◎経済誌がいっせいにEV特集

 10月16日発売の週刊経済誌が、いっせいにガソリン車から電気自動車(EV)化への特集を組んでいます。「ダイヤモンド」が「パナソニック・トヨタが挑むEV覇権」、「東洋経済」が「日本経済の試練 EVショック」です。

 「日経ビジネス」は、「トヨタは変わったか? 実像を知る100人の証言」のタイトルでEV化、自動運転化でトヨタは乗り切れるかを特集しています。申し合わせたようにEV化にいっせいに取り組んでいます。

 ちなみに16日のNHKの「クローズアップ現代」も、世界のEVシフトがテーマでした。それだけ、世界でのEV化への加速度的な動きが今、大きな焦点になっています。

ダイヤモンド EV

東洋経済 EV

日経ビジネス EV


 このうち、「ダイヤモンド」は、「トヨタの誤算」の見出しで、「具体的なEV戦略を明らかにしない企業がある。トヨタ自動車だ。わずかな誤算が生んだ遅れを、トヨタは挽回することができるのか」と指摘します。

 昨年12月に発足した「EV事業企画室」に、デンソーやアイシン精機、豊田自動織機などからの出向者をふくめ30人以上になっているものの、社内外からは「組織としての動きは遅い」との評価を紹介しています。

 一方、開発にかかわるエンジニアからは、「EVを造れと言われれば明日にでもできる」などとトヨタマンたちの本音を伝えています。豊田章男社長が、「EVだけとか、決めつけていくことをわれわれは今は考えていません」との語った言葉にふれています。

 豊田社長は、成功したハイブリッド(HV)車、真っ先に量産化した燃料電池車(FCV)、それにガソリン車、EV車など全方位で対応する考えなのでしょうか。

 7年前にEVリーフを発売し、日本のEV化の先頭を切った日産自動車。この9月にリーフ2代目を発売しました。日産・ルノー・三菱自動車をたばねるカルロス・ゴーンCEOは、9月に2022年までの中期経営計画を発表しました。

 「ダイヤモンド」誌は、その中期経営計画について、EV、PHV(プラグインハイブリッド)などをふくむ電動化比率を全体の30%にする、1回の充電による航続距離の600kmを達成する――などとしているが、“大風呂敷”と指摘します。

 現状は、EVの販売比率は1%未満であり、15分間の急速充電で90kmをしか走れないなどをあげ、今後5年間で可能かと疑問を投げかけています。

 しかし、日産グループはリーフを発売し、青写真を示しているのに、トヨタは、「ダイヤモンド」誌に言わせれば、「具体的なEV戦略を明らかにしない企業」なのでしよう。

 現場では、「明日にでもできる」という声があるのなら、日産グループのようにEV戦略をふくめた経営計画を明らかにするべきではないでしょうか。雇用問題、関連・下請けの部品減少問題などEV化は大きな問題をはらんでいるからです。
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決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/10/19 11:08

◎ルノー・日産が2022年の販売は1400万台と発表

 2017年の上半期の世界販売で、フォルクスワーゲン、トヨタ自動車を上回りトップにたったルノー・日産自動車グループ(約526万台)は9月15日、新たな6か年計画「アライアンス2022」を発表しました。

 アライアンスは、提携、同盟の意味で、三菱自動車を傘下におさめ、半期で初めて世界販売トップになりました。2022年には、さらに1400万台を販売するという計画です。

 トヨタ自動車は、ルノー・日産グループのような中期経営計画は発表していません。カルロス・ゴー氏が、ルノー・日産アライアンスの最高経営責任者(CEO)です。

 日産自動車のホームページには、「アライアンス2022」が掲載されています。

 それによると、電気自動車(EV)では、これまで世界でもっとも販売した「リーフ」(2010年発売で、累計約28万台)を9月にモデルチェンジをしたばかりですが、その勢いでEVシフトをいっそう強めています。

日産 新型リーフ
(日産の新型リーフ)

 さらに、世界の自動車メーカーやグーグルなどIT産業が雪崩をうって開発を強めている自動運転やコネクテッド(ネットでつながる車)カーなどで、世界覇権を握ろうとする野心的な計画にあふれています。

 具体的には、3社で――。
・4つの共通プラットフォームにより、900万台以上をカバー
・共通パワートレインの比率を全販売台数の3分の1から4分の3に上昇
・電動(EV)化、自動運転、コネクテッド技術の共有により、さらなるシナジー(相乗効果)を創出

・EV用の共通プラットフォームおよび共用部品を活用し、100%EVを新たに12車種投入
・自動運転(AD)技術を40車種に搭載
・無人運転車両による配車サービス事業への参画


 経営危機に陥っていた日産自動車に1999年、ルノーから乗り込んだゴー氏。村山工場(東京都)などの閉鎖や部品の共通化、下請けの選別化などで、“コストカッター”と呼ばれるほどのリストラを強行したことで知られています。

 ハイブリッドカーでトヨタに出遅れたことから、EV化の流れをチェンスト見て、現在1000万台販売の3社を6年間で1400万台へと一気に引き上げようというものです。
決算・経営計画 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/09/19 16:23

◎「EVにあらずんば、クルマにあらず」

 ドイツのフランクフルト・モーターショーが始まりました。ネットで車をウオッチしている「Response」は、平家物語の一節を借りて、「EV(電気自動車)にあらずんば、クルマにあらず」と同モーターショウの特徴を伝えています。

 フランス、イギリスが2040年以降はガソリン車の販売を禁止する政策を打ち出し、中国もそれに追随しようとしているなかで、確かにEVシフトは鮮明です。熱に浮かれたようにEV、EVです。

 地元の独BMWは、EVコンセプトカーの「iビジョン・ダイナミクス」を初公開しましたが、1回の充電で何と600kmも走ることができるといいます。日産が9月にモデルチェンジしたリーフは400kmです。その1・5倍も走れるというから驚きです。

レスポンス フランクフルト BMWのEV
(BMWのEVコンセプトカーの「iビジョン・ダイナミクス=「Response」から」

 日経(13日付)は、独VWの動きを、「25年までに独アウディなどグループ全体で50車種以上のEVを投入する。30年までの開発などにかかる投資は200億ユーロ(約2兆6千億円)で、これとは別に電池の調達に500億ユーロ規模を費やす」などと伝えています。

 日本のメーカーはどうか? ホンダが「アーバンEVコンセプト」を公開。八郷隆弘社長が、このモデルをベースにしたEVを19年に欧州で発売すると語ったといいます。

 トヨタは、というとテレビでブースが映りましたが、EV化の動きを伝えていません。トヨタのホームページもフランクフルト・モーターショーについて探しましたが見つかりませんでした。

日経 フランクフルト
(日経新聞、9月13日付から)

 日本では2年に1回の東京モーターショーが10月27日から始まります(11月5日まで)。自動車生産で世界のトップを走る日本が、フランクフルト・モーターショーのようにEVシフトを鮮明にするのでしょうか?

決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/14 11:40

◎米IT5大巨人 手元資金のすごさ

 日経新聞が、米IT5大巨人の手元資金(現預金や換金性の高い有価証券、貸付金などの合計)が、日本の税収(16年度で約55兆円)を上回っているという記事を掲載している(9月5日付)。

 IT5大巨人とは、アップル、フェイスブック、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトのこと。

 日本で最大の手元資金を持つ大企業は、トヨタ自動車の16・6兆円。これに対し、IT5大巨人のアップルは28・8兆円で、トヨタの2倍近くになる。

 マイクロソフトは15・2兆円、アルファベットは11・1兆円、フェイスブックは3・9兆円、アマゾンは2・5兆円と続く。6月末で、5社で約62兆円にもなる。

IT5大巨人
(日経新聞、9月5日付から)

 この5社は、人工知能(AI)やあらゆるものがネットにつながるIOT(Internet of Things)という「第4次産業革命」のトップ企業群でもある。

 自動車産業は今、ガソリン車から電気自動車へ、AI技術を中核にした自動運転へと急速に変貌しようとしている。自動車メーカーの競争相手は、グーグルなどIT企業に取って代わっている。

 そうした5大IT企業の膨らむ潤沢な手元資金。日経の記事は、世界の自動車産業の覇権争いを、手元資金面から示しているように見える。
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/09/07 08:28

◎トヨタ ネット資金量7兆8000億円

 トヨタ自動車の総資金量が9兆3640億円の巨額にのぼっています。8月4日に発表した2018年3月期第1四半期(4~6月)で明らかにしています。

 総資金量は、現金および現金同等物や定期預金、有価証券、投資有価証券(株式を除く)などを合計したものです。金融事業を除いた自動車事業の手元資金をあらわすものです。

 このうち有利子負債残高を差し引いたネット資金量は7兆8728億円にのぼります。この4~6月のわずか3カ月間で、17年3月末より1097億円増やしています。

 トヨタが決算のプレゼンテーションで、こうした表を明らかにするのは、これまでなかったことです。

15 ネット資金量 201803 4~6


 トヨタは、第1四半期決算で18年3月期の営業利益見通しを、1兆8500億円と発表しました。2期連続の減益見通しとはいえ、2兆円に迫る巨額の利益です。もちろんダントツの日本1です。

 内部留保の大部分を占める利益剰余金は、17兆8837億円にもなっており、これも圧倒的に日本1です。
決算・経営計画 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2017/08/08 08:59

◎トヨタ 今期の営業利益見通し1兆8500億円

 トヨタ自動車は8月4日、2018年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表しました。このなかで、18年3月期の営業利益見通しを、期首より2500億円増やし1兆8500億円と発表しました。

 2期連続の減益になるものの、前期並みの2兆円に近い営業利益を確保する見通しです。期首より5円の円安にふれていることやお家芸の原価低減で利益を押し上げるとしています。

 ダイハツと日野自動車を含めたグループの世界販売台数は、前期並みの1025万台で、期初の見通し通りとしました。

18年3月期見通し 第1四半期
(トヨタの決算プレゼンテーション資料から)

 17年1~6月の世界販売では、日産・三菱自動車・ルノー連合が独フォルクスワーゲンやトヨタを抜いて初めて世界1になりました。3グループの1000万台をめぐる激しい争いが続きそうです。

 販売台数は、日本や欧州で上方修正しました。北米は、ガソリン安でSUVなどが好調ですが、プリウスなどのセダンが苦戦のため引き下げました。

 決算発表では、「2期連続の減益を回避すべく、収益改善策の更なる積み上げに取組む」としています。

 また、プレゼンテーション資料では、異例ともいえる「競争力強化に向けた取り組み」と題した「攻め」「守り」「働き方改革」の具体例を示しています。

 「攻め」では、「重点分野(自動運転、AI、次世代環境車等)への研究開発 リソーセスシフト」などを、「守り」では、「カンパニー制を活かした即断即決による需給ギャップの早期解消」、「働き方改革」では、「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による定型業務の自動化(レポート作成、問合せ対応等)」などをあげています。

 この日発表した4~6月の連結決算では、営業利益が前年同期比11%減の5742億円になったものの、販売台数は前年同期比で6万台余り増え259万台になったといいます。

決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/08/06 07:43

◎トヨタの大株主 カストディアンとは?

 トヨタ自動車は、2017年3月期の有価証券報告書を6月23日、金融庁に提出しました。このなかに大株主として上位10位までを公表しています。

 1位は、「日本トラスティ・サービス信託銀行」で、全株式の11・01%を保有しています。2位は、トヨタ自動車の親会社の豊田自動織機で6・33%。3位が「日本マスタートラスト信託銀行」で4・7%です。

 豊田自動織機はわかりますが、「日本トラスティ・サービス信託銀行」とか、「日本マスタートラスト信託銀行」とは何でしょうか? この疑問に答えてくれるのが、『財界支配――日本経団連の実相』です。

直 トヨタ 大株主 2017年3月期


 日本共産党の佐々木憲昭・元衆院議員が16年1月に出版した本です。トヨタなど経団連の役員企業を1970年代から約50年にわたって、自民党政府とのつながりや売上、利益の海外依存度の変化、株主の変化、税・金融政策、軍事産業などにわたって詳細に分析した力作です。

 以下は、本書からの引用です。カタカナ名の2つの信託銀行は、カストディアンといわれる、投資家に代わって有価証券を管理・保管する業務に特化した信託銀行・資産管理信託会社のことです。

 カストディアンの背後にいるのが資産運用会社であり、そのウラには資金の直接の出し手である投資家がいること。投資家は、年金基金、保険会社などの機関投資家が中心ですが、ヘッジファンドの投機スジもあるといわれています。

 カストディアンは、投資家の代理人で、「常任代理人業務」(カストディ)が名称の由来です。

 「日本トラスティ・サービス信託銀行」は、三井住友トラスト・ホールディングス系が2000年に設立したものです。「日本マスタートラスト信託銀行」も同年に、三菱UFJ信託銀行系が設立したものです。

 トヨタの大株主の9位の「資産管理サービス信託銀行」もカストディアンで、みずほフィナンシャルグループ系です。トヨタの1・63%の株を保有しています。3つのカストディアンは、3大メガバンクの系列ごとに設立されたものです。

 また、アメリカを中心とするグローバル・カストディアンもあります。トヨタの大株主5位の「ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー」が、それにあたります。

10 財界支配 佐々木憲昭


 経団連役員企業では、1970~90年までは、大株主上位10位に占める日本と世界のカストディアンはゼロでしたが、2015年には6割を超えるまでに急速に増えました。役員企業は、カストディアンの圧倒的保有化に置かれているのです。

 カストディアンの最大の目的は、「保有資産の収益最大化を目指すこと」に置かれ、「運用収益を上げること」が「忠実義務」となっていることから、株主として企業に収益力向上と株主への利益還元を増進させるテコとなっています。

 実際、トヨタの株式配当は、リーマン・ショック時の巨額赤字を抜け出した後の12年3月期の1株50円から急激に上昇し、17年3月期は210円と4倍以上です。配当総額も1577億円から6275億円へと4倍になっています。

 17年3月期は営業利益が8595億円も減ったにもかかわらず、前期並みの1株210円を維持しました。株主ファースト、しかも日米のカストディアンに、トヨタの労働者が汗水して働いて上げた利益の大半が持っていかれるのです。

決算・経営計画 | コメント(15) | トラックバック(0) | 2017/07/07 08:30

◎豊田社長礼賛が相次ぐが トヨタ株主総会

 トヨタ自動車の株主総会が6月14日、豊田市のトヨタ本社で開かれた。従業員の持ち株主として持ち続けてきたので毎年、出席している。本社周辺が渋滞するので早めに家を出て8時30分過ぎに着いた。

 豊田章男社長の顔の見える第1会場に入ることができた。今年は第6会場まで設けられ、5227人と過去最高の株主が集まった。

 トヨタの17年3月期決算(連結)は、営業利益が円高などで前期より8595億円減って1兆9943億円になった。18年3月期も3943億円減って1兆6000億円の見通しである。

 2期連続で減益になる見通しのなかで、株主配当は1株当たり年210円と前期並みを維持した。一方で、社員への賃上げは前年の1500円から1300円へと減らしている。

株主総会 記念品 (2)


 株主ファーストのせいか、20人近くの質問があったが、豊田社長をほめたたえるものが多く、世界の自動車会社が激しい競争をくり広げるなかで、緊張感が感じられなかった。

 自動車産業は、ガソリン車に代わる次世代車は、ハイブリッド車か、電気自動車か、燃料電池車かと激しい争いをしている。AI(人工知能)を使った自動運転では、グーグルなど米IT企業と熾烈な競争の中にある。

 昨年の世界販売では、独VWに抜かれ2位に退いた。トヨタは、これからどうするのか? ある株主は、巨額の手元資金の使い道を質問した。豊田社長ら幹部は、他の企業との合併・買収をはじめ毎年1兆円規模の研究開発投資を続けることや自動運転技術など未来への投資について語った。

 豊田社長が好きだと言う男性は、社長を持ち上げる話を延々と続け、議長席の豊田社長から、「ところで質問はなんですか」とうながされ、会場から失笑がもれた。

 議案の採決は、「原案通り承認をうけたまわりますようにお願いします」というだけだ。トヨタ全株の8割は、メガバンクや証券、外資などの法人だ。事前に承認を取り付けているのだろう。

株主総会 記念品 (1)


 残り2割のほどの個人株主のなかの少数が総会に参加していても、株総数でいうと微々たるもの。最後に、豊田社長は、涙ぐみながら声を詰まらせて感謝の言葉をのべた。会場からは激励の声が出た。情緒的な雰囲気が全体に漂っていた。

 中日新聞は、この日の紙面で、豊田社長が株主総会を「1年で1番楽しい日」と語っていることを載せていたが、その通りの総会になった。

 株主への記念品としてWRC(国際自動車連盟が主催する世界ラリー選手権)2017で入賞を果たすなどしているヤリス(日本名ではヴィッツ)のミニチュアが配られた。「孫へのお土産になったよ」と語る年配の株主がいた。

               ◇

 この記事は、6月16日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/06/15 16:37

◎運転は楽しいですか? 伊勢専務が語るAIと水素

 月刊『文芸春秋』(2017年6月号)で、トヨタ自動車の技術責任者の伊勢清貴専務役員・先進技術開発カンパニープレジデントが同誌のインタビューに応じ、これからトヨタは「AIと水素で勝負する」と率直に語っています。

 100年に一度といわれる自動車業界の大変革の時期に必要なのは、AI(人工知能)とEV(電気自動車)ではなく水素で走るFCV(燃料電池自動車)の2つだと断定しており、これからのトヨタの技術の方向を示す興味深い内容です。

 AIは、車の自動運転に不可欠な技術で、世界の自動車メーカだけでなく、グーグルやアップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、IBMなど主にアメリカのIT大企業が激しく争っています。

 トヨタは、2016年1月にIT技術の集積地の米シリコンバレーに、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)を設立しました。ギル・プラット氏が最高経営責任者に就任します。

 ギル氏は、アメリカのAI研究の第一人者で、伊勢専務は同氏とロボットコンテスト会場の片隅で仮契約のサインを交わした秘話を明かしています。ギル氏がトヨタにとって、それほど必要だったのでしょう。

文春 伊勢専務
(『文芸春秋』6月号で語る伊勢清貴専務役員)

 ここからが面白いところで、伊勢専務はトヨタがめざす自動運転の最終ゴールは、「『無人運転』ではありません」と語り、「自動車を愛のない『道具』にしたくない」といいます。

 うん? トヨタの自動運転の考えは、「ハンドルを握る楽しさ」だというのです。自動運転とは、運転できないとき、疲れたときのサポートをするのがトヨタのコンセプトだというのです。

 トヨタの豊田章男社長は、「モリゾー」の名で自動車レースに参加し、「もっといいクルマを」と社員に呼びかけるなど、常に「ハンドルを握る楽しさ」を語っており、その考え方が色濃く反映しているのでしょう。

 車を単なる移動の手段とするのではなく、運転する喜びを楽しみたいというのです。車はスポーツカーもあれば、高級車、大衆車、軽自動車などと広がっています。

みらい
(トヨタのFCV・ミライ)

 日本では、JRのローカル線廃止が相次ぎ、地方の移動手段は過疎化、高齢化と重なって深刻です。さらに高齢者ドライバーのブレーキとアクセルの踏み間違いなどの事故が社会問題になっています。

 高齢化による免許証の返納運動も強まっています。“買い物難民”という言葉さえ生まれています。喫緊の課題としては、自動ブレーキなどを車の標準装備にするなどして事故を未然に防ぐことが必要ではないでしょうか。

 伊勢専務のインタビューを読みながら、スポーツカーや高級車に乗って運転を楽しむとともに、トヨタが率先して車の事故ゼロをめざしAI技術を磨いて欲しいと思いました。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/06/01 15:19

◎トヨタ 株主配当は維持、賃上げはダウン

 トヨタ自動車の17年3月期決算(5月10日発表)で、株主配当は16年3月期決算と同じ1株当たり年210円と発表しました。営業利益が8595億円減る中での維持です。

 表のように、株主配当はリーマン・ショック時の巨額赤字を抜け出した後の12年3月期の50円から急激に上昇し、17年3月期は4倍以上です。配当総額も1577億円から6275億円へと4倍になっています。

20 株主配当 17年3月期
(トヨタの株主配当=トヨタの17年3月期決算のプレゼンテーションから)

 一方、私たち働く者の賃上げは、09春闘から13春闘までの5年間、ゼロです。14春闘で2700円、15春闘で4000円、16春闘で1500円、17春闘で1300円です。

 株主配当は、増やすか、維持するかで、12年3月期から一度もダウンしていません。会社は、株主も取引先も従業員も同じステークホルダーとしていますが、従業員=組合員にあまりにも冷たいと思いませんか。

 トヨタの株式は、金融機関や法人、外国法人などが大部分を占め、「個人その他」は21・16%にすぎません(16年3月期決算)。総額6275億円というばく大な配当金の大部分は、金融機関などへ吸い取られていきます。

 私たちトヨタの労働者が汗水して働いて稼いでも、労働者や下請けに還元されるのはあまりにも少ないのです。自民党政権がアメリカから直輸入してきた新自由主義経済の下で、「大株主ファースト」が年々、強くなっていきます。

 「大株主ファースト」に、ノーを突き付けようではありませんか。
決算・経営計画 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2017/05/12 17:58

◎それでも2兆円の利益 トヨタ17年3月期決算

 トヨタ自動車は5月10日、2017年3月期決算(連結)を発表しました。営業利益は、16年3月期より30・1%減の1兆9943億円でした。アベノミクスの円安で、利益が大幅にかさ上げされていたのが終ったとはいえ、それでも日本の大企業のなかで突出した約2兆円の利益を確保しています。

 今期(18年3月期)も、トヨタが連続して減益見通し(営業利益1兆6000億円)していることから、トヨタが苦戦しているかのようなメディアの報道が目立ちますが、上場製造業の利益の約1割をトヨタ1社が稼ぐというすさまじさです。

 17年3月期決算は、売上高は16年3月期比2・8%減の27兆5971億円、販売台数は1・6%増の1025万台で、過去最高を2年ぶりに更新しました。16年(暦年)の世界販売台数では、ドイツのフォルクスワーゲンに抜かれて2位になっています。

25 トヨタ17年3月期 利益要因
(トヨタの17年3月期の連結営業利益の増減要因=トヨタの決算プレゼン資料から)

 営業利益が約3割減った最大の原因は、円高に振れたため(1ドル12円円高の108円)で、為替が9400億円の減益要因になっています。その一方で、トヨタのお家芸の原価改善は4400億円もの増益要因になっています。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、前期より8068億円も増やし、日本の大企業でダントツの17兆6010億円に達しています。

 株主に対し、営業利益が3割減にかかわらず、前期並みの1株210円を配当(総額6275億円)するとしています。

 18年3月期の見通しは、売上高を17年3月期比0・4%減の27兆5000億円、営業利益を19・8%減の1兆6000億円、販売台数を1000台減の1025万台、為替はさらに3円円高の1ドル=105円になるとしています。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/05/11 16:10

◎トヨタ 大幅な組織再編、期間従業員募集の再開も

 トヨタ自動車が4月から大幅に組織再編をするとともに期間従業員の募集を再開しています。

 トヨタでは、機能軸から製品軸にしたカンパニー制を16年4月に導入。さらにこの4月からは、事務・技術などをたばねる「ヘッドオフィス」と10のカンパニーから成る「ビジネスユニット」(地域軸・製品軸)に分けています。

 意思決定の迅速化として取締役を12人から9人に減らします。代表取締役は会長の内山田竹志氏と、社長の豊田章男氏の2人だけになります。

80 トヨタ 17年4月から組織再編
(ネットの「MONOist」から)

 期間従業員は、4月3日付の中日新聞やネットで募集しているものです。これまで、プリウスの生産ダウンなどで中止していました。

 部品をつくる衣浦工場では、休日出勤や残業増、他工場からの応援に加え、昨年12月からは連続3交代制に入っています。多くの車種を組み立てている高岡工場では、RAV4を3月にキックオフ、9月にラインオフという6カ月の超短期の生産準備をしています。

 一方で、元町工場では4月からオール1直生産に入るなど、工場によって繁閑の差が激しくなっています。

 期間従業員の再募集は、4月17日か、5月8日から出社可能の労働者としています。日給は9800円から1万600円(トヨタでの経験回数による)です。特別手当として10万円を支給するとしています。

中日新聞 期間従業員募集 201704
(中日新聞、4月3日付広告から)

 初回の契約は3カ月で、1回目の契約更新は3カ月、2回目から5回目は6カ月、6回目は5カ月で最長2年11カ月です。4、5月の入社限定で、初回の更新特別手当として10万円を支給するとしています。

 期間従業員からの正社員登用もあり、2016年度実績として377人を登用したとしています。募集にあたっての「Q&A」で、「仕事はキツイですか?」との問いに「決して楽ではありません。しかし2時間ごとに休憩を入れるなどの配慮がされています」としています。

決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/04/07 13:19

◎トヨタ 17年3月期の営業利益 1500億円上方修正

 トヨタ自動車は2月6日、2017年3月期(連結)の第3四半期決算(16年4~12月)を発表しました。このなかで、3月期の営業利益の見通しを1500億円上方修正し、1兆8500億円としました。

 為替レートを、1ドル103円から107円へと円安方向に見直したためです。しかし、前年に比べると引き続き円高水準にあるため、前期の2兆8539億円より約1兆円減益になる見通しです。

20 トヨタ 17年3月期 見通し
(17年3月期の見通し=トヨタの決算プレゼンテーションから)

 また販売台数の見通しも、5万台上方修正し、1015万台としました。前期は、1009万4000台でした。研究開発費の見通しは1兆700億円、設備投資の見通しは1兆3400億円で、それぞれ据え置きました。

 4~12月の9カ月間の営業利益は、1兆5554億円で、前期より円高などで7502億円減りました。販売台数は、771万2000台で、前期より8万台増えました。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、前期より4112億円増やし、17兆2054億円になりました。日本の大企業で突出しています。

 「アメリカ ファースト」をかかげ、国内での雇用増を訴えるトランプ米大統領は、メキシコで生産し、米国に輸入しているトヨタなど日本の自動車メーカーを標的にしています。

 これに対し豊田章男社長は、今後5年間、米国で1兆1000億円余を投資することを明らかにしています。トランプ政権のもとで、米国で最も利益を稼ぐトヨタがどうなるかは見通せない状況です。

決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/02/08 18:04

◎レクサス 16年の世界販売は67万台

 トヨタ自動車は2月2日、レクサスブランドの2016年の世界販売は、67万7615台(前年比104%)だったと発表しました。4年連続で過去最高を更新しました。

 トヨタは、「NXや15年後半に投入した(多目的スポーツ車=SUVの)新型RXなどが販売を牽引した」としています。地域別では、中国や東アジア・オセアニアで増えましたが、北米や中東では原油安で減りました。

 国内販売は、5万2149台で前年比108%になりました。17年は、ラグジュアリークーペLCの発売や、フラッグシップセダンLSを発表するとしています。

レクサスRX
(レクサスRX)

 16年の地域別の販売は次の通りです。

 北米 35万4813台(前年比96%)
 中国 11万239台(前年比125%、香港を含む)
 欧州 7万4316台(前年比117%)
 日本 5万2149台(前年比108%)

 中東 3万9581台(前年比89%)
 東アジア・オセアニア 3万5900台(前年比118%)
 その他 1万617台(前年比113%)

70 レクサスの車名の由来
(レクサスの車名の由来=「トヨタ自動車75年史」から)
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/02/05 20:25

◎VWがトヨタ抜いて初の首位 16年の世界販売

 トヨタ自動車は1月30日、2016年のグループのダイハツ工業、日野自動車をふくむ世界販売台数、世界生産台数などを発表しました。

 それによると、世界販売台数は、前年比0・2%増の1017万5000台でした。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、3・8%増の1031万2400台でした。VWがトヨタより13万7400台上回り、初めて世界1になりました。

 トヨタは、12年から4年連続1位でしたが2位に後退しました。トヨタがGMを抜いて初の世界1になったのは、2007年。10年まで世界1位でしたが、11年の東日本大震災で、大幅生産減になって3位に後退。12年には1位に戻っていました。

 世界の自動車メーカーは、「1000万台クラブ」といわれるように、VW、トヨタ、GM、三菱自動車を子会社化した日産・ルノーグループが1000万台の大台をめぐって激しい競争をくり返しています。

60 トヨタ 2016年生産・販売


 初の世界1になったVWは、排ガス不正問題などで15年に1位の座を逸しましたが、世界最大市場の中国で販売を増やしました。トヨタは、ダイハツが軽自動車の増税で前年割れになったのをはじめ、ドル箱のアメリカで原油安のためにプリウスなどの販売が伸び悩みました。

 トヨタグループの17年の販売計画は、1020万2000台(16年比0・2%増)です。VWは公表していませんが、しばらくはVWの世界1が続きそうです。

 トヨタ単体(トヨタ、レクサスブランド)の国内生産は316万6000台で、「雇用を守るために300万台は死守する」(豊田章男社長)はクリアーしました。

 トヨタ単体の海外生産は、580万7000台で、海外生産比率は64・7%に達しました。トランプ米大統領が、アメリカでの生産を世界の自動車メーカーに求めるなかで、海外生産は波乱要素をふくんでいます。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/01/30 16:54

◎AI搭載車でしのぎけずる 米ラスベガス

 米ラスベガスで1月5~8日まで開かれている「CES(セス)」(家電・技術見本市)では、これまでのテレビやスマホが注目された時代から人工知能(AI)搭載した車などが注目される時代へと様変わりしています。

 AI搭載車は、自動車メーカーだけでなく、グーグルなどIT関連企業も参入しています。世界の自動車メーカーは、グローバルでの「1000万台クラブ」(1000万台を生産・販売する企業)に入るかどうかという「量」の面と、AIという「質」の面の両方を制した企業が次世代の覇者となる激烈な競争の時代を迎えています。

 トヨタ自動車はCESで、AIを搭載したコンセプトカー「TOYOTA Concept―愛i」を発表しました。トヨタは、「ドライバーの感情、疲労度、覚醒状態に応じて、視覚や触覚などの五感に働きかけ自律神経を刺激し、より安全運転に誘導する」としています。

8 コンセプト I愛
(「TOYOTA Concept―愛i」)

 そして、「人工知能により人を理解し、ともに成長するパートナーとして、人とクルマの新たな関係を創造」としています。今回のコンセプトカーの一部の機能を搭載した車で、日本での公道実証実験を数年内に開始する予定としています。

 AI搭載車の実用化を前に、20年の東京オリンピックをターゲットに激しい競争をしているのが自動運転技術であり、その先駆けとなる車です。

 日産自動車は昨年、プロパイロットと呼ぶ「同一車線自動運転技術」を搭載したミニバン「セレナ」を発売。高速道路などで、前を走るクルマに車間距離を一定に保って走ることなどができるものです。セレナは爆発的に売れ、16年のカーオブザイヤーにも選ばれました。

 トヨタの「Concept―愛i」は、どんな車になるかは、まだ抽象的でありイメージがわきにくいものですが、AI技術が、囲碁将棋の世界でプロ棋士に確実に勝つようになっているだけに、今後の車のあり方を左右するものとなるでしょう。
決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/01/08 10:08

◎トヨタ 17年の世界販売 1020万台へ

 トヨタ自動車は12月15日、2017年のトヨタグループ(ダイハツ工業と日野自動車)の世界生産・販売計画を発表しました。販売は1020万台、生産は1036万台で、いずれも15年の見込みより1%増えるとしています。

 このうち世界生産は、4年連続で1000万台を超え、14年の1028万台を上回って過去最高になります。一方で、1000万台に突入してからは横ばい状態が続いています。

60 トヨタ 17年生産計画


 原油安などでプリウスの生産・販売が伸び悩む一方で、SUVの需要が急増しています。世界戦略車の小型SUV「C-HR」を12月に発売したことが、どのように需要を掘り起こすかが注目されます。

 世界販売では、16年上期に独VWがトヨタを抜いて世界1になっており、16年通年ではどうなるのか、17年計画はトヨタが1%増にとどまっているなかで、VWがどのような目標を示すのかが注視されます。

 トヨタ単体(トヨタ、レクサスブランド)の世界販売計画は926万台、世界生産計画は898万台で、販売は16年見込みの1%増、生産は横ばいです。

 このうち国内販売計画は160万台、国内生産計画は321万台で、それぞれ2%増です。国内販売・生産が海外販売・生産より伸びる計画です。
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/12/18 09:55

◎2030年 トヨタは? クルマは?

 トヨタとトヨタ労組は11月23日、労使懇談会を開き、サプライチェーン強化やオリンピック・パラリンピック(20年)の取り組み、3月期決算見通しなどについて議論しました。

 このなかで、「2030年の世界観を踏まえた自動車事業の方向性」について、会社側は4点にわたって報告しました。組合の「評議会ニュース」(12月1日発行)によると――。

 社会・産業は大きく変化し、トヨタの経営に3つの大きなインパクトが押し寄せるとして、①車は高機能化によってコストがアップする、②車のシェアリングがすすみ、販売台数は減る、③新しい収益モデルの創出が必要――の3つをあげています。

 新ビジネスのキーワードは、「電動化・情報化・知能化」としています。
ミライ
(燃料電池車、ミライ)


 世界の産業では、人工知能(AI)やあらゆる物をネットにつなぐIOT(インターネット・オブ・シングス)などをめぐって、トヨタをはじめ多国籍企業が熾烈な競争をしています。

 会社側の説明は、こうした競争の上にたって、世界1になった「成功体験」は、もう「通用しない」ものであり、「もっといいクルマづくり」をめざさなければならないとしています。

 2030年ころには、HV(ハイブリッド)やPHV(プラグイン・ハイブリッドカー)、FCV(燃料電池車)、EV(電気自動車)がエンジン搭載車を大きく上回り、50年に向けてエンジン搭載車はほとんどなくなるとのシュミレーションのグラフを示しています。

 具体的には、▽「電動化」では、FCV、EV、PHVへシフトするために12月から新組織を立ち上げる、▽「情報化」では、サービス事業者と連携した新事業の検討、▽「知能化」では、AIによる自動運転・無人走行への対応――としています。

 そのうえで、社員、組合員には、▽「企画力向上」や仕事をもっと効率化させるために「手数の低減」、▽1人が2役、3役をこなす姿勢で「多能工化」を求めています。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/14 08:38

◎ハイブリッド車の寿命?

 日経新聞の元記者が書いた、「加速する『脱内燃機関』の動きと『ハイブリッド車』の寿命」という記事を読んでドキッとした。ハイブリッド車(HV)に寿命があるというのだ。

 市販のハイブリッド車では、トヨタがプリウスで先駆け、日本では大衆車となった。しかし、日本自動車工業会の推計では、15年度でHVの割合は7%程度という。全世界ではごくわずかで、圧倒的にはガソリンなどで走る内燃機関車だ。

 トヨタは、次世代車を電気自動車(EV)と位置付けず、燃料電池車(FCV)のミライを世界でいち早く市販した。ところが、EVを開発する社内ベンチャーを12月に発足することを明らかにした。

 次世代車をめぐって、これまでの戦略を転換させたのだ。そうしたなかでの今回の記事は、元日経記者のシャーナリスト・大西康之氏が「新潮社フォーサイト」に掲載したもので、「ハフィントンポスト日本版」が転載している。

4代目プリウス
(4代目プリウス)

 それによると、ドイツの連邦参議院は9月末に、「2030年までに、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を搭載した新車の販売禁止」を求める決議を採択したという。

 記事は、電池の急激な技術進歩でアメリカのベンチャー企業、テスラがEVの普及をねらってガソリン車と対抗できる価格のEVを販売するという。確かに、HVはガソリンと電気の両方のいいとこどりをしているが、あくまでもEVやFCVへの橋渡しとなる中間技術だ。記事は、最後にこう締めくくっている。

 「2020年の東京オリンピック――。電気自動車が珍しくなくなっているであろう海外から来た人々は、その時点でもまだハイブリッド車と軽自動車が幅を利かせている日本を見てなんと思うだろうか」

 記事は、次のアドレスで読める。
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/hybrid-internal-combustion-engine_b_13273328.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/11/30 10:07

◎トヨタ 円高で大幅利益減 4~9月期決算

 トヨタ自動車は11月8日、2016年の4~9月期(6カ月)の連結決算を発表しました。営業利益は、1兆1168億円で前年同期比29・5%減になりました。円高(ドルやユーロなどの為替変動で5650億円の減益)によるものです。

 6カ月決算が減益になったのは、東日本大震災の影響を受けた11年以来5年ぶりです。販売台数は、506万7000台で、前年同期より8万8000台増えましたが、円高が利益を押し下げました。

20 トヨタ 4~9月 2017年3月期
(トヨタの決算発表プレゼンテーションから)

 営業利益の3月期見通しは、これまでより1000億円増やし1兆7000億円としました。前期の2兆8539億円より1兆円以上減るものの、それでも日本の大企業でダントツの利益をあげることには変わりありません。

 トヨタの大幅減益は、春闘に影響を与えるという見方も出ています。内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、16年3月期の16兆7942億円から、わずか6カ月で6071億円増やし、17兆4013億円にもなっており、当たらないでしょう。

20 トヨタ 17年3月期 利益増減要因
(トヨタの決算発表プレゼンテーションから)

 表の17年3月期の営業利益増減要因を見ると、為替変動の影響が圧倒的なことがわかります。円安、株高を演じた“アベノミクス”で、トヨタなど輸出大企業がこの数年、大きな利益を手にしました。GDPの6割を占める個人消費を増やす上で賃上げは不可欠でしよう。

決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/11/09 08:53

◎トヨタ 5年連続世界1に赤信号

 自動車の世界生産・販売が1000万台前後のメーカーを「1000万台クラブ」といいます。トヨタ自動車は、2012年から4年連続で世界1になってきましたが、今年16年の1~9月の世界販売では、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)に次いで2位になっています。

 VWは、760万9000台に対し、トヨタは752万9000台で、8万台の差がついています。3位のアメリカGMは718万1000台です。15年は、トヨタが1015万台、VWが993万台でした。

 このことをあつかった「しんぶん赤旗」日刊紙の記事(10月28日付、経済面)は、表も使ってわかりやすく、次に写真で転載します。


40 トヨタ 16年1~9月2位 赤旗

クラウン
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/10/29 09:58

◎環境や安全、ITなどでトヨタ、スズキが提携へ

 10月13日付の新聞各紙は、トヨタ自動車と軽自動車2位のスズキが環境や安全、ITなどの分野で提携を始めるというニュースをトップで報じています。世界販売トップのトヨタが、軽自動車トップのダイハツを完全子会社化したなかで、いまなぜ提携なのか?

 トヨタの豊田章男社長とスズキの86歳の鈴木修会長が同日、トヨタ東京本社で会見して明らかにしたものです。両氏は、提携の具体的な中身はこれからと語り、資本提携についても、「ゆっくり考える」とのべ、否定しなかったといいます。

 スズキは、これまで米GMや独VWと提携してきましたが、いずれも破談。今回は、国内で静岡県と愛知県という隣同士で提携する事態になりました。世界の自動車メーカーが、「量」と「質」の両面で合従連衡の時代に突入したことを印象付けました。

 「量」でいえば、トヨタやVW、GMは「1000万台クラブ」と呼ばれるように、1000万台を超す世界販売の首位をめざして熾烈な競争をしています。

 「質」でいえば、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車など、どのクルマが環境車の王座に座るかの争いです。もう1つが完全な自動運転車をどこが真っ先に市場に投入するかの次世代車をめぐる争いです。

30 グーグルの自動運転車
(グーグルは自動運転車の走行実験をしています=ネットから)

 しかも、グーグルなどIT企業が、AI(人工知能)を使った自動運転技術で、自動車メーカーより1歩抜き出しているといわれています。もはや自動車メーカー同士の争いだけではなく、異業種からの参入で先が見えない激烈な競争の時代に入りました。

 同じこの日、グーグルがAIビジネスを拡大しようと、日本で初めて企業を対象とした戦略説明会を開きました。NHKニュースは、グーグルは、「ディープラーニングと呼ばれる最先端のAI『テンサーフロー』を、去年11月に無償で公開し、世界標準を狙ういわゆるオープン化戦略を進めています」とのべ、日本市場での事業を拡大させる考えを示した、と伝えました。

 グーグルなどの参入で、トヨタやスズキなどの自動車メーカーは危機感を煽られて提携に踏み切ったのではないか、ともいわれています。熾烈な争いのなかで、私たち労働者の暮らしや下請けの営業はこれからどうなるのでしょうか?
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/10/13 12:56

◎トヨタ 海外子会社からの配当が増加

 このブログ「トヨタで生きる」では、この2日間、「外国子会社からの受取配当の益金不算入」の問題をアップしてきました。2重課税ではなく、法人税より安い配当への税金を利用して税を逃れている仕組みです。

 2つの表を見てください。トヨタの受取配当金が増加していること、しかも配当金の大部分は海外からであることがよくわかります。

19 経常利益中の受取配当金の増加

19 トヨタの配当の大部分は海外から



 この資料は、2015年5月16日に名古屋市で開かれたトヨタシンポジウムで、税財政問題研究者の垣内亮氏が「トヨタからみた日本の税制の問題点」として講演したなかで使ったパワーポイントです。

 上の表は、トヨタ単独の「経常利益中の受取配当金の増加」(単位・兆円)を示しています。リーマン・ショックで、2008年から4年間、営業赤字になっていますが、受取配当金は赤字額に匹敵するか、それ以上にもなっています。

 下の表は、「トヨタの配当の大部分は海外から」(単位・億円)とあるように、海外子会社からの配当が年々増加し、国内より圧倒的に多いことがわかります。

 これは、トヨタが海外生産比率を増加し続けているからです。トヨタとレクサスブランドの海外生産比率が5割を超えたのはリーマン・ショック前年の2007年度で、6割を超えたのは12年度です。

 直近の15年度は、全世界で生産した893万台のうち575万9000台が海外で生産しており、その比率は64・5%にもなっています。今やトヨタは、洪水的な輸出で稼ぐのではなく、海外で生産し、そこで売って稼ぐという多国籍企業になっています。
決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/09/28 18:46

◎2重課税という理屈は通用しません

 昨日のこのブログ、「トヨタで生きる」では、「豊田市の法人市民税、トヨタ最高益なのに減っているナゾ」をアップしました。

 すると、「共産党が隠したい事実」という常連コメント者から、「共産党『受け取り配当金非課税は海外子会社が現地で納税した後の利益への二重課税を防ぐ当たり前の制度だけどその点は黙っとこ』」というのが寄せられました。

 また、また“2重課税論”ですね。何度も同じコメントを寄せています。では、元国税調査官の大村大次郎さんに語っていただきましょう。大村さんは、『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』という著書を6月に出版(ビジネス社)されています。

 税の専門家である大村さんは、コメント者の“2重課税論”を完膚なきまでに反論しています。その部分を著書から引用させていただきます。

……
 トヨタが5年間も税金を払っていなかった最大の理由は、「外国子会社からの受取配当の益金不算入」という制度にある。
 これは、どういう制度か。外国の子会社から配当を受け取った場合、その95%は課税対象からはずされのだ。

 たとえば、ある企業が外国子会社から1000億円の配当を受けたとする。この企業は、1000億円の配当収入のうち、950億円を課税収入から除外できるのだ。つまり950億円の収入については、無税ということになるのだ。

 なぜこのような制度があるのか?
 現地国と日本で2重に課税されることを防ぐために、という建前である。
 外国子会社からの配当は、現地で税金が源泉徴収されているケースが多い。もともと現地で税金払っている収入なので、日本で税金を払わなくていい、という理屈である。

『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』


 現地国で払う税金と日本で払う税金が同じならば、その理屈も納得できる。
 もし現地国で30%の税金を払っているのであれば、日本の法人税を免除しても問題はない。

 が、配当金の税金というのは世界的に見て、法人税よりも安い。
 つまり現地で払う税金は、日本で払うべき税金よりもかなり少なくてすむのだ。

 たとえば1000億円の配当があった場合、現地での源泉徴収額はだいたい100億円程度である。
 しかし、日本で1000億円の収入があった場合は、本来、約300億円の税金も払わなければならない。

 つまり現地で100億円の税金払っているからという理由で、日本で約300億円の税金を免除されているのだ。実際は、もう少し細かい計算が必要となるが、ざっくりいえば、このような仕組みになっている。

 配当に対する税金は、世界的にだいたい10パーセント前後である。途上国やタックスヘイブンと呼ばれる地域では、ゼロに近いところも多い。
 対する法人税は、世界的に見て20%~30%である。日本も23・4%(国税のみの場合)である。

 だから、「現地で配当金の税金払ったから、本国の法人税を免除する」ということになれば、企業側が儲かるのは目に見えている。
……

 常連コメント者は、「トヨタが儲かるのは隠したいから黙っとこ」ということですね。

 税金の仕組みは、大変、難しいものです。大村さんの『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』は、その点で大いに参考になります。ぜひ買って勉強しようではありませんか。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/09/27 11:41

◎トヨタ 手元資金たっぷり6兆円

 企業がいつでも使えるお金である手元資金(現預金、短期売買目的の有価証券など)は、トヨタ自動車が2017年3月期第1四半期(16年4~6月)で、5兆9970億円にのぼることが明らかになりました。

 日経新聞(8月25日付)が、大企業の4~6月期の手元資金増加額の決算番付で明らかにしているものです。M&Aをくり返している2位のソフトバンクの3兆2312億円の倍近くというすさまじさです。

 3位の日産自動車は、9637億円です。日産は、燃費不正で経営危機に陥った三菱自動車に約2374億円を投じて同自動車株の34%を取得する予定です。三菱自動車は日産グループに入ります。トヨタでも、簡単にできたでしょう。

 日経は、「手元資金が豊富すぎると、株主や投資家から資本を効率良く使っていないとの批判を招きやすい」と指摘しています。しかし、株主や投資家だけではないはずです。

 内閣府が8月15日発表した2016年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比で0・048%増、年率換算で0・2%増にとどまりました。GDPの6割を占める個人消費は、わずか0・2%増でした。「アベノミクス」の破たんを示すものです。

 特に20代、30代の消費が落ちているといいます。14~16春闘で、大企業では賃上げがあったにもかかわらず、中小零細企業で働く労働者や非正規労働者への広がりがないからです。

新車販売台数の増減率
(時事ドットコムニュースから)

新車販売台数の推移
(時事ドットコムニュースから)


 これでは、高額商品の自動車の販売は冷え込むでしょう。14年4月に消費税が8%に引き上げられてからは、新車の国内販売はマイナスに張り付いたままです。16年度も、15年度に続いて国内販売は500万台を切る恐れがあります。

 消費を喚起する最大の特効薬は、賃上げです。9月から、トヨタ労組の上部団体の連合は、17春闘の構想、準備に入ります。手元資金たっぷりのトヨタで、日本のリーダー労組のトヨタ労組が大幅に賃上げを実現することこそが、日本の消費を活性化するでしょう。
決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/08/25 09:02

◎「AI」で鉄腕アトムが実現するか?

 少し前の本ですが、『鉄腕アトムのロボット学』(福田敏男著、2003年、集英社刊)という本を読みました。手塚治虫著の鉄腕アトムを学問的に追求しようという試みです。

 鉄腕アトムが月刊雑誌「少年」に連載されたのは1951年。18年間にわたる連載は、子どもたちに圧倒的な支持を受け、今も読み継がれています。鉄腕アトムは、今風にいえば「AI」(artificial intelligence、人工知能)を搭載したロボットといえるでしょう。

 最近、新聞、テレビ、週刊誌、本などがAIについて取り上げたり、特集を組むなど、かまびすしい状況です。将棋や囲碁では、人工知能がプロ棋士に勝ち、芸術分野にまで進出しているからで、いよいよ鉄腕アトムが実現する時代に突入したのでしょうか?

 週刊経済誌「ダイヤモンド」(8月27日号)は、特集「勝者のAI戦略」を組んでいます。その特集のトップ記事は、「トヨタがロボットを造る日」です。書店で思わず買い求めました。

ダイヤモンド トヨタとロボット
(週刊「ダイヤモンド」、8月27日号から)

 このブログ「トヨタで生きる」でも紹介(2015年11月9日アップ)しましたが、トヨタ自動車は昨年11月6日、「人工知能技術」の研究・開発を目的にした新会社、「トヨタ リサーチ インスティテュート」(TRI)を設立すると発表しました。

 今年1月にアメリカのシリコンバレーに設立したもので、5年間で10億ドル(約1000億円)を投入するといいます。「ダイヤモンド」は、TRIの最高経営責任者(CEO)、ギル・プラット氏について書いています。

 ギル・プラット氏は、米国防高等研究計画局のプログラムマネジャーで、トヨタがヘッドハンドした、“米国の至宝”と呼ばれる人物と紹介。7月に福島第一原発を訪れたといいます。

 廃炉プロジェクトの視察をしたギル・プラット氏は、車の自動運転だけではなく、パーソナルロボットの研究を目的にしているのではないかと推測しています。

 それは、高齢化がすすむ日本で、介護支援のパーソナルロボットの研究、実用化に向けて日本市場を“壮大な実験場台”にするのではないか…。企業は、利益に向けて走りますが、SF作家アイザック・アシモフのロボット3原則を思い出します。

① 人間への安全性、②命令への服従、③自己防衛の3つの原則です。

 戦争や殺人目的に使ってはならないでしょう。鉄腕アトムをはじめ、手塚治虫の作品は、ヒューマニズム、弱者へのいたわり、公平さが基調に流れていたといわれます。トヨタがつくるロボットもそうあって欲しいと思いました。
決算・経営計画 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2016/08/24 18:03

◎トヨタ 4~6月期決算 利益15%減 内部留保は過去最高

 トヨタ自動車は8月4日、今年4~6月の3カ月期決算を発表しました。販売台数は、217万2000台で、前年同期より5万8000台増やしましたが、営業利益は年始めからの円高のために、前年同期より15%減の6422億円となり、5年ぶりの減益となりました。

 一方、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、16年3月期決算時点より2158億円増やし、17兆100億円と17兆円台の大台に乗せました。円高で営業利益は減益になったものの、確実に内部留保は増えています。

 4~6月期の為替レートは、1ドル=121円と想定していましたが、13円の円高の108円となり、儲けが目減りしました。ユーロなどでも円高がすすみ、為替変動による影響で営業利益は2350億円目減りしました。

 また、2017年3月期の為替レートを、1ドル=105円から102円に見直しました。業績見通しは、販売台数は1015万台(前期実績は1009万台)と当初見通しを据え置きましたが、営業利益は前期(2兆8539億円)より約44%減の1兆6千億円に引き下げました。

20 17年3月期見通し
(トヨタの17年3月期見通し。4~6月期決算のプレゼンテーション資料から)

 トヨタは、これまでも円高対策に着々と手を打っています。豊田章男社長が東日本大震災直前に発表した「グローバルビジョン」(2011年)では、為替を1ドル=85円に想定しています。

 同年8月19日に75円95銭の過去最高値を更新すると、1ドル80円でも競争力を確保するとして、生産体制の弾力化や原価改善活動をすすめてきました。

 安倍政権が誕生すると、円安と株高をすすめた「アベノミクス」のなかで、トヨタは円安の最大の恩恵を受け、16年3月期では1ドル=120円の円安で、過去最高の2兆8539億円の営業利益をあげたほどです。

 5年ぶりの減益とか、17年3月期では44%の減益といって大騒ぎする必要はないでしょう。営業利益が減益のなかでも内部留保は過去最高になっているからです。
決算・経営計画 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/08/05 10:41

◎固定費の増加 株主配当の増加

 少し前のトヨタ自動車の労使懇談会(6月6日)のことで恐縮ですが、気になることがありました。16年3月期の決算と17年3月期の決算見通しのなかで、「収益構造の状況」についての会社側の発言です。

 労組の「評議会ニュース」(6月30日発行)によると、04年3月期からの13年間のうちで、この数年、「固定費総額(労務費・減価償却費・試験研究費・経費等)は、増加を続けており、リーマン前を大きく上回るレベル」とのべ、図表を掲載しています。

8080 労使懇 固定費
(トヨタ労組の「評議会ニュース」、16年6月30日発行から)

 図表の縦軸は、具体的な数字が省かれているために、固定費の総額や1台当たりの固定費がどれくらいかはわかりません。しかし、増加していることは図表から読み取れます。

 その上で、「組合員へのお願い」として、「『1台・1円・1秒』にこだわった改善活動をやり抜いて頂きたい」とのべています。

 この図表を見ながら、16年3月期決算のプレゼンテーション資料、「株主還元」の図表を思い起こしました。16年3月期は、過去最高の2兆8000億円を超える営業利益を上げたことから、株主配当も過去最高の1株当たり210円、総額6455億円という莫大なものでした。

株主配当 201603期
(トヨタの16年3月期決算プレゼンテーションから)

 赤字となったリーマン・ショック後の10年3月期は、1株45円でしたから、16年3月期は4・6倍にもなっています。株主配当の増加ぶりは、固定費の増加よりはるかに増加しています。

 トヨタの株主は、「個人その他は」は約18%にすぎず、金融機関や外国法人などが残りの大部分を占めています。組合員ら労働者が汗水して働いて稼いだ利益が金融機関や外国法人などに持っていかれるのです。

 固定費の大きな部分を占めるのは、組合員の賃金など労務費です。株主配当の増大にはふれず、労務費など固定費の増大に問題があるかのようにのべるのは、ステークホルダーのあり方としては一方的ではないでしょうか。

 そうでないと、「1台・1円・1秒」にこだわった改善活動に、身が入らなくなる、と思いますがどうでしょうか?
決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/08/01 16:39

◎VWが首位 1~6月の世界販売

 トヨタ自動車は7月28日、ダイハツ、日野自動車をふくむトヨタグループの今年1~6月の世界販売台数を発表しました。それによると、トヨタは451万2000台(前年比99・98%)、ダイハツは39万6000台(同92・9%)、日野自動車は8万4000台(同101・9%)で、合計499万2000台(同99・4%)でした。

 ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、1~6月で511万6800台(同、101・5%)で、トヨタを12万台余り抜いてトップに立ちました。昨年もVWは、1~6月でトップでしたが、排ガス不正問題などで、年間では前年比2%減の993万台に終わりました。

トヨタ本社
(トヨタ本社=豊田市)

 このため、トヨタが1015万台(前年比0・8%減)でVWを上回り、4年連続でトヨタが首位になりました。GMや三菱自動車を傘下におさめた日産・ルノーグループの4社は、1000万台前後で激しい争いをしています。

 トヨタグループが前年割れになったのは、ダイハツが昨年4月からの軽自動車の税率が引き上げられたために、大幅に国内販売が減ったためです。また、系列部品メーカーで、1月に愛知製鋼、5月にアイシンの子会社で事故が続き、さらに4月の熊本地震で、生産が滞ったことなども影響しました。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/07/29 06:08

◎トヨタ 研究開発費 3年連続1兆円超

 トヨタ自動車は、16年度(17年3月期)に、1兆800億円という巨額の研究開発費を投じます。1兆円超えは14年度から3年連続になります。

 トヨタは、エコカーの本命を電気自動車ではなく燃料電池車(FCV)と位置づけています。このため水素技術や自動運転技術、それに不可欠な人工知能(AI)技術、IOT(Internet of Things、物がネットに繋がる)技術、ロボット技術などに投資します。

 自動車メーカーが巨額の研究開発費を投じるのはなぜか? 自動車の世界販売が“1000万台クラブ”と言われるように、トヨタや独VW、米GMと三菱自動車を傘下にしたルノー・日産グループの4社の激しい競争の行方を、次世代車の研究開発費が左右するからです。

30トヨタ 研究開発
(トヨタの研究開発費の推移=2016年3月期の決算プレゼンから)

 日経新聞(7月18日付)は、トヨタをはじめ、自動車7社の研究開発費をまとめています。トヨタがダントツの1兆円超ですが、ホンダが6900億円、日産が5600億円です。

 続いてスズキが1400億円、マツダが1250億円、富士重工が1200億円、三菱自動車が970億円です。7社の合計は2兆8120億円で過去最高です。リーマンショック後の09年度より1兆円近く増えるとしています。

 7社の研究開発費は、日本の製造業全体の4分の1を占めるという莫大なものです。

 一方で、大規模メーカーと小規模メーカーの研究開発費への投資額は差が広がりつつあります。莫大な費用の捻出について小規模メーカーが自社でなく外部に求めることについて、日産のカルロス・ゴーン社長が、自動車メーカーの「合従連衡のトレンドが強まっていく」とのべていることを紹介しています。

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 この記事は、7月20日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/07/19 21:15
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