◎電通過労自殺事件 社長が違法残業を謝罪

 東京の都心から湾岸部を結ぶ、「ゆりかもめ」に乗ると、広告大手、電通の巨大なビルが目の前に見えてきます。このビルで働いていた新入社員の高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺(2015年12月)からもうすぐ2年になります。

 高橋さんの過労自殺は、毎年200人前後が過労死、過労自殺で労災認定される過労死大国・日本でも、政治、社会に与えた衝撃は特別なものでした。彼女がSNSで発信していた亡くなる直前のメッセージがあまりにリアルであり、企業の働かせすぎが正面から問われました。

 「もう(午前)4時だ。体が震えるよ…しぬ もう無理そう。疲れた」「働きたくない 1日の睡眠時間が2時間はレベルが高すぎる」――電通本社ビルでSOSを発信していたのです。

 高橋さんを死に追いやった電通を裁くために9月22日、東京簡裁で初公判が開かれました。労使で取り決めた残業の上限(労働基準法36条にもとづく)の月70時間を超えて、最長19時間以上を超えて働かせていた違法残業として問われたのです。

 ほとんどが略式起訴で終わる労基法違反事件で、公判が開かれるのは異例です。検察側は冒頭陳述で、電通が14年6月と15年8月に労基署から是正勧告を受けたものの、増員や業務量削減など抜本策を講じず、「実際には、サービス残業を余儀なくされる労働者が相当数」いたと指摘しました。

 論告求刑では、会社の対応が、労働者のための長時間労働改善ではなく、36協定特別条項の上限を2倍に引き上げるなど、違反業者としての処分を避けるため、形式的に36協定違反の解消をはかった「小手先だけの対応」だったと批判しました。

 電通の山本敏博社長は「間違いありません」と起訴事実を認めて謝罪しました。検察側は罰金50万円を求刑し、即日結審しました。判決は10月6日です。どのような判決になるでしょうか。

ゆりかもめからの電通
(ゆりかもめから見る電通の本社=向こう側の巨大ビル)

 裁判とは別に、政治は2度と高橋さんのような悲惨なことをなくす手立てを取ったのでしょうか? 安倍政権は9月28日から開く臨時国会に、「働き方改革」の関連法案(労働基準法の改定案)を出す予定でした。

 しかし、冒頭解散される見込みで、関連法案の行方は不明になりました。しかも労基法改定案の内容は、「働き方改革」どころか、過労死をいっそう増やす残業の上限規制や「残業代ゼロ」(高度プロフェッショナル)という内容です。

 残業の上限規制は、何と月「100時間未満」まで残業を認めるものです。厚労省は月80時間以上を過労死ラインとしているだけに、「全国過労死を考える家族の会」は強く反対しています。

 電通過労自殺事件から学ぶものは、残業の上限を月45時間(厚労省は月45時間を超えると健康障害のリスクが徐々に高まるとしている)までと法律に明記し、「繁忙期」などといって例外を認めないことです。そうでないと、高橋さんの悲劇は、また起こりかねないからです。

 トヨタ自動車では、わかっているだけで5件の過労死認定があります。今年2月には、トヨタの関連会社で働いていた三輪敏博さんの過労死(死亡当時37歳)が名古屋高裁で労災と認定され、厚労省が3月9日に上告を断念したために判決が確定しました。

 三輪さんは、月85時間余で労災と認められました。月「100時間未満」まで残業を認めたらどうなるか? もはや明らかでしよう。

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過労死 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/09/23 11:07

◎池上彰氏が「資本論」で指摘したこと

 新聞、テレビなどに出ずっぱりの池上彰氏(元NHK記者、東京工業大学教授)が出版した本に『高校生からわかる「資本論」』(集英社)があります。リーマン・ショック(2008年)の翌年に出版したものです。

 来年は、そのリーマン・ショックという名の大恐慌から10年目の節目の年になります。リーマン・ショックで、トヨタは創業以来、初めての4610億円という巨額の赤字を出しました。

 労働者に「一斉年休」と「会社休業」(基準賃金の80%支給)が強行され、6000人以上の期間従業員が雇い止めされ、トヨタグループ全体では派遣労働者をふくめ1万人以上がリストラされました。

池上本 資本論


 池上氏の本は、こうした時に出版されたものです。派遣切りや“年越し派遣村”が政治、社会問題になるなかで、「『資本論』が再び脚光」をあびたことから、「高校生らに集まったもらい、授業形式で解説したのをもとに」(池上氏)まとめた本だといいます。

 その上で、『資本論』から「学べることは、多い」とのべ、「率直に『すげぇなあ』」と感嘆しています。ちなみに今年は、『資本論』第1巻が出版されて150年になる年です。

 池上氏は、この本で「資本論」の核心部分にふれ、「マルクスは『搾取』を発見した」と強調しています。

……
 たとえばの話、4時間働くと労働力の再生産の費用分をつくり出したことになるかも知れない。労働者を4時間働かせたことによって労働者の労働力分の給料はここで出ました。その後、さらに4時間働かせた。ここの部分が新しい価値になるということなんです。この部分がつまり剰余価値になる、ということです。

 資本家は労働者を雇って労働者に働かせた。労働力の分だけの価値を稼ぐ時間、これが「必要労働」ということになり、それ以上の分が「剰余労働」ということになる。

池上 資本論2
(池上彰著『高校生からわかる「資本論」』=集英社=から)

 労働者の労働力の給料分は、たとえば4時間働かせれば、それでもう、つくり出したとする。「でも8時間、君には働いてもらうという契約なんだから、あと4時間働いてよね」。あとの4時間でつくり出したものは、みんな会社のものになる。これが剰余労働。

 つまり、労働者は自分の労働力分以上の価値を生み出す。本来のものよりもうんと価値のあるものを生み出すということです。こういうことを「搾取」といいます。
……

 さすが、わかりやすいですね。池上氏は、リーマン・ショック当時のことを、多くの人がいうように「金融不安」とのべていますが、「実際は恐慌」と指摘しています。

 池上氏がいうことは正しく、リーマン・ショックは、金融不安と過剰生産が重なった大不況=大恐慌だったのです。トヨタは、マルクスが分析したように、資本主義に不可避の大恐慌に飲まれたのです。

 恐慌は、1825年のイギリスに始まり、この200年近くで20回起きています。戦後でも1957年、74年、80年、91年、2000年前後、リーマン・ショックの2008年と6回起きています(不破哲三著『マルクスは生きている』)。実に、ほぼ10年に1回の割合です。

 『資本論』第1巻出版から150年の今年、『資本論』からあらためて学んでみようではありませんか。
その他 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/09/22 10:32

◎ふたたび どこの国の首相か

 9月21日の朝7時、NHKテレビはニューヨークから国連のニュースを伝えました。1つは、核兵器禁止条約の署名式が行われ、50の国と地域が署名したという、うれしいニュースです。

 条約は、50か国が批准の手続きを終えた90日後に発効することになっています。いよいよ2018年に、核兵器禁止条約が発効する見通しになりました。広島、長崎への原爆投下から72年。核兵器に悪の烙印が押されるのです。

 もう1つが、安倍首相が国連総会で演説し、北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射に対し、「必要なのは対話ではない。圧力だ」と対話を否定した驚くべきニュースです。トランプ政権も対話を否定していないのに全否定したのです。

 核兵器禁止条約は今年7月、国連加盟国の6割を超える122の国と地域が賛成して採択されました。署名式には、長崎市の田上富久市長や長崎で被曝した日本被団協代表委員の田中煕巳さん(85)が参加していました。NHKは、次のように伝えました。

……
 田中さんは、「最も犯罪的で非人道的な核兵器を禁止する条約がこれまでなく、被爆者として悔しい、腹立たしい気持ちで叫び続けてきました。各国が署名する様子を見て涙が出るくらい嬉しかったです。亡くなった被爆者たちも喜んでくれると思います」と話していました。

 その一方で、日本政府が条約に参加していないことについては、「非常に残念です。核兵器がいかに犯罪的で非人道的で残虐かということを唯一の被爆国と言っている日本政府はほかの国に伝えるべきで、条約に参加することを求めていきたいと思います。そうでないと私たちの政府、総理なのかという思いがします」と話していました。
……

写真NHK 核兵器禁止条約 50カ国署名
(国連での核兵器禁止条約の署名式=NHKテレビから)

 安倍首相は、今年8月9日、長崎での平和式典後の被爆者との懇談で、「あなたはどこの国の総理ですか。私たちをあなたは見捨てるのですか」と被爆者から問い詰められました。

 この日の署名式に参加しない唯一の戦争被爆国の日本。田中さんも「私たちの政府、総理なのかという思いがします」と語ったのです。その一方で、安倍首相は核実験をくり返す北朝鮮との対話を自ら閉ざす演説をしました。

 署名式では、コスタリカのソリス大統領が、「いまだに核兵器を安全保障政策の中に据えている国は、人類と地球を危険に陥れている。すべての国が核廃絶に向けた歩みを進めるよう求める」とのべ、核兵器の保有国にも条約への参加を促した――とNHKは伝えました。

 ソリス大統領の格調高い発言に比べ、アメリカの核の傘のもとから一歩もでない安倍首相の姿勢は情けないくらいです。北朝鮮との対話を閉ざし、核開発・実験の中止の圧力だけでは説得力はないでしょう。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/21 09:22

◎トヨタ 期間従業員からの正社員登用、2年で764人

 トヨタ自動車は、期間従業員から正社員へ登用した人数が2015、16年の2年間で764人だったことを明らかにしています。9月の無料求人誌「TOWN WORK」の期間従業員募集広告に掲載しています。

 このブログ「トヨタで生きる」の今年5月15日アップで指摘したように、トヨタの正社員登用は、2007年度が過去最高の1250人でした。リーマン・ショック(08年)で、6000人以上を雇い止めした後は、登用が激減していました。

 13年度の登用はわずか40人でしたが、その後は増やしています。背景には、深刻な人手不足があります。長期的に見て、日本の少子化の影響で労働人口が大幅に減ること、東日本大震災の復興事業、2020年の東京オリンピックのプロジェクトによる建設ラッシュなどがあります。

期間工 正社員化
(「TOWN WORK」、9月11~17日号)

 期間従業員の日給は、トヨタ労組が春闘で毎年引き上げることを求めてきたこともあって、200円(14年)、300円(15年)、150円(16年)、150円(17年)と4年連続満額回答になっています。

 このため2013年当時の期間従業員の日給は、9000~9800円(トヨタでの期間従業員の経験回数による)でしたが、現在は800円上がって9800~1万600円になっています。

 「TOWN WORK」の広告では、「年収400万円以上可能」(初めての方で在籍1年目)とうたっています。

 契約は、最長2年11カ月です。初回契約は3カ月で、1回目の契約更新が3カ月、2~5回目までが6カ月、6回目が5カ月という細切れになっています。

期間従業員 契約更新表


 契約更新の会社の判断基準は、次のようなものです。「①契約期間満了日以降の会社の生産見通し、その他業務量、②本人の勤務成績・態度、能力、健康・体力――①②を会社が総合的に考慮して、更新が必要と判断した場合に限り、契約を更新する場合があります」というものです

 期間従業員募集広告によると、全国各地で選考会が開かれ、このうち豊田市や名古屋市の会場では、10月5日まで毎日、開かれています。
期間従業員 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/20 17:57

◎ルノー・日産が2022年の販売は1400万台と発表

 2017年の上半期の世界販売で、フォルクスワーゲン、トヨタ自動車を上回りトップにたったルノー・日産自動車グループ(約526万台)は9月15日、新たな6か年計画「アライアンス2022」を発表しました。

 アライアンスは、提携、同盟の意味で、三菱自動車を傘下におさめ、半期で初めて世界販売トップになりました。2022年には、さらに1400万台を販売するという計画です。

 トヨタ自動車は、ルノー・日産グループのような中期経営計画は発表していません。カルロス・ゴー氏が、ルノー・日産アライアンスの最高経営責任者(CEO)です。

 日産自動車のホームページには、「アライアンス2022」が掲載されています。

 それによると、電気自動車(EV)では、これまで世界でもっとも販売した「リーフ」(2010年発売で、累計約28万台)を9月にモデルチェンジをしたばかりですが、その勢いでEVシフトをいっそう強めています。

日産 新型リーフ
(日産の新型リーフ)

 さらに、世界の自動車メーカーやグーグルなどIT産業が雪崩をうって開発を強めている自動運転やコネクテッド(ネットでつながる車)カーなどで、世界覇権を握ろうとする野心的な計画にあふれています。

 具体的には、3社で――。
・4つの共通プラットフォームにより、900万台以上をカバー
・共通パワートレインの比率を全販売台数の3分の1から4分の3に上昇
・電動(EV)化、自動運転、コネクテッド技術の共有により、さらなるシナジー(相乗効果)を創出

・EV用の共通プラットフォームおよび共用部品を活用し、100%EVを新たに12車種投入
・自動運転(AD)技術を40車種に搭載
・無人運転車両による配車サービス事業への参画


 経営危機に陥っていた日産自動車に1999年、ルノーから乗り込んだゴー氏。村山工場(東京都)などの閉鎖や部品の共通化、下請けの選別化などで、“コストカッター”と呼ばれるほどのリストラを強行したことで知られています。

 ハイブリッドカーでトヨタに出遅れたことから、EV化の流れをチェンスト見て、現在1000万台販売の3社を6年間で1400万台へと一気に引き上げようというものです。
決算・経営計画 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/09/19 16:23

◎臨時国会冒頭解散 極めて濃厚に


 安倍首相は、突如、衆院の解散・総選挙を行う意向を固めました。国政を私物化する森友・加計学園問題の解明を求める、野党の臨時国会開催要求を引き延ばし、ようやく9月28日に開くことを決めました。

 その臨時国会の冒頭にも解散しようとしています。日本共産党は、すでに衆院比例代表候補や小選挙区候補を決めています。野党と市民の共闘で、自民党・公明党を少数に追い込む構えです。

 日本共産党中央委員会常任幹部会は9月17日、「臨時国会冒頭解散がきわめて濃厚に―全党が勝利に向け勇躍して総決起しよう」との緊急の訴えを発表しました。訴えは次の通りです。

……
 一 中央委員会常任幹部会は、28日に召集される予定の臨時国会冒頭で安倍首相が衆議院を解散し、総選挙となる可能性がきわめて濃厚になったと判断しました。総選挙は、最短で10月10日公示、10月22日投票となります。

 一、今回の解散は、「森友」「加計」疑惑の真相究明にフタをしたまま、多数の議席を確保し、宿願の憲法改定を狙ったきわめて党略的対応です。

 同時に、それは、安倍政権による国政私物化と憲法破壊の政治への厳しい批判、都議選での自民党の歴史的惨敗など、国民のたたかいと日本共産党の奮闘によって追い込まれた結果にほかなりません。

 わが党は、すでに都議選の結果を受け、「すみやかな解散・総選挙によって審判を仰げ」と要求しています。今回の解散・総選挙を、安倍政権を退場に追い込む歴史的チャンスととらえ、全党が勇躍して総決起し、野党と市民の共闘の勝利、日本共産党躍進を必ず勝ち取ろうではありませんか。

実る稲


 一、総選挙をたたかう基本方針は、第27回党大会決定に示されています。大会決定にもとづいて、すべての都道府県、地区委員会、支部・グループが、ただちに総選挙勝利への臨戦態勢を確立し、大量政治宣伝、対話・支持拡大、党勢拡大にうってでることをよびかけます。

 「比例を軸に」をつらぬき、「全国は一つ」の立場で奮闘し、比例代表で「850万票、15%以上」の目標達成をめざし、党躍進の大波をつくりだすことが何よりも重要です。

 小選挙区では、候補者を擁立したすべての選挙区で勝利をめざして意気高く奮闘するとともに、必勝区に設定した選挙区では議席獲得のために空前の規模での取り組みに挑戦しましょう。

 中央委員会として野党共闘の体制を緊急につくりあげるために全力をあげます。全国のみなさんは、その「様子見」に陥ることなく、比例予定候補者、小選挙区予定候補者を先頭に、日本共産党躍進のために、わき目もふらずダッシュしましょう。そのことが野党共闘を成功させる最大の力になることを、強調するものです。
……
15衆院選 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/09/18 14:49

◎名古屋大 非常勤を無期契約転換へ

 このブログ「トヨタで生きる」では、トヨタ自動車だけではなく、東京大学も非正規労働者の無期転換にあたって、脱法的な手法を使っていることを明らかにしました(8月24日アップ)。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2618.html

 すると、「最悪の場合は、東大総長が送検される可能性がありますよね。東大の労働法や刑事法の教授の見解を聞きたいものです。地元の名古屋大学の場合は、どうなのでしょうか?」とのコメントが寄せられました。

 名古屋大学では、東大と違って無期転換をしようとしていることが明らかになりました。無期転換とは、2012年の労働契約法の改定で、「同じ企業で短期契約を更新して働き、雇用期間が通算して5年を超えた労働者にたいして、無期雇用への転換を企業に求める権利を与えるというもの」です。

 名古屋大学での無期転換を「しんぶん赤旗」(9月14日付)は、次のように伝えています。

……
 日本有数の国立大学のひとつ、名古屋大学が来年4月から有期契約の非常勤職員を雇用継続5年で無期契約に転換する学内ルールをつくったことが13日、本紙の調べで分かりました。

 5年以上働きながら今年度途中で雇用期限を迎える非常勤職員についても、無期転換をすすめる経過措置が取られます。東京大学や東北大学が3000~5000人の非常勤職員を契約5年以内で雇い止めとする制度をつくるなか、名大が雇用を安定させる施策をとったことが注目されます。

 名大は国立大学のなかで学生数13位、運営費交付金配分額8位、科学研究費助成事業配分額5位(いずれも2016年度)と、有数の規模を誇ります。

 13年に施行された改正労働契約法では、有期契約の労働者でも契約更新を5年続けると、雇い止めの心配がない無期契約に転換できる「無期転換ルール」がつくられました。適用開始は来年4月からです。

 名大職員組合によると、04年の国立大学法人化後に採用された有期雇用の契約・パート職員1848人が来年3月末までの期限で雇用されていました。同組合は、希望者を無期転換するよう求める署名を2回1000人以上から集め、大学当局へ提出しました。

 今年2月に大学当局が示した当初提案は、無期転換する職員は筆記試験で選抜し、不合格者は雇い止めにするというものでした。

 組合側は、雇用の安定という労契法の趣旨に反すると主張。7月、学長や理事、部局長らで重要事項を審議する教育研究評議会で、無期化ルールが改善され、筆記試験は行わないことになりました。これまで通勤手当を支給していなかった「年俸制職員」へ支給するよう改めます。

豊田講堂
(名古屋大学。手前は、トヨタ自動車が寄付した豊田講堂=名古屋市千種区、グーグルアースから)

 無期転換されたポストについている職員が退職してその後任を補充する場合は、原則、無期転換ポストになります。

 これらの施策によって大学当局は2億4000万円の支出増額を想定。本紙取材に名大の担当者は、「大学の財政は厳しいが、法の趣旨と働く方々の意向も踏まえた」と答えました。

 国立大学は法人化後、人件費など基盤的経費の国立大学運営交付金の削減が続き、非常勤職員増加の一因となっています。

 名大は現在、非常勤職員を全学共通業務や部局・プロジェクト業務などに整理し、無期転換ポスト数を集計中。組合側は、恣意(しい)的なポスト削減などが行われることがなく、無期化ルールが適正に運用されるよう注視するとしています。
……
その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/09/18 09:14

◎愛読書は『理科年表』『JTB時刻表』 池辺晋一郎さん

 交響曲やNHKの大河ドラマなどの作曲を手掛けてきた作曲家の池辺晋一郎さん(74)が「リーダーの本棚」(日経新聞、9月16日付)で、愛読書に、
『立原道造詩集』『理科年表』『JTB時刻表』などをあげています。

 池辺さんは、作曲に限らず、たくさんの著作があり、その博覧強記にはいつも驚かされます。週刊『うたごえ新聞』には、常設のエッセイ欄があり、もう20年も書き続けています。

池辺晋一郎さんの愛読書
(池辺晋一郎さんの愛読書=日経新聞、9月16日付)

 「ゲートキーパーソング」と題したエッセイ(第1071回、9月18日付)では、作曲を続けながら昨年16歳で亡くなった加藤旭さんの「空の青いとり」という曲に触れています。

 池辺さんは、厚労省から依頼され、自殺防止(ゲートキーパー)のキャンペーン曲として、加藤さんが6歳で作曲した曲を選び、補作したといいます。エッセイでこう書いています。

 「自殺防止のためのキャンペーンとしての歌…どれだけの効力があるのか――と思う人もいるだろう。しかし、音楽には不思議な力があると僕は思うし、それを実感もしている。反戦、平和、米軍基地や原発への反対の意志を歌うことも同じだ」

 そうした池辺さんが、愛読書に『理科年表』『JTB時刻表』をあげていることは意外です。『理科年表』には、河川の長さの世界のベスト3が掲載されており、2017年版では、ナイル、アマゾン、長江の順だといいますが、順位が時折入れ替わるといいます。そんなことがあるんですね。

時刻表
(JTBの「小さな時刻表」から。愛知環状鉄道は17年3月4日のダイヤ改正)

 『JTB時刻表』は、「毎月買って、これは自宅の寝室に置いています。寝る前に開くのです。好きなローカル線が今は何分おきに出ているのか、国際線は、どの国に週に何便飛んでいるかなどを確かめるんです」と語っています。

 池辺さんの曲の豊かさには、こうした幅広い読書量が反映しているのでしょう。ちなみに、このブログ「トヨタで生きる」では、池辺さんが作曲した混声合唱組曲「悪魔の飽食」を紹介しました(17年6月30日アップ)。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2563.html
その他 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/09/17 09:49

◎これで「おおむね妥当」なのか! 安倍政権の「働き方改革」法案

 厚労相の諮問機関、労働政策審議会は9月15日、安倍政権がねらう「働き方改革」の関連法案の要綱を示しました。労働者側委員(連合の10人)が反対したにもかかわらず、加藤勝信厚労相に「おおむね妥当」と答申しました。

 関連法案は、28日から開く臨時国会での与野党の最大の対決法案になります。

 答申に先立って開かれた労働条件分科会では、「残業代ゼロ」法案(「高度プロフェッショナル制度)」と、過労死ラインを上回る月「100時間未満」までの残業を認める残業の上限規制を1本化した労働基準法改定案の法案要綱を、労働者側の反対を押し切って「おおむね妥当」との答申をとりまとめました。

 連合は、一時、「残業代ゼロ」法案を容認する方向で、水面下で安倍政権と交渉してきました。しかし、組織内から突然の変更に異論が相次いだために撤回。これまで通り、同法案には反対します。

 一方で、残業の上限規制については日本経団連と交渉して合意した経過があります。「残業代ゼロ」法案と残業の上限規制を労基法改定に1本化することに反対してきましたが、安倍政権は押し切りました。

 労働基準法改定案には、連合が要求した年104日以上の休日を企業に義務付けるなどが新たに織り込まれており、連合の要求をのみ込だ形になっています。

 また、裁量労働制の営業への拡大については、「既製品やその汎用的な組み合わせの営業は対象業務になりえない」などと一部修正しています。

トヨタ技術労働者ら
(出勤するトヨタの技術労働者ら=三河豊田駅前)

 分科会では、使用者側委員から、「残業代ゼロ」法案や裁量労働制の拡大が、「イノベーションの促進、時間と場所に制約されない柔軟な働き方に資するもの」などとのべ、労基法改定を求めました。

 安倍政権の「働き方改革」の法案については、労働弁護団が前日の14日に国会内で緊急院内集会を開催。連合や全労連などの労働組合や弁護士、研究者、過労死家族の代表らが参加。共同の力で阻止しようと訴えました。

 「全国過労死考える家族の会」の寺西笑子代表は、「過労死を増やすという真逆の方向に行こうとしている。何としても阻止したいとのべました。

 安倍政権は、森友・加計学園問題、憲法9条を20年までに改悪することを表明するなどして支持率を大きく低下させています。「残業代ゼロより過労死ゼロ」(連合のスローガン)を実現するために臨時国会で廃案に追い込みましょう。
残業代ゼロ法案 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/09/16 12:54

◎NHKスペシャル 「沖縄と核」の衝撃

 「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」などと問題発言をしていたNHKの籾井勝人・前会長。同氏が事実上、更迭されたNHKは、戦争と平和の問題で優れた作品を連発しています。

 NHKスペシャル「スクープドキュメント 沖縄と核」(9月10日放送)もその1つです。見ごたえがありました。半世紀前以上の1950~60年代の沖縄に、米軍が核兵器を配備し、「核戦争が始まる」(元米軍兵士)という衝撃的な事実を明らかにしたのです。

 隠された事実を丹念に掘り起こし、事の本質に迫る「調査報道」という、メディアが現在最も重視している報道の典型でした。しかも、決して過去の話ではなく、今につながっているという視点を貫いています。

Nスぺ 沖縄の核
(米軍の核ミサイル=NHKスペシャル「スクープドキュメント 沖縄と核」から)

 番組では冒頭、奇妙な建物を空撮します。かつて米軍が沖縄県恩納村に配備した核ミサイル発射基地の跡です。本土復帰前の沖縄には、「広島の70倍の威力を持つ核ミサイルを配備」していたというのです。

 恩納村といえば2年前の2015年8月、家族で沖縄旅行した際、泊まったペンションがある村です。ペンション前の国道58号線から南へ、嘉手納基地へ向かう途中に、核ミサイル発射基地の跡があったのですが、当時はその存在を知らず、通り過ぎてしまいました。

 番組では、恩納村の基地をはじめ、世界最大級の核拠点になっていた沖縄の真実を、未公開映像、機密文書など1500点を集めました。元米軍兵士に米国まで追跡し、証言を集め、真実に迫っています。

 番組で明らかにした真実の1つが、1060年代に米軍が飛行距離2400kmの核ミサイル「メースB」を沖縄に配備したことです。基地で働いていた元米軍兵士(74)は、半世紀ぶりに基地跡に入ります。米ソが全面的核戦争に突入するかといわれた「キューバ危機」(1962年)の際、指令室に勤務していたと言います。

 その証言が衝撃的です。「メースB」は中国をねらっていたこと。核戦争の準備態勢である「DEFCON2」の状態で、いつでも核ミサイルを発射できる「HOT」になっていたこと…。

 沖縄の女性と結婚した元米兵は、「家族に2度と会えないだろうと思った。沖縄が終ると思っていた。ソ連が沖縄を核攻撃すると思ったから」と語ります。キューバ危機は回避されたものの、沖縄は核戦争1歩手前だったというのです。

 1967年の段階で沖縄には1300発の核兵器が配備されていた! 本土復帰前の1969年、日本の佐藤栄作首相と米のニクソン大統領との会談で「メースB」の撤去に合意します。しかし、緊急時には核を沖縄に持って行くことなどの核密約が結ばれていました。

 沖縄の本土復帰から半世紀。NHKが米国防総省に問い合わせると、沖縄の核兵器の存在の有無について、「回答しない」というという姿勢です。日本の外務省は、日本には非核3原則があり、いかなる場合も拒否するという回答でした。

 番組では、最後にナレーションがこう締めくくります。「日米の思惑の下で核の島だった沖縄。思い負担を強いられる現実は変わらぬままです」、と。名護市の辺野古に新基地を造る動きとオーバーラップする言葉です。

古硬さんの昼休みデモ
(沖縄県庁前で昼休みデモをする古賢実吉さん=中央、2015年12月)

 番組では、復帰前の琉球政府の議員だった古賢実吉さん(88)がインタビューに応じています。「メースB」の配備を、当時の小坂善太郎外相がラスク米国務長官に事前に発表をしないように求めていた事実について、「怒りがわいてくる」と古賢さんは語ります。

 古賢さんは、後に日本共産党の衆院議員になりました。現在も、毎週金曜日の沖縄県庁周辺での昼休みデモに参加しています。このブログ「トヨタで生きる」(2015年12月30日アップ)に登場します。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2003.html
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/15 11:23

◎「EVにあらずんば、クルマにあらず」

 ドイツのフランクフルト・モーターショーが始まりました。ネットで車をウオッチしている「Response」は、平家物語の一節を借りて、「EV(電気自動車)にあらずんば、クルマにあらず」と同モーターショウの特徴を伝えています。

 フランス、イギリスが2040年以降はガソリン車の販売を禁止する政策を打ち出し、中国もそれに追随しようとしているなかで、確かにEVシフトは鮮明です。熱に浮かれたようにEV、EVです。

 地元の独BMWは、EVコンセプトカーの「iビジョン・ダイナミクス」を初公開しましたが、1回の充電で何と600kmも走ることができるといいます。日産が9月にモデルチェンジしたリーフは400kmです。その1・5倍も走れるというから驚きです。

レスポンス フランクフルト BMWのEV
(BMWのEVコンセプトカーの「iビジョン・ダイナミクス=「Response」から」

 日経(13日付)は、独VWの動きを、「25年までに独アウディなどグループ全体で50車種以上のEVを投入する。30年までの開発などにかかる投資は200億ユーロ(約2兆6千億円)で、これとは別に電池の調達に500億ユーロ規模を費やす」などと伝えています。

 日本のメーカーはどうか? ホンダが「アーバンEVコンセプト」を公開。八郷隆弘社長が、このモデルをベースにしたEVを19年に欧州で発売すると語ったといいます。

 トヨタは、というとテレビでブースが映りましたが、EV化の動きを伝えていません。トヨタのホームページもフランクフルト・モーターショーについて探しましたが見つかりませんでした。

日経 フランクフルト
(日経新聞、9月13日付から)

 日本では2年に1回の東京モーターショーが10月27日から始まります(11月5日まで)。自動車生産で世界のトップを走る日本が、フランクフルト・モーターショーのようにEVシフトを鮮明にするのでしょうか?

決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/14 11:40

◎どこまで進むのか 安倍政権下の軍拡

 安倍政権下での軍拡が止まりません。防衛省は、2018年度の軍事費の概算として、総額は5兆2551億円(SACO=沖縄に関する日米特別行動委員会=、米軍再編関係経費を含む)を要求することを決めました(8月31日)。

 第2次安倍政権発足後の13年度から6年連続で前年度を上回り、15年度から4年連続で過去最大を更新しています。

 なかでも大幅に増えたのが北朝鮮の弾道ミサイルに対処を想定した「ミサイル防衛」関連経費で、今年度比1142億円増の1791億円を計上しています。

軍事費の推移 9月1日
(「しんぶん赤旗」、9月1日付から)

 これは、8月17日の日米の外務、防衛の2人の大臣・長官からなる「日米安保協議委員会(2プラス2)」で日本側が導入を表明した陸上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の整備費を盛り込んだものです。

 「イージス・アショア」とは、イージス艦のミサイル迎撃システムを陸上で使おうというものです。高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)の導入に代わるものです。

 1基あたり約800億円とされ、2基以上の導入をめざしています。また、新たな迎撃ミサイル「SM3ブロックIIA」の導入経費472億円も計上しました。

 北朝鮮問題を理由にして大軍拡をねらうもので、外交交渉で解決をはかるのではなく、「軍事対軍事」の悪循環を加速するものです。

               ◇

 日本共産党の志位和夫委員長は9月12日、国連安全保障理事会の新たな対北朝鮮制裁決議について、次のようにコメントしました。

……
 国連安保理は、北朝鮮への経済制裁強化決議を全会一致で採択した。
 北朝鮮が国際社会の一致した意思を直視し、決議を履行し、非核化に向けた行動をとることを強く求める。

 同時に決議は「対話を通じた平和的解決」をよびかけている。「戦争を絶対におこさない」ための自制と対話を関係国に要請する。
……

 北朝鮮の核開発、弾道ミサイル発射については、「軍事対軍事」の悪循環ではなく、「対話を通じた平和的解決」こそ必要です。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/09/13 21:34

◎フォト・ドキュメント『世界を分断する「壁」』

 ベルリンの壁が崩壊(1989年)してからもうすぐ30年になる。月から唯一見える人工構造物といわれる中国の万里の長城は、北方遊牧民族の侵入を恐れた歴代の皇帝たちが延々と造った。しかし、万里の長城は何度も破られ、漢民族は異民族に支配された。

 トランプ大統領は、メキシコとの国境に壁を建設するために、議会に建設費の拠出を求めているが、議会では壁建設を不要とする意見が多く、承認されていない。

 そんな折、フォト・ドキュメント『世界を分断する「壁」』(原書房)が6月末に出版された。ニューヨーク大学国際協力センターの招待研究者でカメラマンでもあるアレクサンドラ・ノヴォスロフ氏と欧州対外行動局のスタッフのフランク・ネス氏の共著である。

 韓国と北朝鮮の非武装地帯、パレスチナの壁、カシミールの電気柵、西サハラの土手など世界の9つの壁をルポしている。なかでも、アメリカ―メキシコの壁が、今、世界で最も注目されているものだ。

本 世界を分断する壁


 本の表紙を飾る写真は、アメリカとの国境の都市、メキシコのティファナに築かれた壁だ。鉄道のレールをリサイクルした高さ6mのフェンスが大西洋の中へと伸びている。ビーチで、男女が祈っている。

 壁は、両国の国境の2500kmに、「不法移民」、テロ、麻薬対策としてアメリカが1989年からが築いた。北米自由協定(NAFTA)発効の1994年からフェンスが強化され、2001年の同時多発テロでいっそうすすみ、2006年には米議会で「安全フェンス法」が通過する。

 著者は、壁沿いに車を走らせ、アメリカに越境しようとするメキシコ人などの声を聞きだす。国境越えに失敗した人々を葬る「ジョン・ドウ」(名無しの権兵衛)という墓地を訪ねる。

 それでも、お金を稼ぎ、家を建てる“アメリカンドリーム”を夢見て壁を越えようとする人たち。砂漠地帯では、越境手引き人がいて、3000~4000ドルを支払い、監視カメラとレーダー、ドローンの中を決死の覚悟で国境越をする。

 ノガレスとう町は、人口2万人の豊かなアメリカ側と人口20万人の貧しいメキシコ側に分断されている。壁崩壊前のベルリンと同じだ。2万人を超える国境警備隊などに捕まり、国外退去された人々は、オバマ政権時代の09~12年で160万人にもなる。最近は、中米の女性たちが増えているという。

 国境沿いにルポし、著者は次のように書く。

グーグルアース ティファナ
(メキシコの国境のティファナに築かれた壁。大西洋に伸びている=グーグル・アースから)

……
 これまでに1100万人の「不法移民」がアメリカに住んでいる。国境警備隊が越境者を捕まえる割合は、05年の36%から15年の54%になったが、それでも半数にすぎない。一方、国境警備費は04~16年間で1320億ドルにのぼる。

 アメリカは移民労働力を必要としているし、メキシコ人などの安価な労働力でアメリカ企業は得している。壁は、「漠然と不安を抱く世論を安心させるため」「壁は持つものと持たざる者の分離を象徴」「壁はアメリカの不安や衰退の印」ではないか。

 ある識者は語る。「アメリカの万里の長城は中国のそれと同様に帝国終焉の印ではないのだろうか?」、と。現在までに国境のほぼ全域にフェンスが巡らされている。
……

 トランプ大統領の壁建設は、世界を分断する、まったく無意味なものだということがよくわかる出色のフォト・ドキュメントだ。
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/09/12 17:27

◎日産の新型「リーフ」を見た

 次世代の自動車として、にわかに浮上してきた電気自動車(EV)。日産自動車がEVの「リーフ」のモデルチェンジを9月6日に発表した。メディアは、大々的に報道している。

 「『打倒トヨタ』の悲願を背負う戦略車」(朝日新聞)
 「EV先導 日産正念場」(毎日新聞)

 国内販売は10月2日からだが、東京へ用事ができた9月8日、銀座のショールーム「NISSAN CROSSING」に寄ってみた。モデルチェンジの発表直後とあって、リーフ一色になり、3台展示してあった。

 リーフの外観は、これがEVだというようなデザインではなく、外を走っていても目立たないだろう。ハイブリッド車(HV)のプリウスのような斬新なデザインではない。

リーフ2


 ただ、ボディに小さく付けた「Zero Emission」(環境汚染物ゼロ)のマークに、日産のEVへの思いが込められている。プリウスに付けた「HYBRID」と同じだろう。

 ショールームの女性は、人だかりのするリーフの前で、得意げに説明してくれた。

……
 1回の満充電で走る距離は、これまでの約2倍の400kmになりました。日常生活には十分です。自宅での充電は16時間かかりますが、急速充電器を使えば容量の80%までで約40分です。

 充電器が街角にも増え、全国に約2万8000基あります。ガソリンスタンドの約3万余りに迫っています。充電場所は、リーフのディスプレイの地図に表示されますので安心です。

 充電器の位置ですか? 外からは見えませんが、ボディの床下全面にあります。エンジンがないから、実に静かに走ります。価格は315万円からです。国の補助金が40万円あります。
……

リーフ1


 日産が初代のリーフを発売したのは2010年12月。約7年ぶりの2代目だ。これまでの販売は、世界でもっとも売れたEVだが、累計で約28万台にすぎない。EVの普及は遅々として進まず、世界でのEV市場は1%にも満たない。

 トヨタが初代プリウスを発売して今年で20年になり、プリウスを含めたHVの世界累計販売が1000万台を超えたのとは大きく差ができた。しかし、米テスラが今年発表したEVの「モデル3」の予約は、すでに40万台を超えたという。

 さらにイギリス、フランスが2040年からガソリン車の販売を禁止する政策を出した。次世代車は、EVへと一気に傾斜した。自動運転と合わせて自動車産業は、ITのグールグなどを巻き込んで激変の時代へと突入した。
自動車技術 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/11 11:49

◎関電、老朽原発40年廃炉名古屋訴訟の弁論開く

 関西電力の高浜原発(福井県高浜町)1、2号機の「高浜原発40年廃炉・名古屋訴訟」第9回口頭弁論が9月6日(水)午前11時から開かれた。1、2号機は、稼働から40年を超える老朽原発だ。

 原子力規制委員会は、「原則40年で廃炉」のルールを破って再稼働を認めた。これに対し全国各地の人々が16年4月、老朽化した原発の廃炉を求める「高浜原発40年廃炉・名古屋訴訟」を起こした。

40年廃炉1


 高浜原発の3、4号機は、住民の運転差し止めの仮処分申請を、大津地裁が認めて運転をストップした。しかし、大阪高裁が関電の訴えを認めたために、3号機が今年6月、4号機が同5月に再稼働している。

 東電福島第1原発の過酷事故になんら学ばず、安倍政権は原発を推進している。九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)と合わせ、現在5基の原発が再稼働している。

 関電は、全国の電力会社のなかで原発の比率が最も高い。高浜原発は、全国の原発の再稼働の焦点になっている。

 この日の名古屋地裁での第9回口頭弁論では、それに先立って午前10時30分から裁判所前で集会が開かれた。原告団からは40人以上が参加し、弁護団や原告支援者らがあいさつした。福井訴訟団からも数人が支援に来ていた。

40年廃炉2


 高浜原発2号機には、今年1月20日、大型クレーンが原子炉補助建屋と燃料取り扱い建屋に倒れる事故があった。その事故の写真を掲載した地元紙を張り付け、「あわや大惨事!」と書いたボードを掲げていた参加者がいた。

 傍聴券の抽選には、多くの人が列を作っていた。傍聴席が満員になるなか、口頭弁論が行われた。2人の弁護士が、それぞれ原発の耐震安全性問題と火山の影響について弁論を行い、老朽化した原発の廃炉を求めた。次回の口頭弁論は、12月6日に予定されている。
原発ゼロへ | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/10 10:40

◎過酷事故を起こした東電が再稼働? フライデーリポート

 原発ゼロをめざす、毎週金曜日の関西電力東海支社(名古屋市東区)前での行動。9月8日、久しぶりに参加した。9月に入ってめっきり朝晩が涼しくなった。陽が落ちるのも早くなった。行動が始まる午後6時30分には、もう薄暗くなっている。

 関電ビルの向かい側のレクサス高岳店の内装工事も終わっていて、ディスプレイも変わっていた。2階にもレクサス車が展示してある。

原発1 20170908


 いつものようにコールを始めた。地下鉄高岳駅に向かう帰宅を急ぐ人たちが、コールしている人たちと関電ビルを見ながら通っていく。

 スピーチタイムでは3人が発言した。東京電力福島第一原発事故を起こした東電。その東電の柏崎刈羽原発(新潟県)の6、7号機の再稼働を認める方向を出した(9月6日)原子力規制委員会を厳しく批判する人がいた。

 当然だ。福島第一原発事故から6年半。ロボットを投入して燃料デブリを探しているが、いまだにはっきりしないし、わからない。事故原因も不明だし、廃炉の見通しはたっていない。

原発2 20170908


 損害を受けた住民の賠償もこれからだ。その東電に再稼働を認めることは、絶対にありえないことだ。再稼働を推進する安倍政権とたたかい続けねばならないと思う。

原発3 20170908
原発ゼロへ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/09/09 16:08

◎極小の家

 豊田市内をはじめ街を歩いていると、びっくりするような小さな家がある。あるところで、かっこいいイタリア車が玄関前に駐車してあったのに目をひかれたが、その家を見ると小さな1階建ての家だった。

 東京国立近代美術館(東京都千代田区竹橋)で、「日本の家」展が開かれている(10月29日まで)。その案内パンフに、「えっ」と驚くような小さな家があった。

日本の家


 白くて、実に細く長い2階建てだ。1階に四つん這いになった子どもの姿が映っている。大人が横に寝ころんだら、家がいっぱいになるような小ささだ。こんな小さい家に住めるのか?

 そんな思いで近代美術館に向かった。パンフにあった家の模型があった。パンフにはなかったが、隣に神社の鳥居がある。鳥居と比べると、家の小ささがよくわかる。

 データを調べると、京都市左京区の家で、敷地は83平方m、のべ床面積は59・71平方mという。間口は狭く、奥行きが長い、小さな家だ。こうした極小の模型は他にもあった。

小さい家 2


 「日本の家」展は、戦後の建築と暮らしを振り返るものだ。高度成長時代以降、マイホームは、マイカーとともに労働者が働いて手にするあこがれだった。そのために懸命に働いた。

 しかし、新興住宅地では空き家が目立つようになった。あこがれてつくったマイホームに、雑草が生い茂る…そんな風景が珍しくなくなった日本。「日本の家」は、これからどうなるのだろうか。
その他 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/09/08 08:42

◎米IT5大巨人 手元資金のすごさ

 日経新聞が、米IT5大巨人の手元資金(現預金や換金性の高い有価証券、貸付金などの合計)が、日本の税収(16年度で約55兆円)を上回っているという記事を掲載している(9月5日付)。

 IT5大巨人とは、アップル、フェイスブック、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトのこと。

 日本で最大の手元資金を持つ大企業は、トヨタ自動車の16・6兆円。これに対し、IT5大巨人のアップルは28・8兆円で、トヨタの2倍近くになる。

 マイクロソフトは15・2兆円、アルファベットは11・1兆円、フェイスブックは3・9兆円、アマゾンは2・5兆円と続く。6月末で、5社で約62兆円にもなる。

IT5大巨人
(日経新聞、9月5日付から)

 この5社は、人工知能(AI)やあらゆるものがネットにつながるIOT(Internet of Things)という「第4次産業革命」のトップ企業群でもある。

 自動車産業は今、ガソリン車から電気自動車へ、AI技術を中核にした自動運転へと急速に変貌しようとしている。自動車メーカーの競争相手は、グーグルなどIT企業に取って代わっている。

 そうした5大IT企業の膨らむ潤沢な手元資金。日経の記事は、世界の自動車産業の覇権争いを、手元資金面から示しているように見える。
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/09/07 08:28

◎トヨタHPに「プリウス誕生秘話」

 今年2017年は、ハイブリッド車、プリウスが発売されて20年になります。トヨタ自動車のホームページに「プリウス誕生秘話 by GAZOO」の4回連載があります。
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/prius20th/

 なかでも4回目には、プリウスというと必ず出てくる広告のキャッチコピー「21世紀に間にあった!」についてふれています。ハイブリッド車の開発は、ホンダが先行していましたが、奥田碩社長(当時)の号令で、開発を急ぎ、追い越したといわれています。

 当時、開発にかかわった技術者は、「実際にはまだ燃費は28kmに届いていなくて、あのタイミングでは“大丈夫”とは言えませんでした。1997年12月発売というスケジュールはいったん決めていましたが、とても計画通りに進んでいるとは思えなかったので、それについても“目指します”と言っていたんです」と語ります。

 しかし、発売日には、燃費は“同等のガソリン車の2倍”の28kmを達成。215万円という車両価格は、97年3月の時点での予想よりむしろ低かった、といいます。

 215万円というのは、ライバルのホンダの価格よりも低く下げたともいわれました。燃費はいい、モーターで走るときはプリウスが近づいても人は気づかない…一気に次世代の環境車といわれ爆発的に売れるようになりました。

 所有しているだけでステイタスがあるともいわれました。トヨタは、プリウスで大成功し、21世紀の初頭の2008年には米GMを抜いて世界1の自動車メーカーになりました。

4代目プリウス


 プリウスもすでに4代目。燃費は、40・8kmにも伸び、プラグインのプリウスの電気走行は68・2kmにも伸びています。ハイブリッドの車種は増え続け、2016年2月には、世界の累計販売台数が1000万台を超えました。

 しかし日本では、ハイブリッド車が圧倒していますが、世界では少数派にとどまっています。

 トヨタがハイブリッドの技術を磨いているなかで、ひたひたと迫ってきたのが電気自動車(EV)です。蓄電池の研究開発が飛躍的に進み、EVの走行距離がガソリン車の背中が見えるようになったのです。

 AI(人工知能)を搭載した自動運転、ガソリン車からEVへと世界の自動車産業は一気に動き始めました。グーグルやアマゾンなど異業種のIT企業がライバル企業になる時代へ突入したのです。

 ハイブリッドでの成功体験をしたトヨタが、EVでは“出遅れた”とメディアからいわれています。電機などのIT技術者の引き抜きや中途採用など、トヨタはEVシフトを強めています。

 ハイブリッド車や燃料電池車の「ミライ」で次世代車の開発の先頭を切ってきたトヨタ。EV開発の大動乱の時代になりそうな21世紀前半のトップランナーになれるかどうか? 正念場を迎えています。
トヨタ車 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/09/06 07:56

◎使いにくい企画業務型裁量労働?

 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会(8月30日開会)で、厚労省は企画業務型裁量労働制に、「営業」(課題解決型提案営業)と「裁量的にPDCAを回す業務」の2つの業務を加えようとしています。

 裁量労働とは、働いた時間にかかわりなく、あらかじめ労使で決めた時間を働いたとみなす働き方です。労働基準法の1日8時間、週40時間の労働時間規制をはずすものです。「企画業務型」と「専門業務型」の2つがあります。

 「企画業務型」は、「企業の企画部門で経営環境を調査分析し、経営計画を策定する労働者」(厚労省)としています。厚労省の調査では、適用労働者の割合は0・3%、導入企業の割合は0・9%にとどまっています。

 「専門業務型」は、新商品や新技術の研究開発、情報処理システムの分析・設計、新聞記者、弁護士など19業務に限定されています。

ランニング
(健康のために、昼休みにランニングする技術労働者ら)

 日本経団連は、一部の業務に限られていることや、労働基準監督署に書面で6カ月ごとに報告が義務付けられていることなどから、「使いにくい」といって規制緩和を求めてきました。

 厚労省は、こうした企業の要求を受け入れ、「企画業務型」にあらたに2業務を増やすとともに、「使用者の労働基準監督署への報告義務は、制度導入後6カ月目のみとするよう簡素化する」としています。

 トヨタでは、企画裁量型で370人、専門業務型で1403人、合わせて1773人が働いています(17年3月時点)。

 このブログ「トヨタで生きる」で明らかにしたように、トヨタは事務・技術職の約7800人に、“裁量労働的”働き方である「新しい時間管理制度 FTL(I)」の導入をめざし、トヨタ労組と話し合いをしています(上、下の2回)。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2615.html

 自動車産業は今、ガソリン車から電気自動車へのシフト、AI(人工知能)技術を不可欠にした自動運転など自動車産業が激変の時代を迎えています。しかもグーグルやIBM、アマゾンなど異業種のIT企業との競争が激化しています。

 トヨタは、裁量労働制の規制緩和や「残業代ゼロ」法案(高度プロフェッショナル制度)などの成立を待ってはおれない“お家の事情”があるのでしよう。現行法の枠のなかで、“裁量労働的”働き方を実現しようというのです。

 「FTL(I)」とは、「Free Time & Location for Innovation」の略です。時間と場所から自由になる革新的な働きかたという意味ですが、労働時間の規制をはずしたいのでしょうか。

               ◇

 この記事は、9月5日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
職場は今 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/09/04 16:47

◎「直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に」 北朝鮮の核実験強行で志位委員長

 北朝鮮が9月3日、6回目の核実験を強行したことについて、日本共産党の志位和夫委員長は同日、ただちに、「北朝鮮の核実験を厳しく糾弾する――危機打開のため直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に」との談話を発表しました。全文は次の通りです。

……
一、北朝鮮は本日、昨年9月に続く6回目の核実験を強行した。北朝鮮は、「ICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載の水素爆弾の実験を成功させた」と主張している。

 北朝鮮の核実験は、今年だけでも13回行った弾道ミサイル発射とともに、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙である。それは、国際社会が追求している「対話による解決」に逆行する行為であり、核兵器禁止条約の採択など「核兵器のない世界」を求める世界の大勢に逆らうものである。

 日本共産党は、強い憤りをもって、この暴挙を糾弾し、抗議する。

赤旗 北朝鮮核実験 20170904


一、いまの最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということである。万が一にもそうした事態が引き起こされるならば、その被害は日本にも深刻な形で及ぶことになる。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければならない。

 私は、8月12日に発表した「声明」で、現在の危機の打開のためには、米朝の直接対話が必要だと提起したが、それはいよいよ緊急で切実な課題となっている。

一、北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求める。米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために、直接対話に踏み出すことを重ねて呼びかける。

 8月29日の国連安保理議長声明は「対話を通じた平和的で包括的な解決」を加盟国に呼びかけている。国際社会および日本政府に対して、米朝両国に直接対話をうながし、平和的・外交的な手段で核・ミサイル問題を解決するために、可能なあらゆる手立てをとることを強く要請する。

 とくに日本政府が、「対話否定論」に固執する態度をあらため、「いまこそ対話に踏み切るべきだ」ということを米国政府に説くことを、強く求める。
……

(参考)
朝日 北朝鮮核問題年表
(朝日新聞、9月4日付)
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/09/04 08:56

◎「原発やめろ」と首相官邸前行動 安倍政権、英原発融資を全額補償

 原発ゼロをめざす毎週金曜日の行動が9月1日、東京・首相官邸前をはじめ全国各地で行われた。首相官邸前では、約700人が参加。九州電力や関西電力が、玄海原発(佐賀県)や大飯原発(福井県)の再稼働計画を発表するなか、参加者は、「再稼働するな」「安倍首相は原発やめろ」などとコールした。

 安倍政権は、日立製作所が英国に建設する原発について、三菱東京UFJ銀行などメガバンクが融資する建設資金を、政府が全額出資する日本貿易保険を通じて全額補償するという(日経新聞、9月1日付)。

 日立は、英国の電力企業、ホライズン・ニュークリア・パワーを2012年に買収し、子会社化している。日経によると、英国中部のウィルファで、2兆円を超える原発2基を19年中に建設を開始する。

 この巨額な資金には、日立や英国政府、日本政策投資銀行などだけでなく、メガバンクの融資が不可欠で、日本貿易保険の全額補償が条件。来日したメイ英首相と安倍首相の会談(8月31日)で原発建設の協力推進を確認した。

 原発は、スイス、リトアニアでは、国民投票で否決され、韓国では文大統領が建設計画の白紙撤回を表明した。ベトナムでも、日本の原発計画を白紙撤回した。

日立 本社
(JR東京駅=右側のレンガづくりの駅舎=前の日立製作所本社=左側のビル)

 こうしたなかでの日立の英国への原発輸出に、日本貿易保険が全額補償するのは、「異例の措置」(日経)だ。その日立の名誉会長の川村隆氏(77)が、福島第一原発事故を起こした東京電力の会長に就任した(6月)。

 日本経団連会長の就任を蹴ったほどの川村氏が、あえて東電の会長に就任したのは、原発メーカーの原発推進以外のなにものでもないだろう。原発を世界に輸出しようとする日立。それを全面バックアップする安倍首相。福島第一原発事故を起こした日本のすることだろうか?

 国連の核兵器禁止条約に背を向け、長崎の被爆者から「あなたはどこの国の総理ですか?」と問い詰められた(8月9日)安倍首相。福島第一原発事故の避難者(17年3月時点で約12万人)からも、問われるだろう。「あなたはどこの国の総理ですか?」
原発ゼロへ | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/09/03 10:41

◎大企業の内部留保 400兆円超 トヨタは17兆円

 財務省は9月1日、2016年度の法人企業統計を発表しました。大企業(金融・保険業を含む、資本金10億円以上)の内部留保は、初めて400兆円を超え403・4兆円となりました。

 15年度より17・6兆円増えました。安倍晋三政権が発足した12年度(333・5兆円)から69・9兆円増やしました。安倍政権は、円安、株高に誘導する「アベノミクス」を推進し、法人実効税率を政権発足時の37・0%から16年度は29・97%へと7・03ポイントも引き下げました。

 こうした大企業優遇政策が内部留保を押し上げたことになります。

赤旗 内部留保の推移


 このうちトヨタ自動車の内部留保は17兆6010億円にのぼり、ダントツの1位です。資本金10億円以上の大企業は約2400社ありますが、トヨタ1社で大企業の内部留保の4・4%も占めていることになります。

 しかも安倍政権の発足時のトヨタの内部留保(13年3月期決算)は、12兆6892億円でしたから、4兆9118億円も増やしたことになります。アベノミクスの恩恵を一番受けた企業になります。

 2015年10月16日の経済財政諮問会議で、麻生太郎副総理兼財務相は「企業収益等の動向について」の資料を提出。「経営陣には、過去最高水準の企業収益を、更なる収益力の向上に向けた投資や従業員の給与などに振り向けることが求められているのではないか」とのべました。

麻生資料2
(麻生太郎財務相が2015年10月の経済財政諮問会議に提出した「現金・預金と内部留保の推移」の表)

 その上で、「現金・預金と内部留保の推移」というグラフを示しました。内部留保は、2002年の188兆9000億円から14年の354兆4000億円にまで積み上がっているという表です。

 それから、わずか2年。内部留保は400兆円を超えており、安倍政権も認めているように、「設備投資や給与などに振り向ける」ことは、ますます切実になっています。
内部留保 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2017/09/02 11:57

◎「残業代ゼロ」法案と残業の上限規制を一本化

 安倍政権は9月末にも開く臨時国会に、労働関係の2つの法案を一本化して提出しようとしています。8月30日に開いた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会で厚労省側が正式に表明しました。

 1つは、2015年に提出した「残業代ゼロ」法案(高度プロフェッショナル制度)で、野党や労働界の強い反対で、2年以上論議されず棚ざらしになってきました。

 同法案は、「労働時間の規制を除外する」といって、労働基準法の1日8時間、週40時間の労働時間規制をなくすもので、残業代はなくなります。

 対象労働者は、金融商品の開発業務や研究開発業務など“高度プロフェッショナル”な仕事にたずさわり、労働者の平均賃金の3倍以上(年収1075万円を参考に検討)で、希望する者などとしています。

 同時に、何時間働いても一定時間しか働いたことにならない裁量労働の企画業務型に、「営業」(課題解決型提案営業)と「裁量的にPDCAを回す業務」を加えようとしています。PDCAとは、Plan(計画)-Do(実行)―Check(評価)-Act(改善)のサイクルを回す業務のことをいいます。

15 高度プロフェッショナル 労政審
(労働政策審議会の分科会で示された「残業代ゼロ」法案=「高度プロフェッショナル制度」の創設について=の骨子)

 もう1つは、残業時間の上限規制法案です。上限規制といいますが、残業は「2~6カ月の平均で月80時間」、繁忙期には「月100時間未満」まで認めるものです。

 厚労省が過労死ラインとしている「月80時間」を上回るものです。上限規制というのなら、厚労大臣告示で定めている週15時間、月45時間を法案化すべきです。

 安倍政権は、この2つの法案を労働基準法改定で一本化するというものです。残業の上限規制では、日本経団連が「月100時間」、連合が「月100時間未満」で対立し、安倍首相の裁定で「月100時間未満」で合意したという経過があります。

 また連合では、「残業代ゼロ」法案でも、「年104日以上の休日確保の義務化」などを安倍首相に求めて容認する動きがありましたが、連合内の組合から強い反対が噴出し、撤回した経過があります。

 連合は、この日の対応について、「労働者側委員からは、時間外労働の上限規制の法案は、長時間労働を是正するために早期に実現すべきであるが、一方で、2015年法案(注、「残業代ゼロ」法案のこと)は、時間外労働の上限規制とは趣旨が異なるため、法案の一本化には反対であることを述べました。…企画業務型裁量労働制の対象業務拡大と高度プロフェッショナル制度の創設については反対であることを主張しました」(連合のホームページから)としています。

 全労連は、「残業代ゼロ」法案や安倍政権が提案している残業の上限規制は、「過労死ラインを容認するもの」として強く反対しています。
残業代ゼロ法案 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/09/01 16:56

◎追突事故を9割減らせる トヨタが踏み間違い防止

 高齢の知人が銀行の駐車場から車を発進するさい、誤ってガードを突き破って転落した。駐車場は、少し高台にあったが、幸いなことに下は草地だったために、けがはなかった。

 草地には、コンクリート製の倉庫もあり、危ないところだった。ブレーキとアクセルの踏み間違いだったようだ。高齢者の踏み間違い事故が後をたたない。なんとかならないのか?

 そんな折、トヨタ自動車が8月28日、踏み間違い事故などを防ぐための「安全運転サポート車」(国交省の呼称)を、2018年度までに販売する車の9割に搭載すると発表した。

 トヨタは、踏み間違えなどを防ぐ「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」と衝突回避支援パッケージの「トヨタセーフティセンス」の2つの安全装置を付けることによって事故を減らせるとしている。

 「ICS」は、8つのソナーを車に搭載。アクセルを抑制し、ブレーキを制御して事故を防ぐ。ソナーはカメラと違い、障害物がガラスでも、しっかりと感知するために、バックも含め前後方向に対応しているという。

 「トヨタセーフティセンス」は、ミリ波レーダーやレーザーレーダー、単眼カメラのセンサーを組み合わせたもので、追突事故や車線逸脱事故、暗い夜での事故などを防ぐとしている。PやCの装備があるという。

80 8つのソナー
(8つのソナーが前後方向の障害物を感知し、自動でブレーキをかける=トヨタのホームページから)

 トヨタは、2016年12月~17年12月まで、「ICS」と「トヨタセーフティセンス」の2つの装備を搭載したプリウスと、搭載していない車とを比較調査した。

 その結果、装備した車の追突事故の発生率は0・02%で、装備がない場合の0・2%に比べて9割低くなったという。4代目プリウスや新型カムリは、「ICS」を装備しているという。

 ただし、事故を100%防げるものではなく、現時点では衝突を回避したり、事故を軽減できるもののようだ。販売店で、くわしく説明を受ける必要がある。

 ブレーキとアクセルの踏み間違いなど、高齢者の事故を防ぐことは、喫緊の課題だ。もはや生活必需品となった軽自動車もふくめ、高齢者が安全に運転できる車の開発が急がれる。
未分類 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/08/31 17:18

◎北朝鮮の弾道ミサイル発射に厳しく抗議

 「しんぶん赤旗」日刊紙は8月30日のトップ記事で、前日の午前5時58分ごろに、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことに厳しく抗議する記事と志位和夫委員長の談話を掲載しました。志位委員長の談話は、次の通りです。

……
 一、北朝鮮は、本日、国際社会が強く自制を求めているもとで、弾道ミサイルの発射を強行した。これは、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議などに違反する暴挙である。通告なしに日本列島の上空を飛び越える発射は、きわめて危険な行為である。日本共産党は、厳しく糾弾し、抗議する。

 とりわけ、今回の発射は、米国を含めて国際社会が対話による解決を模索しているもとで、それに逆行する性格をもつ行為であることを、強調しなければならない。

 一、世界と地域の平和と安定を破壊し、おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は絶対に回避しなければならないことを、重ねて強調する。
 北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求める。国際社会および関係国に対して、経済制裁の厳格な実施・強化と一体に、対話による解決の道を粘り強く追求することを、強く要請する。
……

赤旗 北朝鮮
(「しんぶん赤旗」、8月30日)

 このブログ、「トヨタで生きる」に、29日の午後6時前、次のようなコメントが寄せられました。

……
 本日早朝に起きた北朝鮮の核ミサイル実験は共産党上層部の指示により記事に致しません。
……

 とんでもないコメントであり、日本共産党のホームページに掲載された志位委員長の上記の談話を午後7時30分にコメント欄にアップしました。

 「トヨタで生きる」では、核兵器・ミサイル開発を加速させている北朝鮮が8月10日、中距離弾道ミサイル4発をグアム島の沖の海上に同時に撃ち込む案を検討するなど米国を恫喝していることを厳しく批判。ミサイルは、「島根県、広島県、高知県の上空を通過することになる」などと表明したことについて、志位委員長の談話を8月13日にアップしています。
 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2607.html

 コメント者は、こうした記事をご存じないのでしょうか? 日本共産党や「トヨタで生きる」は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を厳しく批判し、「対話による解決」を強く求めています。
戦争と平和 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/08/30 21:03

◎長時間労働、過労死がない職場を 高岡工場前で日本共産党が訴え

 日本共産党のトヨタ自動車委員会と大村よしのり、根本みはるの両豊田市議は8月24日、トヨタ高岡工場前で、出退勤する労働者らに訴えた。

 月1回のトヨタの工場前での訴えは、これまで堤工場前で行ってきた。衆院議員の任期(18年12月)が1年数ヶ月後になった。いつ解散総選挙あってもおかしくない状況になり、今月は久しぶりに高岡工場前で行った。

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 高岡工場は、プリウスαやウイッシュ、オーリスなどを生産している。工場門前に、こうした車が展示してある。出退勤する労働者は、若者が多い。この日はよく晴れて日差しが強かった。

 大村、根本の両市議は、まず豊田市政の問題では、トヨタの企業城下町で財政が豊かな豊田市なのに、小中学校の教室はエアコン設置が0である異常さを取り上げた。

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 全国平均では約50%にまでなっていることをあげ、熱中症が社会問題になるなか、エアコンの設置はまったなしの状況であることを訴えた。保育園の給食業者が倒産し、給食に支障が出たことなどを指摘し、大型開発や大企業中心の市政から市民を応援する市政につくりかえようと訴えた。

 また国政問題では、国政を私物化する森友・加計学園問題や共謀罪法の強行、憲法9条に自衛隊を明記し、2020年には施行させることを表明した安倍政権は、国民の支持を急速に失い、崖っぷちに立たされていると強調した。

 そして、来たるべき総選挙では、「野党と市民」の共闘進め、安倍自公政権を退陣に追い込もうと呼びかけた。

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 党員会の代表は、トヨタが工場労働者に毎月評価し、毎月賃金が変わる成果主義賃金を導入したのに続き、事務・技術者には、“裁量労働的”働き方の「FTL(I)」(Free Time & Location for Innovationの略)を導入することを労使で話し合っていること――いわゆる「働き方改革」などを取り上げた。

 こうした職場の大きな変化は、ガソリン車から電気自動車へと自動車産業の構造が大きく変わっていくことと連動した動きであることを訴えた。長時間労働や過労死がなく、働く者にとって安心できる職場づくりのために、みなさんといっしょに頑張りたいと呼びかけた。

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トヨタ党委員会 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/08/29 17:38

◎安倍内閣支持、不支持は拮抗するが、無党派の支持は戻らず

 日経新聞とテレビ東京の世論調査(25~27日)で、安倍内閣の支持、不支持率がそれぞれ46%と拮抗していました(日経新聞8月28日付)。7月下旬の調査では、支持が39%、不支持が52%と逆転していました。

 国政を私物化する森友・架計学園問題、南スーダンPKOの「日報」の隠ぺい問題、憲法9条に自衛隊を明記し、戦争ができる国にする――などで安倍政権は支持率を急落させていました。

 内閣改造(8月3日)で、稲田朋美防衛相、金田勝正法相ら問題の閣僚を更迭したことで8月は支持率を6ポイント上げて46%になったものの、日経は次のように指摘します。

・無党派層の支持率は19%と2割を切る。
・男女別では男性の支持率が51%に対し女性は40%にとどまる。
・安倍晋三首相の来年9月の自民党総裁3選にも反対が5割を超す(52%)。
・無党派層の内閣支持率は7月の17%から19%と顕著な回復はみられない。

図 日経世論調査 2017年8月
(日経新聞、8月28日付から)

 その上でこう分析しています。「支持率急落の原因となったのは国会で野党が追及を強めた『加計学園』問題や南スーダンの日報問題などだったが、今は国会が開かれていない。世論の関心の薄れが支持率回復につながっているだけの可能性もある」

 民進党や日本共産党など野党4党が、早期の臨時国会開催を要求していますが、安倍政権や自民党は安倍首相の外遊などを口実に9月下旬に先送りして、国民世論の鎮静化をねらっています。

 また日経は、「首相が目指す憲法改正にも暗雲が漂う」と指摘しています。安倍首相は5月3日の憲法記念日に、憲法9条に自衛隊を明記し、2020年に施行することを表明。15年の安保法制(戦争法)の強行とともに、日本が「戦争できる国」に作り替えることをめざしています。

 そのためには来年9月の自民党総裁選で3選されることが必須条件です。日経は、「安倍首相が来年9月の自民党総裁選で3選され首相を続投することに『反対だ』が52%と『賛成だ』の40%を上回った。無党派層の65%が反対し、自民党支持層でも30%が反対と答えた。今年2月の調査では安倍首相の続投に『賛成だ』が63%に達し『反対だ』の28%を大きく上回っていた」と指摘します。

 しかも日経は、「自民党が憲法改正案の国会提出についてどうすべきか3つの選択肢で聞くと「今年秋の臨時国会に提出すべきだ」は20%どまり。「来年の通常国会以降に提出すべきだ」が37%、「憲法改正案を国会に提出すべきでない」が30%だった。自民党支持層に限っても「来年の通常国会以降」が50%と最も多かった、といいます。

 安倍首相の2020年と区切った改憲に、国民は冷静な目で見ています。安倍首相の9条改憲の策動を国民は絶対に許さないでしょう。

安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/08/28 16:21

◎「野党共闘、他に道ない」 日経が不破・前議長にインタビュー

 日本経済新聞(8月24日付)が、日本共産党の不破哲三・前議長にインタビューしています。野党共闘のあり方や資本主義をどう見るか、政党と労働組合の関係、自衛隊問題、中国についてなど多岐にわたっています。

 これだけのテーマでしたら、少なくとも2ページほどが必要ですが、紙面の半分ほどというコンパクトなつくりのなかで、ポイントだけを不破・前議長の言葉からうまく切り取りとって掲載しています。

 見出しは、「野党共闘、他に道ない」と実に端的です。

……
 ――共産党結党から95年になりますが、政権にたどり着いていません。
 「1980年に社会党(現社民党)と公明党が連合政権構想で合意し、共産党排除を打ち出した。共産党との共闘はタブーとする時代が始まり、34年間続いた。過去の政権交代は共産党を排除した結果、失敗した」

 「2014年に基地問題で保守と革新が連携する『オール沖縄』という団結の旗が揚がり、翌年に市民と野党の共闘が始まった。安全保障関連法成立で共闘が始まり、政界に大きな変化を生み出した。本当に日本の政治を変えるなら野党の連合戦線は避けられない」
……

50 日経 不破インタビュー
(日経新聞8月24日付の不破・前議長インタビュー)

 日本共産党排除の1980年の「社公合意」から34年、それを乗り超えた15年の安保法制(戦争法)のたたかいで、市民とともにつくりあげた野党共闘――歴史の大道を不破・前議長は骨太に語ります。

……
 ――政権獲得に意欲を感じます。
 「意欲は大いにあるが、慌てない」
 ――共産党が国会前の安保法反対のデモで「野党団結しろ」と言わせたとの見方もある。
 「知識人をバカにするもんじゃない。私たちが全戦線を動かしていることは絶対あり得ない」

 ――資本主義をどう見ていますか。
 「危機的な様相を強めている。社会的な矛盾が高まっている。一番大きいのは社会的格差の拡大だろう。資本主義が格差を拡大するのは昔からの法則だが、これほど極端になったことはない」
……

 資本主義の格差問題を端的に語れるのは、日本の「資本論」研究の第一人者でもあるからです。不破・前議長の著作には、労働者向けの『「資本論」全三部を読む―代々木「資本論」ゼミナール・講義集』などがあります。

 今年は、『資本論』第1巻刊行から150年の節目の年です。この8月に「しんぶん赤旗」に14回連載をしたばかりです。

……
 ――支持層を広げるため、党名や綱領を見直す考えはありますか。
 「党名はこれが一番魅力的だ。共産党という名前をなくしたら(支持率は)がくんと落ちる。党名をころころ変えるのは日本の政界の悪習だ。綱領改定は当面の中心任務とする(一定の政策合意で政権に加わる)民主連合政府が実現したような段階で出てくる性質の問題だ」

 ――安倍政権は野党4党の選挙協力を「野合」と批判しています。
 「自民党と公明党こそ野合の典型だ。公明党は都議選で都民ファーストの会に支持を切り替え、自民党候補が落ちても涼しい顔をしている。自民党も国政では平気で公明党を受け入れる。我々は綱領や世界観が異なっても、国民が求めている当面の一致点を共同して実現する。これが独立した政党の間の共闘の姿だ」
……

2015年9月 名古屋市駅前
(2015年9月に名古屋駅前で開かれた安保法制に反対する集会。「野党は共闘」の声が高まりました)

 党名を変えろとか、野党共闘は野合という批判にも痛快に答えています。次の政党と労働組合との関係も重要な指摘です。

……
 ――民進党最大の支持団体の連合は共産党との協力を嫌がっています。
 「政党と労働組合の関係は『社会党イコール総評』という時代から続く問題だ。社会党は『労組依存主義』からの脱却を唱え続けたが、実行できずに終わった。そろそろ、政党と労組の双方が自主性を確立すべき時が来ているのではないか」

……

 インタビューは、民進党の代表選から衆院選での共闘、自衛隊問題とすすみます。

……
 ――民進党代表選に立候補した前原誠司、枝野幸男両氏のどちらが好ましいですか。
 「言わない方がいい。来るべき衆院選を考えるとほかに道はないように思う。共闘しかない」

 ――共闘の維持を掲げる枝野氏は共産党の政権入りを否定しました。
 「世の中すべて変化するものだ」
 ――国民連合政府は第1党から首相を出しますか。
 「内閣の顔ぶれまで予想するのは早すぎる。政権に共産党が入閣して参加するか、入閣しないで参加するかは未知数だ」

 ――政権交代を実現しても先が見通せません。
 「あまり細かいことを書いたってその図面通りにいくわけじゃない」
 ――野党共闘で経済はうまくいきますか。
 「安倍晋三さんより、はるかにうまくいく。安倍経済は国の借金をどこまでも増やして結構という経済学だ。そういう経済運営なら誰でもできる」

 ――将来的に自衛隊は解消する必要があるとの立場は変わりませんか。
 「この段階で国民は自衛隊をなくすことを認めない。新しい政府が平和外交に取り組み、アジアの平和環境を確立し『警察力だけで安心だ』となって初めて手をつける。それまで余分な軍備は縮小するが、日常的には災害などの対策を担い、軍事的危険が起きたら国の防衛任務にあたる。違憲状態が続くのはやむなし」
……

 日経のインタビューは、一部にある日本共産党への偏見から出発するのではなく、国民・労働者の思いを代弁して不破・前議長に率直に問うています。トヨタ自動車の社員の多くが日経新聞を読んでいます。不破・前議長の話は、どのように響いたでしょうか?
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/08/27 10:19

◎「市民連合」が民主代表選の前原、枝野の両氏に要望書

 2015年に安倍政権が提出した違憲の安保法制(戦争法)に反対してきた市民グループの「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(「市民連合」が8月25日、民主党代表選(9月1日)に立候補している前原誠司氏と枝野幸男氏に「要請書」を提出しました。

 「市民連合」の世話人の山口二郎法政大教授らが記者会見して明らかにしました。「市民連合」は、安保法制が安倍政権と自民党、公明党によって強行されるなかで、集団的自衛権の行使など違憲の安保法制の廃止と立憲主義の回復を求めて学者や学生、ママなどによって結成されました。

 安保法制に反対した民進党、日本共産党、自由党、社民党の野党共闘の市民の側からの要になってきました。昨年夏の参院選挙で、野党が32の1人区ですべて共闘。11選挙区で勝利するうえで大きな役割を果たしてきました。

 「要請書」では、①市民連合と立憲4野党が確認した共有政策を発展させる、②立憲4野党と市民の協力を前進させる――の2点を前原、枝野の両氏に要請しています。全文は、次の通りです。

……
 この度の民進党代表選挙に当たり、党の再建と日本の民主政治の回復のために立候補されたことについて、深い敬意を表します。

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を実現し、個人の尊厳を擁護する政治を求める全国各地の市民とともに、参議院選挙、さらに次の衆議院総選挙に向けて戦ってきた私たち市民連合としても、この代表選挙が野党第一党、民進党のリーダーシップと政策を再構築するための有意義な機会となるよう念願しています。

 代表選挙の候補者のお二人に、市民連合として二点要望を申し上げたいと存じます。

市民連合 写真
(「市民連合」のホームページから)

①  市民連合と立憲4野党が確認した共有政策を発展させる
 安倍政権に代わる国民本位の新政権を樹立するためには、野党第一党たる民進党が中心とならざるを得ません。5年になろうとする安倍政権の失敗と罪を厳しく総括し、安倍自民党との明確な対抗軸を構築することがこの代表選挙の課題です。

 何より重要なのは、安倍政権による憲法破壊を止め、日本を立憲主義、民主主義の国に戻すことです。安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法の廃止は、民進党の国民に対する責務だと考えます。また、国民生活不在のアベノミクスに終止符を打ち、生活者・働く者本位の経済・社会政策に転換することも急務です。

 これらの課題について、今年4月に市民連合と立憲4野党が合意した政策の基本枠組みを踏まえて、さらに発展させることを要望します。

② 立憲4野党と市民の協力を前進させる
 広範な市民と立憲4野党の結集と協力なくして、安倍政治を終わらせ、「国民とともに進む政治」に転換することはできません。安保法制反対運動以来、立憲4野党は国会の内外で協力を重ね、民主政治の危機を憂える市民の期待に応えてきました。

 蓮舫代表のもとで次の総選挙に向けて4野党が協力することも合意されています。公党間の合意は新執行部でも尊重されなければなりません。そうした手続き論の次元だけではなく、市民の期待に応えるためにも、民進党が野党協力の先頭に立つことが必要です。

 次の総選挙が近づく中、今の民進党に何より必要なことは、日本の立憲主義と民主主義を取り戻すための基本的な理念と方向性の確認です。2年余りの経験と実績を持つ立憲4野党と市民の結集を強固にすることが、安倍自民党に対する対抗勢力の構築に不可欠です。

 民進党が新体制の下で結束を強化し、政治刷新の先頭に立つよう強く願っています。また、私たち市民連合も、新代表とともに総選挙に向けて市民と立憲4野党の共闘を深化させていきたいと念願しています。
……
その他 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/08/26 18:05
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