結果です。
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決算・経営計画 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2018/11/10 10:37

◎トヨタ 決算発表時 経営戦略を積極的に説明

 トヨタ自動車は、今年2月からメディアの記者らが取材する決算発表時に、役員がトヨタの「競争力強化に向けた取り組み」を説明しています。トヨタの経営戦略を積極的に明らかにしようという広報戦略です。

 これまでの2回は、「トヨタの競争力を支えるモノづくり」(河合満副社長/2月)と「トヨタのもっといいクルマづくり」(吉田守孝副社長/8月)でした。

 これに続いて11月6日の19年3月期中間決算(18年4月~9月)発表時には、「競争力強化・持続的成長に向けた販売の取り組み」をディディエ・ルロワ副社長とジム・レンツ専務が行いました。

 ルロワ副社長のパワーポイントは、トヨタのホームページに掲載されています。それによると、販売力強化に向けた基本方針は、「体力(収益)」「勢い(台数)」の確保と、新技術の普及であること。2018年のトヨタの販売目標は、前年比12万台増の950万台としています。

 その上で、日本と東京、中国での活動事例を示しています。東京では、4つの直営店を融合し、「トヨタモビリティ東京」へと、販売ネットワークの変革を開始すること。「町いちばん」「現地現物」と豊田章男社長が常に語っている言葉を使って、「世界中でトヨタウェイを共有」としています。

15 ライフスタイルカスタマーズ
(トヨタの「ライフタイムカスタマーづくり」=ルロワ副社長のパワーポイントから)

 また、顧客に対しては、①ライフタイムコスト(納車~代替)を減らす、②高い付加価値(バリューチェーンの強化・改善等)から成る「ライフタイムカスタマーづくり」を明らかにしています。

 レンツ専務のパワーポイントは、「北米における販売活動と収益改善の取り組み」のタイトルで、北米市場の「追い風と向かい風」を明らかにしています。具体的には、2020年までに、米国のラインナップの15%以上をハイブリッド・PHV・燃料電池車の電動化にしていくとしています。

 中日新聞(8日付)は、「米中戦略テコ入れ」の見出しで紹介しています。

決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/11/09 18:09

◎トヨタ 今期は売上高29兆5000億円の予想

 トヨタ自動車は11月6日、19年3月期の中間決算(18年4~9月)を発表しました。このなかで3月期の売上高見通しを、当初の29兆円から29兆5000億円(前期は29兆3795億円)へと上方修正しました。30兆円の大台へ乗せる勢いです。

 営業利益も、当初の2兆3000億円から、2兆4000億円へと上方修正しました(前期は2兆3998億円)。横ばいですが、日本の大企業でダントツの利益を稼ぐことになります。

 一方、グループの世界販売台数の見通しは、当初の1050万台のまま据え置きました。営業利益が増えるのは、想定為替レートをこれまでの1ドル=106円から110円に円安に見直したことや営業面の努力によるものとしています。

19年3月期 見通し
(トヨタの19年3月期見通し=中間決算プレゼンテーションから)

 豊田章男社長は、世界の自動車産業は、電動化や自動運転化など「100年に1度の大変革の時期」と語り、トヨタは「生きるか、死ぬか」だと危機感を煽っていますが、確実に利益を上げています。

 この日の中間決算では、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、前期の18年3月期(19兆4735億円)から、わずか半年で1兆9833億円増やし、21兆4567億円になりました。日本の大企業で、突出した内部留保です。

 記者会見で小林耕士副社長は、「社員全員が原価意識を持つことで、体質をもっと強化したい」などとのべました。

 原価改善による営業利益の押し上げ額は、半年間で300億円にとどまり、年間数千億円(2010年3月期では、年間で5200億円)に達していたことに比べて落ちていること、販売台数が1000万台を超えた2014年以来、1000万台超の横ばいで推移しているもとで、原価低減でもっと利益をあげることをねらったものです。

 豊田社長は5月の18年3月期決算発表の席上で、「トヨタの真骨頂は『トヨタ生産方式、TPS』と『原価低減』です」とのべていましたが、原価低減活動をさらに徹底しようというものでしよう。

決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/11/08 18:07

◎車は持つものではなく、借りる時代?

 旅行などでレンタカーを使うことは、しばしばありますが、車は持つものではなく、借りるものというシェア化が、いよいよ現実のものになろうとしています。

 トヨタ自動車は10月1日、「税金や保険の支払い、車両のメンテナンス等の手続きをパッケージ化した月額定額サービス(サブスクリプション)を気軽に申し込むことができ、好きなクルマ・乗りたいクルマを自由に選び、好きなだけ楽しんでいただく」などという、名付けて「KINTO」(筋斗雲をイメージ)というサービスを開始すると発表しました。

 豊田章男社長が自動車産業の「100年に1度の大変革の時期」と呼ぶ、電動化、自動運転化、コネクテッド化、シェア化などのうちの車のシェア化の具体化です。

 同社長は、トヨタは車をつくる会社から「モビリティ・カンパニー」へ変革するとして他の企業との連携を次々に打ち出しています。車づくりトヨタのイメージを大きく変えようというものです。

10 LC500h
(レクサスも借りる時代に?)

 トヨタはまた、同日、豊田社長も出席して全国トヨタ販売店代表者会議を開き、全国約5000販売店の変革をすすめていくことを明らかにしました。

 これまでのように販売店ごとに販売する車種が違うことを改め、2022~25年をめどに、原則、「全販売店全車種併売化」を実施するというものです。東京では、19年4月から直営販売店4社が新会社「トヨタモビリティ東京」を立ち上げ、先行実施するといいます。

 同時に、「KINTO」を、19年初めをめどにトライアル導入するとしています。人材育成のために「TPS改善推進部」を設立し、働き方変革をめざすといいます。

 豊田社長は、トヨタの販売ネットワークの強みは、経営者が「地場資本」であると強調。「これからは『地域』、『故郷』という概念が重要になる」とのべました。

 車のシェア化がすすめば、車の生産、販売は減ることはないのでしょうか? 販売店の変革の具体化のなかで、これまで通りに「150万台販売を維持していく」としていますが…。

 豊田社長は、国内の雇用を守るために「国内生産300万台を死守する」と語ってきました。半分の150万台は国内販売に、半分の150万台は輸出にという計算です。

 ある労働者は語ります。「全社的に現場の間接部門は廃止の動きです。ソフトバンクとの提携などと、いろいろと動き出しているトヨタ。定年まで、この会社が存続しているかどうかわからないです」

決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/11/02 11:29

◎トヨタの労使拡大懇 友山副社長が語ったこと

 今年4月から毎月開かれているトヨタの「労使拡大懇」。9月度の出席役員は、友山茂樹副社長と籠橋寛典常務理事。トヨタ労組の機関紙「評議会ニュース」が伝えています。

 友山福社長は、“コネクティッドカンパニー”プレジデントで、今年8月、配車サービス最大手の米ウーバー・テクノロジーズとの協業のために、ウーバーに5億ドル(約560億円)を出資することをまとめました。

 籠橋常務理事は労使拡大懇で、トヨタとマツダが2021年から米アラバマ州で合弁会社を立ち上げるMazda Toyota Manufacturing, U.S.A(MTM)について語りました。

15 米アラバマ州 トヨタとマツダ
(米アラバマ州に建設するトヨタとマツダの合弁会社の工場建設予定地)

 友山副社長はトヨタ労組の執行委員、評議員ら幹部を前に、次のようなメッセージを発しました。

……
 豊田章男以外、誰にも背負いきれない重い使命がある。 それは、喜一郎から引き継がれてきたものであり、社長は、日々葛藤しつつ、そこから逃げ出さず、戦い続けている。

 豊田社長とこれまで取り組んできた仕事を振り返ると、全てが、「トヨタが造ったトヨタの壁をぶち破る」という挑戦だった。我々は、社長の重い使命を代わりに背負うことはできないが、同じ、高い志を持って、ともに戦うことはできるはず。
……

 トヨタの豊田章男社長は、祖父で創業者の豊田喜一郎から引き継いだ、トヨタの他の誰もが背負いきれない「重い使命」があると同時に、「トヨタの壁をぶち破る」という挑戦と戦い続けていると語ったというのです。

 友山副社長はその上で、「この100年に一度の大変革期こそ、豊田社長のもとに、若きリーダーたちが一丸となって、未来にたすきをつなぐとき」などと語ったといいます。

 豊田社長が常に語る、世界の自動車産業の電動化、自動運転化、コネクテッド化、シェア化など「100年に一度の大変革期」に、一丸となって頑張ろうというメッセージを組合に直接伝えたかったのでしょう。

 「社長と一緒に闘いましょう」は、5月からの労使拡大懇での一貫したメッセージです。労働組合は、会社に対し、賃上げや労働条件の向上を要求して闘う全員加入の組織です。労使拡大懇とは、経営方針の伝達場所なのでしょうか……。
決算・経営計画 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/10/27 18:01

◎経産省 「自動車新時代戦略会議」の「中間整理」

 経済産業省が音頭をとって、大学教授らの有識者やトヨタ自動車の豊田章男社長ら企業関係者でつくる「自動車新時代戦略会議」が発表した「中間整理」(8月31日付。全28頁)を読みました。

 世界市場に占める日本の自動車メーカーの販売シェアは29%と2位のアメリカの17%を上回ってトップ。電動化、自動運転化、コネクテッド化、シェア化など世界の自動車産業の大激動期に、日本が引き続き先頭を走るための「世界に掲げる長期ゴール」を明らかにしようというものです。

 そのために産学官連携を随所でうたっています。約3カ月間議論したなかで最大の目標が、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」(2015年12月)の達成です。自動車1台、1kmあたり、温室効果ガス排出量を2010年比で8割程度削減する目標を設定(乗用車は9割程度)しています。

 その上で、「究極のゴールとしての“Well-to-Wheel Zero Emission”チャレンジに貢献していく」と車単体での温室効果ガス排出量ゼロではなく、発電なども含めたゼロとしています。

 すでに2010年に、30年の次世代自動車の普及目標が国内乗用車で5~7割と示されています。しかし、電動化といってもハイブリッド車や燃料電池車に力点を入れるトヨタ、電気自動車の市販車でトップを行く日産自動車などメーカーの戦略、思惑があるなかで、企業が協調してどのようにして目標を達成していくかの具体化はこれからです。

eパレット
(トヨタのモビリティサービス専用次世代電気自動車(EV)「e-Palette(イーパレット)」。イメージは移動するレストラン)

 電動化でキーとなるのが電池です。そのコア技術といわれるのが「全固体電池」です。材料、設計、製造プロセスなどで自動車メーカー、電池メーカー、材料メーカー、研究機関、大学などが協調し、研究をすすめていくことの重要性と2022年度までの到達数字をあげています。

 「中間整理」では、最後に政府が「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」や「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金」などの「補助金」を付けてきたことを参考資料として掲載しています。

 これからも政府は、飴を与えるというものでしょうか。この「中間整理」に向けて議論がされた時期と、日産自動車やSUBARU(スバル)などでの無資格者による検査に続いて燃料、ブレーキなどの検査不正が明らかになった時期とはほぼ重なっています。足下での不正の根絶なくして、日本の自動車新時代は迎えられないでしょう。
決算・経営計画 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/10/11 12:19

◎世界の自動車市場半減 雇用問題に?

 日経新聞が「縮む新車市場」「雇用に打撃、生産奪い合い」との恐ろしい記事を掲載しています(10月7日付)。英調査会社IHSマークイットの調査を基にまとめているものです。

 同記事の表で見るように、世界の自動車の新車市場は、2011年~17年までの成長率が年3・7%だったのに対し、18年~25年は年2・0%に半減すると推測しています。

 世界1になった中国市場は、飽和状態になり、地方経済の停滞で成長率は8・0%から2・6%に急減すること。インド・パキスタンは伸びるものの、北米は0%に、日本は-1・5%になる――という見方です。

 なぜ、成長が止まるのか? 日経はグーグルなど米IT企業の自動運転技術の先に、車を所有するのではなく共有する――必要なクルマを、必要な時に、必要なだけ使うカーシェアの普及があると見ています。

図 縮む自動車市場
(日経新聞、10月7日付から)

 2017年の世界の四輪車の生産台数は9730万台です。年間1億台近い車が生産されています。トヨタ自働車だけで、その1割に当たる1000万台超を世界で生産しています。

 縮む新車市場では、自動車会社やIT企業などの生産奪い合いが起きて、雇用に打撃が出るというのが日経の見方です。

 どんなものでも、いずれは成長が鈍化するのは避けがたいでしょう。日本では、造船や鉄鋼が世界1の生産を争っていましたが、やがて成長は止まり、リストラの嵐が吹きました。

 テレビや半導体などで世界のトップを走っていた日本の電機も数十万人ともいわれるリストラを強行している最中です。ソニーなどが「追い出し部屋」までつくりました。日立は、「集中と選択」の経営方針で、“黒字リストラ”まで
行っています。

 自動車でも、日産自動車が“コストカッター”の異名を持つゴーン会長のもとで、工場閉鎖や下請けの選別などでドライなリストラをしたのは10数年前のことです。

 雇用を守るのは、労働組合の最大の役割です。世界の自動車産業は、電動化や自動運転化、コネクテッド化、シェア化など、「100年に1度の大変革の時代」(豊田章男トヨタ社長)に突入しています。労働組合は、労働者を犠牲にした大変革は、絶対にしないよう会社に求めていく時です。
決算・経営計画 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/10/09 14:35

◎トヨタとソフトバンクが提携 モビリティ社会の実現めざし

 トヨタ自働車(豊田章男社長)とソフトバンク(孫正義会長兼社長)がモビリティ社会の実現めざして提携するというニュースが10月4日、流れました。トヨタは、日本の大企業でダントツの利益No1企業ですが、ソフトバンクはそれに続くような利益を稼いでいます。

 そうした2社が提携するというビックニュースに、テレビ、新聞などメディアが大きく取り上げています。両社は、これまでソフトバンクがトヨタに提携を打診しましたがトヨタが断り、今回はトヨタがソフトバンクに持ちかけて実現にいたったといいます。

 トヨタの豊田社長は、この日のスピーチで、ソフトバンクの提携話を断った20年ほど前のことについて、「『若気のいたり』ということで、孫さんは、大目に見てくださったのではないかと感謝しております」と語っています。

 ソフトバンクの孫会長は、17年5月の決算発表(17年3月期)で、営業利益が1兆円を突破したことをあげ、日本で最初に1兆円になったトヨタは65年かかったが、ソフトバンクは36年で達成したと胸を張ったといいます。

 さらに同社を「世界トップ10」の会社にするなど野心的な目標を掲げています。現在は、スマホなどの通信会社だけではなく、昨年には「10兆円ファンド」を立ち上げるなど投資会社へと大きく舵を切っています。

10 eパレット
(トヨタのeパレットのイメージ)

 トヨタは、そうしたソフトバンクと今回の提携で何をめざしているのでしょうか? 両社が4日に発表したのは、新会社「MONET Technologies(モネテクノロジーズ)株式会社」(以下「MONET」)を設立し、2018年度内をめどに共同事業を開始するというものです。

 MONETは、ソフトバンクの「情報革命で人々を幸せに」とトヨタの「全ての人に移動の自由を」の二つのビジョンを融合し、安心・快適なモビリティ社会の実現をめざすとしています。

 トヨタの豊田社長は、電動化、自動運転化、コネクテッド化、シェア化など世界の自動車産業は「10年に1度の大変革の時代」に突入していると主張し、トヨタは「生きるか、死ぬか」と危機感を煽っています。

 これまでのように自動車を生産し、販売する会社から自動車を軸にした様々なサービスを提供するモビリティ会社への変革を急いでいます。ソフトバンクとの提携は、そうした流れのなかにあります。

40 MONET
(MONETの事業イメージ=トヨタのホームページから)

 MONETは、トヨタが構築したコネクティッドカーの情報基盤である「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」と、スマートフォンやセンサーデバイスなどからのデータを収集・分析して新しい価値を生み出すソフトバンクの「IoTプラットフォーム」を連携させるものと位置付けています。

 具体的には、▽利用者の需要に合わせてジャスト・イン・タイムに配車が行える「地域連携型オンデマンド交通」「企業向けシャトルサービス」などを展開する、▽2020年代半ばまでには、移動、物流、物販など多目的に活用できるトヨタのモビリティサービス専用次世代電気自動車(EV)「e-Palette(イーパレット)」による事業展開――をあげています。

 その例として、移動中に料理を作って宅配するサービスや、移動中に診察を行う病院送迎サービス、移動型オフィスなどのモビリティサービスを想定しています。
決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/10/05 11:45

◎トヨタ 4販売網すべてで全車種販売 車種も30へと半減

 トヨタ自動車が、現在生産している約60種の車種を約半分にするとともに、トヨタ店やカローラ店など4つある販売網の約5000店舗で、すべての車種を販売する方針に2025年ごろをめどに切り替えるとのニュースが流れた。

 これまで車は、個人が所有するという時代から、必要な時にだけ借りるというシェア化(共有)へと変わろうとしている。若者の車離れが言われて久しい。

 トヨタは、世界の自動車産業の電動化、自動運転化、コネクテッド化とともに、シェア化などを「100年に1度の大変革の時代」(豊田章男社長)と位置付けている。

 自動車を生産・販売する会社から、サービスも手掛けるモビリティー会社への変革を唱えている。トヨタは、「大変革の時代」に突入したことで、「生きるか、死ぬか」と声高に叫んでいる。

 日本での自動車販売は、1990年の780万台をピークに、3分の2程度の約500万台へと減っている。トヨタも90年の250万台をピークに、3分の2の約150万台へと減った。一方、車種は約60種類へと増えた。

 トヨタは11月に開かれる全国の販売店の代表が集まる会議で、トヨタの方針を伝えるという。今後、販売店でのシェアリングも行うという。

トヨタ車
(トヨタは約60車種の車を生産・販売している)

 豊田社長は、事あるたびに、「国内300万台生産で雇用を守死する」と語ってきたが、車種の半減で雇用は守れるのか? 関連・下請けの営業は守れるのか?

 4販売網すべてで全車種を販売するとなれば、販売店の約9割が独立資本であることから販売店同士の競争が激化することは目に見えている。販売店の淘汰、人減らしが起きることはないのか?

 トヨタを世界トップクラスの自動車メーカーにしたのは、トヨタとそのグループ、販売店、関連・下請けなどで汗水して働いてきた数十万人の人々だ。「生きるか、死ぬか」と叫ぶだけではなく、その人々の雇用と営業、暮らしを守ることが第一だ。

 日本社会が人口減、高齢化と合わせて、じりじりと縮小している。様々な組織の解散、統合、縮小が聞こえてくる。そうしたなかでの日本の最大の企業のトヨタの動きは大きな影響をあたえるからだ。
決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/09/28 11:46

◎グーグル、トヨタを逆転 日経報道

 日本経済新聞が、「グーグル、トヨタを逆転」(9月13日付)という衝撃的な記事を1面トップに掲載していた。自動運転の特許競争力で、グーグルがトヨタを逆転したという。

 トヨタの豊田章男社長は、電動化などとともに自動運転化の動きを、「自動車産業が100年に1度の大変革の時代」と主張。社内では「生きるか、死ぬか」と叫び、危機感を煽っている。

 具体的な手立てとして、マサチューセッツ工科大学から米国防省へ移ったAI(人工知能)の第1人者・ギルプラット氏をヘッドハンティング。TRI(Toyota Research Institute)の最高経営責任者にするなど力を入れてきた。

 日経によると、2年前の調査では、トヨタが1位、GMが2位、3位が日産…などだったが、今年7月の時点ではグーグル系のウェイモが1位、2位がトヨタ、3位がGMの順位になったという。

 ウェイモは2年前の5位から急上昇した。その理由について、日経は次のように指摘する。

……
 ウェイモ躍進の原動力になったのがAI技術だ。地図や位置情報を使い、車や人の動き、交通状況を人に代わって識別・判断し、ハンドルやブレーキを自動制御する。こうした自動運転の中核技術で総合スコアの5割に当たる1385ポイントを獲得。同技術で204ポイントにとどまった2位のトヨタを大きく引き離した。
……



60 画像 グーグル、トヨタに逆転
(日経新聞、9月13日付から)

 日経は、トヨタなどは多くは自動プレーキや車間距離など運転支援技術にとどっているとのべる。2035年には、世界の新車販売の4分の1が運転者が原則不要な「レベル4」以上の自動運転車となる、というコンサルタント会社の予測を引用し、次のように指摘する。

 「膨大な地図情報から渋滞、実際の走行状況までを瞬時に解析する『データマシン』へと車が変わりつつあるが、それに日本車各社は対応できないでいる」

 「100年に1度の大変革の時代」に突入し、自動車メーカーの競争相手は、同業者だけではなく、グーグルなど米IT企業になってきたことを示したのが、今回の日経の自動運転特許競争力での比較だろう。
決算・経営計画 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/09/23 11:00

◎ライドシェア、ウーバーの光と影

 電動化や自動運転化、コネクテッド化とともにライドシェア(相乗り)は、世界の自動車メーカーとIT企業などが覇権争いをしている1つです。

 トヨタ自動車は8月28日、配車サービス最大手の米ウーバー・テクノロジーズとの協業のために、ウーバーに5億ドル(約560億円)を出資すると発表しました。

 トヨタは、副社長の次のような言葉を明らかにしています。

……
 トヨタの副社長であり、“コネクティッドカンパニー”プレジデントの友山茂樹は、「世界最大のライドシェア企業の一つであるUber社との提携は、トヨタがモビリティカンパニーへと変革する上で、重要なマイルストーン(大きな節目の意味)になるでしょう。

 トヨタとUber社、両社の技術とプラットフォームを連携させたライドシェアサービスは、安全で安心な自動運転モビリティサービスの実現へ向けた一つの道筋になると考えています」と述べました。
……

 トヨタとウーバーは、トヨタのミニバン「シエナ」をベースに、それぞれの自動運転技術を搭載した専用車の量産を2021年に行います。そのイメージ図は次のようです。

30 トヨタとウーバーの協業図


 労働組合や労働者の動きを取材している連合通信社は8月23日、ウーバーの動きを次のように伝えました。

……
 米ニューヨーク市のデブラシオ市長は8月14日、市議会が可決したライドシェア規制条例に署名した。これにより同市は全米で初めて、ライドシェア車の台数を制限し、運転手の実質的な最低賃金を設けることになる。

 市長は、3年前にも同様の規制をニューヨークタクシー労働者連盟(NYTWA)などとめざした。しかし、ライドシェア大手のウーバーやリフトは、数百万ドルを投じてロビイストを大動員し、その行く手を阻んだ。

 当時1万2600台だったライドシェア車は、現在8万台を超える。この供給過剰で運賃収入が激減するなど、生活苦を理由に昨年11月からたて続けに6人のハイタク運転手が自殺している。

 ライドシェア運転手も困窮しており、その85%は収入が、同市の最低賃金(今年時給15ドル)に届かないレベルだ。4割が空車走行しているため、交通渋滞が悪化している。

 条例では今後1年間は原則、ライドシェア車両の新規登録を認めない。その間、同市の規制機関であるタクシーリムジン委員会が、交通渋滞の実態調査を進め、ライドシェア運転手の最賃を策定。

ニューヨーク
(ニューヨーク=グーグルアースから)

 過当競争を防ぐため、ハイタク・ライドシェア全てのサービスに共通する最低運賃も導入される。台数制限は1年後も続くとする見方が強い。離職率が年間25%のウーバーやリフトは、運転手の処遇改善を迫られる。

 自殺したハイタク運転手ダグラス・シフターさんの追悼集会を2月6日に開いたNYTWAはそれ以降、ライドシェア規制を求め、精力的に集会や街頭行動を繰り返した。

 サービス労組(SEIU)32BJ支部の支援も受け、街ぐるみの運動をつくっていった。闘いは、タクシーとハイヤー、ライドシェア運転手の壁を取り払った。

「一番つらい立場の遺族たちが、その経験を公にした。休めば収入のない運転手たちが、家族を連れて集会にやってきた」とNYTWAのバイラビ・デサイ代表は振り返る。条例のほぼ全てが組合の要求に沿った内容だ。

 ウーバーやリフトは今回も反対キャンペーンを展開したが、条例案を修正できなかった。自殺者が相次ぐ事態を受け、3年前は両社に同調した市議会議員も、規制賛成に回った。
……

 ウーバーの配車サービスがタクシー労働者らの雇用を破壊し、交通渋滞を引き起こしていることなどをリアルに告発しています。

               ◇

 この記事は、9月2日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。

決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/09/01 11:12

◎トヨタ 利益剰余金20兆円突破 4~6月期決算

 トヨタ自動車は8月3日、2018年4~6月の期連結決算を発表しました。営業利益は前年同期比19%増の6826億円、純利益は前年同期比7%増の6573億円で過去最高を記録しました。

 売上高も4%増の7兆3627億円で、過去最高を更新しました。グループの世界販売台数は、2万6000台増(1%増)の261万台でした。レクサスの販売増などが目立ちました。

 営業利益に貢献したのが、トヨタの得意の原価低減で150億円、諸経費の低減で600億円、合わせて750億円にのぼりました。

 19年3月期の通期見通しは、アメリカの関税引き上げなどの影響が読み切れないとして、前年同期比で、売上高は1%減の29兆円、営業利益は4%減の2兆3000億円とするこれまでの見通しを据え置きました。

 グループの世界販売台数の見通しも、前年同期の1044万台より微増の1050万台のままとしました。

20 トヨタ 2019年3月期 見通し
(トヨタの決算プレゼンテーション資料から)

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、18年3月期からわずか3カ月間で、1兆4019億円増やし20兆8753億円になりました。20兆円を突破するのは初めてです。

 日本経団連会長会社の日立製作所の利益剰余金(6月30日現在)は、2兆1945億円で、トヨタの10分の1にすぎません。トヨタは、利益でも内部留保でも、他の大企業を寄せ付けないダントツの日本1の大企業であることを示しています。
決算・経営計画 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2018/08/04 11:15

◎トヨタ 工場間で車種・製品の移管相次ぐ

 トヨタ自動車が、グループ企業をふくめて車種、製品の移管を相次いでいます。世界の自動車産業は、電動化、自動運転化、コネクテッド化など「100年に一度の大変革期」(豊田章男社長)に突入したり、トランプ米政権が輸入車への関税を現在の2・5%から25%へと大幅に引き上げることを検討しているなか、激しい動きを見せています。

 トヨタの子会社のトヨタ自働車東日本(宮城県大衡村)は7月20日、静岡県裾野市の東富士工場2020年に閉鎖すると発表しました。同工場は、12年7月にトヨタグループの3社が合併するまで、関東自動車工業の工場でした。

 トヨタの最高級車・センチュリーやジャパンタクシーなどを生産しています。東日本の宮城大衡工場(宮城県大衡村)や岩手工場(岩手県金ケ崎町)に移管するとしています。

 豊田自動織機の長草工場(愛知県大府市)で生産していたヴィッツも、今年秋には東日本に移管します。またトヨタは今年6月1日、トヨタの広瀬工場で生産している電子部品を、デンソーへ2019年末をめどに移管する方向で協議する、と発表しました。

80 日経 トヨタ生産再編図
(日経新聞のトヨタの生産再編図=7月21日付から)

 トヨタの世界生産台数(トヨタ・レクサスブランド)は、2018年3月期決算時点で、892万3000台です。このうち国内生産は319万9000台(35・9%)で、海外生産は、572万4000台(64・1%)です。国内生産は3分の1程度です。

 販売は、国内が159万7000台(17・0%)で、海外が782万3000台(83・0%)です。輸出は188万2000台です。国内で生産したうちの半分程度しか国内で販売できず、輸出頼みになっています。

15 トヨタ生産・販売台数 20180⃣3
(トヨタの生産、販売の見通しと実績=2018年3月期決算のプレゼン資料から)

 豊田章男社長は、国内の雇用維持やマザー工場として技術を磨くために、「国内生産300万台を死守する」とのべてきました。現時点では、300万台は維持しています。

 しかし、トランプ米政権が輸入車への関税を大幅に引き上げることが現実のものになり、日本の少子化がいっそうすすむなどすれば、300万台維持は相当厳しいものとなりそうです。

50 坂本・空洞化論文から
(トヨタの2015年の工場別生産能力=坂本雅子著『空洞化と属国化』から)
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/07/23 10:42

◎トヨタ 筆頭株主は公的マネー

 トヨタ自動車の筆頭株主は、公的マネーであることが「しんぶん赤旗」が報道(7月19日付)しています。なぜそうなるのか? 「赤旗」によると――。

……
 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有する株式は銘柄別の株数が公表されています。

 日銀は、株価に連動して運用される株価指数連動型上場投資信託(ETF)を年間6兆円購入することによって、株式市場に資金を投入しています。日銀が保有するETFの銘柄別内訳は公表されていませんが、日銀の購入方針などから、間接的に保有する個別銘柄の株数を推計できます。
……

筆頭株主はGPIF


 それによって、トヨタのGPIFマネーが1兆3562億円、日銀が5936億円、合わせて1兆9497億円と推計しています。表のようにトヨタは、大企業でトップで、2位のソフトバンクの2倍近くになります。

 「赤旗」は、東京証券取引所一部上場企業2064社のうち少なくとも710社で公的マネーが「筆頭株主」になっていること。3社に1社で公的マネーが筆頭株主となる異常事態になっていると指摘します。

 そして、「安倍晋三政権は日銀に大量のETFを買わせ、GPIFの積立金の株式による運用比率を2倍に拡大しました。株式市場に巨額の公的マネーを投入することによって株価をつり上げています」と分析しています。

 日本総合研究所の寺島実郎会長は、「GPIFという禁じ手」を使うもので、「年金で株を支えるという危うい構造のリスクと陥穽」があることを指摘しています(「寺島実郎の時代認識」、資料集2018年夏号)。

 その上で、経済とは「経世済民」=世を経(おさ)め、民を済(すく)う=であるとして、この立場から5年半のアベノミクスを総括しています。

 ・勤労者世帯可処分所得(2人以上の世帯)では、月43万円(2010年平均)から月43・4万円(17年平均)と横ばい
 ・家計消費支出(全国・2人以上の世帯)では、月29・1万円(2010年平均)から月28・3万円(17年平均)へと減少

 以上のデータを見ると、実体経済は動いておらず、「国民に恩恵なし」と結論づけています。
決算・経営計画 | コメント(10) | トラックバック(0) | 2018/07/19 11:29

◎ギルプラット・フェローが出席したって

【トヨタ職場談義】

 A 組合の評議会ニュースを読んだ?
 B 6月度の「労使拡大懇談会」の特集だろう。

 A 拡大労使懇は2回目だけれど、あのギルプラット・フェローが出席しているのに驚いたよ。
 B マサチューセッツ工科大学から米国防省へ移ったAI(人工知能)の第1人者といわれた学者だろう。トヨタが自動運転のためにヘッドハンティングした学者だ。

 A TRI(Toyota Research Institute)の最高経営責任者が、わざわざ労使懇に出席するなんてびっくりだ。TRIは米カリフォルニア州に本社を置き、従業員の多くは、元Google, Appleなどにいたというね。
 B 評議会ニュースによると、「人工知能や自動運転、ロボット開発を進めることで、人々の生活や移動の質を向上させる。事故を起こさないクルマを開発する」と語っている。

 A AIは労働者の仕事を奪うと盛んに言われているが。
 B だからわざわざギルプラット・フェローは、「AIは皆さんの仕事を置き換えるものではなく、増幅してすごいことが出来るようにするもので、これまで通り皆さんの能力は不可欠」だと語っているけれどね…。

 A 労使拡大懇では、自動運転やAI、ビックデータを担当する鯉渕健常務理事がパワーポイントを使ってトヨタの自動運転技術開発の目的、戦略などについて説明している。
 B ITジャイアントのグーグルやアップル、アマゾン、配車大手・ウーバーなどのロゴマークを示し、開発競争は「生きるか死ぬか」だと語っている。

 A 最近、トヨタでは「生きるか死ぬか」の言葉が多用されているけれど、なんか煽られている感じだね。グーグルは自動運転で、はるかに先を行っている。そんなITジャイアントにトヨタは勝てるのか?
 B 確かにね。パワーポイントには、「トヨタの生かした勝ち方」というのがある。TPSによるトヨタの「モノづくり力」と自動車メーカーとしての「データの量と質」をプラスすることだと明らかにしている。

40 ◆トヨタ本社地区5 グーグルアース
(トヨタ本社=グーグルアースから)

 A 労使拡大懇には、総務・人事本部長の上田達郎専務役員が、「豊田章男社長動画」(役員の会議で豊田社長の想いを伝える動画)について説明している。「生きるか死ぬか」の「死ぬ」の意味について、トヨタが、「世の中・各社から頼りにされなくなること」などと説明している。
 B 上田専務は、18春闘の労使協議会で、トヨタの賃金は「極めて優位性のある水準」と強調し、一時金の「要求水準は極めて高く、そのまま応えることは困難」とのべた役員だよ。そうした役員が労使懇で会社の経営戦略を説明するなんて違和感があるね。

 A 評議会ニュースでは、1回目の労使拡大懇に出席したトヨタコンパクトカーカンパニーの宮内一公プレジデントとの追加懇談会も掲載されていた。
 B 参加した組合職場役員らからは、「直接、危機感(収益等)のお話を聞くことができ、刺激を受けた」「経営は上に任せる、ではなく経営への貢献を全員が考える。まさに、“全員経営者”」などの感想を語っていた。これが組合活動の一環なのかなぁ。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/07/06 17:11

◎トヨタ、副社長の報酬10億円超 組合員の賃上げ総額と同じ

 トヨタ自動車は6月25日、2018年3月期の有価証券報告書を公表しました。同報告書を見ていて、びっくりしたのが役員報酬です。

 豊田章男社長は3億8000万円で、昨年の3億2200万円より2割近く増えました。目をむいたのが、ディディエ・ルロワ副社長(ルノーのルマン工場副工場長などを歴任)の10億2600万円で、昨年の6億8300万円の1・5倍にもなっています。

 1人で10億円超えです。同副社長は、トヨタの18春闘の第1回労使協議会(2月21日)に初めて出席し、次のように語りました。

 組合に対し、「(世界の自動車メーカーの)『生きるか死ぬかの戦い』を生き抜くために、『体力(収益)』と、市場が前年割れ見込みの中、トヨタは『勢い(プレゼンス)』を確保し、(18年の世界販売計画)対前年2桁増の950万台へチャレンジ」しようと呼びかけました。

 その労使協議会で、豊田社長が回答した賃上げは、組合の3000円要求に対し、「昨年を上回る」という日本語回答でした。昨年は1300円でした。日本の春闘のリード役のトヨタの日本語回答に、労働界からも批判がでるほどでした。

 日本語回答ですから実数は不明ですが、昨年並みの1300円と仮定すると、1300円×6万8000人(トヨタ労組の組合員数)×12カ月=は、10億6080万円です。

 なんと、ルロワ副社長の報酬の10億2600万円とほぼ同じではありませんか! ルロワ副社長の報酬がいかにばく大なものかがわかります。組合員には3000円の賃上げ要求に満額回答せずに、副社長には昨年より1・5倍も報酬を増やす――なにか間違っていませんか?

修 トヨタ 報酬1億円以上 18年3月期
(トヨタの2018年3月期の有価証券報告書から)

 ■報酬額が1億円以上のトヨタ役員(朝日新聞、6月28日付から)
内山田竹志会長       1億8100万円(1億8300万円)
早川茂副会長        1億800万円(―)
豊田章男社長        3億8000万円(3億2200万円)
ディディエ・ルロワ副社長 10億2600万円(6億8300万円)
寺師茂樹副社長       1億2400万円(1億1000万円)
 (2018年3月期の報酬額。連結子会社分を含む。カッコ内は前年。―は比較できず)
決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/06/27 21:05

◎トヨタ株主総会 「100年に1度の大変革の時代」に

 トヨタ自動車の株主総会が6月14日、豊田市のトヨタ本社で開かれた。本社周辺は、いつも自動車で大変混むので、午前10時開会だが、早めに出かけた。午前9過ぎに着いたが、すでに第1会場と第2会場はいっぱいだった。次から次へとバスが入って来る。

 結局、本社2階の大会議室に設けられた第5会場に入ることになった。会場のモニターで会議に参加した。参加者数は5250人だったことを、帰ってからテレビで知った。

 豊田章男社長が常に口にする、EV化や自動運転化など世界の自動車産業の「100年に1度の大変革の時代」といわれる中で、多くの株主の関心を集めたのだろうか。

 受付では、いつも記念品が渡されるのだが、今回は帰りに渡すと言われた。途中で帰る株主がかなりいるので、その対策かなと思った。ちなみに、今回は「トヨタジャパンタクシー」のミニカーだった。

12 トヨタ株主総会2018


 午前10時、豊田社長が議長になって総会が始まった。映像による事業報告、第1号、2号、3号議案、人事案件の説明が行われた。質疑応答では、多数の挙手が上がった。

 東京オリンピック・パラリンピックへの対応は? 車の税金を何とかして、社長と記念写真を撮りたい、EV化に伴う電力増加をどうするのか? 役員の選定基準は? 中国やヨーロッパのEVシフトにどう対応するのか?…等々の質問が出た。

 全体として、会社の方針を周知徹底させる場になった。トヨタの将来は万全だという印象を株主に与える総会になった。その下で、現場で働く社員のあり方がどう変わっていくのかは、ほとんど触れられなかった。

 なかでも5月の大型連休明けの18年3月期決算発表で、豊田社長が「トヨタの真骨頂は『トヨタ生産方式、TPS』と『原価低減』です」とのべたことが強調された。特に、今後は生産現場以外の事務・技術部門にも広げるという。

 会社は株主だけのものではない。トヨタがCSR《corporate social responsibility》で指摘するように、企業は「顧客、従業員、取引先、地域社会・グローバル社会」のすべてのステークホルダーのものであり、世界1の自動車メーカーの地位を争うトヨタには、大企業の大きな社会的責任がある。

 事務・技術職に導入された「FTL(I)」が、どのように展開されていくのか。EV化で部品が大幅に減るといわれるが、下請けはどうなるのか…。「100年に1度の大変革の時代」に、株主だけではなく、働く者や下請け、地域住民など全体がより良くなってほしいと強く願った。
決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/06/15 16:25

◎賃上げは下がる 配当金は上がる

 トヨタ自動車の2018年3月期決算発表(5月9日)では、配当金は1株当たり前期より10円上げて220円にするとしています。総額も151億円増やして6426億円とするとしています。

 配当金は、この5年間で165円から220円へと1・3倍も上がっています。トヨタの株主は、金融機関や国内法人、外国法人が80%近くを占め、「個人・その他」は21・37%にすぎません。

 労働者が汗水して働いてつくった車の利益の大部分が金融機関や外国の企業へ吸い取られていく構図です。

 一方、労働組合員の賃上げは、この5年間、2700円(14年)から4000円(15年)に上がったものの、その後は1500円(16年)、1300円(17年)、「前年(17年)を上回る」(18年)と下がっています。

25 賃上げは下がる 配当金は上がる


 賃上げは下がっているのに対し、配当金は上がっているのです。トヨタは、株主や下請けなどとともに従業員をステークホルダーと位置付けていますが、あまりにも株主優先ではないでしょうか。

 利益至上主義、規制緩和などを柱としたアメリカ発の新自由主義が日本に輸入された21世紀初頭ころから、株主最優先の考え方が大企業にまん延してきました。

 賃上げして労働者のふところを温かくし、購買力を高めて経済を好循環させる――安倍首相さえも日本経団連に3%の賃上げを要請したほどです。しかし、18春闘では賃上げ(ベースアップ)と定期昇給を合わせても3%に届いていません。

 トヨタの18春闘は、「前年を上回る」という日本語回答でした。▽上級スキルドパートナーの拡大、▽常2直手当の導入、▽期間従業員への家族手当の導入、▽事務技術職の自己研さん費用補助の導入――など様々な手当などをふくめて3・3%としています。

 トヨタなど大企業は、株主配当最優先を改め、賃上げや下請け単価の切り上げなどへ舵を切るべきではないでしょうか。
決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/05/12 18:08

◎豊田社長は決算発表で何を語ったのか

 トヨタ自働車は5月9日、2018年3月期決算発表をしましたが、第2部で豊田章男社長があいさつをしました。このなかで豊田社長は、電動化、自動運転化、コネクテッド化など「自動車産業が100年に一度の大変革の時代」に、「トヨタらしさを取り戻す」として語った2つの言葉があります。

 それは、「トヨタの真骨頂は『トヨタ生産方式、TPS』と『原価低減』です」とのべたように、トヨタ生産方式と原価低減の2つの言葉でした。この言葉をくり返し語っています。なぜ、いま、トヨタで当たり前と言われている2つの言葉なのか?

 記者会見では、「何かがないと会社は変わらないと思うが、2つだけでいいのか」などと、とまどいの質問が相次ぎました。これに対し豊田社長は、「2つはトヨタのDNAであり、これを知らなかったらトヨタマンと言ってはならない」と断定しました。

 また、事務・技術職では、「生産現場のものだというのがはびこっている」と指摘し、この2つは、「トヨタらしさを取り戻す闘い」とまで言い切りました。

80 決算 社長挨拶
(豊田章男社長のあいさつのプレゼンから)

 あいさつのなかでも、「開発の現場にも、標準作業や原単位、すなわち1つのアウトプットを出すために必要な時間、コストというTPSの概念を持ち込み、開発のリードタイムを短縮してまいります」と語りました。

 3月期決算で、「原価改善の努力」で稼いだ利益は1650億円でした。かつては原価改善で5200億円(2010年度)~3000億円(03年度)も稼いだ時があり、これと比べると物足りないからでしょう。

 豊田社長は、「『原価低減』の力に磨きをかけて、『稼ぐ力』を強化し、新技術や新分野への投資を拡大してまいります」と力説しました。

 しかも電動化、自動運転化、コネクテッド化などは、豊田社長がのべているように、自動車会社だけではなく、グーグルやアップルなど「テクノロジーカンパニー」であり、そうした会社との「『生死を賭けた闘い』が始まっているのです」(豊田社長)。

 その闘いは事務・技術職が担っており、昨年12月からは“裁量的働き方”というFTL(I)を導入しています。Time=時間とLocation=場所から自由になるというもので、いわば労働時間にも職場にもとらわれずに働くというものです。

 しかも、「賃金は掛けた時間の対価であるという考え方を払拭」するものだと説明しています。労働基準法の1日8時間労働を崩す考え方です。豊田社長が決算発表で語った2つの言葉は、特に事務・技術職場への強い働きかけではないでしょうか。

 豊田社長のあいさつと記者との質疑応答の映像は、次のアドレスで見ることができます(106分)。
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/22185932.html

決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/05/10 16:41

◎純利益2兆4939億円 日本企業過去最高 トヨタ18年3月期決算

 トヨタ自動車は5月9日、2018年3月期の連結決算を発表しました。本業の稼ぎを示す営業利益は、前期比20・3%増の2兆3998億円でした。過去最高の2兆8539億円(16年3月期)には及びませんでした。

 しかし、法人税などを差し引いた純利益は2兆4939億円で、トヨタ自身が16年3月期に記録した2兆3126億円を上回り、日本企業としては過去最高を更新するなどすさまじい利益を稼いでいます。

 最も利益を稼いでいるアメリカで、トランプ米政権が大幅な法人税の減税をしたことが理由です。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、前期より1兆8724億円増やして19兆4735億円になりました。20兆円の大台に届きそうな内部留保で、もちろんダントツで日本1です。

20 2018年3月期 決算要旨
(トヨタの決算プレゼンテーション資料から)

 売上高は、前期比6・5%増の29兆3795億円でした。グループのダイハツ、日野自動車を合わせた世界販売台数は、前期比1・9%増の1044万台でした。1000万台超えは5年連続ですが、微増にとどまっています。

 配当は、1株当たり220円で総額6426億円です(前期は1株当たり210円で、総額6275億円)。

 1年後の19年3月期の見通しは、前期比1・3%減の29兆円で、営業利益は4・2%減の2兆3000億円、純利益は15・0%減の2兆1200億円としています。
決算・経営計画 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2018/05/09 18:50

◎トヨタの新研究開発拠点 愛知県が造成地を引き渡す

 トヨタ自動車は、豊田市と岡崎市にまたがる山岳地帯に、テストコースなどの新研究開発拠点をつくりますが2月19日、土地を造成していた愛知県の大村秀章知事からトヨタの寺師茂樹副社長が引き渡しを受けました。

 山岳地帯とはいっても、トヨタ本社から東南へ15kmほどのところです。新東名高速道路や東海環状自動車道が近くを通る交通の要所です。徳川家康の先祖、松平氏が住んだといわれる豊田市松平とは目と鼻の先です。

 愛知県はここに、「豊田・岡崎地区研究開発施設用地造成事業」をすすめてきました。開発面積は、650・8㌶(東京ドーム約141個分、皇居約6個分)という広大なもので、愛知万博や中部国際空港島を上回るといいます。

 東工区、中工区、西工区の3つがあり、この日トヨタは、中工区(177㌶)の引き渡しを受けたものです。約3000億円をかけてテストコースや研究開発施設を建設する予定です。

トヨタテストコース 愛知県作成地図
(トヨタの新研究開発拠点の地図=愛知県のホームページから)

70 トヨタテストコース グーグルアース
(トヨタの新研究開発拠点の航空写真=グーグルアースから、2017年2月27日撮影)

 トヨタは、19年から稼働を始め、23年までに稼働を完了させる予定です。ここへの通勤は最終的に3850人にのぼる予定で、車3700台が通うとしています。

 11種類のテストコースが造成される予定。全長5・3kmの山岳コースは高低差が15mあり、多数のカーブとともに、自動車の耐久性や安全性などをテストします。

 トヨタは昨年12月、2030年にはEVとFCV(燃料電車)を合わせて世界で100万台以上の販売をめざす。EVは、2020年以降、中国を皮切りに導入し、加速させる。20年代前半には、日本、インド、米、欧州に順次導入し、世界で10車種以上販売する計画――を発表しました。

 新研究開発拠点は、こうした電動化の研究・開発を担うもので、静岡県の東富士研究所、北海道の士別試験場、愛知県豊田市の本社テクニカルセンターに次ぐ4つ目の拠点になります。

 大規模開発について、環境破壊の恐れが指摘されてきました。日本共産党の大村よしのり豊田市議が昨年12月の市議会で、市当局に環境アセスメントの評価書にもとづき、事業区域内の森林・谷津田(やつだ)の保全対策や周辺道路の渋滞対策などを求めました。

 市側は、▽維持管理する水田は8.8㌶、▽谷津田の維持管理については、土地引き渡し後にもトヨタがとりくんでいく、▽動植物に配慮しながら、水田内の水管理や畦の草刈りを適切に行っていく――などと答弁しています。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/02/22 10:16

◎トヨタ 研究開発減税841億円 16年度


 トヨタ自動車の2016年度の研究開発減税が841億円にのぼることが、「しんぶん赤旗」の試算でわかりました。日本の大企業でトップです。この4年間で何と4066億円もの巨額にのぼっています。

 研究開発減税の仕組みは、図のようです。安倍政権が国会に提出した報告書(租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書)は、企業名は非公表ですが、上位10社については個々の企業への減税額を公表していることなどから推定できるものです。

研究開発減税の仕組み


 報告書によると、16年度の研究開発減税は総額5926億円でした。うち89・5%に当たる5301億円が大企業(資本金10億円以上の企業および連結納税グループ企業)に適用されています。

 2位は日産自動車、3位はSUBARUとみられ、自動車大手が上位を独占する結果となりました。

研究開発減税 上位


 トヨタのこれまでの研究開発減税額は、13年度1201億円、14年度1084億円、15年度940億円です。減税額が減っているのは、度重なる法人税の引き下げなどで納める法人税額そのものが減少しているためとみられます。

 トヨタは、16年度に研究開発減税のほか賃上げ減税で116億円、投資減税で6億円の減税を受けています。安倍政権のもとで、大企業にはいたれりつくせりの減税です。

 一方、18年度の中小業者対策予算は約1700億円にすぎません。
決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/02/19 15:08

◎トヨタのモノづくり集団 決算発表で副社長が異例の説明

 トヨタ自動車の2018年3月期第3四半期決算発表(2月6日)では、河合満副社長(71)が「トヨタの競争力を支えるモノづくり」と題して約10分間、決算発表としては異例のプレゼンテーションを行いました。

 河合氏は、トヨタ技能養成所を卒業し、本社工場鍛造部などで働いた後、“現場のたたきあげ”として初めて役員になったと話題になった人です。昨年4月から副社長に就任しています。

 河合氏のプレゼンテーション資料によると、現在は「電動化、コネクテッド、自動運転など自動車産業は、100年に一度の大変革の時代」と強調。トヨタには、トヨタウエイ、トヨタ生産方式(ジャスト・イン・タイム=かんばん方式)の強みと、「課題や変化に挑戦しやりきるモノづくり集団」があると指摘しています。

 具体的な事例として、ロボット書道を取り上げ、美しい字を書かせるには人(匠)の技が必要としています。書道経験者がロボットに教えなくては、美しい字は書けないと説明しています。

12 ロボット習字
(河合満副社長のプレゼンテーション資料から)

 トヨタは車をつくる前に人をつくる、という“人間かんばん方式”の要諦を示したものでしよう。記者などへの決算発表の場で、なぜ、こんなプレゼンテーションを行ったのでしょうか?

 永田氏が語ったように自動車産業は、自動運転など100年に一度の大変革の時代です。自動運転技術を左右するのがAI(artificial intelligence=人工知能)です。

 週刊経済誌「ダイヤモンド」(2月10日号)は、「AI格差」の特集を組んでいます。このなかでビックリするのが「AIリストラ企業ランキング」です。同誌は、「AI革命は人が要らなくなる革命であり…その進展によっては『仕事が奪われる』という可能性を覚悟しなければならない」と指摘します。

 AIへの取り組み、社長在任期間、従業員数など5つの指標を偏差値化して合算、「AI化スコア」を算出しています。何とランキングのトップがトヨタ自動車です。

 こうした「AI化スコア」は、正しいのか? しかし、事務仕事をAI化し3万2000人の大リストラを発表しているのが3メガバンクです。

 みずほFGは26年度末までに1万9000人を削減、三菱UFJFGは23年度末までに9500人分の業務量を削減、三井住友FGは19年度末までに4000人分の業務量を削減…。

 AIリストラは現実のものになろうとしています。それにどう立ち向かうのか。AIなんて関係ない、わからないと言っておれなくなったのです。AI技術の“光と影”を見据えることが、もうそこまでやってきているのです。
決算・経営計画 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/02/08 10:57

◎トヨタ純利益、過去最高の2兆4000億円 3月期見通し

 トヨタ自動車は2月6日、2018年3月期(連結決算)の純利益の見通しを過去最高の2兆4000億円としました。これまで日本の大企業でも最高だった16年3月期の2兆3126億円を2期ぶりに更新します。

 同日開いた第3四半期決算発表で明らかにしたものです。

 純利益とは、営業利益に受取利息などの営業外収益を加えた後に、本業とは関係のない特別利益などを加え、法人税など税金を差し引いた後の企業の最終的な儲けのことをいいます。

14 18年3月期 見通し
(トヨタの18年3月期決算見通し=決算プレゼンテーション資料から)

 営業利益の見通しも2兆2000億円(前期は1兆9943億円)なのに、それを2000億円も上回るものです。トランプ米政権の大企業優遇の法人税減税で、「将来の税負担に備えた『繰り延べ税金負債』が減る」(日経、7日付)もので、3000億円近い増益要因になるといいます。

 グループの販売台数は、前期の1025万台から5万台を上積みし1030万台としました。国内では1万台減としたものの、北米では2万台増としました。

 トヨタのお家芸といわれる原価改善では、期首の見通しの900億円から1200億円に引き上げました。

              ◇

 気になるのは、これほどの好決算の見通しなのに、トヨタ労組が18春闘で提案した賃金引上げ額は、3年連続となる3000円です。賃金制度維持分を加えると1万300円ですが、満額獲得しても引き上げ率は2・8%にすぎません。

 18春闘では、安倍政権が3%の引き上げを求めたこともあって、引き上げ率が問題になっています。明日8日の評議会で要求額を決めますが、果たして3000円でいいのか、真剣な議論が求められるでしょう。
決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/02/07 09:47

◎トヨタ 世界販売、3位に後退

 2017年の世界の自動車販売で、1位がドイツのフォルクスワーゲン(VW)、2位がフランスのルノー・日本の日産自動車・三菱自動車の連合、3位がトヨタ自動車であったことが1月30日、明かになりました。

 トヨタが世界販売で世界1になったのは、リーマン・ショック時の08年(897万台)です。米GMの落ち込みが激しかったためです。以降10年までの3年間、世界1になりました。

 11年は、東日本大震災で部品の調達が滞り、3位に後退。12年から15年までの4年間は、ふたたび世界1位に。しかし、16年は独フォルクスワーゲン(VW)が1位で、2位に後退していました。

 17年で2年連続1位になったVWの世界販売台数は、前年比4・3%増の1074万1500台で過去最高でした。世界最大の市場の中国で5・1%伸びました。

 2位のルノー・日産・三菱自連合は、前年比6・4%増の1060万8366台と初の1000万台超えになりました。中国で12・2%増えました。内訳は、日産が581万台、ルノーが376万台、三菱自が103万台でした。日産が16年に34%を出資し、グループ化した三菱自の販売台数が加わったことでトヨタを追い越したものです。

20 トヨタの連結世界販売台数 (2)


 3位のトヨタグループは、前年比2・1%増の1038万6000台でした。内訳は、トヨタが938万台、ダイハツが81万台、日野が18万台でした。世界で1023万台を販売した14年以来、3年ぶりに過去最高を更新しましたが、この5年間、1000万台超で横ばいが続いています。

 トヨタは、2000年代前半に、アメリカなど海外に相次いで工場を建設して世界販売を急増させました。しかし、リーマン・ショックで4610億円の赤字を出して以来、工場建設を凍結。量を追うことに慎重になってきました。

 世界の自動車メーカーは、EV化、自動運転化など次世代車をめぐって、どのメーカーが主導権を取るのかの覇権争いになっており、量よりも質での競争が激化してきています。

決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/01/31 09:56

◎トヨタのテストコース 日本共産党の大村市議が豊田市議会で質問

 日本共産党の大村よしのり市議は、12月市議会の一般質問(12月6日)で、トヨタ自動車のテストコースを軸とした豊田・岡崎地区研究開発施設用造成工事について取り上げました。

 大村議員は、「県が行う土地の造成工事がすすみ、工事そのものと、トヨタ自動車に土地が引き渡された後もふくめて、該当区域の自然環境の保全が求められます」として次のように質問しました。日本共産党豊田市委員会の機関紙「豊田民報」(12月17日付)から転載させてもらいました。

……
 工事の進捗についての大村市議の質問に対して、答弁では、◆東工区…本年10月末で68%の進捗率 ◆中工区…本年8月に工事完了、今年度中にトヨタに引き渡す。◆西工区…本年9月に着工し3%の進捗率。◆全ての工区が2020年度に完了予定。◆トヨタの本体工事は2025年度までに整備予定。
と答えました。

70 テストコース位置 愛知県HP
(トヨタのテストコースがつくられる場所=愛知県のホームページから)

 大村市議は、テストコースへの多数の通勤車による周辺道路の渋滞対策を求めました。
 答弁では、◆通勤者数3850人、車3700台を想定しているとしながらも、◆道路整備で渋滞対策はとれているという認識を示しました。

 大村市議は、環境アセスメントの評価書にもとづき、事業区域内の森林・谷津田(やつだ)の保全対策を求めました。

 答弁では、◆維持管理する水田は8.8㌶。◆谷津田(やつだ)の維持管理については、土地引き渡し後にもトヨタがとりくんでいく。作業者は検討中。◆動植物に配慮しながら、水田内の水管理や畦の草刈りを適切に行っていく。
 と答弁しました。

テストコース2 愛知県HP
(トヨタのテストコース=愛知県のホームページから)

 大村市議は、事業区域内にある花山湿地周辺に愛知県のレッドリストに掲載されている絶滅危惧種が存在すると指摘。花山湿地の保全を提起しました。答弁では、◆レッドリストのキキョウ、マツムシソウが存在する。◆移管後、森林・谷津田里山の整備維持管理計画書にもとづきトヨタにより事業の管理がなされると答え、トヨタにより保全されるという認識を示しました。

 大規模に森を伐採した造成工事により、イノシシ・シカの農産物への獣害被害が増大していると大村市議は指摘。愛知県農業総合試験場などが開発した捕獲用の囲い罠「おりべえ」等による対策を提案しました。答弁では、◆下山地区の被害額がこの3年間で2300万円余になる。◆これからも、獣害対策への支援を行ってゆく。「おりべえ」の効果については検証している。と答えました。
……
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/12/27 18:47

◎法人税 何と安倍減税で12%程度に

 安倍政権が閣議決定(12月22日)した総額97兆円余の2018年度政府予算案と「税制改正」大綱。トヨタなど平均年収850万円を超える社員は増税になりますが、トヨタなど大企業の法人税は、大幅な減税になります。

 トヨタの社員が増税になることは、このブログ「トヨタで生きる」(12月16日アップ)で明らかにしました。増税は、年収900万円で年1・5万円、950万円で3万円、1000万円で4・5万円になるといいます。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2736.html

 一方、トヨタなど大企業は、いたれり、尽くせりの法人税の大減税です。法人税は、何と12%程度になるといいます。「しんぶん赤旗」(12月23日付)は、次のように指摘します。

……
 18年度予算案と「税制改正」大綱は「生産性革命」を看板にしています。その実態は大企業への優遇策です。

 予算案では人工知能(AI)技術とロボットを融合させた次世代技術の研究開発や、トラックの自動走行システムの実証実験などが盛り込まれました。

 公共事業では生産性革命として、物流ネットワークを強化するといいます。その中身は「迅速かつ円滑な物流の実現のため、三大都市圏環状道路や空港・港湾などへのアクセス道路の整備を推進する」というもの。「低金利」を活用して、高速道路への財政投融資も行うことも盛り込みました。結局、看板を変えて不要不急の大型プロジェクトを推進するのです。

大企業は大幅減税 2017122303_01_1d[1]
(しんぶん「赤旗」、12月23日付から)

 「税制改正」では生産性革命の目玉として「賃上げ減税」が盛り込まれました。これは一定の賃上げや投資を行った企業に対し、法人税額の20%まで税額控除ができるという制度です。

 賃上げした企業がさらに、IoT(モノのインターネット)など情報連携利活用設備などに投資した場合にも投資額に応じて、法人税額の20%まで税額控除ができます。

 賃上げ減税の恩恵を受けられるのは法人税を納めている企業だけです。加えてIoT投資ができるのは大企業に限られます。経営の苦しい中小企業が工夫して賃上げをしても1円も減税されません。

 大企業優遇税制の代表格である研究開発減税は法人税額の40%まで控除が可能です。大企業が研究開発減税と賃上げ減税を最大限活用すれば、法人税は8割引きとなり、地方税と合わせても企業の税負担は12%程度まで下がります。

 生産性革命は税制の面からも予算の面からも大企業優遇の新しい看板にすぎません。
……

 ブログ「トヨタで生きる」では、これまでも安倍政権のトヨタへの減税措置について明らかにしてきました。トヨタ1社だけで5500億円の減税(16年5月30日アップ)措置があるのです。

(1) この間の税率引き下げの効果=2200億円
(2) 研究開発減税などの租税特別措置=1200億円
(3) 受取配当益金不算入の効果=2100億円
 くわしくは、次のアドレスを見てください。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2159.html

toyota 本社地区
(トヨタ本社地区。正面のビルが本社)

 今回のさらなる安倍法人税減税で、実効税率は12%程度になるというのです。米議会は12月20日、トランプ大統領の法人税の大減税を受け入れ、連邦法人税率を18年から35%から21%に大幅に引き下げる法案を可決しました。そのトランプ大統領も真っ青になるほどの日本の大企業減税です。

決算・経営計画 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2017/12/24 10:32

◎トヨタ 18年の世界販売計画は1049万台

 トヨタ自動車は12月20日、18年(1月~12月)の世界販売台数の計画(ダイハツ、日野自動車をふくむグループ)を、過去最高の1049万台(前年比101%)と発表しました。

 内訳は、トヨタが950万台(同102%)、ダイハツが80万台(同98%)、日野自動車が19万5000台(同108%)です。

 17年の世界販売台数は、1035万台(同102%)と見込んでいます。1000万台を超すのは14年から5年連続の見込みですが、横ばい状態が続いています。

30 toyota 世界販売台数


 トヨタが世界販売で世界1になったのは、リーマンショック時の08年(897万台)です。米GMの落ち込みが激しかったためです。以降10年までの3年間、世界1になりました。

 11年は、東日本大震災で部品の調達が滞り、3位に後退しました。12年から15年までの4年間は、ふたたび世界1位に返り咲きました。しかし、16年は独フォルクスワーゲン(VW)が1位になり、2位になりました。

 17年前半(1~6月)は、三菱自動車を傘下にした日産・ルノーグループが1位になり、トヨタはVWに次いで3位になっています。

 世界の自動車メーカーは、“1000万台クラブ”といわれるトヨタ、VW、GM、日産・ルノーグループの激しい覇権争いになっています。
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/12/21 16:03

◎EV、FCVは30年に100万台以上を トヨタ

 なかなか電気自動車(EV)の商品化の見通しを明らかにしなかったトヨタ自動車が12月18日、2030年にはEVとFCV(燃料電車)を合わせて世界で100万台以上の販売をめざすことを発表しました。

 EVは、2020年以降、中国を皮切りに導入し、加速させるとしています。20年代前半には、日本、インド、米、欧州に順次導入し、世界で10車種以上販売する計画です。

 EV化技術の決め手になるのが電池です。現在のリチウムイオン電池に代わって大容量化が可能ではないか、といわれる全固体電池を、2020年代前半の実用化をめざし開発をすすめる計画です。

(コンセプトカーの「愛i」)
(トヨタが10月の東京モーターショーで展示したコンセプトカーの「愛i」)

 世界の先陣を切って2014年に量産化したFCV(ミライ)は、20年代に乗用車、商用車のラインアップを拡充するとしています。

 トヨタが1997年にプリウスで世界に先駆けたハイブリッド車(HV)とPHV(プラグインハイブリッド車)、EV、FCVを含めた電動車では、30年に550万台以上の販売をめざします。

 また、25年ころまでには、電動車、電動グレード設定車へと拡大することにより、エンジン車のみの車種はゼロとなる見通しです。

 得意のHVについては、システムを高性能化し、ハイパワー型、簡易型など多様なシステムを開発し、商品ラインアップを拡充するとしています。PHVは、20年代に商品ラインアップを拡充するとしています。

 今回、EVへのシフトを明らかにしながらも、一挙にEV化はすすまないとして、利益の源泉のHVにこだわる計画になっています。

 世界1の販売を競い合っている独VW(フォルクスワーゲン)は、25年までに50車種のEVを投入し、年300万台以上販売する、米GMは23年までにEV・ECVで20車種以上を発売する計画です。

 日本国内では、リーフでEV化の先頭に立った日産自動車と三菱自動車・仏ルノー連合は、22年までに12車種のEVを投入し、世界販売の3割を電動車にする計画です。

 世界各国の政府が厳しい環境規制を強めるなかで、EV化の急速な流れとなった2017年。世界の自動車メーカーと自動運転化で先陣を切ってきた米グーグルなどのIT企業は、20年代を見据え、激しい覇権争いに突入しようとしています。
決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/12/19 19:06

◎経済誌 経団連は「安倍政権に盲従」

 週刊経済誌『ダイヤモンド』(11月18日号)が、「右派×左派」の特集を組んでいます。このなかで日本経団連について、「今の経団連は安倍政権に盲従し、二者の距離はかつてないほどに縮まっているように見える」と批判しています。

 さらに、「『金集めの代理業』に励む」などと経済誌としては辛口の見出しを立てています。これは、1970年代に経団連会長だった故・土光敏夫氏が、「経団連政治献金の金集めの代理業はやらない」と自民党に異論をのべたことがあったことと比較し、現在の経団連へ痛烈な皮肉を飛ばしているものです。

 土光氏は、「保守党が正道を歩んでもらいたいために、正論を吐いたつもり」と語っていたといいます。経団連はその後、国民の批判を受けて自民党への献金のあっせんを中止したり、再開したりしてきました。

 現在の経団連会長は、東レ相談役の榊原定征氏。自民党への政治献金のあっせんを続けています。「ダイヤモンド」は、このなかで2015年の企業・団体別の献金額ランキングを掲載しています。

20 ダイヤモンド 政治献金
(『ダイヤモンド』、11月18日号から)

 トップは、トヨタ自動車の6440万円。日本の大企業で、ダントツの2兆円利益を稼いでいるトヨタは、15年に限らず、ずっとトップです。2位は、東レの5000万円、3位はキヤノンの4000万円、4位は住友化学の3600万円、5位は新日鉄住金の3500万円です。

 いずれも経団連会長を出した大企業です。新日鉄住金は、最多の3人が会長を務めたことがあります。これに次ぐのがトヨタで、豊田章一郎、奥田碩の両氏が会長を務めました。

 営利企業の大企業が、多額の政治献金を自民党にしているのは、見返りがあるからです。政権党の自民党に献金することで、経団連の要求を実現させようというものです。

 たとえば法人税の減税や研究開発減税などです。「ダイヤモンド」は、「経団連の露骨な政権擦り寄り」と揶揄するほどです。同誌は、政治献金について日本共産党が「腐敗政治の温床」と主張していることを紹介しています。“正論を吐いている”のが日本共産党です。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/11/17 09:40
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